JP2005338071A - シート状プローブおよびその製造方法並びにその応用 - Google Patents

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和夫 井上
Hitoshi Fujiyama
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Mutsuhiko Yoshioka
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Abstract

【課題】 微小で微細ピッチな電極を有する回路装置にも安定な接続状態が達成され、電極構造体が絶縁層から脱落せず高い耐久性が得られ、大面積のウエハや被検査電極のピッチが小さい回路装置に対し、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、良好な接続状態が安定に維持されるシート状プローブおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のシート状プローブは、厚み方向に伸びる複数の電極構造体を有する絶縁層とこれを指示する支持体とを備え、電極構造体は、絶縁層の表面から突出する表面電極部と、絶縁層の裏面に露出する裏面電極部と、表面電極部の基端から連続して絶縁層の厚み方向に伸び、裏面電極部に連結された短絡部と、表面電極部の基端部分から連続して絶縁層の表面に沿って外側に伸びる保持部とよりなり、本発明の製造方法は表面電極部と短絡部は個別に金属を充填することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば、集積回路などの回路の電気的検査において、回路に対する電気的接続を行うためのプローブ装置として好適なシート状プローブおよびその製造方法並びにその応用に関する。
例えば、多数の集積回路が形成されたウエハや、半導体素子等の電子部品などの回路装置の電気的検査においては、被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された検査電極を有する検査用プローブが用いられている。
かかる検査用プローブとしては、従来、ピンまたはブレードよりなる検査電極が配列されてなるものが使用されている。
然るに、被検査回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハである場合において、ウエハを検査するための検査用プローブを作製する場合には、非常に多数の検査電極を配列することが必要となるので、検査用プローブは極めて高価なものとなり、また、被検査電極のピッチが小さい場合には、検査用プローブを作製すること自体が困難となる。
更に、ウエハには、一般に反りが生じており、その反りの状態も製品(ウエハ)毎に異なるため、ウエハにおける多数の被検査電極に対して、検査用プローブの検査電極の各々を安定にかつ確実に接触させることは実際上困難である。
以上のような理由から、近年、ウエハに形成された集積回路を検査するための検査用プローブとして、一面に被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の一面上に配置された異方導電性シートと、この異方導電性シート上に配置された、柔軟な絶縁性シートにその厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体が配列されてなるシート状プローブとを備えてなるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
図51は、検査用回路基板85、異方導電性シート80およびシート状プローブ90を備えてなる従来のプローブカードの一例における構成を示す説明用断面図である。
このプローブカードにおいては、一面に被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された多数の検査電極86を有する検査用回路基板85が設けられ、この検査用回路基板85の一面上に、異方導電性シート80を介してシート状プローブ90が配置されている。
異方導電性シート80は、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものであり、かかる異方導電性シートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特許文献2等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性シート(以下、これを「分散型異方導電性シート」という。)が開示されている。
また、特許文献3等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性シート(以下、これを「偏在型異方導電性シート」という。)が開示され、更に、特許文献4等には、導電部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性シートが開示されている。
シート状プローブ90は、例えば樹脂よりなる柔軟な絶縁性シート91を有し、この絶縁性シート91に、その厚み方向に伸びる複数の電極構造体95が被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されて構成されている。
この電極構造体95の各々は、絶縁性シート91の表面に露出する突起状の表面電極部96と、絶縁性シート91の裏面に露出する板状の裏面電極部97とが、絶縁性シート91をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部98を介して一体に連結されて構成されている。
このようなシート状プローブ90は、一般に、以下のようにして製造される。
先ず、図52(a)に示すように、絶縁性シート91の一面に金属層92が形成されてなる積層体90Aを用意し、図52(b)に示すように、絶縁性シート91にその厚み方向に貫通する貫通孔98Hを形成する。
次いで、図52(c)に示すように、絶縁性シート91の金属層92上にレジスト膜93を形成したうえで、金属層92を共通電極として電解メッキ処理を施すことにより、絶縁性シート91の貫通孔98Hの内部に金属の堆積体が充填されて金属層92に一体に連結された短絡部98が形成されると共に、絶縁性シート91の表面に、短絡部98に一体に連結された突起状の表面電極部96が形成される。
その後、金属層92からレジスト膜93を除去し、更に、図52(d)に示すように、表面電極部96を含む絶縁性シート91の表面にレジスト膜94Aを形成すると共に、金属層92上に、形成すべき裏面電極部のパターンに対応するパターンに従ってレジスト膜94Bを形成し、金属層92に対してエッチング処理を施すことにより、図52(e)に示すように、金属層92における露出する部分が除去されて裏面電極部97が形成され、以て電極構造体95が形成される。
そして、絶縁性シート91および表面電極部96上に形成されたレジスト膜94Aを除去すると共に、裏面電極部97上に形成されたレジスト膜93を除去することにより、シート状プローブ90が得られる。
上記の検査用プローブにおいては、被検査回路装置に、例えばウエハの表面に、シート状プローブ90における電極構造体95の表面電極部96がウエハの被検査電極上に位置するよう配置される。
そして、この状態で、ウエハが検査用プローブによって押圧されることにより、異方導電性シート80が、シート状プローブ90における電極構造体95の裏面電極部97によって押圧される。
これにより、異方導電性シート80には、裏面電極部97と検査用回路基板85の検査電極86との間にその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハの被検査電極と検査用回路基板85の検査電極86との電気的接続が達成される。
そして、この状態で、ウエハについて所要の電気的検査が実行される。
そして、このような検査用プローブによれば、ウエハが検査用プローブによって押圧されたときに、ウエハの反りの大きさに応じて異方導電性シート80が変形するため、ウエハにおける多数の被検査電極の各々に対して良好な電気的接続を確実に達成することができる。
しかしながら、上記の検査用プローブにおいては、以下のような問題がある。
上記のシート状プローブ90の製造方法における短絡部98および表面電極部96を形成する工程においては、電解メッキによるメッキ層が等方的に成長するため、図53に示すように、得られる表面電極部96においては、表面電極部96の周縁から短絡部98の周縁までの距離Wは、表面電極部96の突出高さhと同等の大きさとなる。
従って、得られる表面電極部96の径Rは、突出高さhの2倍を超えて相当に大きいものとなる。
そのため、被検査回路装置における被検査電極が微小で極めて小さいピッチで配置されてなるものである場合には、隣接する電極構造体95間の離間距離を十分に確保することができず、その結果、得られるシート状プローブ90においては、絶縁性シート91による柔軟性が失われるため、被検査回路装置に対して安定した電気的接続を達成することが困難となる。
また、電解メッキ処理において、金属層92の全面に対して電流密度分布が均一な電流を供給することは実際上困難であり、この電流密度分布の不均一性により、絶縁性シート91の貫通孔98H毎にメッキ層の成長速度が異なるため、形成される表面電極部96の突出高さhや、表面電極部96の周縁から短絡部98の周縁までの距離Wすなわち径Rに大きなバラツキが生じる。
そして、表面電極部96の突出高さhに大きなバラツキがある場合には、被検査回路装置に対して安定した電気的接続が困難となり、一方、表面電極部96の径に大きなバラツキがある場合には、隣接する表面電極部96同士が短絡する恐れがある。
以上において、表面電極部96の突出高さhを小さくする手段があり、この得られる表面電極部96の径を小さくする手段としては、短絡部98の径(断面形状が円形でない場合には、最短の長さを示す。)rを小さくする、すなわち絶縁性シート91の貫通孔98Hの径を小さくする手段が考えられるが、前者の手段によって得られるシート状プローブにおいては、被検査電極に対して安定な電気的接続を確実に達成することが困難となる。
一方、後者の手段では、電解メッキ処理によって短絡部98および表面電極部96を形成すること自体が困難となる。
このような問題を解決するため、特許文献5および特許文献6において、それぞれ基端から先端に向かって小径となるテーパ状の表面電極部を有する多数の電極構造体が配置されてなるシート状プローブが提案されている。
特許文献5に記載されたシート状プローブは、以下のようにして製造される。
図54(a)に示すように、絶縁性シート91の表面にレジスト膜93Aおよび表面側金属層92Aがこの順で形成され、絶縁性シート91の裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Bを用意する。
そして、図54(b)に示すように、この積層体90Bにおける裏面側金属層92B、絶縁性シート91およびレジスト膜93Aの各々に互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔を形成する。
これによって、積層体90Bの裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成する。
次いで、図54(c)に示すように、この積層体90Bにおける表面側金属層92Aを電極としてメッキ処理することにより、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
そして、この積層体における裏面側金属層92Bにエッチング処理を施してその一部を除去することにより、図54(d)に示すように、裏面電極部97を形成し、以てシート状プローブ90が得られる。
また、特許文献6に記載されたシート状プローブは、以下のようにして製造される。
図55(a)に示すように、形成すべきシート状プローブにおける絶縁性シートより大きい厚みを有する絶縁性シート91Aの表面に表面側金属層92Aが形成され、絶縁性シート91Aの裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Cを用意する。
そして、図55(b)に示すように、この積層体90Cにおける裏面側金属層92Bおよび絶縁性シート91Aの各々に互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔を形成することにより、積層体90Cの裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成する。
次いで、この積層体90Cにおける表面側金属層92Aを電極としてメッキ処理することにより、図55(c)に示すように、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
その後、この積層体90Cにおける表面側金属層92Aを除去すると共に、絶縁性シート91Aをエッチング処理して絶縁性シートの表面側部分を除去することにより、図55(d)に示すように、所要の厚みの絶縁性シート材91を形成すると共に、表面電極部96を露出させる。
そして、裏面側金属層92Bをエッチング処理することにより、裏面電極部97を形成し、図55(e)に示したようにシート状プローブ90が得られる。
このようなシート状プローブ90によれば、表面電極部96がテーパ状のものであるため、径が小さくて突出高さが高い表面電極部96を、隣接する電極構造体の表面電極部96との離間距離が十分に確保された状態で形成することができると共に、電極構造体95の各々の表面電極部96は、積層体に形成された電極構造体形成用凹所90Kをキャビティとして成形されるため、表面電極部96の突出高さのバラツキが小さい電極構造体95が得られる。
このプローブカードのシート状プローブは、図56に示したように、ポリイミドなどの樹脂からなる柔軟な円形の絶縁シート91を有し、この絶縁シート91には、その厚み方向に延びる複数の電極構造体95が、被検査回路装置の被検査電極のパターンに従って配置されている。
また、絶縁シート91の周縁部には、絶縁シート91の熱膨張を制御する等の目的で、例えば、セラミックスからなるリング状の支持部材99が設けられている。
各電極構造体95は、絶縁シート91の表面に露出する突起状の表面電極部96と、絶縁シート91の裏面に露出する板状の裏面電極部97とが、絶縁シート91をその厚み方向に貫通して延びる短絡部98を介して、一体に連結された構造になっている。
また、絶縁シート91の周縁部には、セラミックス等からなるリング状の支持部材99が設けられている。この支持部材99は、絶縁シート91の面方向の熱膨張を制御し、バーンイン試験において温度変化による電極構造体95と被検査電極との位置ずれを防止するためのものである。
特開平7−231019号公報 特開昭51−93393号公報 特開昭53−147772号公報 特開昭61−250906号公報 特開2004−172589号公報
しかしながら、これらのシート状プローブにおいては、電極構造体における表面電極部の径が短絡部の径すなわち絶縁性シートに形成された貫通孔の径と同等またはそれより小さいものであるため、電極構造体が絶縁性シートの裏面から脱落してしまい、シート状プローブを実際上使用することは困難である。
この問題点を解決するために、例えば、特許文献5に示される電極構造体における表面電極部側に保持部を有し、電極構造体が絶縁性シートの裏面から脱落することを防止したシート状プローブが提案されている。
特許文献5に記載されたシート状プローブは、以下のようにして製造される。
図48(a)に示すように、表面側金属層122、絶縁性シート124、第1の裏面側金属層126、絶縁層128、第2の裏面側金属層130からなる5層の積層材料132を用意する。
図48(b)に示すように、この積層体132における第2の裏面側金属層130に開口部134を設け、この開口部134より絶縁層128にエッチングを行い絶縁層128に貫通孔136を設ける。
次に絶縁層128の貫通孔の底部に露出した第1の裏面側金属層126にエッチングを行って絶縁性シート124をその貫通孔136の底部に露出させる。
そして第1の裏面側金属層126の貫通孔136を通じて絶縁性シート124にエッチングを行い貫通孔136の底部に表面側金属層122を露出させる。
このように金属層と樹脂層(絶縁層128、絶縁性シート124)を交互にエッチングを行うとによって、第2の裏面側金属層130、絶縁層128、第1の裏面側金属層126、絶縁性シート124の各々に互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔138を形成し、積層体132の裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用凹所90Kを形成する。
次いで、この積層体132における表面側金属層122を電極としてメッキ処理することにより、図48(c)に示すように、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
その後、この積層体132における表面側金属層122を除去すると共に、絶縁性シート124をエッチング処理して絶縁性シート124を除去して第1の裏面側金属層126を露出させる(図48(d))。
そして、第1の裏面側金属層126をエッチング処理して保持部を形成するとともに、第1の裏面側金属層126をエッチング処理してその一部を除去することにより、裏面電極部97および支持部を形成し、図48(e)に示したようにシート状プローブ90が得られる。
更に上記のようなシート状プローブにおいては、積層体90Cの裏面に、形成すべき電極構造体の短絡部および表面電極部に適合するテーパ状の形態を有する電極構造体形成用
凹所90Kを形成するので、電極構造体形成用凹所の先端径92Tは積層体90Cの裏面に形成した開口部92Hの径より小さなものとなる。
従って、絶縁性シートの厚みが増せば同一の先端径92Tを得るためには裏面側に形成する開口部92Hの径も大きなものとする必要があった。
そのため、微細ピッチで高密度な電極構造体を有するシート状プローブを製造する場合、図55(e)に示したように、絶縁性シートの厚みが大きくなると積層体90Cの裏面側の隣接する開口部92H間に絶縁部92Nを確保する必要性から開口部92Hの径を大きくできないので、そのため絶縁性シートの厚みが大きくなると、電極構造体形成用凹所90Kの先端径92Tが小さくなり、表面側金属層92Aに接しない電極構造体形成用凹所90Kが形成されてしまう場合があった。
