JP3759156B2 - シート状プローブの製造方法 - Google Patents
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Description
然るに、被検査回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハである場合において、ウエハを検査するための検査用プローブを作製する場合には、非常に多数の検査電極を配列することが必要となるので、検査用プローブは極めて高価なものとなり、また、被検査電極のピッチが小さい場合には、検査用プローブを作製すること自体が困難となる。
このプローブカードにおいては、一面に被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された多数の検査電極86を有する検査用回路基板85が設けられ、この検査用回路基板85の一面上に、異方導電性シート80を介してシート状プローブ90が配置されている。
異方導電性シートが開示されている。
このようなシート状プローブ90は、例えば樹脂よりなる柔軟な絶縁性シート91を有し、この絶縁性シート91に、その厚み方向に伸びる複数の電極構造体95が被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されて構成されている。
先ず、図26(a)に示したように、絶縁性シート91の一面に金属層92が形成されてなる積層体90Aを用意し、図26(b)に示したように、絶縁性シート91にその厚み方向に貫通する貫通孔98Hを形成する。
そして、このような検査用プローブによれば、ウエハが検査用プローブによって押圧されたときに、ウエハの反りの大きさに応じて異方導電性シート80が変形するため、ウエハにおける多数の被検査電極の各々に対して良好な電気的接続を確実に達成することができる。
上記のシート状プローブ90の製造方法における短絡部98および表面電極部96を形成する工程においては、電解メッキによるメッキ層が等方的に成長するため、図27に示すように、得られる表面電極部96においては、表面電極部96の周縁から短絡部98の周縁までの距離Wは、表面電極部96の突出高さhと同等の大きさとなる。
そのため、被検査回路装置における被検査電極が微小で極めて小さいピッチで配置されてなるものである場合には、隣接する電極構造体95間の離間距離を十分に確保することができず、その結果、得られるシート状プローブ90においては、絶縁性シート91による柔軟性が失われるため、被検査回路装置に対して安定した電気的接続を達成することが困難となる。
一方、後者の手段では、電解メッキ処理によって短絡部98および表面電極部96を形成すること自体が困難となる。
図28(a)に示したように、絶縁性シート91の表面にレジスト膜93Aおよび表面側金属層92Aがこの順で形成され、絶縁性シート91の裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Bを用意する。
次いで、図28(c)に示したように、この積層体90Bにおける表面側金属層92A
を電極としてメッキ処理することにより、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
図29(a)に示したように、形成すべきシート状プローブにおける絶縁性シートより大きい厚みを有する絶縁性シート材91Aの表面に表面側金属層92Aが形成され、絶縁性シート材91Aの裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Cを用意する。
このようなシート状プローブ90によれば、表面電極部96がテーパ状のものであるため、径が小さくて突出高さが高い表面電極部96を、隣接する電極構造体の表面電極部96との離間距離が十分に確保された状態で形成することができる。
図32(a)に示したように、表面側金属層92A、絶縁性シート11、第1の裏面側金属層92C、絶縁層18B、第2の裏面側金属層92Bからなる5層の積層材料を用意する。
そして第1の裏面側金属層92Cの貫通孔を通じて絶縁性シート11にエッチングを行い貫通孔の底部に表面側金属層92Aを露出させる。
次いで、この積層体90Cにおける表面側金属層92Aを電極としてメッキ処理することにより、図32(c)に示すように、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
この貫通孔は、図33に示したように、第2の裏面側金属層92Bの片面に、貫通孔を形成する部分に開口部92Hを有するフォトレジスト膜83のパターンを形成し、シート全体をエッチング液に浸漬してエッチングを行うことにより、ポリイミドから構成される絶縁層18B、絶縁性シート11に貫通孔を形成することにより得ることができる。
