JP7011773B2 - エナメル線およびエナメル線の製造方法 - Google Patents
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[2]一対の圧延ロールを用いて線材を圧延することにより、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、前記短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体を形成する圧延工程と、前記平角導体の外周を被覆する絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程と、を含み、前記圧延工程では、前記圧延ロールの前記線材を圧延する部分に、圧延して得られる前記平角導体の前記長軸の長さaの0.20倍以上0.50倍未満の大きさからなる深さd、および前記深さdとの関係において、2≦d/W≦6を満たす幅Wを有する溝を備え、前記線材が前記溝の内面に接するように前記圧延ロールを通過することよって前記線材を圧延する、エナメル線の製造方法。
[3]前記線材は、横断面が円形状である金属線材を押出成形によって短軸の長さが0.80mmよりも大きい平角形状の横断面にしたものである上記[2]に記載のエナメル線の製造方法。
[4]前記絶縁皮膜形成工程は、前記平角導体を挿通させる開口部の内面に突起を有する塗装ダイスを用いて、前記平角導体の周囲に絶縁塗料を塗装する塗装工程を含む上記[2]に記載のエナメル線の製造方法。
以下、本発明の一実施形態に係るエナメル線、およびエナメル線の製造方法について図を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るエナメル線10の構成例を示す概略横断面図である。
平角導体11は、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である。例えば、平角導体11は、「a/b」が10以上25以下で、短軸の長さbが0.40mm以上0.80mm以下であるものを対象とする。また、平角導体11の長軸の長さaは、6mm以上16mm以下であることが好ましい。さらに、平角導体11は、四隅の角部が特定の曲率半径(例えば、0.10mm以上0.60mm以下の曲率半径)を有するように湾曲した横断面を有している。平角導体11は、このような形状からなることにより、エナメル線10をコイルに成形させるときに短軸方向の厚みを小さくさせたコイルとすることができる。また、平角導体11は、このような形状からなることにより、エナメル線10における平角導体11の横断面の面積を小さくさせずに表面積を大きくすることができる。そのため、平角導体11を備えるエナメル線10では、高周波領域(例えば100kHzなど)における抵抗値増加率を小さくすることができる。
絶縁皮膜12は、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミドのうちから選ばれる絶縁性の樹脂によって構成される絶縁皮膜を平角導体11の外周に被覆される。特に、絶縁皮膜12は、耐熱性を高くするとの観点からすれば、ポリアミドイミド、ポリイミドからなる樹脂によって構成されることが好ましい。また、絶縁皮膜12は、例えば、厚さが20μm以上100μm以下である。絶縁皮膜12の厚さは、耐電圧などの特性の変更に応じて適宜調整することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るエナメル線の製造方法について、図2、図3を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るエナメル線を製造するときのフローの一例を示す説明図であり、図3は、本発明の一実施形態に係るエナメル線の製造方法において、平角導体を圧延によって製造するときに用いる圧延ロールを示す概略構成図である。
平角導体11を形成するための圧延工程では、金属線材からなる線材を圧延装置によって圧延する。線材に使用される金属線材は、例えば、低酸素銅や無酸素銅、もしくはこれらの純銅と同等の導電性を有する銅合金、あるいはアルミニウム等の金属からなる。線材は、横断面が円形状である場合、その直径が8mm以上12mm以下程度である。なお、金属線材が低酸素銅や無酸素銅、もしくはこれらの純銅と同等の導電性を有する銅合金からなる場合、金属線材の圧延のしやすさの観点から、金属線材は軟銅線であることが好ましい。
焼鈍工程では、図3に示す圧延ロール131a、131bを用いて圧延された線材1に対してさらに圧延を行う場合に、次工程の圧延工程の前工程として線材1を焼鈍装置によって焼鈍する。線材1の焼鈍の方法に特段の限定はなく、例えば、焼鈍炉の内部に線材1を搬送させるなどの方法がある。焼鈍工程では、このような方法で線材1に焼鈍が行われることにより、圧延加工によって線材1に生じた加工ひずみを低減させることができる。
続いて、エナメル線10の製造方法に関し、塗装工程では、圧延工程において形成された平角導体11の外周に被覆される絶縁皮膜12を形成するための絶縁塗料を塗装する。
続いて、加熱工程では、塗装工程によって絶縁塗料が塗装された平角導体11を加熱装置に導入して加熱する。絶縁塗料が塗装された平角導体11は、加熱装置によって特定の温度に加熱されることにより、平角導体11の外周に塗装された絶縁塗料が硬化するととともに、平角導体11が軟化することになる。加熱工程では、このようにして加熱することにより、平角導体11の外周に絶縁皮膜12を形成する。
本実施形態によれば、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体11と、平角導体11の外周に被覆された絶縁皮膜12と、を備え、伸び率が40%以上、引張強度が280MPa以上、0.2%耐力が65MPa以上であるエナメル線とすることにより、アスペクト比が大きいエナメル線において、コイル成形時のエッジワイズ曲げに対して絶縁皮膜12に亀裂が生じにくくすることができる。
表1において、エナメル線の伸び率および引張強度は、平角導体の周囲に絶縁皮膜を有する状態でJIS C3216-3に準拠する方法によって引張試験を行い、測定した。また、エナメル線の0.2%耐力は、上記の伸び率および引張強度を測定するときに得られた応力-ひずみ曲線において、得られた応力-ひずみ曲線への接線を原点から引き、次いで、その接線に平行な直線をひずみが0.2%である位置から引いたときに応力-ひずみ曲線と直線とが交差する点(交点)を求め、この交点における応力を0.2%耐力として測定した。
表1において、エナメル線のエッジワイズ曲げは、平角導体の周囲に絶縁皮膜を有するエナメル線の状態でJIS C3216-3 JA.5.1.2 a)に準拠する方法によって試験した。なお、本試験では、直径が16mmのマンドレルの表面にエナメル線の長軸の方向に位置する絶縁皮膜の表面が接した状態で当該エナメル線をエッジワイズに180度曲げ、この曲げによってエナメル線の絶縁皮膜に亀裂が生じるか否かを評価した。
表1において、生産性は、圧延工程にて平角導体を作製する際の圧延回数によって評価した。
11 平角導体
12 絶縁皮膜
Claims (3)
- 一対の圧延ロールを用いて線材を圧延することにより、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、前記短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体を形成する圧延工程と、
前記平角導体の外周を被覆する絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程と、を含み、
前記圧延工程では、前記圧延ロールの前記線材を圧延する部分に、圧延して得られる前記平角導体の前記長軸の長さaの0.20倍以上0.50倍未満の大きさからなる深さd、および前記深さdとの関係において、2≦d/W≦6を満たす幅Wを有する溝を備え、前記線材が前記溝の内面に接するように前記圧延ロールを通過することよって前記線材を圧延する、エナメル線の製造方法。 - 前記線材は、横断面が円形状である金属線材を押出成形によって短軸の長さが0.80mmよりも大きい平角形状の横断面にしたものである請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
- 前記絶縁皮膜形成工程は、前記平角導体を挿通させる開口部の内面に突起を有する塗装ダイスを用いて、前記平角導体の周囲に絶縁塗料を塗装する塗装工程を含む請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
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