このように電極構造体形成用凹所90Kが表面側金属層92Aに十分に接しない場合、メッキにより金属を充填することができず電極構造体数が不足し使用が困難なシート状プローブが生産されてしまうことがあった。
また、電極構造体の先端部の径が小さくなると、繰り返し使用において先端部が摩耗、欠損して電極構造体の高さバラツキが大きくなる傾向があり、電極構造体強度の面から先端部の先端径や基端の径が小さくし過ぎないことも必要である。
さらに、その電極構造体の材質により先端部の径を調整することも必要である。
しかしながら、上記のシート状プローブの製造方法においては、先端部の径の調整が裏面側の開口部径により調整することになるが、積層体の厚みにより裏面側の開口部径の調節が制限され、とくに微小、微細ピッチで高密度のシート状プローブの製造において所望する先端部径の電極構造体を構成することが困難になる場合があった。
このシート状プローブの作製工程では、ポリイミド等の絶縁層に対して電極構造体を形成するための貫通孔を形成する必要がある。この貫通孔は、図57に示したように、ポリイミド膜81の片面に、貫通孔を形成する部分に開口83aを有するフォトレジスト膜83のパターンを形成し、シート全体をエッチング液に浸漬することにより得ることができる。この方法では、ポリイミド膜81に積層された金属膜82が底面に露出した貫通孔81aが形成され、この金属膜82を共通電極として電解メッキを行う工程を経て電極構造体が形成される。
しかし、ポリイミド膜に対してエッチングにより貫通孔を形成する場合、図57に示したように貫通孔81aはテーパ状となり、奥に行くほどその径が次第に小さくなる。このため、厚さが大きいポリイミド膜を用いると、金属膜82まで到達する前に孔が閉じてしまい、貫通孔が形成できない。
すなわち、従来のように、電極構造体を形成するための貫通孔を、ポリイミドの絶縁層にエッチング加工により形成しようとすると、図58に示したように、フォトレジスト膜101により表面が覆われた絶縁層100の絶縁層幅t1が厚くなると、金属膜102までの間に貫通孔が形成されないという問題があった。
すなわち、エッチング処理でのエッチング処理角度θは、加工条件により異なるとされているが、一般的に45°〜55°と言われている。このため、片側から絶縁層100にエッチング処理を行った場合、貫通孔が形成可能な絶縁層100の厚みが開口径の1/2以下でなければ、途中までしか確実に貫通孔を開けることができない。すなわち、エッチング幅t2は、開口径φ1の半分の幅であるため、絶縁層100も開口径φ1の半分以下でないと、確実に貫通孔を形成することが困難である。
被検査対象であるウエハの電極ピッチの狭小化に伴いシート状プローブの電極構造体の配置ピッチも短くなり、現状では通常100〜120μmであるが、将来的には例えば100μm未満、さらには80μm以下まで短くする必要があると考えられる。
一方で、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保するためには、これらの間の絶縁部の幅(電極構造体の配置ピッチと開口径φ1との差)として、例えば40〜50μmが必要とされる。ポリイミド膜の強度を確保するために厚さが大きいものを使用する場合、エッチングにより貫通孔を形成するためには、上記したように開口径φ1を大きくする必要があるが、電極構造体の配置ピッチを一定として開口径φ1を大きくしていくと、隣接する電極構造体間の絶縁性が確保できなくなる。
このため、電極構造体の配置ピッチを小さくすると、ポリイミド膜の厚さが制限され、例えば電極構造体の配置ピッチを120μm、貫通孔の開口径φ1を70μmとする場合、使用するポリイミド膜の厚さtを35μm以下とする必要があり、底面側の開口径φ2をある程度以上とするためには厚さtをさらに小さくしなければならない。
また、仮に絶縁層100の強度を上げるため50μm厚の絶縁層100を使用したいとすると、貫通孔の開口径φ1を100μm以上にしなければならず、製造される電極構造体の隣接する絶縁層間の絶縁性の確立が困難となるため、絶縁層100の厚みにあわせて、開口径を大きくすることは不可能である。
図57のようなテーパ状の貫通孔81aに電極構造体を形成した場合、エッチング方向奥側の開口径φ2が小さいと電気抵抗値が増加するため、この小径部分の開口径φ2は、できるだけ大きいことが望ましい。
さらに、この開口径φ2が小さいと、この小径部分が電気抵抗値へ影響するため、シート状プローブに設けられた各電極構造体間での電気的抵抗値のバラツキが大きくなることも懸念される。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、
本発明の目的は、径が小さい表面電極部を有する電極構造体を形成することが可能で、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、電極構造体が絶縁層から脱落することがなくて高い耐久性が得られるシート状プローブを提供することにある。
本発明の目的は、絶縁層の厚みが大きく、径が小さい表面電極部を有する電極構造体を備えた、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、高い耐久性を有するシート状プローブを提供することにある。
本発明の目的は、突出高さのバラツキが小さい表面電極部を有する電極構造体を形成することができ、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、電極構造体が絶縁層から脱落することのなくて高い耐久性が得られるシート状プローブを製造することができる方法を提供することにある。
本発明は、例えば、微細ピッチの被検査電極が形成された大型のウエハのような回路装置に対して電気検査を行うために使用され、回路装置の被検査電極に接続される電極構造体が絶縁層に貫通支持された接点膜が支持体に支持されたシート状プローブにおいて、電極構造体の配置ピッチを短くしても、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保しつつ絶縁層
の強度を確保することを目的としている。
また、本発明は、上記のシート状プローブにおいて、電極構造体の配置ピッチを短くしても、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保しつつ絶縁層の強度を確保でき、さらに電極構造体の電気抵抗値が小さく、そのバラツキも小さいシート状プローブを提供することを目的としている。
さらに、本発明は、絶縁層が開口径の1/2以上の厚さであっても開口径を広げる必要がなく、さらに、開口径を広げることができない場合においても電極構造体の裏面電極形成用金属シート部材上に立設するように短絡部を形成し、この高さを絶縁層の開口径の1/2以上の高さに設定することにより、エッチング処理をする必要の有る厚さを、絶縁層の1/2以下の厚さとすることにより、良好な電気的接続状態を安定に維持することができるシート状プローブを提供することを目的とする。
本発明の目的は、厚みの大きい絶縁層よりなるシート状プローブにおいて表面電極部の先端径や基端径を所望の径に調整できるシート状プローブの製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、上記のシート状プローブを備えたプローブカードを提供することにある。
本発明の目的は、上記のプローブカードを備えた回路装置の検査装置を提供することにある。
本発明のシート状プローブは、
貫通孔が形成された金属フレーム板と、
前記金属フレーム板の貫通孔の周縁部に支持された接点膜とを備え、
裏面電極部を構成する裏面電極形成用金属シート部材上に、その貫通孔部が、短絡部に合致するように積層された支持体と、
前記裏面電極形成用金属シート部材上に塗布形成された絶縁層とを備え、
前記電極構造体が、
前記裏面電極形成用金属シート部材上に立設するように形成された短絡部と、
前記絶縁層の前記短絡部に対応する位置に形成された開口部であって、前記短絡部上部に連通する開口部に充填形成され、前記絶縁層表面から突出する表面電極部と、
前記裏面電極形成用金属シート部材を、前記短絡部の位置に対応する部分を残存させて形成した裏面電極部と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、絶縁層が開口径の1/2以上の厚さであっても開口径を広げる必要がなく、さらに、開口径を広げることができない場合においても電極構造体の裏面電極形成用金属シート部材上に立設するように短絡部を形成し、この高さを絶縁層の開口径の1/2以上の高さに設定することにより、エッチング処理をする必要の有る厚さを、絶縁層の1/2以下の厚さとすることにより、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
さらに、シート状プローブは、絶縁層を厚くすることが可能となるため、強度を持たせることができるとともにシート状プローブ自体が撓んでしまうことがなく、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
また、予め絶縁層の厚みに対して、立設させる短絡部の高さによりエッチング処理の必
要な高さを調整することができるため、特に貫通孔径を変えることのできない場合や貫通孔径が小さい場合において有効である。
また、本発明のシート状プローブは、
貫通穴が形成された金属フレーム板と、
前記金属フレーム板の貫通穴の周縁部に支持された接点膜とを備え、
前記電極構造体が、絶縁層の裏面から突出した裏面電極部と、該裏面電極部から絶縁層の貫通孔内へ立設された柱状部と、該柱状部を含むように絶縁層の貫通孔内から表面に渡りメッキすることにより絶縁層の表面に突出形成された表面電極部とを備え、
前記電極構造体が貫通する前記絶縁層の貫通孔が、該絶縁層の両面側からのエッチングにより形成されていることを特徴とする。
このようなシート状プローブによれば、支持体の貫通穴に接点膜を支持しているので、貫通穴に配置される接点膜の面積を小さくすることができる。例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応して、複数の貫通穴を形成した支持体を用いれば、これらの各貫通穴に配置され、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜の面積を大幅に小さくすることができる。
このような面積の小さい接点膜は、その絶縁層の面方向の熱膨張の絶対量が小さいため、絶縁層の熱膨張を支持体によって確実に規制することが可能となる。従って、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
そして、上記のシート状プローブは、支持体の貫通穴が覆われるように絶縁層を一体化したシートの両面側からエッチングすることにより電極構造体を形成するための貫通孔を形成し、このシートを用いて製造している。
エッチング液により貫通孔を形成する場合、前述したように、貫通孔は、開口から奥へ径が次第に小さくなるようにテーパ状に形成されるので、所定の開口径に対して絶縁層を厚くすると孔が閉塞して貫通できなくなるが、絶縁層の両面側からエッチングすることにより、その形状は、両面側の開口から貫通方向中央部付近へ径が次第に狭まる形状となり、孔の小径部分が孔の中央部付近となるので、所定の開口径に対して孔が閉塞してしまう絶縁層の厚さは、絶縁層の片面側のみからエッチングした場合に比べて単純計算で2倍になる。
このように、絶縁層の両面側からエッチングして貫通孔を形成することで、所定の開口径の貫通孔を形成するために使用可能な絶縁層の厚さ範囲が大きくなるので、電極構造体の配置ピッチを短くするために、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保できる程度に貫通孔の開口径を小さくしても、所望の強度が確保できる厚い絶縁層を用いることができる。
さらに、絶縁層の両面側からエッチングした場合では、絶縁層の片面側のみからエッチングした場合と比べて、同じ厚さの絶縁層を用いて同じ開口径で貫通孔を形成した際における小径部分の径を大きくすることができるので、電極構造体の電気抵抗値を小さくでき、さらに各電極構造体間における電気抵抗値のバラツキも小さくすることができる。従って、良好且つ安定な電気的接続状態で回路装置の電気検査を行うことができる。
本発明のシート状プローブの製造方法は、
少なくとも絶縁性シートと、
この絶縁性シートの表面に形成された表面側金属層と、
前記絶縁性シートの裏面に形成された第1の裏面側金属層とを有する積層体を用意し、
この積層体における第1の裏面側金属層と絶縁性シートに互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔を形成することにより、当該積層体の裏面に表面電極部形成用凹所を形成し、
この積層体に対し、
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して表面電極部形成用凹所に金属を充填することにより絶縁層の表面から突出する表面電極部を形成した後に該積層体の裏面側に絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された第2の裏面側金属層を形成し、
この積層体における第2の裏面側金属層および絶縁層の各々に互いに連通し、底面に表面電極部を露出させた短絡部形成用凹所を形成し、
この積層体に対し、
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して短絡部形成用凹所に金属を充填することにより、表面電極部の基端から連続して絶縁層をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部を形成した後、
第2の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより裏面電極部を形成し、
前記表面側金属層および前記絶縁性シートを除去することにより、前記表面電極部および前記第1の裏面側金属層を露出させ、
その後、当該第1の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより、前記表面電極部の基端部分から連続して前記絶縁性シートの表面に沿って外方に伸びる保持部を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明のシート状プローブの製造方法は、第2の裏面側金属層にエッチング処理を施し、
裏面電極部および支持体部に分割除去することを特徴とする。
また、本発明のシート状プローブの製造方法は、
回路装置の電気検査に用いられるシート状プローブの製造方法であって、
貫通孔が形成された金属フレーム板を用意する工程と、
前記金属フレーム板の貫通孔部に合致するよう、短絡部を立設した裏面電極形成用金属シート部材を用意する工程と、
前記短絡部を立設した裏面電極形成用金属シート部材上に、貫通孔が形成された金属フレーム板をその貫通孔部に短絡部が合致するように積層配置する工程と、
前記積層配置された金属フレーム板の上面より絶縁層を塗布形成する工程と、
前記塗布形成された絶縁体の上面より、その短絡部の位置に対応する部分を除去して開口部を形成し短絡部の頂面を露出する工程と、
前記短絡部の頂部が露出した部分に、前記絶縁層表面より突出する表面電極部を充填形成する工程と、
前記裏面電極形成用金属シート部材を、前記短絡部の位置に対応する部分のみを残存させて裏面電極部を形成する工程と、
を備えることを特徴とする。
このように、予め貫通孔を形成した金属フレーム板と、金属フレーム板の貫通孔部に合致するよう、短絡部を立設した裏面電極形成用金属シート部材とを、積層配置された金属フレーム板の上面より絶縁層を塗布形成することにより合致させ、塗布形成された絶縁体の上面より、その短絡部の位置に対応する部分を除去して短絡部の頂面を露出することにより開口部を形成し、その部分に絶縁層表面より突出する表面電極部を充填形成し、最後に裏面電極形成用金属シート部材を、短絡部の位置に対応する部分のみを残存させて裏面電極部を形成することにより、電極構造体を形成している。
従って、絶縁層を厚くすることが可能となるため、強度を持たせることができるととも
にシート状プローブ自体が撓んでしまうことがなく、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
また、予め絶縁層の厚みに対して、立設させる短絡部の高さによりエッチング処理の必要な高さを調整することができるため、特に貫通孔径を変えることのできない場合や貫通孔径が小さい場合において有効である。
本発明のシート状プローブの製造方法は、
検査対象である回路装置の被検査電極に接続される複数の電極構造体が、柔軟な樹脂からなる絶縁層を貫通するように形成されたシート状プローブの製造方法であって、
金属シートの表面における前記電極構造体を形成する各位置に、金属からなる柱状部が立設され、必要に応じて前記金属シートの裏面に絶縁シートが積層された第1のシートを用意する工程と、
少なくとも1つの貫通穴が形成されたシート状の金属フレーム板に、該貫通穴が覆われるように絶縁層が一体化され、前記貫通穴の内部における電極構造体を形成する各位置に、絶縁層を貫通する貫通孔が形成された第2のシートを用意する工程と、
第1のシートの柱状部が、第2のシートの絶縁層を貫通する貫通孔に挿入されるように、第1のシートと第2のシートとを重ね合わせる工程と、
前記第2のシートにおける絶縁層の貫通孔内から表面に渡りメッキを行い、これにより、前記電極構造体における前記絶縁層の表面から突出した表面電極部を形成する工程と、
前記第1のシートにおける前記金属シートを、前記電極構造体の裏面電極部に対応する部分を残存させるようにエッチングすることにより、前記絶縁層の裏面から突出した裏面電極部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
前記第2のシートを用意する工程において、前記金属フレーム板に前記絶縁層が一体化されたシートに対して、貫通孔を形成する位置を開口したレジストパターンを該シートの両面に形成した後、エッチング液により絶縁層の両面側からエッチングを行うことにより前記貫通孔を形成することが好ましい。
上記の製造方法によれば、支持体の貫通穴に接点膜を支持したシート状プローブを得ることができ、前述したように、貫通穴に配置される接点膜の面積を小さくすることができるので、その絶縁層の面方向の熱膨張の絶対量が小さく、絶縁層の熱膨張を金属フレーム板によって確実に規制することが可能となる。従って、検査対象が、例えば、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験の際に、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
