JP2006162604A - シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法 - Google Patents

シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006162604A
JP2006162604A JP2005326427A JP2005326427A JP2006162604A JP 2006162604 A JP2006162604 A JP 2006162604A JP 2005326427 A JP2005326427 A JP 2005326427A JP 2005326427 A JP2005326427 A JP 2005326427A JP 2006162604 A JP2006162604 A JP 2006162604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
probe
electrode
inspection
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005326427A
Other languages
English (en)
Inventor
Mutsuhiko Yoshioka
睦彦 吉岡
Hitoshi Fujiyama
等 藤山
Hisao Igarashi
久夫 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2005326427A priority Critical patent/JP2006162604A/ja
Publication of JP2006162604A publication Critical patent/JP2006162604A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Individual Semiconductor Devices (AREA)
  • Measuring Leads Or Probes (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止し、これにより良好な電気的接続状態を安定に維持することができるシート状プローブを提供する。
【解決手段】絶縁膜の熱線膨張係数をH1とし、支持体の熱線膨張係数をH2とし、リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、すなわち、条件(1):H1=0.8×10-5〜8×10-5/K、条件(2):H2/H1<1、条件(3):H3/H1<1を満足するシート状プローブである。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路装置の電気検査に用いられるシート状プローブ、および、プローブカード、ならびに、ウエハの検査方法に関し、さらに詳しくは、例えば、ウエハに形成された複数の集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられるシート状プローブ、および、プローブカード、ならびに、ウエハの検査方法に関する。
例えば、多数の集積回路が形成されたウエハや、半導体素子等の電子部品などの回路装置の電気検査では、被検査回路装置の被検査電極のパターンに従って配置された検査用電極を有するプローブ装置が用いられている。従来から、このような装置としてピンもしくはブレードからなる検査用電極(検査プローブ)が配列されたプローブ装置が使用されている。
被検査回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハである場合、ウエハ検査用のプローブ装置を作製するためには、非常に多数の検査プローブを配列することが必要となるので、プローブ装置は高価になる。また、被検査電極のピッチが小さい場合には、プローブ装置を作製すること自体が困難になる。また、ウエハには一般に反りが生じており、その反りの状態も製品(ウエハ)毎に異なるため、それぞれのウエハの多数の被検査電極に対して、プローブ装置の検査プローブのそれぞれを安定にかつ確実に接触させることは実際上困難である。
このような問題に対応するため、一面に被検査電極のパターンに従って複数の検査用電極が形成された検査用回路基板の一面上に、異方導電性シートを配置し、この異方導電性シート上に、絶縁シートにその厚さ方向に貫通して延びる複数の電極構造体が配列されたシート状プローブを配置したプローブカードが提案されている(特許文献1(特開2001−15565号公報)および特許文献2(特開2002−184821号公報)参照)。
このプローブカードのシート状プローブ90は、図39に示したように、ポリイミドなどの樹脂からなる柔軟な円形の絶縁シート91を有し、この絶縁シート91には、その厚さ方向に延びる複数の電極構造体95が、被検査回路装置の被検査電極のパターンに従って配置されている。
また、絶縁シート91の周縁部には、絶縁シート91の熱膨張を制御する等の目的で、例えば、セラミックスからなるリング状の支持部材92が設けられている。
各電極構造体95は、絶縁シート91の表面に露出する突起状の表面電極部96と、絶縁シート91の裏面に露出する板状の裏面電極部97とが、絶縁シート91をその厚さ方向に貫通して延びる短絡部98を介して、一体に連結された構造になっている。また、絶縁シート91の周縁部には、セラミックス等からなるリング状の支持部材92が設けられている。この支持部材92は、絶縁シート91の面方向の熱膨張を制御し、バーンイン試験において温度変化による電極構造体95と被検査電極との位置ずれを防止するためのものである。
特開2001−15565号公報 特開2002−184821号公報 特許第2828410号公報 特開2002−76074号公報 特願2004−131764号
しかしながら、このようなシート状プローブでは、以下のような問題がある。
例えば、直径が8インチ以上のウエハでは、5000個または10000個以上の被検査電極が形成されており、これらの被検査電極のピッチは160μm以下である。このようなウエハの検査を行うためのシート状プローブとしては、ウエハに対応した大面積を有し、5000個または10000個以上の電極構造体が、160μm以下のピッチで配置されたものが必要となる。
しかし、ウエハを構成する材料、例えば、シリコンの線熱膨張係数は、3.3×10-6/K程度であり、一方、シート状プローブの絶縁シートを構成する材料、例えば、ポリイミドの線熱膨張係数は4.5×10-5/K程度である。
従って、例えば、25℃において、それぞれ直径が30cmのウエハ、シート状プローブの各々を、20℃から120℃まで加熱した場合には、理論上、ウエハの直径の変化は、99μmにすぎないが、シート状プローブの絶縁シートの直径の変化は、1350μmに達し、両者の熱膨張の差は1251μmとなる。
このように、ウエハとシート状プローブの絶縁シートとの間で、面方向の熱膨張の絶対量に大きな差が生じると、絶縁シートの周縁部を、ウエハの線熱膨張係数と同等の線熱膨張係数を有する支持部材によって固定しても、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止することは困難であるため、良好な電気的接続状態を安定に維持することができない。
また、検査対象が小型の回路装置であっても、その被検査電極のピッチが、50μm以下である場合には、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止することは困難であるため、良好な電気的接続状態を安定に維持することができない。
このような問題点に対して、特許文献3(特許第2828410号公報)には、図40に示したように、絶縁シート101に張力を作用させた状態で、リング状の支持部材102に固定することにより、絶縁シート101の熱膨張を緩和する方法、すなわち、リング状の支持部材102の熱膨張率Aと、絶縁シート101の熱膨張率Bを、同一の熱膨張率に制御する方法が提案されている。
しかし、この方法では、絶縁シート101に対して、その面方向の全ての方向について、均一に張力を作用させることは極めて困難であり、また、電極構造体105を形成することによって、絶縁シート101に作用する張力のバランスが変化し、その結果、絶縁シート101は、熱膨張について異方性を有するようになる。このため、面方向の一方向の熱膨張を抑制することが可能であっても、この一方向と交差する他の方向の熱膨張を抑制することができず、結局、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを防止することができない。
また、絶縁シート101をこれに張力を作用させた状態で支持部材102に固定するためには、加熱下において絶縁シート101を支持部材102に接着する、という煩雑な工程が必要となるため、製造コストの増大を招く、という問題がある。
このため、特許文献4(特開2002−76074号公報)においては、絶縁性フィルムと導電層とを積層した構造の積層フィルムを、所定の温度でセラミックリング上に張力
を持たせて張り付け、この積層フィルムにバンプホールを形成して、電気メッキを行って、バンプホール内にメッキを成長させ表面電極部を形成するとともに、導電層を選択的にエッチングして、裏面電極部を形成して電極構造体を形成している。そして、絶絶縁性フィルムを選択的にエッチングして、電極構造体の部分を避けて、リング状に残しパターンを形成している。
これにより、セラミックリングの元に戻ろうとする復元力に比べ、絶縁性フィルムの張力が非常に弱いことが、電極構造体を形成することによって、絶縁シートに作用する張力のバランスが変化し、その結果、絶縁シートは、熱膨張について異方性を有する原因であるので、絶縁性フィルム上に残しパターンを形成しておき、この残しパターンによって、セラミックリングの復元力に対抗させている。
また、本出願人は、特許文献5(特願2004−131764号)において、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、良好な電気的接続状態を安定に維持することができるプローブカードおよびその製造方法を既に提案した。
すなわち、この特許文献5では、図41(a)に示したように、フレーム板形成用金属板202と、このフレーム板形成用金属板202上に一体的に積層された絶縁膜形成用シート204とを有する積層体206を用意し、この積層体の絶縁膜形成用樹脂シート204に、貫通孔208を形成し、積層体206に対してメッキ処理を施すことにより、絶縁膜形成用樹脂シート204の貫通孔208内に、フレーム板形成用金属板202に連結された短絡部210と、短絡部210に連結された表面電極部212を形成している(図41(b)参照)。
そして、フレーム板形成用金属板202をエッチング処理することにより、貫通孔114が形成された金属フレーム板11a6を形成するとともに、フレーム板形成用金属板202の一部によって、短絡部210に連結された裏面電極部218を形成している。
これにより、図41(c)に示したように、表面に露出する表面電極部212と、裏面に露出する裏面電極部218を有する電極構造体220が、柔軟な樹脂よりなる絶縁膜222に保持されてなる接点膜224と、この接点膜224を支持する金属フレーム板216とから構成されるシート状プローブ200が得られるものである。
このような特許文献5のシート状プローブ200では、絶縁膜222の面方向の熱膨張が金属フレーム板216によって確実に規制されるので、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、その結果、良好な電気的接続状態が安定に維持されるものである。
しかしながら、特許文献4および特許文献5のいずれの場合であっても、絶縁膜222と、金属フレーム板216と、リング状の支持部材(図示せず)との間の熱膨張率について何ら考慮されていないものである。
従って、これらの絶縁膜222と、金属フレーム板216と、リング状の支持部材の形成材料が、例えば、
(1) 絶縁膜222が、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマーなどの柔軟性を有する樹脂から構成され、
(2) 金属フレーム板216が、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼から構成され、
(3) リング状の支持部材が、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料から構成され、
ている場合には、これらの異なる材料の間の熱膨張率を、適切な範囲に選択しない場合には、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止することが困難となり、良好な電気的接続状態を安定に維持することができない。
本発明は、このような現状に鑑み、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止し、これにより良好な電気的接続状態を安定に維持することができるシート状プローブを提供することを目的としている。
また、本発明は、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、良好な電気的接続状態を安定に維持することができるプローブカード、およびこれを備えた回路装置の検査装置ならびにウエハ検査方法を提供することを目的としている。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明のシート状プローブは、
貫通穴が形成された支持体と、
前記支持体の周縁部を支持するリング状の支持部材と、
前記支持体の貫通穴の周縁部に支持された接点膜とを備え、
前記接点膜が、柔軟な樹脂からなる絶縁膜と、前記絶縁膜の表裏面を貫通するように、表面電極部と裏面電極部と表面電極部と裏面電極部を連結する短絡部とから形成した電極構造体とを備える回路装置の電気検査に用いられるシート状プローブであって、