すなわち、従来のように、電極構造体を形成するための貫通孔を、ポリイミドの絶縁層にエッチング加工により形成しようとすると、フォトレジスト膜83により表面が覆われた絶縁層18Bの膜厚t1と絶縁性シート11の膜厚t2が厚くなると、表面側金属層92Aまでの間に貫通孔81aが形成されないという問題があった。
このため絶縁層18Bと絶縁性シート11の膜厚t1とt2の合計の膜厚は、開口径φ1の1/2程度以下でなければ、絶縁層に確実に貫通孔81aを開けることができない。
すると、貫通孔81aの開口径φ1を100μm以上にしなければならず、製造される電極構造体の隣接するポリイミド膜間の絶縁性の確立が困難となるため、ポリイミド膜の膜厚にあわせて、開口径φ1を大きくすることは不可能である。
本発明の目的は、径が小さい表面電極部を有する電極構造体を形成することが可能で、160μm以下、更に120μm以下、特に100μm以下の小さいピッチで電極が形成された回路装置に対しても安定な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、電極構造体が絶縁層から脱落することがなくて高い耐久性が得られるシート状プローブを製造することができる方法を提供することにある。
表面電極部の先端部分を立設した表面電極形成用金属シート部材を用意する工程と、
前記表面電極部の先端部を立設した表面電極形成用金属シート部材上に、第1の絶縁層を積層する工程と、
前記第1の絶縁層に開口を形成し、その開口底面に表面電極部の先端部分の底面を露出する工程と、
前記第1の絶縁層の開口内に表面電極部の基端部分を充填形成する工程と、
前記第1の絶縁層と表面電極部の基端部分を覆うように第2の絶縁層を積層する工程と、
前記第2の絶縁層に貫通孔を形成しその底面に表面電極部を露出させる工程と、
前記第2の絶縁層の貫通孔内に短絡部を形成し、第2の絶縁層の表面に裏面側電極層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
表面電極形成用金属シートの表面に表面電極部の先端部分を立設する位置にパターン孔を有するレジスト層を形成し、レジスト孔内に金属を充填し、レジスト層を除去することにより、表面電極部の先端部分を立設した表面電極形成用金属シート部材を用意することを特徴とする。
表面電極形成用金属シートの表面にエッチングが可能な樹脂層が形成された積層体に、樹脂層に表面電極部の先端部分を立設する位置にエッチングを行い貫通孔を形成し、貫通孔内に金属を充填し、樹脂層を除去することにより、表面電極部の先端部分を立設した表面電極形成用金属シート部材を用意することを特徴とする。
の先端の径を適度な大きくすることができ、基端部分の側面の傾斜角度を小さくすることにより基端部分の絶縁層との接触部分の径すなわち基端の径を大きくすることができる。
態を安定に維持することができるシート状プローブを提供することができる。
<シート状プローブ>
図1は、本発明のシート状プローブの他の実施形態を示した図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図、図2は、図1のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図、図3は、本発明に係るシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図、図4は、本発明に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
このシート状プローブ10は、図1(a)に示したように、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔が形成された支持体25を有し、この貫通孔内には接点膜9が配置されている。
この支持部27は、図1(b)に示したように支持体25の上に絶縁膜からなる接点膜9が形成され、この支持体25によって接点膜9が支持されている。
また、図3に示したシート状プローブ10は、回路装置の電気的検査を行うためのプローブに用いられるものであって、柔軟な絶縁層18Bと支持体25を有し、この絶縁層18Bには、前記絶縁層18Bの厚み方向に伸びる金属よりなる複数の電極構造体15が、検査対象である回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、前記絶縁層18Bの面方向に互いに離間して配置されている。
そして、表面電極部の先端部16Bは基端部16Cに連続し、先端に向かうに従って小径となり、その側面の傾斜角度bとする。
さらに、支持体25は絶縁層18Bと一体的に設けられるもので、絶縁層18Bと積層された状態で絶縁性シートの表面に設けられてもよく、絶縁性シートに中間層として含まれてもよい。
支持体25を構成する金属としては、鉄、銅、ニッケル、チタンまたはこれらの合金若しくは合金鋼を用いることができるが、エッチング処理によって容易に開口部を形成できる点で、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼や銅、ニッケルおよびこれらの合金が好ましい。
