本発明は、例えば集積回路などの回路の電気的検査において、回路に対する電気的接続を行うためのプローブ装置として好適なシート状プローブおよびその応用に関する。
例えば、多数の集積回路が形成されたウエハや、半導体素子等の電子部品などの回路装置の電気的検査においては、被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された検査電極を有する検査用プローブが用いられている。
かかる検査用プローブとしては、従来、ピンまたはブレードよりなる検査電極が配列されてなるものが使用されている。
然るに、被検査回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハである場合において、ウエハを検査するための検査用プローブを作製する場合には、非常に多数の検査電極を配列することが必要となるので、検査用プローブは極めて高価なものとなり、また、被検査電極のピッチが小さい場合には、検査用プローブを作製すること自体が困難となる。
更に、ウエハには、一般に反りが生じており、その反りの状態も製品(ウエハ)毎に異なるため、ウエハにおける多数の被検査電極に対して、検査用プローブの検査電極の各々を安定にかつ確実に接触させることは実際上困難である。
以上のような理由から、近年、ウエハに形成された集積回路を検査するための検査用プローブとして、一面に被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の一面上に配置された異方導電性シートと、この異方導電性シート上に配置された、柔軟な絶縁性シートにその厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体が配列されてなるシート状プローブとを備えてなるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図39は、検査用回路基板85、異方導電性シート80およびシート状プローブ90を備えてなる従来のプローブカードの一例における構成を示す説明用断面図である。
このプローブカードにおいては、一面に被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された多数の検査電極86を有する検査用回路基板85が設けられ、この検査用回路基板85の一面上に、異方導電性シート80を介してシート状プローブ90が配置されている。
異方導電性シート80は、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものであり、かかる異方導電性シートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特許文献2等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性シート(以下、これを「分散型異方導電性シート」という。)が開示されている。
また、特許文献3等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性シート(以下、これを「偏在型異方導電性シート」という。)が開示され、更に、特許文献4等には、導電部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性シートが開示されている。
シート状プローブ90は、例えば樹脂よりなる柔軟な絶縁性シート91を有し、この絶
縁性シート91に、その厚み方向に伸びる複数の電極構造体95が被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されて構成されている。
この電極構造体95の各々は、絶縁性シート91の表面に露出する突起状の表面電極部96と、絶縁性シート91の裏面に露出する板状の裏面電極部97とが、絶縁性シート91をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部98を介して一体に連結されて構成されている。
このようなシート状プローブ90は、一般に、以下のようにして製造される。
先ず、図40(a)に示すように、絶縁性シート91の一面に金属層92が形成されてなる積層体90Aを用意し、図40(b)に示すように、絶縁性シート91にその厚み方向に貫通する貫通孔98Hを形成する。
次いで、図40(c)に示すように、絶縁性シート91の金属層92上にレジスト膜93を形成したうえで、金属層92を共通電極として電解メッキ処理を施すことにより、絶縁性シート91の貫通孔98Hの内部に金属の堆積体が充填されて金属層92に一体に連結された短絡部98が形成されると共に、絶縁性シート91の表面に、短絡部98に一体に連結された突起状の表面電極部96が形成される。
その後、金属層92からレジスト膜93を除去し、更に、図40(d)に示すように、表面電極部96を含む絶縁性シート91の表面にレジスト膜94Aを形成すると共に、金属層92上に、形成すべき裏面電極部のパターンに対応するパターンに従ってレジスト膜94Bを形成し、金属層92に対してエッチング処理を施すことにより、図40(e)に示すように、金属層92における露出する部分が除去されて裏面電極部97が形成され、これにより、電極構造体95が形成される。
そして、絶縁性シート91および表面電極部96上に形成されたレジスト膜94Aを除去すると共に、裏面電極部97上に形成されたレジスト膜93を除去することにより、シート状プローブ90が得られる。
上記の検査用プローブにおいては、被検査回路装置に、例えばウエハの表面に、シート状プローブ90における電極構造体95の表面電極部96がウエハの被検査電極上に位置するよう配置される。
そして、この状態で、ウエハが検査用プローブによって押圧されることにより、異方導電性シート80が、シート状プローブ90における電極構造体95の裏面電極部97によって押圧される。
これにより、異方導電性シート80には、裏面電極部97と検査用回路基板85の検査電極86との間にその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハの被検査電極と検査用回路基板85の検査電極86との電気的接続が達成される。
そして、この状態で、ウエハについて所要の電気的検査が実行される。
そして、このような検査用プローブによれば、ウエハが検査用プローブによって押圧されたときに、ウエハの反りの大きさに応じて異方導電性シート80が変形するため、ウエハにおける多数の被検査電極の各々に対して良好な電気的接続を確実に達成することができる。
しかしながら、上記の検査用プローブにおいては、以下のような問題がある。
上記のシート状プローブ90の製造方法における短絡部98および表面電極部96を形
成する工程においては、電解メッキによるメッキ層が等方的に成長するため、図41に示すように、得られる表面電極部96においては、表面電極部96の周縁から短絡部98の周縁までの距離Wは、表面電極部96の突出高さhと同等の大きさとなる。
従って、得られる表面電極部96の径Rは、突出高さhの2倍を超えて相当に大きいものとなる。
そのため、被検査回路装置における被検査電極が微小で極めて小さいピッチで配置されてなるものである場合には、隣接する電極構造体95間の離間距離を十分に確保することができず、その結果、得られるシート状プローブ90においては、絶縁性シート91による柔軟性が失われるため、被検査回路装置に対して安定した電気的接続を達成することが困難となる。
また、電解メッキ処理において、金属層92の全面に対して電流密度分布が均一な電流を供給することは実際上困難であり、この電流密度分布の不均一性により、絶縁性シート91の貫通孔98H毎にメッキ層の成長速度が異なるため、形成される表面電極部96の突出高さhや、表面電極部96の周縁から短絡部98の周縁までの距離Wすなわち径Rに大きなバラツキが生じる。
そして、表面電極部96の突出高さhに大きなバラツキがある場合には、被検査回路装置に対して安定した電気的接続が困難となり、一方、表面電極部96の径に大きなバラツキがある場合には、隣接する表面電極部96同士が短絡する恐れがある。
以上において、表面電極部96の突出高さhを小さくする手段があり、この得られる表面電極部96の径を小さくする手段としては、短絡部98の径(断面形状が円形でない場合には、最短の長さを示す。)rを小さくする、すなわち絶縁性シート91の貫通孔98Hの径を小さくする手段が考えられるが、前者の手段によって得られるシート状プローブにおいては、被検査電極に対して安定な電気的接続を確実に達成することが困難となる。
一方、後者の手段では、電解メッキ処理によって短絡部98および表面電極部96を形成すること自体が困難となる。
このような問題を解決するため、特許文献5および特許文献6において、それぞれ基端から先端に向かって小径となるテーパ状の表面電極部を有する多数の電極構造体が配置されてなるシート状プローブが提案されている。
特許文献5に記載されたシート状プローブは、以下のようにして製造される。
図42(a)に示すように、絶縁性シート91の表面にレジスト膜93Aおよび表面側金属層92Aがこの順で形成され、絶縁性シート91の裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Bを用意する。
そして、図42(b)に示すように、この積層体90Bにおける裏面側金属層92B、絶縁性シート91およびレジスト膜93Aの各々に互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔を形成する。
これによって、積層体90Bの裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成する。
次いで、図42(c)に示すように、この積層体90Bにおける表面側金属層92Aを電極としてメッキ処理することにより、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
そして、この積層体における裏面側金属層92Bにエッチング処理を施してその一部を
除去することにより、図42(d)に示すように、裏面電極部97を形成し、これにより、シート状プローブ90が得られる。
また、特許文献6に記載されたシート状プローブは、以下のようにして製造される。
図43(a)に示すように、形成すべきシート状プローブにおける絶縁性シートより大きい厚みを有する絶縁性シート材91Aの表面に表面側金属層92Aが形成され、絶縁性シート材91Aの裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Cを用意する。
そして、図43(b)に示すように、この積層体90Cにおける裏面側金属層92Bおよび絶縁性シート材91Aの各々に互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔を形成することにより、積層体90Cの裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成する。
次いで、この積層体90Cにおける表面側金属層92Aを電極としてメッキ処理することにより、図43(c)に示すように、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
その後、この積層体90Cにおける表面側金属層92Aを除去すると共に、絶縁性シート材91Aをエッチング処理して絶縁性シートの表面側部分を除去することにより、図43(d)に示すように、所要の厚みの絶縁性シート材91を形成すると共に、表面電極部96を露出させる。
そして、裏面側金属層92Bをエッチング処理することにより、裏面電極部97を形成し、図43(e)に示したようにシート状プローブ90が得られる。
このようなシート状プローブ90によれば、表面電極部96がテーパ状のものであるため、径が小さくて突出高さが高い表面電極部96を、隣接する電極構造体の表面電極部96との離間距離が十分に確保された状態で形成することができると共に、電極構造体95の各々の表面電極部96は、積層体に形成された電極構造体形成用凹所90Kをキャビティとして成形されるため、表面電極部96の突出高さのバラツキが小さい電極構造体95が得られる。
しかしながら、これらのシート状プローブにおいては、電極構造体における表面電極部の径が短絡部の径すなわち絶縁性シートに形成された貫通孔の径と同等またはそれより小さいものであるため、電極構造体が絶縁性シートの裏面から脱落してしまい、シート状プローブを実際上使用することは困難である。
この問題点を解決するために、例えば、特許文献7に示される径が小さいテーパ状の電極構造体における表面電極部側に保持部を有し、電極構造体が絶縁性シートの裏面から脱落することを防止したシート状プローブが提案されている。
特許文献7に記載されたシート状プローブは、以下のようにして製造される。
図44(a)に示すように、表面側金属層122、絶縁性シート124、第1の裏面側金属層126、絶縁層128、第2の裏面側金属層130からなる5層の積層材料132を用意する。
図44(b)に示すように、この積層体132における第2の裏面側金属層130に開口部134を設け、この開口部134より絶縁層128にエッチングを行い絶縁層128に貫通孔136を設ける。
次に、絶縁層128の貫通孔の底部に露出した第1の裏面側金属層126にエッチングを行って絶縁性シート124をその貫通孔136の底部に露出させる。
そして、第1の裏面側金属層126の貫通孔136を通じて絶縁性シート124にエッ
チングを行い貫通孔136の底部に表面側金属層122を露出させる。
このように金属層と樹脂層(絶縁層128、絶縁性シート124)を交互にエッチングを行うとによって、第2の裏面側金属層130、絶縁層128、第1の裏面側金属層126、絶縁性シート124の各々に互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔138を形成し、積層体132の裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成する。
次いで、この積層体132における表面側金属層122を電極としてメッキ処理することにより、図44(c)に示すように、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
その後、この積層体132における表面側金属層122を除去すると共に、絶縁性シート124をエッチング処理して絶縁性シート124を除去して第1の裏面側金属層126を露出させる(図44(d))。
そして、第1の裏面側金属層126をエッチング処理して保持部を形成するとともに、第1の裏面側金属層126をエッチング処理してその一部を除去することにより、裏面電極部97および支持部を形成し、図44(e)に示したようにシート状プローブ90が得られる。
しかし、この製造方法により得られるシート状プローブにおいては、積層体90Cの裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成するので、電極構造体形成用凹所の先端径92Tは積層体90Cの裏面に形成した開口部92Hの径より小さなものとなる。
そして、特許文献7のシート状プローブの作製工程では、ポリイミド等の絶縁層に対して電極構造体を形成するための貫通孔を形成している。
この貫通孔は、図45に示したように、第2の裏面側金属層130の片面に、貫通孔を形成する部分に開口140aを有するフォトレジスト膜140のパターンを形成し、シート全体をエッチング液に浸漬してエッチングを行うことにより、ポリイミドから構成される絶縁層128、絶縁性シート124に貫通孔を形成することにより得ることができる。
この方法では、絶縁性シート124に積層された表面側金属層122が底面に露出した貫通孔142aが形成され、この表面側金属層122を共通電極として電解メッキを行う工程を経て、電極構造体が形成される。
しかし、ポリイミドから構成される絶縁層128、絶縁性シート124に対してエッチングにより貫通孔を形成する場合、図45に示したように貫通孔142aはテーパ状となり、奥に行くほどその径が次第に小さくなる。
このため、膜厚の厚いポリイミド膜を用いると、表面側金属層122まで到達する前に孔が閉じてしまい、貫通孔142aが形成できない。
すなわち、従来のように、電極構造体を形成するための貫通孔を、ポリイミドの絶縁層にエッチング加工により形成しようとすると、フォトレジスト膜140により表面が覆われた絶縁層128の膜厚t1と絶縁層128の膜厚t2が厚くなると、表面側金属層122までの間に貫通孔142aが形成されないという問題があった。
すなわち、エッチング処理でのエッチング処理角度θは、加工条件により異なるとされ
ているが、一般的に45°〜55°と言われている。
このため絶縁性シート124と絶縁層128の膜厚t1とt2の合計の膜厚は、開口径φ1の1/2程度以下でなければ、絶縁層に確実に貫通孔142aを開けることができない。
そのため、確実に貫通孔142aを形成するためには、絶縁性シート124の膜厚t1、または絶縁層128の膜厚t2を小さくする必要があり、そのため突起高さの大きい表面電極部を形成することが困難な場合があった。シート状プローブの電極構造体の厚みが小さくなると、例えば、被検査回路装置の被検査電極が周囲を厚みの大きい絶縁層により囲まれている場合等において、電極構造体と被検査電極との接続が困難となることがある。
そして、この製造方法においては、電極構造体の厚みは、絶縁性シート124および絶縁層128の厚みの合計とほぼ等しくなり、短絡部の厚みは、絶縁層128の厚みと同一となる。従って、電極構造体の厚み大きくするためには、絶縁層の厚みも大きくする必要がある。
絶縁層の厚みの大きいシート状プローブは、繰り返し使用耐久性において高い耐久性を示すという効果があるが、一方において、絶縁層の厚み方向の変形量が小さくなり、そのため電極構造体の厚さ方向の移動量が小さくなることがあった。
