JP2006078554A - 画像形成装置及び帯電不良検出装置 - Google Patents

画像形成装置及び帯電不良検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 像担持体の状態変化、温度や湿度等の環境変化、及び帯電部材個体差等のプロセス条件変化が存在しても、安定して被帯電体を均一に帯電できるように、帯電部材に印加する帯電バイアスを決定する。さらに、局所的な帯電不良を検出する。
【解決手段】 帯電ローラと感光ドラムの間に流れる電流を帯電電流測定回路により測定し、当該電流から特定周波数を有するスパイク放電電流を抽出し、当該スパイク放電電流値を平均化処理した値Ispを所定の範囲内に設定するように制御する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被帯電体を帯電する工程を有する画像形成装置、及び被帯電体の帯電不良を検出する帯電不良検出装置に関する。
従来、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置では、感光体等の像担持体表面を帯電する装置として、コロナ帯電器が広く用いられていた。コロナ帯電器は、その放電開口部が被帯電体に対向するように非接触に配設され、被帯電体表面を放電開口部からのコロナ電流にさらすことで所定の極性の所定の電位に帯電する。コロナ帯電器には、高電圧電源が必要、帯電効率が低い、コロナ放電によってオゾンや窒素酸化物等の放電生成物が大量に発生する、放電ワイヤが汚れやすい等の問題がある。
近年では、低消費電力、高帯電効率、放電生成物の発生量が少ないという特長を持った接触式帯電装置が実用化されている。これは、感光体等の被帯電体に対して導電性の帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して被帯電体に対して放電を行わせて被帯電体表面を所定の電位に帯電させるものである。
なお、帯電部材を被帯電体に対して接触させず、帯電部材と被帯電体の間に放電現象を生じうる微小空隙を設けて非接触に対向配設して、帯電部材に所定の帯電バイアスを印加しても、帯電部材を被帯電体と接触させた場合と同様に帯電できる。
本発明は、上記のように帯電部材と被帯電体の間に放電現象を生じうる微小空気間隙を設けて非接触に対向配設する帯電方式も含む。
帯電部材は、ローラ型・ブレード型・ロッド型・ブラシ型などの形態とすることができる。この中で、帯電部材として導電性ローラを用いたローラ帯電方式は、安定して帯電できるため、多く用いられている。
接触式帯電装置には、帯電部材に対して、直流電圧を印加して被帯電体を帯電する「DC帯電方式」と、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを印加して被帯電体を帯電する「AC帯電方式」がある。
このAC帯電方式に関しては、本出願人は、先の提案(特開昭63−149668号)を行っている。このAC帯電方式においては、帯電部材は、被帯電体と接触する接触領域と、この接触領域よりも被帯電体移動方向下流側で被帯電面との距離が大きくなっていく離間面領域とを具備し、直流電圧と交流電圧(ピーク間電圧は、帯電部材に直流電圧を印加して被帯電体の帯電が開始する電圧Vthの2倍以上)を重畳した帯電バイアスを帯電部材に印加する。被帯電面と帯電部材の前記離間面領域との間に振動電界を形成することで、交流成分が被帯電面の帯電電位を均一にでき、被帯電体表面を所定の電位に収束させることができる。
交流電圧の波形として、しばしば正弦波が用いられるが、矩形波、三角波、パルス波でも良い。
いずれの方式においても、帯電バイアスが印加された接触帯電部材により、被帯電体表面が所定の電位に帯電される。
DC帯電方式では、下記に示す帯電バイアス制御がこれまでに提案されている。
特開平8−166706は、雰囲気環境の温度・湿度の変化や感光体の膜減りに影響されずに感光体の表面電位を一定にすることを目的に帯電バイアス制御を行っている。
移動する感光体に接触または近接する帯電ローラに、電源から少なくとも2種類の電圧を選択的に印加し、帯電ローラに対する第1の印加電圧Vin1によって発生する電流Ir1および第2の印加電圧Vin2によって発生する電流Ir2を電流測定手段により測定する。その電流値を制御手段が入力しかつ記憶し、帯電ローラに印加した電圧、電流測定手段が測定した電流および予め測定した電源から帯電ローラの帯電領域までの抵抗値Rrに基づいて演算を行い、作画工程における感光体を所望電位にするための帯電ローラに印加する最適電圧Vin_optを決定し、その最適電圧Vin_optを帯電ローラに印加するように電源を制御する。
また、特開2000−305342は、感光体の削れや、環境等による静電容量の変化、近傍温度に応じて適切な帯電ローラ印加電圧を決定し、地肌汚れや画像濃度低下の発生を防止することを目的に帯電バイアス制御を行っている。
放電開始電圧Vth以上の2つの電圧V1、V2を帯電ローラに印加し、流れる電流I1、I2を測定し、一次方程式
I−I1={(I2−I1)/(V2−V1)}(V−V1)
のI=0の時の電圧Vから放電開始電圧Vthを求める。帯電装置近傍に温度検知手段を設け、検知温度に応じてあらかじめ実験的に求めた印加電圧に対する感光体表面電位Vdの傾きαを用いて所要の感光体表面電位Vdにするための帯電ローラ印加電圧Vcを
Vc=Vth+Vd/α
と求め、これを帯電ローラに印加し、一定の感光体表面電位Vdを得る。
これら2つの帯電バイアス制御のように、帯電部材に印加する電圧と、その電圧を印加した時に流れる時間平均されたDC帯電電流から、感光体表面電位Vdを一定にする制御はこの他にも提案されている。
本件の発明者は、帯電バイアス印加時に発生する個々の放電の放電電荷量は、帯電不良の有無に大きく関係していることを見出した。
しかし、これまでの提案例は時間平均された電流値を用いて帯電バイアスを制御しているので、帯電時に発生する個々の放電の放電電荷量は分からない。
このため、過剰放電または過小放電に起因する帯電不良は検出することができない。
実例を挙げると、感光体表面電位Vdを一定にするように帯電バイアスを制御していると、使用初期には帯電不良が発生しないにも関わらず、温度や湿度の環境、感光ドラム膜厚の減耗によって、帯電不良が発生する場合がある。
これまでに、DC帯電方式において、個々の放電の放電電荷量を用いて帯電バイアス制御を行う方法は提案されていない。
同様に、DC帯電方式において、個々の放電の放電電荷量を用いて帯電不良の検出を行う方法は提案されていない。
また、交流電圧のピーク間電圧Vppが放電閾値Vthの2倍未満であるAC帯電方式において、個々の放電の放電電荷量を用いて帯電バイアス制御を行う方法は提案されていない。
同様に、交流電圧のピーク間電圧Vppが放電閾値Vthの2倍未満であるAC帯電方式において、個々の放電の放電電荷量を用いて帯電不良の検出を行う方法は提案されていない。
特開昭63−149668号公報 特開平8−166706号公報 特開2000−305342号公報
本発明では、DC帯電方式において、像担持体の状態変化、温度や湿度等の環境変化、及び個体差のばらつき等のプロセス条件変化が存在しても、安定して被帯電体を均一に帯電できるように、帯電部材に印加する帯電バイアスを決定する。さらに、局所的な帯電不良を検出する。
また、交流電圧のピーク間電圧Vppが放電閾値Vthの2倍未満であるAC帯電方式において、像担持体の状態変化、温度や湿度等の環境変化、及び個体差のばらつきが存在しても、安定して被帯電体を均一に帯電できるように、帯電部材に印加する帯電バイアスを決定する。さらに、局所的な帯電不良を検出する。
本発明の1つとして下記の構成を特徴とする。
即ち、帯電部材を有し、前記帯電部材に電圧を印加することにより前記帯電部材と被帯電体の間で放電を行なわせて被帯電体の帯電を行なう画像形成装置において、
前記帯電部材に電圧を印加した際に、前記帯電手段と前記被帯電体の間に流れる電流を測定する電流測定手段と、
前記電流から特定周波数を有する特定電流を抽出する特定電流抽出手段と、
前記特定電流を所定時間測定する測定手段とを有し、
前記所定時間を所定数に分割し、分割した各々の時間の中において、測定された前記特定電流の最大瞬時値を平均化して得られる情報Ispを、所定の範囲に制御することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の効果として、局所的な帯電不良なく被帯電体の帯電を行なうことができる。
本発明の別の効果として、帯電部材に個体差が存在していても、均一に帯電をすることができる。
以下、図面に添って、本発明の実施形態を説明する。
1)プリンタの構成
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略構成図である。本実施の形態の画像形成装置は電子写真方式のレーザビームプリンタである。
本画像形成装置は、被帯電体であり像担持体でもある感光ドラム1を備えている。感光ドラム1の周囲には、帯電部材である帯電ローラ2、現像装置4、転写ローラ5、クリーニング装置6が配設されており、感光ドラム1の露光装置3と現像装置4間の上方には露光装置3が配設されている。また、感光ドラム1と転写ローラ5間の転写ニップ部Nの転写材搬送方向の上流側には、転写ガイド7が配設されており、転写ニップ部Nの転写材搬送方向の下流側には、除電針8、搬送ガイド9、定着装置10が配設されている。
感光ドラム1は、本実施の形態では負帯電の有機感光体で、アルミニウム製のドラム基体1a上に感光体層1bを有しており、所定の周速で矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その回転過程において接触する帯電ローラ2により負極性の一様な帯電を受ける。
接触帯電手段としての帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に回転自在に接触し、帯電バイアス電源11から印加される帯電バイアス(この帯電バイアスについては後述する)によって感光ドラム1を所定の極性、電位に均一に帯電する。
露光装置3は、不図示のレーザドライバ、レーザダイオード、ポリゴンミラーなどを備えており、レーザドライバに入力されるパーソナルコンピュータ(不図示)などからの画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザ光がレーザダイオードから出力され、高速回転するポリゴンミラーで前記レーザ光を走査し、反射ミラー3aを介して感光ドラム1表面を画像露光Lすることにより、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
現像装置4は、現像部位にて感光ドラム1表面とほぼ当接する回転自在な現像スリーブ4aを備えており、現像バイアス電源12から現像バイアスが印加された現像スリーブ4aにより、現像部位にて感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する。
転写ローラ5は、感光ドラム1表面に所定の押圧力で接触して転写ニップ部Nを形成し、転写バイアス電源13から印加される転写バイアスにより、感光ドラム1と転写ローラ5間の転写ニップ部Nにて感光ドラム1表面のトナー像を転写材Pに転写する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード6aを有しており、転写後に感光ドラム1表面に残った転写残トナーをクリーニングブレード6aによって除去する。
定着装置10は、回転自在な定着ローラ10aと加圧ローラ10bを有しており、定着ローラ10aと加圧ローラ10b間の定着ニップにて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱加圧して熱定着させる。
前露光装置17は、帯電部上流で感光ドラムを露光し、帯電電位を0Vにする。
次に、上記画像形成装置による画像形成動作について説明する。
画像形成時には、感光ドラム1は駆動手段(不図示)により矢印方向に所定の周速で回転駆動され、帯電バイアスが印加された帯電ローラ2により表面が一様に帯電される。
そして、帯電された感光ドラム1上に露光装置3により画像露光Lが与えられて、パーソナルコンピュータ(不図示)などから入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。
そして、感光ドラム1上に形成された静電潜像に、現像部位にて感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4の現像スリーブ4aにより、感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性に帯電されたトナーを付着させて、トナー像として顕像化する。
