JP2006085925A - リチウム二次電池用電極およびこの電極を用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電極およびこの電極を用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高エネルギー密度を維持し、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便、安価に作製でき、かつ、低温での短時間出力特性に優れているとともに、高温での充放電サイクル後の出力低下率が抑制されたリチウム二次電池用電極およびその電極を用いたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】 リチウム二次電池用電極の構成を、Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、該活物質の低温時の急激な放電電位降下を抑制可能な電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する少なくとも一種の材料と、少なくとも一種の水溶性有機化合物とを有する構成とする。そして、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料が有する酸性表面官能基の量をイオン交換容量で0.30meq/g以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用電極およびこの電極を用いたリチウム二次電池に関するものである。
近年、ノート型コンピューター、小型携帯機器、あるいは自動車のクリーンなエネルギー源(車載用の電源)として高性能なリチウム二次電池が開発されている。車載用の電源は、ノート型コンピューターなどの民生用途と比較して使用条件が厳しくなる。具体的には、車載用の電源には、(1)高エネルギー密度の要求に加えて、(2)室温下での出力特性が高いこと、さらには寒冷地でのエンジン始動の必要性から、(3)低温下(−30℃程度)での数秒間の短時間出力特性まで要求されている。
従来では、例えば、上記(1)の要求を満たすために、電極に活物質を含ませたり、上記(2)の要求を満たすために、電極薄膜化による低抵抗化等が試みられ、ある程度、電池特性が改善されたリチウム二次電池が提供されるようになっている。
しかしながら、上記従来技術のリチウム二次電池では、低温下においては、電池材料自体に起因した大きな内部抵抗増加(特に固液界面での電荷移動抵抗の増加が著しい)が生じる。このため、充分な短時間出力特性が得られず、要求される上記(3)の特性を満足することは非常に難しかった。
そこで、上記(3)の特性を満足させるため、電気二重層容量を有する材料(例えば高比表面積のカーボン)と、Li含有遷移金属酸化物を有する活物質とを正極に用い、さらに、リチウムイオンを吸蔵・脱離しうる炭素材料を含む負極と、リチウム塩を含む有機電解液とを用いるリチウム二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、電気二重層容量を有する材料は、高速に放電できるコンデンサ成分として機能するので、時定数増加に伴う電池電圧の降下スピードが鈍くなる。その結果、このリチウム二次電池用電極を用いたリチウム二次電池は、低温下での短時間出力特性を向上できる。
また、上記した正極は、活物質と電気二重層容量を有する材料とバインダとを有機溶剤に溶解または懸濁させて、ペーストを作製した後、このペーストを金属箔などからなる集電体の表面に塗布することで作製される。しかし、有機溶剤は環境負荷が大きく、コストもかかるため、有機溶剤を用いることは好ましくない。
これに対して、電気二重層容量を有する材料を含まないが、有機溶剤の代わりに、水を用いて、活物質と水で分散可能なバインダとにより、ペーストを作製し、このペーストを用いて電極を作製する方法がある(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、水を用いているため、環境負荷がなく、また、有機溶剤を用いた場合に必要な装置が不要となるので、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便、かつ、安価に電極を形成することができる。
特開2003−234099号公報 特開2002−42817号公報
上記した2つの従来技術から、活物質と、電気二重層容量を有する材料と、水とを用いて、リチウム二次電池用電極を作製する方法が考えられる。
しかし、水を用いた場合、活物質、電気二重層容量を有する材料を分散させてペーストを作製した後に、乾燥を行うが、完全に水分を除去することは困難である。つまり、これらの材料は比表面積が大きく、吸着水分量が多く、その水分の除去が難しい。そのため、高温での充放電サイクルにより、吸着水分が電解液と反応し、室温出力を低下させるという問題が生じる。
本発明は、上記点に鑑み、高エネルギー密度を維持し、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便、安価に作製でき、かつ、低温での短時間出力特性(以後、低温出力と称する)に優れているとともに、高温での充放電サイクル後の出力低下率が抑制されたリチウム二次電池用電極およびその電極を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、リチウム電池用電極の構成を、Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する少なくとも一種の材料と、少なくとも一種の水溶性有機化合物とを含む合剤層を有する構成としている。そして、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、イオン交換容量が0.3ミリグラム当量以下、もしくは、X線光電子分光法により測定したO/C比が0.06以下である酸性表面官能基を持つことを特徴としている。
本発明の電極では活物質を含むことから、この電極を、請求項8に示すように、リチウム電池に用いた場合に、高エネルギー密度を維持することができる。
同様に、この電極では、結合材として水溶性有機化合物を用いている。これにより、電極の作製時に、溶媒として、有機溶剤の代わりに水を用いることができる。このため、有機溶剤を用いた場合に必要な製造装置を使用する必要がなくなり、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便かつ安価に、電極を製造することができる。
また、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、活物質の低温時の急激な放電電位降下を抑制できる。これにより、本発明の電極を、請求項8に示すように、リチウム電池に用いた場合に、電極に電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料が含まれていないときと比較して、低温出力を向上させることができる。
さらに、本発明の電極では、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、酸性表面官能基の量を0.3ミリグラム当量以下に低減している。これにより、電極に含有する水分量を低減させることができる。この結果、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料が起因する高温での充放電サイクル後の出力低下率を抑えることができる。
