JP2006086349A - 電子部品及び固体電解コンデンサ並びにその製造方法 - Google Patents

電子部品及び固体電解コンデンサ並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体チップ等の素子2の部分を、合成樹脂製のパッケージ体5にて、前記素子に電気的に繋がるリード端子3,4が当該パッケージ体の側面から突出するように密封して成る電子部品において、前記リード端子3,4を前記パッケージ体の底面に向かうように折り曲げることで前記素子に対する耐湿性が低下することを回避する。
【解決手段】 前記リード端子3,4のうち前記パッケージ体5に対する付け根部の部分に、合成樹脂6を、前記リード端子3,4の表面と前記パッケージ体5の表面との両方に跨がるように塗布する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体チップ等の素子の部分を合成樹脂製のパッケージ体にて密封して成る電子部品と、コンデンサ素子を合成樹脂製のパッケージ体にて密封して成る固体電解コンデンサと、これらの製造方法とに関するものである。
一般に、半導体チップなどの素子の部分を合成樹脂製のパッケージ体にて密封して成る電子部品においては、前記パッケージ体をトランファ成形するときに、前記素子に対するリード端子を当該パッケージ体の側面から外向きに突出し、このリード端子のうちパッケージ体から突出する部分を、半田付けのためにパッケージ体の底面に向かう方向に折り曲げるという構造にしていることは周知の通りである。
ところが、この構造においては、前記パッケージ体の側面から外向きに突出するリード端子をパッケージ体における底面の方向に折り曲げるとき、このリード端子の前記パッケージ体に対する付け根部に曲げモーメントのストレスが作用することにより、これを囲う前記パッケージ体との間に剥離が発生し、この剥離した隙間から大気が進入するから、半導体チップ等の素子に対する耐湿性の低下を招来することになる。
そこで、先行技術としての特許文献1は、前記パッケージ体をトランファ成形する前において、前記リード端子のうち当該リード端子が前記パッケージ体から突出する部分における表面に、ポリイミミド膜又はエポキシ系樹脂をコーティングしておき、その後において前記パッケージ体をトランファ成形することにより、リード端子の折り曲げに際して、パッケージ体との間に剥離が発生することを回避するようにしている。
特開平6−151644号公報
しかし、先行技術の構成によると、リード端子がパッケージ体から突出する部分における表面に、ポリイミミド膜又はエポキシ系樹脂をコーティングするためのエリアを確保しなければならず、換言すると、前記パッケージ体の内部に、前記リード端子の表面にポリイミミド膜又はエポキシ系樹脂をコーティングするためのエリアを確保しなければならないから、このコーティングエリアの分だけ電子部品の大型化及び重量のアップを招来することになる。
特に、パッケージ型の固体電解コンデンサにおいては、そのコンデンサ素子が、例えば、特開平9−223644号公報等に記載されているように、タンタル等の弁作用金属の粉末を多孔質に固め焼結して成る陽極チップ片の表面に誘電体膜と固体電解質膜及び陽極膜を形成して成る構成であって、その耐湿性が半導体チップに比べて著しく低いことにより、このコンデンサ素子を密封するパッケージ体の内部のうちリード端子の表面にポリイミミド膜又はエポキシ系樹脂をコーティングするためのエリアを大幅に広くことが必要である。
このために、前固体電解コンデンサの大きさが予め決まっている場合には、前記コーティングエリアを大幅に広くする分だけコンデンサ素子を小さくしなければならず、ひいては、コンデンサ容量を小さくしなければならないことになる。
また、コンデンサ素子の大きさ、ひいては、コンデンサ容量が予め決まっている場合には、前記大幅に広くする分だけ固体電解コンデンサの外径寸法を大きくしなければならないから、固体電解コンデンサの大幅な大型化と、大幅な重量のアップとを招来するのである。
本発明は、これらの問題を解消したパッケージ型電子部品と、パッケージ型固体電解コンデンサと、これらにおけるリード端子を折り曲げる加工方法とを提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため本発明のパッケージ型電子部品は、請求項1に記載したように、
「半導体チップ等の素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記素子に電気的に繋がるリード端子が当該パッケージ体の側面から突出するように密封して成る電子部品において、