そして、感光ドラム1上のトナー像が感光ドラム1と転写ローラ5間の転写ニップ部Nに到達すると、このタイミングに合わせて用紙などの転写材Pが転写ガイド7を介して転写ニップ部Nに搬送される。
そして、前記トナーと逆極性(正極性)の転写バイアスが印加された転写ローラ5により、転写ニップ部Nに搬送された転写材Pに感光ドラム1と転写ローラ5間に発生する静電力によって、感光ドラム1上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは除電針8で除電された後、搬送ガイド9を介して定着装置10に搬送され、定着ローラ10aと加圧ローラ10b間の定着ニップにてトナー像を転写材Pに加熱加圧して熱定着した後に外部に排出され、一連の画像形成動作を終了する。
また、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、クリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去されて回収される。
2)帯電装置の詳細な説明
A)帯電ローラ2
接触帯電部材としての帯電ローラ2を用いる。帯電ローラの概略構成図を図2に示す。芯金(支持部材)2aの外回りに、弾性層2b、表層2cを下から順次積層した2層構成である。弾性層2bは帯電ローラ全体として均一な抵抗を得るための導電層であり、表層2cは感光体ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
本発明の実施例では、4本の帯電ローラを用いて帯電バイアス制御を行った。
B)帯電装置
図3は帯電装置の概略構成図である。
直流電圧電源S1から、帯電バイアスが芯金2aを介して帯電ローラ2に印加されることで、回転する感光ドラム1の表面が所定の電位に帯電される。
15は感光ドラム1を介して帯電ローラ2に流れる帯電電流を測定する電流測定手段である帯電電流測定回路である。この回路15から下記の制御回路14に測定された帯電電流を入力する。
14は帯電バイアス制御回路であり、特定電流抽出手段であるスパイク放電電流抽出回路14a、統計処理回路14b、電源制御回路14c、帯電電流積分回路14d、放電開始電圧測定手段である放電開始電圧算出回路14eからなる。
スパイク放電電流抽出回路14aは、帯電電流測定回路15から入力された帯電電流情報からスパイク放電電流を抽出する機能を有する。なお、スパイク放電電流については後述する。
統計処理回路14bは、スパイク放電電流抽出回路14aから入力されたスパイク放電電流情報を所定の方法にしたがって統計処理し、電源制御回路14cに命令する信号を出力する機能を有する。
電源制御回路14cは、上記帯電バイアス電源S1をオン・オフ制御する機能と、直流電圧電源S1から帯電ローラ2に印加する直流電圧を制御する機能を有する。
帯電電流積分回路14dは、帯電電流測定回路15から入力された帯電電流情報を時間積分することで、DC帯電電流を算出し、放電開始電圧算出回路14eにDC帯電電流情報を出力する機能を有する。
放電開始電圧算出回路14eは、帯電部材に印加する直流電圧を設定し、電源制御回路14cに出力する機能を有し、
帯電電流積分回路14dから入力されたDC帯電電流情報と、電源制御回路14cから入力された印加電圧情報から放電開始電圧Vthを算出し、電源制御回路14cに放電開始電圧Vthを出力する機能を有する。
本実施例では、放電開始電圧Vth以上の2つの電圧V1、V2を帯電ローラに印加し、流れるDC帯電電流I1、I2を測定し、一次方程式
I−I1={(I2−I1)/(V2−V1)}(V−V1)
のI=0の時の電圧Vから放電開始電圧Vthを求める。
これらの回路を統合した帯電バイアス制御回路14は、帯電電流測定回路15から入力された帯電電流情報を用いて、画像形成時の帯電プロセスにおいて帯電ローラ2に印加する直流電圧を制御する機能を有する。
17は帯電前除電手段である前露光装置である。帯電部上流で感光ドラムを露光し、帯電電位を0Vにする。最大瞬時電流が所定の値以上となるスパイク放電電流が発生する直流電圧が存在するように、帯電部上流における感光ドラム表面電位と帯電ローラに印加する直流電圧の間に差を設ける機能を有する。
C)帯電部材に印加する直流電圧の制御方法
C−1)スパイク放電電流の説明
はじめに、個々の放電を測定する動的スパイク放電電流測定方法について説明する。
帯電部材に直流電圧を印加するDC帯電方式では、特定周波数を有するスパイク状の放電(以下スパイク放電と呼ぶ)を多数発生させることで帯電する。本実施例において、スパイク放電は、周波数で10000(Hz)を有する放電電流、即ち放電電流の立ち上がり時間τがτ≦100μsのものとした。
そこで、スパイク放電の放電電荷量の測定方法を示す。
図4はスパイク放電電流測定装置の概略構成図である。
感光ドラム1は、本実施の測定方法では負帯電の有機感光体で、アルミニウム製のドラム基体1a上に感光体層1bを有しており、所定の周速で矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その回転過程において接触する帯電ローラ2により負極性の一様な帯電を受ける。
本測定例では、感光層の膜厚が25μm、比誘電率が3.0、直径が30mm、10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを用い、回転駆動装置(不図示)によって、プロセススピード100mm/sで感光ドラムを回転させた。
帯電ローラ2は、導電性基体2aと、その外周一帯に形成された弾性層2bと、更にその外周に形成された表面層2cから構成されている例を示す。
接触帯電手段としての帯電ローラ2は回転自在であり、感光ドラム1と接触することで従動回転する。本発明の実施例で挙げられる各々の帯電部材について動的スパイク放電電流測定を行った。
直流電圧電源S1から、直流電圧Vaが芯金2aを介して帯電ローラ2に印加されることで、回転する感光ドラム1の表面が帯電される。本実施例では、直流電圧−1200Vを帯電ローラ2に印加した。
15は感光ドラム1を介して帯電ローラ2に流れる帯電電流の時間変化を測定する帯電電流波形測定装置である。帯電電流測定装置15を感光ドラム基体とグラウンドの間に設ける。帯電電流測定装置15は、帯電ローラ2と比べて充分小さい負荷抵抗1kΩと、その負荷抵抗を流れる電流を測定する装置からなる。
ここでは、サンプリング周波数が200MS/sのオシロスコープを用いた。測定した帯電電流波形は、スパイク放電電流抽出装置14aへ入力する。
14aは、スパイク放電電流抽出装置である。図5にスパイク放電電流の測定例を示す。測定例では、スパイク放電電流の立ち上がり時間は約0.3μs、時定数は約1μs、最大瞬時値は100μAである(以後、最大瞬時値は絶対値で表示する)。帯電部材に直流電圧を印加するDC帯電方式では、時定数及び最大瞬時値の異なるスパイク放電の重ね合わせにより帯電される。ここで、スパイク放電の立ち上がり時間τは、100μs以下である。
本測定例では、コンピュータを用いて帯電電流波形データからノイズを除去し、スパイク放電電流を抽出した。抽出したスパイク放電電流は、統計処理装置14bへ入力する。
14bは、統計処理装置である。スパイク放電電流抽出装置11から入力されたスパイク放電電流情報を所定の方法にしたがって統計処理する機能を有する。
本測定例では、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,・・・・,Isp10の10点平均Ispを求めた。ただし、ここで求めたIsp1,Isp2,・・・・,Isp10は、スパイク放電電流の瞬時値の絶対値が最大となる値である。
17は前露光装置である。スパイク放電電流測定時には、帯電部上流で感光ドラムを露光し、帯電電位を0Vにする。これにより、帯電部上流における感光ドラム表面電位Vbと帯電ローラに印加する直流電圧Vaの差を一定に保つことができる。
帯電部材には抵抗を制御する導電材として、各種のイオン導電物質が使用されることが多い。イオン導電物質は、温度・湿度の変化による抵抗変動の影響が大きい。そこで、帯電部材の環境変動も考慮して放電電流を測定する必要がある。
そこで、H/H環境下(温度30℃、湿度80%RH)、N/N環境下(温度23℃、湿度50%RH)と、L/L環境下(温度15℃、湿度10%RH)で動的スパイク放電電流測定を行った。
H/H環境下と、N/N環境下、L/L環境下での測定結果を表1に示す。
表1は、帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚が25μmの場合に、帯電部材A〜Dを用いて、動的放電電流測定結果からL/L環境、N/N環境、H/H環境ごとにIspを求めた表(単位はμA)である。
Figure 2006078554
本発明の発明者は、帯電部上流における感光ドラム表面電位と帯電ローラ2に印加する直流電圧の間に差が存在する時に、時定数が0.01μsから100μsのスパイク放電電流が発生することを発見した。ほとんどの場合は、時定数は0.1μsから20μsの間に収まる。
スパイク放電が発生すると、砂地や横スジ等の局所的な帯電不良が発生することも確認した。
C−2)帯電部材に印加する直流電圧を決定する方法
図3に示す通り、帯電電流測定回路15を感光ドラム基体とグランドの間に設ける。帯電電流測定回路15は、帯電ローラ2と比べて充分小さい負荷抵抗1kΩと、その負荷抵抗を流れる電流を測定する回路からなる。
帯電バイアス制御時に、帯電部材に一時的に印加する帯電バイアスVdcを変化させる。
帯電時に流れるスパイク放電電流を測定する為に、帯電部上流に前露光装置17を付けて、帯電部上流での感光ドラム表面電位を0Vにする。帯電バイアス制御時に、前露光装置17を点灯する。
帯電前除電手段を備えている場合、被帯電領域全域に渡って、
|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)が一定になるので、帯電時に発生する個々の放電の電荷量は安定化しやすい。
しかし、プロセススピード変化や温度湿度環境変化、使用に伴う被帯電体の膜厚変化等、帯電条件が変化すると、個々の放電の電荷量が変化する。それに伴い、一部の帯電領域が過剰もしくは過小な電荷分布になり、被帯電体にトナーを現像した時に白スジ・黒スジ・白ポチ等の帯電不良となることがある。
本実施例では、スパイク放電電流の時定数τは約1μsであるので、帯電電流測定回路15のサンプリング周波数fsは、ナイキスト周波数2MHz以上である必要がある。そこで、fs=10MHzとした。
帯電電流測定回路15は、スパイク放電電流の発生を確認できるようにある値以上のスルーレートが必要である。そこで、帯電電流測定回路15のスルーレートは、20V/μsとした。
DCローラ帯電方式において、Vdcを変化させた時の、スパイク放電電流の最大瞬時電流変化を図6に示す。ここでは、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,・・・・,Isp10の10点平均Ispを求めた。ただし、ここで求めたIsp1,Isp2,・・・・,Isp10は、スパイク放電電流の瞬時値の絶対値が最大となる値である。
この図から分かるように、帯電部材に印加する電圧が上昇するにしたがって、Ispも上昇することが分かる。
本実施例で用いた帯電電流測定回路15では、スパイク放電電流測定時に瞬時電流が10μA程度のノイズが混入している。これに対して、測定したい信号だと判別できる瞬時電流が20μA以上のスパイク放電は、0.1sあたり1000から10000回発生した。
ここで、スパイク放電電流が発生する時間は定まっていない。
そこで、放電電荷量の大きなスパイク放電を見積もる量として、以下に示すIspを求めた。
0.1sの間連続してスパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,・・・・,Isp10の10点平均Ispを求めた。ただし、ここで求めたIsp1,Isp2,・・・・,Isp10は、スパイク放電電流の瞬時値の絶対値が最大となる値である。
図3に示す帯電バイアス制御回路14を説明する。
スパイク放電電流抽出回路14aは、帯電電流測定回路15から入力された帯電電流情報からスパイク放電電流を抽出する機能を有する。
帯電電流測定回路15からの出力を二つに分ける。一方の信号は、そのまま差分比較回路の入力Aに入れ、他方の信号は、スパイク放電電流を通さない低域通過フィルタ回路を通し、差分比較回路の入力Bへ入れる。これにより、スパイク放電電流より周波数が低い非放電電流成分を除去することができる。
統計処理回路14bは、スパイク放電電流抽出回路14aから入力されたスパイク放電電流情報を所定の方法にしたがって統計処理し、電源制御回路14cに命令する信号を出力する機能を有する。
放電開始電圧算出回路14eは、帯電部材に印加する直流電圧を設定し、電源制御回路14cに出力する機能を有し、
