JP2006079869A - エナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具 - Google Patents
エナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006079869A JP2006079869A JP2004260395A JP2004260395A JP2006079869A JP 2006079869 A JP2006079869 A JP 2006079869A JP 2004260395 A JP2004260395 A JP 2004260395A JP 2004260395 A JP2004260395 A JP 2004260395A JP 2006079869 A JP2006079869 A JP 2006079869A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- die
- wire
- diameter
- coating
- holder jig
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coating Apparatus (AREA)
- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Abstract
【課題】エナメル線皮膜塗装の際、自由に可動することが可能な塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具を提供し、扁平・偏肉がなく電気特性の良いエナメル線とする。
【解決手段】線入口部2aの径cをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、先端部2cにダイスチップ3を設けるとともに、この先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、またダイスの材質をアルミニウムとして軽量化したダイスで、ダイス全長bを30〜50mmとし、またダイス本体部2bの径aを3.0〜4.0mmの細径としたエナメル線塗装用ダイス1と、前記ダイス1を挿入保持するための穴形状を、縦方向を長辺、横方向を短辺とする長方形状の長穴とし、短辺がダイス本体部の外径よりも1.0〜1.5mm広いダイス挿入保持穴11を複数個設けたフッ素樹脂製のダイスホルダ治具20と、を併用し、エナメル線の皮膜塗装の際、ダイスが自由に可動することを可能にして、エナメル線の扁平・偏肉を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】線入口部2aの径cをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、先端部2cにダイスチップ3を設けるとともに、この先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、またダイスの材質をアルミニウムとして軽量化したダイスで、ダイス全長bを30〜50mmとし、またダイス本体部2bの径aを3.0〜4.0mmの細径としたエナメル線塗装用ダイス1と、前記ダイス1を挿入保持するための穴形状を、縦方向を長辺、横方向を短辺とする長方形状の長穴とし、短辺がダイス本体部の外径よりも1.0〜1.5mm広いダイス挿入保持穴11を複数個設けたフッ素樹脂製のダイスホルダ治具20と、を併用し、エナメル線の皮膜塗装の際、ダイスが自由に可動することを可能にして、エナメル線の扁平・偏肉を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイスおよびダイスホルダ治具に関するものである。更に詳しくは横型焼付方式のエナメル線の製造において使用するエナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具に関するものである。
エナメル線は心線、例えば銅線の外周に絶縁塗料を複数回塗装し、焼付炉で焼付けを行い製造される。エナメル線の皮膜塗装方式には、大別してフェルト引き方式とダイス引き方式に大別されるが、通常フェルト引き方式は線径の細い、例えば0.2 mm近辺以下のエナメル線に使用され、またダイス引き方式は線径の太い、例えば0.3 mm近辺以上のエナメル線に使用されている。なおダイス引き方式は縦型の焼付炉を用いた縦型焼付方式と横型の焼付炉を用いた横型焼付方式があるが、簡便さの点から横型焼付方式が主に用いられている。この横型焼付方式に用いる従来のエナメル線塗装用ダイスとしては、例えば下記特許文献1に記載の横型塗装用ダイスが多用されていた。このダイス1’は図3の縦断面図に示すように、塗料を絞り最終的に塗膜厚さを決めるダイスチップ部3’の前方には長いガイド通路2’aを有するボディ部2’を設けたものである。