前記絶縁膜の熱線膨張係数をH1とし、
前記支持体の熱線膨張係数をH2とし、
前記リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、すなわち、
条件(1):H1=0.8×10-5〜8×10-5/K
条件(2):H2/H1<1
条件(3):H3/H1<1
を満足することを特徴とする。
また、本発明のシート状プローブは、前記支持体の熱線膨張係数をH2と、前記リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3が、下記の条件(4)、すなわち、
条件(4):H3/H2=0.02〜50
を満足することを特徴とする。
このようなシート状プローブによれば、金属フレーム板の貫通穴に接点膜を支持しているので、貫通穴に配置される接点膜の面積を小さくすることができる。例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応して、複数の貫通穴を形成した金属フレーム板を用いれば、これらの各貫通穴に配置され、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜の面積を大幅に小さくすることができる。
このような面積の小さい接点膜は、その絶縁膜の面方向の熱膨張の絶対量が小さいため、絶縁膜の熱膨張を金属フレーム板によって確実に規制することが可能となる。
また、絶縁膜の熱線膨張係数H1と、支持体の熱線膨張係数H2と、リング状の支持部材の熱線膨張係数H3とを、上記のような条件(1)〜(4)を満足するように、これら
の部材の間の熱膨張率を設定することによって、これらの部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑えることができる。
従って、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記支持体の熱線膨張係数H2が、下記の条件(5)、すなわち、
条件(5):H2=−1×10-7〜3×10-5/Kを満足することを特徴とする。
このように、支持体の熱線膨張係数H2を、上記のような条件(5)を満足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、絶縁膜と、支持体と、リング状の支持部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記リング状の支持部材の熱線膨張係数H3が、下記の条件(6)、すなわち、
条件(6):H3=−1×10-7〜3×10-5/K
を満足することを特徴とする。
このように、リング状の支持部材の熱線膨張係数H3を、上記のような条件(6)を満足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、絶縁膜と、支持体と、リング状の支持部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記支持体が、複数の貫通穴が形成され、これらの各貫通穴に、前記接点膜が支持されていることを特徴とする。
このように構成することによって、フレーム板には、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応して、複数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔の各々に配置される接点膜は面積の小さいものでよく、面積の小さい接点膜は、その絶縁膜の面方向の熱膨張の絶対量が小さいため、絶縁膜の熱膨張をフレーム板によって確実に規制することが可能となる。
従って、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、その結果、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記支持体が、金属フレーム板から構成されていることを特徴とする。
このように支持体が金属フレーム板から構成されることによって、使用する際に必要な機械的強度が得られ、繰り返しに対しても耐久性が高くなる。
また、本発明のシート状プローブは、前記支持体が、多孔膜から構成されていることを特徴とする。
また、本発明のシート状プローブは、前記接点膜の周縁部と前記多孔膜とが、前記多孔膜の微細孔内に前記絶縁膜が含まれるように一体化されていることを特徴とする。
また、本発明のシート状プローブは、前記多孔膜が、有機繊維からなるメッシュもしくは不織布であることを特徴とする。
このように構成することによって、支持体としてメッシュ、不織布等の多孔膜を使用し、樹脂製の絶縁膜が多孔膜内部に入り込んだ一体化構造を形成して接点膜を支持しているので、接点膜と支持体との固定強度が高く、このシート状プローブを用いた検査装置による電気検査において高い繰り返し耐久性が得られる。
また、本発明のシート状プローブは、前記金属フレーム板の貫通穴の周縁部に、絶縁膜によって貫通穴の周縁部を両面側から挟み込んだ状態で、接点膜が支持されていることを特徴とする。
このように構成することによって、接点膜の絶縁膜が金属フレームの貫通穴の周縁部を両面側から挟み込んだ状態で、金属フレームにより接点膜を固定支持しているので、固定強度が高く、繰り返し使用による接点膜の剥離等を防止できる。
また、本発明のシート状プローブは、前記金属フレーム板の貫通穴の周縁部上に、絶縁膜によって接点膜が支持されていることを特徴とする。
このように構成することによっても、金属フレーム板の貫通穴の周縁部上に、絶縁膜によって接点膜が支持されているので、固定強度が高く、繰り返し使用による接点膜の剥離等を防止できる。
また、本発明のシート状プローブは、前記電極構造体のピッチが、40〜250μmであり、電極構造体の総数が、5000個以上であることを特徴とする。
このように電極構造体のピッチが40〜250μmであり、電極構造体の総数が5000個以上である場合に極めて有効である。
また、本発明のシート状プローブは、前記金属フレーム板の厚さが、10〜600μmであることを特徴とする。
このような範囲に、金属フレーム板の厚さを設定することによって、絶縁膜と、支持体と、リング状の支持部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記リング状の支持部材の厚さが、1.5mm以上であることを特徴とする。
このような範囲に、リング状の支持部材の厚さを設定することによって、絶縁膜と、支持体と、リング状の支持部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記リング状の支持部材が、検査装置本体の検査電極が設けられた側に形成された位置合わせ部に係合することにより、検査装置の検査電極と絶縁膜に形成された電極構造体が位置合わせされるように構成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、シート状プローブの検査装置本体への着脱が容易であり、しかも、その位置を確実に固定することができ、位置ずれが確実に防止され、その結果、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
また、本発明のシート状プローブは、前記シート状プローブが、ウエハに形成された複数の集積回路について、集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられるもの
であることを特徴とする。
このように、本発明のシート状プローブは、ウエハに形成された複数の集積回路について、集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために好適に用いることができる。
本発明のシート状プローブによれば、金属フレーム板の貫通穴に接点膜を支持しているので、貫通穴に配置される接点膜の面積を小さくすることができる。例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応して、複数の貫通穴を形成した金属フレーム板を用いれば、これらの各貫通穴に配置され、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜の面積を大幅に小さくすることができる。
このような面積の小さい接点膜は、その絶縁膜の面方向の熱膨張の絶対量が小さいため、絶縁膜の熱膨張を金属フレーム板によって確実に規制することが可能となる。
また、絶縁膜の熱線膨張係数H1と、支持体の熱線膨張係数H2と、リング状の支持部材の熱線膨張係数H3とを、上記のような条件(1)〜(4)を満足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、これらの部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑えることができる。
従って、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
なお、添付した各図面は説明用のものであり、その各部の具体的なサイズ、形状等は、本明細書の記載、および、従来技術に基づいて当業者に理解されるところによる。
1.シート状プローブについて:
図1は、本発明のシート状プローブの実施例を示した図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図である。図2は、図1のシート状プローブの接点膜を拡大して示した平面図、図3は、図2のX−X線による断面図である。
本実施形態のシート状プローブは、複数の集積回路が形成された8インチ等のウエハについて、各集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられる。
このシート状プローブ10は、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔12が形成された支持体11を有し、この貫通孔12内には接点膜15が配置されている。
接点膜15は、支持体11の貫通孔12の周辺の支持部19で、支持体11に支持されている。図1(b)および図3に示したように、この支持部19では、樹脂製の絶縁膜16が支持体11上に支持されている。
接点膜15は、図2および図3に示したように、柔軟な絶縁膜16に電極構造体17が貫通形成された構造になっている。即ち、絶縁膜16の厚さ方向に延びる複数の電極構造体17が、検査対象であるウエハの被検査電極に対応するパターンに従って絶縁膜16の面方向に互いに離間して配置されている。
電極構造体17は、絶縁膜16の表面に露出する突起状の表面電極部17aと、絶縁膜16の裏面に露出する板状の裏面電極部17bと、絶縁膜16の厚さ方向に貫通して延びる短絡部17cとが一体化した構造になっている。裏面電極部17bには、高導電性金属からなる被覆膜18が形成されている。
支持体11は、金属フレーム板11aから構成されており、この金属フレーム板11aを構成する金属としては、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト、マグネシウム、マンガン、モリブデン、インジウム、チタン、タングステン、またはこれらの合金若しくは合金鋼を用いることができるが、後述する製造方法において、エッチング処理によって容易に貫通孔12を形成することができる点で、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼が好ましい。
このような金属フレーム板11aを構成する材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの合金または合金鋼が挙げられる。
このように支持体11が金属製のフレーム板11aから構成されることによって、使用する際に必要な機械的強度が得られ、繰り返しに対しても耐久性が高くなる。
また、金属フレーム板11aの厚さは、3〜150μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜100μmである。
この厚さが過小である場合には、接点膜15を支持するフレーム板として必要な強度が得られないことがある。
このような範囲に、金属フレーム板11aの厚さを設定することによって、絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
絶縁膜16としては、柔軟性を有する樹脂膜が用いられる。絶縁膜16の形成材料としては、電気的絶縁性を有する樹脂材料であれば特に限定されないが、例えば、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマー、およびこれらの複合材料が挙げられる。中でも、支持体11を構成する金属フレーム板11aと一体化された支持部19を容易に形成でき、エッチングも容易であるポリイミドが好ましい。
ポリイミドにより絶縁膜を形成する場合は、熱硬化性のポリイミド、感光性のポリイミド、ポリイミド前駆体を溶媒に希釈したポリイミドのワニス、溶液等を用いて樹脂膜を形成することが好ましい。
絶縁膜16の厚さは、良好な柔軟性を得る点などから、5〜150μmであることが好ましく、より好ましくは7〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
電極構造体17の材料としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、金、銀、パラジウム、鉄、コバルト、タングステン、ロジウム、またはこれらの合金もしくは合金鋼等が挙げられる。電極構造体17は、全体を単一の金属もしくは合金で形成してもよく、2種以上の金属もしくは合金を積層して形成してもよい。