そして、支持体の貫通穴が覆われるように絶縁層を一体化したシートの両面側からエッチングすることにより電極構造体を形成するための貫通孔を形成することで、前述したように、所定の開口径の貫通孔を形成するために使用可能な絶縁層の厚さ範囲が大きくなるので、電極構造体の配置ピッチを短くするために、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保できる程度に貫通孔の開口径を小さくしても、所望の強度が確保できる厚い絶縁層を用いることができる。
さらに、絶縁層の両面側からエッチングした場合では、絶縁層の片面側のみからエッチングした場合と比べて、同じ厚さの絶縁層を用いて同じ開口径で貫通孔を形成した際における小径部分の径を大きくすることができるので、電極構造体の電気抵抗値を小さくでき、さらに各電極構造体間における電気抵抗値のバラツキも小さくすることができる。従って、上記の製造方法で得られたシート状プローブは、良好且つ安定な電気的接続状態で回路装置の電気検査を行うことができる。
本発明のプローブカードは、
検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された上記のシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とする。
本発明のプローブカードは、
検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
異方導電性コネクターは、
検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートと、
を有してなることを特徴とする。
本発明のプローブカードは、
検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された上記の方法にて製造されたシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とする。
本発明のプローブカードは、
検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
異方導電性コネクターは、
検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートとを有してなることを特徴とする。
本発明の回路装置の検査装置は、
上記のプローブカードを備えてなることを特徴とする。
本発明のウエハの検査方法は、
複数の集積回路が形成されたウエハの各集積回路を、
上記のプローブカードを介してテスターに電気的に接続し、
前記各集積回路の電気検査を行うことを特徴とする。
本発明のシート状プローブによれば、電極構造体には、表面電極部の基端部分から連続して絶縁層の表面に沿って外方に伸びる保持部が形成されているため、表面電極部の径が小さいものであっても、電極構造体が絶縁層から脱落することがなくて高い耐久性が得られる。
また、小さい径の表面電極部を形成することが可能であることにより、隣接する表面電
極部の間の離間距離が十分に確保されるため、絶縁層による柔軟性が十分に発揮され、その結果、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができる。
本発明に係るシート状プローブによれば、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止することができ、従って、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
また、本発明によれば、絶縁層が開口径の1/2以上の厚さであっても開口径を広げる必要がなく、さらに、開口径を広げることができない場合においても電極構造体の裏面電極形成用金属シート部材上に立設するように短絡部を形成し、この高さを絶縁層の開口径の1/2以上の高さに設定することにより、エッチング処理をする必要の有る厚さを、絶縁層の1/2以下の厚さとすることにより、良好な電気的接続状態を安定に維持することができるシート状プローブを提供することができる。
さらに、本発明によれば、シート状プローブの電極構造体の配置ピッチを短くしても、隣接する電極構造体間の絶縁性を確保しつつ絶縁層の強度を確保することができる。
本発明に係るシート状プローブの製造方法によれば、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、従って、良好な電気的接続状態が安定に維持されるシート状プローブを製造することができる。
本発明のシート状プローブの製造方法によれば、絶縁性シートを有する積層体に予め表面電極部形成用凹所を形成し、表面電極部形成用凹所をキャビティとして表面電極部を形成するため、径が小さくて突出高さのバラツキが小さい表面電極部が得られる。
そして表面電極部を形成した後に絶縁層を設け、該絶縁層に短絡部形成用凹所を形成し、短絡部形成用凹所をキャビティとして短絡部を形成するため、短絡部の先端の径を先端部の基端の径より小さくして電極構造体を構成することができる。
従って、先端部と短絡部を形成するための凹所を1回で絶縁層に形成する方法に比べて、厚みの厚い絶縁層の場合でも裏面側電極部を小さく形成できる。
その結果、微細ピッチで高密度の電極構造体を有するシート状プローブを容易に製造することができる。
そして、絶縁層への先端部形成用凹所の形成と短絡部形成用凹所の形成を別途に行うので、先端部形成用凹所の形状と短絡部形成用凹所の形状が任意に設定できる。
これにより、短絡部の径を大きくしないで、短絡部の基端の径を大きくすることも可能であり、表面電極部の基端の径が大きく先端の径が小さく、かつ裏面電極部の径が小さな電極構造体を有する絶縁シートの厚みの大きいシート状プローブを製造することができる。
また、絶縁層の表面に形成された第1の裏面側金属層をエッチング処理することにより、表面電極部の基端部分から連続して絶縁層の表面に沿って外方に伸びる保持部を確実に形成することができる。
このため、表面電極部の径が小さいものであっても、電極構造体が絶縁層から脱落する
ことがなくて高い耐久性を有する。
さらに、支持体により絶縁層が支持されているため、検査対象が直径8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、従って良好な電気的接続状態が安定に維持されるシート状プローブを製造することができる。
本発明のプローブカードによれば、上記のシート状プローブを具えてなるため、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、シート状プローブにおける電極構造体が脱落することがなく、検査対象が、直径が8インチ以上の大面積のウエハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において、良好な電気的接続状態を安定に維持することができるので、高い耐久性が得られる。
本発明の回路装置の検査装置によれば、上記のプローブカードを備えてなるため、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、多数の回路装置の検査を行う場合でも、長期間にわたって信頼性の高い検査を実行することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<シート状プローブ>
図1は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図、図2は、図1のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図、図3は、本発明に係るシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図、図4は、本発明に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
本実施形態のシート状プローブ10は、複数の集積回路が形成された8インチ等のウエハについて、各集積回路の電気検査をウエハの状態で行うために用いられる。
このシート状プローブ10は、図1(a)に示したように、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔が形成された支持体25を有し、この貫通孔内には接点膜9が配置されている。
接点膜9は、支持体25の貫通孔周辺の支持部22で、支持体25に支持されている。
図1(b)に示したように、この支持部22は、支持体25の上に、絶縁層からなる接点膜9が形成され、この支持体25によって接点膜9が支持されている。
接点膜9は、図2に示したように、柔軟な絶縁層18Bに電極構造体15が貫通形成された構造になっている。
即ち、絶縁層18Bの厚み方向に延びる複数の電極構造体15が、検査対象であるウエハの被検査電極に対応するパターンに従って絶縁層18Bの面方向に互いに離間して配置されている。
また、図3に示したように、電極構造体15の各々は、絶縁層18Bの表面に露出し、絶縁層18Bの表面から突出する突起状の表面電極部16と、絶縁層18Bの裏面に露出する矩形の平板状の裏面電極部17と、表面電極部16の基端から連続して前記絶縁層18Bをその厚み方向に貫通して伸びて裏面電極部17に連結された短絡部18と、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる円形リング板状の保持部19とにより構成されている。
この例の電極構造体15においては、表面電極部16が、短絡部18に連続して基端から先端に向かうに従って小径となるテーパ状とされて全体が円錐台状に形成され、表面電極部16の基端に連続する短絡部18が、絶縁層18Bの裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状とされている。
また、図4に示したように、表面電極部16の基端の径R1が基端に連続する短絡部18の一端の径R3より大きくなっている。
絶縁層18Bとしては、絶縁性を有する柔軟なものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエステル、フッ素系樹脂などよりなる樹脂シート、繊維を編んだクロスに上記の樹脂を含浸したシートなどを用いることができるが、短絡部18を形成するための貫通孔をエッチングにより容易に形成することができる点で、エッチング可能な材料よりなることが好ましく、特にポリイミドが好ましい。
また、絶縁層18Bの厚みdは、絶縁層18Bが柔軟なものであれば特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
支持体25は絶縁層18Bと一体的に設けられるもので、絶縁層18Bと積層された状態で絶縁層18Bの表面に設けられてもよく、絶縁層18Bに中間層として含まれてもよい。
そして支持体25は、電極構造体15とは離間して配置され、電極構造体15と支持体25は絶縁層18Bにより連結されるので、電極構造体15と支持体25は電気的には絶縁されている。
また、後述するシート状プローブ10の製造方法によれば、支持体25は第2の裏面側金属層17Aの一部を除去することにより形成されるものである。
支持体25となる第2の裏面側金属層17Aを構成する金属としては、鉄、銅、ニッケル、チタンまたはこれらの合金若しくは合金鋼を用いることができるが、後述する製造方法においては、エッチング処理によって容易に第2の裏面側金属層17Aを支持体25と裏面電極部17に分離分割できる点で、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼や銅、ニッケルおよびこれらの合金が好ましい。
また、支持体25としては、その線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは−1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような支持体25を構成する材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの合金または合金鋼が挙げられる。
支持体25の厚みは、3〜100μmであることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
この厚みが過小である場合には、シート状プローブを支持する支持体として必要な強度が得られないことがある。一方、この厚みが過大である場合には、後述する製造方法において、エッチング処理によって第2の裏面側金属層17Aより支持体25と裏面電極部17に分離分割することが困難となることがある。
また、支持体25として金属フレーム板を用いる場合には、金属フレーム板の線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような支持体25を構成する材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの合金または合金鋼が挙げられる。
また、本発明のシート状プローブ10では、支持体25と裏面電極部17とが、異なる金属部材から構成されている。
すなわち、後述するように、支持体25は、複数個の貫通孔12が、例えば、パンチング、レーザ加工などによって形成されている金属材料から構成されるものである。
一方、後述するように、裏面電極部17は、樹脂シート16aに金属膜20cが積層された積層シートを用いて、この金属膜20cをエッチング処理を施すことによって、裏面電極部17として形成された金属材料から構成されるものである。
このように、支持体25と裏面電極部17とが、異なる金属部材から構成されているので、支持体25の構成金属種、厚み等に制約がなく、例えば、曲げに対する弾性、入手性などを考慮して任意の金属種で、且つ任意の厚みで支持体25を形成できる。
例えば、支持体25として、裏面電極部17を形成する通常のエッチング液では、エッチング不能、あるいはエッチング速度が非常に遅い金属を用いることができる。また、電極構造体15の裏面電極部17と同一材を用いてエッチングにより貫通孔12を形成するには過大な厚みを有する金属板を、支持体25として用いることもできる。
さらに、裏面電極部17が、支持体25と異なる金属部材から構成されているので、裏面電極部17として、支持体25としての金属に制約されることがなく、好ましい金属としては、例えば、電気的特性に優れた銅などを裏面電極部17の構成金属として用いることができる。
この場合、支持体25を構成する金属部材の構成金属と、裏面電極部17を構成する金属部材の構成金属が、異なる金属種の構成金属から構成されていてもよい。
また、支持体25を構成する金属部材の構成金属と、裏面電極部17を構成する金属部材の構成金属が、同じ金属種の構成金属から構成されていてもよい。
また、絶縁性シートをエッチング等により、図10(a)、(b)示したように、多数の接点膜9に分離して支持体25に支持させてもよい。
この場合、支持体25の各々の開口部26に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図10(a))、部分的に独立した状態(図10(b))で配置される。
接点膜9の各々は、図10(a)、(b)に示すように、柔軟な絶縁層18Bを有し、この絶縁層18Bには、絶縁層18Bの厚み方向に伸びる金属よりなる複数の電極構造体15が、検査対象であるウエハの電極領域における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、絶縁層18Bの面方向に互いに離間して配置されており、接点膜9は、支持体25の開口部内に位置するよう配置されている。
電極構造体15を構成する金属としては、ニッケル、銅、金、銀、パラジウム、鉄などを用いることができ、電極構造体15としては、全体が単一の金属よりなるものであっても、2種以上の金属の合金よりなるものまたは2種以上の金属が積層されてなるものであってもよく、表面電極部16と短絡部18が異なる金属により構成されてもよい。
また、電極構造体15における表面電極部16および裏面電極部17の表面には、電極
部の酸化を防止すると共に、接触抵抗の小さい電極部を得るために、金、銀、パラジウムなどの化学的に安定で高導電性を有する金属被膜が形成されていてもよい。
電極構造体15において、表面電極部16の基端における径R1に対する先端における径R2の比(R2/R1)は、0.11〜0.9であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.6である。
このような条件を満足することにより接続すべき回路装置が、ピッチが小さくて微小な電極を有するものであっても、回路装置に対して安定な電気的接続状態が確実に得られる。
また、表面電極部16の基端の径R1は、電極構造体15のピッチの30〜70%であることが好ましく、より好ましくは35〜60%である。
また、表面電極部16の基端における径R1に対する突出高さhの比h/R1は、0.2〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.6である。
このような条件を満足することにより、接続すべき回路装置がピッチが小さくて微小な電極を有するものであっても、電極のパターンに対応するパターンの電極構造体15を容易に形成することができ、回路装置に対して安定な電気的接続状態が一層確実に得られる。
表面電極部16の基端の径R1は、上記の条件や接続すべき電極の直径などを勘案して設定されるが、例えば30〜80μmであり、好ましくは30〜60μmである。
表面電極部16の突出高さhの高さは、接続すべき電極に対して安定な電気的接続を達成することができる点で、12〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。
また、裏面電極部17の外径R5は、裏面電極部17に連結された短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4より大きく、かつ、電極構造体15のピッチより小さいものであればよいが、可能な限り大きいものであることが好ましく、これにより、例えば異方導電性シートに対しても安定な電気的接続を確実に達成することができる。
また、裏面電極部17の厚みd2は、強度が十分に高くて優れた繰り返し耐久性が得られる点で、10〜80μmであることが好ましく、より好ましくは12〜60μmである。