なお、請求項2に示すように、酸性表面官能基の量としては、イオン交換容量が0.3ミリグラム当量以下、かつ、X線光電子分光法により測定したO/C比が0.06以下であることが好ましい。
また、請求項3に示すように、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、比表面積が1200m/g以上である炭素材料もしくは導電性高分子材料の少なくとも一方であることが好ましい。電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料の比表面積を1200m/g以上とすることで、より顕著に低温出力向上の効果を得ることができるからである。
また、請求項4に示すように、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、細孔径が2nm以上の細孔容積が0.418mL/g以上である細孔を有する炭素材料であることが好ましい。細孔径が2nm以上で、その細孔容積が0.418mL/g以上とした場合に、より顕著に低温出力向上の効果を得ることができるからである。
また、請求項5に示すように、合剤層における電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料の含有量は、合剤層全体を100質量%としたとき、13.3質量%以下であることが好ましい。
請求項6に記載の発明では、水溶性有機化合物として、アニオン性またはHLBが4以上のノニオン性であるものを用いることを特徴としている。これにより、電極形成時の溶媒として水を用いたときに、水溶性有機化合物を水用の分散剤としても機能させることができる。
また、請求項7に示すように、水溶性有機化合物として、セルロース誘導体を用い、セルロース誘導体の置換度が0.65以上であることが好ましい。これは、電極を形成するために必要な強度を合剤層に持たせるためである。
請求項8に記載の発明では、リチウム二次電池は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電極を用いていることを特徴としている。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(リチウム二次電池用電極)
一実施形態におけるリチウム二次電池用電極について説明する。本実施形態のリチウム二次電池用電極は、例えば、シート形状であり、集電体となる金属泊の表面に合剤層が形成された構成となっている。
この合剤層は、Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する少なくとも一種の材料と、少なくとも一種の水溶性有機化合物とを含有している。なお、以下では、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料を電気二重層材料と呼ぶ。
そして、電気二重層材料は、イオン交換容量が0.3meq/g(ミリグラム当量)以下の酸性表面官能基を有している。言い換えると、電気二重層材料は、酸性表面官能基をほとんど有していない。酸性表面官能基は主に表面に導入された官能基であるが、内部に有することを除外しない。
このリチウム二次電池用電極は、例えば、活物質と電気二重層材料と水溶性有機化合物と必要に応じて含有する導電剤やバインダとを水系の溶媒(水など)に溶解もしくは懸濁させた合材ペーストを作製し、その合材ペーストを適正な集電体などの表面に塗布・乾燥させることで製造されるものである。
電気二重層材料としては、炭素材料と導電性高分子材料とが挙げられる。炭素材料、導電性高分子材料が、それぞれ、本発明の電気二重層容量を有する材料、擬似電気二重層容量を有する材料に相当する。
炭素材料において実用的な電気二重層容量を得るには、高い比表面積と高い導電性を有することが求められる。高い比表面積を有する炭素材料としては、活性炭、発泡炭素、カーボンブラックが例示できる。
ここで、炭素材料の出発原料は有機化合物であり、酸性表面官能基を含む何らかの官能基を有していることが多い。しかし、通常の炭素材料は、還元雰囲気中で、高温(例えば、800〜1000℃)の熱処理を行うことにより、出発原料が有していた官能基を除去することができる。すなわち、上記した処理を施すことにより、炭素材料が有する酸性表面官能基の量をイオン交換容量で0.3meq/g以下とすることができる。なお、導電性高分子材料において、合成時に特別な処理をしなければ、酸性表面官能基を有することはない。
電気二重層材料が有する酸性表面官能基の量は、上記したように、イオン交換容量で規定した場合では、0.3meq/g以下とする。これは、酸性表面官能基は、カチオンであるリチウムイオンをトラップするが、その量を0.3meq/g以下にすることで、リチウムイオンのトラップが無視できる程度になり、リチウムイオンの移動への影響により発生する抵抗値の増加が抑制できるからである。
具体的には、後述する実施例1、比較例1、比較例2からわかるように(表1、3参照)、酸性表面官能基の量がイオン交換容量で0.3、0.7、1.3meq/gの場合をそれぞれ比較すると、0.3meq/gの場合に、サイクル後の室温出力の低下率を4%未満とすることができる。
ところで、電気二重層材料が有する酸性表面官能基の量は、イオン交換容量の他に、O/C比(酸素/炭素比)によっても規定できる。O/C比はX線光電子分光法(XPS)により測定した酸素由来のピークと炭素由来のピークとの面積比から算出される。イオン交換容量が0.3meq/gの実際の試料を用いてO/C比を測定したところ、0.06であった。したがって、酸性表面官能基の量は、O/C比で0.06以下とする。
なお、イオン交換容量の範囲が上記好適な範囲に含まれない場合であっても、O/C比の範囲が上記好適な範囲に含まれる場合がある。反対に、イオン交換容量の範囲が上記好適な範囲に含まれる場合であっても、O/C比の範囲が上記好適な範囲に含まれない場合がある。本発明で採用する電気二重層材料においては、イオン交換容量およびO/C比のいずれかの値が好ましい範囲に含まれれば酸性表面官能基の量が好ましい範囲にあると判断する。双方の値がともに好ましい範囲に含まれることが、より好適であることはいうまでもない。
電気二重層材料が炭素材料の場合、酸性表面官能基の種類と量はBOEHM法により得られる各官能基のイオン交換容量により求めることができる。BOEHM法は活性炭表面に存在する表面酸化物をアルカリで中和し、中和で消費されたアルカリ量より酸性表面官能基の種とイオン交換容量を求める方法である。酸性表面官能基の種類は、以下の分類がなされている。
I :カルボキシル基
II :ラクトン基
III :フェノール性水酸基
IV :カルボニル基
酸性官能基量はこれらI〜IVの官能基のイオン交換容量の総和より求めることができる。
電気二重層材料が導電性高分子材料の場合、導入した官能基が上記のものでない場合があるが、同様な中和滴定法により、官能基の量の総和を求めることができる。
また、電気二重層材料の添加量は、合剤層全体を100質量%としたとき、13.3質量%以下とする。なお、下限値は0%よりも大きな値である。これは、リチウム二次電池のエネルギー密度、低温出力、室温出力を充分な大きさに保ち、かつ、サイクル後の室温出力の低下率を抑制するためである。