また絶縁塗料をダイス引き方式により複数回塗装する際にはダイスホルダ治具を使用する必要がある。従来のダイスホルダ治具30の一例を図4に示すが、そのダイスホルダ本体30aの材質は通常、鉄製であり、該本体30aの所定位置にダイス1’を挿入保持するための丸穴(以下、ダイス挿入丸穴と略記する)mを複数個設けた構造である(図4ではダイス挿入丸穴mを6個のみ示す)。またダイスホルダ治具30は、両端でネジ、ナット体14により治具取付台15に固定していた。
特開平1−186514
また絶縁塗料をダイス引き方式により複数回塗装する際にはダイスホルダ治具を使用する必要がある。従来のダイスホルダ治具30の一例を図4に示すが、そのダイスホルダ本体30aの材質は通常、鉄製であり、該本体30aの所定位置にダイス1’を挿入保持するための丸穴(以下、ダイス挿入丸穴と略記する)mを複数個設けた構造である(図4ではダイス挿入丸穴mを6個のみ示す)。またダイスホルダ治具30は、両端でネジ、ナット体14により治具取付台15に固定していた。
従来のエナメル線塗装用ダイス(以下、塗装用ダイスと略記する)はエナメル線の皮膜塗装時、ダイスホルダ治具の一定の位置に固定されて使用されているため自由度が得られず、エナメル線の皮膜は真円度が確保できず、扁平・偏肉が生じ、エナメル線の電気特性を悪化させるという問題点があった。また電線サイズ変更時等はその都度塗装用ダイスと保持具の位置を微調整する必要があるという問題点があった。また、横型ダイス引き方式でエナメル線を製造する際、使用する絶縁塗料(以下、ワニスともいう)は粘性が高いため、ダイスは金属製の保持具に貼り付いた状態で固定されてしまい、更に自由度が得られず上記問題点を更に深める原因となっていた。またエナメル線製造終了時にダイスがダイスホルダ治具より抜けにくくなり、作業効率を悪化させるという問題点があった。
またエナメル線製造時に何らかの原因で断線してしまった場合は、再度線を掛け直すという断線修復作業を行う必要があり、この断線修復作業時には線をワニス塗装部より持ち上げて線にワニスが付かないようにするが、ダイスに自由度がない為、ダイス入口部の鍔部の入口付近に傷が付いたり、線に傷が付いたりしてしまうという問題点があった。
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、エナメル線皮膜塗装の際、自由に可動することが可能な塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具を提供し、扁平・偏肉がなく電気特性の良いエナメル線を提供することを目的とする。
またエナメル線製造時に何らかの原因で断線してしまった場合は、再度線を掛け直すという断線修復作業を行う必要があり、この断線修復作業時には線をワニス塗装部より持ち上げて線にワニスが付かないようにするが、ダイスに自由度がない為、ダイス入口部の鍔部の入口付近に傷が付いたり、線に傷が付いたりしてしまうという問題点があった。
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、エナメル線皮膜塗装の際、自由に可動することが可能な塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具を提供し、扁平・偏肉がなく電気特性の良いエナメル線を提供することを目的とする。
第1の観点として本発明は、線入口部2aの径cをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、先端部2cにダイスチップ3を設けるとともに、この先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、またダイスの材質をアルミニウムとして軽量化したダイスで、ダイス全長bを30〜50mmとし、またダイス本体部2bの径aを3.0〜4.0mmの細径としたエナメル線塗装用ダイス1と、前記ダイス1を挿入保持するための穴形状を、縦方向を長辺、横方向を短辺とする長方形状の長穴とし、短辺がダイス本体部の外径よりも1.0〜1.5mm広いダイス挿入保持穴11を複数個設けたフッ素樹脂製のダイスホルダ治具20と、を併用し、エナメル線の皮膜塗装の際、ダイスが自由に可動することを可能にして、エナメル線の扁平・偏肉(以下、扁平と略記する)を防止したことを特徴とするエナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具にある。
前記ダイスチップ3としては、サファイヤまたは超硬金属を用いることができる。