また、短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4に対する絶縁層18Bの表面側の径R3の比R3/R4は、0.2〜1であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.9である。
また、短絡部18の絶縁層18Bの表面側の径R3は、電極構造体15のピッチの10〜50%であることが好ましく、より好ましくは15〜45%である。
また、保持部19の径R6は、電極構造体15のピッチの30〜70%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。
また、保持部19の厚みd1は、3〜50μmであることが好ましく、より好ましくは4〜40μmである。
また、本発明のシート状プローブ10においては、図5(b)に示したように、支持体25、金属フレーム板24によって絶縁層18Bを支持する構造の他、図5(a)に示したように、絶縁層18B中に金属フレーム板24を有する構造も可能であり、この構造は
、図6から図8に示した通りである。
このシート状プローブ10は、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に形成された貫通孔が形成された金属フレーム板24を有し、この貫通孔内には接点膜9が配置されている。
接点膜9は、金属フレーム板24の貫通孔周辺部の支持部22で、金属フレーム板24に支持されている。
すなわち、支持体25の貫通孔12の周縁部上に、絶縁層18Bによって接点膜9が支持されているので固定強度が高く、このシート状プローブを用いた検査装置による電気検査において高い繰り返し耐久性が得られる。
金属フレーム板24を用いた場合には、金属フレーム板24が樹脂製の絶縁層18Bによって挟み込まれた状態で支持される。
しかしながら、金属フレーム板24は、絶縁層18Bが金属フレーム板の表裏両面を覆うように構成すれば金属フレーム板と絶縁層とは問題なく固定されるため、このシート状プローブを用いた検査装置による電気検査において高い繰り返し耐久性が得られる。
このようなシート状プローブ10は、接点膜の各々の開口部に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図11(a))、部分的に独立した状態(図11(b))で配置されても良い。
さらに、繰り返し検査に使用する場合においても、被検査物への張り付き、電極構造体15の所定位置からの位置ずれを確実に防止できる。
このため、絶縁層18Bの支持方法については、製造コストなどを勘案して、適宜選択すると良い。
また、これらのシート状プローブ10は、ウエハの検査の際に、絶縁層18Bを支持する支持体25や、金属フレーム板24の外縁部分にリング状の支持部材2を備え、ウエハ検査を、良好に行うことができる。
このリング状の支持部材2の材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料が挙げられる。
このような支持部材2により、その剛性でシート状プローブ10を支持することで、後述のプローブカードにおいて、例えばフレーム板に形成した孔と、プローブカードに設けられたガイドピンとを係合させることにより、あるいは支持部材2と、プローブカード周縁部に設けられた周状の段差部とを互いに嵌め合わせることにより、シート状プローブ10の接点膜9に設けられた電極構造体15を、被検査物の被検査電極や異方導電性コネクターの導電部と容易に位置合わせすることができる。
なお、本発明の絶縁層18Bとしては、柔軟性を有する樹脂が用いられる。
絶縁層18Bの形成材料としては、電気的絶縁性を有する樹脂材料であれば特に限定されないが、例えばポリイミド系樹脂、液晶ポリマー、およびこれらの複合材料が挙げられる。
中でも、エッチングも容易であるポリイミドが好ましい。
ポリイミドとしては、
(1)感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子の
ポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニス
(2)熱可塑性ポリイミド
(3)ポリイミドフィルム
が用いられる。
このうち、感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスは、粘性が低いため溶液塗布することができ、塗布後に硬化(重合)するので溶媒の蒸発、重合により体積収縮を伴うものである。
また熱可塑性ポリイミドにおいては、粉末状、フィルム状、溶媒に可溶なため、溶液にして塗布することが可能である。
なお、感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニス、熱可塑性ポリイミドを用いる場合には、これらを積層体に塗布して硬化することにより絶縁層18Bを形成することが好ましい。
また、ポリイミドフィルムは熱にも溶媒にも溶けず安定しており、このようなポリイミドフィルムを用いる場合には、ポリイミドフィルムを接着剤などで積層体に積層することなどにより形成することができる。
このようなシート状プローブ10によれば、電極構造体15には、表面電極部16の基端部分から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に伸びる保持部19が形成されているため、表面電極部16の径が小さいものであっても、保持部19が絶縁層18Bの表面に支持されている状態であるので、電極構造体15が絶縁層18Bの裏面から脱落することがなくて高い耐久性が得られる。
また、径の小さい表面電極部16を有することにより、隣接する表面電極部16の間の離間距離が十分に確保されるため、絶縁層18Bによる柔軟性が十分に発揮され、その結果、小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができる。
また、図9(a)に示したように、予め電極構造体の裏面電極部となる金属膜20cに、絶縁層18Bの幅から、フォトレジスト膜22に形成された開口径φ2の半分の幅を引いた高さ以上の高さを持った短絡部18を金属メッキにより形成すれば、絶縁層18Bの幅が開口径φ2の半分以上であっても、エッチング処理の必要なエッチング幅t3は、開口径φ2の半分以下で済むため、のちに形成される電極構造体15により良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
さらに、図9(b)に示したように、短絡部18が形成される絶縁層18Bの貫通孔30Aは、両側の開口から貫通方向中央部へ向かってその径が次第に小さくなる括れた形状になっている。この貫通孔30Aは、貫通孔30Aを形成する位置に開口を形成したレジストパターンを絶縁層18Bの両面側に配置し、エッチング液により絶縁層を両面側から溶解することにより、厚さ方向の中央部付近で孔を貫通させて形成したものである。
貫通孔30Aの内面の傾斜角度θは、絶縁層18Bとしてポリイミド膜を使用した場合には、加工条件にもよるが、例えば45°〜55°貫通孔中央部の最も小径となる部分の孔径φ2はできるだけ大きいことが望ましく、孔径φ2があまり小さくなると、電解メッキにより貫通孔30A内をメッキする際に、メッキ液が奥まで循環せずにボイドが発生することがある。また、電極構造体15の電気抵抗値が増加し、それぞれの電極構造体15
における電気抵抗値のバラツキが大きくなる。この小径部分の孔径φ2は、貫通孔30Aの開口径φ1および絶縁層18Bの厚さtに依存する。
裏面電極部17には、金属からなる柱状部17dが、絶縁層18Bの貫通孔30A内部へ立設されている。この柱状部17dは、後述するように、シート状プローブの製造工程において、裏面電極部17を形成するための金属シート上にこの柱状部17dが立設されたシート(第1のシート)と、両面側からのエッチングにより貫通孔30Aが形成された絶縁層18Bが金属フレーム板24と一体化されたシート(第2のシート)とを、柱状部17dを貫通孔30Aへ挿入して重ね合わせることにより、これらを所定の位置関係で積層固定するためのものである。
この柱状部17dの径は、絶縁層18Bの貫通孔30Aにおける中央部の小径部分の孔径φ2よりも小さく、この小径部分と柱状部17dとの間には間隙が形成されており、電解メッキにより貫通孔30A内をメッキする際に、電解メッキ液はこの間隙を通り貫通孔30Aの奥まで循環する。この間隙があまり小さくなると、メッキ液が奥まで循環せずにボイドが発生することがある。
また、以下に、本発明のシート状プローブ10の別の製造方法について説明する。
まず、図12(a)に示したように、絶縁層18Bを形成するための樹脂シート16aに金属膜20cが積層されたシートを用意する。例えばポリイミドに銅箔が貼付された市販の銅張積層板を用いることができる。
この積層シートの金属膜20cの上面に図12(b)に示したように感光性ドライフイルム等のフォトレジスト膜22を形成し、金属膜20c上に形成されたフォトレジスト膜22に、形成すべき電極構造体のパターンに従って複数の開口23を形成する(図12(c))。
さらに、開口23に金属膜20cを共通電極としてメッキ処理を施すことにより、図12(d)に示したよう金属膜20c上に形成すべき電極構造体のパターンに従って金属メッキ29が充填され、図13(a)に示したように、フォトレジスト膜22を剥離することにより、金属膜20c上に柱状の金属メッキ29が立設される。
この積層シートの、柱状に金属メッキ29を立設された金属膜20c表面に、例えばスピンコート等の方法にて接着剤や接着用の高分子物質形成用液状物(熱硬化性のポリイミド、ポリイミド前駆体を溶媒に希釈したポリイミドのワニス等)を均一に塗布し、図13(b)のように支持体11を用意し、図13(c)に示したように重ねる。この支持体11には、予め所定の位置に、接点膜が配置される貫通孔12が形成されている。
この場合、支持体11としては、金属フレーム板の他に、多孔膜が使用でき、多孔膜としては、柔軟性を有する多孔膜、例えば、有機繊維からなるメッシュもしくは不織布を用いることができる。
メッシュもしくは不織布を形成する有機繊維としては、例えばアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維などのフッ素樹脂繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。
合成繊維からなるメッシュでは、例えば繊維径が15〜100μm、メッシュ開口径が20〜200μmのものを使用できる。
また、ポリテトラフルオロエチレンからなる開口径が1〜5μm程度のメンブレンフィルターを用いてもよい。
また、多孔膜として金属からなるメッシュを用いてもよく、メッシュを形成する金属としては、例えばステンレス、アルミニウムが挙げられる。
また、多孔膜を用いたシート状プローブ10は、接点膜9の支持部22が、多孔膜24と絶縁膜18Bとが一体化した構造となっているので固定強度が高く、このシート状プローブ10を用いた検査装置による電気検査において高い繰り返し耐久性が得られる。
また、この場合の接着剤層の厚みは、柱状に立設された金属メッキ29より小さいため、立設された金属メッキ29の頂部は接着剤層より露出する。
次に、図14(a)に示したように、支持体11の表面に、高分子物質形成用液状物16bを塗布する。高分子物質形成用液状物16bは、例えば絶縁層18Bの形成樹脂のプレポリマーを含む液状物であり、好ましくは感光性ポリイミド溶液もしくは熱硬化性ポリイミドの前駆体溶液が用いられる。この場合、樹脂シート16aにはポリイミドシートを用いることが望ましい。
高分子物質形成用液状物16bを塗布した後、硬化処理を行い、高分子物質形成用液状物16bの硬化樹脂と、支持体11と、柱状に金属メッキ29を立設された金属膜20cとが一体化した絶縁層18Bが得られる(図14(b))。このような方法で絶縁層18Bを形成することにより、支持体11の微細孔内に絶縁層18Bが入り込んだ状態でこれらが一体に固定される。そして、図14(c)に示したように、得られた積層体の絶縁層18B上にフォトレジスト膜22Aを形成する。
次に、図15(a)に示したように、絶縁層18B上に形成されたフォトレジスト膜22Aに、再度、形成すべき電極構造体15のパターンに従って複数の開口23aを形成し、さらに図15(b)に示したように、絶縁層18Bをエッチングするが、この際形成すべき電極構造体15の部分には、予め図13(a)の工程により作成された柱状の金属メッキ29が立設されているため、柱状の金属メッキ29の頂面が露出されるところまでエッチングを行えば良い。
このようにして、形成すべき電極構造体15のパターンに従って絶縁層に複数の開口23bが形成される。
なお、開口23bは、絶縁層18Bに対してウェットエッチングを行うことにより形成される。
次に、図15(c)に示したように、フォトレジスト膜22Aを絶縁層18Bより剥離し、さらに図16(a)に示したように絶縁層18Bの上面の形成すべき電極構造体15のパターンに従った開口23bに再度金属メッキを施し、金属メッキ充填部29aを形成する。
そして、このようにして開口23b内に、金属メッキ充填部29aが形成された積層体の絶縁層18B上に、図16(b)に示したように、さらに別のフォトレジスト膜22Bを形成する。このフォトレジスト膜22Bに対して、再度、形成すべき電極構造体15のパターンに従って複数の開口23cを形成する。
この場合、後述するように、開口23c内に充填した金属メッキによって、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる円形リング板状の保持部19を形成するように、図16(b)に示したように、開口23cの直径は、開口23bよりも大きな直径となるように設定されている。
そして、このように形成した開口23cに再度金属メッキを施し、保持部19を形成する。
一方、図17(a)に示したように、ポリイミドなどの樹脂からなる樹脂シート20bの表面に、フォトレジスト膜21aを形成して、このフォトレジスト膜21aに電極構造体15のパターンに従った開口21cを形成する。
図17(b)に示したように、この樹脂シート20bの裏面に、保護膜22aを形成して、エッチング処理することによって、樹脂シート20bの表面に、テーパ形状の開口24aを形成する。
そして、図17(c)に示したように、フォトレジスト膜21aと保護膜22aをエッチングによって除去することによって、テーパ形状の開口24aが形成された樹脂シート20bを作製する。
次に、図18(a)に示したように、このテーパ形状の開口24aが形成された樹脂シート20bを、保持部19を形成した樹脂シート16aのフォトレジスト膜22Bの上に、テーパ形状の開口24aの大径側が、開口23cに充填された保持部19に合致するように積層して接着剤を介して貼着する。
そして、図18(b)に示したように、この状態で、再度金属メッキを施すことによって、テーパ形状の開口24a内に、表面電極部16を形成する。
次に、図18(c)に示したように、エッチング処理によって、樹脂シート20b、フォトレジスト膜22Bを溶解除去する。
これによって、短絡部18に連続して基端から先端に向かうに従って小径となるテーパ状とされて全体が円錐台状に形成された表面電極部16が形成される。
次に、図19(a)に示したように、絶縁層の開口23bに施された表面電極部16の上面よりフォトレジスト膜22Cを形成し、図19(b)に示したように、樹脂シート16aに金属膜20cが積層された積層シートのうち、樹脂シート16a部分をエッチングにより除去する。
さらに、図20(a)に示したように、積層シートの樹脂シート16a部分が除去され、剥き出しとなった金属膜20cにフォトレジスト膜22Dを形成し、また図20(b)に示したように電極構造体のパターンに従った箇所が残存するようにし、さらにエッチング処理を行う(図20(c))。
そして、金属膜20cをエッチングしてその一部を除去することにより、図20(d)に示したように、裏面電極部17が形成される。
次に、支持体11の一部分を露出させ、各々の接点膜に分離する工程であるが、図21(a)に示したように、積層体のうち支持体11の外縁部に相当する部分を残して、表裏面にフォトレジスト膜22Eを形成し、さらに支持体11を介して互いに独立させたい接点膜の範囲を残すようにフォトレジスト膜22Eをパターニングする(図21(b))。
そして、図21(c)に示したように、絶縁層18Bをエッチングしてその一部を除去し、最後に積層体の表裏面に形成されたフォトレジスト膜22Eを除去することにより、図21(d)に示したような、互いに独立した各絶縁層18Bと、支持体11との支持部19で接点膜9が指示されたシート状プローブ10が得られる。
このような、図12(a)から図14(c)に示した工程においては、図22(a)から図24(d)の工程に変えることが可能であり、この工程について説明する。
まず、図22(a)に示したように、絶縁層18Bを形成するための樹脂シート16aに金属膜20cが積層されたシートを用意する。例えばポリイミドに銅箔が貼付された市
販の銅張積層板を用いることができる。
この積層シートの金属膜20cの上面に図22(b)に示したように絶縁層18Bを形成し、さらにその上から感光性ドライフイルム等のフォトレジスト膜22Fを形成し(図22(c))、金属膜20c上に形成されたフォトレジスト膜22Fに、形成すべき電極構造体のパターンに従って複数の開口23aを形成する(図22(d))。
さらに、図23(a)に示したように開口23aを介して、絶縁層18Bにエッチング処理を施すことにより、金属膜20cまでつながった開口23aを形成する。
また、開口23aに金属膜20cを共通電極としてメッキ処理を施すことにより、図23(b)に示したよう金属膜20c上に形成すべき電極構造体のパターンに従って金属メッキ29が充填され、図23(c)に示したように、フォトレジスト膜22Fを剥離することにより、金属膜20c上に柱状の金属メッキ29が立設される。
この積層シートの、柱状に金属メッキ29を立設された金属膜20c表面に、図23(d)のように支持体11を用意し、図24(a)に示したように重ねる。この支持体11には、予め所定の位置に、接点膜が配置される貫通孔12が形成されている。
次に、図24(b)に示したように、支持体11の表面に、高分子物質形成用液状物16bを塗布し、支持体11の微細孔内部まで含浸する。高分子物質形成用液状物16bは、例えば絶縁層18Bの形成樹脂のプレポリマーを含む液状物であり、好ましくは感光性ポリイミド溶液もしくは熱硬化性ポリイミドの前駆体溶液が用いられる。この場合、樹脂シート16aにはポリイミドシートを用いることが望ましい。
高分子物質形成用液状物16bを塗布した後、硬化処理を行い、高分子物質形成用液状物16bの硬化樹脂と、支持体11と、柱状に金属メッキ29を立設された金属膜20cとが一体化した絶縁層18Bが得られる(図24(c))。このような方法で絶縁層18Bを形成することにより、支持体11の微細孔内に絶縁層18Bが入り込んだ状態でこれらが一体に固定され、図24(d)に示したように、得られた積層体の絶縁層18B上にフォトレジスト膜22Gを形成する。