帯電電流積分回路14dから入力されたDC帯電電流情報と、電源制御回路14cから入力された印加電圧情報から放電開始電圧Vthを算出し、電源制御回路14cに放電開始電圧Vthを出力する機能を有する。
本実施例では、スパイク放電電流の発生の大きさを確認する制御変数として最大瞬時電流を用いる。ここでは、被帯電体を均一に帯電できるようにIspを所定の範囲内に制御する帯電電圧Vtを求める。
Vtを求める制御の詳細は後述する。
本実施例で用いた帯電部材が被帯電体を均一に帯電できるIspの範囲を表2に示す。
表2は帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚が25μmの場合に、帯電部材A〜Dを用いて、均一に帯電できるIspの範囲をL/L環境、N/N環境、H/H環境ごとに求めた表(単位はμA)である。
Figure 2006078554
表に示すとおり、帯電部材によって被帯電体を均一に帯電できるIspの範囲は異なる。
また、温度や湿度の環境によって被帯電体を均一に帯電できるIspは異なる。
帯電ローラAからCの場合、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある程度大きいと均一に帯電できる。しかし、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量が小さいと、被帯電体上に帯電しきれない部分が発生し黒スジ状の帯電不良が発生する。また、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量が大きすぎると、被帯電体上に過剰に帯電された部分が発生し白スジ状や白ポチ状の帯電不良が発生する。
ただし、帯電ローラCでは、L/L環境下ではどのような直流電圧を印加しても帯電不良が発生する。これは、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量が大きい特性をもつ帯電ローラCは、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量が大きくなりやすいL/L環境下では、過剰に帯電された部分が発生し白スジ状や白ポチ状の帯電不良が発生するためである。
帯電ローラDの場合、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある値より小さいと均一に帯電できる。これは、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある程度の大きさまでは均一に帯電でき、閾値を超えると、過剰に帯電された部分が発生し白スジ状や白ポチ状の帯電不良が発生するためである。
帯電バイアス制御中にスパイク放電電流の大きさを判別する時に、Vdcを変化させるステップ間変化が、閾値ΔVmin以下になったら、Vdcの変化を停止させる。本実施例では、閾値ΔVminを10Vとする。Vdcを変化させるステップ間変化が10V未満ならば、Ispの測定精度と同程度であるためである。すなわち、帯電部材に−1210V印加時のIspと、−1200V印加時のIspの差と、Ispの測定精度が同程度であるためである。
Vdcを変化させて帯電バイアスに用いるVtを求める方法を以下に示す。
図7に帯電バイアスのVdcを決めるフローチャートを示す。
画像形成時の感光ドラムの膜厚やプロセススピードにおいて、
画像形成に用いる帯電部材が均一に帯電できるIspの範囲をあらかじめ調べて、帯電バイアス制御回路14の統計処理回路14bに保持する。
ただし、実際に使用する条件では、温度や湿度環境は変化するので、少なくともH/H(温度30℃、湿度80%RH)、N/N(温度23℃、湿度50%RH)、L/L(温度15℃、湿度10%RH)の3環境下で調べておく。
各々の環境において均一に帯電できる下限、上限をそれぞれIsp1_H/H、Isp2_H/H、Isp1_N/N、Isp2_N/N、Isp1_L/L、Isp2_L/Lとする。
本実施例では、感光ドラムの膜厚は実際に使用する条件では1μm程度しか変化しない。また、プロセススピードも一定である。
従って、温度・湿度条件によって、均一に帯電できるIspの範囲は決定する。
また、放電開始電圧Vthも温度・湿度条件によって決定する。
そこで、各々の環境における放電開始電圧VthをVth_H/H、Vth_N/N、Vth_L/Lとする。
表2に示した帯電ローラについて、放電開始電圧Vthを表3に示す。
表3は、帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚が25μmの場合に、帯電部材A〜Dを用いて、放電開始電圧VthをL/L環境、N/N環境、H/H環境ごとに求めた表(単位はV)である。
Figure 2006078554
表3に示した通り、放電開始電圧Vthは帯電部材にほとんど依存しない。
本実施例では、以下の換算式を用いて均一に帯電できるIspの下限Isp1、Ispの上限Isp2を決定した。
|Vth|<|Vth_N/N|ならば、
Isp1=(Isp1_N/N−Isp1_H/H)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_N/N−Vth_H/H)+Isp1_N/N
Isp2=(Isp2_N/N−Isp2_H/H)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_N/N−Vth_H/H)+Isp2_N/N
|Vth|>|Vth_N/N|ならば、
Isp1=(Isp1_L/L−Isp1_N/N)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_L/L−Vth_N/N)+Isp1_N/N
Isp2=(Isp2_L/L−Isp2_N/N)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_L/L−Vth_N/N)+Isp2_N/N
Vdcを変化させるステップ間変化の下限ΔVminを10V、Vdcを変化させるステップ間変化の最大値ΔWを400Vに設定する。
本実施例で用いた帯電ローラの場合、ΔWを400Vに設定すれば均一に帯電できる直流電圧Vtを発見できる。
Vdcを変化させてスパイク放電電流を判別する各々のステップで、スパイク放電電流の最大瞬時電流の平均値Ispが
Isp<Isp1を満たす時をX[i]=−1、Isp1<Isp<Isp2を満たす時をX[i]=0、Isp2<Ispを満たす時をX[i]=1とする。
第iステップに判別する直流電圧のVdcをVdc[i]、第iステップに直流電圧Vdc[i]を印加した時に発生したIspをIsp[i]、第iステップの出力値をX[i]、画像形成時に帯電部材に印加する直流電圧をVtとする。
ここで、画像形成条件が安定するためには、被帯電体の帯電電位がVdc[1]印加時の帯電電位に近いことが好ましい。そこで、VtはIsp1<Isp<Isp2かつVdc[1]に近い直流電圧を求める。
以下に示す論理式にしたがって、Vdc[i]を変化させる。
第1ステップ(i=1)では、Vdc[1]=−1200
X[1]=0ならば、Vt=Vdc[1]
第2ステップ(i=2)では、
X[1]=−1or1ならば、Vdc[2]=Vdc[1]+X[1]*ΔW
第3ステップ(i=3)では、
X[2]=−1or1ならば、Vdc[3]=Vdc[2]+X[2]*ΔW/2
X[2]=0ならば、Vdc[3]=Vdc[2]−X[1]*ΔW/2
第4ステップ以上(i≧4)では、
10<ΔW*2−(i−2)ならば、
X[i]=−1or1ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]+X[i−1]*ΔW*2−(i−2)
X[i]=0ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]−X[1]*ΔW*2−(i−2)
10>ΔW*2−(i−2)ならば、
jが、i≧jかつX[j]=0を満たす最大値ならば、Vt=Vdc[j]
ここで、各々のステップ終了後に、Vdcのステップ間変化分|Vdc[i−1]−Vdc[i]|とVdcの最小ステップ間変化分ΔVminとの大小関係を判別し、Vdcのステップ間変化が上回っていたら次のステップに移行し、下回っていたらVdcを変化させてスパイク放電電流を判別する帯電バイアス制御を終了する。
帯電バイアス制御終了時に、最後に出力値X[j]が0となったステップにおけるVdc[j]を、帯電部材に印加することができる直流電圧Vtとする。
実例を以下に示す。
表2に記載した帯電部材Aを、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth=−580Vである。数式3より、Isp1=730μA、Isp2=1160μAである。
本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。上記条件では、図8に示す通り、Vtは−1200Vであった。
この時帯電バイアス制御に、Vthの算出時間0.5sとIspの測定時間0.1sを足した0.6sかかった。
また、表2に記載した帯電部材Aを、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth=−650Vである。数式4より、Isp1=875μA、Isp2=1350μAである。本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。上記条件では、図9に示す通り、Vtは−1156Vであった。
この時帯電バイアス制御に、Vthの算出時間0.5sとIspの測定時間(0.1s×8ステップ)0.8sを足した1.3sかかった。
Vthの測定誤差は±1V〜±5V程度で、厳密な値である必要はなく、頻繁に設定し直す必要はない。ただし、個々の感光ドラム・帯電ローラ・電子写真プリンタを用いて実際の使用する条件でのVthを求めてもよい。
また、ΔWも厳密な値である必要はなく、スパイク放電電流の発生状態を調べて、スパイク放電電流Ispの範囲が均一に帯電できる領域を含むならば、経験に基づく値を使用しても差し支えない。
従って、帯電バイアス制御に使用する設定値が規定されていれば、Vdcを振ってスパイク放電電流Ispの発生状態を判別する時間のみで帯電バイアスを決定できる。必要最小限の変数を測定することで帯電バイアス制御ができるならば、短時間での帯電バイアス制御が可能である。
使用環境測定手段として環境センサー等を画像形成装置を設けておくことで、上記帯電制御方法を用いて帯電ローラに印加する直流電圧を決定することによって、温度や湿度等の環境変化が発生しても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができる。
従来のDC帯電バイアス制御では、
帯電部材に電圧を印加した時に流れるDC帯電電流を測定して放電開始電圧Vthを求めて、被帯電体の帯電電位を所定の値に保つ方法が多く提案されている。しかし、製造ロット違い等の帯電部材の個体差によって、同じ帯電バイアスを印加しても、均一に帯電できるものと、できないものが存在した。しかも、DC帯電電流のみでは、均一に帯電できるかどうかは判別できなかった。
本実施例では、帯電部材に個体差が存在していても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができた。
従来の帯電バイアス制御はDC帯電電流を用いて制御しているため、局所的な帯電不良の原因となる過渡的な異常放電を検出できない。従って、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良が発生することがあった。これに対して、本発明では、局所的な帯電不良の原因となるスパイク放電電流の発生の有無を用いて制御しているので、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良の発生を防止できる。また、長手方向のどの領域でスパイク放電電流が発生しても検出できるので、長手方向全領域に渡って局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の画像不良の発生を防止できる。
C−3)実施例の補足
図3に示した通り、本実施例では帯電電流測定回路15を感光ドラム基体とグランドの間に設けた。しかし、帯電電流を測定する位置を限定するものではなく、帯電電流を測定できるならば、測定位置を問わない。例えば、帯電バイアス電源11と、帯電ローラ2の間に帯電電流測定回路15を配置してもよい。また、帯電電流測定に用いる負荷は、帯電ローラの負荷と比べて充分に小さいならばどのような負荷でもよい。
感光ドラム1や帯電ローラ2構成等のプロセス条件が極端に変化しないならば、H/H環境、N/N環境または、L/L環境において、帯電ローラ2に直流電圧を印加した時に感光ドラム1への放電が開始する電圧Vthは、既定値であってもよい。