特に、電極構造体の平面方向における位置ずれを低減するために、金属支持体に絶縁膜を支持した形状のシート状プローブにおいては、電極構造体の厚さ方向の移動量がよりいっそう低下する傾向があった。
このシート状プローブの電極構造体の厚み方向の移動量の低下は、シート状プローブを用いたプローブカードの凹凸吸収能の低下を生じる。
すなわち、プローブカードにおいては、異方導電性コネクターの凹凸吸収能と、シート状プローブの凹凸吸収能の合計が、プローブカードの凹凸吸収能となる。そのため、シート状プローブの凹凸吸収能の低下は、プローブカードの凹凸吸収能の低下を生じさせる。
凹凸吸収能が低下したプローブカードにおいては、回路装置の被検査電極に高さバラツキがある場合には、すべての被検査電極にプローブカードが電気的に接続を達成するためには、大きな加圧圧力が必要となる。このため、異方導電性コネクターの導電部の圧縮変形量が増大するため、異方導電性コネクターが早期に導電部の永久変形が生じて電気的接続が困難となり、異方導電性コネクターの交換が必要となり、検査コストの増大を生じさせる。
さらには、回路装置の被検査電極が半田バンプ電極のように高さバラツキが大きいものに対しては、すべての被検査電極にプローブカードが電気的に接続を達成することが不可能となる場合もあった。
従って、シート状プローブとしては、電極構造体の厚み方向への移動量が大きいことが、凹凸吸収能の大きいプローブカードを得るために望まれていた。
凹凸吸収能を大きくする手段としては、例えば、特許文献8に示すようなシート状コネクターが知られている。
このシート状コネクターは、絶縁性シートに形成されたテーパ状の貫通孔内に、この貫通孔に適合するテーパ状の可動導体が、絶縁性シートに対して厚み方向に移動可能に設けられた複合導電性シートと、この複合導電性シートの一面および他面の各々に配置された
、2つの異方導電性エラストマーシートとよりなる異方導電性コネクターである。
このような複合導電性シートを有する異方導電性コネクターによれば、複合導電性シートにおける可動電極が、厚み方向に移動可能とされているため、厚み方向に加圧されたときには、複合導電性シートの一面および他面の各々に配置された2つの異方導電性エラストマーシートが、互いに連動して圧縮変形するため、両者の有する凹凸吸収能の合計が、異方導電性コネクターの凹凸吸収能として発現され、従って、高い凹凸吸収能を得ることができる。
また、所要の凹凸吸収能を得るために必要な厚みは、2つの異方導電性エラストマーシートの合計の厚みによって確保すればよく、個々の異方導電性エラストマーシートとしては、厚みが小さいものを用いることができるので、高い分解能を得ることができる。
しかしながら、上記の異方導電性コネクターにおいては、実用上、以下のような問題がある。
上記の異方導電性コネクターにおいて、複合導電性シートの可動導体は、絶縁性シートおよび異方導電性エラストマーシートの両方に支持されており、複合導電性シートと異方導電性エラストマーシートとを分離した場合には、可動導体が絶縁性シートから脱落するおそれがあるため、複合導電性シートを単独で取り扱うことは実際上極めて困難である。
従って、異方導電性コネクターにおける複合導電性シートおよび異方導電性エラストマーシートのいずれか一方に故障が生じたときには、複合導電性シートまたは異方導電性エラストマーシートのみを新たなものに交換することができず、異方導電性コネクター全体を新たなものに交換しなければならない。
そして、上記のシート状コネクターにおいては、可動導体およびその突出部を形成するために、絶縁性シート材料と突出部形成用補助層が積層された積層材料に、絶縁性シート側面からレーザー加工を行いテーパ状の貫通孔を形成している。
そのため、特許文献7の電極構造体形成用凹所90Kの形成において説明したような、厚みの大きい積層シートに加工を行う場合における、可動導体の先端部の径の微小化や、後述の被検査対象であるウエハの電極ピッチが狭小化された際における、隣接する可動導体間の絶縁性を確保という問題点を有するものであり、ウエハ検査用のシート状プローブとして使用するには懸念がある。
被検査対象であるウエハの電極ピッチの狭小化に伴い、シート状プローブの電極構造体の配置ピッチも短くなり、現状では、通常100〜120μmであるが、将来的には、例えば、100μm未満、さらには、80μm以下まで短くする必要があると考えられる。
一方で、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保するためには、これらの間の絶縁部の幅(電極構造体の配置ピッチと開口径φ1との差)として、例えば、40〜50μmが必要とされる。
ポリイミド膜の強度を確保するために厚さが大きいものを使用する場合、エッチングにより貫通孔を形成するためには、上記したように。開口径φ1を大きくする必要があるが、電極構造体の配置ピッチを一定として、開口径φ1を大きくしていくと、隣接する電極構造体間の絶縁性が確保できなくなる。
このため、電極構造体の配置ピッチを小さくすると、ポリイミド膜の厚さが制限され、例えば、電極構造体の配置ピッチを120μm、貫通孔の開口径φ1を70μmとする場
合、使用するポリイミド膜の厚さtを35μm以下とする必要があり、底面側の開口径φ2をある程度以上とするためには、厚さtをさらに小さくしなければならない。
また、仮に絶縁層128の強度を上げるため50μm厚の絶縁層128を使用したいとすると、貫通孔の開口径φ1を100μm以上にしなければならず、製造される電極構造体の隣接する絶縁層間の絶縁性の確立が困難となるため、絶縁層128の厚みにあわせて、開口径を大きくすることは不可能である。
図45のようなテーパ状の貫通孔142aに電極構造体を形成した場合、エッチング方向奥側の開口径φ2が小さいと、電気抵抗値が増加するため、この小径部分の開口径φ2は、できるだけ大きいことが望ましい。
さらに、この開口径φ2が小さいと、この小径部分が電気抵抗値へ影響するため、シート状プローブに設けられた各電極構造体間での電気的抵抗値のバラツキが大きくなることも懸念される。
特開平7−231019号公報
特開昭51−93393号公報
特開昭53−147772号公報
特開昭61−250906号公報
特開平11−326378号公報
特開2002−196018号公報
特開2004−172589号公報
特開2001−351702号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、本発明の目的は、径が小さい表面電極部を有する電極構造体を形成することが可能で、160μm以下、更に120μm以下、特に100μm以下の小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、電極構造体が絶縁層から脱落することがなく、高い耐久性が得られるシート状プローブを提供することにある。
本発明の目的は、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても、安定な電気的接続状態を確実に達成でき高い耐久性を有する、絶縁層の厚みが小さく、電極構造体の厚みが大きく、凹凸吸収能が大きいシート状プローブを提供することにある。
本発明の目的は、絶縁層の厚み方向に移動可能な電極構造体を有し、電極構造体が絶縁層から脱落することがなく、単独でも取り扱い易いシート状プローブを提供することにある。
本発明の目的は、突出高さのバラツキが小さい表面電極部を有する電極構造体を形成することができ、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても、安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、電極構造体が絶縁層から脱落することがなく、絶縁層の厚みが小さくて高い耐久性が得られるシート状プローブを提供することにある。
本発明の目的は、突出高さのバラツキが小さい表面電極部を有する電極構造体を形成することができ、小さいピッチで電極が形成され、電極の高さバラツキの大きい回路装置に対しても、安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、電極構造体が絶縁層から脱落することのなく、絶縁層の厚み方向に移動可能な電極構造体を有する、高い
耐久性が得られるシート状プローブを提供することにある。
また、本発明は、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや、被検査電極のピッチが100μm以下の極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止し、これにより、良好な電気的接続状態を安定に維持することができるシート状プローブを提供することを目的としている。
本発明の目的は、上記のシート状プローブを備えたプローブカードを提供することにある。
本発明の目的は、上記のプローブカードを備えた回路装置の検査装置を提供することにある。
本発明のシート状プローブは、
絶縁層と、
この絶縁層にその面方向に互いに離間して配置された、前記絶縁層の厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体を備えた接点膜を有するシート状プローブであって、
前記電極構造体の各々は、
前記絶縁層の表面に露出し、前記絶縁層の表面から突出し、その基端から先端に向かうに従って小径となる形状の表面電極部と、
前記絶縁層の裏面に露出する裏面電極部と、
前記表面電極部の基端から連続して前記絶縁層をその厚み方向に貫通して伸び、前記裏面電極部に連結された短絡部とよりなり、
前記表面電極部の基端の径が、前記短絡部の表面電極部と接する側の端の径よりも大きく、
前記短絡部の厚みが、前記絶縁層の厚みより大きい、
ことを特徴とする。
本発明のシート状プローブは、
前記短絡部が、前記絶縁層に対して、その厚み方向に移動可能とされていることが好ましい。
本発明のシート状プローブは、
絶縁層の厚み方向における電極構造体の移動可能距離が、5〜30μmであることが好ましい。
本発明のプローブカードは
検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された上記のいずれかに記載のシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とする。
本発明のプローブカードは
検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
異方導電性コネクターは、
検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートと、
を有してなることが好ましい。
本発明の回路装置の検査装置は、
上記のいずれかのプローブカードを備えてなることを特徴とする。
本発明のウエハの検査方法は、
複数の集積回路が形成されたウエハの各集積回路を、
上記いずれかに記載のプローブカードを介してテスターに電気的に接続し、
前記各集積回路の電気検査を行うことを特徴とする。
本発明のシート状プローブによれば、電極構造体の表面電極部の基端の径が、短絡部の表面電極部と接する側の端の径よりも大きい構造となっているため、表面電極部の径が小さいものであっても、電極構造体が絶縁層から脱落することがなくて高い耐久性が得られる。
本発明のシート状プローブによれば、電極構造体の厚みが大きいので、被検査電極が周囲を厚みの大きい絶縁層により囲まれている被検査回路装置であっても、電極構造体と被検査電極との接続が容易である。
本発明のシート状プローブによれば、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハで、被検査電極のピッチが、120μm以下の小さい回路装置であっても、表面電極部の先端の径を適度な大きさで突出高さが大きく、表面電極部の径が短絡部の径より大きくても、隣接する電極構造体間の絶縁性が確保され、電極構造体が絶縁層から脱落することがない。そして、絶縁層の厚みが小さいため、電極構造体の厚さ方向の移動が容易であり、シート状プローブの凹凸吸収能が大きくなる。
そのため、本発明のシート状プローブを用いたプローブカードの凹凸吸収能が向上し、被検査回路装置の被検査電極に高さバラツキがある場合おいても、容易にすべての被検査電極にプローブカードが電気的に接続を達成することができる。
本発明のシート状プローブによれば、電極構造体の短絡部が、絶縁層に対してその厚み方向に移動可能とされているので、シート状プローブの凹凸吸収能が大きくなる。
そのため、本発明のシート状プローブを用いたプローブカードの凹凸吸収能が向上し、被検査回路装置の被検査電極に高さバラツキがある場合おいても、容易にすべての被検査電極にプローブカードが電気的に接続を達成することができる。
本発明のシート状プローブによれば、電極構造体の短絡部が絶縁層に対してその厚み方向に移動可能であって、電極構造体の表面電極部と裏面電極部が短絡部よりも大きいため、電極構造体が絶縁層より脱落することがないので、シート状プローブを単独でも容易に取り扱うことができる。そのため、このシート状プローブを用いたプローブカードおよび回路装置の検査装置は、異方導電性コネクターやシート状プローブの交換が容易であるため回路装置の検査効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施例のシート状プローブ>
図1は、本発明のシート状プローブの第1の実施例における構成を示す説明用断面図で
あり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図、図2は、図1のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図、図3は、本発明に係るシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図、図4は、本発明に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
本実施形態のシート状プローブ10は、複数の集積回路が形成された8インチ等のウエハについて、各集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられる。
このシート状プローブ10は、図1(a)に示したように、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔が形成された金属フレーム板25を有し、この貫通孔内には接点膜9が配置されている。
接点膜9は、金属フレーム板25の貫通孔周辺の支持部22で、金属フレーム板25に支持されている。
図1(b)に示したように、この支持部22は、金属フレーム板25の上に、絶縁膜からなる接点膜9が形成され、この金属フレーム板25によって接点膜9が支持されている。
接点膜9は、図2に示したように、柔軟な絶縁層18Bに電極構造体15が貫通形成された構造になっている。
即ち、絶縁層18Bの厚み方向に延びる複数の電極構造体15が、検査対象であるウエハの被検査電極に対応するパターンに従って絶縁層18Bの面方向に互いに離間して配置されている。
また、図3に示したように、電極構造体15の各々は、絶縁層18Bの表面に露出し、絶縁層18Bの表面から突出する突起状の表面電極部16を備えている。そして、電極構造体15は、絶縁層18Bの裏面に露出する矩形の平板状の裏面電極部17を備えている。
また、電極構造体15は、表面電極部16の基端から連続して、絶縁層18Bをその厚み方向に貫通して伸びて、裏面電極部17に連結された短絡部18を備えている。さらに、電極構造体15は、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる、円形リング板状の保持部19を備えている。
この第1の実施例の電極構造体15においては、表面電極部16が、短絡部18に連続して基端から先端に向かうに従って小径となるテーパ状とされて全体が円錐台状に形成され、表面電極部16の基端に連続する短絡部18が、絶縁層18Bの裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状とされている。
また、図4に示したように、保持部19の径R6が基端に連続する短絡部18の一端の径R3より大きくなっている。
そして、短絡部18の厚みd3より絶縁層18Bの厚みdは小さいものとなっている。
絶縁層18Bとしては、絶縁性を有する柔軟なものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエステル、フッ素系樹脂などよりなる樹脂シート、繊維を編んだクロスに上記の樹脂を含浸したシートなどを用いることができるが、短絡部18を形成するための貫通孔をエッチングにより容易に形成することができる点で、エッチング可能な材料よりなることが好ましく、特にポリイミドが好ましい。
また、絶縁層18Bの厚みdは、絶縁層18Bが柔軟なものであれば特に限定されないが、5〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
金属フレーム板25は絶縁層18Bと一体的に設けられるもので、絶縁層18Bと積層された状態で絶縁層18Bの表面に設けられてもよく、絶縁層18Bに中間層として含まれてもよい。
そして、金属フレーム板25は、電極構造体15とは離間して配置され、電極構造体15と金属フレーム板25は絶縁層18Bにより連結されるので、電極構造体15と金属フレーム板25は電気的には絶縁されている。
また、後述するシート状プローブ10の製造方法によれば、金属フレーム板25は第2の裏面側金属層17Aの一部を除去することにより形成されるものである。
金属フレーム板25となる第2の裏面側金属層17Aを構成する金属としては、鉄、銅、ニッケル、チタンまたはこれらの合金若しくは合金鋼を用いることができるが、後述する製造方法においては、エッチング処理によって容易に第2の裏面側金属層17Aを金属フレーム板25と裏面電極部17に分離分割できる点で、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼や銅、ニッケルおよびこれらの合金が好ましい。