上記第1観点の塗装用ダイス1では、ダイス全長bが30〜50mmで、ダイス本体部2bの径を3.0〜4.0mmの細径とし、またダイスを軽量化したことにより、エナメル線皮膜塗装の際、上記のようにダイス挿入保持穴11を長穴としたダイスホルダ治具20と併用することにより、ダイスの位置は走行する線に対して常時中心に位置できるようになる。また先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とすることにより、ダイスホルダ治具においてバランスが良くなり上記効果を助長することができる。従って、電線皮膜の真円度が確保できるので、偏平がなく電気特性の良いエナメル線を製造することができる。
またダイスホルダ治具20はフッ素樹脂製なので、ワニスがホルダ治具に付着せず、ダイスはホルダ治具に貼り付いた状態で固定されず、自由度が得られる。またホルダ治具の穴形状が長穴なので、断線修復作業時等においてダイス入口部の鍔部の入口付近への傷、線への傷が付かなくなる。また前記ホルダ治具の短辺がダイスの本体部の外径よりも1.0〜1.5mm広いので、エナメル線皮膜塗装の際、ダイスが安定して自由に可動することを可能にしており、エナメル線皮膜の真円度がより確保できる。
前記ダイスチップ3としては、サファイヤまたは超硬金属を用いることができる。
上記第1観点の塗装用ダイス1では、ダイス全長bが30〜50mmで、ダイス本体部2bの径を3.0〜4.0mmの細径とし、またダイスを軽量化したことにより、エナメル線皮膜塗装の際、上記のようにダイス挿入保持穴11を長穴としたダイスホルダ治具20と併用することにより、ダイスの位置は走行する線に対して常時中心に位置できるようになる。また先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とすることにより、ダイスホルダ治具においてバランスが良くなり上記効果を助長することができる。従って、電線皮膜の真円度が確保できるので、偏平がなく電気特性の良いエナメル線を製造することができる。
またダイスホルダ治具20はフッ素樹脂製なので、ワニスがホルダ治具に付着せず、ダイスはホルダ治具に貼り付いた状態で固定されず、自由度が得られる。またホルダ治具の穴形状が長穴なので、断線修復作業時等においてダイス入口部の鍔部の入口付近への傷、線への傷が付かなくなる。また前記ホルダ治具の短辺がダイスの本体部の外径よりも1.0〜1.5mm広いので、エナメル線皮膜塗装の際、ダイスが安定して自由に可動することを可能にしており、エナメル線皮膜の真円度がより確保できる。
本発明の塗装用ダイスとダイスホルダ治具によれば、エナメル線皮膜塗装の際、ダイスの位置は走行する線に対して常時中心に位置できるようになり、電線皮膜の真円度が確保できるので、偏平がなく電気特性の良いエナメル線を製造することができる。またフッ素樹脂製のダイスホルダ治具なので、ワニスがホルダ治具に付着しない。またダイスホルダ治具の穴形状が長穴なので、断線修復作業時等においてダイスの線入口部付近への傷、線への傷が付かなくなる。従って、本発明は産業上に寄与する効果が極めて大である。
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具の第1実施形態(実施例1)を示す略図であり、同図(a)は塗装用ダイスの縦断面図、また同図(b)はダイスホルダ治具の正面図である。また図2は、エナメル線の製造装置の概略を示す略図である。
これらの図において、1はエナメル線塗装用ダイス、2aは線入口部、2bはダイス本体部、2cは先端部、3はダイスチップ、11はダイス挿入長穴、12はダイスホルダ体(ダイスホルダ)、12aはダイスホルダ基台、13は基台取付穴、14は止めネジ部(ネジ、ナット体)、15は治具取付け台、20はダイスホルダ治具、51は銅線(伸線)、52は伸線ボビン、53は塗料槽、54はローラ、55は絶縁塗料(ワニス)、56は横型式焼付炉、57はエナメル線、58は製品ボビン、59はキャプスタン、aはダイス本体部径、bはダイス全長、cは線入口部径、dは線入口部長さ、eはダイス本体部長さ、fは先端部長さ、gは先端部径、nはネジ、rは滑車、またsはスリット(切込み)である。
図1は、本発明の塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具の第1実施形態(実施例1)を示す略図であり、同図(a)は塗装用ダイスの縦断面図、また同図(b)はダイスホルダ治具の正面図である。また図2は、エナメル線の製造装置の概略を示す略図である。
これらの図において、1はエナメル線塗装用ダイス、2aは線入口部、2bはダイス本体部、2cは先端部、3はダイスチップ、11はダイス挿入長穴、12はダイスホルダ体(ダイスホルダ)、12aはダイスホルダ基台、13は基台取付穴、14は止めネジ部(ネジ、ナット体)、15は治具取付け台、20はダイスホルダ治具、51は銅線(伸線)、52は伸線ボビン、53は塗料槽、54はローラ、55は絶縁塗料(ワニス)、56は横型式焼付炉、57はエナメル線、58は製品ボビン、59はキャプスタン、aはダイス本体部径、bはダイス全長、cは線入口部径、dは線入口部長さ、eはダイス本体部長さ、fは先端部長さ、gは先端部径、nはネジ、rは滑車、またsはスリット(切込み)である。