この厚みが過小である場合には、シート状プローブを支持する支持体として必要な強度が得られないことがある。
に絶縁層の厚みも大きいものとなり、その結果、絶縁層の貫通孔の形成が困難となることがある。
この場合、支持体25の各々の開口部26に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図5(a))、部分的に独立した状態(図5(b))で配置される。
先端部16Bを構成する金属を、耐拡散性金属であるロジウム、パラジウム、銀、タングステン、白金およびこれらを含有する合金とすることで、被検査電極が例えば易拡散性金属のスズなどにより構成されている場合に、電極構造体に対する前記易拡散性金属による金属拡散を確実に抑止することができ、これにより、長期間にわたって高い接触信頼性を保持することができる。
ことがより好ましく、特に40〜100μmでることが好ましい。
また、表面電極部の基端部16Cの基端の径R6に対する突出高さh(H1+H2)の比h/R6は、0.4〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.2である。
表面電極部16の突出高さh(H1+H2)の高さは、接続すべき電極に対して安定な電気的接続を達成することができる点で、15〜80μmであることが好ましく、より好ましくは20〜60μmである。
この角度は、例えばポリイミド層にエッチング液を用いてエッチング孔を形成し、これに金属をメッキなどの手段で充填することにより容易に形成することができる。
この角度は、例えばポリイミド層にレーザー加工を行って貫通孔を形成したり、あるいはレジスト層に露光を行ってパターン孔を形成し、これに金属をメッキなどの手段で充填することにより容易に達成することができる。
れる点で、10〜80μmであることが好ましく、より好ましくは12〜60μmである。
また、本発明のシート状プローブ10においては、図6(a)に示したように、支持体25によって絶縁層18Bを支持する構造の他、図6(b)に示したように絶縁層18B中に多孔膜24を有する構造も可能である。
図7に示した本発明のシート状プローブ10の製造方法については、絶縁層18Bを支持体25で支持するか、多孔膜24で支持するかの違い以外は、基本的に同じ構成である。
また、ポリテトラフルオロエチレンからなる開口径が1〜5μm程度のメンブレンフィルターを用いてもよい。
また、多孔膜24を用いたシート状プローブ10は、接点膜9の支持部27が、多孔膜24と絶縁層18Bとが一体化した構造となっているので固定強度が高く、このシート状プローブ10を用いた検査装置による電気検査において高い繰り返し耐久性が得られる。
<シート状プローブの製造方法>
以下、シート状プローブ10の製造方法について説明する。
このレジスト層22に露光および現像により、表面電極の先端部16Bを形成するための所定位置に開口23を形成したパターンを得る(図8(b))。
次に、表面電極部の先端部16Bが所定の位置に立設された表面電極形成用金属シート16Aの先端部16Bが形成された側の面に、先端部16Bをその開口内に位置するようにスペーサー39を積層する(図9(b))。
樹脂層55を形成する樹脂材料としては、エッチングが容易であるポリイミドが好ましい。
そして、レジスト膜28Aのパターン孔34Hを介して、樹脂層55にエッチングを行って開口52を形成し、その底部に表面電極部の先端部16Bを露出させる(図10(b
))。
さらに、エッチング処理条件を選択することにより、樹脂層55に、裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状の開口52を形成することができる。
次いで、表面電極形成用金属シート16Aを共通電極として電解メッキ処理を施して、
それぞれの開口52に金属を充填して表面電極の基端部16Cを形成する。
これを積層体10Aとする(図11(a))。
ポリイミドとしては、
(1)感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニス
(2)熱可塑性ポリイミド
(3)ポリイミドフィルム
が用いられる。
その後、図11(c)に示したように積層体10Bに対し、裏面側金属層17Aの表面に、形成すべき電極構造体15のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔
28Hが形成されたエッチング用のレジスト膜28Aを形成する。
次いで、裏面側金属層17Aに対し、レジスト膜28Aのパターン孔28Hを介して露出した部分にエッチング処理を施して部分を除去することにより、図12(a)に示したように、裏面側金属層17Aに、それぞれレジスト膜28Aのパターン孔28Hに連通する複数のパターン孔17Hが形成される。