また、金属フレーム板25としては、その線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは−1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような金属フレーム板25を構成する材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの合金または合金鋼が挙げられる。
金属フレーム板25の厚みは、3〜100μmであることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
この厚みが過小である場合には、シート状プローブを支持する金属フレーム板として必要な強度が得られないことがある。一方、この厚みが過大である場合には、後述する製造方法において、エッチング処理によって第2の裏面側金属層17Aより金属フレーム板25と裏面電極部17に分離分割することが困難となることがある。
また、絶縁性シートをエッチング等により、図11(a)、(b)示したように、多数の接点膜9に分離して金属フレーム板25に支持させてもよい。
この場合、金属フレーム板25の各々の開口部26に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図11(a))、部分的に独立した状態(図11(b))で配置される。
接点膜9の各々は、図11(a)、(b)に示すように、柔軟な絶縁層18Bを有し、この絶縁層18Bには、当絶縁層18Bの厚み方向に伸びる金属よりなる複数の電極構造体15が、検査対象であるウエハの電極領域における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、絶縁層18Bの面方向に互いに離間して配置されており、接点膜9は、金属フレーム板25の開口部内に位置するよう配置されている。
電極構造体15を構成する金属としては、ニッケル、銅、金、銀、パラジウム、鉄などを用いることができ、電極構造体15としては、全体が単一の金属よりなるものであっても、2種以上の金属の合金よりなるものまたは2種以上の金属が積層されてなるものであってもよく、表面電極部16と短絡部18が異なる金属により構成されてもよい。
また、電極構造体15における表面電極部16および裏面電極部17の表面には、電極部の酸化を防止すると共に、接触抵抗の小さい電極部を得るために、金、銀、パラジウム
などの化学的に安定で高導電性を有する金属被膜が形成されていてもよい。
電極構造体15において、図4に示したように、表面電極部16の基端における径R1に対する先端における径R2の比(R2/R1)は、0.11〜0.9であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.6である。
電極構造体15の配置ピッチは、接続すべき回路装置の被検査電極のピッチと同一のものとされるが、40〜160μmピッチであることが好ましく、40〜120μmであることがより好ましく、特に、40〜100μmであることが好ましい。
このような条件を満足することにより接続すべき回路装置が、ピッチが120μm以下の小さくて微小な電極を有するものや、ピッチが100μm以下の極めて小さい微小な電極を有するものであっても、回路装置に対して安定な電気的接続状態が確実に得られる。
また、表面電極部16の基端の径R1は、電極構造体15のピッチの30〜70%であることが好ましく、より好ましくは35〜60%である。
また、図4に示したように、表面電極部16の基端における径R1に対する突出高さh1の比h1/R1は、0.2〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.6である。
このような条件を満足することにより、接続すべき回路装置がピッチが120μm以下の小さくて微小な電極を有するものや、ピッチが100μm以下の極めて小さい微小な電極を有するものであっても、電極のパターンに対応するパターンの電極構造体15を容易に形成することができ、回路装置に対して安定な電気的接続状態が一層確実に得られる。
表面電極部16の基端の径R1は、上記の条件や接続すべき電極の直径などを勘案して設定されるが、例えば30〜80μmであり、好ましくは30〜60μmである。
表面電極部16の突出高さh1の高さは、接続すべき電極に対して安定な電気的接続を達成することができる点で、12〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。
また、図4に示したように、裏面電極部17の外径R5は、裏面電極部17に連結された短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4より大きく、かつ、電極構造体15のピッチより小さいものであればよいが、可能な限り大きいものであることが好ましく、これにより、例えば異方導電性シートに対しても安定な電気的接続を確実に達成することができる。
また、裏面電極部17の厚みd2は、強度が十分に高くて優れた繰り返し耐久性が得られる点で、10〜80μmであることが好ましく、より好ましくは12〜60μmである。
また、短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4に対する絶縁層18Bの表面側の径R3の比R3/R4は、0.2〜1であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.9である。
また、短絡部18の絶縁層18Bの表面側の径R3は、電極構造体15のピッチの10〜50%であることが好ましく、より好ましくは15〜45%である。
また、短絡部18の厚みd3は、10〜60μmであることが好ましく、より好ましくは15〜40μmである。
そして、短絡部18の厚みd3と絶縁層18Bの厚みdとの差h2は、5〜30μm、好ましくは10〜25μmである。
また、保持部19の径R6は、電極構造体15のピッチの30〜70%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。
また、保持部19の厚みd1は、3〜50μmであることが好ましく、より好ましくは4〜40μmである。
また、本発明のシート状プローブ10では、金属フレーム板25と裏面電極部17とが、異なる金属部材から構成してもよい。
すなわち、後述するように、金属フレーム板25は、複数個の貫通孔12が、例えば、パンチング、レーザー加工などによって形成されている金属材料から構成されるものである。
一方、後述するように、裏面電極部17は図17(b)、図17(c)に示したように、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所18Kおよびレジスト膜29Aの各パターン孔29H内に金属を充填することにより、裏面電極部17として形成された金属材料から構成されるものである。
このように、金属フレーム板24と裏面電極部17とが、異なる金属部材から構成されているので、金属フレーム板24の構成金属種、厚み等に制約がなく、例えば、曲げに対する弾性、入手性などを考慮して任意の金属種で、且つ任意の厚みで金属フレーム板24を形成できる。
さらに、裏面電極部17が、金属フレーム板24と異なる金属部材から構成されているので、裏面電極部17として、金属フレーム板24としての金属に制約されることがなく、好ましい金属、例えば、電気的特性に優れた銅などを裏面電極部17の構成金属として用いることができる。
この場合、金属フレーム板24を構成する金属部材の構成金属と、裏面電極部17を構成する金属部材の構成金属が、異なる金属種の構成金属から構成されていてもよい。
また、金属フレーム板24を構成する金属部材の構成金属と、裏面電極部17を構成する金属部材の構成金属が、同じ金属種の構成金属から構成されていてもよい。
シート状プローブ10の周縁部には、図6に示したように、剛性を有する平板リング状の支持部材2が設けられている。このような支持部材2の材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料が挙げられる。
また、支持部材2の厚さとしては、好ましくは、2mm以上であるのが望ましい。
このような範囲に、リング状の支持部材2の厚さを設定することによって、金属フレーム板25と、リング状の支持部材2の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
このような支持部材2により、その剛性でシート状プローブ10を支持することで、後述のプローブカードにおいて、例えば、支持部材2に形成した孔と、プローブカードに設けられたガイドピンとを係合させることにより、あるいは支持部材2と、プローブカード周縁部に設けられた周状の段差部とを嵌め合わせることにより、シート状プローブ10の接点膜9に設けられた電極構造体15を、被検査物の被検査電極や異方導電性コネクター
の導電部と容易に位置合わせすることができる。さらに、繰り返し検査に使用する場合においても、被検査物への張り付き、電極構造体15の所定位置からの位置ずれを確実に防止できる。
また、本発明のシート状プローブ10においては、図5(b)に示したように、金属フレーム板25によって絶縁層18Bを支持する構造の他、図5(a)、図6(b)に示したように、絶縁層18B中に金属フレーム板24を有する(挟み込んだ)構造も可能である。
この図5(a)、図6(b)に示したシート状プローブ10においても、接点膜の各々の開口部に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図12(a))、部分的に独立した状態(図12(b))で配置されても良い。
以下については、図5(b)に示したように、金属フレーム板25によって絶縁層18Bを支持する構造の本発明のシート状プローブ10について、図7から図9に基づいて説明する。
なお、図9および図12に示した本発明のシート状プローブ10の製造方法については、後で詳しく説明するが、金属フレーム板による絶縁層18Bを支持する形態の違い以外は、基本的に同じ構成である。
このシート状プローブ10は、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に形成された貫通孔が形成された金属フレーム板25を有し、この貫通孔内には接点膜9が配置されている。
接点膜9は、金属フレーム板25の貫通孔周辺部の支持部22で、金属フレーム板25に支持されている。
なお、金属フレーム板25による接点膜9の支持方法としては、図5(b)に示すように接点膜9の片面において金属フレーム板25に接するように支持部22を形成する構造の他に、前述したように、図5(a)、図6(b)に示すように金属フレーム板24が樹脂製の絶縁層18Bによって挟み込まれた状態で支持部22を形成する構造としてもよい。
このようなシート状プローブ10は、接点膜の各々の開口部に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図11(a))、部分的に独立した状態(図11(b))で配置されても良い。
このようなシート状プローブ10は、図6(b)に示したように、接着剤8を介して金属フレーム板24が、支持部材2に接着固定されている。
このリング状の支持部材2の材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料が挙げられる。
このような支持部材2により、その剛性でシート状プローブ10を支持することで、後述のプローブカードにおいて、例えばフレーム板に形成した孔と、プローブカードに設けられたガイドピンとを係合させることにより、あるいは支持部材2と、プローブカード周縁部に設けられた周状の段差部とを互いに嵌め合わせることにより、シート状プローブ10の接点膜9に設けられた電極構造体15を、被検査物の被検査電極や異方導電性コネクターの導電部と容易に位置合わせすることができる。
さらに、繰り返し検査に使用する場合においても、被検査物への張り付き、電極構造体15の所定位置からの位置ずれを確実に防止できる。
このようなシート状プローブ10によれば、電極構造体15には、表面電極部16の基端部分から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に伸びる保持部19が形成されているため、表面電極部16の径が小さいものであっても、保持部19が絶縁層18Bの表面に支持されている状態であるので、電極構造体15が絶縁層18Bの裏面から脱落することがなくて高い耐久性が得られる。
また、径の小さい表面電極部16を有することにより、隣接する表面電極部16の間の離間距離が十分に確保され、絶縁層18Bの厚みが小さいため絶縁層による柔軟性が十分に発揮され、その結果、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができる。
<第1の実施例のシート状プローブの製造方法>
以下、第1の実施例におけるシート状プローブ10の製造方法について説明する。
まず、絶縁層18Bを金属フレーム板25にて支持する構造のシート状プローブ10の製造方法であるが、図14(a)に示すように、絶縁性シート11と、この絶縁性シート11の表面に形成された表面側金属層16Aと、絶縁性シート11の裏面に形成された第1の裏面側金属層19Aとよりなる積層体10Aを用意する。
絶縁性シート11は、絶縁性シート11の厚みと第1の裏面側金属層19Aの厚みとの合計の厚みが、形成すべき電極構造体15における表面電極部16の突出高さと同等となるものとされる。
また、絶縁性シート11を構成する材料としては、絶縁性を有する柔軟なものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエステル、フッ素系樹脂などよりなる樹脂シート、繊維を編んだクロスに上記の樹脂を含浸したシートなどを用いることができるが、表面電極部16を形成するための貫通孔をエッチングにより容易に形成することができる点で、エッチング可能な材料よりなることが好ましく、特にポリイミドが好ましい。
また、絶縁性シート11の厚みは、絶縁性シート11が柔軟なものであれば特に限定されないが、10〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜25μmである。
このような積層体10Aは、例えば一般に市販されている両面に例えば銅よりなる金属層が積層された積層ポリイミドシートを用いることができる。
このような積層体10Aに対し、図14(b)に示すように、その表面側金属層16Aの表面全体に保護フィルム40Aを積層すると共に、第1の裏面側金属層19Aの表面に、形成すべき電極構造体15のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔12Hが形成されたエッチング用のレジスト膜12Aを形成する。
ここで、レジスト膜12Aを形成する材料としては、エッチング用のフォトレジストとして使用されている種々のものを用いることができる。
次いで、第1の裏面側金属層19Aに対し、レジスト膜12Aのパターン孔12Hを介して露出した部分にエッチング処理を施して部分を除去することにより、図14(c)に示すように、第1の裏面側金属層19Aに、それぞれレジスト膜12Aのパターン孔12Hに連通する複数のパターン孔19Hが形成される。
その後、絶縁性シート11に対し、レジスト膜12Aの各パターン孔12Hおよび第1
の裏面側金属層19Aの各パターン孔19Hを介して露出した部分に、エッチング処理を施して、露出した部分を除去することにより、図15(a)に示すように、絶縁性シート11に、それぞれ第1の裏面側金属層19Aのパターン孔19Hに連通する、絶縁性シート11の裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状の複数の貫通孔11Hが形成される。
これにより、積層体10Aの裏面に、それぞれ第1の裏面側金属層19Aのパターン孔19H、絶縁性シート11の貫通孔11Hが連通されてなる複数の表面電極部形成用凹所10Kが形成される。
以上において、第1の裏面側金属層19Aをエッチング処理するためのエッチング剤としては、これらの金属層を構成する材料に応じて適宜選択され、これらの金属層が例えば銅よりなるものである場合には、塩化第二鉄水溶液を用いることができる。
また、絶縁性シート11をエッチング処理するためのエッチング液としては、アミン系エッチング液、ヒドラジン系水溶液や水酸化カリウム水溶液等を用いることができ、エッチング処理条件を選択することにより、絶縁性シート11に、裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状の貫通孔11Hを形成することができる。
このようにして表面電極部形成用凹所10Kが形成された積層体10Aからレジスト膜12Aを除去し、その後、図15(b)に示すように、積層体10Aに、第1の裏面側金属層19Aの表面に、形成すべき電極構造体15における保持部19のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔13Hが形成されたメッキ用のレジスト膜13Aを形成する。
ここで、レジスト膜13Aを形成する材料としては、メッキ用のフォトレジストとして使用されている種々のものを用いることができるが感光性ドライフィルムレジストが好ましい。
次いで、積層体10Aに対し、表面側金属層16Aを電極として、電解メッキ処理を施して各表面電極部形成用凹所10Kおよびレジスト膜13Aの各パターン孔13H内に金属を充填することにより、図15(c)に示すように、複数の表面電極部16、表面電極部16の各々の基端に連続して絶縁性シート11の裏面に沿って外側に伸びる保持部19が形成される。ここで、保持部19の各々は、第1の裏面側金属層19Aを介して互いに連結された状態である。