本発明の塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具の第1実施形態(実施例1)について図1を用いて説明する。また本発明の塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具を用いたエナメルの製造装置について図2を用いて説明する。
−塗装用ダイス−
本発明の塗装用ダイスについて図1(a)を用いて説明する。本発明の塗装用ダイス1は、線入口部2aの径cをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、先端部2cにダイスチップ3を設けるとともに、この先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、またダイスの材質をアルミニウムとして軽量化したダイスで、ダイス全長bを30〜50mmとし、またダイス本体部2bの径aを3.0〜4.0mmの細径としたものである。
例えば、図1(a)のダイスにおいて、ダイス1の穴径(ダイスチップ3穴径)が0.30 mm近辺のダイスの場合、線入口部2aの径cが6.0 mm、ダイス本体部2bの径aが3.0
mm、先端部2cの径gが4.0 mm、ダイス全長bが33 mmである。なお、前記各部位以外の部位の寸法については特に限定されないが、例えば線入口部長さdが9.0
mm、ダイス本体部長さeが19.0 mm、先端部長さfが5.0 mmである。
本発明の塗装用ダイスについて図1(a)を用いて説明する。本発明の塗装用ダイス1は、線入口部2aの径cをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、先端部2cにダイスチップ3を設けるとともに、この先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、またダイスの材質をアルミニウムとして軽量化したダイスで、ダイス全長bを30〜50mmとし、またダイス本体部2bの径aを3.0〜4.0mmの細径としたものである。
例えば、図1(a)のダイスにおいて、ダイス1の穴径(ダイスチップ3穴径)が0.30 mm近辺のダイスの場合、線入口部2aの径cが6.0 mm、ダイス本体部2bの径aが3.0
mm、先端部2cの径gが4.0 mm、ダイス全長bが33 mmである。なお、前記各部位以外の部位の寸法については特に限定されないが、例えば線入口部長さdが9.0
mm、ダイス本体部長さeが19.0 mm、先端部長さfが5.0 mmである。
−ダイスホルダ治具―
本発明のダイスホルダ治具について図1(b)を用いて説明する。テフロン(登録商標)製の角柱体片に短辺がダイス本体部の外径よりも1.0〜1.5 mm広い長穴11を複数個、例えば4個設け、また前記ダイス挿入長穴11に貫通するスリットsを上方に設けてダイスホルダ体(ダイスホルダ)12とした。またダイスホルダ体12の下部の両端2個所に縦方向を短辺とする長穴状の基台取付穴13を設けた。前記ダイスホルダ12を、ステンレス製で角柱体状のダイスホルダ基台12aの所定位置に、基台取付穴13部でネジnにより取り付け固定した。次にダイスホルダ基台12aを、両端部でネジ、ナットからなる止めネジ部14により治具取付け台15に固定してダイスホルダ治具20とした。例えば、ダイス1の穴径が0.30
mm近辺用のダイスホルダ治具20の場合、長穴11の短辺を4.2 mm、長辺を7.0 mmとした。なおエナメル線製造中(エナメル線皮膜塗装の際)は、ダイス1は走行する線に連動して、長穴11の中を上下に自由に移動することが出来、ダイス1の位置を走行する線に対して常時中心に位置させることが出来る。
本発明のダイスホルダ治具について図1(b)を用いて説明する。テフロン(登録商標)製の角柱体片に短辺がダイス本体部の外径よりも1.0〜1.5 mm広い長穴11を複数個、例えば4個設け、また前記ダイス挿入長穴11に貫通するスリットsを上方に設けてダイスホルダ体(ダイスホルダ)12とした。またダイスホルダ体12の下部の両端2個所に縦方向を短辺とする長穴状の基台取付穴13を設けた。前記ダイスホルダ12を、ステンレス製で角柱体状のダイスホルダ基台12aの所定位置に、基台取付穴13部でネジnにより取り付け固定した。次にダイスホルダ基台12aを、両端部でネジ、ナットからなる止めネジ部14により治具取付け台15に固定してダイスホルダ治具20とした。例えば、ダイス1の穴径が0.30