表面に酸化膜が形成された被検査電極について電気検査を行う場合には、シート状プローブの電極構造体17と被検査電極を接触させ、電極構造体17の表面電極部17aにより被検査電極の表面の酸化膜を破壊して電極構造体17と被検査電極との電気的接続を行うことが必要である。このため、電極構造体17の表面電極部17aは、酸化膜を容易に破壊することかできる程度の硬度を有していることが望ましい。このような表面電極部17aを得るために、表面電極部17aを形成する金属中に、硬度の高い粉末物質を含有さ
せることができる。
このような粉末物質としては、例えば、ダイヤモンド粉末、窒化シリコン、炭化シリコン、セラミックス、ガラスを挙げることができ、これらの非導電性の粉末物質を適量含有させることにより、電極構造体17の導電性を損なうことなく、電極構造体17の表面電極部17aにより被検査電極の表面に形成された酸化膜を破壊することができる。
また、被検査電極の表面の酸化膜を容易に破壊するために、電極構造体17の表面電極部17aの形状を鋭利な突起状としてもよく、表面電極部17aの表面に微細な凹凸を形成してもよい。このように、表面電極部17aの形状は必要に応じて適宜の形状としてよい。
接点膜15の電極構造体17のピッチp(図3)は、検査対象であるウエハの被検査電極のピッチに応じて設定され、例えば、40〜250μm、好ましくは40〜150μmである。なお、「電極構造体のピッチ」とは、隣接する電極構造体の中心間距離であって最も短い距離を表す。なお、1つの接点膜15には、ウエハ上の集積回路の被検査電極の数等にもよるが、例えば、数十個以上の電極構造体17が形成される。
電極構造体17の表面電極部17aの径Rに対する突出高さの比は、0.2〜3であることが好ましく、より好ましくは0.25〜2.5である。このような条件を満足することにより、被検査電極のピッチが小さい場合であっても被検査電極に対応するパターンの電極構造体17を容易に形成することができ、ウエハに対して安定な電気的接続状態が確実に得られる。
表面電極部17aの径Rは、短絡部17cの径rの1〜3倍であることが好ましく、より好ましくは1〜2倍である。また、表面電極部17aの径Rは、電極構造体17のピッチpの30〜75%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。
裏面電極部17bの外径Lは、短絡部17cの径より大きく、かつ、電極構造体17のピッチpより小さいものであればよいが、可能な限り大きいことが好ましく、これにより、例えば、異方導電性シートに対しても安定な電気的接続を確実に行うことができる。
短絡部17cの径rは、電極構造体17のピッチpの15〜75%であることが好ましく、より好ましくは20〜65%である。
電極構造体17の具体的な寸法について説明すると、表面電極部17aの突出高さは、被検査電極に対して安定な電気的接続を達成する点から、15〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。
表面電極部17aの径Rは、上記の条件や被検査電極の直径などを勘案して設定されるが、例えば、30〜200μmであり、好ましくは35〜150μmである。
短絡部17cの径rは、充分に高い強度を得る点から、10〜120μmであることが好ましく、より好ましくは15〜100μmである。
裏面電極部18bの厚さは、強度を充分に高くして良好な繰り返し耐久性を得る点から、0.1〜150μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜75μmである。
電極構造体17の裏面電極部17bに形成される被覆膜18は、化学的に安定な高導電性金属からなるものが好ましく、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、ロジウムが挙げられる。
なお、被覆膜18は必須のものでなく、例えば裏面電極部材料が化学的に安定や、導電
性が十分な場合には省略することもできる。
また、電極構造体17の表面電極部17aにも金属被覆膜を形成することができ、例えは被検査電極が半田材料により形成されている場合には、この半田材料が拡散することを防止する点から、銀、パラジウム、ロジウムなどの耐拡散性金属で表面電極部17aを被覆することが望ましい。
シート状プローブ10の周縁部には、剛性を有する平板リング状の支持部材13が設けられている。このような支持部材13の材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料が挙げられる。
また、支持部材13の厚さとしては、好ましくは、2mm以上であるのが望ましい。
このような範囲に、リング状の支持部材13の厚さを設定することによって、絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
このような支持部材13により、その剛性でシート状プローブ10を支持することで、後述のプローブカードにおいて、例えば、支持部材13に形成した孔と、プローブカードに設けられたガイドピンとを係合させることにより、あるいは支持部材13と、プローブカード周縁部に設けられた周状の段差部とを嵌め合わせることにより、シート状プローブ10の接点膜15に設けられた電極構造体17を、被検査物の被検査電極や異方導電性コネクターの導電部と容易に位置合わせすることができ、さらに、繰り返し検査に使用する場合においても、被検査物への張り付き、電極構造体17の所定位置からの位置ずれを確実に防止できる。
ところで、本発明のシート状プローブ10では、これらの絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の熱線膨張係数を、下記のような条件に制御することによって、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑えるようになっている。
すなわち、本発明のシート状プローブ10では、図4に示したように、
絶縁膜16の熱線膨張係数をH1とし、
支持体11の熱線膨張係数をH2とし、
リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、すなわち、
条件(1):H1=0.8×10-5〜8×10-5/K
条件(2):H2/H1<1
条件(3):H3/H1<1
を満足するように設定している。
さらに、本発明のシート状プローブは、支持体11の熱線膨張係数をH2と、リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3が、下記の条件(4)、すなわち、
条件(4):H3/H2=0.02〜50
を満足するように設定している。
このような条件を満足するように、絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の材料の組み合わせを適切に選択することによって、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑えることができる。
なお、このような絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の材料の組み合わせは、上記の条件(1)〜(4)を満足するものであれば良く、特に限定されるもの
ではない。
このような組み合わせとしては、例えば、以下の熱線膨張係数を有する材料、すなわち、
(a) 絶縁膜 H1:
ポリイミド=約5×10-5/K
(b) フレーム板 H2:
42アロイ=約5×10-6/K
インバー合金=1.2×10-6/K
エリンバー合金=8×10-6/K
コバール合金=5×10-5/K
ステンレス不変鋼=±0.1×10-6/K
(c) 支持板 H3:
窒化ケイ素=3.5×10-6/K
炭化ケイ素=4×10-6/K
インバー合金=1.2×10-6/K
ステンレス不変鋼=±0.1×10-6/K
から選択することができる。
このようにして、絶縁膜16の熱線膨張係数H1と、支持体11の熱線膨張係数H2と、リング状の支持部材13の熱線膨張係数H3とを、上記のような条件(1)〜(4)を満足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、これらの部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑えることができる。
また、本発明のシート状プローブ10では、支持体11の熱線膨張係数H2が、下記の条件(5)、すなわち、
条件(5):H2=−1×10-7〜3×10-5/Kを満足するように設定するのが好ましい。
このように、支持体11の熱線膨張係数H2を、上記のような条件(5)を満足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
また、本発明のシート状プローブ10では、リング状の支持部材13の熱線膨張係数H3が、下記の条件(6)、すなわち、
条件(6):H3=−1×10-7〜3×10-5/Kを満足するように設定するのが好ましい。
このように、リング状の支持部材の熱線膨張係数H3を、上記のような条件(6)を満足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
このようなシート状プローブ10によれば、金属フレーム板11aの貫通穴12に、接点膜15を支持しているので、貫通穴12に配置される接点膜15の面積を小さくすることができる。例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応して、複数の貫通穴12を形成した金属フレーム板11aを用いれば、これらの各貫通穴12に配置され、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜15の面積を大幅に小さくす
ることができる。
このような面積の小さい接点膜15は、その絶縁膜16の面方向の熱膨張の絶対量が小さいため、絶縁膜16の熱膨張を金属フレーム板11aによって確実に規制することが可能となる。従って、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
以下、この実施例のシート状プローブ10の製造方法について説明する。
先ず、図5(a)に示したように、絶縁膜16を形成するための樹脂シート16aに金属層11bが積層されたシートを用意する。例えば、ポリイミドに銅箔が貼付された市販の銅張積層板を用いることができる。
そして、樹脂シート16aの表面全面に、金属マスク形成用の金属層21を一体的に設ける。
なお、金属マスク形成用の金属層21の厚さは、2〜15μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜15μmである。
この厚さが2μm未満である場合には、後述する絶縁膜形成用シートに対するレーザー加工において、用いられるレーザー光に耐え得るために必要な強度が得られず、電極構造体17を確実に形成することが困難となることがある。一方、この厚さが15μmを超える場合には、エッチング処理によって後述する金属マスクの開口を高い寸法精度で形成することが困難となることがある。
また、金属マスク形成用の金属層21を構成する材料としては、銅、ニッケルなどを用いることができる。
また、樹脂シート16a上に金属マスク形成用の金属層21を形成する方法としては、スパッター法、無電解メッキ法、接着法などを挙げることができる。
次いで、図5(b)に示したように、この積層体の両面、すなわち、金属マスク形成用の金属層21の表面に、フォトレジストよりなるレジスト層23を形成するとともに、金属層11bの表面にフォトレジストよりなるレジスト層24を形成する。
そして、図5(c)に示したように、金属マスク形成用の金属層21上に形成されたレジスト層23に、形成すべき電極構造体17のパターンに対応するパターンに従って複数の開口23aを形成する。
その後、この開口23aを介して、金属マスク形成用の金属層21をエッチング処理することにより、図6(a)に示したように、形成すべき電極構造体17のパターンに対応するパターンに従って複数の開口23bが形成された金属層21を形成する。
なお、開口23bの径は、形成すべき電極構造体17の短絡部17cの径に対応する。
次に、金属マスク21の表面からフォトレジスト層23を除去し(図6(b))、その後、絶縁膜16に対し、金属マスク21の開口23bを介して、炭酸ガスレーザ、エキシマーレーザ等でレーザ加工を施すことにより、(図6(c))に示したように、絶縁膜16に貫通孔23cが形成される。その後、絶縁膜16の表面から金属マスクをエッチングにより除去する(図6(d)参照)。
なお、貫通孔23cは、絶縁膜16に対してウエットエッチングを行うことにより形成
してもよく、この場合には、図11(a)に示したように、金属層を介さずに絶縁膜16の表面に直接フォトレジスト層23を形成してウエットエッチングを行い、これにより貫通孔23cを形成し(図11(b))、その後フォトレジスト層23を除去するようにしてもよい(図11(c))。
次に、金属層20を共通電極としてメッキ処理を施すことにより、図7(a)に示したように、絶縁膜16の貫通孔23c内に、表面が半球状に突出した電極構造体17を形成する。
その後、絶縁膜16と電極構造体17を覆うようにフォトレジスト層25を形成し(図7(b))、金属層11bの表面のフォトレジスト層24に対して、形成すべきフレーム板11に対応する部分と、形成すべき電極構造体17の裏面電極部18bに対応する部分とを残すようにパターニングする。
これにより、図7(c)に示したように、フォトレジスト層24に、形成すべき金属フレーム板11aの貫通孔12に対応する開口部24aが形成されると共に、この開口部24a内に形成すべき裏面電極部18bに対応するレジスト部分24bが形成される。
そして、開口部24a内に露出する金属層11bに対して、エッチング処理を施して、その一部を除去することにより、貫通孔12と位置決め孔(図示せず)が形成された金属フレーム板11aが形成される。また、金属層11bの一部によって、短絡部17cに連結された裏面電極部17bが形成される(図7(d)参照)。