以上の図12(a)から図14(c)に示した工程に変えて説明した、図22(a)から図24(d)の工程によれば、図22(b)に示した工程において新たに絶縁層18Bを形成しているため、支持体11が直接、金属膜20cと重なることなく、新たな絶縁層18Bの上に重なることとなるため(図24(a))、支持体11を絶縁層18Bの表裏面から挟む構造とすることができ、支持体11が金属フレーム板であっても強固に固定することができる。
以下、本発明のシート状プローブのさらに別の製造方法について説明する。
まず、図25(a)に示したように、樹脂等からなるポリイミドシート20aが積層された金属膜21bを用意する。例えば、硬化してポリイミドとなるワニス等の液状物を銅箔上に塗布し、硬化処理することにより銅箔上にポリイミドフィルムを積層した積層シート、ポリイミドフィルム上に銅箔を貼付した積層シート、ポリイミドフィルム上に電解銅をメッキした積層シートなどが市販されている。金属膜21bは、後にエッチング処理により電極構造体の裏面電極となるので、その厚さは得ようとする裏面電極の厚さとなる。
この積層シートに対して、金属膜21b側にフォトレジスト膜22Hを形成し(図25(b))、露光および現像により、電極構造体を形成するための所定位置に開口23を形成したパターンを得る(図25(c))。
次に、金属膜21bを共通電極として電解メッキなどのメッキを行い、それぞれの開口23に金属を充填する(図26(a))。これにより、金属膜21b上における電極構造体を形成する各位置から立設された柱状部17dが得られる。柱状部17dを形成した後、フォトレジスト膜22Hを除去することにより、第1のシート24Aを得る(図26(b))。
一方で、図27(a)に示したように、パンチング、エッチングなどの任意の方法によって、接点膜を形成する位置に貫通孔12を予め穿孔した支持体11を用意する。また、図27(b)に示したように、金属膜26aの上に樹脂シート16aが積層されたシートを用意する。この積層シートの樹脂シート16a側に、熱硬化性接着剤16dを塗布し(図27(c))、その上に支持体11を重ね合わせる(図28(a))。
次に、得られた積層シートの金属フレーム板24側から、高分子物質形成用液状物16cを塗布し、支持体11と一体化する(図28(b))。高分子物質形成用液状物16cは、例えば絶縁層18Bの形成樹脂のプレポリマーを含む液状物であり、好ましくは感光性ポリイミド溶液もしくは熱硬化性ポリイミドの前駆体溶液が用いられる。この場合、樹脂シート16aとしてポリイミドシートを用いると共に、熱硬化性接着剤として硬化によりポリイミドとなるものを用いることが望ましい。
高分子物質形成用液状物16cを塗布した後、硬化処理を行い、高分子物質形成用液状物16cの硬化樹脂と、熱硬化性接着剤16dの硬化樹脂と、樹脂シート16aとが一体化した絶縁層18Bが得られる(図28(c))。このような方法で絶縁層18Bを形成することにより、支持体11と絶縁層18Bが一体化される。
次に、図29(a)に示したように、金属膜26aとは反対側の面にフォトレジスト膜27を形成し、その後、金属膜26aをエッチングにより除去して絶縁層18Bを表出させる(図29(b))。この絶縁層18Bが表出した面に、フォトレジスト膜28を形成し(図29(c))、露光および現像により、両面側のフォトレジスト膜27,28に対して、電極構造体を形成するための所定位置に開口29Cを形成したパターンを得る(図30(a))。
このシートを、絶縁層18Bを溶解するエッチング液に浸漬してエッチング処理を行うことにより、両面側の開口29c,29cから絶縁層18Bに対してエッチング液が接触して、厚み方向へ両側から溶解が進行して中央部付近で孔が貫通する(図30(b))。
このようにして形成された貫通孔の形状を図59に示した。図示したように、エッチングにより形成された貫通孔30Aの内面は角度θ(絶縁層18Bがポリイミドである場合、例えば45°〜50°)だけ傾斜しており、両側開口の径φ1が最も大きく厚さ方向中央部の径φ2がもっとも小さい括れた形状になっている。
貫通孔30Aを形成した後、両面側のフォトレジスト膜27,28を除去することにより、第2のシート31Aを得る(図30(c))。
このようにして、図26の第1のシート24Aと、図30の第2のシート31Aとを作製した後、これらを重ね合わせる。即ち、図31(a)に示したように、第1のシート24Aの柱状部17dが、第2のシート31Aの絶縁層18Bを貫通する貫通孔30Aに挿入されるように、第1のシート24Aと第2のシート31Aとを重ね合わせる(図31(b))。
このように第1のシートの柱状部17dを第2のシートの貫通孔30Aに挿入しているので、第1のシート24Aと第2のシート31Aとは互いに所定の位置関係で固定され、
そのまま後続するメッキ工程を行うことができる。
しかし、場合によっては第2のシート31Aに熱硬化性接着剤、例えば硬化によりポリイミドとなる接着剤を塗布してからこれらを重ね合わせることにより、これらを接着固定するようにしてもよい。
この場合、貫通孔30Aの底面における金属膜21bおよび柱状部17dの表面に残存した接着剤樹脂を除去する必要があるが、必要に応じて第1のシート24A側に保護シートを配置すると共に、第2のシート31A側に、貫通孔30Aの位置に開口を形成したフォトレジストパターンを形成して、接着剤樹脂をエッチングにより除去することができる。
また、接着剤樹脂を、第1のシート24Aに対して、柱状部17dの部分を避けるように金属膜21bの表面の一部に塗布し、この接着剤樹脂を塗布した第1のシート24Aと第2のシートとを重ね合わせてもよい。この場合、貫通孔30Aの底面における金属膜21bおよび柱状部17dの表面に接着剤樹脂が残留することが少なく、接着剤樹脂の除去が容易または不用となる。
また、スピンコート等を行うことにより、液状の接着剤樹脂の薄い層を第1のシート24Aの金属膜21bの表面に均一に設けてもよい。この場合、接着剤樹脂の層の厚みを柱状部17dの高さより小さくすることにより、柱状部17dの表面へ残留する接着剤樹脂が少なくなり、接着剤樹脂の除去が容易または不用となる。
次に、図31(c)に示したように、金属膜21bを共通電極として電解メッキを行う等の方法でメッキを行い、貫通孔30A内を金属で充填することによって、金属メッキ充填部29aを形成する。
そして、金属メッキ充填部29aが形成された積層体の絶縁層18B上に、図32(a)に示したように、さらに別のフォトレジスト膜22Iを形成する。このフォトレジスト膜22Iに対して、再度、形成すべき電極構造体15のパターンに従って複数の開口23cを形成する。
この場合、後述するように、開口23c内に充填した金属メッキによって、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる円形リング板状の保持部19を形成するように、図32(b)に示したように、開口23cの直径は、開口23bよりも大きな直径となるように設定されている。
そして、このように形成した開口23cに再度金属メッキを施し、保持部19を形成する(図32(c))。
次に、図33(a)に示したように、このテーパ形状の開口24aが形成された樹脂シート20bを、保持部19を形成した樹脂シート16aのフォトレジスト膜22Iの上に、テーパ形状の開口24aの大径側が、開口23cに充填された保持部19に合致するように積層して接着剤を介して貼着する。
そして、図33(b)に示したように、この状態で、再度金属メッキを施すことによって、テーパ形状の開口24a内に、表面電極部16を形成する。
次に、図33(c)に示したように、エッチング処理によって、樹脂シート20b、フォトレジスト膜22Iを溶解除去する。
これによって、短絡部18に連続して基端から先端に向かうに従って小径となるテーパ状とされて全体が円錐台状に形成された表面電極部16が形成される。
その後、この表面電極部16側のシート面全体にフォトレジスト膜33を形成した後(図34(a))、ポリイミドシート20aをエッチングにより除去して金属膜21bを表出させる(図34(b))。この金属膜21bの表面に、フォトレジスト膜34を形成し(図34(c))、裏面電極部を形成する部分をこのフォトレジスト膜34でマスクするようにパターンを形成し(図35(a))、次いで金属膜21bをエッチングすることにより、フォトレジスト膜34で被覆された部分以外の金属膜21bを除去して絶縁層18Bを表出させる(図35(b))。
このようにして、表面電極部16と裏面電極部17とを備えた電極構造体15が形成される。次いで裏面電極部17上のフォトレジスト膜34を除去し(図35(c))、この面の全体にフォトレジスト膜35Aを形成する(図36(a))。このフォトレジスト膜35Aを、裏面電極部17の表面に開口36Aが配置されるようにパターニングし(図36(b))、高導電性金属などの被覆膜18Aを裏面電極部17の上にメッキする。
次いでフォトレジスト膜35Aを除去し(図37(a))、この面の全体にフォトレジスト膜37Aを形成し(図37(b))、絶縁層18Bを残存させる部分をマスクするようにフォトレジスト膜33,37Aをパターニングする(図37(c))。このシートを、絶縁層18Bを溶解するエッチング液に浸漬することにより、フォトレジスト膜33,37でマスクされた部分以外の絶縁層18Bを除去して支持体11を表出させ(図38(a))、次いでフォトレジスト膜33,37Aを除去することにより、金属支持体11の貫通孔12に接点膜9が形成されたシート状プローブが得られる。
以上、シート状プローブの製造方法について説明したが、上述した以外の方法でもシート状プローブを得ることができる。例えば、金属フレーム板24と絶縁層18Bとが一体に固定された第2のシート31Aは、上記の製法の他、図27(b)のような樹脂シート16aと金属膜26aとの積層シートの代わりにポリイミドシートなどの樹脂シートを用いる方法、あるいは、銅箔等の金属膜上に金属フレーム板24を重ねた状態で、またはこれらを熱硬化性接着剤で接着固定した状態で、金属フレーム板24の表面から高分子物質形成用液状物を塗布し、次いで硬化処理する方法などによっても得ることができる。また、貫通孔12を形成した金属フレーム板24と共にインサート成形することによって金属フレーム板24と絶縁層18Bとが一体化したシートを得ることもできる。
接点膜の支持体11として、金属フレーム板24を使用する場合には、予め接点膜9を配置する位置に貫通孔12を形成した金属フレーム板24を用意しておき、その後は上記の製造工程に準じてシート状プローブを得ることができる。
第1のシート24Aにおけるポリイミドシート20aは、後工程で保護シートを金属膜21bの上に形成する場合には必ずしも必要ではない。
<プローブカードおよび回路装置の検査装置>
図39は、本発明に係る回路装置の検査装置の一例における構成を示す説明用断面図であり、この回路装置の検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うためのものである。
この回路装置の検査装置は、被検査回路装置であるウエハ6の被検査電極7の各々とテスターとの電気的接続を行うプローブカード1(絶縁層18Bを支持体25で支持するシート状プローブ)を有する。
このプローブカード1においては、図42にも拡大して示すように、ウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って複数の
検査電極21が表面(図において下面)に形成された検査用回路基板20を有している。
さらに、この検査用回路基板20の表面には、異方導電性コネクター30が配置され、この異方導電性コネクター30の表面(図において下面)には、ウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って複数の電極構造体15が配置された、図1に示す構成のシート状プローブ10が配置されている。
そして、シート状プローブ10はガイドピン50により異方導電性コネクター30と、電極構造体15と導電部36が一致するように固定された状態で保持されている。
また、プローブカード1における検査用回路基板20の裏面(図において上面)には、プローブカード1を下方に加圧する加圧板3が設けられ、プローブカード1の下方には、ウエハ6が載置されるウエハ載置台4が設けられており、加圧板3およびウエハ載置台4の各々には、加熱器5が接続されている。
また、このような回路装置の検査装置は、図40に示したように、シート状プローブ10は、適宜必要に応じて、支持体11(金属フレーム板24を含む)の外縁部に支持部材2が固定された状態で使用される。
さらに、このような回路装置の検査装置は、分解すると図41(a)、図41(b)に示したような構成であり、異方導電性コネクター30のフレーム板31に形成された貫通孔と、ガイドピン50とが嵌合することによって、位置決めを行っている。
また、シート状プローブ10は、支持体25(金属フレーム板24、金属フレーム板24を含む)の外縁部に接着した支持部材2と、加圧板3の凹部とが嵌合することによって、位置決めを行うことができるようになっている。
さらに、検査用回路基板20を構成する基板材料としては、従来公知の種々の基板材料を用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の複合樹脂材料、ガラス、二酸化珪素、アルミナ等のセラミックス材料などが挙げられる。
また、WLBI試験を行うための検査装置を構成する場合には、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kである。
このような基板材料の具体例としては、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。
異方導電性コネクター30は、図44に示すように、被検査回路装置であるウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7が配置された電極領域に対応して複数の開口32が形成されたフレーム板31と、このフレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された複数の異方導電性シート35とにより構成されている。
フレーム板31を構成する材料としては、フレーム板31が容易に変形せず、その形状が安定に維持される程度の剛性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、フレーム板31を例えば金属材料により構成する場合には、フレーム板31の表面に絶縁性被膜が形成されていてもよい。
フレーム板31を構成する金属材料の具体例としては、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウムなどの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などが挙げられる。
フレーム板31を構成する樹脂材料の具体例としては、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
また、この検査装置がWLBI(Wafer Level Burn−in)試験を行うためのものである場合には、フレーム板31を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42アロイなどの磁性金属の合金または合金鋼などが挙げられる。
フレーム板31の厚みは、その形状が維持されると共に、異方導電性シート35を支持することが可能であれば、特に限定されるものではなく、具体的な厚みは材質によって異なるが、例えば25〜600μmであることが好ましく、より好ましくは40〜400μmである。
異方導電性シート35の各々は、弾性高分子物質によって形成されており、被検査回路装置であるウエハ6に形成された一の電極領域の被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って形成された、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部36と、これらの導電部36の各々を相互に絶縁する絶縁部37とにより構成されている。
また、図示の例では、異方導電性シート35の両面には、導電部36およびその周辺部分が位置する個所に、それ以外の表面から突出する突出部38が形成されている。
異方導電性シート35における導電部36の各々には、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。これに対して、絶縁部37は、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものである。
異方導電性シート35の全厚(図示の例では導電部36における厚み)は、50〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜1000μm、特に好ましくは80〜500μmである。
この厚みが50μm以上であれば、異方導電性シート35には十分な強度が得られる。
一方、この厚みが2000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する導電部36が確実に得られる。
突出部38の突出高さは、その合計が突出部38における厚みの10%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上である。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、小さい加圧力で導電部36が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
また、突出部38の突出高さは、突出部38の最短幅または直径の100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、突出部38が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
異方導電性シート35を形成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。
かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができるが、液状シリコーンゴムが好ましい。
導電性粒子Pを得るための磁性芯粒子は、その数平均粒子径が3〜40μmのものであることが好ましい。