mm近辺用のダイスホルダ治具20の場合、長穴11の短辺を4.2 mm、長辺を7.0 mmとした。なおエナメル線製造中(エナメル線皮膜塗装の際)は、ダイス1は走行する線に連動して、長穴11の中を上下に自由に移動することが出来、ダイス1の位置を走行する線に対して常時中心に位置させることが出来る。
−エナメル線の製造−
前記図1(a)に示すダイス1と図1(b)に示すダイスホルダ治具20を用い、図2に示すような製造装置を用いてエナメル線を製造した例を示す。
先ず、0.30 mmφの銅線51が貯留されている伸線ボビン52から該銅線51を繰り出し、塗料槽53の回転するローラ54により絶縁塗料55としてエナメル塗料を塗布し、ダイスホルダ治具20に保持されたダイス1により余分な塗料を絞ってから横型式焼付炉56に導いて焼付ける、という塗布焼付けを4回繰り返す(4回掛け)ことにより所望の皮膜厚さのエナメル線57とし、巻取機の製品ボビン58に巻き取った。なお、製造頭数は5頭とした(5頭取)。前記塗布焼付けの繰り返しは滑車rを経由して行われ、キャプスタン59により一定速度で引き取って製造した。
その結果、エナメル線の製造中、ダイス1の位置を線に対して常時センタに位置させることが出来るようになり、製造されたエナメル線57には偏平がなく、均一皮膜(導体に対して真円形状)が形成されており、ピンホール特性、絶縁破壊電圧等も良好であった。またフッ素樹脂製のダイスホルダ治具20に塗料55が付着せず、またダイス挿入長穴11の穴形状は上記のような長穴なので、線サイズ変更時もダイスホルダ治具20の位置微調整は不要であった。また断線修復作業時にはダイスに傷が付かなかった。
前記図1(a)に示すダイス1と図1(b)に示すダイスホルダ治具20を用い、図2に示すような製造装置を用いてエナメル線を製造した例を示す。
先ず、0.30 mmφの銅線51が貯留されている伸線ボビン52から該銅線51を繰り出し、塗料槽53の回転するローラ54により絶縁塗料55としてエナメル塗料を塗布し、ダイスホルダ治具20に保持されたダイス1により余分な塗料を絞ってから横型式焼付炉56に導いて焼付ける、という塗布焼付けを4回繰り返す(4回掛け)ことにより所望の皮膜厚さのエナメル線57とし、巻取機の製品ボビン58に巻き取った。なお、製造頭数は5頭とした(5頭取)。前記塗布焼付けの繰り返しは滑車rを経由して行われ、キャプスタン59により一定速度で引き取って製造した。
その結果、エナメル線の製造中、ダイス1の位置を線に対して常時センタに位置させることが出来るようになり、製造されたエナメル線57には偏平がなく、均一皮膜(導体に対して真円形状)が形成されており、ピンホール特性、絶縁破壊電圧等も良好であった。またフッ素樹脂製のダイスホルダ治具20に塗料55が付着せず、またダイス挿入長穴11の穴形状は上記のような長穴なので、線サイズ変更時もダイスホルダ治具20の位置微調整は不要であった。また断線修復作業時にはダイスに傷が付かなかった。
−比較例−
図3、図4に示す従来のダイス1’とダイスホルダ治具30を用い、前記図2に示すような製造装置を用いて実施例1と同サイズのエナメル線を製造した。
先ず、0.30 mmφの銅線51が貯留されている伸線ボビン52から該銅線51を繰り出し、塗料槽53の回転するローラ54により絶縁塗料55を塗布し、ダイスホルダ治具30のダイス挿入丸穴mに保持されたダイス1’により余分な塗料を絞ってから横型式焼付炉56に導いて焼付ける、という塗布焼付けを4回繰り返す(4回掛け)ことにより所望の皮膜厚さのエナメル線57とし、巻取機の製品ボビン58に巻き取った。なお、製造頭数は5頭とした(5頭取)。前記塗布焼付けの繰り返しは滑車rを経由して行われ、キャプスタン59により一定速度で引き取って製造した。なお前記ダイス1’としてはダイス全長が25
mm、またボディ部2’の径が4.5 mmのものを用いた。
その結果、エナメル線の製造中(エナメル線皮膜塗装の際)、ダイスの位置を走行する線に対して常時中心に位置させることは難しく、製造されたエナメル線には偏平があり、均一皮膜が形成されておらず、ピンホール特性、絶縁破壊電圧等も悪かった。
図3、図4に示す従来のダイス1’とダイスホルダ治具30を用い、前記図2に示すような製造装置を用いて実施例1と同サイズのエナメル線を製造した。
先ず、0.30 mmφの銅線51が貯留されている伸線ボビン52から該銅線51を繰り出し、塗料槽53の回転するローラ54により絶縁塗料55を塗布し、ダイスホルダ治具30のダイス挿入丸穴mに保持されたダイス1’により余分な塗料を絞ってから横型式焼付炉56に導いて焼付ける、という塗布焼付けを4回繰り返す(4回掛け)ことにより所望の皮膜厚さのエナメル線57とし、巻取機の製品ボビン58に巻き取った。なお、製造頭数は5頭とした(5頭取)。前記塗布焼付けの繰り返しは滑車rを経由して行われ、キャプスタン59により一定速度で引き取って製造した。なお前記ダイス1’としてはダイス全長が25