絶縁層18Bをエッチング処理するためのエッチング液としては、アミン系エッチング液、ヒドラジン系水溶液や水酸化カリウム水溶液などを用いることができ、エッチング処理条件を選択することにより、絶縁層18Bに裏面から表面に向かうに従って小径となるテーパ状の貫通孔18Hを形成することができる。
さらに図12(c)に示したように、積層体10Bの裏面側金属層17Aの表面に形成すべき電極構造体15における裏面電極部17のパターンに対応するパターンに従って、複数のパターン孔29Hが形成されたメッキ用のレジスト膜29Aを形成する。
そして、表面電極形成用金属シート16Aを保護フィルム40Cで覆う。
さらに、表面電極部16、短絡部18および裏面電極部17が形成された積層体10Bからレジスト膜29Aを除去する。
その後、表面電極形成用金属シート16Aの上に設けられた保護フィルム40Cを除去し、表面電極形成用金属シート16Aおよび裏面側金属層17Aにエッチング処理を施す。
そしてレジスト膜17Eの表面全体に保護フィルム40Bを積層する。
その後、積層体10Cよりスペーサー39を除去した(図14(c))。
この状態で、絶縁層18Bをエッチング処理することにより、図15(b)に示したように、支持体25の一部が露出される。
さらに、積層体10Bを構成する裏面側金属層17Aをエッチング処理して、開口部26を形成することにより裏面側金属層17Aを分割分離して裏面電極部17と支持体25を形成するので、絶縁層18Bに一体化され、電極構造体15とは電気的に絶縁した金属
よりなる支持体25を確実に製造することができる。
<プローブカードおよび回路装置の検査装置>
図16は、本発明に係る回路装置の検査装置の一例における構成を示す説明用断面図であり、この回路装置の検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うためのものである。
また、プローブカード1における検査用回路基板20の裏面(図において上面)には、プローブカード1を下方に加圧する加圧板3が設けられ、プローブカード1の下方には、ウエハ6が載置されるウエハ載置台4が設けられており、加圧板3およびウエハ載置台4の各々には、加熱器5が接続されている。
さらに、検査用回路基板20を構成する基板材料としては、従来公知の種々の基板材料を用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などの複合樹脂材料、ガラス、二酸化珪素、アルミナなどのセラミックス材料などが挙げられる。
異方導電性コネクター30は、図19に示すように、被検査回路装置であるウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7が配置された電極領域に対応して複数の開口32が形成されたフレーム板31と、このフレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された複数の異方導電性シート35とにより構成されている。
また、この検査装置がWLBI(Wafer Level Burn−in)試験を行うためのものである場合には、フレーム板31を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
異方導電性シート35における導電部36の各々には、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。
ある。
異方導電性シート35の全厚(図示の例では導電部36における厚み)は、50〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜1000μm、特に好ましくは80〜500μmである。
一方、この厚みが2000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する導電部36が確実に得られる。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、小さい加圧力で導電部36が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、突出部38が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができるが、液状シリコンゴムが好ましい。
ここで、磁性芯粒子の数平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
一方、上記数平均粒子径が40μm以下であれば、微細な導電部36を容易に形成することができ、また、得られる導電部36は、安定な導電性を有するものとなりやすい。
またはそれらの合金などが挙げられる。
高導電性金属の割合が15質量%未満である場合には、得られる異方導電性コネクター30を高温環境下に繰り返し使用したとき、導電性粒子Pの導電性が著しく低下する結果、所要の導電性を維持することができない。