また、Vthを求める手段はどのような方法でもよい。例えば、直流電圧を印加した時の直流帯電電流を測定できる装置を備えていれば、直流電圧を印加した時に感光ドラムへの放電が開始する電圧から急激に直流帯電電流が増加するので、Vthを求めることができる。
本実施例では、H/H(温度30℃、湿度80%RH)、N/N(温度23℃、湿度50%RH)、L/L(温度15℃、湿度10%RH)の3環境下で、均一に帯電できるIspの下限Isp1及び上限Isp2を求めた。しかし、均一に帯電できるIspの範囲を測定する環境は、上記3環境に限定するものではない。使用条件に合わせて、Ispの範囲を測定してもよい。例えば、高温高湿環境で画像形成する場合が多いならば、H/H環境とN/N環境の中間でもIspの測定して、帯電バイアス制御に利用しても良い。また、低温低湿環境で画像形成する場合が多いならば、L/L環境とN/N環境の中間でもIspの測定して、帯電バイアス制御に利用しても良い。
本実施例では、スパイク放電電流の立ち上がり時間は約0.3μsであったが、帯電ニップ全体の構成や状態からスパイク放電電流の立ち上がり時間が決まることが経験的に分かっている。そこで、様々な層構成・抵抗分布を持った被帯電体や帯電部材についても同様に、スパイク放電電流の立ち上がり時間を測定したところ、
スパイク放電電流の立ち上がり時間をτとすると、
τ≦100μs
を満たすことが分かった。そこで、上記条件を満たす直流放電電流をスパイク放電電流と定義する。なお、本実施例ではノイズとスパイク放電電流とを明確に区別するために10μA以上の最大瞬時電流を有するものをスパイク放電電流の条件として追加している。
一般に、周波数fHzの信号を捕らえる為には、ナイキスト周波数2fHz以上でサンプリングしなければならない。従って、帯電電流を測定するサンプリング周波数をfs、スパイク放電電流の時定数をτとすると、
fs>2/τ
を満たすように設定する必要がある。
本実施例では、スパイク放電電流の時定数τは約1μsであるので、帯電電流測定回路のサンプリング周波数fsは、ナイキスト周波数2MHz以上である、fs=10MHzを用いた。
帯電部材に印加する帯電バイアス及び帯電ニップ全体の構成や状態からスパイク放電電流の時定数τが決まることが経験的に分かっている。特に、帯電部材や被帯電体の抵抗構成・表面性・形状の影響が大きい。そこで、様々な帯電バイアスや、様々な層構成・抵抗分布を持った帯電部材や被帯電体についても同様に、スパイク放電電流の時定数τを測定したところ、0.01μsから100μsの間に分布していることが分かった。ただし、ほとんどの測定例では、0.1μsから10μsの間に分布している。
従って、少なくとも0.02MHz以上のサンプリング周波数を必要とする。
なお、温度や湿度等の環境変化や、感光ドラムの膜厚変化、帯電ローラの表面の汚れ状態変化によるスパイク放電電流の時定数変化は小さい。
これらの事実より、標準的な帯電バイアス及び帯電ニップ全体の構成について、スパイク放電電流の時定数τを測定しておき、それに合わせてサンプリング周波数を決めて、使用の初期から最後まで一定としてもよい。各々の帯電ニップ全体の構成について、使用初期にスパイク放電電流の時定数τを測定し、その時定数に合わせて帯電電流測定回路のサンプリング周波数を決めてもよい。また、帯電バイアスや被帯電体・帯電部材の個体差を考えても充分に早い帯電電流測定回路のサンプリング周波数を用いてもよい。
帯電電流測定回路は、スパイク放電電流の発生を確認できるように、所定の値以上のスルーレートが必要である。本実施例では、帯電電流測定回路15のスルーレートは、20V/μsである。帯電電流測定回路のスルーレートは上記の値に限定するものではなく、スパイク放電電流の時定数τに合わせて変化してもよい。
例えば、スパイク放電電流の時定数をτ、帯電電流測定回路のスルーレートをTとすると、少なくともT×τ≧1を満たすスルーレートならば、スパイク放電電流の発生状況を確認できる。この場合、スパイク放電電流の時定数τは0.01μsから100μsの間に分布しているので、スルーレートは少なくとも10V/ms以上でなければならない。
スパイク放電電流の最大瞬時電流が所定の値以下かどうかを確認できるならば、どのようなスルーレートでもよい。
ただし、帯電電流測定回路のスルーレートによって、被帯電体を均一に帯電でき、かつ出力画像に影響が出ないスパイク放電電流の最大瞬時電流は異なる。スパイク放電電流の時定数τが1μsの時には、スルーレートが充分に早い時に画像に影響が出ないスパイク放電電流の最大瞬時電流は10000μA以下であるので、スルーレートが遅い帯電電流測定回路を用いる場合では、この値に合わせて校正する必要がある。
すなわち、時定数1μs、最大瞬時電流10000μAのスパイク放電電流が帯電電流測定回路に入力された時、最大瞬時電流がいくらになるかを確認する必要がある。
帯電電流からスパイク放電電流を抽出できる電気回路ならば、どのような電気回路でもよい。以下に他の例を示す。
帯電電流測定回路からの出力信号を二つに分け、一方の信号は、スパイク放電電流を通すがそれ以上の高周波成分を通さない低域通過フィルタ回路Aを通し、差分比較回路の入力Aに入れ、他方の信号は、スパイク放電電流を通さない低域通過フィルタ回路Bを通し、差分比較回路の入力Bへ入れる。これにより、帯電電流測定回路からの出力信号に乗っていた高周波ノイズを除去できる。
次の例を挙げる。帯電電流測定回路からの出力信号を、平均化する帯電電流平均化装置を設ける。帯電電流測定回路からの出力信号を差分比較回路の入力Aに入れ、帯電電流平均化装置からの出力信号を差分比較回路の入力Bに入れる。これにより、帯電電流からスパイク放電電流を抽出できる。なお、感光ドラムや帯電ローラの回転に伴い、直流帯電電流は経時変化することがある。従って、上記差分比較回路から求められるスパイク放電電流には閾値を設けることが望ましい。
本実施例では、放電電荷量の大きなスパイク放電を見積もる量として、以下に示すIspを求めた。0.1sの間連続してスパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,・・・・,Isp10の10点平均Ispを求めた。ただし、ここで求めたIsp1,Isp2,・・・・,Isp10は、スパイク放電電流の瞬時値の絶対値が最大となる値である。
Ispの算出方法はこの限りではない。本実施例では、スパイク放電電流の測定時間は0.1sにしたが、測定時間は変えても良い。また、測定時間を10分割したが、分割数を変えても良い。ただし、Ispの算出方法が変わる為、均一に帯電できるIspの範囲も変わる。したがって、Ispの算出方法を変える場合、均一に帯電できるIspの範囲を設定し直し、帯電バイアス制御しなければならない。
周方向の放電ムラも考慮して、スパイク放電電流の測定精度を向上するために、一つの直流電圧条件について、帯電ローラ一周以上の時間を費やしても良い。また、帯電バイアス制御にかける時間を減らす為に、スパイク放電電流の測定時間を減らし、一つの直流電圧条件について、0.1s未満の時間を費やしても良い。
また、測定方法や測定回数、スパイク放電の統計方法は必ずしも本実施例の限りではない。例えば、均一に帯電できると予想される電圧を連続的に変化させながら帯電部材に印加し、それぞれの電圧におけるIspを測定し、画像形成に適した直流電圧を求めても良い。
本実施例では、画像形成時の感光ドラムの膜厚やプロセススピード条件を固定し、
画像形成に用いる帯電部材が均一に帯電できるIspの範囲をあらかじめ調べて、帯電バイアス制御回路14の統計処理回路14bに保持する。この時のIspの設定は、適宜変更してもよい。例えば、高画質画像を出力する場合は、Ispの範囲を均一に帯電できる狭い領域に限定してもよい。また、画質の要求レベルが低い場合は、Ispの範囲を帯電不良が発生していても使用上問題ない広い領域に設定してもよい。
本実施例では、スパイク放電電流の大きさを見積もる制御変数として最大瞬時電流を用いたが、スパイク放電電流の大きさを見積もることができるならばどのような制御変数でもよい。所定の閾値以上に流れているスパイク放電電流の時間積分値(一回の放電で発生する放電電荷量)を例に挙げる。
放電電荷量の大きなスパイク放電を見積もる量として、以下に示すQspを求めた。
0.1sの間連続してスパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内における一回の放電で発生する放電電荷量の最大値Qsp1,Qsp2,・・・・,Qsp10の10点平均Qspを求めた。ただし、ここで求めたQsp1,Qsp2,・・・・,Qsp10は、一回の放電で発生する放電電荷量の絶対値が最大となる値である。また、Qsp1,Qsp2,・・・・,Qsp10は、少なくとも最大瞬時電流が10μA以上流れているスパイク放電の時間積分値である。
QspとIspを同時に測定した実測例を図18に示す。
QspとIspはほぼ比例し、どちらとも放電電荷量の大きなスパイク放電の発生状況を見積もる量として、適切であることが分かる。
本実施例では、直流電圧条件を変化させた時に、Vdcを変化させるステップ間変化が、ある閾値ΔVmin以下になったら、帯電バイアス制御を停止させるとした。その閾値の上限を決める制御は、必ずしも帯電制御ごとに実行しなくてもよい。被帯電体や帯電部材等の回転による閾値の上限変化は、使用状況や使用時間による変化ではそれほど大きく変化しない為である。また、本実施例の制御によらず、経験的に上記閾値を決めてもよい。
本実施例では、図7に示した帯電バイアス制御の通り、Vdc変化の際の初期値として一定電圧−1200Vを用いたが、−1200Vに限定するものではない。感光ドラムの膜厚やプロセススピード等のプロセス条件や、被帯電体の帯電電位Vdに合わせて、初期値を設定しても良い。
また、初期値は常に一定ではなく、被帯電体の帯電電位Vdを所定の値にする帯電バイアスを求めて、Ispが所定の範囲内にあるか判別する時のVdcの初期値としてもよい。
例えば、表2に記載した帯電部材Aを、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御する時、放電開始電圧はVth=−580Vである。そこで、帯電電位Vdを−600Vに設定したいので、Vdcの初期値Vdc[1]=−1180Vとした。
また、帯電前除電手段を備えているならば、DC帯電電流を一定に保つ定電流制御時に印加される直流電圧を初期値としても良い。
本実施例では、図7に示した帯電バイアス制御の通り、均一に帯電することができ、かつVdcの初期値Vdc[1]に近い値をVtとした。帯電部材に印加する直流電圧を求める方法はこの限りではなく、安定して均一に帯電できるVtを求める方法ならば、どのような方法でもよい。
本実施例では、均一に帯電できる帯電バイアスの範囲をあらかじめ設定した。しかし、現像方式によって、均一に帯電して見える帯電バイアスの範囲は異なる。同様に、現像方式によって、帯電不良が発生していても不均一なレベルが変わる。例えば、帯電不良が発生した場合、ジャンピング現像方式の方が、接触現像方式より帯電不良のレベルが悪い。
したがって、画像形成に使用する現像方式によって、帯電バイアス制御時に画像形成可能なIspの範囲を変えても良い。
本実施例に示す帯電バイアス制御により、均一に帯電できる帯電バイアスを求めることができる。通常帯電バイアスVdcが変化すると、帯電電位Vdも変化する。したがって、ドラム電位Vd−現像バイアスVdevも変化し、現像特性も変化する。現像特性を保つ為には、現像バイアスも帯電バイアス変化に合わせて変えた方が好ましい。例えば、帯電バイアスがΔVdだけ変化した場合、現像バイアスもΔVdだけ変化させると、現像特性を保つことができる。
しかし、帯電電位が変わることに伴う現像特性変化を考慮して画像形成するならば、必ずしも現像バイアスを変える必要はない。
本実施例で説明した帯電部材に印加する直流電圧を求める帯電バイアス制御は、通常は、帯電開始一周目等の前回転時や、複数枚数画像出力中の紙間時等の非画像形成時において実行する。特に、現像用・転写用等の他の高圧電源から発生するノイズが、帯電ローラに印加する直流電圧を求める電気回路に影響を与えることを避ける為、現像用・転写用等の他の高圧電源が動作していない時に帯電バイアス制御を実行することが望ましい。
ただし、非画像形成時に限定するものではなく、画像形成時に実行してもよい。
本実施例では、帯電部材の形状・抵抗構成として、2層構成の帯電ローラの例を挙げたが限定するものではない。均一に帯電できる直流電圧が存在するならば、帯電部材はどのような構成をしていてもよい。
例えば、帯電部材として、複層構成の導電性ブレード・ブラシを用いてもよい。
本実施例では、帯電部材が被帯電体に接触している例を挙げたが、均一に帯電できる直流電圧が存在するならば、非接触であってもよい。