次に、裏面電極部17bと金属層11bから、フォトレジスト層24を除去し、その後、裏面電極部17bと絶縁膜16を覆うように、フォトレジスト層26を形成し(図8(a))、裏面電極部17bが位置する部分に開口27を形成する(図8(b)参照)。そして、裏面電極部17bに高導電金属のメッキ処理を施すことにより、裏面電極部17bに被覆膜18を形成した(図8(c))。
その後、被覆膜18が形成された裏面電極部17bを覆うように、フォトレジスト層28を形成する(図9(a))。
そして、接点膜15とその周縁の支持部19を残すようにレジスト層25をパターニングすることによって、パターン溝25aを形成した(図9(b))。
その後、絶縁膜16に対して、エッチング処理を施して、その一部を除去した後(図9(c))、レジスト層25、26、28を除去することにより(図10(a))、図1に示したような、互いに独立した各絶縁膜16と、金属フレーム板11aとの支持部19で接点膜15が支持されたシート状プローブ10が得られる。
そして、図10(b)に示したように、シート状プローブ10の周縁部、すなわち、金属フレーム板11aの外周縁に、絶縁膜15とは離間して、例えば、接着剤を介して、剛性を有する平板リング状の支持部材13を設ける。
なお、図1の実施例では、図12(a)に示したように、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に、複数個の貫通孔12が形成された金属フレーム板11aを形成するようにして、これらの貫通孔12にそれぞれ、各絶縁膜16を互いに隔離するように形成している。
しかしながら、図13のように(図13(a)は平面図、図13(b)はX−X線による断面図である)、絶縁膜16を一体化し、連続した1つの支持部19としてもよく、図
14のように(図14(a)は平面図、図14(b)はX−X線による断面図である)、絶縁膜16を複数の接点膜15を含むように分割し(同図では4分割)、複数の接点膜15について連続した支持部19を形成するようにしてもよい。
さらに、図12(b)に示したように、中央に一つの大径の貫通孔12を形成したリング形状の金属フレーム板11を形成するようにして、図15に示したように(図15(a)は平面図、図15(b)はX−X線による断面図である)、この貫通穴12に絶縁膜16を一体化し、連続した1つの支持部19として、この絶縁膜16に、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に、複数個の電極構造体17を形成するようにすることも可能である。
図16は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図16(a)は平面図、図16(b)はX−X線による断面図である。図17は、図16のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図、図18は、図17のX−X線による断面図である。
この実施例のシート状プローブ10は、基本的には、図1に示した実施例のシート状プローブ10と同様であり、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施例のシート状プローブ10では、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔が形成された支持体11を構成する多孔膜11cを有し、この貫通孔内には接点膜15が配置されている。
接点膜15は、多孔膜11cの貫通孔周辺の支持部19で、多孔膜11cに支持されている。図16(b)に示したように、この支持部19では、樹脂製の絶縁膜16が多孔膜11c内部に入り込んだ一体化構造が形成され、この一体化された部分で接点膜15が支持されている。
多孔膜11cとしては、柔軟性を有する多孔膜、例えば有機繊維からなるメッシュもしくは不織布を用いることができる。メッシュもしくは不織布を形成する有機繊維としては、例えばアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維等のフッ素樹脂繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。合成繊維からなるメッシュでは、例えば繊維径が15〜100μm、メッシュ開口径が20〜200μmのものを使用できる。また、ポリテトラフルオロエチレン等からなる開口径が1〜5μm程度のメンブレンフィルターを用いてもよい。
また、多孔膜11cとして金属からなるメッシュを用いてもよく、メッシュを形成する金属としては、例えばステンレス、アルミニウムが挙げられる。
このような構成のシート状プローブ10によれば、図18のように、接点膜15の支持部19が、多孔膜11cと絶縁膜16とが一体化した構造となっているので固定強度が高く、このシート状プローブを用いた検査装置による電気検査において高い繰り返し耐久性が得られる。
ところで、この実施例のシート状プローブ10においても、絶縁膜16と、支持体11と、リング状の支持部材13の熱線膨張係数を、下記のような条件に制御することによって、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑えるようになっている。
すなわち、本発明のシート状プローブ10では、図19に示したように、
絶縁膜16の熱線膨張係数をH1とし、
支持体11の熱線膨張係数をH2とし、
リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、すなわち、
条件(1):H1=0.8×10-5〜8×10-5/K
条件(2):H2/H1<1
条件(3):H3/H1<1
を満足するように設定している。
さらに、本発明のシート状プローブは、支持体11の熱線膨張係数をH2と、リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3が、下記の条件(4)、すなわち、
条件(4):H3/H2=0.02〜50
を満足するように設定している。
また、この実施例のシート状プローブ10においても、支持体11の熱線膨張係数H2が、下記の条件(5)、すなわち、
条件(5):H2=−1×10-7〜3×10-5/Kを満足するように設定するのが好ましい。
また、この実施例のシート状プローブ10においても、リング状の支持部材13の熱線膨張係数H3が、下記の条件(6)、すなわち、
条件(6):H3=−1×10-7〜3×10-5/Kを満足するように設定するのが好ましい。
以下、この実施例のシート状プローブ10の製造方法について説明する。
まず、図20(a)に示したように、絶縁膜16を形成するための樹脂シート16aに金属層20が積層されたシートを用意する。例えばポリイミドに銅箔が貼付された市販の銅張積層板を用いることができる。
この積層シートの樹脂シート16a側表面に、図20(b)に示したように多孔膜11cを重ねる。この多孔膜11cには、予め所定の位置に、接点膜15が配置される貫通孔12が形成されている。
次に、図20(c)に示したように、多孔膜11cの表面に、高分子物質形成用液状物16bを塗布し、多孔膜11cの微細孔内部まで含浸する。高分子物質形成用液状物16bは、例えば絶縁膜16の形成樹脂のプレポリマーを含む液状物であり、好ましくは感光性ポリイミド溶液もしくは熱硬化性ポリイミドの前駆体溶液が用いられる。この場合、樹脂シート16aにはポリイミドシートを用いることが望ましい。
高分子物質形成用液状物16bを塗布した後、硬化処理を行い、高分子物質形成用液状物16bの硬化樹脂と樹脂シート16aとが一体化した絶縁膜16が得られる(図20(d))。このような方法で絶縁膜16を形成することにより、多孔膜11cの微細孔内に絶縁膜16が入り込んだ状態でこれらが一体に固定される。
なお、このように多孔膜11cの微細孔内に絶縁膜16が入り込んだ状態でこれらが一体に固定された図20(d)のようなシートは、上記の製法の他、銅箔等の金属層20上に多孔膜11cを重ねた状態で、多孔膜11cの表面から高分子物質形成用液状物16bを塗布し、次いで硬化処理することによっても得ることができる。また、貫通孔12を形成した多孔膜11cに、上記の高分子物質形成用液状物を塗布し、これを硬化させて絶縁膜16と多孔膜11cが一体化された積層体を形成し、この表面に金属層を一体化することによっても得ることができる。
次に、図21(a)に示したように(以降、多孔膜11cの貫通孔12周辺のみ図示する)、絶縁膜16の表面に銅、ニッケル等の金属層21を形成する。この金属層21は、後工程でのレーザ光による絶縁膜16への孔開けのためのマスクであり、スパッタもしくは無電解メッキなどにより形成する。金属層21の厚さは、レーザ光に対する強度を確保する点および、エッチング処理により金属マスクの開口を高い寸法精度で形成する点から、好ましくは2〜15μm、より好ましくは5〜15μmである。
次に、得られた積層体の両面に、感光性ドライフィルム等のフォトレジスト層23,24を形成し(図21(b))、金属層21上に形成されたフォトレジスト層23に、形成すべき電極構造体17のパターンに従って複数の開口23aを形成し(図21(c))、その後、この開口23aを介して金属層21をエッチングすることにより、図21(d)に示したように、形成すべき電極構造体17のパターンに従って金属マスク21に複数の開口23bが形成される。なお、開口23bの径は、形成すべき電極構造体17の短絡部17cの径に対応する。
次に、金属マスク21の表面からフォトレジスト層23を除去し(図22(a))、その後、絶縁膜16に対し、金属マスク21の開口23bを介して、炭酸ガスレーザ、エキシマーレーザ等でレーザ加工を施すことにより、(図22(b))に示したように、絶縁膜16に貫通孔23cが形成される。その後、絶縁膜16の表面から金属マスクをエッチングにより除去する(図22(c))。
なお、貫通孔23cは、絶縁膜16に対してウエットエッチングを行うことにより形成してもよく、この場合には、図26(a)に示したように、金属層を介さずに絶縁膜16の表面に直接フォトレジスト層23を形成してウエットエッチングを行い、これにより貫通孔23cを形成し(図26(b))、その後フォトレジスト層23を除去するようにしてもよい(図26(c))。
次に、金属層20を共通電極としてメッキ処理を施すことにより、図23(a)に示したように、絶縁膜16の貫通孔23c内に、表面が半球状に突出した電極構造体17を形成する。その後、絶縁膜16および電極構造体17を覆うようにフォトレジスト層25を形成し(図23(b))、裏面電極部17bに対応する部分を残すようにフォトレジスト層24をパターニングする(図23(c))。そして、金属層20をエッチングしてその一部を除去することにより、図23(d)に示したように、裏面電極部17bが形成される。
次に、裏面電極部17bからフォトレジスト層25を除去し、その後、裏面電極部17bおよび絶縁膜16を覆うようにフォトレジスト層26を形成し(図24(a))、裏面電極部17bが位置する部分に開口27を形成する(図24(b))。そして、裏面電極部17bに高導電金属のメッキ処理を施すことにより、裏面電極部17bに被覆膜18を形成し(図24(c))、フォトレジスト層26を除去する(図24(d))。
このようにして接点膜15を形成した後、被覆膜18が形成された裏面電極部17bと絶縁膜16を覆うように、フォトレジスト層28を形成する。(図25(a))。そして、接点膜15およびその周縁の支持部19を残すようにレジスト層25およびレジスト層28をパターニングし(図25(b))、絶縁膜16に対してエッチング処理を施してその一部を除去した後(図25(c))、レジスト層25およびレジスト層28を除去することにより(図25(d))、図1に示したような、互いに独立した各絶縁膜16と、多孔膜11cとの支持部19で接点膜15が支持されたシート状プローブ10が得られる。
なお、図16では各絶縁膜16を互いに隔離するように形成したが、図27のように(図27(a)は平面図、図27(b)はX−X線による断面図である)、絶縁膜16を一体化し、連続した1つの支持部19としてもよく、図28のように(図28(a)は平面図、図28(b)はX−X線による断面図である)、絶縁膜16を複数の接点膜15を含むように分割し(同図では4分割)、複数の接点膜15について連続した支持部19を形成するようにしてもよい。
以上、シート状プローブ10の製造方法について説明したが、上述した以外の方法でもシート状プローブ10を得ることができ、例えば、電極構造体17が配置される貫通孔23cを絶縁膜16に形成した後、貫通孔23cの内面から絶縁膜16の表面に渡り無電解メッキを施し、絶縁膜16の片面もしくは両面に、貫通孔23cの位置にその径と同等もしくはこれよりも大きい径の開口パターンが形成されたレジスト層を設けた状態で、スルーホールメッキを施して電極構造体17を形成することができる。この場合、表面電極部17aもしくは裏面電極部17bの突出高さはレジスト層の高さで規定される。また、後述する実施例のように、銅箔を積層したポリイミドシートの銅箔側を多孔膜12と重ね合わせる方法も可能である。
2.プローブカードおよび回路装置の検査装置について:
図29は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの実施形態を示した断面図であり、図30は、プローブカードの組み立て前後の状態を示した断面図、図31は、プローブカードの要部の構成を示した断面図である。
この検査装置は、複数の集積回路が形成されたウエハについてそれぞれの集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられる。この検査装置のプローブカード30は、検査用回路基板31と、この検査用回路基板31の表面に配置された異方導電性コネクター40と、この異方導電性コネクター40の表面に配置されたシート状プローブ10とを備えている。