このような導電性粒子Pを用いることにより、得られる異方導電性シート35は、加圧変形が容易なものとなり、また、導電部36において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電部36が得られないことがある。
以上のような異方導電性コネクター30は、例えば特開2002−324600号公報に記載された方法によって製造することができる。
その後、加熱器5によって、ウエハ載置台4および加圧板3を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
(1)図16に示すプローブカード1は、ウエハ6に形成された全ての集積回路の被検査
電極7に対して一括して電気的接続を達成するものであるが、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に電気的に接続されるものであってもよい。
(2)異方導電性コネクター30における異方導電性シート35には、被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って形成された導電部36の他に、被検査電極7に電気的に接続されない非接続用の導電部36が形成されていてもよい。
(3)本発明の検査装置の検査対象である回路装置は、多数の集積回路が形成されたウエハ6に限定されるものではなく、半導体チップや、BGA、CSPなどのパッケージLSI、CMCなどの半導体集積回路装置などに形成された回路の検査装置として構成することができる。
(4)シート状プローブ10は円筒形のセラミックなどの保持体により保持された状態にて、異方導電性シート35や検査用回路基板20と、例えばガイドピン50などにて固定一体化することもできる。
(5)本発明のシート状プローブ10の製造方法において第2の裏面側金属層17Aは必須のものでなく、これを省略し短絡部形成用凹所18Kとパターン孔17Hに金属を充填することにより短絡部18と一体化した裏面電極部17を形成してもよい。
(6)本発明のシート状プローブ10においては、例えば図5(a)に示すような電極構造体15を有する絶縁層18Bよりなる複数の接点膜9が、支持体25の開口部26の各々に配置し支持体25により支持された状態のシート状プローブ10であってもよく、更に図5(b)に示すように一つの接点膜9が支持体25の複数の開口部26を覆うように配置されたものであってもよい。
<試験用ウエハの作製>
図20に示すように、直径が8インチのシリコン(線熱膨張係数3.3×10-6/K)製のウエハ6上に、それぞれ寸法が6.85mm×6.85mmの正方形の集積回路Lを合計で483個形成した。
次いで、被検査電極の上部以外の領域の感光性ポリイミドにより形成された樹脂膜を露光およびベークして半硬化させた後、感光性ポリイミドにより形成された樹脂膜の非露光(未硬化)部分を現像して除去することにより、被検査電極の上部に90μm×90μmの開口部K1を形成した。
このウエハ6全体の被検査電極7の総数は26116個であり、全ての被検査電極7は互いに電気的に絶縁されている。
また、全ての被検査電極7を互いに電気的に絶縁することに代えて、集積回路Lにおける26個の被検査電極のうち最も外側の被検査電極7から数えて1個おきに2個ずつを互いに電気的に接続したこと以外は、上記試験用ウエハW1と同様の構成の483個の集積回路Lをウエハ6上に形成した。
(実施例1)
直径が20cmで厚みが25μmのポリイミドシートの片面に直径が20cmで厚みが4μmの銅よりなる金属層が積層された積層ポリイミドシートを用意した。
ここで図8(a)において、ポリイミドシートが保護フィルム40Aに相当し、銅よりなる金属層が表面電極形成用金属シート16Aに相当する。
次に、表面電極部の先端部16Bが所定の位置に立設された表面電極形成用金属シート16Aの先端部16Bが形成された側の面に、先端部16Bをその開口内に位置するように、厚みが40μmで3400μm×800μmの開口がウエハ6に形成された集積回路Lの被検査電極領域Aに対応する位置に形成されたスペーサー39を積層した(図9(b)参照)。
その後、積層ポリイミドシートを、スルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、表面電極形成用金属シート16Aを電極として、電解メッキ処理を施して樹脂層55の開口52に金属を充填することにより、表面電極の基端部16Cを形成した。
これを積層体10Aとする(図11(a)参照)。
そして金属シートの周縁部分の液状ポリイミド層と接する側の面に、内径が20.4cmで外径が22cmのポリエチレンテレフタレートよりなる保護テープを配置し、この状態で熱圧着処理することにより、図11(b)に示した積層体10Bを作製した。
さらにその後、積層体10Bに対し、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、第2の裏面側金属層17Aの表面全面を覆うよう、レジスト膜29Aを形成すると共に、レジスト膜29Aに、絶縁層18Bの貫通孔18Hに連通する寸法が200μm×60μmの矩形の26116個のパターン孔29Hを形成した。