mm、またボディ部2’の径が4.5 mmのものを用いた。
その結果、エナメル線の製造中(エナメル線皮膜塗装の際)、ダイスの位置を走行する線に対して常時中心に位置させることは難しく、製造されたエナメル線には偏平があり、均一皮膜が形成されておらず、ピンホール特性、絶縁破壊電圧等も悪かった。
本発明の塗装用ダイスとダイスホルダ治具とを併用することにより、エナメル線皮膜塗装の際、ダイスの位置は走行する線に対して常時中心に位置できるようになり、電線皮膜の真円度が確保できるので、偏平がなく電気特性の良いエナメル線を製造することができる。またワニスがホルダ治具に付着せず、またホルダ治具の穴形状が長穴なので、断線修復作業時等においてダイスの線入口部付近への傷、線への傷が付かなくなる。従って、横型焼付方式に用いる塗装用ダイスとフッ素樹脂製のダイスホルダ治具として好適である。
1 エナメル線塗装用ダイス
2a 線入口部
2b ダイス本体部
2c 先端部
3 ダイスチップ
11 ダイス挿入長穴
12 ダイスホルダ(ダイスホルダ体)
12a ダイスホルダ基台
13 基台取付穴
14 止めネジ部(ネジ、ナット体)
15 治具取付け台
20 ダイスホルダ治具
51 銅線(伸線)
52 伸線ボビン
53 塗料槽
54 ローラ
55 絶縁塗料(ワニス)
56 横型式焼付炉
57 エナメル線
58 製品ボビン
59 キャプスタン
a ダイス本体部径
b ダイス全長
c 線入口部径
d 線入口部長さ
e ダイス本体部長さ
f 先端部長さ
g 先端部径
n ネジ
r 滑車
s スリット
2a 線入口部
2b ダイス本体部
2c 先端部
3 ダイスチップ
11 ダイス挿入長穴
12 ダイスホルダ(ダイスホルダ体)
12a ダイスホルダ基台
13 基台取付穴
14 止めネジ部(ネジ、ナット体)
15 治具取付け台
20 ダイスホルダ治具
51 銅線(伸線)
52 伸線ボビン
53 塗料槽
54 ローラ
55 絶縁塗料(ワニス)
56 横型式焼付炉
57 エナメル線
58 製品ボビン
59 キャプスタン
a ダイス本体部径
b ダイス全長
c 線入口部径
d 線入口部長さ
e ダイス本体部長さ
f 先端部長さ
g 先端部径
n ネジ
r 滑車
s スリット
Claims (1)
- 線入口部2aの径cをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、先端部2cにダイスチップ3を設けるとともに、この先端部2cの径gをダイス本体部2bの径aよりも太径とし、またダイスの材質をアルミニウムとして軽量化したダイスで、ダイス全長bを30〜50mmとし、またダイス本体部2bの径aを3.0〜4.0mmの細径としたエナメル線塗装用ダイス1と、前記ダイス1を挿入保持するための穴形状を、縦方向を長辺、横方向を短辺とする長方形状の長穴とし、短辺がダイス本体部の外径よりも1.0〜1.5mm広いダイス挿入保持穴11を複数個設けたフッ素樹脂製のダイスホルダ治具20と、を併用し、エナメル線の皮膜塗装の際、ダイスが自由に可動することを可能にして、エナメル線の扁平・偏肉を防止したことを特徴とするエナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004260395A JP2006079869A (ja) | 2004-09-08 | 2004-09-08 | エナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004260395A JP2006079869A (ja) | 2004-09-08 | 2004-09-08 | エナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006079869A true JP2006079869A (ja) | 2006-03-23 |
Family
ID=36159157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004260395A Pending JP2006079869A (ja) | 2004-09-08 | 2004-09-08 | エナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006079869A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111375510A (zh) * | 2020-04-07 | 2020-07-07 | 安徽恒明工程技术有限公司 | 一种漆包线涂漆模具 |
CN113130143A (zh) * | 2021-04-07 | 2021-07-16 | 铜陵精迅特种漆包线有限责任公司 | 一种立式漆包机用悬浮式涂漆系统 |