ここで、磁性芯粒子の数平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
上記数平均粒子径が3μm以上であれば、加圧変形が容易で、抵抗値が低くて接続信頼性の高い導電部36が得られやすい。
一方、上記数平均粒子径が40μm以下であれば、微細な導電部36を容易に形成することができ、また、得られる導電部36は、安定な導電性を有するものとなりやすい。
磁性芯粒子を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、これらの金属を銅、樹脂によってコーティングしたものなどを用いことができるが、その飽和磁化が0.1Wb/m2以上のものを好ましく用いることができ、より好ましくは0.3Wb/m2以上、特に好ましくは0.5Wb/m2以上のものであり、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト
またはそれらの合金などが挙げられる。
磁性芯粒子の表面に被覆される高導電性金属としては、金、銀、ロジウム、白金、クロムなどを用いることができ、これらの中では、化学的に安定でかつ高い導電率を有する点で金を用いるが好ましい。
導電性粒子Pは、芯粒子に対する高導電性金属の割合〔(高導電性金属の質量/芯粒子の質量)×100〕が15質量%以上とされ、好ましくは25〜35質量%とされる。
高導電性金属の割合が15質量%未満である場合には、得られる異方導電性コネクター30を高温環境下に繰り返し使用したとき、導電性粒子Pの導電性が著しく低下する結果、所要の導電性を維持することができない。
また、導電性粒子Pの数平均粒子径は、3〜40μmであることが好ましく、より好ましくは6〜25μmである。
このような導電性粒子Pを用いることにより、得られる異方導電性シート35は、加圧変形が容易なものとなり、また、導電部36において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
また、磁性芯粒子の表面に高導電性金属を被覆する際に、粒子が凝集することにより、粒子径の大きい導電性粒子Pが発生することがあるため、必要に応じて、導電性粒子Pの分級処理を行うことが好ましく、これにより、所期の粒子径を有する導電性粒子Pが確実に得られる。
導電性粒子Pの分級処理を行うための分級装置としては、前述の磁性芯粒子を調製するための分級処理に用いられる分級装置として例示したものを挙げることができる。
導電部36における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。
この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電部36が得られないことがある。
一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電部36は脆弱なものとなりやすく、導電部36として必要な弾性が得られないことがある。
以上のような異方導電性コネクター30は、例えば特開2002−324600号公報に記載された方法によって製造することができる。
上記の検査装置においては、ウエハ載置台4上に検査対象であるウエハ6が載置され、次いで、加圧板3によってプローブカード1が下方に加圧されることにより、そのシート状プローブ10の電極構造体15における表面電極部16の各々が、ウエハ6の被検査電極7の各々に接触し、更に、表面電極部16の各々によって、ウエハ6の被検査電極7の各々が加圧される。
この状態においては、異方導電性コネクター30の異方導電性シート35における導電部36の各々は、検査用回路基板20の検査電極21とシート状プローブ10の電極構造体15の裏面電極部17とによって挟圧されて厚み方向に圧縮されている。
このため、導電部36にはその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハ6の被検査電極7と検査用回路基板20の検査電極21との電気的接続が達成される。
その後、加熱器5によって、ウエハ載置台4および加圧板3を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
上記のプローブカード1によれば、図1に示すシート状プローブ10を備えてなるため、小さいピッチで被検査電極7が形成されたウエハ6に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、シート状プローブ10における電極構造体15が脱落することがなく、絶縁層18Bの厚みが大きいため高い耐久性が得られる。
そして、上記の検査装置によれば、図1に示すシート状プローブ10を有するプローブカード1を備えてなるため、小さいピッチで被検査電極7が形成されたウエハ6に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、プローブカード1が高い耐久性を有するため、多数のウエハ6の検査を行う場合でも、長期間にわたって信頼性の高い検査を実行することができる。
本発明の回路装置の検査装置は、上記の例に限定されず、以下のように、種々の変更を加えることが可能である。
(1)図39および図40に示すプローブカード1は、ウエハ6に形成された全ての集積回路の被検査電極7に対して一括して電気的接続を達成するものであるが、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に電気的に接続されるものであってもよい。
選択される集積回路の数は、ウエハ6のサイズ、ウエハ6に形成された集積回路の数、各集積回路における被検査電極7の数などを考慮して適宜選択され、例えば16個、32個、64個、128個である。
このようなプローブカード1を有する検査装置においては、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に、プローブカード1を電気的に接続して検査を行い、その後、他の集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に、プローブカード1を電気的に接続して検査を行う工程を繰り返すことに
より、ウエハ6に形成された全ての集積回路の電気的検査を行うことができる。
そして、このような検査装置によれば、直径が8インチまたは12インチのウエハ6に高い集積度で形成された集積回路について電気的検査を行う場合において、全ての集積回路について一括して検査を行う方法と比較して、用いられる検査用回路基板20の検査電極数や配線数を少なくすることができ、これにより、検査装置の製造コストの低減化を図ることができる。
(2)異方導電性コネクター30における異方導電性シート35には、被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って形成された導電部36の他に、被検査電極7に電気的に接続されない非接続用の導電部36が形成されていてもよい。
(3)本発明の検査装置の検査対象である回路装置は、多数の集積回路が形成されたウエハ6に限定されるものではなく、半導体チップや、BGA、CSPなどのパッケージLSI、CMCなどの半導体集積回路装置などに形成された回路の検査装置として構成することができる。
(4)シート状プローブ10は円筒形のセラミック等の保持体により保持された状態にて、異方導電性シート35や検査用回路基板20と、例えばガイドピン50等にて固定一体化することもできる。
(5)本発明のシート状プローブ10の製造方法において第2の裏面側金属層17Aは必須のものでなく、これを省略し短絡部形成用凹所18Kとパターン孔17Hに金属を充填することにより短絡部18と一体化した裏面電極部17を形成してもよい。
この場合、支持体25が必要な場合は別途用意した支持体25と製造したシート状プローブ10に接着剤等を用いて積層して一体化すればよい。
(6)本発明のシート状プローブ10においては、例えば図10(a)に示すような電極構造体15を有する絶縁層18Bよりなる複数の接点膜9が、支持体25の開口部26の各々に配置し支持体25により支持された状態のシート状プローブ10であってもよく、更に図10(b)に示すように一つの接点膜9が支持体25の複数の開口部26を覆うように配置されたものであってもよい。
このように独立する複数の接点膜9によりシート状プローブ10を構成することにより、例えば直径8インチ以上のウエハ検査用のシート状プローブ10を構成した場合、温度変化による接点膜9の伸縮が小さくなり電極構造体15の位置ずれが小さくなり好ましい。
このようなシート状プローブ10は、絶縁層18Bにレジストによるパターニングと、エッチングにより絶縁層18Bを任意の形状の接点膜9に分割することにより得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験用ウエハの作製>
図45に示すように、直径が8インチのシリコン(線熱膨張係数3.3×10-6/K)製のウエハ6上に、それぞれ寸法が6.85mm×6.85mmの正方形の集積回路Lを合計で483個形成した。
ウエハ6に形成された集積回路Lの各々は、図46に示すように、その中央に被検査電極領域Aを2500μmの間隔で2列に有し、この被検査電極領域Aには、図47に示す
ように、それぞれ縦方向(図47において上下方向)の寸法が90μmで横方向(図47において左右方向)の寸法が90μmの矩形の26個の被検査電極7が120μmのピッチで横方向に一列に配列されている。
このウエハ6全体の被検査電極7の総数は26116個であり、全ての被検査電極7は互いに電気的に絶縁されている。以下、このウエハ6を「試験用ウエハW1」という。
また、全ての被検査電極7を互いに電気的に絶縁することに代えて、集積回路Lにおける26個の被検査電極のうち最も外側の被検査電極7から数えて1個おきに2個ずつを互いに電気的に接続したこと以外は、上記試験用ウエハW1と同様の構成の483個の集積回路Lをウエハ6上に形成した。
以下、このウエハを「試験用ウエハW2」という。
(実施例1)
直径が20cmで厚みが25μmのポリイミドシート16aの片面に直径が20cmで厚みが12μmの銅よりなる金属膜20cが積層された積層ポリイミドシートを用意した(図12(a)参照)。
この積層ポリイミドシートの金属層の表面に厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、レジスト膜22を形成した(図12(b)参照)。
次に、レジスト膜22に試験用ウエハW1に形成された被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って直径が40μmの円形の26116個の開口23を形成した(図12(c)参照)。
次に、積層ポリイミドシートをスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、金属膜20cを共通電極として、電解メッキ処理を施して各開口23内に金属を充填することにより、直径40μmで厚さ25μmの円錐台の金属メッキ29を形成した(図12(d)参照)。
そして、レジスト膜22を除去して、金属メッキ29が所定の位置に立設した金属層20cを得た(図13(a))。
そして、直径が24cmでポリアリレート系繊維よりなるメッシュ(NBC株式会社製:Vスクリーン 品番V380 厚さ=43μm、線径=23μm、メッシュ数=150/cm、開口率=43%)に、試験用ウエハW1の集積回路Lの各々の被検査領域Aに対応する位置に、横方向3600μm×縦方向1000μmの貫通孔966個が打ち抜き加工により穿孔され、その周縁部の両面に、内径が20.4cmで外径が24cmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護テープを備えた支持体11を用意した。(図13(b))
次いで、金属メッキ29を立設した金属層20cの表面に、貫通孔を形成したこの支持体11を、その支持体11の貫通孔内に金属層20cに立設された金属メッキ29が位置するように位置合わせを行って重ね合わせた(図13(c))。
そして、支持体の表面から液状ポリイミド16bを塗布して、硬化させ厚さ50μmのポリイミドよりなる絶縁層18Bを形成した(図14(b)参照)。
次いで、絶縁層18Bの表面に25μmのドライフィルムレジストによって、レジスト膜22Aを形成した(図14(c)参照)。
次に、レジスト膜22Aに試験用ウエハW1に形成された被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って直径が60μmの円形の26116個の開口23aを形成した(図15(a)参照)。
そして、レジスト膜22Aの開口23aを介して、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁層18Bにエッチングを行って開口23bを形成し、その底部に金属メッキ29を露出させた(図15(b)参照)。
次いで、絶縁層18Bよりレジスト膜22Aを除去した(図15(c)参照)。
そして、この積層体をスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、金属膜20cを共通電極として、電解メッキ処理を施して各開口23b内に金属を充填することにより、金属メッキ充填部29aを形成した(図16(a)参照)。
次に、金属メッキ充填部29aを形成した絶縁層18Bの表面に、厚さ10μmのドライフィルムレジストによって、レジスト膜22Bを形成し、試験用ウエハW1に形成された被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って直径が70μmの円形の26116個の開口23cを形成した(図16(b)参照)。
そして、この積層体をスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、金属膜20cを共通電極として、電解メッキ処理を施して各開口23c内に金属を充填することにより、保持部19を形成した(図16(c)参照)。
一方、厚さ25μmのポリイミドシート(20b)の表面に25μmのドライフィルムレジストによって、レジスト膜21aを形成し、試験用ウエハW1に形成された被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って直径45μmの開口21cを形成する(図17(a)参照)。
次に、このポリイミドシート20bの裏面に25μmのドライフィルムレジストによって保護膜22aを形成した後、レジスト膜21aの開口21cを介して、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、ポリイミドシート20bを貫通する開口24aを形成した。
ポリイミドシート20bに形成された開口24aは、一面における直径が55μm、他面における直径が25μmであった(図17(b)参照)。
そして、ポリイミドシート20bよりレジスト膜21aと保護膜22aを除去した(図17(c)参照)。
次に、図18(a)に示すように、このテーパ形状の開口24aが形成された樹脂シート20bを、保持部19を形成した樹脂シート16aのレジスト膜22Bの上に、テーパ形状の開口24aの大径側が、開口23cに充填された保持部19に合致するように積層して接着剤を介して貼着した。
そして、図18(b)に示すように、この状態において、積層体をスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、金属膜20cを共通電極として、電解メッキ処理を施してポリイミドシート20bの各開口24aの内部に金属を充填することにより、表面電極部16を形成した。
次に、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、ポリイミドシート20bを除去し、次いでレジスト膜22Bを除去した(図18(c)参照)。
これによって、短絡部18に連続して基端から先端に向かうに従って小径となるテーパ
状とされて全体が円錐台状に形成された表面電極部16が形成された。
次に、図19(a)に示したように、絶縁層の開口23bに施された表面電極部16の上面より厚み25μmのドライフィルムレジストを2回積層することによって厚み50μmのフォトレジスト膜22Cを形成した。
次に、図19(b)に示したように、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施して積層体よりポリイミドシート16aを除去した。
そして、積層体の金属膜20cの表面に、厚み25μmのドライフィルムレジストを積層することによりフォトレジスト膜22Dを形成した(図20(a)参照)。
次いで、フォトレジスト膜22Dに短絡部18に対応した位置に寸法が200μm×80μmのレジストパターンを形成した(図20(b)参照)。
そして、金属膜20cに対して、塩化第二鉄系エッチング液を用い、50℃、30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより金属膜20cの露出部分を除去することにより、裏面電極部17を形成し、もって表面電極部16、保持部19、短絡部18、裏面電極部17よりなる電極構造体15を形成した(図20(c)参照)。
その後、電極構造体15が形成された積層体よりフォトレジスト膜22C、22Dを除去した(図20(d)参照)。
次に、電極構造体15が形成された積層体に、表面側に厚み25μmのドライフィルムレジストを2回積層することによって厚み50μmのフォトレジスト膜22を形成し、裏面側に厚み25μmのドライフィルムレジストを積層することによって厚み25μmのフォトレジスト膜22Eを形成した(図21(a)参照)。
そして、フォトレジスト膜に露光、現像を行い、絶縁層18Bの表面および裏面に接点膜9となるべき部分に4600μm×2000μmのパターニングされたフォトレジスト膜22Eを形成した(図21(b)参照)。
そして、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施して絶縁層18bの露出部分を除去することにより、支持体11の貫通孔内に電極構造体15を備えた接点膜9を形成した。
その後、45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、接点膜9の両面からフォトレジスト膜22Eを除去した。
その後、支持体11の周縁部より保護テープを除去し、外径が22cm、内径が20.5cmで厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる支持部材2の上に積層体10Bを、その支持体の周縁部が接するように位置あわせして配置した後、支持体を外周方向に引き伸ばしながら多孔膜からなる支持体上から支持部材2の上にシアノアクリレート系接着剤(東亞合成(株)製:品名 アロンアルファ 品番:♯200)を滴下して接着層を形成し、25℃で30分保持することにより、硬化させて本発明に係るシート状プローブ10を製造した。