具体的には、後述する実施例1、8、9、11、比較例4(表2、4参照)からわかるように、電気二重層材料の添加量が2.9〜13.3質量%では、低温出力、電池初期容量(エネルギー密度と相関あり)、室温出力、サイクル後の室温出力の低下率という各特性値は、同様の値であった。しかし、13.3質量%よりも大きな16.7質量%の場合では、2.9〜13.3質量%の場合と比較して、各特性値が低下していた。したがって、電気二重層材料の添加量を13.3質量%以下としている。
また、電気二重層材料は、−30℃における静電容量が93F/g以上であることが好ましい。これは、電気二重層材料が−30℃で93F/g以上の静電容量を有することで、高い低温出力を発揮できるからである。
電気二重層材料は、細孔を有し、かつ、比表面積1200m/g以上である炭素材料または導電性高分子材料のいずれかであることが望ましい。比表面積は窒素ガスを用いたBET法で測定できる。炭素材料において、比表面積が1200m/g以上にすることで、電解質イオンの充分な吸着が実現できるので、充分な電池特性が達成できるからである。さらに、比表面積は3000m/g以下にすることで、電極作成時の取り扱い性を向上(かさ密度の向上等)させることができる。
電気二重層材料が持つ細孔は、低温出力の向上のために細孔径が大きいことが好ましい。細孔径が大きいと、低温時の電解液粘度の増加によるイオン移動度の低下や電解液の濡れ性低下が効果的に防止できる結果、低温出力が向上するからである。
具体的には、電気二重層材料は、細孔径が2nm以上の細孔であって(細孔径の上限として50nmを規定することが好ましい)、その細孔の細孔容積が0.418mL/g以上の細孔を有している。細孔径と細孔容積がこの条件を満たす場合に、エネルギー密度と低温出力特性とを向上させることができるからである。なお、細孔容積は、窒素ガス吸着によって細孔分布を計算する方法であり、かつ2nm以上の細孔を解析するのに適するBJH(Barrett-Joyner-Halenda)法で測定できる。
疑似電気二重層容量を有する材料としての導電性高分子材料は、電池作動電圧範囲の一部またはすべてにおいてレドックス反応により擬似的な電気二重層容量を有する材料である。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリ(P−フェニレン)、ポリ(2,5−ピリジンジイル)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセン、ポリアズレン、ポリフェニレンビニレンおよびこれらの誘導体を用いることができる。
誘導体としては導電性を損なわない範囲で選択できる。好ましい導電性高分子材料は正極、負極にそれぞれに対して用いる場合によって異なる。正負極に採用した活物質との電圧マッチングの良好な(すなわち、高容量充放電の電位がLi系の電位に近い)ものを選択すればよい。なお、電気二重層材料としては、上記例示した材料を1つもしくは複数用いることができる。
導電性高分子材料の酸性表面官能基として、例えば、カルボキシル基、水酸基、スルホン基、メトキシ基等を任意に導入して、親水性にすることができる。
水溶性有機化合物は、アニオン性またはHLBが4以上のノニオン性であり、バインダとしても機能する高分子材料から選択される。これは、水溶性有機化合物を水用の分散剤としても機能させるためには、分散させる材料の系からアニオン性またはノニオン性でなければならないからである。また、ノニオン性の分散剤としての性能はHLBで規定され、HLBが4よりも小さい場合では、水用の分散剤としては機能しないからである。
なお、HLBは親水性親油性バランスを意味し、親水基や親油基毎に定められるDavisの基数に基づき算出される値である〔HLB=7+Σ(親水性基の基数)+Σ(親油性基の基数)〕。
水溶性有機化合物としての高分子材料には、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)等のセルロース類、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレンオキサイド(PPO)、PEO―PPO共重合体グリコール、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアルコール(PVA)が例示できる。その他、各種アニオン系分散剤、各種ノニオン系分散剤等を挙げることができる。これら材料を一種類以上あわせて使用することが望ましい。
また、水溶性有機化合物として、セルロース誘導体を用いる場合、該セルロース誘導体の置換度は0.65以上とする。これは、後述する実施例6、7、比較例3(表1参照)からわかるように、置換度が0.65よりも小さい場合(0.62の場合)、剥離強度が小さく、電極形成が不十分となるからである。
ここで、セルロース誘導体における置換度とはセルロース誘導体の無水グルコース1単位あたりの水溶性官能基の置換数であり、置換度が高い程、ペースト作製において電気二重層材料を多く、安定的に水中に分散できる。
上記した構成のリチウム二次電池用電極は、リチウム二次電池の正負極のいずれかに採用するのみであっても充分な低温出力向上の効果を発揮する。活物質の反応抵抗の大きい電極に採用することが好ましい。一般的には、正極に適用することが好ましい。正極、負極の両極に上記構成を適用すればさらに効果的であることはいうまでもない。
(正極への適用)
次に、上記した構成のリチウム二次電池用電極を、リチウム二次電池の正極として用いる場合について説明する。この場合、活物質としては正極活物質を採用する。
正極は、正極活物質、電気二重層材料、導電剤、バインダより構成させる。電気二重層材料としては、活性炭、カーボンエアロジェル、膨張化炭素、発泡炭素、カーボンブラック、ハードカーボン等の炭素質材料、また導電性高分子材料において電池材料との電圧マッチングが良好なポリアニリンおよびその誘導体等を用いることができる。特に、電気二重層材料としては、容易かつ低コストで高比表面積な細孔構造が得られる活性炭を用いることが好ましい。
活性炭は出発原料を賦活することで製造されるが、活性炭の賦活方法としては、水蒸気賦活、CO賦活、薬品賦活等の公知の方法が挙げられる。また、これらの賦活方法を2種類以上組み合わせてもよい。しかしながら、効率よい(肥大したマクロ孔の存在が少なくてすみ、体積効率が良好である)薬品賦活が少なくとも施されることが好ましい。
また、賦活する薬品としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、塩化亜鉛等を用いると原料の一部を侵食溶解する作用があるため、低温で高電気二重層容量を有するメソ孔以上の細孔を作りやすく好ましい。中でも高比表面積かつメソ孔容積を多くする点で、水酸化カリウムを用いることが望ましい。これにより、上記した所望の大きさの比表面積、細孔径、細孔容積を有する活性炭を製造することができる。
活性炭の原料は、特に限定されるものではない。例えば、フェノール系、木質(木屑、ヤシ殻等のセルロース質あるいは栗等の澱粉質等)を挙げることができる。木質材料は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、塩化亜鉛等の薬品が浸透しやすくメソ孔を作るため好ましい。
細孔の大きさは、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、主に以下の分類がなされている。
ミクロ孔 :2nm以下(従来の電気二重層キャパシタ用の材料として主に注目されている領域)