温度32.5℃湿度80%RHの環境下で、クリーニング装置をつけずに感光ドラムから放電生成物を除去できない状態では、放電生成物が感光ドラムに付着していない初期の状態と比べて、スパイク放電電流の最大瞬時電流がかなり小さくなった。ただし、この状態の感光ドラムを用いて出力した画像では、感光ドラム表面抵抗が低下していた為に、著しい画像流れが発生した。感光ドラム表面に過剰に放電生成物が付着していなく、画像不良が発生しない使用条件では、直流電圧条件を変化させると必ずスパイク放電電流の発生が確認された。
そこで、被帯電体表面に過剰に放電生成物が付着することでスパイク放電電流が発生しなくなることを避ける為、被帯電体表面から放電生成物を除去する手段として、クリーニング装置をつけてもよい。
本実施例では、Ispを均一に帯電できる範囲内に制御する方法として、Vdcを変えたが、必ずしもこの限りではない。例えば、帯電バイアスVdcを変えなくても、画像書き込みの露光強度を変えて明電位(Vl)を変化させることでIspを制御することができる。
本実施例では、図7に示した帯電バイアス制御の通り、均一に帯電することができ、かつVdcの初期値Vdc[1]に近い値をVtとした。帯電部材に印加する直流電圧を求める方法はこの限りではなく、スパイク放電電流情報をもとに、安定して均一に帯電できるVtを求める方法ならば、どのような方法でもよい。
本実施例では、画像形成装置例として電子写真方式のプリンタを挙げたが、これに限定するものではない。像担持体を帯電して画像形成する画像形成装置ならばどのようなものでもよい。例えば、静電記録装置が挙げられる。
本実施例では、表2の帯電ローラDにおける帯電バイアス制御を示す。
帯電ローラDを用いた時に、均一に帯電できるIspの上限をIsp2とすると、
Isp<Isp2
を満たすIspならば、常に均一に帯電できる特徴を持つ。
プリンタの構成は、実施例1と同様で、図1に示す。
接触帯電部材として帯電ローラDを用いる。
帯電装置の構成は、実施例1と同様で、図3に示す。
以下で、帯電部材に印加する直流電圧の制御方法を示す。
図3に示す、帯電電流測定回路15、帯電バイアス制御回路14は実施例1と同様である。
本実施例では、スパイク放電電流の発生の大きさを確認する制御変数として最大瞬時電流Ispを用いる。ここでは、被帯電体を均一に帯電できるようにIspを所定の範囲内に制御する帯電電圧Vtを求める。
Vtを求める制御の詳細は後述する。
本実施例で用いた帯電ローラDの場合、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある値より小さいと均一に帯電できる。これは、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある程度の大きさまでは均一に帯電でき、閾値を超えると、過剰に帯電された部分が発生し白スジ状や白ポチ状の帯電不良が発生するためである。
スパイク放電電流の発生を判別する直流電圧条件を変化させた時のVdcを変化させるステップ間変化が、閾値ΔVmin以下になったら、Vdcの変化を停止させる。ここでは、閾値ΔVminを10Vとする。
Vdcを変化させて帯電バイアスに用いるVdcを求める方法を以下に示す。
帯電バイアスのVdcを決めるフローチャート図7において、Isp1=0μAとした場合と同様である。
画像形成時の感光ドラムの膜厚やプロセススピードにおいて、
画像形成に用いる帯電部材が均一に帯電できるIspの範囲をあらかじめ調べて、帯電バイアス制御回路14の統計処理回路14bに保持する。
ただし、実際に使用する条件では、温度や湿度環境は変化するので、少なくともH/H(温度30℃、湿度80%RH)、N/N(温度23℃、湿度50%RH)、L/L(温度15℃、湿度10%RH)の3環境下で調べておく。
各々の環境において均一に帯電できる上限をそれぞれIsp2_H/H、Isp2_N/N、Isp2_L/Lとする。
本実施例では、感光ドラムの膜厚は実際に使用する条件では1μm程度しか変化しない。また、プロセススピードも一定である。
従って、温度・湿度条件によって、均一に帯電できるIspの範囲は決定する。
また、放電開始電圧Vthも温度・湿度条件によって決定する。
そこで、各々の環境における放電開始電圧VthをVth_H/H、Vth_N/N、Vth_L/Lとする。
表3に示した通り、放電開始電圧Vthは帯電部材にほとんど依存しない。
本実施例では、以下の換算式を用いて均一に帯電できるIspの上限Isp2を決定した。
|Vth|<|Vth_N/N|ならば、
Isp2=(Isp2_N/N−Isp2_H/H)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_N/N−Vth_H/H)+Isp2_N/N
|Vth|>|Vth_N/N|ならば、
Isp2=(Isp2_L/L−Isp2_N/N)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_L/L−Vth_N/N)+Isp2_N/N
Vdcを変化させるステップ間変化の下限ΔVminを10V、Vdcを変化させるステップ間変化の最大値ΔWを400Vに設定する。
本実施例で用いた帯電ローラの場合、ΔWを400Vに設定すれば均一に帯電できる直流電圧Vtを発見できた。
Vdcを変化させてスパイク放電電流を判別する各々のステップで、スパイク放電電流の最大瞬時電流の平均値Ispが
Isp<Isp2を満たす時を0、Isp2<Ispを満たす時を1とする。
第iステップに判別する直流電圧のVdcをVdc[i]、第iステップに直流電圧Vdc[i]を印加した時に発生したIspをIsp[i]、第iステップの出力値をX[i]、画像形成時に帯電部材に印加する直流電圧をVtとする。
ここで、画像形成条件が安定するためには、被帯電体の帯電電位がVdc[1]印加時の帯電電位に近いことが好ましい。そこで、VtはIsp<Isp2かつVdc[1]に近い直流電圧を求める。
以下に示す論理式にしたがって、Vdc[i]を変化させる。
第1ステップ(i=1)では、Vdc[1]=−1200
X[1]=0ならば、Vt=Vdc[1]
第2ステップ(i=2)では、
X[1]=1ならば、Vdc[2]=Vdc[1]+ΔW
第3ステップ(i=3)では、
X[2]=1ならば、Vdc[3]=Vdc[2]+ΔW/2
X[2]=0ならば、Vdc[3]=Vdc[2]−ΔW/2
第4ステップ以上(i≧4)では、
10<ΔW*2−(i−2)ならば、
X[i]=1ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]+ΔW*2−(i−2)
X[i]=0ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]−ΔW*2−(i−2)
10>ΔW*2−(i−2)ならば、
jが、i≧jかつX[j]=0を満たす最大値ならば、Vt=Vdc[j]
ここで、各々のステップ終了後に、Vdcのステップ間変化分|Vdc[i−1]−Vdc[i]|とVdcの最小ステップ間変化分ΔVminとの大小関係を判別し、上回っていたら次のステップに移行し、下回っていたらVdcを変化させてスパイク放電電流を判別する帯電バイアス制御を終了する。
帯電バイアス制御終了時に、最後に出力値X[i]が0となったステップにおけるVdcを、帯電部材に印加することができる直流電圧Vtとする。
実例を以下に示す。
表2に記載した帯電部材Dを、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth=−580Vである。数式3より、Isp2=780μAである。
本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。上記条件では、図10に示す通り、Vtは−1200Vであった。
また、表2に記載した帯電部材Dを、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth=−650Vである。数式4より、Isp2=875μAである。本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。上記条件では、図11に示す通り、Vtは−1169Vであった。
上記の条件で算出された帯電バイアスVtを帯電部材に印加することで被帯電体を均一に帯電することができる。
上記帯電制御方法を用いて帯電ローラに印加する直流電圧を決定することによって、温度や湿度等の環境変化が発生しても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができる。
従来のDC帯電バイアス制御では、
帯電部材に電圧を印加した時に流れるDC帯電電流を測定して放電開始電圧Vthを求めて、
被帯電体の帯電電位を所定の値に保つ方法が多く提案されている。しかし、製造ロット違い等の帯電部材の個体差によって、同じ帯電バイアスを印加しても、均一に帯電できるものと、できないものが存在した。しかも、DC帯電電流のみでは、均一に帯電できるかどうかは判別できなかった。
本実施例では、帯電部材に個体差が存在していても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができた。
従来の帯電バイアス制御はDC帯電電流を用いて制御しているため、局所的な帯電不良の原因となる過渡的な異常放電を検出できない。従って、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良が発生することがあった。これに対して、本発明では、局所的な帯電不良の原因となるスパイク放電電流の発生の有無を用いて制御しているので、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良の発生を防止できる。また、長手方向のどの領域でスパイク放電電流が発生しても検出できるので、長手方向全領域に渡って局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の画像不良の発生を防止できる。
本実施例では、図7に示した帯電バイアス制御の通り、均一に帯電することができ、かつVdcの初期値Vdc[1]に近い値をVtとした。帯電部材に印加する直流電圧を求める方法はこの限りではなく、スパイク放電電流情報をもとに、安定して均一に帯電できるVtを求める方法ならば、どのような方法でもよい。
感光ドラムの膜を構成する材料によっては、実使用条件では、画像形成することで感光ドラムの表面が減耗し、膜厚が薄くなることがある。使用初期の膜厚に対して、使用後半では7割〜8割近く減耗することもある。
感光ドラムの膜厚が変化すると、放電開始電圧Vthが変化する。帯電ローラAを例に、感光ドラムの膜厚と、温度湿度環境を変えた場合の放電開始電圧Vthの測定例を表4に示す。
表4は、帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚が変化する場合に、帯電部材Aを用いて、放電開始電圧VthをL/L環境、N/N環境、H/H環境ごとに求めた表(単位はV)である。
Figure 2006078554
表に示す通り、感光ドラムの膜厚が減るにしたがって、放電開始電圧Vthも低下する。
これとともに、均一に帯電できるIspの範囲も感光ドラムの膜厚によって変化する。
帯電ローラAを例に、感光ドラムの膜厚と、温度湿度環境を変えた場合の均一に帯電できるIspの範囲の測定例を表5に示す。
表5は、帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚が変化する場合に、帯電部材Aを用いて、均一に帯電できるIspの範囲をL/L環境、N/N環境、H/H環境ごとに求めた表(単位はμA)である。
Figure 2006078554
表に示す通り、感光ドラムの膜厚が減るにしたがって、均一に帯電できるIspの範囲も著しく低下する。したがって、実使用条件で、感光ドラムの膜厚が変化する場合には、感光ドラム膜厚情報をもとに、帯電バイアス制御を行う必要がある。
そこで、本実施例では、感光ドラムの膜厚が変化する時の帯電バイアス制御を示す。
プリンタの構成は、実施例1と同様で、図1に示す。
接触帯電部材として実施例1に記載の帯電ローラAを用いる。
帯電装置の構成は、実施例1と同様で、図3に示す。
本実施例では、感光ドラムの膜厚を推定する手段を備える。
本実施例で使用するプロセスカートリッジは、出力画像枚数を記録するカウンタ(不図示)を備える。経験的に、感光ドラムの膜厚が減耗する量は、出力画像枚数にほぼ比例する。本実施例で用いる感光ドラムについて、感光ドラムの膜厚が減耗する量と、出力画像枚数の関係を図12に示す。
図に示した通り、出力画像枚数が既知ならば、感光ドラムの膜厚を推定できる。
感光ドラムAと感光ドラムBはともに、初期の膜厚が25μmである。
感光ドラムAと感光ドラムBで減耗量が異なるのは、感光ドラムの材料が異なる為である。