そして、レジスト膜13Aを剥離する。
このようにして表面電極部16、保持部19が形成された積層体10Aに、図16(a)に示すように第1の裏面側金属層19Aと保持部19を覆うように絶縁層18Bを形成し、この絶縁層18Bの表面に第2の裏面側金属層17Aを形成し積層体10Bとする。
ここで、絶縁層18Bは、厚み方向に複数のエッチング速度の異なる樹脂層により構成される。
そして、絶縁層18Bを構成する材料としては、エッチング可能な高分子材料が用いられ、好ましくはポリイミドである。
ポリイミドとしては、
(1)感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニス、
(2)熱可塑性ポリイミド、
(3)ポリイミドフィルム(例えば、東レ・デュポン(株)商品名「カプトン」)
等を用いることができる。
このうち、上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスは、粘性が低いため溶液塗布することができ、塗布後に硬化(重合)するので溶媒の蒸発、重合により体積収縮を伴うものである。
このような上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを用いる場合には、これらを積層体10Aに塗布して硬化することにより、絶縁層18Bを形成することが好ましい。
また、上記(2)の熱可塑性ポリイミドにおいては、
溶媒に溶解させてポリイミド溶液として積層体10Aに塗布した後、溶媒を蒸発させて絶縁層18Bとする方法、または、
熱可塑性ポリイミドのフィルムを積層体10Aに積層し加熱プレスすることによって、積層体10Aに一体化させて、絶縁層18Bとする方法、
を採用することができる。
さらに、上記(3)のポリイミドフィルムは、熱にも溶媒にも溶けず安定なため、このようなポリイミドフィルムを用いる場合には、
上記(3)のポリイミドフィルムを、熱可塑性ポリイミドフィルムを介して、積層体10Aに積層して加熱プレスして一体化する方法、
上記(3)のポリイミドフィルムの表面に、上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスによって、半硬化状態のポリイミド層を形成した後に、積層体10Aに積層して硬化して、一体化する方法、
等により絶縁層18Bを形成することができる。
そして、上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを硬化して形成したポリイミド層と、上記(2)の熱可塑性ポリイミドより形成したポリイミド層と、上記(3)のポリイミドフィルとは、各々のエッチング速度は異なるものである。通常において、ポリイミドフィルムのエッチング速度は、上記のポリイミドを硬化して形成したポリイミド層よりも遅いものである。
そして、例えば、図10(a)または図10(b)に示したように、ポリイミドフィルム218Bを、
上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを硬化して形成したポリイミド層218A、または、上記(2)の熱可塑性ポリイミドより形成したポリイミド層218Aを介して、積層体10Aに積層して一体化することによって、絶縁層18Bを構成する。
これによって、絶縁層18Bは、厚み方向にエッチング速度の異なる樹脂層が積層された構造となる。
すなわち、図10(a)に示したように、第1の裏面側金属層19Aと保持部19を覆うように、ポリイミド層218Aを設けて、第2の裏面側金属層17A側にポリイミドフィルム218Bを形成して、ポリイミド層218Aを介して、積層体10Aに積層して一
体化することによって、絶縁層18Bを構成すればよい。
また、図10(b)に示したように、第2の裏面側金属層17A側にポリイミドフィルム218Bとポリイミド層218Aとを形成して、ポリイミド層218Aを介して、第1の裏面側金属層19Aと保持部19を覆うように、積層体10Aに積層して一体化することによって、絶縁層18Bを構成すればよい。
ここで、積層体10Aに塗布して硬化するポリイミドを、複数種類用いて、複数の異なる種類のポリイミド層218Aを形成した後、ポリイミドフィルム218Bを積層することにより、絶縁層18Bは、厚み方向にエッチング速度の異なる複数の樹脂層が積層された構造となる(図10(a)参照)。
また、片面に、例えば、42アロイよりなる金属層が積層された積層ポリイミドシートを、ポリイミド層218Aを介して積層体10Aに積層することにより絶縁層18Bと第2の裏面側金属層17Aを形成することができる(図10(b)参照)。
この場合、第2の裏面側金属層17Aは、形成すべき金属フレーム板25の厚みと同等の厚みを有するものとされる。
その後、図16(b)に示すように、積層体10Bに対し、第2の裏面側金属層17Aの表面に、形成すべき電極構造体15のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔28Hが形成されたエッチング用のレジスト膜28Aを形成する。
ここで、レジスト膜28Aを形成する材料としては、エッチング用のフォトレジストとして使用されている種々のものを用いることができる。
次いで、第2の裏面側金属層17Aに対し、レジスト膜28Aのパターン孔28Hを介して露出した部分にエッチング処理を施して、露出した部分を除去することにより、図16(c)に示すように、第2の裏面側金属層17Aに、それぞれレジスト膜28Aのパターン孔28Hに連通する複数のパターン孔17Hが形成される。
その後、絶縁層18Bに対し、レジスト膜28Aの各パターン孔28Hおよび第2の裏面側金属層17Aの各貫通孔17Hを介して露出した部分に、エッチング処理を施して、露出した部分を除去する。これにより、図17(a)に示すように、絶縁層18Bに、それぞれ第1の裏面側金属層19Aのパターン孔19Hに連通する、絶縁層18Bの裏面から表面に向かうに従って小径となり、底面に表面電極部16が露出したテーパ状の複数の貫通孔18Hが形成される。
これにより、積層体10Bの裏面に、それぞれ第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17H、絶縁層18Bの貫通孔18Hが連通されてなる、複数の短絡部形成用凹所18Kが形成される。
以上において、第2の裏面側金属層17Aをエッチング処理するためのエッチング剤としては、これらの金属層を構成する材料に応じて適宜選択される。
絶縁層18Bをエッチング処理するためのエッチング液としては、前述の絶縁性シート11のエッチングに用いたエッチング液を用いることができる。
このようにして短絡部形成用凹所18Kが形成された積層体10Bからレジスト膜28Aを除去し、その後、図17(b)に示すように、積層体10Bに、第2の裏面側金属層17Aの表面に、形成すべき電極構造体15における裏面電極部17のパターンに対応するパターンに従って、複数のパターン孔29Hが形成されたメッキ用のレジスト膜29Aを形成する。
ここで、レジスト膜29Aを形成する材料としては、メッキ用のフォトレジストとして使用されている種々のものを用いることができるが、ドライフィルムレジストが好ましい。
次いで、積層体10Bに対し、表面側金属層16Aを電極として、電解メッキ処理を施して、各短絡部形成用凹所18Kおよびレジスト膜29Aの各パターン孔29H内に金属を充填する。
これにより、図17(c)に示すように、表面電極部16の各々の基端に連続してその厚み方向に貫通して伸びる短絡部18と、短絡部18の各々の絶縁層18Bの裏面側に連結された裏面電極部17が形成される。
ここで、裏面電極部17の各々は、第2の裏面側金属層17Aを介して互いに連結された状態である。
このようにして、表面電極部16、保持部19、短絡部18および裏面電極部17が形成された積層体10Bからレジスト膜29Aを除去する。その後に、図18(a)に示すように、裏面電極部17と金属フレーム板25とする第2の裏面側金属層17Aの部分を覆うとともに、除去すべき第2の裏面側金属層17Aの部分に対応するパターンに従って、パターン孔29Kを有するパターニングされたエッチング用レジスト膜29Bを形成する。
ここで、レジスト膜29Bを形成する材料としては、エッチング用のフォトレジストとして使用されている種々のものを用いることができる。
その後、表面側金属層16Aの上に設けられた保護フィルム40Aを除去し、表面側金属層16Aおよび第2の裏面側金属層17Aにエッチング処理を施す。
これによって、図18(b)に示すように、表面側金属層16Aを除去すると共に、第2の裏面側金属層17Aにおけるパターン孔29Kにより露出した部分を除去して、開口部26を形成し、これにより、互いに分離した複数の裏面電極部17および金属フレーム板25が形成される。
更に、図18(c)に示すように、裏面側のエッチング用のレジスト膜29Bを除去した後、裏面電極部17、金属フレーム板25、開口部26を覆うように、レジスト膜17Eを形成する。
ここで、レジスト膜17Eを形成する材料としては、エッチング用のフォトレジストとして使用されている種々のものを用いることができる。
そしてレジスト膜17Eの表面全体に保護フィルム40Bを積層する。
次いで、絶縁性シート11に対してエッチング処理を施してその全部を除去し、図19(a)に示すように、表面電極部16、第1の裏面側金属層19Aを露出した積層体10Cを得た。その後、図19(b)に示すように、表面電極部16および第1の裏面側金属層19Aにおける保持部19となるべき部分を覆うよう、パターニングされたエッチング用のレジスト膜14Aを形成する。
その後、第1の裏面側金属層19Aにエッチング処理を施して、露出した部分を除去することにより、図19(c)に示すように、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる保持部19が形成され、これにより、電極構造体15が形成される。
次いで、図13(a)に示すように、絶縁層18Bに対してエッチング処理を施して、絶縁層18Bの表面側部分を除去して絶縁層の厚みを小さくする。
この場合、絶縁層を形成する樹脂層のエッチング速度の違いを利用し、絶縁層18Bの表面側部分をエッチング処理することによって除去が行われる。
例えば、絶縁層18Bの表面側部分が、
上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを硬化して形成したポリイミド層218A、または、
上記(2)の熱可塑性ポリイミドより形成したポリイミド層218Aにより形成され、そして、絶縁層18Bの裏面側部分が、上記(3)のポリイミドフィルム218Bで構成することにより、
絶縁層18Bの表面側部分のエッチング速度が、絶縁層18Bの裏面側部分のポリイミドフィルムより速いので、容易にポリイミド層218Aよりなる表面層部分を、絶縁層18Bからエッチングにより除去することができる。
なお、図13(a)の例では、電極構造体15の保持部19と絶縁層18Bの間にポリイミド層18Cを残しているが、この部分のポリイミド層18Cを残すことは必須ではなく、保持部19と絶縁層18Bの間のポリイミド層18Cを除去してもよい。
次いで、図13(b)に示すように、レジスト膜14Aを除去し、金属フレーム板25の一部を露出させるように、レジスト膜17Fを積層体10Cの上面に形成する。この状態で、絶縁層18Bをエッチング処理することにより、図13(c)に示したように、金属フレーム板25の一部が露出される。
そして、絶縁層18Bの表面よりレジスト膜17Fを除去し、絶縁層18Bの裏面と裏面電極部17から、保護フィルム40Bとレジスト膜17Eを除去することにより、図3に示すシート状プローブ10が得られる。
<第2の実施例のシート状プローブ>
次に、本発明の第2の実施例におけるシート状プローブ10について説明する。
図7は、本発明の第2の実施例に係るシート状プローブの構成を示す説明用断面図、図8は、本発明の第2の実施例に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
図7に示したように、電極構造体15の各々は、絶縁層18Bの表面に露出し、絶縁層18Bの表面から突出する突起状の表面電極部16を備えている。そして、電極構造体15は、絶縁層18Bの裏面に露出する矩形の平板状の裏面電極部17を備えている。
また、電極構造体15は、表面電極部16の基端から連続して、絶縁層18Bをその厚み方向に貫通して伸びて、裏面電極部17に連結された短絡部18を備えている。さらに、電極構造体15は、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる、円形リング板状の保持部19を備えている。
この第2の実施例の電極構造体15においては、表面電極部16が、短絡部18に連続して基端から先端に向かうに従って小径となるテーパ状とされて全体が円錐台状に形成され、表面電極部16の基端に連続する短絡部18が、絶縁層18Bの裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状とされている。
また、図8に示したように、保持部19の径R6が、基端に連続する短絡部18の一端の径R3より大きくなっている。
そして、絶縁層18Bの厚みdは、短絡部18の厚みd3よりも小さいものとなっている。
さらに、短絡部18は、絶縁層18Bに設けられた貫通孔318内において、可動できる状態にて保持されている。
絶縁層18Bの貫通孔318の径R7は、電極構造体15の保持部19の径R6および裏面電極部17の外径R5よりも小さいものとされ、短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4よりも大きいことが好ましい。
この条件を満たすことにより、電極構造体15の短絡部18が絶縁層18Bより脱落しない状態で、絶縁層18Bにその厚み方向に移動可能な状態で保持される。
絶縁層の厚み方向における電極構造体の移動可能距離は、短絡部18の厚みd3と絶縁層18Bの厚みdとの差h2と実質的に等しいものとなる。
そして、電極構造体の絶縁層の厚み方向に対する移動可能距離は、5〜30μmであることが好ましく、より好ましくは、10〜25μmである。
第2の実施例に係るシート状プローブのその他の構成、好ましい寸法、材料等は、第1の実施例に係るシート状プローブと同様である。
<第2の実施例のシート状プローブの製造方法>
以下、第2の実施例におけるシート状プローブ10の製造方法について説明する。
第1の実施例におけるシート状プローブの製造方法の図14(a)〜図15(c)の工程に従って、表面電極部16と保持部19が形成された積層体10Aを得た。
そして、積層体10Aよりレジスト膜13Aを剥離する。
その後、図20(a)に示したように、積層体10Aの第1の裏面側金属層19Aと保持部19を覆うように、
上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを塗布して硬化するか、
上記(2)の熱可塑性ポリイミドの溶液を塗布して硬化するか、
上記(3)熱可塑性ポリイミドフィルムを積層して加熱プレスすることによって、
ポリイミド層218Aを形成する。
そして、図20(a)に示したように、片面に、第2の裏面側金属層17Aを構成する、例えば、42アロイよりなる金属層を有し、他面に金属層219が形成された積層ポリイミドシートを、金属層219側の面を積層体10Aのポリイミド層218Aに接するように積層して、ポリイミド層218Aを硬化させる。これによって、図21(a)、図20(b)に示すように、絶縁層18B内に金属層219を有し、第2の裏面側金属層17Aが積層された積層体10Bを得た。
そして、第1の実施例におけるシート状プローブの製造方法の図16(b)〜図17(b)の工程に従って、図21(b)〜図22(b)に示したように、積層体10Bの裏面に、それぞれ第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hを形成し、パターン孔17Hを介して絶縁層218Bをエッチング処理して露出した部分を除去して、金属層219を露出させる。
そして、金属層219をエッチング処理して除去し、次いで、絶縁層218Aをエッチ
ング処理して、第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hと絶縁層18Bの貫通孔18Hが連通されてなる複数の短絡部形成用凹所18Kが形成される。これによって、第2の裏面側金属層17Aの表面に、形成すべき電極構造体15における裏面電極部17のパターンに対応するパターンに従って、複数のパターン孔29Hが形成されたメッキ用のレジスト膜29Aを有する積層体10Bを得た(図22(b)、図23(a)参照)。
この積層体10Bの短絡部形成用凹所18Kの内壁に、図23(a)(b)に示したように、金属薄層220を形成する。
金属薄層220は、エッチング速度が速い易エッチング性の金属により形成することが好ましく、易エッチング性の金属材料としては、銅を用いることができる。
そして、短絡部形成用凹所18Kの内壁に易エッチング性の金属材料により金属薄層220を形成した後に、メッキにより短絡部形成用凹所18Kに金属を充填して短絡部18を形成する(図22(c)、図23(c)参照)。
このように、易エッチング性の金属材料により金属薄層220を形成した後に、メッキによりエッチング速度の遅い金属を充填して、短絡部18を形成することにより、電極構造体15を形成した後に、エッチングにより容易に金属薄層220のみを除去することができる。
これによって、図8に示したように、電極構造体15の短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4が、絶縁層18Bの貫通孔318の径R7よりも小さくなり、電極構造体15が、その厚み方向に移動可能な状態で保持することができる。