メソ孔 :2nm〜50nm(本発明において細孔容積を規定した領域)
マクロ孔 :50nm以上
正極活物質は、式LiNi1−yMyO(MはCo、Mn、Al、B、Ti、Mg、Feの中から選ばれる少なくとも一種の元素、0<x≦1.2、0<y≦0.25)で表される化合物からなる正極活物質を用いることが好ましい。さらには、X線回折を用いた結晶構造解析による006面に起因する回折強度I006と102面に起因する回折強度I102との和を101面に起因する回折強度I101で除した値(I006+I102)/ I101が0.36〜0.42である正極活物質を用いることが好ましい。
活物質合成時の原材料の配合比、焼成温度、雰囲気(酸素濃度、露点、CO含有量等)を変えることにより、この強度比(I006+I102)/I101のみを変えたLiNi0.82Co0.15Al0.03を作製した結果、強度比が0.42よりも大きくなると、サイクル評価後の内部抵抗が急激に増加した。これは初期における結晶欠陥が、リチウムイオンの拡散を阻害し抵抗成分となることや、さらに充放電サイクルに伴う不純物層の生成や、活物質の膨張収縮による歪みの増加によると考えられる。
また、ピーク強度比(I006+I102)/ I101が0.36よりも小さくなると結晶欠陥が少なくなり、リチウムイオンの拡散の阻害は小さくなると考えられるが、内部抵抗増加率は大きくなった。この原因は定かではないが、少量の結晶欠陥は歪みのピン止め効果のような状態で活物質の結晶構造変化をある程度抑制しているとためと思われる。また、正極活物質として、他のリチウム酸化物等の正極活物質を任意の割合で混合して、リチウム二次電池としても、この効果が損なわれるものではない。
正極活物質は、平均粒径が2〜15μmであることが望ましい。平均粒径が2μm以下では電解液との反応性が高くなり、充放電サイクルでの放電容量劣化や内部抵抗増加が大きくなることがある。また、平均粒径が15μm以上では電極への充填性が悪く、電池容量の低下を招くことがある。
正極活物質は、窒素ガス吸着により測定されるBET比表面積が0.2m/g〜1.5m/gであることが望ましい。BET比表面積が0.2m/g以下の場合は電解液との濡れ性が悪く、実効放電容量の低下を招く。また、BET比表面積が1.5m/g以上の場合は電解液との反応性が高くなり、充放電サイクルでの放電容量劣化や内部抵抗増加が大きくなる。
活性炭などの電気二重層材料が正極合剤層中に占める量は、リチウム二次電池の充分なエネルギー密度を達成するために13.3質量%以下にすることが好ましい。これ以上添加すると、電極密度の低下により室温でのリチウム二次電池のエネルギー密度が低下する。
導電剤としては、BET法による比表面積が30m/g以上のカーボンブラックを用いることが望ましい。500m/g以上、さらには700m/g以上であるのが好ましく、3000m/g以下、さらには2000m/g以下であるのが好ましい。このような高比表面積のカーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、例えば、特殊ファーネスブラック(例えば、ケッチェンブラックインターナショナル社製「ケッチェンブラック」)等が挙げられ、該ケッチェンブラックは比表面積700m/g以上を有し、電気二重層材料としても使用できる。
なお、カーボンブラックの平均粒子径は、一次粒子径として、製造上の面から、通常1nm以上で、5nm以上であるのが好ましく、電極活物質含有組成物に導電性を付与する面から、通常500nm以下で、100nm以下であるのが好ましい。
カーボンブラックの比表面積が30m/g範囲未満では、低温出力の向上効果が低下する傾向となり、一方、3000m/g以上では、電極活物質含有層としての嵩密度が低下し、体積当たりの容量が小さくなってしまう。
水溶性有機化合物としては、本発明における電極を構成する水溶性有機化合物であるアニオン性またはHLBが4以上のノニオン性の高分子から選ればれる、分散剤としての機能に優れ、かつ接着性の高いCMC、PEOが望ましい。CMCおよびPEOはバインダとしての作用も発揮する。
さらに、可撓性を有し、かつ耐電解液性に優れている水性ディスパージョン樹脂をバインダとして加えることが望ましい。該水性ディスパージョン樹脂を加えることにより、製造時において、電極が可とう性を有するため、取り扱い時や、後述するようにシート状の正極を捲回させるときに、合剤層のひび割れや脱落等による電極の損傷を防止することができる。
また、耐電解液性に優れることで、電解液に対して膨潤や溶解を防止し、電極としてもその損傷を防止することができる。
この水性ディスパージョン樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフロオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)等のフッ素樹脂系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリオレフィン等のオレフィン類、ポリイミド樹脂等の耐有機溶媒性に優れる水分散タイプの樹脂を挙げることができる。特に耐電解液性に優れるPTFEを用いることが望ましい。
(負極への適用)
次に、上記した構成のリチウム二次電池用電極を、リチウム二次電池の負極として用いる場合について説明する。この場合、活物質としては負極活物質を採用する。
電気二重層材料としては、Liイオンがインターカレートせず、負極電位で還元されない、擬似電気二重層容量を持つ導電性高分子材料を採用することが好ましい。Liイオンがインターカレートする活性炭等の炭素材料では、不可逆容量が大きくなる傾向があるからである。特に還元され難いn型導電性高分子材料であるポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(2、5−ピリジンジイル)、ポリ−p−フェニレン等が好ましい。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料であれば特に限定されない。例えば、リチウム金属、グラファイト、非晶質炭素等の炭素質材料等を挙げることができる。そして、リチウムをショート不良等の発生原因となるデンドライト状リチウムの析出を生じさせることなく、電気化学的に吸蔵・放出し得るインターカレート材料である炭素質材料がより好ましい。炭素質材料は比表面積が比較的大きく、リチウムイオンの吸蔵・放出速度が速いため、特に室温での出力・回生密度を向上させる効果を示す。
負極活物質は、BET比表面積が3.5m/g以下であることが好ましい。負極活物質のBET比表面積は、3.0m/g以下であることがより好ましい。負極活物質の比表面積を3.5m/g以下とすることで、負極活物質と電解液による副反応を抑制することができる。この結果、リチウム二次電池の長寿命化が可能となる。
負極活物質の製造方法は、特に制限されるものではない。比表面積は原材料の比表面積に大きく影響を受けるため、所定の条件で原材料を粉砕および/または分級した後に焼成することが好ましい。また、焼成した後に粉砕および/または分級してもよい。
(リチウム二次電池)
次に、上記した構成のリチウム二次電池用電極を用いたリチウム二次電池について説明する。
リチウム二次電池の形状を、例えば、円筒型とすることができる。円筒型のリチウム二次電池は、正極および負極をシート形状として両者をセパレータを介して積層し渦巻き型に多数回巻き回した巻回体と空隙を満たす電解液とともに所定の円筒状ケース内に収納したものである。また、正極とケースの正極端子部とについて、そして負極とケースの負極端子部とについては、それぞれ電気的に接合されている。