本実施例では、感光ドラムAを用いて初期から6000枚印字した後の帯電バイアス制御の例を示す。図12から、感光ドラムAの膜厚は22μmであることが分かる。
以下で、帯電部材に印加する直流電圧の制御方法を示す。
図3に示す、帯電電流測定回路15、帯電バイアス制御回路14は実施例1と同様である。
本実施例では、スパイク放電電流の発生の大きさを確認する制御変数として最大瞬時電流Ispを用いる。ここでは、被帯電体を均一に帯電できるようにIspを所定の範囲内に制御する帯電電圧Vtを求める。
Vtを求める制御の詳細は後述する。
本実施例で用いた帯電ローラAが被帯電体を均一に帯電できるIspの範囲は既に表5に示した。
表に示すとおり、感光ドラムの膜厚や、温度と湿度環境によって被帯電体を均一に帯電できるIspの範囲は異なる。
帯電ローラAの場合、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある程度大きいと均一に帯電できる。しかし、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量が小さいと、被帯電体上に帯電しきれない部分が発生し黒スジ状の帯電不良が発生する。また、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量が大きすぎると、被帯電体上に過剰に帯電された部分が発生し白スジ状や白ポチ状の帯電不良が発生する。
帯電バイアス制御中にスパイク放電電流の大きさを判別する時に、Vdcを変化させるステップ間変化が、閾値ΔVmin以下になったら、Vdcの変化を停止させる。本実施例では、閾値ΔVminを10Vとする。Vdcを変化させるステップ間変化が10V未満ならば、Ispの測定精度と同程度であるためである。すなわち、帯電部材に−1210V印加時のIspと、−1200V印加時のIspの差と、Ispの測定精度が同程度であるためである。
Vdcを変化させて帯電バイアスに用いるVtを求める方法を以下に示す。
感光ドラムの膜厚が変化する実使用条件において、帯電バイアスのVdcを決めるフローチャートを図13に示す。
画像形成時のプロセススピードにおいて、
表5に示す通り、画像形成に用いる帯電ローラAが均一に帯電できるIspの範囲をあらかじめ調べて、帯電バイアス制御回路14の統計処理回路14bに保持する。
ただし、実際に使用する条件では、温度や湿度環境は変化するので、少なくともH/H(温度30℃、湿度80%RH)、N/N(温度23℃、湿度50%RH)、L/L(温度15℃、湿度10%RH)の3環境下で調べておく。
各々の環境において均一に帯電できる下限、上限をそれぞれIsp1_H/H、Isp2_H/H、Isp1_N/N、Isp2_N/N、Isp1_L/L、Isp2_L/Lとする。
本実施例で示す感光ドラムAの膜厚は、実際に使用する条件では、25μmから20μmまで変化する。
本実施例では、感光ドラムAを用いて初期から6000枚印字した後の帯電バイアス制御の例を示す。図12から、感光ドラムAの膜厚は22μmであることが分かる。
均一に帯電できるIspの範囲を算出する為には、感光ドラムの膜厚情報が必要なので、記録してある出力画像枚数情報から推定する。
プロセススピードも一定である。
温度・湿度条件は、放電開始電圧Vthより推定する。
これによって、均一に帯電できるIspの範囲は決定する。
そこで、各々の環境における放電開始電圧VthをVth_H/H、Vth_N/N、Vth_L/Lとする。
測定結果は表4に示す通りである。
感光ドラム膜厚22μmにおける、H/H、N/N、L/L環境でのIsp1、Isp2を推定する。
25μmにおけるH/H環境でのIsp1をIsp1_H/H_25μmとする。
簡単の為、直線補完を行った。
すると表5より、
Isp1_H/H_22μm
=(Isp1_H/H_25μm−Isp1_H/H_20μm)*(22−20)/(25−20)+Isp1_H/H_20μm
=490μA
Isp2_H/H_22μm
=(Isp2_H/H_25μm−Isp2_H/H_20μm)*(22−20)/(25−20)+Isp2_H/H_20μm
=770μA
Isp1_N/N_22μm
=(Isp1_N/N_25μm−Isp1_N/N_20μm)*(22−20)/(25−20)+Isp1_N/N_20μm
=540μA
Isp2_N/N_22μm
=(Isp2_N/N_25μm−Isp2_N/N_20μm)*(22−20)/(25−20)+Isp2_N/N_20μm
=840μA
Isp1_L/L_22μm
=(Isp1_L/L_25μm−Isp1_L/L_20μm)*(22−20)/(25−20)+Isp1_L/L_20μm
=700μA
Isp2_L/L_22μm
=(Isp2_L/L_25μm−Isp2_L/L_20μm)*(22−20)/(25−20)+Isp2_L/L_20μm
=1050μA
同様に、25μmにおけるH/H環境での放電開始電圧VthをVth_H/H_25μmとする。
直線補完すると表4より、
Vth_H/H_22μm
=(Vth_H/H_25μm−Vth_H/H_20μm)*(22−20)/(25−20)+Vth_H/H_20μm
=−520V
Vth_N/N_22μm
=(Vth_N/N_25μm−Vth_N/N_20μm)*(22−20)/(25−20)+Vth_N/N_20μm
=−576V
Vth_L/L_22μm
=(Vth_L/L_25μm−Vth_L/L_20μm)*(22−20)/(25−20)+Vth_L/L_20μm
=−670V
本実施例では、以下の換算式を用いて均一に帯電できるIspの下限Isp1_22μm、Ispの上限Isp2_22μmを決定した。
|Vth_22μm|<|Vth_N/N_22μm|ならば、
Isp1_22μm=(Isp1_N/N_22μm−Isp1_H/H_22μm)*(Vth_22μm−Vth_N/N_22μm)/(Vth_N/N_22μm−Vth_H/H_22μm)+Isp1_N/N_22μm
Isp2_22μm=(Isp2_N/N_22μm−Isp2_H/H_22μm)*(Vth_22μm−Vth_N/N_22μm)/(Vth_N/N_22μm−Vth_H/H_22μm)+Isp2_N/N_22μm
|Vth|>|Vth_N/N|ならば、
Isp1_22μm=(Isp1_L/L_22μm−Isp1_N/N_22μm)*(Vth_22μm−Vth_N/N_22μm)/(Vth_L/L_22μm−Vth_N/N_22μm)+Isp1_N/N_22μm
Isp2_22μm=(Isp2_L/L_22μm−Isp2_N/N_22μm)*(Vth_22μm−Vth_N/N_22μm)/(Vth_L/L_22μm−Vth_N/N_22μm)+Isp2_N/N_22μm
Vdcを変化させるステップ間変化の下限ΔVminを10V、Vdcを変化させるステップ間変化の最大値ΔWを400Vに設定する。
本実施例で用いた帯電ローラの場合、ΔWを400Vに設定すれば均一に帯電できる直流電圧Vtを発見できる。
Vdcを変化させてスパイク放電電流を判別する各々のステップで、スパイク放電電流の最大瞬時電流の平均値Isp_22μmが
Isp_22μm<Isp1_22μmを満たす時をX[i]=−1、Isp1_22μm<Isp_22μm<Isp2_22μmを満たす時をX[i]=0、Isp2_22μm<Isp_22μmを満たす時をX[i]=1とする。
第iステップに判別する直流電圧のVdcをVdc[i]、第iステップに直流電圧Vdc[i]を印加した時に発生したIsp_22μmをIsp[i]、第iステップの出力値をX[i]、画像形成時に帯電部材に印加する直流電圧をVtとする。
ここで、画像形成条件が安定するためには、被帯電体の帯電電位がVdc[1]印加時の帯電電位に近いことが好ましい。そこで、VtはIsp1_22μm<Isp_22μm<Isp2_22μmかつVdc[1]に近い直流電圧を求める。
以下に示す論理式にしたがって、Vdc[i]を変化させる。
第1ステップ(i=1)では、Vdc[1]=−1200
X[1]=0ならば、Vt=Vdc[1]
第2ステップ(i=2)では、
X[1]=−1or1ならば、Vdc[2]=Vdc[1]+X[1]*ΔW
第3ステップ(i=3)では、
X[2]=−1or1ならば、Vdc[3]=Vdc[2]+X[2]*ΔW/2
X[2]=0ならば、Vdc[3]=Vdc[2]−X[1]*ΔW/2
第4ステップ以上(i≧4)では、
10<ΔW*2−(i−2)ならば、
X[i]=−1or1ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]+X[i−1]*ΔW*2−(i−2)
X[i]=0ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]−X[1]*ΔW*2−(i−2)
10>ΔW*2−(i−2)ならば、
jが、i≧jかつX[j]=0を満たす最大値ならば、Vt=Vdc[j]
ここで、各々のステップ終了後に、Vdcのステップ間変化分|Vdc[i−1]−Vdc[i]|とVdcの最小ステップ間変化分ΔVminとの大小関係を判別し、Vdcのステップ間変化が上回っていたら次のステップに移行し、下回っていたらVdcを変化させてスパイク放電電流を判別する帯電バイアス制御を終了する。
帯電バイアス制御終了時に、最後に出力値X[i]が0となったステップにおけるVdcを、帯電部材に印加することができる直流電圧Vtとする。
実例を以下に示す。
表2に記載した帯電ローラAを、感光ドラムAを用いて初期から6000枚印字した後、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御する。
図12から、感光ドラムAの膜厚は22μmであることが分かる。
この時、Vth_22μm=−560Vである。
数式5より、Isp1_22μm=526μA、Isp2_22μm=820μAである。
本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。
上記条件では、図14に示す通り、Vtは−1200Vであった。
この時帯電バイアス制御に、Vthの算出時間0.5sとIspの測定時間0.1sを足した0.6sかかった。
また、表2に記載した帯電部材Aを、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth_22μm=−620Vである。
数式6より、Isp1_22μm=615μA、Isp2_22μm=940μAである。
本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。
上記条件では、図15に示す通り、Vtは−1113Vであった。
この時帯電バイアス制御に、Vthの算出時間0.5sとIspの測定時間(0.1s×8ステップ)0.8sを足した1.3sかかった。
上記帯電バイアス制御方法を用いて帯電ローラに印加する直流電圧を決定することによって、感光ドラムの膜厚変化や、温度や湿度等の環境変化が発生しても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができる。
本実施例では、感光ドラムの膜厚が変化する時の帯電バイアス制御時に、感光ドラムの膜厚を推定する膜厚測定手段を設けた。本実施例では、初期からの画像出力枚数を記録し、感光ドラムの減耗量を推定する手段を用いた。これ以外にも、感光ドラムの膜厚を推定、または測定する手段ならば、どのような方法を用いても良い。例えば、感光ドラムの初期からの回転時間を記録することで、感光ドラムの減耗量を推定する手段を用いても良い。
放電開始電圧Vthと、温度と湿度情報、感光ドラム膜厚、の3つの変数はどれか2つが決まれば、残り一つは算出できる。本実施例では、放電開始電圧Vthと感光ドラム膜厚情報を用いて帯電バイアス制御を行った。ただし、この組み合わせに限定するものではない。
例えば、放電開始電圧Vthと温度湿度情報があれば、感光ドラム膜厚が一意的に決まる。そこで、帯電部材に電圧を印加した時に流れるDC帯電電流から放電開始電圧Vthを算出でき、温度湿度センサーを画像形成装置内に設けることで温度湿度情報を測定できるならば、感光ドラムの膜厚を算出できる。
それらの情報から、均一に帯電できるIspの範囲を知ることができる。これまでに説明した方法と同様に、帯電部材に直流電圧を印加した時に発生するIspを均一に帯電できる範囲に制御することができる。
また、温度湿度情報と感光ドラム膜厚情報があれば、均一に帯電できるIspの範囲を知ることができる。これまでに説明した方法と同様に、帯電部材に直流電圧を印加した時に発生するIspを均一に帯電できる範囲に制御することができる。
本実施例では、感光ドラム膜厚が22μmの時の帯電バイアス制御を行う為に、感光ドラム膜厚が25μm時のH/H、N/N、L/L環境での放電開始電圧Vth及び均一に帯電できるIspの下限Isp1と上限Isp2、さらに感光ドラム膜厚が20μm時のH/H、N/N、L/L環境での放電開始電圧Vth及び均一に帯電できるIspの下限Isp1と上限Isp2を用いた。