金属薄層220を形成する方法としては、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタ法、これらの方法を組み合わせて、複数回の処理を行って金属薄層220を形成してもよい。
金属薄層220の厚みは、3μm以下が好ましく、より好ましくは、1μm以下である。
そして、第1の実施例におけるシート状プローブの製造方法の図18(a)〜図19(c)の工程に従って、図24(a)〜図25(c)に示したように、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる保持部19が形成された積層体10Cを得た。
次いで、図26(a)に示すように、絶縁層18Bに対してエッチング処理を施して、絶縁層18Bの表面側部分を除去して、絶縁層の厚みを小さくする。
この場合、金属層219までをエッチングにより除去するので、樹脂層のエッチング速度の違いを利用して絶縁層18Bの厚みを制御する方法に比較して、絶縁層18Bの厚みの制御を容易に行うことができる。また、電極構造体15の保持部19と絶縁層18Bの間のポリイミド層18Cの除去も容易であり、絶縁層18Bの厚みを絶縁層18Bの表面全体において均一に制御しやすいという利点がある。
次いで、図26(b)に示したように、絶縁層18Bの表面側部分を除去して絶縁層の厚みを小さくした積層体10Cに対し、エッチング処理を施すことによって、金属層219と金属薄層220を除去する。
この金属層219と金属薄層220をエッチング処理するためのエッチング剤としては、これらの金属層を構成する材料に応じて適宜選択され、これらの金属層が、例えば、銅よりなるものである場合には、塩化第二鉄水溶液を用いることができる。
そして、エッチング処理を短時間とすることで、金属層219と金属薄層220を構成する金属のエッチング速度が速く、電極構造体15を構成する金属のエッチング速度が遅いことより、金属層219と金属薄層220のみを除去し、電極構造体15をほとんどエッチングせずに残存させることができる。
金属層219と金属薄層220を構成する金属としては、銅が好ましく、電極構造体15を構成する金属としては、ニッケルが好ましく、この金属種の組み合わせにより、金属層219と金属薄層220のみを除去し、電極構造体15をほとんどエッチングせずに残存させることが容易に達成できる。
次いで、図26(c)に示すように、レジスト膜14Aを除去し、金属フレーム板25の一部を露出させるように、レジスト膜17Fを積層体10Cの上面に形成する。この状態で、絶縁層18Bをエッチング処理することにより、図26(d)に示したように、金属フレーム板25の一部が露出される。
そして、絶縁層18Bの表面よりレジスト膜17Fを除去し、絶縁層18Bの裏面と裏面電極部17から、保護フィルム40Bとレジスト膜17Eを除去することにより、図7に示すシート状プローブ10が得られる。
なお、この第2の実施例のシート状プローブの製造方法のように、上記の金属層219を利用して、金属層219までをエッチングにより除去することによって、絶縁層18Bの表面側部分を除去して絶縁層の厚みを小さくする方法は、図示しないが、上記の第1の実施例のシート状プローブの製造方法に適用することも可能である。
<プローブカードおよび回路装置の検査装置>
図27は、本発明に係る回路装置の検査装置の一例における構成を示す説明用断面図であり、この回路装置の検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うためのものである。
この回路装置の検査装置は、被検査回路装置であるウエハ6の被検査電極7の各々とテスターとの電気的接続を行うプローブカード1(絶縁層18Bを金属フレーム板25で支持するシート状プローブ)を有する。
このプローブカード1においては、図30にも拡大して示すように、ウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って複数の検査電極21が表面(図において下面)に形成された検査用回路基板20を有している。
さらに、この検査用回路基板20の表面には、異方導電性コネクター30が配置され、この異方導電性コネクター30の表面(図において下面)には、ウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って複数の電極構造体15が配置された、図1に示す構成のシート状プローブ10が配置されている。
そして、シート状プローブ10はガイドピン50により異方導電性コネクター30と、電極構造体15と導電部36が一致するように固定された状態で保持されている。
また、プローブカード1における検査用回路基板20の裏面(図において上面)には、プローブカード1を下方に加圧する加圧板3が設けられ、プローブカード1の下方には、ウエハ6が載置されるウエハ載置台4が設けられており、加圧板3およびウエハ載置台4の各々には、加熱器5が接続されている。
また、このような回路装置の検査装置は、図28に示したように、シート状プローブ1
0は、適宜必要に応じて、金属フレーム板25(金属フレーム板24を含む)の外縁部に支持部材2が固定された状態で使用される。
さらに、このような回路装置の検査装置は、分解すると図29(a)、図29(b)に示したような構成であり、異方導電性コネクター30のフレーム板31に形成された貫通孔と、ガイドピン50とが嵌合することによって、位置決めを行っている。
また、シート状プローブ10は、金属フレーム板25(金属フレーム板24を含む)の外縁部に接着した支持部材2と、加圧板3の凹部とが嵌合することによって、位置決めを行うことができるようになっている。
さらに、検査用回路基板20を構成する基板材料としては、従来公知の種々の基板材料を用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の複合樹脂材料、ガラス、二酸化珪素、アルミナ等のセラミックス材料などが挙げられる。
また、WLBI試験を行うための検査装置を構成する場合には、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kである。
このような基板材料の具体例としては、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。
異方導電性コネクター30は、図32に示すように、被検査回路装置であるウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7が配置された電極領域に対応して複数の開口32が形成されたフレーム板31と、このフレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された複数の異方導電性シート35とにより構成されている。
フレーム板31を構成する材料としては、フレーム板31が容易に変形せず、その形状が安定に維持される程度の剛性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、フレーム板31を例えば金属材料により構成する場合には、フレーム板31の表面に絶縁性被膜が形成されていてもよい。
フレーム板31を構成する金属材料の具体例としては、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウムなどの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などが挙げられる。
フレーム板31を構成する樹脂材料の具体例としては、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
また、この検査装置がWLBI(Wafer Level Burn−in)試験を行うためのものである場合には、フレーム板31を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42アロイなどの磁性金属の合金または合金鋼などが挙げられる。
フレーム板31の厚みは、その形状が維持されると共に、異方導電性シート35を支持することが可能であれば、特に限定されるものではなく、具体的な厚みは材質によって異なるが、例えば25〜600μmであることが好ましく、より好ましくは40〜400μmである。
異方導電性シート35の各々は、弾性高分子物質によって形成されており、被検査回路装置であるウエハ6に形成された一の電極領域の被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って形成された、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部36と、これらの導電部36の各々を相互に絶縁する絶縁部37とにより構成されている。
また、図示の例では、異方導電性シート35の両面には、導電部36およびその周辺部分が位置する個所に、それ以外の表面から突出する突出部38が形成されている。
異方導電性シート35における導電部36の各々には、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。これに対して、絶縁部37は、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものである。
異方導電性シート35の全厚(図示の例では導電部36における厚み)は、50〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜1000μm、特に好ましくは80〜500μmである。
この厚みが50μm以上であれば、異方導電性シート35には十分な強度が得られる。
一方、この厚みが2000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する導電部36が確実に得られる。
突出部38の突出高さは、その合計が突出部38における厚みの10%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上である。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、小さい加圧力で導電部36が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
また、突出部38の突出高さは、突出部38の最短幅または直径の100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、突出部38が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
異方導電性シート35を形成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。
かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができるが、液状シリコーンゴムが好ましい。
導電性粒子Pを得るための磁性芯粒子は、その数平均粒子径が3〜40μmのものであることが好ましい。
ここで、磁性芯粒子の数平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
上記数平均粒子径が3μm以上であれば、加圧変形が容易で、抵抗値が低くて接続信頼性の高い導電部36が得られやすい。
一方、上記数平均粒子径が40μm以下であれば、微細な導電部36を容易に形成することができ、また、得られる導電部36は、安定な導電性を有するものとなりやすい。
磁性芯粒子を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、これらの金属を銅、樹
脂によってコーティングしたものなどを用いことができるが、その飽和磁化が0.1Wb/m2以上のものを好ましく用いることができ、より好ましくは0.3Wb/m2以上、特に好ましくは0.5Wb/m2以上のものであり、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト
またはそれらの合金などが挙げられる。
磁性芯粒子の表面に被覆される高導電性金属としては、金、銀、ロジウム、白金、クロムなどを用いることができ、これらの中では、化学的に安定でかつ高い導電率を有する点で金を用いるが好ましい。
導電性粒子Pは、芯粒子に対する高導電性金属の割合〔(高導電性金属の質量/芯粒子の質量)×100〕が15質量%以上とされ、好ましくは25〜35質量%とされる。
高導電性金属の割合が15質量%未満である場合には、得られる異方導電性コネクター30を高温環境下に繰り返し使用したとき、導電性粒子Pの導電性が著しく低下する結果、所要の導電性を維持することができない。
また、導電性粒子Pの数平均粒子径は、3〜40μmであることが好ましく、より好ましくは6〜25μmである。
このような導電性粒子Pを用いることにより、得られる異方導電性シート35は、加圧変形が容易なものとなり、また、導電部36において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
導電部36における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。
この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電部36が得られないことがある。
一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電部36は脆弱なものとなりやすく、導電部36として必要な弾性が得られないことがある。
以上のような異方導電性コネクター30は、例えば特開2002−324600号公報に記載された方法によって製造することができる。
上記の検査装置においては、ウエハ載置台4上に検査対象であるウエハ6が載置され、次いで、加圧板3によってプローブカード1が下方に加圧されることにより、そのシート状プローブ10の電極構造体15における表面電極部16の各々が、ウエハ6の被検査電極7の各々に接触し、更に、表面電極部16の各々によって、ウエハ6の被検査電極7の各々が加圧される。
この状態においては、異方導電性コネクター30の異方導電性シート35における導電部36の各々は、検査用回路基板20の検査電極21とシート状プローブ10の電極構造体15の裏面電極部17とによって挟圧されて厚み方向に圧縮されている。
このため、導電部36にはその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハ6の被検査電極7と検査用回路基板20の検査電極21との電気的接続が達成される。
その後、加熱器5によって、ウエハ載置台4および加圧板3を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
上記のプローブカード1によれば、図1に示すシート状プローブ10を備えてなるため、小さいピッチで被検査電極7が形成されたウエハ6に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、シート状プローブ10における電極構造体15が脱落することがなく、絶縁層18Bの厚みが大きいため高い耐久性が得られる。
そして、上記の検査装置によれば、図1に示すシート状プローブ10を有するプローブカード1を備えてなるため、小さいピッチで被検査電極7が形成されたウエハ6に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、プローブカード1が高い耐久性を有するため、多数のウエハ6の検査を行う場合でも、長期間にわたって信頼性の高い検査を実行することができる。
本発明の回路装置の検査装置は、上記の例に限定されず、以下のように、種々の変更を加えることが可能である。
(1)図27および図28に示すプローブカード1は、ウエハ6に形成された全ての集積回路の被検査電極7に対して一括して電気的接続を達成するものであるが、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に電気的に接続されるものであってもよい。
選択される集積回路の数は、ウエハ6のサイズ、ウエハ6に形成された集積回路の数、各集積回路における被検査電極7の数などを考慮して適宜選択され、例えば16個、32個、64個、128個である。
このようなプローブカード1を有する検査装置においては、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に、プローブカード1を電気的に接続して検査を行い、その後、他の集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に、プローブカード1を電気的に接続して検査を行う工程を繰り返すことにより、ウエハ6に形成された全ての集積回路の電気的検査を行うことができる。
そして、このような検査装置によれば、直径が8インチまたは12インチのウエハ6に高い集積度で形成された集積回路について電気的検査を行う場合において、全ての集積回路について一括して検査を行う方法と比較して、用いられる検査用回路基板20の検査電極数や配線数を少なくすることができ、これにより、検査装置の製造コストの低減化を図ることができる。
(2)本発明の検査装置の検査対象である回路装置は、多数の集積回路が形成されたウエハ6に限定されるものではなく、半導体チップや、BGA、CSPなどのパッケージLSI、CMCなどの半導体集積回路装置などに形成された回路の検査装置として構成することができる。
(3)シート状プローブ10は円筒形のセラミック等の保持体により保持された状態にて、異方導電性シート35や検査用回路基板20と、例えばガイドピン50等にて固定一体化することもできる。