そして、このリチウム二次電池では、上記した構成のリチウム電池用電極が、正極または負極のどちらか一方、もしくは、正極および負極の両方に用いられている。少なくとも、正極に対して上記した構成のリチウム電池用電極を適用することが効果的であり好ましい。リチウム電池用電極については前述した通りなので更なる説明は省略する。上記した構成のリチウム電池用電極を採用しない電極については、上記した構成のリチウム二次電池用電極から電気二重層材料を省略した電極や、他の公知の電極を採用することもできる。
このリチウム二次電池では、電解液およびセパレータ等の電極以外の構成部として、以下に示すように、公知のものを用いることができる。
電解液は、支持塩を溶媒に溶解させてなることが好ましい。溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの単独又は2種以上の混合溶媒が挙げられる。支持塩としては、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)(CF3SO2)、LiN(C49SO2)(CF3SO2)、LiN(C25SO2)(C25SO2)などの支持塩を単独又は2種以上混合したものが例示できる。
セパレータは、厚さ10〜50(μm)で、開孔率30〜70%の微多孔性ポリプロピレンフィルム、微多孔性ポリエチレンフィルムまたはポリメチルペンテン不織布セパレータなどを用いることができる。
上記した構造のリチウム二次電池は、以下のようにして、製造される。例えば、シート状の正負極を製造し、その正極および負極をセパレータを介した状態で巻回して電極体を製造した後、あらかじめ調製しておいた電解液とともにケース内に封入する。このような手順により円筒型リチウム二次電池を製造することができる。
なお、ここでは、リチウム二次電池の形状として円筒形状の場合を例として説明したが、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型、ラミネート型等、種々の形状とすることができる。
上記した構造のリチウム二次電池は、高エネルギー密度を維持している。また、時定数増加に伴う電池電圧の降下スピードが鈍くなっており、低温下での短時間出力が向上したリチウム二次電池となる効果を示す。また、電極に含有される電気二重層材料が有する酸性表面官能基の量は0.3ミリグラム当量以下に低減されている。これにより、電極に含有する水分量を低減させることができ、高温での充放電サイクル後の出力低下率を抑えることができる。
したがって、上記した構造のリチウム電池は、低温出力特性等の電池特性に優れたリチウム二次電池であり、車載用電源として好適に用いることができる。
また、上記した構造のリチウム二次電池は、有機溶剤の代わりに水を用いて電極が作製されるため、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便、安価に作製されるという効果を有している。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、リチウム二次電池用電極およびリチウム二次電池を作製した。なお、リチウム二次電池の正極において電気二重層材料として用いられた活性炭の表面官能基、静電容量、粒径、比表面積、および細孔分布の測定を、以下に示した手順により行った。また、作成した電極の剥離強度を測定した。これらの測定結果を表1、2に示す。
《酸性表面官能基測定:BOEHM法》
電気二重層材料1gを3つの50ml遠沈管のそれぞれに正確に量り入れた。それぞれの遠沈管に以下の3種のアルカリ溶液のうちの一種を30mL加え、6時間振とうした。
(1)0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液
(2)0.05mol/L炭酸ナトリウム水溶液
(3)0.01mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
振とう後、遠心分離機で電気二重層材料と水相とを分離し、上澄み液をメンブランフィルター(0.45μm)でろ過した。このろ液20mlについて、以下の条件で滴定した。(1)〜(3)アルカリ溶液におけるそれぞれの滴定値の合計から酸性表面官能基の量を算出した。
・装置:COM−2500型 平沼自動滴定装置 平沼産業株式会社
・電極:GR−501
・滴定液:0.1mol/L塩酸水溶液
・最大滴下量:30mL
《静電容量測定》
電気化学キャパシタを作製し、作製された電気化学キャパシタを−30℃の一定温度中で、ポテンショ・ガルバノスタット(北斗電工株式会社製HA−501G)を用いて印加電圧2.0Vで5分間充電、2分間の休止時間の後、0.3mAにて放電した。静電容量は充電電圧から1.0Vにおいて、図1に示す放電カーブの電圧と時間の関係から図中に示す傾きdV/dtを最小二乗法によって求め、下記式数1より単極の活性炭質量当たりの静電容量を求めた。
Figure 2006085925
ここで、Cは活性炭質量当たりの静電容量、Iは電流、dV/dtは図1中の傾き、Wは単極当たりの活性炭質量である。
《粒径の測定》
日機装株式会社製「HRA9320−X100型マイクロトラック」を用いて、粒度分布を測定し、平均粒径D50を求めた。
《比表面積の測定》
カンタークローム社製「NOVA2000型BET比表面積測定装置」を用いて窒素吸着BET法による比表面積を測定した。
《細孔分布測定》
日本ベル株式会社製「BELSORP 36 高精度全自動ガス吸着装置」を用いて、下記条件で測定した。吸着ガス:N、死容積:He、吸着温度:液体窒素温度(77K)、測定前処理:150℃真空脱気、測定モード:等温での吸着・脱離、測定範囲:相対圧(P/P)=0.00〜0.99、平衡時間:各平衡相対圧につき180sec、解析法:BJH法、細孔径範囲:2.0nm〜40nm(P/Pの最小変化幅0.05のため下限2.0nmは1.92nm或は2.16nmとなるため、より近い1.92nmとした)。
《剥離強度測定》
図2に剥離強度測定用電極の上面図(正面図)を示す。電極1を長さ55mm、幅30mmの長方形に打ち抜いた後、打ち抜いた電極表面の幅中央に長さ100mm、幅6mmのポリエステルテープ(株式会社 寺岡製作所製 612S)2を、7kg重のロールで充分付着させる。これにより、図2に示すように、テープ部2が45mm長さ方向にでた、剥離強度測定用電極が得られる。
得られたテープ2つき電極1において、テープ2が付着していない電極部分を治具で固定し、長さ方向に電極よりはみ出たテープ部2をロードセルによりはさむ。図2に示す−X方向、速さ200mm/minでロードセルを移動させることにより、剥離強度を測定した。
Figure 2006085925
Figure 2006085925
(実施例1)
(活性炭)
まず、電気二重層材料としての活性炭を、ヤシ殻を原料として炭化した後、アルカリ溶液を含ませて、水蒸気賦活法を施すことによって製造した。得られた活性炭の酸性官能基量は0.3meq/g、BJH法による細孔径2nm以上の細孔容量は0.985mL/g、BET比表面積は1600m/gであった。
(静電容量測定用正極)