前記リード端子のうち前記パッケージ体に対する付け根部の部分に、合成樹脂を、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布する。」
ことを特徴としている。
また、本発明のパッケージ型固体電解コンデンサは、請求項2に記載したように、
「弁作用金属の粉末を固め焼結した陽極チップに誘電体膜、固体電解質膜及び陰極膜を形成して成るコンデンサ素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記コンデンサ素子における陽極チップ片に電気的に繋がる陽極リード端子及び前記コンデンサ素子における陰極膜に電気的に繋がる陰極リード端子が当該パッケージ体の側面から突出するように密封して成る固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極リード端子及び陰極リード端子のうち前記パッケージ体に対する付け根部の部分に、合成樹脂を、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布する。」
ことを特徴としている。
更にまた、本発明の製造方法は、請求項4に記載したように、
「半導体チップ又はコンデンサ素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記半導体チップ又はコンデンサ素子に電気的に繋がるリード端子が当該パッケージ体の側面から突出するように密封する工程と、この工程に次いで、リード端子のうち前記パッケージに対する付け根の部分に、合成樹脂を液体の状態で、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布する工程と、この工程に次いで、前記リード端子を前記付け根の部分から前記パッケージ体の底面の方向に折り曲げる工程と、この工程に次いで、前記合成樹脂をキュア処理する工程とから成る。」
ことを特徴としている。
このように、リード端子のうちパッケージ体に対する付け根部の部分に、合成樹脂を、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布するという構成にすることにより、前記パッケージ体にて密封した素子又はコンデンサ素子に対する耐湿性がリード端子の折り曲げによって低下することを、前記合成樹脂によって確実に防止することができる。
従って、本発明によると、前記先行技術のように、リード端子のうちパッケージ体内の部分にコーティングエリアを設けることを省略できるから、電子部品又は固体電解コンデンサにおける大幅な小型化と、大幅な軽量化とを図ることができる。
この場合において、請求項3に記載したように、塗布する合成樹脂を、撥水性の合成樹脂にすることにより、この合成樹脂による耐湿性を更に確実に向上できる利点がある。
また、請求項4に記載した製造方法は、前記合成樹脂を液体の状態で塗布し、次いで、リード端子を折り曲げ加工したのち、前記合成樹脂をキュア処理するもので、これにより、前記リード端子の折り曲げ加工に際し、パッケージ体との間に剥離が発生して隙間ができても、この隙間を、前記合成樹脂にて略完全に埋めることができるとともに、前記リード端子の折り曲げの内側にも前記合成樹脂を確実に塗布することができるから、前記した効果を有する電子部品又は固体電解コンデンサを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図5の図面について説明する。
この図1〜図5は、固体電解コンデンサに適用した場合であり、この固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2と、一直線に配設した一対のリード端子3,4と、合成樹脂製のパッケージ体5とで構成されている。
前記コンデンサ素子2は、タンタル等の弁作用金属の粉末を多孔質の陽極チップ片2aに、当該陽極チップ片2aの一端面から陽極棒2bが突出するように固め焼結し、この陽極チップ片2aの表面に誘電体膜を形成し、この誘電体膜の表面に導電性高分子による固体電解質膜を形成し、この固体電解質膜の表面に陰極膜2cを形成したものに構成されている。
このコンデンサ素子2を、前記一対のリード端子3,4の間に供給して、その陽極棒2bを両リード端子3,4のうち一方の陽極リード端子3に溶接等にて固着する一方、その陰極膜2cに、両リード端子3,4のうち他方の陰極リード端子4を導電性ペースト7にて接合する。
前記コンデンサ素子2の部分を、前記パッケージ体5にて、前記両リード端子3,4が当該パッケージ体5における左右両側面から外向きに突出するように密封する。
なお、このパッケージ体5は、合成樹脂のトランスファ成形による。