(4)本発明のシート状プローブ10の製造方法において第2の裏面側金属層17Aは必須のものでなく、これを省略し短絡部形成用凹所18Kとパターン孔17Hに金属を充填することにより短絡部18と一体化した裏面電極部17を形成してもよい。
この場合、金属フレーム板25が必要な場合は別途用意した金属フレーム板25と製造したシート状プローブ10に接着剤等を用いて積層して一体化すればよい。
(5)本発明のシート状プローブ10においては、例えば図11(a)に示すような電極構造体15を有する絶縁層18Bよりなる複数の接点膜9が、金属フレーム板25の開口部26の各々に配置し金属フレーム板25により支持された状態のシート状プローブ10
であってもよく、更に図11(b)に示すように一つの接点膜9が金属フレーム板25の複数の開口部26を覆うように配置されたものであってもよい。
このように独立する複数の接点膜9によりシート状プローブ10を構成することにより、例えば直径8インチ以上のウエハ検査用のシート状プローブ10を構成した場合、温度変化による接点膜9の伸縮が小さくなり電極構造体15の位置ずれが小さくなり好ましい。
このようなシート状プローブ10は本発明のシート状プローブ10の製造方法における図13(b)または図26(c)の状態で絶縁層18Bにレジストによるパターニングと、エッチングにより絶縁層18Bを任意の形状の接点膜9に分割することにより得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験用ウエハの作製>
図33に示すように、直径が8インチのシリコン(線熱膨張係数3.3×10-6/K)製のウエハ6上に、それぞれ寸法が6.85mm×6.85mmの正方形の集積回路Lを合計で483個形成した。
このウエハ6の集積回路Lを形成した側の表面に、感光性ポリイミドをスピンコートして、樹脂膜B1を形成し、プリベークを行う。
次いで、被検査電極の上部以外の領域の感光性ポリイミドにより形成された樹脂膜B1を露光およびベークして半硬化させた後、感光性ポリイミドにより形成された樹脂膜B1の非露光(未硬化)部分を現像して除去することにより、被検査電極の上部に開口K1を形成した。
その後、高温ベーク処理を行なって、半硬化の感光性ポリイミド により形成した樹脂
膜B1を完全硬化させて、被検査電極の上部に90μm×90μmの矩形の開口K1が形成された厚み約10μmのポリイミドよりなる絶縁膜B2を形成した。
ウエハ6に形成された集積回路Lの各々は、図34に示すように、その中央に被検査電極領域Aを2500μmの間隔で2列に有し、この被検査電極領域Aには、図35(a)に示すように、それぞれ縦方向図35(a)において上下方向)の寸法が90μmで横方向(図35(a)において左右方向)の寸法が90μmの矩形の26個の被検査電極7が120μmのピッチで横方向に一列に配列されている。
そして、図35(b)に示すように、被検査電極7は厚さ約10μmの絶縁膜によりその表面周囲を覆われている。
このウエハ6全体の被検査電極7の総数は26116個であり、全ての被検査電極7は互いに電気的に絶縁されている。以下、このウエハ6を「試験用ウエハW1」という。
また、全ての被検査電極7を互いに電気的に絶縁することに代えて、集積回路Lにおける26個の被検査電極のうち最も外側の被検査電極7から数えて1個おきに2個ずつを互いに電気的に接続したこと以外は、上記試験用ウエハW1と同様の構成の483個の集積回路Lをウエハ6上に形成した。
以下、このウエハを「試験用ウエハW2」という。
(実施例1)
直径が20cmで厚みが12.5μmのポリイミドシートの両面にそれぞれ直径が20cmで厚みが4μmの銅よりなる金属層が積層された積層ポリイミドシート(以下、「積層体10A」という。)を用意した(図14(a)参照)。
積層体10Aは、厚みが12.5μmのポリイミドシートよりなる絶縁性シート11の一面に厚みが4μmの銅よりなる第1の裏面側金属層19Aを有し、他面に厚みが4μmの銅よりなる表面側金属層16Aを有するものである。
上記の積層体10Aに対し厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護シールによって表面側金属層16Aの表面全面に保護フィルム40Aを形成すると共に、第1の裏面側金属層19Aの裏面全面に、試験用ウエハW1に形成された被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って直径が45μmの円形の26116個のパターン孔12Hが形成されたレジスト膜12Aを形成した(図14(b)参照)。
ここで、レジスト膜12Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
次いで、第1の裏面側金属層19Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、レジスト膜12Aのパターン孔12Hに連通する26116個のパターン孔19Hを形成した(図14(c)参照)。
その後、絶縁性シート11に対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁性シート11に、それぞれ第1の裏面側金属層19Aのパターン孔19Hに連通する26116個の貫通孔11Hを形成した(図15(a)参照)。
この貫通孔11Hの各々は、絶縁性シート11の裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状のものであって、裏面側の開口径が45μm、表面側の開口径が25μm(平均値)のものであった。
次いで、積層体10Aを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Aからレジスト膜12Aを除去し、その後、積層体10Aに対し、厚みが10μmのドライフィルムレジスト(日立化成:フォテック RY−3210)によって、第1の裏面側金属層19Aの表面全面を覆うよう、レジスト膜13Aを形成すると共に、レジスト膜13Aに絶縁性シート11の貫通孔11Hに連通する直径60μmの26116個の矩形のパターン孔13Hを形成した(図15(b)参照)。
ここで、レジスト膜13Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
このようにして、絶縁性シート11の裏面に、それぞれ絶縁性シート11の貫通孔11H、第1の裏面側金属層19Aのパターン孔19Hおよびレジスト膜13Aのパターン孔13Hが連通されてなる26116個の表面電極部形成用凹所10Kを形成した。
次いで、積層体10Aをスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体10Aに対し、表面側金属層16Aを電極として、電解メッキ処理を施して各表面電極部形成用凹所10K内に金属を充填することにより、表面電極部16および第1の裏面側金属層19Aによって互いに連結された保持部19を形成した(図15(c)参照)。
次いで、表面電極部16が形成された積層体10Aを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Aからレジスト膜13Aを除去した。
そして、積層体10Aの第1の裏面側金属層19Aおよび保持部19の表面にポリイミドワニス(宇部興産社製 商品名「U-ワニス」)を塗布、乾燥を繰り返して、厚さ約1
2μmのポリイミド層218Aを形成した。
次に、形成した液状ポリイミド層218Aの上に、片面に厚み10μmで直径が22cmの42アロイよりなる金属シートが一体化して積層された、直径が20.4cmで、厚みが25μmのポリイミドフィルム218Bを、ポリイミドフィルム側をポリイミド層218Aと接するように積層した。
そして、金属シートの周縁部分の液状ポリイミド層218Aと接する側の面に、内径が20.4cmで、外径が22cmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護テープを配置し、この状態で熱圧着処理することにより、図16(a)に示す積層体10Bを作製した。
積層体10Bは、表面電極部16が形成された積層体10Aの一面に厚みが36μmのポリイミドシートよりなる絶縁層18Bが積層され、該絶縁層18Bの表面に42アロイよりなる第2の裏面側金属層17Aを有するものである(図16(a)参照)。
次いで、積層体10Bに対し第2の裏面側金属層17Aの表面全面に、試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って直径が60μmの円形の26116個のパターン孔28Hが形成されたレジスト膜28Aを形成した(図16(b)参照)。
ここで、レジスト膜28Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
次いで、第2の裏面側金属層17Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、第2の裏面側金属層17Aに、それぞれレジスト膜28Aのパターン孔28Hに連通する26116個のパターン孔17Hを形成した(図16(c)参照)。
その後、絶縁層18Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、15分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁層18Bに、それぞれ第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hに連通した26116個の貫通孔18Hを形成した(図17(a)参照)。
この貫通孔18Hの各々は、絶縁層18Bの表面に向かうに従って小径となるテーパ状のものであって、その底面に裏面電極部17が露出しており、裏面側の開口径が80μm表面側の開口径が35μmのものであった。
次いで、貫通孔18Hが形成された積層体10Bを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Bからレジスト膜28Aを除去し、その後、積層体10Bに対し、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、第2の裏面側金属層17Aの表面全面を覆うよう、レジスト膜29Aを形成すると共に、レジスト膜29Aに、絶縁層18Bの貫通孔18Hに連通する寸法が200μm×80μmの矩形の26116個のパターン孔29Hを形成した(図17(b)参照)。
ここで、レジスト膜29Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
このようにして、積層体10Bの裏面に、それぞれ絶縁層18Bの貫通孔18H、第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hおよびレジスト膜29Aのパターン孔29Hが連通されてなる26116個の短絡部形成用凹所18Kを形成した。
次いで、積層体10Bをスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体10Bに対し、表面側金属層16Aを電極として、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所18K内に金属を充填することにより、表面電極部16に連結された、短絡部18および第2の裏面側金属層17Aによって互いに連結された裏面電極部17を形成した(図17(c)参照)。
次いで、積層体10Bを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Bからレジスト膜29Aを除去した。その後、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、第2の裏面側金属層17Aにおける金属フレーム板25となる部分および裏面電極部17を覆うよう、パターニングされてパターン孔29Kを有するエッチング用のレジスト膜29Bを形成した(図18(a)参照)。
ここで、レジスト膜29Bの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
次いで、積層体10Bから保護フィルム40Aを除去し、その後、表面側金属層16Aおよび第2の裏面側金属層17Aに対し、アンモニア系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、表面側金属層16Aの全部を除去すると共に、第2の裏面側金属層17Aにおけるパターン孔29Kにより露出した部分を除去し、これにより、裏面電極部17の各々を互いに分離させると共に、試験用ウエハW1に形成された集積回路における電極領域のパターンに対応するパターンに従って形成された複数の開口部26を有する金属フレーム板25を形成した(図18(b)参照)。
金属フレーム板25に設けられた開口部26の各々は、横方向3600μm×縦方向1000μmである。
次いで、積層体10Bを45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、金属フレーム板25の裏面および裏面電極部17からレジスト膜29Bを除去した。
その後、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、金属フレーム板25の裏面、絶縁層18Bの裏面および裏面電極部17を覆うよう、レジスト膜17Eを形成し、このレジスト膜17Eを厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護フィルム40Bによって覆った(図18(c)参照)。
その後、積層体10Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁性シート11を除去して積層体10Cを得た(図19(a)参照)。
次いで、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、表面電極部16および第1の裏面側金属層19Aにおける保持部19となるべき部分を覆うよう、パターニングされたレジスト膜14Aを形成した(図19(b)参照)。
ここで、レジスト膜14Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
その後、第1の裏面側金属層19Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に伸びる直径60μmの円形の保持部19を形成し、これによって、電極構造体15を形成した(図19(c)参照)。
この状態で、積層体10Cにアミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、40℃、3分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁層18Bの表面部分を除去した(図13(a)参照)。
その後、45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、表面電極部16および保持部19からレジスト膜14Aを除去した。
そして、積層体10Cの表面電極部16および絶縁層18Bを覆うように厚みが25μmのドライフィルムレジストによりレジスト膜を形成し、接点膜9となるべき部分を覆うように、パターニングされたレジスト膜17Fを形成した(図13(b))。
レジスト膜17Fの各々は横方向4600μmで縦方向2000μmである。
この状態で、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金属フレーム板の各々の貫通孔に電極構造体15が形成された接点膜9を備えた積層体10Cを得た(図13(c))。
そして、積層体10Cから保護フィルム40Bを除去し、次に45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、レジスト膜17Eおよびレジスト膜17Fを除去した。
その後、金属フレーム板25における周縁部分から、ポリエチレンテレフタレートよりなる保護テープを除去し、金属フレーム板25における周縁部分の表面に、接着剤(セメダイン(株):2液型アクリル接着剤 Y−620)を塗布して接着剤層を形成した。
そして、外径が22cm、内径が20.5cmで、厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる保持部材40を配置した後、保持部材40と金属フレーム板25とを50kgの荷重で加圧し、25℃で8時間保持することにより、保持部材40を金属フレーム板25に接合することにより、本発明に係るシート状プローブ10を製造した。
以上においてドライフィルムレジストとしては、とくに記載しなかった部分においては日立化成製のH−K350を使用した。
得られたシート状プローブ10は、絶縁層18Bの厚みdが約25μm、電極構造体15の表面電極部16の形状が円錐台状で、その基端の径R1が45μm、その先端の径R2が25μm、その突出高さhが12.5μmであった。
また、短絡部18の形状が円錐台状で、その表面側の一端の径R3が35μm、厚みd3が36μm、裏面側の他端の径R4が80μmであった。さらに、裏面電極部17の形状が矩形の平板状で、その横幅(径R5)が80μm、縦幅が200μm、厚みd2が35μm、保持部19の形状が円形でその直径が60μm、その厚みd1が14μmのものである。
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブM1」〜「シート状プローブM4」とする。
(実施例2)
実施例1と同様にして、表面電極部16および保持部19が形成された積層体10Aを得た(図15(c)参照)。
次いで、表面電極部16が形成された積層体10Aを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Aからレジスト膜13Aを除去した。