製造された活性炭を35質量部、導電剤として比表面積40m/gのアセチレンブラック(電気化学工業製:HS−100)50質量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデン15質量部からなる混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えて混練し、15μmのアルミ箔上に塗布した後、60℃で3時間、大気中で乾燥した。乾燥後、このシートを直径15mmに打ち抜き、打ち抜いたシートをプレスし、アルミ箔を除いた厚さが50μm(アルミ箔を含むシート全体の厚さが65μm)、アルミ箔を除いた質量が2.0mgの分極性電極を得た。
(静電容量測定用負極)
鱗片状グラファイトを98質量部、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムを1質量部となるように混合し、さらに水性ディスパージョン樹脂としてSBR1質量部からなる混合物に水を加えて混練し、10μmの銅箔上に塗布した後、60℃で3時間、大気中で乾燥した。乾燥後、このシートを直径15mmに打ち抜き、打ち抜いたシートをプレスし、銅箔を除いた厚さが50μm(アルミ箔を含むシート全体の厚さが65μm)、銅箔を除いた質量が2.0mgの負極を得た。
このように酸性表面官能基の影響がない負極を用いることにより、正確に正極のみの静電容量を測定することができる。これら正極、負極を120℃で真空乾燥した後、アルゴン雰囲気のグローブボックス中に移し、微多孔性セパレータ(商品名:UP3025、宇部興産製)を介して対向させて素子を形成し、1mol/LのLiPF6を含むエチレンカーボネート30質量部、エチルメチルカーボネート30質量部、およびジメチルカーボネート40質量部からなる混合溶液を含浸させてセルを作製した。これをステンレス(SUS316)とポリプロピレン製絶縁ガスケットからなるコイン型ケースの中に上記セルを挿入し、上記コイン型ケースをかしめ封口し、コイン型電気化学キャパシタを得た。得られた電気化学キャパシタの−30℃における静電容量を測定したところ、103F/gであった。すなわち、製造された活性炭の−30℃における静電容量は103F/gであった。
この電気二重層材料を用いてリチウム二次電池を、以下の手順で作製した。
(正極の製造)
正極活物質としてのリチウムニッケル酸化物87質量部、導電剤かつ電気二重層材料としてのケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル製:ECP−600JD)2.6質量部、電気二重層材料としての上記活性炭4質量部に、水溶性有機化合物としての置換度1.40のカルボキシメチルセルロースナトリウム(略称CMC、第一工業製薬製:HE−1500F)1質量部、ノニオン性の水溶性有機化合物としてのHLB20のポリエチレンオキサイド(略称PEO)粉末1質量部と所定量の水を混合し、循環型攪拌機にて30分間攪拌した。
その後、水性ディスパージョン樹脂としての固形分比率約50%のPTFEをPTFEの固形分が2質量部となるように添加し、循環型撹拌機を使い10分間攪拌した。なお、正極の製造時における固形分の合計は97.6質量部であった。
このようにして得られたペーストをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量4.92(mg/cm)で両面塗布した。次にこの電極をロールプレス機に通し、電極密度を2.10(g/cm)まで上げた。次にこの電極を幅5.4(cm)、長さ90(cm)にカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部として長さ2.5(cm)分の電極合材を掻き取った。この電極の有効反応面積は5.4(cm)×87.5(cm)×2=945(cm)である。また、電極の剥離強度は83mNであった。
(負極の製造)
負極は、負極活物質としての鱗片状グラファイト98質量部、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムを1質量部となるように混合し、さらに水性ディスパージョン樹脂としてのSBR1質量部と所定量の水と混合し、グラファイトを分散させたペーストを正極と同様にコンマコータを使い銅箔上に片面あたりの目付量3.36(mg/cm)で両面塗布した。その後ロールプレス機を通し、電極密度を1.28(g/cm)まで上げた電極を作製した。次にこの電極を幅5.6(cm)、長さ94(cm)にカットし、電極取り出し用のリードタブ溶接部として長さ0.5(cm)分の電極合材を掻き取った。この電極の有効反応面積は、5.6(cm)×93.5(cm)×2=1047.2(cm)である。
(電池の組み立て)
以上で得られたシート状正極およびシート状負極を、セパレータを介した状態で巻回して、巻回型電極体を形成した。セパレ−タにはポリエチレン製厚み25μmのものを用いた。得られた巻回型電極体は、ケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。このとき、シート状正極およびシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードは、ケースの正極端子あるいは負極端子に接合した。その後、巻回型電極体が保持されたケース内に電解液を注入した後に、ケースを密閉、封止した。
以上の手順により、φ18mm、軸方向の長さ65mmの本実施例の円筒形リチウム二次電池を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様に、アルカリ溶液を含ませて、水蒸気賦活法を施した後に、酸素雰囲気にて熱処理を施す以外は、実施例1と同様に活性炭を製造した。酸性官能基量は0.7meq/gであり、BJH法による細孔径2nm以上の細孔容量は0.990mL/g、BET比表面積は1650m/g、−30℃における静電容量は105F/g、電極の剥離強度は90mNであった。
(比較例2)
実施例1と同様に、アルカリ溶液を含ませて、水蒸気賦活法を施した後に、酸素雰囲気で熱処理を施す以外は、実施例1と同様に活性炭を製造した。酸性官能基量は1.3meq/gであり、BJH法による細孔径2nm以上の細孔容量は0.990mL/g、BET比表面積は1650m/g、−30℃における静電容量は105F/g、電極の剥離強度は90mNであった。
(実施例2)
電気二重層材料として、木屑を原料として水蒸気賦活法によって得られた活性炭を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた活性炭の酸性官能基量は0.3meq/g、細孔径2nm以上の細孔容量は0.418mL/g、BET比表面積は1200m/g、−30℃における静電容量は93F/g、電極の剥離強度は64mNであった。
(実施例3)
電気二重層材料としての活性炭を、木屑原料を炭化と同時に薬品賦活を施し、900℃の窒素雰囲気中で3hrs熱処理することによって得られた活性炭を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた木屑より製造された活性炭の酸性官能基量は0.2meq/g、細孔径2nm以上の細孔容量は1.407mL/g、BET比表面積は1730m/g、−30℃における静電容量は110F/g、電極の剥離強度は55mNであった。
(実施例4)