ここで、レジスト膜29Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって80mJの紫外線を照射することにより行い、現像処理は、1%水酸化ナトリウム水溶液よりなる現像剤に40秒間浸漬する操作を2回繰り返すことによって行った。
その後、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、裏面側金属層17Aにおける支持体25となる部分および裏面電極部17を覆うよう、パターニングされてパターン孔29Kを有するエッチング用のレジスト膜29Bを形成した(図13(b)参照)。
次いで、積層体10Bを45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、支持体25の裏面および裏面電極部17からレジスト膜29Bを除去した。
そして、積層体10Cの表面電極部16および絶縁層18Bを覆うように厚みが25μmのドライフィルムレジストによりレジスト膜を形成し、接点膜9となるべき部分を覆うように、パターニングされたレジスト膜17Fを形成した(図15(a)参照)。
この状態で、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金属フレーム板の各々の貫通孔に電極構造体15が形成された接点膜9を備えた積層体10Cを得た(図15(b)参照)。
0.5cmで厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる支持板2を配置した後、支持板2と支持体25とを50kgの荷重で加圧し、25℃で8時間保持することにより、支持板2を支持体25に接合することにより、本発明に係るシート状プローブ10を製造した。
得られたシート状プローブ10は、絶縁層18Bの厚みdが36μm、電極構造体15の表面電極部16の先端部16Bの先端の径R2が36μm、基端における径R1が40μm、表面電極部の基端部16Cの基端の径R6は55μm。
表面電極部16の基端部16Cの突出高さH2は15μm。
表面電極部16の突出高さh(H1+H2)は40μm。
表面電極部の基端部16Cの基端の径R6に対する突出高さhの比h/R6は0.73。
短絡部18の形状が円錐台状で、その表面側の一端の径R3が25μm、裏面側の他端の径R4が60μm、裏面電極部17の形状が矩形の平板状で、その横幅(径R5)が60μm、縦幅が200μm、厚みd2が20μmのものである。
(比較例1)
図32(a)に示すような表面側金属層92A、第2の裏面側金属層92B、第1の裏面側金属層92Cを有し、絶縁性シート11、絶縁層18Bよりなる積層体90Cを用意した。
次いで、第1の裏面側金属層にエッチングを行い保持部を形成し、第2の裏面側金属層にエッチングを行いその一部を除去することにより裏面電極部と支持部92Eを形成し、絶縁層18Bにエッチングを行い絶縁層を各々の接点膜に分割した(図32(e)参照)。
これらのシート状プローブを「シート状プローブO1」〜「シート状プローブO4」とする。
〈異方導電性コネクターの作製〉
(1)磁性芯粒子の調製:
市販のニッケル粒子(Westaim社製、「FC1000」)を用い、以下のようにして磁性芯粒子を調製した。
ー回転数が2250rpm、分級点が15μm、ニッケル粒子の供給速度が60g/minの条件で分級処理し、粒子径が15μm以下のニッケル粒子0.8kgを捕集し、更に、このニッケル粒子0.8kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ローター
回転数が2930rpm、分級点が10μm、ニッケル粒子の供給速度が30g/minの条件で分級処理し、ニッケル粒子0.5kgを捕集した。
このニッケル粒子を磁性芯粒子Qとする。
(2)導電性粒子の調製:
粉末メッキ装置の処理槽内に、磁性芯粒子Q100gを投入し、更に、0.32Nの塩酸水溶液2Lを加えて攪拌し、磁性芯粒子Qを含有するスラリーを得た。
次いで、酸処理が施された磁性芯粒子Qに純水2Lを加え、常温で2分間攪拌し、その後、1分間静置して磁性芯粒子Qを沈殿させ、上澄み液を除去した。
そして、酸処理および洗浄処理が施された磁性芯粒子Qに、金の含有割合が20g/Lの金メッキ液2Lを加え、処理層内の温度を90℃に昇温して攪拌することにより、スラリーを調製した。
その後、スラリーを放冷しながら静置して粒子を沈殿させ、上澄み液を除去することに
より、導電性粒子Pを調製した。
得られた導電性粒子は、数平均粒子径が7.3μm、BET比表面積が0.38×103m2/kg、(被覆層を形成する金の質量)/(磁性芯粒子[A]の質量)の値が0.3であった。
(3)フレーム板の作製:
図23および図24に示す構成に従い、下記の条件により、上記の試験用ウエハW1における各被検査電極領域に対応して形成された966個の開口32を有する直径が8インチのフレーム板31を作製した。