そして、積層体10Aの第1の裏面側金属層19Aおよび保持部19の表面にポリイミドワニス(宇部興産社製 商品名「U-ワニス」)を塗布、乾燥を繰り返して、厚さ約1
2μmのポリイミド層218Aを形成した(図20(a)参照)。
次に、形成した液状ポリイミド層218Aの上に、一面に厚み10μmで直径が22cmの42アロイよりなる金属シートを有し、他面に直径20.4cmで厚み4μmの銅層が積層された、直径が20.4cmで厚みが25μmのポリイミドフィルム218Bを、銅層側をポリイミド層218Aと接するように積層した。そして、金属シートの周縁部分の液状ポリイミド層218Aと接する側の面に、内径が20.4cmで、外径が22cmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護テープを配置し、この状態で熱圧着処理することにより、図21(a)に示す積層体10Bを作製した。
積層体10Bは、表面電極部16が形成された積層体10Aの一面に、厚みが40μmで、内部に厚み4μmの銅よりなる金属層219を有するポリイミドシートよりなる絶縁層18Bが積層され、この絶縁層18Bの表面に、42アロイよりなる第2の裏面側金属層17Aを有するものである(図21(a)参照)。
次いで、積層体10Bに対し第2の裏面側金属層17Aの表面全面に、試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って直径が60μmの円形の26116個のパターン孔28Hが形成されたレジスト膜28Aを形成した(図21(b)参照)。
ここで、レジスト膜28Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
次いで、第2の裏面側金属層17Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、第2の裏面側金属層17Aに、それぞれレジスト膜28Aのパターン孔28Hに連通する26116個のパターン孔17Hを形成した(図21(c)参照)。
その後、絶縁層18Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁層18Bに、それぞれ第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hに連通した開口部を形成して、その底部に金属層219を露出させた。
その後、絶縁層18Bの開口部の底面に露出した金属層219を、塩化第二鉄系エッチング液を用いて、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより除去した。
次いで、絶縁層18Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処
理を施すことにより、絶縁層18Bに、それぞれ第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hに連通した26116個の貫通孔18Hを形成した(図22(a)参照)。
この貫通孔18Hの各々は、絶縁層18Bの表面に向かうに従って小径となるテーパ状のものであって、その底面に裏面電極部17が露出しており、裏面側の開口径が80μm、表面側の開口径が約35μmのものであった。
次いで、貫通孔18Hが形成された積層体10Bを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Bからレジスト膜28Aを除去した(図23(a)参照)。
この状態において、積層体10Bに対して無電解銅メッキ処理を施し、さらに、表面側金属層16Aを電極として、電解銅メッキ処理を施して、貫通孔18Hの内壁に、厚み約1μmの銅からなる金属薄層220を形成した。
その後、積層体10Bに対し、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、第2の裏面側金属層17Aの表面全面を覆うよう、レジスト膜29Aを形成すると共に、レジスト膜29Aに、絶縁層18Bの貫通孔18Hに連通する寸法が200μm×80μmの矩形の26116個のパターン孔29Hを形成した。
ここで、レジスト膜29Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
このようにして、積層体10Bの裏面に、それぞれ絶縁層18Bの貫通孔18H、第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hおよびレジスト膜29Aのパターン孔29Hが連通されてなる26116個の短絡部形成用凹所18Kを形成した(図22(b)、図23(b)参照)。
次いで、積層体10Bをスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体10Bに対し、表面側金属層16Aを電極として、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所18K内に金属を充填することにより、表面電極部16に連結された、短絡部18および第2の裏面側金属層17Aによって互いに連結された裏面電極部17を形成した(図22(c)、図23(c)参照)。
次いで、積層体10Bを、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、積層体10Bからレジスト膜29Aを除去した。その後、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、第2の裏面側金属層17Aにおける金属フレーム板25となる部分および裏面電極部17を覆うよう、パターニングされてパターン孔29Kを有するエッチング用のレジスト膜29Bを形成した(図24(a)参照)。
ここで、レジスト膜29Bの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
次いで、積層体10Bから保護フィルム40Aを除去し、その後、表面側金属層16Aおよび第2の裏面側金属層17Aに対し、アンモニア系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、表面側金属層16Aの全部を除去すると共に、第2の裏面側金属層17Aにおけるパターン孔29Kにより露出した部分を除去し、これにより、裏面電極部17の各々を互いに分離させると共に、試験用ウエハW1に形成された集積回路における電極領域のパターンに対応するパターンに従って形成された複数の開口部26を有する金属フレーム板25を形成した(図24(b)参照)。
金属フレーム板25に設けられた開口部26の各々は、横方向3600μm×縦方向1000μmである。
次いで、積層体10Bを45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、金属フレーム板25の裏面および裏面電極部17からレジスト膜29Bを除去した。
その後、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、金属フレーム板25の裏面、絶縁層18Bの裏面および裏面電極部17を覆うよう、レジスト膜17Eを形成し、このレジスト膜17Eを厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護フィルム40Bによって覆った(図24(c)参照)。
その後、積層体10Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁性シート11を除去して積層体10Cを得た(図25(a)参照)。
次いで、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、表面電極部16および第1の裏面側金属層19Aにおける保持部19となるべき部分を覆うよう、パターニングされたレジスト膜14Aを形成した(図25(b)参照)。
ここで、レジスト膜14Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
その後、第1の裏面側金属層19Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に伸びる直径60μmの円形の保持部19を形成し、以て電極構造体15を形成した(図25(c)参照)。
この状態で、積層体10Cにアミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁層18Bの表面部分を除去した(図26(a)参照)。
次いで、この絶縁層18Bの表面部分を除去した積層体10Cに対して、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、1分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金属層219および金属薄層220を除去した。
その後、45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、表面電極部16および保持部19からレジスト膜14Aを除去した。
そして、積層体10Cの表面電極部16および絶縁層18Bを覆うように厚みが25μmのドライフィルムレジストによりレジスト膜を形成し、接点膜9となるべき部分を覆うように、パターニングされたレジスト膜17Fを形成した(図26(c))。
レジスト膜17Fの各々は横方向4600μmで縦方向2000μmである。
この状態で、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金属フレーム板の各々の貫通孔に電極構造体15が形成された接点膜9を備えた積層体10Cを得た(図26(d))。
そして、積層体10Cから保護フィルム40Bを除去し、次に45℃の水酸化ナトリウ
ム水溶液に2分間浸漬することにより、レジスト膜17Eおよびレジスト膜17Fを除去した。
その後、金属フレーム板25における周縁部分から、ポリエチレンテレフタレートよりなる保護テープを除去し、金属フレーム板25における周縁部分の表面に接着剤(セメダイン(株):2液型アクリル接着剤 Y−620)を塗布して接着剤層を形成し、外径が22cm、内径が20.5cmで厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる保持部材40を配置した。その後、保持部材40と金属フレーム板25とを50kgの荷重で加圧し、25℃で8時間保持することにより、保持部材40を金属フレーム板25に接合することにより、本発明に係るシート状プローブ10を製造した。
以上においてドライフィルムレジストとしては、とくに記載しなかった部分においては日立化成製のH−K350を使用した。
得られたシート状プローブ10は、絶縁層18Bの厚みdが約25μm、電極構造体15の表面電極部16の形状が円錐台状で、その基端の径R1が45μm、その先端の径R2が25μm、その突出高さhが12.5μmであった。
また、短絡部18の形状が円錐台状で、その表面側の一端の径R3が約35μm、裏面側の他端の径R4が80μm、厚みd3が40μmであった。さらに、裏面電極部17の形状が矩形の平板状で、その横幅(径R5)が80μm、縦幅が200μm、厚みd2が35μm、保持部19の形状が円形で、その直径が60μm、その厚みd1が14μmのものである。
そして、電極構造体15の移動距離、すなわち短絡部18の厚みd3と絶縁層18Bの厚みdとの差は約15μmである。
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブN1」〜「シート状プローブN4」とする。
(比較例1)
図44(a)に示すような表面側金属層92A、第2の裏面側金属層92B、第1の裏面側金属層92Cを有し、絶縁性シート11、絶縁層18Bよりなる積層体90Cを用意した。
積層体90Cは、表面側金属層92Aが厚さ4μmの銅よりなり、絶縁層18Bが厚さ12.5μmのポリイミドよりなり、第1の裏面側金属層92Cが厚さ4μmの銅よりなり、絶縁性シート91Bが厚さ37.5μmのポリイミドよりなり、第2の裏面側金属層92Bが厚さ10μmの42アロイよりなるものである。
この積層体90Cに対して、特開2004−172589号に記載された方法に従い、第2の裏面側金属層側92Bに直径90μmのパターン孔を形成し、順次に絶縁層18B、第1の裏面側金属層92C、絶縁性シート11に連続する貫通孔を形成し、貫通孔の底面に表面側金属層92Aを露出させ、短絡部と表面電極部を一括して形成する電極構造体形成用凹所90Kを作成した(図41(b)参照)。
次いで、積層体90Cをスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体90Cに対し、表面側金属層92Aを電極として、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所90K内に金属を充填した(図41(c)参照)。
次いで、絶縁性シート11をエッチングにより除去した(図41(d)参照)。
次いで、第1の裏面側金属層にエッチングを行い保持部を形成し、第2の裏面側金属層にエッチングを行いその一部を除去することにより裏面電極部と支持部92Eを形成し、絶縁層18Bにエッチングを行い絶縁層を各々の接点膜に分割した(図41(e)参照)。
その後、外径が22cm、内径が20.5cmで厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる支持部材2の表面に、シアノアクリレート系接着剤(東亞合成(株)製:品名
アロンアルファ 品番:♯200)を滴下して接着層を形成し、これに接点膜を形成した積層体を積層し、25℃で30分保持することにより、接着層を硬化させてシート状プローブを製造した。
得られたシート状プローブは、絶縁層の厚みdが37.5μm、電極構造体の表面電極部の形状が円錐台状で、その基端の径が37μm、その先端の径が13μm(平均値)であり、その突出高さが12.5μm、保持部は横幅が60μm、縦幅が200μmで厚みが4μm、短絡部の形状が円錐台状で、その表面側の一端の径が37μm、裏面側の他端の径が90μm、裏面電極部の形状が矩形の平板状で、その横幅が90μm、縦幅が200μm、厚みが20μmのものである。
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブO1」〜「シート状プローブO4」とする。
〈異方導電性コネクターの作製〉
(1)磁性芯粒子の調製:
市販のニッケル粒子(Westaim社製、「FC1000」)を用い、以下のようにして磁性芯粒子を調製した。
日清エンジニアリング株式会社製の空気分級機「ターボクラシファイア TC−15N」によって、ニッケル粒子2kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ロータ
ー回転数が2250rpm、分級点が15μm、ニッケル粒子の供給速度が60g/minの条件で分級処理し、粒子径が15μm以下のニッケル粒子0.8kgを捕集し、更に、このニッケル粒子0.8kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ローター
回転数が2930rpm、分級点が10μm、ニッケル粒子の供給速度が30g/minの条件で分級処理し、ニッケル粒子0.5kgを捕集した。
得られたニッケル粒子は、数平均粒子径が7.4μm、粒子径の変動係数が27%、BET比表面積が0.46×103m2/kg、飽和磁化が0.6Wb/m2であった。
このニッケル粒子を磁性芯粒子Qとする。
(2)導電性粒子の調製:
粉末メッキ装置の処理槽内に、磁性芯粒子Q100gを投入し、更に、0.32Nの塩酸水溶液2Lを加えて攪拌し、磁性芯粒子Qを含有するスラリーを得た。このスラリーを常温で30分間攪拌することにより、磁性芯粒子Qの酸処理を行い、その後、1分間静置して磁性芯粒子Qを沈殿させ、上澄み液を除去した。
次いで、酸処理が施された磁性芯粒子Qに純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して磁性芯粒子Qを沈殿させ、上澄み液を除去した。この操作を更に2回繰り返すことにより、磁性芯粒子Qの洗浄処理を行った。
そして、酸処理および洗浄処理が施された磁性芯粒子Qに、金の含有割合が20g/Lの金メッキ液2Lを加え、処理層内の温度を90℃に昇温して攪拌することにより、スラリーを調製した。この状態で、スラリーを攪拌しながら、磁性芯粒子Qに対して金の置換
メッキを行った。その後、スラリーを放冷しながら静置して粒子を沈殿させ、上澄み液を除去することにより、導電性粒子Pを調製した。
このようにして得られた導電性粒子に純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して導電性粒子を沈殿させ、上澄み液を除去した。この操作を更に2回繰り返し、その後、90℃に加熱した純水2Lを加えて攪拌し、得られたスラリーを濾紙によって濾過して導電性粒子を回収した。そして、この導電性粒子を、90℃に設定された乾燥機によって乾燥処理した。
得られた導電性粒子は、数平均粒子径が7.3μm、BET比表面積が0.38×103m2/kg、(被覆層を形成する金の質量)/(磁性芯粒子[A]の質量)の値が0.3であった。
この導電性粒子を「導電性粒子(a)」とする。
(3)フレーム板の作製:
図36および図37に示す構成に従い、下記の条件により、上記の試験用ウエハW1における各被検査電極領域に対応して形成された966個の開口32を有する直径が8インチのフレーム板31を作製した。
このフレーム板31の材質はコバール(線熱膨張係数5×10-6/K)で、その厚みは、60μmである。
開口32の各々は、その横方向(図36および図37において左右方向)の寸法が3600μmで縦方向(図36および図37において上下方向)の寸法が900μmである。