電気二重層材料として、ポリフッ化ビニリデンを超臨界乾燥によりカーボンエアロジェル(MarkeTech International Inc.)を原料として炭化、水蒸気賦活を施すことによって得られた炭素材料を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた炭素材料の酸性官能基量は0.1meq/g、BJH法による細孔径2nm以上の細孔容量は1.647mL/g、BET比表面積は1200m/g、−30℃における静電容量は105F/g、電極の剥離強度は60mNであった。
(実施例5)
電気二重層材料として、導電性高分子材料であるポリアニリンを用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられたポリアニリンの酸性官能基量は検出されず、−30℃における静電容量は130F/g、電極の剥離強度は210mNであった。
(実施例6)
水溶性有機化合物としての置換度0.65のカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬製:BSH−6)1質量部、ノニオン性の水溶性有機化合物としてのHLB20のポリエチレンオキサイド粉末1質量に用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。電極の剥離強度は50mNであった。
(実施例7)
水溶性有機化合物としての置換度1.35のヒドロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業製:SP400)を2質量部に用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。電極の剥離強度は45mNであった。
(比較例2)
水溶性有機化合物としての置換度0.62のカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬製:4H)1質量部、ノニオン性の水溶性有機化合物としてのHLB20のポリエチレンオキサイド粉末1質量に用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。これらの水溶性有機化合物を用いて、実施例1と同様に正極を作製した。しかし、ペースト作製時の凝集が多く、電極の剥離強度は10mNであった。
(実施例8)
電気二重層材料としての活性炭を5質量部にした以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は98.6質量部であり、目付け量は4.96(mg/cm)とした。
(実施例9)
電気二重層材料としての活性炭を10質量部にし、剥離強度を向上するためPTFEの固形分が4質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は105.6質量部であり、目付け量は5.31(mg/cm)とした。
(実施例10)
電気二重層材料としての活性炭を15質量部にし、剥離強度を向上するためPTFEの固形分が6質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は112.6質量部であり、目付け量は5.67(mg/cm)とした。
(比較例4)
電気二重層材料としての活性炭を20質量部にし、剥離強度を向上するためPTFEの固形分が11質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時における固形分の合計は119.6質量部であり、目付け量は60.2(mg/cm)とした。
(実施例11)
実施例11は、以下に示した正極を用いた以外は、実施例1と同様に製造したリチウム二次電池である。正極活物質としてのリチウムニッケル酸化物86.9質量部、導電剤としてのケッチェンブラック(品番:ECP−600JD)4.1質量部を用いて、正極活物質に導電剤を被覆した。
活物質に導電剤を被覆する方法として、図3に示すメカノケミカル反応を利用する皮膜形成装置を用いて行った。この皮膜形成装置は、内部空間20を持つ回転ドラム11を有し、その内部空間20に、押圧剪断ヘッド13と固定軸12と第1アーム14と爪15と第2アーム16とが内設されている。
押圧剪断ヘッド13は回転ドラム11の内周面に対して僅かな隙間を介して設けられている。押圧剪断ヘッド13は、回転ドラム11の半径方向外方に向けて設けられ且つ回転ドラム11の内周面よりも曲率の大きい面を持ち、その面と反対側が第1アーム14の先端部に固定されている。第1アーム14の他端部は回転ドラム11内部の固定軸12に固定されている。
固定軸12は、回転ドラム11を回転したとき際の第1アーム14の回転後方(つまり、回転ドラム11は図2上で時計回りに回転している)に、所定角度を隔てて第2アーム16の一端部が固定されている。第2アーム16の他端部には回転ドラム11の内周面近くにまで延びる爪15が固定されている。
この皮膜形成装置の内部空間20に、上記混合粉を入れ、回転ドラム11を所定回転数で所定時間(処理時間)回転させた。回転ドラム11内では押圧剪断ヘッド13と回転ドラム11の内周面との間の押圧剪断力により混合粉にメカノケミカル作用が生じてリチウムニッケル酸化物の各粒子の表面にケッチェンブラックを被覆することができた。回転ドラム11内部では爪15により混合粉を適宜描き落としているので、混合粉は全体的に被覆作用が進行した。
以上のケッチェンブラックで被覆された活物質に、活性炭(実施例1使用と同じ)3質量部、導電剤として比表面積40m/gの電気化学製アセチレンブラック(HS−100)6質量部、水溶性有機化合物としての置換度0.65〜0.75のカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬製:BSH−6)1質量部、さらにノニオン性の水溶性有機化合物としてのポリエチレンオキサイド粉末1質量部と所定量の水を混合し、循環型攪拌機にて30分間攪拌する。その後、水性ディスパージョン樹脂としての固形分比率約50%のPTFEをPTFEの固形分が1質量部となるように添加し、循環型撹拌機を使い10分間攪拌する。なお、正極の製造時の固形分の合計は103.0質量部である。このようにして得られたペーストをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量4.92(mg/cm)で両面塗布した。
(実施例12)
実施例12は、以下に示した負極を用いた以外は、実施例1と同様に製造したリチウム二次電池である。
(負極の製造)
負極活物質として鱗片状グラファイト98質量部、擬似電気二重層材料としての1.3重量%のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸水溶液を固形分が2質量部となるように混合した。つづいて、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムの固形分が1質量部となるように混合し、さらに水性ディスパージョン樹脂としてSBR1質量部を所定量の水と混合して、グラファイトを分散させたペーストを調製した。調製されたペーストをコンマコータを使い、銅箔上に片面あたりの目付量3.37(mg/cm)で両面塗布し、その後ロールプレス機を通し、電極密度を1.28(g/cm)まで上げた電極を作製した。なお、負極の製造時の固形分の合計は102質量部であった。
なお、本実施例において用いられたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の酸性官能基量は検出されず、−30℃における静電容量は105F/gであった。