開口32の各々は、その横方向(図23および図24において左右方向)の寸法が3600μmで縦方向(図23および図24において上下方向)の寸法が900μmである。
(4)異方導電性シート用成形材料の調製:
付加型液状シリコンゴム100重量部に、導電性粒子30重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、異方導電性シート用の成形材料を調製した。
(i)付加型液状シリコンゴムの粘度は、B型粘度計により、23±2℃における値を測定した。
(ii)シリコンゴム硬化物の圧縮永久歪みは、次のようにして測定した。
次いで、この混合物を金型に流し込み、混合物に対して減圧による脱泡処理を行った後、120℃、30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが12.7mm、直径が29mmのシリコンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して、200℃
、4時間の条件でポストキュアを行った。
(iii)シリコンゴム硬化物の引裂強度は、次のようにして測定した。
このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(iv)デュロメーターA硬度は、上記(iii)と同様にして作製されたシートを5枚重ね合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃における値を測定した。
(5)異方導電性コネクターの作製:
上記(3)で作製したフレーム板31および上記(4)で調製した成形材料を用い、特開2002−324600号公報に記載された方法に従って、フレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された、図19に示す構成の966個の異方導電性シート35を形成することにより、異方導電性コネクター30を製造した。
得られた異方導電性シート35について具体的に説明すると、異方導電性シート35の各々は、横方向の寸法が6000μm、縦方向の寸法が2000μmであり、26個の導電部36が120μmのピッチで横方向に一列に配列されており、導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μm、突出部38の突出高さが25μm、絶縁部37の厚みが100μmである。
非接続用の導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。
このようにして、合計で8枚の異方導電性コネクターを製造した。
これらの異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC1」〜「異方導電性コネクターC8」とする。
〈検査用回路基板の作製〉
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、試験用ウエハW1における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極21が形成された検査用回路基板20を作製した。
得られた検査用回路基板を「検査用回路基板T1」とする。
〈シート状プローブの評価〉
(1)試験1(隣接する電極構造体間の絶縁性):
シート状プローブM1、M2、シート状プローブO1、O2の各々について、以下のようにして隣接する電極構造体間の絶縁性の評価を行った。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極21の各々に順次電圧を印加すると共に、電圧が印加された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗をシート状プローブにおける電極構造体15間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として測定し、全測定点における絶縁抵抗が10MΩ以下である測定点の割合(以下、「絶縁不良割合」という。)を求めた。
以上の結果を下記表1に示す。
シート状プローブM3、M4、シート状プローブO3、O4の各々について、以下のようにして被検査電極に対する電極構造体15の接続安定性の評価を行った。
プローブ上に、異方導電性コネクター30をその導電部36の各々がシート状プローブの裏面電極部17上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電性コネクター30上に、検査用回路基板T1をその検査電極21の各々が異方導電性コネクター30の導電部36上に位置するよう位置合わせして配置し、更に検査用回路基板T1を下方に200kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧した。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極7について、シート状プローブ、異方導電性コネクター30および試験用ウエハW2を介して互いに電気的に接続された2個の検査電極21の間の電気抵抗を順次測定した。