以上においてドライフィルムレジストとしては、日立化成製のH−K350を使用した。
得られたシート状プローブ10は、横方向4600μm×縦方向2000μmの接点膜9を966個有し、接点膜9における絶縁層18Bの厚みdが50μm、電極構造体15の表面電極部16の形状が円錐台状で、その基端の径R1が55μm、その先端の径R2
が25μm、その突出高さhが25μmであった。
また、短絡部18は、その表面側の一端の径R3が60μm、裏面側の他端の径R4が40μm、裏面電極部17の形状が矩形の平板状で、その横幅(径R5)が80μm、縦幅が200μm、厚みd2が12μm、保持部19の形状が円形で直径が70μm、その厚みd1が10μmのものである。
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブM1」〜「シート状プローブM4」とする。
(比較例1)
図48(a)に示すような表面側金属層122、第2の裏面側金属層130、第1の裏面側金属層126を有し、絶縁性シート124、絶縁層128よりなる積層体132を用意した。
積層体132は、厚さ4μmの銅よりなる表面側金属層122と、厚さ12.5μmのポリイミドよりなる絶縁層128と、厚さ4μmの銅よりなる第1の裏面側金属層126と、厚さ37.5μmのポリイミドよりなる絶縁層128と、厚さ10μmの42アロイよりなる第2の裏面側金属層130と、から構成されたものである。
この積層体132に対して、特開2004−172589号に記載された方法に従い、第2の裏面側金属層130側に直径90μmのパターン孔を形成し、順次に絶縁層128、第1の裏面側金属層126、絶縁性シート124に連続する貫通孔を形成し、貫通孔の底面に表面側金属層122を露出させた。
これにより、短絡部と表面電極部を一括して形成する電極構造体形成用凹所90Kを作成した(図48(b)参照)。
次いで、積層体132をスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体132に対し、表面側金属層122を電極として、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所90K内に金属を充填した(図48(c)参照)。
次いで、絶縁性シート124をエッチングにより除去した(図48(d)参照)。
次いで、第1の裏面側金属層126にエッチングを行い保持部を形成し、第2の裏面側金属層にエッチングを行いその一部を除去することにより裏面電極部と支持部140を形成し、絶縁層128にエッチングを行い絶縁層を各々の接点膜に分割した(図48(e)参照)。
その後、外径が22cm、内径が20.5cmで厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる支持板2の表面に、シアノアクリレート系接着剤(東亞合成(株)製:品名 アロンアルファ 品番:♯200)を滴下して接着層を形成し、これに接点膜を形成した積層体を積層し、25℃で30分保持することにより、接着層を硬化させてシート状プローブを製造した。
得られたシート状プローブは、絶縁層の厚みdが37.5μm、電極構造体の表面電極部の形状が円錐台状で、その基端の径が37μm、その先端の径が13μm(平均値)であり、その突出高さが12.5μm、保持部は横幅が60μm、縦幅が200μmで厚みが4μm、短絡部の形状が円錐台状で、その表面側の一端の径が37μm、裏面側の他端の径が90μm、裏面電極部の形状が矩形の平板状で、その横幅が90μm、縦幅が200μm、厚みが20μmのものである。
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブO1」〜「シート状プローブO4」と
する。
(比較例2)
比較例1において積層体132を、厚さ4μmの銅よりなる表面側金属層122と、厚さ17.5μmのポリイミドよりなる絶縁性シート124と、厚さ4μmの銅よりなる第1の裏面側金属層126と、厚さ48μmのポリイミドよりなる絶縁層128と、厚さ10μmの42アロイよりなる第2の裏面側金属層130とに変更した。
さらに、比較例1と同様にして電極構造体形成用凹所90Kを形成して、積層体132をスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体132に対し、表面側金属層122を電極として、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所90K内に金属の充填を試みた。
しかしながら、短絡部形成用凹所90K内に金属の充填はほとんど行われなかった。
また、積層体132の短絡部形成用凹所90Kを観察したところ、その底部に表面側金属層122がほとんど露出していなかった。
〈異方導電性コネクターの作製〉
(1)磁性芯粒子の調製:
市販のニッケル粒子(Westaim社製、「FC1000」)を用い、以下のようにして磁性芯粒子を調製した。
日清エンジニアリング株式会社製の空気分級機「ターボクラシファイア TC−15N」によって、ニッケル粒子2kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ロータ
ー回転数が2250rpm、分級点が15μm、ニッケル粒子の供給速度が60g/minの条件で分級処理し、粒子径が15μm以下のニッケル粒子0.8kgを捕集した。
さらに、このニッケル粒子0.8kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、
ローター回転数が2930rpm、分級点が10μm、ニッケル粒子の供給速度が30g/minの条件で分級処理し、ニッケル粒子0.5kgを捕集した。
得られたニッケル粒子は、数平均粒子径が7.4μm、粒子径の変動係数が27%、BET比表面積が0.46×1032/kg、飽和磁化が0.6Wb/m2であった。
このニッケル粒子を磁性芯粒子Qとする。
(2)導電性粒子の調製:
粉末メッキ装置の処理槽内に、磁性芯粒子Q100gを投入し、さらに、0.32Nの塩酸水溶液2Lを加えて攪拌し、磁性芯粒子Qを含有するスラリーを得た。
このスラリーを常温で30分間攪拌することにより、磁性芯粒子Qの酸処理を行い、その後、1分間静置して磁性芯粒子Qを沈殿させ、上澄み液を除去した。
次いで、酸処理が施された磁性芯粒子Qに純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して磁性芯粒子Qを沈殿させ、上澄み液を除去した。
この操作をさらに2回繰り返すことにより、磁性芯粒子Qの洗浄処理を行った。
そして、酸処理および洗浄処理が施された磁性芯粒子Qに、金の含有割合が20g/Lの金メッキ液2Lを加え、処理層内の温度を90℃に昇温して攪拌することにより、スラリーを調製した。
この状態で、スラリーを攪拌しながら、磁性芯粒子Qに対して金の置換メッキを行った。
その後、スラリーを放冷しながら静置して粒子を沈殿させ、上澄み液を除去することにより、導電性粒子Pを調製した。
このようにして得られた導電性粒子に純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して導電性粒子を沈殿させ、上澄み液を除去した。
この操作をさらに2回繰り返し、その後、90℃に加熱した純水2Lを加えて攪拌し、得られたスラリーを濾紙によって濾過して導電性粒子を回収した。
そして、この導電性粒子を、90℃に設定された乾燥機によって乾燥処理した。
得られた導電性粒子は、数平均粒子径が7.3μm、BET比表面積が0.38×1032/kg、(被覆層を形成する金の質量)/(磁性芯粒子[A]の質量)の値が0.3であった。
この導電性粒子を「導電性粒子(a)」とする。
(3)フレーム板の作製:
図49および図50に示す構成に従い、下記の条件により、上記の試験用ウエハW1における各被検査電極領域に対応して形成された966個の開口32を有する直径が8インチのフレーム板31を作製した。
このフレーム板31の材質はコバール(線熱膨張係数5×10-6/K)で、その厚みは、60μmである。
開口32の各々は、その横方向(図49および図50において左右方向)の寸法が3600μmで縦方向(図49および図50において上下方向)の寸法が900μmである。
フレーム板31の開口32は、図50に示すように試験用ウエハに形成された集積回路Lの1個に対して2個が形成されており、同一集積回路Lに対して設けられているフレーム板31の開口32は中心間距離(図50において上下方向)で2000μmピッチで配置されている。
縦方向に隣接する開口32の間の中央位置には、円形の空気流入孔32Aが形成されており、その直径は1000μmである。
(4)異方導電性シート用成形材料の調製:
付加型液状シリコンゴム100重量部に、導電性粒子30重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、異方導電性シート用の成形材料を調製した。
以上において、使用した付加型液状シリコンゴムは、それぞれ粘度が250Pa・sであるA液およびB液よりなる二液型のものであって、その硬化物の圧縮永久歪みが5%、デュロメーターA硬度が32、引裂強度が25kN/mのものである。
ここで、付加型液状シリコンゴムおよびその硬化物の特性は、以下のようにして測定されたものである。
(i)付加型液状シリコンゴムの粘度は、B型粘度計により、23±2℃における値を測定した。
(ii)シリコンゴム硬化物の圧縮永久歪みは、次のようにして測定した。
二液型の付加型液状シリコンゴムにおけるA液とB液とを等量となる割合で攪拌混合した。
次いで、この混合物を金型に流し込み、混合物に対して減圧による脱泡処理を行った後、120℃、30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが12.7mm、直径が29mmのシリコンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して、200℃
、4時間の条件でポストキュアを行った。
このようにして得られた円柱体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して150±2℃における圧縮永久歪みを測定した。
(iii)シリコンゴム硬化物の引裂強度は、次のようにして測定した。
上記(ii)と同様の条件で付加型液状シリコンゴムの硬化処理およびポストキュアを行うことにより、厚みが2.5mmのシートを作製した。
このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(iv)デュロメーターA硬度は、上記(iii)と同様にして作製されたシートを5枚重ね
合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃における値を測定した。
(5)異方導電性コネクターの作製:
上記(3)で作製したフレーム板31および上記(4)で調製した成形材料を用い、特開2002−324600号公報に記載された方法に従って、フレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された、図44に示す構成の966個の異方導電性シート35を形成することにより、異方導電性コネクター30を製造した。
ここで、成形材料層の硬化処理は、電磁石によって厚み方向に2Tの磁場を作用させながら、100℃、1時間の条件で行った。
得られた異方導電性シート35について具体的に説明すると、異方導電性シート35の各々は、横方向の寸法が6000μm、縦方向の寸法が2000μmであり、26個の導電部36が120μmのピッチで横方向に一列に配列されてなるものである。
さらに導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μm、突出部38の突出高さが25μm、絶縁部37の厚みが100μmである。
また、横方向において最も外側に位置する導電部36とフレーム板31の開口縁との間には、非接続用の導電部36が配置されている。
非接続用の導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。
また、各異方導電性シート35における導電部36中の導電性粒子の含有割合を調べたところ、全ての導電部36について体積分率で約25%であった。
このようにして、合計で8枚の異方導電性コネクターを製造した。
これらの異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC1」〜「異方導電性コネクターC8」とする。
〈検査用回路基板の作製〉
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、試験用ウエハW1における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極21が形成された検査用回路基板20を作製した。
この検査用回路基板20は、全体の寸法が30cm×30cmの矩形であり、その検査電極は、横方向の寸法が60μmで縦方向の寸法が200μmである。得られた検査用回路基板を「検査用回路基板T1」とする。
〈シート状プローブの評価〉
(1)試験1(隣接する電極構造体間の絶縁性):
シート状プローブM1、M2、シート状プローブO1、O2の各々について、以下のようにして隣接する電極構造体間の絶縁性の評価を行った。
室温(25℃)下において、試験用ウエハW1を試験台に配置し、この試験用ウエハW1の表面上に、シート状プローブをその表面電極部16の各々が試験用ウエハW1の被検査電極7上に位置するよう位置合わせして配置した。
次いで、このシート状プローブ上に、異方導電性コネクター30をその導電部36の各々がシート状プローブの裏面電極部17上に位置するよう位置合わせして配置した。
さらに、この異方導電性コネクター30上に、検査用回路基板T1をその検査電極21の各々が異方導電性コネクター30の導電部36上に位置するよう位置合わせして配置した。
そして、検査用回路基板T1を下方に130kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約5g)で加圧した。
ここで、異方導電性コネクター30としては下記表1に示すものを使用した。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極21の各々に順次電圧を印加した。
さらに、電圧が印加された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗をシート状プローブにおける電極構造体15間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として測定し、全測定点における絶縁抵抗が10MΩ以下である測定点の割合(以下、「絶縁不良割合」という。)を求めた。
ここで、絶縁抵抗が10MΩ以下である場合には、実際上、ウエハに形成された集積回路の電気的検査に使用することが困難である。
以上の結果を下記表1に示す。
Figure 2005338071
(2)試験2(電極構造体の接続安定性):
シート状プローブM3、M4、シート状プローブO3、O4、の各々について、以下のようにして被検査電極に対する電極構造体15の接続安定性の評価を行った。
室温(25℃)下において、試験用ウエハW2を、電熱ヒーターを備えた試験台に配置し、この試験用ウエハW2の表面上に、シート状プローブをその表面電極部16の各々が試験用ウエハW2の被検査電極7上に位置するよう位置合わせして配置した。
次いで、このシート状プローブ上に、異方導電性コネクター30をその導電部36の各々がシート状プローブの裏面電極部17上に位置するよう位置合わせして配置した。
さらに、この異方導電性コネクター30上に、検査用回路基板T1をその検査電極21の各々が異方導電性コネクター30の導電部36上に位置するよう位置合わせして配置した。
そして、検査用回路基板T1を下方に130kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約5g)で加圧した。
ここで、異方導電性コネクター30としては下記表2に示すものを使用した。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極7について、シート状プローブ、異方導電性コネクター30および試験用ウエハW2を介して互いに電気的に接続された2個の検査電極21の間の電気抵抗を順次測定した。
さらに、測定された電気抵抗値の2分の1の値を、検査用回路基板T1の検査電極21と試験用ウエハW2の被検査電極7との間の電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)として記録し、全測定点における導通抵抗が1Ω以上である測定点の割合(以下、「接続不良割合」という。)を求めた。
この操作を「操作(1)」とする。
次いで、検査用回路基板T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を125℃に昇温してその温度が安定するまで放置し、その後、検査用回路基板T1を下方に130kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約5g)で加圧し、上記操作(1)と同様にして接続不良割合を求めた。
この操作を「操作(2)」とする。
次いで、試験台を室温(25℃)まで冷却し、検査用回路基板T1に対する加圧を解除した。この操作を「操作(3)」とする。
そして、上記の操作(1)、操作(2)および操作(3)を1サイクルとして合計で200サイクル連続して行った。
ここで、導通抵抗が1Ω以上である場合には、実際上、ウエハに形成された集積回路の電気的検査に使用することが困難である。
以上の結果を下記表2に示す。
Figure 2005338071
また、試験2が終了した後、シート状プローブ(実施例および比較例)の各々を観察したところ、いずれの電極構造体15も絶縁層18Bから脱落しておらず、表面電極部の変形もほとんど観察されず、高い耐久性を有することが確認された。