(評価)
実施例および比較例の各電池の評価として、電池初期容量、室温出力および低温出力を測定した。測定結果を表3、4に示す。それぞれの容量および出力の測定は、以下に示した測定手順により行った。
《電池初期容量》
初回は充電電流250(mA)で4.1(V)までCC−CV充電し、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電を行った。次に充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流1000(mA)で3.0(V)までCC放電を4回行った後、充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電し、この時の放電容量を電池初期容量とした。なお、測定は25℃の雰囲気で行った。
《室温出力》
初期放電容量測定後、25℃に保ち、充電電流800mAで3.750V(SOC60%)までCC−CV充電した。その後、300mA、900mA、2.7A、5.4A、8.1Aの順にそれぞれ10秒間放電、10秒間充電を繰り返し、それぞれの電流値および閉回路電池電圧を直線近似し、その直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。なお、測定はすべて25℃で行った。
《低温出力》
初期放電容量測定後、25℃に保ち、充電電流1000mAで3.618V(SOC40%)までCC−CV充電した。
その後、100mA、200mA、300mA、400mA、600mA、1000mAの順に2点をそれぞれ2秒間放電、2秒間充電を繰り返し、それぞれの点の電流値、閉回路電池電圧を測定し、3.0V前後の2点を結んだ直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。なお、測定はすべて−30℃で行った。
《サイクル後の室温出力低下率》
60℃の雰囲気にて充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電し、500サイクル行った。その後、室温出力を測定し、その出力の低下率を求めた。
Figure 2006085925
Figure 2006085925
表3、4より、各実施例(1〜12)の電池は、電池初期容量、低温および室温での出力に優れ、サイクル後の室温出力の低下率が小さい電池であることが明らかになった。
例えば、実施例1では、電気二重層材料が有する酸性表面官能基の量が0.3meq/gであり、サイクル後の室温出力の低下率は、2.4%であった。
これに対して、比較例1、2は、電気二重層材料が有する酸性表面官能基の量が、それぞれ、0.7meq/g、1.3meq/gであり、サイクル後の室温出力の低下率が、それぞれ、6.7%、8.5%であった。このことから、比較例1、2は、実施例1と比較して、サイクル後の室温出力の低下が大きいことが明らかになった。
また、例えば、実施例6、7では、電気二重層材料が有する酸性表面官能基の量がともに0.3meq/gであり、セルロース誘導体の置換度がそれぞれ、0.65と1.35であり、サイクル後の室温出力の低下率が、それぞれ、3.9%、2.4%であった。
これに対して、比較例3は、セルロース誘導体の置換度が0.62であり、サイクル後の室温出力の低下率が9.0%であった。比較例3では、電気二重層材料の分散状態が悪いため、剥離強度が10mNと小さく、その結果サイクル後の室温出力の低下が大きいことが明らかになった。
また、例えば、実施例1、8、9、10、11のように、合剤層全体に対する活性炭の含有量が2.9〜13.3質量%の場合では、電池初期容量、低温および室温での出力値、サイクル後の室温出力の低下率が同等であった。
これに対して、比較例4のように、合剤層全体に対する活性炭の含有量が16.7質量%の場合では、実施例1、8、9、10、11と比較して、電池初期容量、低温および室温での出力値、サイクル後の室温出力の低下率がすべて低下することが明らかになった。
各実施例のリチウム二次電池は、−30℃の低温での出力特性を有するだけでなく、サイクル後の室温出力の低下率が小さいことから、電気自動車などの車載用の二次電池として用いることが可能となることが明らかになった。
静電容量の測定における放電カーブの電圧と時間の関係を示した図である。 実施例において剥離強度を測定する様子を示した模式図である。 実施例11で用いた皮膜形成装置の構成の概略を示した断面図である。
符号の説明
1…電極、
2…剥離強度測定用テープ、
11…回転ドラム、
12…固定軸、
13…押圧剪断ヘッド、
14…第1アーム、
15…爪、
16…第2アーム、
20…内部空間。

Claims (8)

  1. Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する少なくとも一種の材料と、少なくとも一種の水溶性有機化合物と、を含む合剤層を有するリチウム電池用電極であって、
    前記電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、イオン交換容量が0.3ミリグラム当量以下、もしくは、X線光電子分光法により測定したO/C比が0.06以下である酸性表面官能基を持つことを特徴とするリチウム二次電池用電極。
  2. 前記電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、イオン交換容量が0.3ミリグラム当量以下、かつ、X線光電子分光法により測定したO/C比が0.06以下である酸性表面官能基を持つことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
  3. 前記電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、比表面積が1200m/g以上である炭素材料もしくは導電性高分子材料の少なくとも一方である請求項1または2に記載のリチウム二次電池用電極。
  4. 前記電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料は、細孔径が2nm以上の細孔容積が0.418mL/g以上である細孔を有する炭素材料であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池用電極。
  5. 前記合剤層における前記電気二重層容量または擬似電気二重層容量を有する材料の含有量は、前記合剤層全体を100質量%としたとき、13.3質量%以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用電極。
  6. 前記水溶性有機化合物は、アニオン性またはHLBが4以上のノニオン性であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用電極。
  7. 前記水溶性有機化合物は、セルロース誘導体からなり、前記セルロース誘導体の置換度が0.65以上であることを特徴とする請求項6に記載のリチウム二次電池用電極。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電極を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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