前記両リード端子3,4のうち前記パッケージ体5から突出する付け根の部分には、図3,図4及び図5に示すように、その表面及び裏面に、アクリル樹脂又はシリコン系樹脂等のように熱可塑性で撥水性を有する合成樹脂6を、液体の状態で、前記両リード端子3,4の表面と前記パッケージ体5の表面との両方に跨がるように塗布する。
次いで、前記両リード端子3,4のうち前記パッケージ体5から突出する部分を、前記パッケージ体5の底面に向かって下向きに折り曲げし、更に、その先端の部分を、前記パッケージ体5の底面と平行になるように、図1に実線で示すように、内向きに折り曲げるから、図1に二点鎖線で示すように外向きに折り曲げる。
そして、この両リード端子3,4に対する折り曲げ加工が終わると、前記合成樹脂6に対する加熱等のようなキュア処理を行う。
このように、前記両リード端子3,4のうち前記パッケージ体5に対する付け根部の部分に、合成樹脂6を、液体の状態で、前記両リード端子3,4の表面と前記パッケージ体5の表面との両方に跨がるように塗布し、次いで、両リード端子3,4を折り曲げ加工したのち、前記合成樹脂6をキュア処理することにより、前記両リード端子3,4の折り曲げ加工に際し、パッケージ体5との間に剥離が発生して隙間ができても、この隙間には、前記液体の合成樹脂を進入してこれを略完全に埋めることができる一方、前記両リード端子3,4の折り曲げの内側にも前記合成樹脂6を確実に塗布することができるのである。
なお、前記実施の形態は、固体電解コンデンサに適用した場合であったが、本発明は、これに限らず、半導体チップ等の素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記素子に対するリード端子が当該パッケージ体の側面から外向きに突出するように密封して成るトランジスター又は集積回路等の電子部品についても同様に適用できることはいうまでもない。
固体電解コンデンサの縦断正面図である。 図1のII−II視平断面図である。 リード端子を折り曲げる前の固体電解コンデンサを示す正面図である。 リード端子を折り曲げる前の固体電解コンデンサを上面から見たときの斜視図である。 リード端子を折り曲げる前の固体電解コンデンサを下面から見たときの斜視図である。
符号の説明
1 固体電界コンデンサ
2 コンデンサ素子
2a 陽極チップ片
2b 陽極棒
2c 陰極膜
3 陽極リード端子
4 陰極リード端子
5 パッケージ体
6 合成樹脂

Claims (4)

  1. 半導体チップ等の素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記素子に電気的に繋がるリード端子が当該パッケージ体の側面から突出するように密封して成る電子部品において、
    前記リード端子のうち前記パッケージ体に対する付け根部の部分に、合成樹脂を、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布することを特徴とする電子部品。
  2. 弁作用金属の粉末を固め焼結した陽極チップに誘電体膜、固体電解質膜及び陰極膜を形成して成るコンデンサ素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記コンデンサ素子における陽極チップ片に電気的に繋がる陽極リード端子及び前記コンデンサ素子における陰極膜に電気的に繋がる陰極リード端子が当該パッケージ体の側面から突出するように密封して成る固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極リード端子及び陰極リード端子のうち前記パッケージ体に対する付け根部の部分に、合成樹脂を、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 前記請求項1又は2の記載において、前記合成樹脂が、撥水性の合成樹脂であることを特徴とする電子部品又は固体電解コンデンサ。
  4. 半導体チップ又はコンデンサ素子の部分を、合成樹脂製のパッケージ体にて、前記半導体チップ又はコンデンサ素子に電気的に繋がるリード端子が当該パッケージ体の側面から突出するように密封する工程と、この工程に次いで、リード端子のうち前記パッケージに対する付け根の部分に、合成樹脂を液体の状態で、前記リード端子の表面と前記パッケージ体の表面との両方に跨がるように塗布する工程と、この工程に次いで、前記リード端子を前記付け根の部分から前記パッケージ体の底面の方向に折り曲げる工程と、この工程に次いで、前記合成樹脂をキュア処理する工程とから成ることを特徴とする電子部品又は固体電解コンデンサの製造方法。
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