しかし、帯電バイアス制御に用いる値はもっと細かく設定しても良い。
例えば、膜厚1μmおきのデータを帯電バイアス制御に用いても良いし、H/H、N/N、L/L環境以外の環境でデータを帯電バイアス制御に用いても良い。
また、本実施例では、感光ドラム膜厚が22μmでのIsp1、Isp2を算出する時に、25μmのデータと20μmのデータを直線補完して求めた。しかし、補完の仕方はこの限りではない。例えば、2次曲線等の多次曲線で補完しても良い。
本実施例では、帯電前除電手段が無い場合の、DC帯電方式の帯電バイアス制御を示す。
帯電前に除電手段を備えていない場合、帯電前電位は暗電位Vdから明電位Vl(条件によっては0V)まで存在する。例えば、ベタ白画像を出力した場合、帯電前電位はVdに近く、ベタ黒画像を出力した場合、帯電前電位はVlに近い。これは、出力画像により露光条件が変化し、また転写条件により転写後電位が変化する為である。帯電前の被帯電領域の電位が不均一であるため、
|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)も一定ではなく、|Va−Vd|から|Va−Vl|(条件によっては|Va|)の電位差が存在する。
ここで、スパイク放電の放電電荷量の大きさは、ΔVに強く依存している。
すなわち、ΔVによって放電状態が著しく変化する。
帯電前除電手段が無い場合、実使用条件で存在するどのようなΔVでも感光ドラムを均一に帯電できなければならない。
本発明の発明者は、この場合、一回の放電で発生する放電電荷量が小さい方が、より均一に帯電できることを発見した。すなわち、ΔVが|Va−Vl|(最大)であっても、放電電荷量が小さいスパイク放電のみで帯電できれば、放電の発生数が多い為、均一に帯電しやすい。したがって、Ispが上限Isp2より小さいことで、均一に帯電できる。
本実施例では、表6に示す帯電ローラEにおける帯電バイアス制御を示す。
表6は、帯電前除電装置を備えず、感光ドラム膜厚が25μmの場合に、帯電部材Eを用いて、均一に帯電できるIspの範囲をL/L環境、N/N環境、H/H環境ごとに求めた表(単位はμA)である。
Figure 2006078554
帯電ローラEを用いた時に、均一に帯電できるIspの上限をIsp2とすると、
Isp<Isp2
を満たすIspならば、常に均一に帯電できる特徴を持つ。
プリンタの構成は、実施例1と同様で、図1に示す。
ただし、前露光装置17は使用しない。
接触帯電部材として帯電ローラEを用いる。
帯電装置の構成は、実施例1と同様で、図3に示す。
以下で、帯電部材に印加する直流電圧の制御方法を示す。
図3に示す、帯電電流測定回路15、帯電バイアス制御回路14は実施例1と同様である。
本実施例では、スパイク放電電流の発生の大きさを確認する制御変数として最大瞬時電流を用いる。ここでは、被帯電体を均一に帯電できるようにIspを所定の範囲内に制御する帯電電圧Vtを求める。
Vtを求める制御の詳細は後述する。
本実施例で用いた帯電ローラEの場合、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある値より小さいと均一に帯電できる。これは、一回のスパイク放電で発生する放電電荷量がある程度の大きさまでは均一に帯電でき、閾値を超えると、過剰に帯電された部分が発生し白スジ状や白ポチ状の帯電不良が発生するためである。
スパイク放電電流の発生を判別する直流電圧条件を変化させた時のVdcを変化させるステップ間変化が、閾値ΔVmin以下になったら、Vdcの変化を停止させる。ここでは、閾値ΔVminを10Vとする。
Vdcを変化させて帯電バイアスに用いるVdcを求める方法を以下に示す。
帯電バイアスのVdcを決めるフローチャート図7において、Isp1=0μAとした場合と同様である。
表6に示す通り、
前露光装置等の帯電前除電手段を備えない場合で、
画像形成時の感光ドラムの膜厚やプロセススピードにおいて、
画像形成に用いる帯電部材が均一に帯電できるIspの範囲をあらかじめ調べて、帯電バイアス制御回路14の統計処理回路14bに保持する。
ただし、実際に使用する条件では、温度や湿度環境は変化するので、少なくともH/H(温度30℃、湿度80%RH)、N/N(温度23℃、湿度50%RH)、L/L(温度15℃、湿度10%RH)の3環境下で調べておく。
各々の環境において均一に帯電できる下限、上限をそれぞれIsp1_H/H、Isp2_H/H、Isp1_N/N、Isp2_N/N、Isp1_L/L、Isp2_L/Lとする。
本実施例では、感光ドラムの膜厚は実際に使用する条件では1μm程度しか変化しない。また、プロセススピードも一定である。
従って、温度・湿度条件によって、均一に帯電できるIspの範囲は決定する。
また、放電開始電圧Vthも温度・湿度条件によって決定する。
そこで、各々の環境における放電開始電圧VthをVth_H/H、Vth_N/N、Vth_L/Lとする。
放電開始電圧Vthを表3に示す。
本実施例では、以下の換算式を用いて均一に帯電できるIspの上限Isp2を決定した。
|Vth|<|Vth_N/N|ならば、
Isp2=(Isp2_N/N−Isp2_H/H)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_N/N−Vth_H/H)+Isp2_N/N
|Vth|>|Vth_N/N|ならば、
Isp2=(Isp2_L/L−Isp2_N/N)*(Vth−Vth_N/N)/(Vth_L/L−Vth_N/N)+Isp2_N/N
Vdcを変化させるステップ間変化の下限ΔVminを10V、Vdcを変化させるステップ間変化の最大値ΔWを400Vに設定する。
本実施例で用いた帯電ローラの場合、ΔWを400Vに設定すれば均一に帯電できる直流電圧Vtを発見できた。
Vdcを変化させてスパイク放電電流を判別する各々のステップで、スパイク放電電流の最大瞬時電流の平均値Ispが
Isp<Isp2を満たす時を0、Isp2<Ispを満たす時を1とする。
第iステップに判別する直流電圧のVdcをVdc[i]、第iステップに直流電圧Vdc[i]を印加した時に発生したIspをIsp[i]、第iステップの出力値をX[i]、画像形成時に帯電部材に印加する直流電圧をVtとする。
ここで、画像形成条件が安定するためには、被帯電体の帯電電位がVdc[1]印加時の帯電電位に近いことが好ましい。そこで、VtはIsp<Isp2かつVdc[1]に近い直流電圧を求める。
以下に示す論理式にしたがって、Vdc[i]を変化させる。
第1ステップ(i=1)では、Vdc[1]=−1200
X[1]=0ならば、Vt=Vdc[1]
第2ステップ(i=2)では、
X[1]=1ならば、Vdc[2]=Vdc[1]+ΔW
第3ステップ(i=3)では、
X[2]=1ならば、Vdc[3]=Vdc[2]+ΔW/2
X[2]=0ならば、Vdc[3]=Vdc[2]−ΔW/2
第4ステップ以上(i≧4)では、
10<ΔW*2−(i−2)ならば、
X[i]=1ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]+ΔW*2−(i−2)
X[i]=0ならば、Vdc[i]=Vdc[i−1]−ΔW*2−(i−2)
10>ΔW*2−(i−2)ならば、
jが、i≧jかつX[j]=0を満たす最大値ならば、Vt=Vdc[j]
ここで、各々のステップ終了後に、Vdcのステップ間変化分|Vdc[i−1]−Vdc[i]|とVdcの最小ステップ間変化分ΔVminとの大小関係を判別し、上回っていたら次のステップに移行し、下回っていたらVdcを変化させてスパイク放電電流を判別する帯電バイアス制御を終了する。
帯電バイアス制御終了時に、最後に出力値X[i]が0となったステップにおけるVdcを、帯電部材に印加することができる直流電圧Vtとする。
実例を以下に示す。
表2に記載した帯電部材Dを、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth=−580Vである。数式3より、Isp2=518μAである。
本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。上記条件では、図16に示す通り、Vtは−1200Vであった。
また、表2に記載した帯電部材Dを、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御する。この時、Vth=−650Vである。数式4より、Isp2=565μAである。本実施例では、ΔW=400V、ΔVmin=10Vとした。上記条件では、図17に示す通り、Vtは−1138Vであった。
上記の条件で算出された帯電バイアスVtを帯電部材に印加することで被帯電体を均一に帯電することができる。
上記帯電制御方法を用いて帯電ローラに印加する直流電圧を決定することによって、帯電前除電手段を備えず、温度や湿度等の環境変化が発生しても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができる。
従来のDC帯電方式は、通常帯電前除電手段と共に使用される例が多かった。これは、既述のように、帯電前除電手段がないと、
|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)も一定ではなく、|Va−Vd|から|Va−Vl|(条件によっては|Va|)の電位差が存在する。スパイク放電の放電電荷量の大きさは、ΔVに強く依存しているので、ΔVによって放電状態が著しく変化する。
そのため、実使用条件で起こりうる様々なプロセス条件変化に対応できないためである。
すなわち、従来のDC帯電電流情報を利用した帯電バイアス制御では、帯電前除電手段を持たない場合、実使用条件で起こりうるプロセス条件の中には、均一に帯電できない条件が存在する。
しかし、本実施例では、帯電前除電手段が無い場合でも、実使用条件で起こりうるプロセス条件についてあらかじめ均一に帯電できるIspの範囲を設定しておけば、均一に帯電できる直流電圧を求めることができた。
実施例1〜4までは、DC帯電方式における帯電バイアス制御例を挙げた。
しかし、DC帯電方式に限定するものではない。
本実施例では、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispを一定の範囲内に保つ手段として、交流電圧のピーク間電圧Vppを変化させる。
ここで、帯電バイアスとして、直流電圧に、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧の2倍未満である交流電圧重畳したバイアスを用いる。
通常のAC帯電方式では、帯電開始閾値(Vth)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧を帯電部材に印加することで、帯電電位をならし均一に帯電する。これに対し、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満しかない場合、電位付与成分しか放電せず、電位をならす成分の放電が存在しない為、均一に帯電できない。しかし、本発明の請求項に示した帯電バイアス制御を行い、ピーク間電圧Vppを変化させて、均一に帯電できるIspの範囲内に制御すれば、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満しかない時でも均一に帯電できる。
この帯電方式では、AC電圧を帯電部材に印加するので、帯電部材表面についた付着物を引き剥がしながら帯電することができる。
実施例1〜5までは、帯電バイアス制御について説明した。
それに対して、本実施例では帯電不良検出装置について説明する。
実施例1〜5までに説明した通り、温度と湿度環境変化、感光ドラム膜厚変化、帯電前除電手段の有無等、プロセス条件が変わることによって、均一に帯電できるIspの範囲は異なる。
ここで、複数のプロセス条件において、均一に帯電できるIspの範囲をあらかじめ調べておけば、どのようなプロセス条件でも、均一に帯電できるIspの範囲を算出できる。
したがって、均一に帯電できるIspの範囲内か外かを判別する手段を備えていれば、帯電不良を検出できる。
実施例1及び実施例3で示した方法と同様に、
Isp1<Isp<Isp2
を満たすか否かを判別して、満たすならば帯電不良なし、満たさないならば帯電不良ありとして、帯電不良を検出する。
また、実施例2及び実施例4で示した方法と同様に、
Isp<Isp2
を満たすか否かを判別して、満たすならば帯電不良なし、満たさないならば帯電不良ありとして、帯電不良を検出する。