CN114220610A (zh) * | 2021-10-24 | 2022-03-22 | 浙江三行电气科技有限公司 | 涂漆组件、涂漆装置及涂漆成型方法 |
CN114496418A (zh) * | 2022-03-10 | 2022-05-13 | 天津精达里亚特种漆包线有限公司 | 一种自校准扁平漆包线用包漆模具、模架及使用方法 |
CN116230324A (zh) * | 2023-02-01 | 2023-06-06 | 浙江先登绿能新材有限公司 | 一种多头立式机快速换模方法 |
-
2004
- 2004-09-08 JP JP2004260395A patent/JP2006079869A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111375510A (zh) * | 2020-04-07 | 2020-07-07 | 安徽恒明工程技术有限公司 | 一种漆包线涂漆模具 |
CN111375510B (zh) * | 2020-04-07 | 2021-12-28 | 安徽恒明工程技术有限公司 | 一种漆包线涂漆模具 |
CN113130143A (zh) * | 2021-04-07 | 2021-07-16 | 铜陵精迅特种漆包线有限责任公司 | 一种立式漆包机用悬浮式涂漆系统 |
CN114220610A (zh) * | 2021-10-24 | 2022-03-22 | 浙江三行电气科技有限公司 | 涂漆组件、涂漆装置及涂漆成型方法 |
CN114220610B (zh) * | 2021-10-24 | 2023-12-22 | 浙江三行电气科技有限公司 | 涂漆组件、涂漆装置及涂漆成型方法 |
CN114496418A (zh) * | 2022-03-10 | 2022-05-13 | 天津精达里亚特种漆包线有限公司 | 一种自校准扁平漆包线用包漆模具、模架及使用方法 |
CN116230324A (zh) * | 2023-02-01 | 2023-06-06 | 浙江先登绿能新材有限公司 | 一种多头立式机快速换模方法 |
CN116230324B (zh) * | 2023-02-01 | 2023-11-21 | 浙江先登绿能新材有限公司 | 一种多头立式机快速换模方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9111664B2 (en) | Manufacturing method of enameled flat wire using die for flat wire coating | |
JP2016025788A (ja) | セグメントコイルの製造方法 | |
JP2010005672A (ja) | 極細銅線の製造方法 | |
JP4481664B2 (ja) | 平角絶縁導線の製造方法 | |
JPWO2008126387A1 (ja) | 絶縁電線の製造方法及びその製造装置 | |
JP5585544B2 (ja) | 平角エナメル線の製造方法 | |
JP2006079869A (ja) | エナメル線塗装用ダイスおよびダイスホルダ治具 | |
JP2012048919A (ja) | 塗布ダイスおよび絶縁電線の製造方法 | |
JP2003178629A (ja) | ワニス被覆線 | |
CN220305999U (zh) | 一种绝缘电线及其制造设备 | |
JP5440951B2 (ja) | 平角エナメル線の製造方法、及び平角エナメル線 | |
JP2015185504A (ja) | エナメル線の製造方法 | |
WO2020034300A1 (zh) | 一种具有方形截面形状的漆包线制造方法 | |
JP2014200872A (ja) | 放電加工用電極線およびその製造方法 | |
US2490023A (en) | Welding electrode | |
JP2018018597A (ja) | ダイスユニット及びエナメル線の製造方法 | |
JP7011773B2 (ja) | エナメル線およびエナメル線の製造方法 | |
JP2002343152A (ja) | 角状絶縁電線の製造方法および角状絶縁電線 | |
JP2014136273A (ja) | ワイヤ放電加工用亜鉛被覆電極線及びその製造方法 | |
JP2010201478A (ja) | 溝付トロリ線の製造方法及び製造装置 | |
JP2017195045A (ja) | 絶縁電線及びその製造方法並びにコイル | |
JP7301930B2 (ja) | エナメル線 | |
JP2002224734A (ja) | フローティングダイスを用いて伸線を行う線材の製造方法 | |
KR20100094281A (ko) | Sr 동축케이블의 제조방법 | |
JP4917747B2 (ja) | 放電加工用電極線 |