検査用回路基板31の表面には、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路の被検査電極のパターンに従って複数の検査用電極32が形成されている。検査用回路基板31の基板材料としては、例えば、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の複合樹脂基板材料、ガラス、二酸化珪素、アルミナ等のセラミックス基板材料、金属板をコア材としてエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂を積層した積層基板材料が挙げられる。
バーンイン試験に用いるためのプローブカードでは、この基板材料として、線熱膨張係数が3×10-5/K以下、好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、より好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kであるものを用いることが望ましい。
異方導電性コネクター40は、図29に示したように、複数の貫通孔42が形成された円板状のフレーム板41を備えている。このフレーム板41の貫通孔42は、例えば、検査対象であるウエハに形成された各集積回路に対応して形成されている。貫通孔42の内部には、厚さ方向に導電性を有する弾性異方導電膜50が、貫通孔42の周辺部に支持された状態で、隣接する弾性異方導電膜50と互いに独立して配置される。また、フレーム板41には、シート状プローブ10と検査用回路基板31との位置決めを行うための位置決め孔(図示省略)が形成されている。
フレーム板41の厚さは、その材質によって異なるが、20〜600μmであることが好ましく、より好ましくは40〜400μmである。この厚さが20μm未満である場合
、異方導電性コネクター40を使用する際に必要な強度が得られないことがあり、耐久性が低くなり易い。一方、厚さが600μmを超える場合、貫通孔42に形成される弾性異方導電膜50が過剰に厚くなり、接続用導電部52の良好な導電性と隣接する接続用導電部52間における絶縁性が得られなくなることがある。
フレーム板41の貫通孔42の面方向の形状と寸法は、検査対象であるウエハの被検査電極の寸法、ピッチとパターンに応じて設計される。
フレーム板41の材料としては、フレーム板41が容易に変形せず、その形状が安定に維持される程度の剛性を有するものが好ましく、具体的には、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料が挙げられる。金属材料としては、具体的には、例えば、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウムなどの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金もしくは合金鋼が挙げられる。フレーム板41を金属材料により形成する場合には、フレーム板41の表面に絶縁性被膜が施されていてもよい。
バーンイン試験に用いるためのプローブカードでは、フレーム板41の材料として、線熱膨張係数が3×10-5/K以下、好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、より好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kであるものを用いることが望ましい。このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの磁性金属の合金もしくは合金鋼が挙げられる。
弾性異方導電膜50は、図31に示したように、厚さ方向に延びる複数の接続用導電部52と、それぞれの接続用導電部52を互いに絶縁する絶縁部53とからなる。接続用導電部52には、磁性を示す導電性粒子51が厚さ方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。また、接続用導電部52は、弾性異方導電膜50の両面から突出しており、両面に突出部54が形成されている。
弾性異方導電膜50の厚さ(接続用導電部52が表面から突出している場合には接続用導電部52の厚さ)は、50〜3000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜2500μm、特に好ましくは100〜2000μmである。この厚さが50μm以上であれば、充分な強度を有する弾性異方導電膜50が確実に得られる。また、この厚さが3000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する接続用導電部52が確実に得られる。
突出部54の突出高さは、突出部54の最短幅もしくは直径の100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。このような突出高さを有する突出部54を形成することにより、突出部54が加圧された際に座屈することがなく導電性が確実に得られる。
弾性異方導電膜50のフレーム板41に支持された二股部分の一方の厚さは、5〜600μmであることが好ましく、より好ましくは10〜500μm、特に好ましくは20〜400μmである。また、図示したように弾性異方導電膜50をフレーム板41の両面側で二股状に支持する場合の他、フレーム板41の片面のみで支持するようにしてもよい。
弾性異方導電膜50を形成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。このような架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、例えば、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブ
ロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムが挙げられる。中でも、成形加工性および電気特性の点からシリコーンゴムが好ましい。
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105ポアズ以下であることが
好ましく、縮合型、付加型、ビニル基やヒドロキシル基を有するものなどを使用できる。具体的には、例えば、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムを挙げることができる。
高分子物質形成材料中には、硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒のとしては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどの有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒が挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常は、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
弾性異方導電膜50の接続用導電部52に含有される導電性粒子51としては、磁性を示す粒子が好ましい。このような磁性を示す粒子としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属粒子もしくはこれらの合金粒子またはこれらの金属を含有する粒子が挙げられる。
また、これらの粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性が良好な金属をメッキした粒子、あるいは非磁性金属粒子、ガラスビーズなどの無機粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体をメッキした粒子、あるいは芯粒子に導電性磁性体および導電性が良好な金属の両方を被覆した粒子も使用できる。
中でも、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性が良好な金属のメッキを施したものが好ましい。芯粒子の表面への導電性金属の被覆は、例えば、無電解メッキにより行うことができる。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆した導電性粒子は、良好な導電性を得る点から、粒子表面の導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは3.5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
導電性粒子51の粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜400μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μmである。また、導電性粒子51の粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。このような条件を満足する導電性粒子51を用いることにより、弾性異方導電膜50の加圧変形が容易であるとともに、接続用導電部52において各導電性粒子51間に充分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子51の形状は、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状、星形状、あるいは1次粒子が凝集した2次粒子による塊形状が好ましい。
また、導電性粒子51の表面をシランカップリング剤などのカップリング剤で処理してもよい。これにより、導電性粒子51と弾性高分子物質との接着性が高くなり、得られる弾性異方導電膜50の繰り返し使用における耐久性が高くなる。
接続用導電部52の導電性粒子51の含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%が好ましい。この割合が10%未満の場合、充分に電気抵抗値の小さい接続用導電部52が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合、得られる接続用導電部52が脆弱になり易く、必要な弾性が得られないことがある。
高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、成形材料のチキソトロピー性が確保され、その粘度が高くなる。さらに、導電性粒子51の分散安定性が向上するとともに、硬化処理されて得られる弾性異方導電膜50の強度が高くなる。
異方導電性コネクター40は、例えば、特開2002−334732号公報に記載されている方法により製造することができる。
プローブカード30の検査用回路基板31の裏面には、図29および図30に示したように、プローブカード30を下方に加圧する加圧板35が設けられ、プローブカード30の下方には、検査対象であるウエハ1が載置されるウエハ載置台36が設けられている。加圧板35とウエハ載置台36のそれぞれには、加熱器37が接続されている。
シート状プローブ10のリング状の支持部材13は、図30に示したように、加圧板35に設けられた周状の嵌合用段差部38に嵌め込まれる。また、異方導電性コネクター40の位置決め孔には、ガイドピン33が挿通される。
これにより、異方導電性コネクター40は、弾性異方導電膜50のそれぞれの接続用導電部52が検査用回路基板31のそれぞれの検査用電極32に対接するように配置され、この異方導電性コネクター40の表面に、シート状プローブ10が、それぞれの電極構造体17が異方導電性コネクター40の弾性異方導電膜50のそれぞれの接続用導電部52に対接するよう配置され、この状態で、三者が固定される。
ウエハ載置台36には、検査対象であるウエハ1が載置され、加圧板35によりプローブカード30を下方に加圧することにより、シート状プローブ10の電極構造体17の各表面電極部17aが、ウエハ1の各被検査電極2に加圧接触する。この状態では、異方導電性コネクター40の弾性異方導電膜50の各接続用導電部52は、検査用回路基板31の検査用電極32とシート状プローブ10の電極構造体17の裏面電極部17aとにより挟圧されて厚さ方向に圧縮されている。
これにより、接続用導電部52にはその厚さ方向に導電路が形成され、ウエハ1の被検査電極2と検査用回路基板31の検査用電極32とが電気的に接続される。その後、加熱器37によって、ウエハ載置台36と加圧板35を介してウエハ1が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ1に形成された複数の集積回路のそれぞれについて電気的検査が行われる。
このウエハ検査装置によれば、ウエハ1が、例えば、直径が8インチ以上の大面積であり、且つ被検査電極2のピッチが極めて小さい場合であっても、バーンイン試験において、ウエハ1に対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、ウエハ1の複数
の集積回路のそれぞれについて所要の電気検査を確実に実行することができる。
なお、本実施形態では、プローブカードの検査電極がウエハに形成された全ての集積回路の被検査電極に対して接続され、一括して電気検査が行われるが、ウエハに形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極に対してプローブカードの検査電極を接続して、各選択領域毎に検査するようにしてもよい。選択される集積回路の数は、ウエハのサイズ、ウエハに形成された集積回路の数、各集積回路の被検査電極の数などを考慮して適宜選択されるが、例えば、16個、32個、64個、128個である。
また、弾性異方導電膜50には、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された接続用導電部52の他に、被検査電極に電気的に接続されない非接続用の導電部が形成されていてもよい。
また、本発明のプローブカードおよび回路装置の検査装置は、ウエハ検査用の他、半導体チップ、BGA、CSPなどのパッケージLSI、MCMなどの半導体集積回路装置などに形成された回路を検査するための構成としてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.試験用ウエハの作製について:
直径が8インチのシリコン製のウエハ1上に、それぞれの寸法が8mm×8mmである正方形の集積回路Lを合計で393個形成した。ウエハ1に形成された各集積回路Lは、その中央に被検査電極領域を有し、この被検査電極領域には、それぞれ縦方向の寸法が200μmで横方向の寸法が70μmである矩形の40個の被検査電極2が120μmのピッチで横方向に一列に配列されている。また、このウエハ1全体の被検査電極2の総数は15720個であり、全ての被検査電極2は互いに電気的に絶縁されている。以下、このウエハを「試験用ウエハW1」という。
また、全ての被検査電極2を互いに電気的に絶縁することに代えて、集積回路Lの40個の被検査電極2のうち最も外側の被検査電極2から数えて1個おきに2個ずつを互いに電気的に接続したこと以外は、上記試験用ウエハW1と同様の構成の393個の集積回路Lをウエハ1上に形成した。以下、このウエハを「試験用ウエハW2」という。
2.シート状プローブの作製について:
(実施例1)
図5(a)に示したように、直径が20cmで厚さが12.5μmのポリイミドシート16aの片面に、直径が20cmで、厚さが10μmの42アロイからなる金属層11bが積層された積層シートを用意した。
そして、樹脂シート16aの表面全面に、スパッタ法にて、銅によるスパッタを行って銅スパッタ層を形成し、この銅スパッタ層を用いて銅による電気メッキを行い、厚さが5μmの銅よりなる金属マスク形成用の金属層21を一体的に設けた。
次いで、図5(b)に示したように、この積層体の両面、すなわち、金属マスク形成用の金属層21の表面に、厚さが25μmのドライフィルムレジスト(日立化成製、品名:H−K350)によって、フォトレジストよりなるレジスト層23を形成するとともに、金属層11bの表面にフォトレジストよりなるレジスト層24を形成した。
そして、図5(c)に示したように、金属マスク形成用の金属層21上に形成されたレジスト層23に、試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、直径が60μmの円形の15720個の直径60μmの開口23aを形成した。
なお、開口23aの形成は、露光処理として、高圧水銀灯によって、80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理として、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に、40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
その後、この開口23aを介して、金属マスク形成用の金属層21を、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件で、エッチング処理することにより、図6(a)に示したように、試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、直径が60μmの円形の15720個の開口23bが形成された金属層21を形成した。
次に、金属層11bの表面のレジスト層24の表面に、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護シールを配置し、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることにより、金属マスク21の表面からフォトレジスト層23を除去した(図6(b)参照)。
その後、絶縁膜16に対し、金属マスク21の開口23bを介して、ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、(図6(c))に示したように、絶縁膜16に、試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、直径が60μmの円形の15720個の貫通孔23cを形成した。
その後、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件で、エッチング処理することによって、絶縁膜16の表面から金属マスクを除去した(図6(d)参照)。
次に、スルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、金属層11bを共通電極としてメッキ処理を施すことにより、図7(a)に示したように、絶縁膜16の貫通孔23c内に、直径が約75μmで、突出高さが約25μmの表面が半球状に突出した電極構造体17を形成した。
なお、電解メッキ処理は、メッキ浴の温度が50℃で、電流密度が5A/dm2で、メ
ッキ処理時間が60分間の条件で行った。
その後、液状レジスト(JSR製、品名:THB−150N)によって、絶縁膜16と電極構造体17を覆うようにフォトレジスト層25を形成した(図7(b)参照)。
そして、このレジスト層25の表面に、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護シールを配置した。
次いで、金属層11bの表面に形成されたフォトレジスト層24の表面に配置された保護シールを除去し、露出したレジスト層24に対して、露光処理と現像処理を施すことによって、図7(c)に示したように、それぞれ横方向の寸法が6400μmで、縦方向の寸法が320μmの393個の開口部24aを形成した。
そして、図7(c)に示したように、開口部24a内に試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って横方向に100μmのピッチで並ぶよう配置された、それぞれ縦方向の寸法が200μmで横方向の寸法が50μmの矩形の15720(40×393)個のレジスト部分24bを形成した。
なお、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液からなる現像剤に40秒間浸漬する操作を、2回繰り返すことによって行った。
そして、開口部24a内に露出する金属層11bに対して、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件で、エッチング処理を施して、その一部を除去することにより、それぞれ横方向の寸法が6400μmで縦方向の寸法が320μmの393個の貫通孔12と位置決め孔(図示せず)が形成された金属フレーム板11aを形成した。
また、このエッチング処理によって、金属層11bの一部によって、各貫通孔12内に、横方向に120μmのピッチで並ぶよう配置された、それぞれ縦方向の寸法が200μmで、横方向の寸法が50μmの矩形の15720(40×393)個の裏面電極部17bを形成した。
次に、45℃の水酸化ナトリウム溶液に2分間浸漬させることによって、裏面電極部17bと金属層11bから、フォトレジスト層24を除去し、その後、液状レジスト(JSR製、品名:THB−150N)によって、裏面電極部17bと絶縁膜16を覆うように、厚さが25μmのフォトレジスト層26を形成した(図8(a)参照)。
このフォトレジスト層26の裏面電極部17bが位置する部分に、縦方向の寸法が200μmで、横方向の寸法が50μmの矩形の15720個の開口27を、裏面電極部17bが露出するように形成した(図8(b)参照)。
なお、開口27の形成の際には、露光処理を、高圧水銀灯によって1200mJ/cm2の紫外線を照射して行い、現像処理を、現像液(JSR製:PD523)に室温で18
0秒間浸漬することによって行った。
そして、金メッキ液(田中貴金属(株),品名:レクトロレス)を用い、裏面電極部17bに金メッキ処理を施すことにより、裏面電極部17bに、厚さ0.2μmの金からなる被覆膜18を形成した(図8(c)参照)。
その後、裏面電極部17bの表面に形成された被覆膜18の表面に、液状レジスト(JSR製、品名:THB−150N)によって、被覆膜18が形成された裏面電極部17bを覆うように、フォトレジスト層28を形成した(図9(a)参照)。
次いで、フォトレジスト層25の表面に配置した保護シールを除去し、フォトレジスト層25に、露光処理と現像処理を施すことにより、縦方向と横方向に伸び、電極構造体17を40個ずつ区画する7.5mm×7.5mmのパターンを残し、この周辺部を除去することによって、パターン溝25aを形成した(図9(b)参照)。
なお、露光処理は、高圧水銀灯によって1200mJ/cm2 の紫外線を照射して行い、現像処理は、現像液(JSR製:PD523)に室温で180秒間浸漬することによって行った。
その後、絶縁膜16に対して、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件で、エッチング処理を施して、その一部を除去し、それぞれ寸法が7.5mm×7.5mmの互いに独立した393個の絶縁膜15を形成した(図9(c))参照)。
そして、レジスト層25とレジスト層28を除去することにより(図10(a))、図
1に示したような、互いに独立した各絶縁膜16と、金属フレーム板11aとの支持部19で接点膜15が支持されたシート状プローブ10を得た。
そして、図10(b)に示したように、シート状プローブ10の周縁部、すなわち、金属フレーム板11aの外周縁に、絶縁膜15とは離間して、シリコーン系熱硬化性接着剤(信越化学製:品名1300T)を塗布し、150℃に保持した状態で、シリコーン系熱硬化性接着剤が塗布された部分に、外径が220mm、内径が205mmで厚さ2mmの窒化シリコンよりなるリング状の支持部材13を配置し、さらに、金属フレーム板11aと支持部材13とを加圧しながら、180℃で2時間保持することにより、本発明に係るシート状プローブ10を製造した。
得られたシート状プローブ10の仕様は、以下の通りである。
金属フレーム板11aは、直径が22cmで、厚さが10μmの円板状で、その材質が42アロイである。
金属フレーム板11aの貫通孔12の数は393個で、それぞれの横方向の寸法が6400μmで、縦方向の寸法が320μmである。393個の接点膜12のそれぞれの絶縁膜15は、材質がポリイミドで、その寸法は、横方向が7.5mm、縦方向が7.5mm、厚さが12.5μmである。
接点膜15のそれぞれの電極構造体17は、その数が40個(合計15720個)で、横方向に120μmのピッチで一列に並ぶよう配置されている。
電極構造体17のそれぞれの表面電極部17aは、直径が約75μmで、突出高さ約25μmの半球状であり、短絡部178cの直径は約60μmであり、裏面電極部17bは、50μm×200μmの矩形の平板状で、被覆膜18を含む裏面電極部17bの厚さは10.2μmである。
また、熱線膨張係数は、以下の通りである。
絶縁膜16 H1:ポリイミド=約5×10-5/K
金属フレーム板11a H2:42アロイ=約5×10-6/K
支持部材13 H3:窒化ケイ素=3.5×10-6/K
実施例1における各条件の計算値
条件(1):H1=5×10-5/K
条件(2):H2/H1=(5×10-6)/(5×10-5)=0.1
条件(3):H3/H1=(3.5×10-6)/(5×10-5)=0.07
条件(4):H3/H2=(3.5×10-6)/(5×10-6)=0.7
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。これらのシート状プローブを「シート状プローブM1」〜「シート状プローブM4」とする。
(比較例1)
図37に示したように、金属層20のエッチング処理において、裏面電極部17bとなる部分以外の部分を除去したこと、および、支持部材13を絶縁膜16の周縁部の表面に設けたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状プローブを製造した。
なお、図37(a)は、比較例1のシート状プローブの断面図、図37(b)は、その下面図を示している。比較例1のシート状プローブは、1枚の絶縁膜16により構成され、金属フレーム板を有しないものである。
このようにして、合計で4枚の比較用のシート状プローブを製造した。これらのシート状プローブを「シート状プローブL1」〜「シート状プローブL4」とする。
(比較例2)
金属層20のエッチング処理において、裏面電極部17bとなる部分の周辺部近傍のみを除去したこと、および、支持部材13を絶縁膜16の周縁部の表面に設けたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状プローブを製造した。
なお、図38(a)は、比較例2のシート状プローブの断面図、図38(b)は、その下面図を示している。比較例2のシート状プローブは、1枚の絶縁膜16により構成され、金属層20より形成された金属フレーム板を有するものであり、金属フレーム板の表面全面に絶縁膜16が一体的に形成されたものである。
このようにして、合計で4枚の比較用のシート状プローブを製造した。これらのシート状プローブを「シート状プローブP1」〜「シート状プローブP4」とする。
3.異方導電性コネクターの作製について:
3−1 磁性芯粒子の調製について:
市販のニッケル粒子(Westaim社製,「FC1000」)を用い、以下のようにして磁性芯粒子を調製した。
日清エンジニアリング株式会社製の空気分級機「ターボクラシファイア TC−15N」によって、ニッケル粒子2kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ロータ
ー回転数が2,250rpm、分級点が15μm、ニッケル粒子の供給速度が60g/minの条件で分級処理し、粒子径が15μm以下のニッケル粒子0.8kgを捕集し、さらに、このニッケル粒子0.8kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ロー
ター回転数が2,930rpm、分級点が10μm、ニッケル粒子の供給速度が30g/minの条件で分級処理し、ニッケル粒子0.5kgを捕集した。