従来の帯電バイアス制御はDC帯電電流を用いて制御しているため、局所的な帯電不良の原因となる過渡的な異常放電を検出できない。従って、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良が発生することがあった。これに対して、本実施例では、画像形成時に常に局所的な帯電不良の原因となるスパイク放電電流の発生の有無を検出できる。したがって、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良が発生しても、帯電不良を検出できる。また、長手方向のどの領域でスパイク放電電流が発生しても検出できるので、長手方向全領域に渡って局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の画像不良が発生しても、帯電不良を検出できる。
これらの帯電不良検出結果を帯電バイアス制御にフィードバックすることで、帯電不良のない良好な画像が得られる。また、帯電不良検出結果を表示し、画像形成を中止することで、画像不良を防止できる。
これまでは、DC帯電方式における帯電不良検出例を示したが、DC帯電方式に限定するものではない。実施例5に示したように、帯電バイアスとして、直流電圧に、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧の2倍未満である交流電圧重畳したバイアスを用いた帯電方式でも帯電不良を検出できる。
以上説明したような制御方法を用いて帯電ローラに印加する直流電圧を決定することによって、感光ドラム膜厚変化や、温度や湿度等の環境変化等、プロセス条件が変化しても、均一に帯電できる直流電圧を求めることができる。また、上述の制御方法を用いて帯電不良の検出装置として利用することもできる。
従来の帯電バイアス制御はDC帯電電流を用いて制御しているため、局所的な帯電不良の原因となる過渡的な異常放電を検出できない。従って、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良が発生することがあった。これに対して、本発明では、局所的な帯電不良の原因となるスパイク放電電流の発生の有無を用いて制御しているので、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良の発生を防止できる。また、長手方向のどの領域でスパイク放電電流が発生しても検出できるので、長手方向全領域に渡って局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の画像不良の発生を防止できる。
帯電前除電手段が無い場合でも、実使用条件で起こりうるプロセス条件についてあらかじめ均一に帯電できるIspの範囲を設定しておけば、均一に帯電できる直流電圧を求めることができる。
本発明の請求項に示した帯電バイアス制御を行い、ピーク間電圧Vppを変化させて、均一に帯電できるIspの範囲内に制御すれば、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満しかない時でも均一に帯電できる。この帯電方式では、AC電圧を帯電部材に印加するので、帯電部材表面についた付着物を引き剥がしながら帯電することができる。
画像形成時に常に局所的な帯電不良の原因となるスパイク放電電流の発生の有無を検出できる。したがって、局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の帯電不良が発生しても、帯電不良を検出できる。また、長手方向のどの領域でスパイク放電電流が発生しても検出できるので、長手方向全領域に渡って局所的な帯電不良が原因となる白ポチ、白スジ等の画像不良が発生しても、帯電不良を検出できる。
これらの帯電不良検出結果を帯電バイアス制御にフィードバックすることで、帯電不良のない良好な画像が得られる。また、帯電不良検出結果を表示し、画像形成を中止することで、画像不良を防止できる。
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略構成図 帯電ローラの概略構成図 帯電装置の概略構成図 スパイク放電電流測定装置の概略構成図 スパイク放電電流の測定例 DCローラ帯電方式において、Vdcを変化させた時のスパイク放電電流の最大瞬時電流Isp変化。Ispは、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,・・・・,Isp10の10点平均である。 帯電バイアス制御時に、画像形成に用いる直流電圧Vdcを決めるフローチャート 帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚変化が無視できる場合に、表2に示す帯電部材Aを用いて、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚変化が無視できる場合に、表2に示す帯電部材Aを用いて、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚変化が無視できる場合に、表2に示す帯電部材Dを用いて、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚変化が無視できる場合に、表2に示す帯電部材Dを用いて、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 感光ドラム膜厚の減耗量と、出力画像枚数の関係を示す実測例 感光ドラムの膜厚が変化する実使用条件において、帯電バイアス制御時に、画像形成に用いる直流電圧Vdcを決めるフローチャート 帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚変化が無視できない場合に、表2に示す帯電部材Aを用いて、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 帯電前除電装置を備え、感光ドラム膜厚変化が無視できない場合に、表2に示す帯電部材Aを用いて、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 帯電前除電装置を備えず、感光ドラム膜厚変化が無視できる場合に、表2に示す帯電部材Dを用いて、温度20℃、湿度60%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 帯電前除電装置を備えず、感光ドラム膜厚変化が無視できる場合に、表2に示す帯電部材Dを用いて、温度20℃、湿度30%RH環境下で帯電バイアス制御を行った例 QspとIspを同時に測定した実測例。ここで、Qspは、0.1sの間連続してスパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内における一回の放電で発生する放電電荷量の最大値Qsp1,Qsp2,・・・・,Qsp10の10点平均である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(接触帯電部材)
3 露光装置
4 現像装置
4a 現像スリーブ
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
6a クリーニングブレード
7 転写ガイド
8 除電針
9 搬送ガイド
10 定着装置
10a 定着ローラ
10b 加圧ローラ
11 帯電バイアス電源(帯電バイアス印加手段)
11a 直流(DC)電源
11b 交流(AC)電源
12 現像バイアス電源
13 転写バイアス電源
14 帯電バイアス制御回路
14a スパイク放電電流抽出回路
14b 統計処理回路
14c 電源制御回路
14d 帯電電流積分回路
14e 放電開始電圧算出回路
15 帯電電流測定回路
17 前露光装置

Claims (16)

  1. 帯電部材を有し、前記帯電部材に電圧を印加することにより前記帯電部材と被帯電体の間で放電を行なわせて被帯電体の帯電を行なう画像形成装置において、
    前記帯電部材に電圧を印加した際に、前記帯電手段と前記被帯電体の間に流れる電流を測定する電流測定手段と、
    前記電流から特定周波数を有する特定電流を抽出する特定電流抽出手段とを有し、
    前記特定電流を所定時間測定し、前記所定時間を所定数に分割して、分割した各々の時間の中において、測定された前記特定電流の最大瞬時値を平均化して得られる情報Ispを、所定の範囲に制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記所定数は10以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記帯電部材と前記被帯電体は、接触又は僅少な隙間を存して配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記帯電部材に印加される直流電圧を制御することにより、前記情報Ispを所定の範囲に制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記帯電部材に印加される交流電圧のピーク間電圧を制御することにより、前記情報Ispを所定の範囲に制御することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記ピーク感電圧は、前記帯電部材と前記被帯電体の間の放電開始電圧の2倍未満の大きさのピーク感電圧であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記所定の範囲は、前記被帯電体を均一帯電することができる電流値の最大値をImaxとした時に、
    Isp<Imax
    となる範囲であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記所定の範囲は、前記被帯電体を均一帯電することができる電流値の最小値をIminとした時に、
    Imin<Isp、
    となる範囲であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の画像形成装置。
  9. 画像形成装置の使用環境情報を測定する使用環境測定手段を有し、前記使用環境情報により前記所定の範囲は変化することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記帯電体と前記被帯電体の間の放電開始電圧情報を測定する放電開始電圧測定手段を有し、前記放電開始電圧情報により前記所定の範囲は変化することを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記被帯電体は像担持体であり、前記像担持体の膜厚を測定する膜厚測定手段を有し、前記像担持体の膜厚により前記所定の範囲は変化することを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記膜厚測定手段は、前記像担持体の回転時間を測定し、前記回転時間を基に前記像担持体の膜厚に換算することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記膜厚測定手段は、画像出力枚数を測定し、前記画像出力枚数を基に前記像担持体の膜厚に換算することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 前記帯電部材よりも前記被帯電体移動方向上流側に、前記被帯電体の電位を除電する帯電前除電手段を有することを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記特定周波数は、前記特定周波数をftとした時、ft≧10000(Hz)を満たす周波数であることを特徴とする請求項1乃至14いずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記帯電部材と被帯電体の間で放電を行なわせて被帯電体の帯電を行なわせた時に、前記被帯電体の帯電不良を検出する帯電不良検出装置において、
    前記帯電部材に電圧を印加した際に、前記帯電手段と前記被帯電体の間に流れる電流を測定する電流測定手段と、
    前記電流から特定周波数を有する特定電流を抽出する特定電流抽出手段とを有し、
    前記特定電流を所定時間測定し、前記所定時間を所定数に分割して、分割した各々の時間の中において、測定された前記特定電流の最大瞬時値を平均化して得られる情報Ispを、所定の範囲内であるか所定の範囲外であるかを判別することで前記被帯電体の帯電不良を検出する帯電不良検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008145908A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Seiko Epson Corp 帯電装置およびこれを備えた画像形成装置
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