図1は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図である。 図2は、図1のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図である。 図3は、本発明に係るシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図である。 図4は、本発明に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。 図5(a)は、本発明のシート状プローブにおける接点膜の支持部の断面図、図5(b)は、支持体として板状支持体を用いて絶縁層をその表面で支持した場合を示した断面図である。 図6は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した図であり、図6(a)は平面図、図6(b)はX−X線による断面図である。 図7は、本発明に係るシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図である。 図8は、本発明に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。 図9(a)は、電極構造体の拡大断面図、図9(b)は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図10は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した断面図である。 図11は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した断面図である。 図12は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図13は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図14は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図15は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図16は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図17は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図18は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図19は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図20は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図21は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図22は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図23は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図24は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図25は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図26は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図27は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図28は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図29は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図30は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図31は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図32は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図33は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図34は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図35は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図36は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図37は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図38は、本発明のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図39は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの実施形態を示した断面図である。 図40は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの他の実施形態を示した断面図である。 図41は、図40のプローブカードにおける組み立て前後の各状態を示した断面図である。 図42は、図40に示す検査装置におけるプローブカードを拡大して示す説明用断面図である。 図43は、図41に示す検査装置におけるプローブカードを拡大して示す説明用断面図である。 図44は、図40、図42に示すプローブカードにおける異方導電性コネクターの平面図である。 図45は、実施例で作製した試験用ウエハを示す平面図である。 図46は、図45に示す試験用ウエハに形成された集積回路の被検査電極領域の位置を示す説明図である。 図47は、図46に示す試験用ウエハに形成された集積回路の被検査電極の配置パターンを示す説明図である。 図48は、比較例1のシート状プローブの製造方法を説明する断面図である。 図49は、実施例で作製した異方導電性コネクターにおけるフレーム板を示す平面図である。 図50は、図49に示すフレーム板の一部を拡大して示す説明図である。 図51は、従来のプローブカードの一例における構成を示す説明用断面図である。 図52は、従来のシート状プローブの製造例を示す説明用断面図である。 図53は、図52に示すプローブカードにおけるシート状プローブを拡大して示す説明用断面図である。 図54は、従来のシート状プローブの他の製造例を示す説明用断面図である。 図55は、従来のシート状プローブの他の製造例を示す説明用断面図である。 図56は、リング状の支持板を用いた従来のシート状プローブの断面図である。 図57は、絶縁膜の片面側からのエッチングにより形成した貫通孔の形状を示した断面図である。 図58は、従来のシート状プローブの製造方法の概略を示す断面図である。 図59は、絶縁膜の両面側からのエッチングにより形成した貫通孔の形状を示した断面図である。
符号の説明
1 プローブカード
2 支持部材
3 加圧板
4 ウエハ載置台
5 加熱器
6 ウエハ
7 被検査電極
9 接点膜
10 シート状プローブ
11 支持体
12 貫通孔
13 支持板
14 金属フレーム板
15 電極構造体
16 表面電極部
16a 樹脂シート
16b 高分子物質形成用液状物
16c 高分子物質形成用液状物
16d 接着剤
17 裏面電極部
17A 裏面側金属層
17d 柱状部
17H パターン孔
18 短絡部
18A 被覆膜
18B 絶縁層
18K 短絡部形成用凹所
19 支持部
20 検査用回路基板
20a ポリイミドシート
20b 樹脂シート
20c 金属膜
21 検査電極
21a フォトレジスト膜
21b 金属膜
21c 開口
22a 保護膜
22 支持部
22A〜22I レジスト膜
23 開口
23a 開口
23b 開口
23c 開口
24A シート
24 金属フレーム板
24a 開口
25 支持体
26a 金属膜
26 開口部
27,28 レジスト膜
29 金属メッキ
29a 金属メッキ充填部
29C 開口
30 異方導電性コネクター
30A 貫通孔
31 フレーム板
31A 第2のシート
32 開口
32A 空気流入孔
33,37 レジスト膜
34 レジスト膜
35 異方導電性シート
35A レジスト膜
36 導電部
36A 開口
37 絶縁部
37A レジスト膜
38 突出部
50 ガイドピン
80 異方導電性シート
81 ポリイミド膜
81a 貫通孔
82 金属膜
83 フォトレジスト膜
83a 開口
85 検査用回路基板
86 検査電極
90 シート状プローブ
90A 積層体
90B 積層体
90C 積層体
90K 短絡部形成用凹所
91 絶縁性シート
91A 絶縁性シート
92 金属層
92E 支持部
92A 表面側金属層
92B 裏面側金属層
92H 開口部
92N 絶縁部
93 レジスト膜
93A レジスト膜
94B レジスト膜
95 電極構造体
96 表面電極部
97 裏面電極部
98 短絡部
98H 貫通孔
99 支持部材
100 絶縁層
101 フォトレジスト膜
122 表面側金属層
124 絶縁性シート
126 裏面側金属層
128 絶縁層
130 裏面側金属層
132 積層体
134 開口部
136 貫通孔
138 貫通孔

Claims (14)

  1. 貫通孔が形成された金属フレーム板と、
    前記金属フレーム板の貫通孔の周縁部に支持された接点膜とを備え、
    裏面電極部を構成する裏面電極形成用金属シート部材上に、その貫通孔部が、短絡部に合致するように積層された支持体と、
    前記裏面電極形成用金属シート部材上に塗布形成された絶縁層とを備え、
    前記電極構造体が、
    前記裏面電極形成用金属シート部材上に立設するように形成された短絡部と、
    前記絶縁層の前記短絡部に対応する位置に形成された開口部であって、前記短絡部上部に連通する開口部に充填形成され、前記絶縁層表面から突出する表面電極部と、
    前記裏面電極形成用金属シート部材を、前記短絡部の位置に対応する部分を残存させて形成した裏面電極部と、
    を備えることを特徴とするシート状プローブ。
  2. 貫通穴が形成された金属フレーム板と、
    前記金属フレーム板の貫通穴の周縁部に支持された接点膜とを備え、
    前記電極構造体が、絶縁層の裏面から突出した裏面電極部と、該裏面電極部から絶縁層の貫通孔内へ立設された柱状部と、該柱状部を含むように絶縁層の貫通孔内から表面に渡りメッキすることにより絶縁層の表面に突出形成された表面電極部とを備え、
    前記電極構造体が貫通する前記絶縁層の貫通孔が、該絶縁層の両面側からのエッチングにより形成されていることを特徴とするシート状プローブ。
  3. シート状プローブを製造する方法であって、
    少なくとも絶縁性シートと、
    この絶縁性シートの表面に形成された表面側金属層と、
    前記絶縁性シートの裏面に形成された第1の裏面側金属層とを有する積層体を用意し、
    この積層体における第1の裏面側金属層と絶縁性シートに互いに連通する厚み方向に伸びる貫通孔を形成することにより、当該積層体の裏面に表面電極部形成用凹所を形成し、
    この積層体に対し、
    その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して表面電極部形成用凹所に金属を充填することにより絶縁層の表面から突出する表面電極部を形成した後に該積層体の裏面側に絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された第2の裏面側金属層を形成し、
    この積層体における第2の裏面側金属層および絶縁層の各々に互いに連通し、底面に表面電極部を露出させた短絡部形成用凹所を形成し、
    この積層体に対し、
    その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して短絡部形成用凹所に金属を充填することにより、表面電極部の基端から連続して絶縁層をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部を形成した後、
    第2の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより裏面電極部を形成し、
    前記表面側金属層および前記絶縁性シートを除去することにより、前記表面電極部および前記第1の裏面側金属層を露出させ、
    その後、当該第1の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより、前記表面電極部の基端部分から連続して前記絶縁性シートの表面に沿って外方に伸びる保持部を形成する工程を有することを特徴とするシート状プローブの製造方法。
  4. 第2の裏面側金属層にエッチング処理を施し、
    裏面電極部および支持体部に分割除去することを特徴とする請求項3に記載のシート状プローブの製造方法。
  5. 回路装置の電気検査に用いられるシート状プローブの製造方法であって、
    貫通孔が形成された金属フレーム板を用意する工程と、
    前記金属フレーム板の貫通孔部に合致するよう、短絡部を立設した裏面電極形成用金属シート部材を用意する工程と、
    前記短絡部を立設した裏面電極形成用金属シート部材上に、貫通孔が形成された金属フレーム板をその貫通孔部に短絡部が合致するように積層配置する工程と、
    前記積層配置された金属フレーム板の上面より絶縁層を塗布形成する工程と、
    前記塗布形成された絶縁体の上面より、その短絡部の位置に対応する部分を除去して開口部を形成し短絡部の頂面を露出する工程と、
    前記短絡部の頂部が露出した部分に、前記絶縁層表面より突出する表面電極部を充填形成する工程と、
    前記裏面電極形成用金属シート部材を、前記短絡部の位置に対応する部分のみを残存させて裏面電極部を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするシート状プローブの製造方法。
  6. 検査対象である回路装置の被検査電極に接続される複数の電極構造体が、柔軟な樹脂からなる絶縁層を貫通するように形成されたシート状プローブの製造方法であって、
    金属シートの表面における前記電極構造体を形成する各位置に、金属からなる柱状部が立設され、必要に応じて前記金属シートの裏面に絶縁シートが積層された第1のシートを用意する工程と、
    少なくとも1つの貫通穴が形成されたシート状の金属フレーム板に、該貫通穴が覆われるように絶縁層が一体化され、前記貫通穴の内部における電極構造体を形成する各位置に、絶縁層を貫通する貫通孔が形成された第2のシートを用意する工程と、
    第1のシートの柱状部が、第2のシートの絶縁層を貫通する貫通孔に挿入されるように、第1のシートと第2のシートとを重ね合わせる工程と、
    前記第2のシートにおける絶縁層の貫通孔内から表面に渡りメッキを行い、これにより、前記電極構造体における前記絶縁層の表面から突出した表面電極部を形成する工程と、
    前記第1のシートにおける前記金属シートを、前記電極構造体の裏面電極部に対応する部分を残存させるようにエッチングすることにより、前記絶縁層の裏面から突出した裏面電極部を形成する工程と、を含むことを特徴とするシート状プローブの製造方法。
  7. 前記第2のシートを用意する工程において、前記金属フレーム板に前記絶縁層が一体化されたシートに対して、貫通孔を形成する位置を開口したレジストパターンを該シートの両面に形成した後、エッチング液により絶縁層の両面側からエッチングを行うことにより前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項6に記載のシート状プローブの製造方法。
  8. 検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
    検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
    この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
    この異方導電性コネクター上に配置された請求項1から2のいずれかに記載のシート状プローブと、
    を備えてなることを特徴とするプローブカード。
  9. 検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
    異方導電性コネクターは、
    検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
    このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートと、
    を有してなることを特徴とする請求項8に記載のプローブカード。
  10. 請求項8または請求項9に記載されたプローブカードを備えてなることを特徴とする回路装置の検査装置。
  11. 検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
    検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
    この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
    この異方導電性コネクター上に配置された請求項3から7のいずれかの方法にて製造されたシート状プローブと、
    を備えてなることを特徴とするプローブカード。
  12. 検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
    異方導電性コネクターは、
    検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
    このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートとを有してなることを特徴とする請求項11に記載のプローブカード。
  13. 請求項11または請求項12に記載されたプローブカードを備えてなることを特徴とする回路装置の検査装置。
  14. 複数の集積回路が形成されたウエハの各集積回路を、
    請求項8、9、11、12のいずれかに記載のプローブカードを介してテスターに電気的に接続し、
    前記各集積回路の電気検査を行うことを特徴とするウエハの検査方法。

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