得られたニッケル粒子は、数平均粒子径が7.4μm、粒子径の変動係数が27%、BET比表面積が0.46×103m2/kg、飽和磁化が0.6Wb/m2であった。
このニッケル粒子を「磁性芯粒子[A]」とする。
3−2 導電性粒子の調製について:
粉末メッキ装置の処理槽内に、磁性芯粒子[A]100gを投入し、更に、0.32Nの塩酸水溶液2Lを加えて攪拌し、磁性芯粒子[A]を含有するスラリーを得た。このスラリーを常温で30分間攪拌することにより、磁性芯粒子[A]の酸処理を行い、その後、1分間静置して磁性芯粒子[A]を沈殿させ、上澄み液を除去した。
次いで、酸処理が施された磁性芯粒子[A]に純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して磁性芯粒子[A]を沈殿させ、上澄み液を除去した。この操作を更に2回繰り返すことにより、磁性芯粒子[A]の洗浄処理を行った。
そして、酸処理および洗浄処理が施された磁性芯粒子[A]に、金の含有割合が20g/Lの金メッキ液2Lを加え、処理層内の温度を90℃に昇温して攪拌することにより、スラリーを調製した。この状態で、スラリーを攪拌しながら、磁性芯粒子[A]に対して金の置換メッキを行った。その後、スラリーを放冷しながら静置して粒子を沈殿させ、上澄み液を除去することにより、導電性粒子を調製した。
このようにして得られた導電性粒子に純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して導電性粒子を沈殿させ、上澄み液を除去した。この操作を更に2回繰り返し、その後、90℃に加熱した純水2Lを加えて攪拌し、得られたスラリーを濾紙によって濾過して導電性粒子を回収した。そして、この導電性粒子を、90℃に設定された乾燥機によって乾燥処理した。
得られた導電性粒子は、数平均粒子径が7.3μm、BET比表面積が0.38×103m2/kg、(被覆層を形成する金の質量)/(磁性芯粒子[A]の質量)の値が0.
3であった。
この導電性粒子を「導電性粒子(a)」とする。
3−3 フレーム板の作製について:
下記の条件により、上記の試験用ウエハW1の各被検査電極領域に対応して形成された393個の異方導電膜配置用の貫通孔42を有する直径が8インチのフレーム板41を作製した。
このフレーム板41の材質はコバール(線熱膨張係数5×10-6/K)で、その厚さは、60μmである。
各貫通孔42は、その横方向の寸法が5400μmで縦方向の寸法が320μmである。
縦方向に隣接する異方導電膜配置用孔42の間の中央位置には、円形の空気流入孔が形成されており、その直径は1000μmである。
3−4 成形材料の調製について:
付加型液状シリコーンゴム100重量部に、導電性粒子[a]30重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、成形材料を調製した。
以上において、使用した付加型液状シリコーンゴムは、それぞれ粘度が250Pa・sであるA液とB液よりなる二液型のものであって、その硬化物の圧縮永久歪みが5%、デュロメーターA硬度が32、引裂強度が25kN/mのものである。
なお、付加型液状シリコーンゴムおよびその硬化物の特性は、以下のようにして測定されたものである。
(a)付加型液状シリコーンゴムの粘度は、B型粘度計により、23±2℃における値を測定した。
(b)シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みは、次のようにして測定した。
二液型の付加型液状シリコーンゴムのA液とB液とを等量となる割合で攪拌混合した。次いで、この混合物を金型に流し込み、当該混合物に対して減圧による脱泡処理を行った後、120℃、30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚さが12.7mm、直径が29mmのシリコーンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して、200℃、4時間の条件でポストキュアを行った。このようにして得られた円柱体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して150±2℃における圧縮永久歪みを測定した。
(c)シリコーンゴム硬化物の引裂強度は、次のようにして測定した。
上記(b)と同様の条件で付加型液状シリコーンゴムの硬化処理とポストキュアを行うことにより、厚さが2.5mmのシートを作製した。このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(d)デュロメーターA硬度は、上記(c)と同様にして作製されたシートを5枚重ね合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃における値を測定した。
3−5 異方導電性コネクターの作製について:
上記3−3で作製したフレーム板41と、上記3−4で調製した成形材料を用い、特開2002−324600号公報に記載された方法に従って、フレーム板41に、それぞれの貫通孔42内に配置され、その周辺部に固定されて支持された393個の弾性異方導電膜50を形成することにより、異方導電性コネクター40を製造した。
なお、成形材料層の硬化処理は、電磁石によって厚さ方向に2Tの磁場を作用させながら、100℃、1時間の条件で行った。
得られた弾性異方導電膜50について具体的に説明すると、弾性異方導電膜の各々は、横方向の寸法が7000μm、縦方向の寸法が1200μmであり、40個の接続用導電部52が絶縁部53によって、互いに絶縁された状態で120μmのピッチで横方向に一列に配列されている。
また、接続用導電部52の各々は、横方向の寸法が40μm、縦方向の寸法が200μm、厚さが150μm、突出部54の突出高さが25μm、絶縁部53の厚さが100μmである。
また、横方向において最も外側に位置する接続用導電部52とフレーム板41との間には、非接続用の導電部が配置されている。非接続用の導電部の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚さが150μmである。また、弾性異方導電膜(50)の各々の被支持部の厚さ(二股部分の一方の厚さ)は20μmである。
また、各弾性異方導電膜50の接続用導電部52中の導電性粒子の含有割合を調べたところ、全ての接続用導電部52について、体積分率で約25%であった。
このようにして、合計で12枚の異方導電性コネクターを製造した。これらの異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC1」〜「異方導電性コネクターC12」とする。
4.検査用回路基板の作製について:
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、試験用ウエハW1の被検査電極のパターン従って、検査用電極32が形成された検査用回路基板31を作製した。
この検査用回路基板31は、全体の寸法が30cm×30cmの矩形であり、その検査用電極は、横方向の寸法が60μmで縦方向の寸法が200μmである。得られた検査用回路基板を「検査用回路基板T1」とする。
5.シート状プローブの評価について:
5−1 試験1(隣接する電極構造体間の絶縁性)について:
シート状プローブM1〜M2、シート状プローブL1〜L2、シート状プローブP1〜P2の各々について、以下のようにして隣接する電極構造体間の絶縁性の評価を行った。
室温(25℃)下において、試験用ウエハW1を試験台に配置し、この試験用ウエハW1の表面上に、図29に示したように、シート状プローブをその表面電極部17aの各々が当該試験用ウエハW1の被検査電極上に位置するよう位置合わせして配置し、このシート状プローブ上に、異方導電性コネクター40を、その接続用導電部52の各々が、シート状プローブの裏面電極部17b上に位置するよう位置合わせして配置した。
そして、この異方導電性コネクター40上に、検査用回路基板T1をその検査用電極32の各々が、異方導電性コネクター40の接続用導電部52上に位置するよう、位置合わせして配置し、さらに検査用回路基板T1を、下方に160kgの荷重(電極構造体1個
当たりに加わる荷重が平均で約10gで加圧した。なお、異方導電性コネクター40としては、下記表1に示すものを使用した。
そして、検査用回路基板T1の15720個の検査用電極32の各々に、順次電圧を印加するとともに、電圧が印加された検査用電極32と他の検査用電極32との間の電気抵抗を、シート状プローブの電極構造体間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として測定し、全測定点における絶縁抵抗が10MΩ以下である測定点の割合(以下、「絶縁不良割合」という。)を求めた。
なお、絶縁抵抗が10MΩ以下である場合には、実際上、ウエハに形成された集積回路の電気的検査に使用することが困難である。
試験の結果を表1に示す。
Figure 2006162604
5−2 試験2(電極構造体の接続安定性)について:
シート状プローブM3、M4、シート状プローブL3、L4、シート状プローブP3、P4について、以下のようにして、被検査電極に対する電極構造体の接続安定性の評価を行った。
室温(25℃)下において、試験用ウエハW2を、電熱ヒーターを具えた試験台に配置し、この試験用ウエハW2の表面に、シート状プローブを、その表面電極部17aの各々が試験用ウエハW2の被検査電極2上に位置するように、位置合わせして配置した。
また、このシート状プローブ上に、異方導電性コネクター40をその接続用導電部52の各々が、シート状プローブの裏面電極部17b上に位置するよう位置合わせして配置し、た。
そして、この異方導電性コネクター40上に、検査用回路基板T1を、その検査用電極2の各々が、異方導電性コネクター40の接続用導電部52上に位置するよう位置合わせして配置した。
さらに、検査用回路基板T1を下方に、160kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約10g)で加圧した。なお、異方導電性コネクター40としては、下記の表2に示すものを使用した。
そして、検査用回路基板T1の15720個の検査用電極32について、シート状プローブと、異方導電性コネクター40と、試験用ウエハW2を介して、互いに電気的に接続された2個の検査用電極32の間の電気抵抗を順次測定した。
そして、測定された電気抵抗値の2分の1の値を、検査用回路基板T1の検査用電極3
2と試験用ウエハW2の被検査電極2との間の電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)として記録し、全測定点における導通抵抗が1Ω以上である測定点の割合(以下、「接続不良割合」という。)を求めた。この操作を「操作(1)」とする。
次いで、検査用回路基板T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を125℃に昇温して、その温度が安定するまで放置し、その後、検査用回路基板T1を下方に、160kgの荷重(電極構造体171個当たりに加わる荷重が平均で約10g)で加圧し、上記操作(1)と同様にして接続不良割合を求めた。この操作を「操作(2)」とする。
次いで、検査用回路基板T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を室温(25℃)まで冷却した。この操作を「操作(3)」とする。
そして、上記の操作(1)、操作(2)および操作(3)を1サイクルとして、合計で100サイクル連続して行った。なお、この1サイクルに要する時間は約1.5時間であった。
なお、導通抵抗が1Ω以上である場合には、実際上、ウエハに形成された集積回路の電気的検査に使用することが困難である。
試験の結果を表2に示す。
Figure 2006162604
(注記:表2中、接続不良割合が20%を超えた場合は多数と表記した)