フレーム板31の開口32は、図36に示すように試験用ウェハに形成された集積回路Lの1個に対して2個が形成されており、同一集積回路Lに対して設けられているフレーム板31の開口32は中心間距離(図37において上下方向)で2000μmピッチで配置されている。
縦方向に隣接する開口32の間の中央位置には、円形の空気流入孔33が形成されており、その直径は1000μmである。
(4)異方導電性シート用成形材料の調製:
付加型液状シリコーンゴム100重量部に、導電性粒子30重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、異方導電性シート用の成形材料を調製した。
以上において、使用した付加型液状シリコーンゴムは、それぞれ粘度が250Pa・sであるA液およびB液よりなる二液型のものであって、その硬化物の圧縮永久歪みが5%、デュロメーターA硬度が32、引裂強度が25kN/mのものである。
ここで、付加型液状シリコーンゴムおよびその硬化物の特性は、以下のようにして測定されたものである。
(i)付加型液状シリコーンゴムの粘度は、B型粘度計により、23±2℃における値を測定した。
(ii)シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みは、次のようにして測定した。
二液型の付加型液状シリコーンゴムにおけるA液とB液とを等量となる割合で攪拌混合した。次いで、この混合物を金型に流し込み、混合物に対して減圧による脱泡処理を行った後、120℃、30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが12.7mm、直径が29mmのシリコーンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して、2
00℃、4時間の条件でポストキュアを行った。このようにして得られた円柱体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して150±2℃における圧縮永久歪みを測定した。
(iii)シリコーンゴム硬化物の引裂強度は、次のようにして測定した。
上記(ii)と同様の条件で付加型液状シリコーンゴムの硬化処理およびポストキュアを行うことにより、厚みが2.5mmのシートを作製した。
このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(iv)デュロメーターA硬度は、上記(iii)と同様にして作製されたシートを5枚重ね合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃における値を測定した。
(5)異方導電性コネクターの作製:
上記(3)で作製したフレーム板31および上記(4)で調製した成形材料を用い、特開2002−324600号公報に記載された方法に従って、フレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された、図30に示す構成の966個の異方導電性シート35を形成することにより、異方導電性コネクター30を製造した。
ここで、成形材料層の硬化処理は、電磁石によって厚み方向に2Tの磁場を作用させながら、100℃、1時間の条件で行った。
得られた異方導電性シート35について具体的に説明すると、異方導電性シート35の各々は、横方向の寸法が6000μm、縦方向の寸法が2000μmであり、26個の導電部36が120μmのピッチで横方向に一列に配列されており、導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μm、突出部38の突出高さが25μm、絶縁部37の厚みが100μmである。
また、横方向において最も外側に位置する導電部36とフレーム板31の開口縁との間には、非接続用の導電部36が配置されている。
非接続用の導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。
また、各異方導電性シート35における導電部36中の導電性粒子の含有割合を調べたところ、全ての導電部36について体積分率で約25%であった。
このようにして、合計で12枚の異方導電性コネクターを製造した。
これらの異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC1」〜「異方導電性コネクターC12」とする。
〈検査用回路基板の作製〉
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、試験用ウエハW1における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極21が形成された検査用回路基板20を作製した。
この検査用回路基板20は、全体の寸法が30cm×30cmの矩形であり、その検査電極は、横方向の寸法が60μmで縦方向の寸法が200μmである。得られた検査用回路基板を「検査用回路基板T1」とする。
〈シート状フローブの評価〉
(1)試験1(隣接する電極構造体間の絶縁性):
シート状プローブM1、M2、シート状プローブN1、N2、シート状プローブO1、O2の各々について、以下のようにして隣接する電極構造体間の絶縁性の評価を行った。
室温(25℃)下において、試験用ウエハW1を試験台に配置し、この試験用ウエハW1の表面上に、シート状プローブをその表面電極部16の各々が試験用ウエハW1の被検査電極7上に位置するよう位置合わせして配置し、このシート状プローブ上に、異方導電性コネクター30をその導電部36の各々がシート状プローブの裏面電極部17上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電性コネクター30上に、検査用回路基板T1をその検査電極21の各々が異方導電性コネクター30の導電部36上に位置するよう位置合わせして配置し、更に検査用回路基板T1を下方に200kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧した。
ここで、異方導電性コネクター30としては下記表1に示すものを使用した。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極21の各々に順次電圧を印加すると共に、電圧が印加された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗をシート状プローブにおける電極構造体15間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として測定し、全測定点における絶縁抵抗が10MΩ以下である測定点の割合(以下、「絶縁不良割合」という。)を求めた。
ここで、絶縁抵抗が10MΩ以下である場合には、実際上、ウエハに形成された集積回路の電気的検査に使用することが困難である。
以上の結果を下記表1に示す。
(2)試験2(電極構造体の接続安定性):
シート状プローブM3、M4、シート状プローブN3、N4、シート状プローブO3、O4の各々について、以下のようにして被検査電極に対する電極構造体15の接続安定性の評価を行った。
室温(25℃)下において、試験用ウエハW2を、電熱ヒーターを備えた試験台に配置し、この試験用ウエハW2の表面上に、シート状プローブをその表面電極部16の各々が試験用ウエハW2の被検査電極7上に位置するよう位置合わせして配置し、このシート状プローブ上に、異方導電性コネクター30をその導電部36の各々がシート状プローブの裏面電極部17上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電性コネクター30上に、検査用回路基板T1をその検査電極21の各々が異方導電性コネクター30の導電部36上に位置するよう位置合わせして配置し、更に検査用回路基板T1を下方に200
kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧した。
ここで、異方導電性コネクター30としては下記表2に示すものを使用した。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極7について、シート状プローブ、異方導電性コネクター30および試験用ウエハW2を介して互いに電気的に接続された2個の検査電極21の間の電気抵抗を順次測定し、測定された電気抵抗値の2分の1の値を、検査用回路基板T1の検査電極21と試験用ウエハW2の被検査電極7との間の電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)として記録し、全測定点における導通抵抗が1Ω以上である測定点の割合(以下、「接続不良割合」という。)を求めた。
この操作を「操作(1)」とする。
次いで、検査用回路基板T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を125℃に昇温してその温度が安定するまで放置し、その後、検査用回路基板T1を下方に200kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧し、上記操作(1)と同様にして接続不良割合を求めた。この操作を「操作(2)」とする。
次いで、試験台を室温(25℃)まで冷却し、検査用回路基板T1に対する加圧を解除した。この操作を「操作(3)」とする。
そして、上記の操作(1)、操作(2)および操作(3)を1サイクルとして合計で200サイクル連続して行った。
ここで、導通抵抗が1Ω以上である場合には、実際上、ウエハに形成された集積回路の電気的検査に使用することが困難である。
以上の結果を下記表2に示す。
また、試験2が終了した後、各々のシート状プローブを観察したところ、いずれのシート状プローブも電極構造体15も絶縁層18Bから脱落していなかった。
表2の結果より、比較例に関わるシート状プローブOでは、表面電極部の突出高さが小さいく、絶縁層18Bの厚みが大きいため、絶縁膜にてその表面の周囲を覆われた被検査電極を有するウエハに対しては、その電気的接続を安定して継続できないことが明らかになった。
図1は、本発明のシート状プローブの第1の実施例における構成を示す説明用断面図、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図である。
図2は、図1のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図である。
図3は、本発明に係る第1の実施例のシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図である。
図4は、本発明に係る第1の実施例のシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
図5(a)は、本発明のシート状プローブにおける接点膜の支持部の断面図、図5(b)は、本発明のシート状プローブにおける接点膜の支持部の断面図である。
図6は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した図であり、図6(a)は平面図、図6(b)はX−X線による断面図である。
図7は、本発明に係る第2の実施例のシート状プローブの説明用断面図である。
図8は、本発明に係る第2の実施例のシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
図9は、本発明に係る第1の実施例のシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
図10は、本発明のシート状プローブの第1の実施例の製造方法を示す部分拡大断面図である。
図11は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した断面図である。
図12は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した断面図である。
図13は、本発明のシート状プローブの第1の実施例の製造方法を示す部分拡大断面図である。
図14は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図15は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図16は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図17は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図18は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図19は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図20は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の構成を示す説明用断面図である。
図21は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の他の構成を示す説明用断面図である。
図22は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の他の構成を示す説明用断面図である。
図23は、本発明に係る第2の実施例のシート状プローブを製造するための積層体の他の構成を示す説明用断面図である。
図24は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の他の構成を示す説明用断面図である。
図25は、本発明に係るシート状プローブを製造するための積層体の他の構成を示す説明用断面図である。
図26は、本発明に係る第2の実施例のシート状プローブを製造するための積層体の他の構成を示す説明用断面図である。
図27は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの実施形態を示した断面図である。
図28は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの他の実施形態を示した断面図である。
図29は、図28のプローブカードにおける組み立て前後の各状態を示した断面図である。
図30は、図28に示す検査装置におけるプローブカードを拡大して示す説明用断面図である。
図31は、図29に示す検査装置におけるプローブカードを拡大して示す説明用断面図である。
図32は、図30、図28に示すプローブカードにおける異方導電性コネクターの平面図である。
図33は、実施例で作製した試験用ウエハを示す平面図である。
図34は、図33に示す試験用ウエハに形成された集積回路の被検査電極領域の位置を示す説明図である。
図35は、図34に示す試験用ウエハに形成された集積回路の被検査電極の配置パターンを示す説明図である。
図36は、実施例で作製した異方導電性コネクターにおけるフレーム板を示す平面図である。
図37は、図36に示すフレーム板の一部を拡大して示す説明図である。
図38は、本発明のシート状プローブの金属フレーム板の形状を説明する平面図である。
図39は、従来のプローブカードの一例における構成を示す説明用断面図である。
図40は、従来のシート状プローブの製造例を示す説明用断面図である。
図41は、図40に示すプローブカードにおけるシート状プローブを拡大して示す説明用断面図である。
図42は、従来のシート状プローブの他の製造例を示す説明用断面図である。
図43は、従来のシート状プローブの他の製造例を示す説明用断面図である。
図44は、比較例1のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。
図45は、従来のシート状プローブの、貫通孔を説明する概略図である。
符号の説明
1 プローブカード
2 支持部材
3 加圧板
4 ウエハ載置台
5 加熱器
6 ウエハ
7 被検査電極
8 接着剤
9 接点膜
10 シート状プローブ
10A 積層体
10B 積層体
10C 積層体
10K 表面電極部形成用凹所
11 絶縁性シート
11H 貫通孔
12 貫通孔
12A レジスト膜
12H パターン孔
13A レジスト膜
13H パターン孔
14A レジスト膜
15 電極構造体
16 表面電極部
16A 表面側金属層
17 裏面電極部
17A 第2の裏面側金属層
17E レジスト膜
17F レジスト膜
17H パターン孔(貫通孔)
18 短絡部
18B 絶縁層
18C ポリイミド層
18K 短絡部形成用凹所
18H 貫通孔
19 保持部
19A 第1の裏面側金属層
19H パターン孔
20 検査用回路基板
21 検査電極
22 支持部
24 金属フレーム板
25 金属フレーム板
26 開口部
28A レジスト膜
29B レジスト膜
29H パターン孔
29K パターン孔
30 異方導電性コネクター
31 フレーム板
32 開口
35 異方導電性シート
36 導電部
37 絶縁部
38 突出部
40A 保護フィルム
40B 保護フィルム
50 ガイドピン
80 異方導電性シート
85 検査用回路基板
86 検査電極
90 シート状プローブ
90A 積層体
90B 積層体
90C 積層体
90K 電極構造体形成用凹所
91 絶縁性シート
91A 絶縁性シート材
92 金属層
92A 表面側金属層
92B 裏面側金属層
92H 開口部
93 レジスト膜
93A レジスト膜
94A レジスト膜
94B レジスト膜
95 電極構造体
96 表面電極部
97 裏面電極部
98 短絡部
98H 貫通孔
122 表面側金属層
124 絶縁性シート
126 第1の裏面側金属層
128 絶縁層
130 第2の裏面側金属層
132 積層体
134 開口部
136 貫通孔
138 貫通孔
140 フォトレジスト膜
140a 開口
142a 貫通孔
218A ポリイミド層
218B ポリイミドフィルム
219 金属層
220 金属薄層
318 貫通孔