次いで、検査用回路基板T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を125℃に昇温してその温度が安定するまで放置し、その後、検査用回路基板T1を下方に200kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧し、上記操作(1)と同様にして接続不良割合を求めた。この操作を「操作(2)」とする。
そして、上記の操作(1)、操作(2)および操作(3)を1サイクルとして合計で200サイクル連続して行った。
以上の結果を下記表2に示す。
ト状プローブも電極構造体15も絶縁層18Bから脱落していなかった。
表2の結果より、比較例に関わるシート状プローブOでは、表面電極部の突出高さが小さいため、絶縁層にてその表面の周囲を覆われた被検査電極を有するウエハに対しては、その電気的接続を安定して継続できないことが明らかになった。
2 支持板
3 加圧板
4 ウエハ載置台
5 加熱器
6 ウエハ
7 被検査電極
8 直径
9 接点膜
10 シート状プローブ
10A 積層体
10B 積層体
10C 積層体
11 絶縁性シート
15 電極構造体
16 表面電極部
16A 表面電極形成用金属シート
16B 先端部
16C 基端部
17 裏面電極部
17A 裏面側金属層
17E レジスト膜
17F レジスト膜
17H 各パターン孔
18 短絡部
18B 絶縁層
18K 短絡部形成用凹所
18H 貫通孔
19 保持部
20 検査用回路基板
21 検査電極
22 支持部
23 開口
24 多孔膜
25 支持体
26 開口部
27 支持部
28A レジスト膜
28H パターン孔
29A レジスト膜
29B レジスト膜
29H パターン孔
29K パターン孔
30 異方導電性コネクター
31 フレーム板
32 開口
33 空気流入孔
34H パターン孔
35 異方導電性シート
36 導電部
37 絶縁部
38 突出部
39 スペーサー
40A 保護フィルム
40B 保護フィルム
40C 保護フィルム
50 ガイドピン
52 開口
55 樹脂層
80 異方導電性シート
81a 貫通孔
83 フォトレジスト膜
85 検査用回路基板
86 検査電極
90 シート状プローブ
90A 積層体
90B 積層体
90C 積層体
90K 電極構造体形成用凹所
91 絶縁性シート
91A 絶縁性シート材
91B 絶縁性シート
92 金属層
92A 表面側金属層
92B 第2の裏面側金属層
92C 第1の裏面側金属層
92D 保持部
92E 支持部
92H 開口部
92T 先端径
93 レジスト膜
94A レジスト膜
94B レジスト膜
95 電極構造体
96 表面電極部
97 裏面電極部
98 短絡部
98H 貫通孔
99 支持板
100 接着剤
b 傾斜角度
B2 絶縁膜
c 傾斜角度
K1 開口部
L 集積回路
P 導電性粒子
Q 磁性芯粒子
R 径
r 径
R1 径
R2 径
R3 径
R4 径
R5 径
R6 径
t 膜厚
t1 膜厚
t2 膜厚
W 距離
θ エッチング処理角度
φ1 開口径
φ2 開口径
Claims (3)
- 表面電極部の先端部分を立設した表面電極形成用金属シート部材を用意する工程と、
前記表面電極部の先端部を立設した表面電極形成用金属シート部材上に、第1の絶縁層を積層する工程と、
前記第1の絶縁層に開口を形成し、その開口底面に表面電極部の先端部分の底面を露出する工程と、
前記第1の絶縁層の開口内に表面電極部の基端部分を充填形成する工程と、
前記第1の絶縁層と表面電極部の基端部分を覆うように第2の絶縁層を積層する工程と、
前記第2の絶縁層に貫通孔を形成しその底面に表面電極部を露出させる工程と、
前記第2の絶縁層の貫通孔内に短絡部を形成し、第2の絶縁層の表面に裏面側電極層を形成する工程と、
を有することを特徴とするシート状プローブの製造方法。 - 表面電極形成用金属シートの表面に表面電極部の先端部分を立設する位置にパターン孔を有するレジスト層を形成し、レジスト孔内に金属を充填し、レジスト層を除去することにより、表面電極部の先端部分を立設した表面電極形成用金属シート部材を用意することを特徴とする請求項1に記載のシート状プローブの製造方法。
- 表面電極形成用金属シートの表面にエッチングが可能な樹脂層が形成された積層体に、樹脂層に表面電極部の先端部分を立設する位置にエッチングを行い貫通孔を形成し、貫通孔内に金属を充填し、樹脂層を除去することにより、表面電極部の先端部分を立設した表面電極形成用金属シート部材を用意することを特徴とする請求項1に記載のシート状プローブの製造方法。
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