図1は、本発明のシート状プローブの実施例を示した図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図である。 図2は、図1のシート状プローブの接点膜を拡大して示した平面図である。 図3は、図2のX−X線による断面図である。 図4は、図1のシート状プローブの部分拡大断面図である。 図5は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図6は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図7は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図8は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図9は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図10は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図11は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図12は、本発明のシート状プローブの金属フレーム板の形状を説明する平面図である。 図13は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図13(a)は平面図、図14(b)はX−X線による断面図である。 図14は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図14(a)は平面図、図14(b)はX−X線による断面図である。 図15は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図15(a)は平面図、図15(b)はX−X線による断面図である。 図16は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図16(a)は平面図、図16(b)はX−X線による断面図である。 図17は、図16のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図である。 図18は、図17のX−X線による断面図である。 図19は、図15のシート状プローブの部分拡大断面図である。 図20は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図21は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図22は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図23は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図24は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図25は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図26は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図27は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図27(a)は平面図、図27(b)はX−X線による断面図である。 図28は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図28(a)は平面図、図28(b)はX−X線による断面図である。 図29は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの実施例を示した断面図である。 図30は、図29のプローブカードにおける組み立て前後の各状態を示した断面図である。 図31は、図29のプローブカードの要部構成を示した断面図である。 図32は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図33は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図34は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図35は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図36は、本発明の別の実施例のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図37(a)は、比較例1のシート状プローブの断面図、図37(b)は、その下面図である。 図38(a)は、比較例2のシート状プローブの断面図、図38(b)は、その下面図である。 図39は、従来のシート状プローブの断面図である。 図40は、従来のシート状プローブの断面図である。 図41は、従来のシート状プローブの製造方法の概略を示す断面図である。
符号の説明
1 ウエハ
2 被検査電極
10 シート状プローブ
11 支持体
11a 金属フレーム板
11b 金属層
12 貫通孔
13 支持部材
15 接点膜
16 絶縁膜
16a 樹脂シート
16b 高分子物質形成用液状物
17 電極構造体
17a 表面電極部
17b 裏面電極部
17c 短絡部
18 被覆膜
19 支持部
20 金属層
21 金属層
23 フォトレジスト層
23a 開口
23b 開口
23c 貫通孔
24 フォトレジスト層
25 フォトレジスト層
26 フォトレジスト層
27 開口
28 フォトレジスト層
30 プローブカード
31 検査用回路基板
32 検査用電極
33 ガイドピン
35 加圧板
36 ウエハ載置台
37 加熱器
38 嵌合用段差部
40 異方導電性コネクター
41 フレーム板
42 貫通孔
50 弾性異方導電膜
51 導電性粒子
52 接続用導電部
53 絶縁部
54 突出部

Claims (19)

  1. 貫通穴が形成された支持体と、
    前記支持体の周縁部を支持するリング状の支持部材と、
    前記支持体の貫通穴の周縁部に支持された接点膜とを備え、
    前記接点膜が、柔軟な樹脂からなる絶縁膜と、前記絶縁膜の表裏面を貫通するように、表面電極部と裏面電極部と表面電極部と裏面電極部を連結する短絡部とから形成した電極構造体とを備える回路装置の電気検査に用いられるシート状プローブであって、
    前記絶縁膜の熱線膨張係数をH1とし、
    前記支持体の熱線膨張係数をH2とし、
    前記リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、すなわち、
    条件(1):H1=0.8×10-5〜8×10-5/K
    条件(2):H2/H1<1
    条件(3):H3/H1<1
    を満足することを特徴とするシート状プローブ。
  2. 前記支持体の熱線膨張係数をH2と、前記リング状の支持部材の熱線膨張係数をH3が、下記の条件(4)、すなわち、
    条件(4):H3/H2=0.02〜50
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のシート状プローブ。
  3. 前記支持体の熱線膨張係数H2が、下記の条件(5)、すなわち、
    条件(5):H2=−1×10-7〜3×10-5/Kを満足することを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載のシート状プローブ。
  4. 前記リング状の支持部材の熱線膨張係数H3が、下記の条件(6)、すなわち、
    条件(6):H3=−1×10-7〜3×10-5/K
    を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシート状プローブ。
  5. 前記支持体が、複数の貫通穴が形成され、これらの各貫通穴に、前記接点膜が支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシート状プローブ。
  6. 前記支持体が、金属フレーム板から構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシート状プローブ。
  7. 前記支持体が、多孔膜から構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシート状プローブ。
  8. 前記接点膜の周縁部と前記多孔膜とが、前記多孔膜の微細孔内に前記絶縁膜が含まれるように一体化されていることを特徴とする請求項7に記載のシート状プローブ。
  9. 前記多孔膜が、有機繊維からなるメッシュもしくは不織布であることを特徴とする請求項7から8のいずれかに記載のシート状プローブ。
  10. 前記金属フレーム板の貫通穴の周縁部に、絶縁膜によって貫通穴の周縁部を両面側から挟み込んだ状態で、接点膜が支持されていることを特徴とする請求項6に記載のシート状プローブ。
  11. 前記金属フレーム板の貫通穴の周縁部上に、絶縁膜によって接点膜が支持されているこ
    とを特徴とする請求項6に記載のシート状プローブ。
  12. 前記電極構造体のピッチが、40〜250μmであり、電極構造体の総数が、5000個以上であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のシート状プローブ。
  13. 前記金属フレーム板の厚さが、10〜600μmであることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のシート状プローブ。
  14. 前記リング状の支持部材の厚さが、1.5mm以上であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のシート状プローブ。
  15. 前記リング状の支持部材が、検査装置本体の検査電極が設けられた側に形成された位置合わせ部に係合することにより、検査装置の検査電極と絶縁膜に形成された電極構造体が位置合わせされるように構成されていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のシート状プローブ
  16. 前記シート状プローブが、ウエハに形成された複数の集積回路について、集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられるものであることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載のシート状プローブ。
  17. 検査対象である回路装置の被検査電極に対応する検査電極が表面に形成された検査用回路基板と、
    この検査用回路基板上に配置される異方導電性コネクターと、
    この異方導電性コネクター上に配置される請求項1から16のいずれかに記載のシート状プローブとを備えることを特徴とするプローブカード。
  18. 請求項17に記載のプローブカードを備えることを特徴とする回路装置の検査装置。
  19. 複数の集積回路が形成されたウエハの各集積回路を、請求項17に記載のプローブカードを介してテスターに電気的に接続し、各集積回路の電気検査を行うことを特徴とするウエハの検査方法。
JP2005326427A 2004-11-11 2005-11-10 シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法 Withdrawn JP2006162604A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005326427A JP2006162604A (ja) 2004-11-11 2005-11-10 シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004327944 2004-11-11
JP2005326427A JP2006162604A (ja) 2004-11-11 2005-11-10 シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006162604A true JP2006162604A (ja) 2006-06-22

Family

ID=36664763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005326427A Withdrawn JP2006162604A (ja) 2004-11-11 2005-11-10 シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006162604A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101057517B1 (ko) 시트형 프로브, 및 그 제조 방법과 응용
WO2005103730A1 (ja) シート状プローブおよびその製造方法並びにその応用
KR20080079670A (ko) 웨이퍼 검사용 회로 기판 장치, 프로브 카드 및 웨이퍼검사 장치
WO2005111632A1 (ja) シート状プローブおよびその製造方法並びにその応用
WO2006046650A1 (ja) ウエハ検査用探針部材、ウエハ検査用プローブカードおよびウエハ検査装置
JP3736572B2 (ja) シート状プローブおよびその製造方法並びにその応用
KR101167748B1 (ko) 웨이퍼 검사용 탐침 부재, 웨이퍼 검사용 프로브 카드 및웨이퍼 검사 장치
JP2006040632A (ja) 異方導電性コネクターおよびその製造方法、アダプター装置並びに回路装置の電気的検査装置
JP3649245B2 (ja) シート状プローブの製造方法
JP3788476B2 (ja) ウエハ検査用探針部材、ウエハ検査用プローブカードおよびウエハ検査装置
JP3760950B2 (ja) シート状プローブの製造方法
JP3815571B2 (ja) シート状プローブの製造方法
JP4416619B2 (ja) シート状プローブおよびその製造方法
WO2006051880A1 (ja) シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法
JP2009098065A (ja) プローブ部材およびその製造方法ならびにその応用
JP3938117B2 (ja) 異方導電性コネクターおよびプローブ部材並びにウエハ検査装置およびウエハ検査方法
JP3788477B1 (ja) ウエハ検査用探針部材、ウエハ検査用プローブカードおよびウエハ検査装置
JP2006162604A (ja) シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法
JP2006162606A (ja) シート状プローブおよびその製造方法ならびにその応用
JP2006162605A (ja) シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法
JP3781048B2 (ja) シート状プローブおよびその応用
JP2006125859A (ja) シート状プローブおよびその製造方法ならびにその応用
JP2006140002A (ja) シート状プローブおよびその製造方法ならびにその応用
JP2006138721A (ja) シート状プローブおよびその製造方法ならびにその応用
WO2006051878A1 (ja) シート状プローブおよびプローブカードならびにウエハの検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080611

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090406