JP2006077183A - 2−シアノアクリレート系接着剤組成物 - Google Patents

2−シアノアクリレート系接着剤組成物 Download PDF

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吉生 長濱
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Abstract

【課題】 本発明は、従来の2−シアノアクリレート系接着剤と同様の性能を有し、かつ、硬化速度および粘度安定性(貯蔵安定性)において改善された2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供する。
【解決手段】 以下の(A)100重量部に対して(B)2〜15重量部(C)5〜30重量部含有することを特徴とする接着剤組成物。
(A)2―シアノアクリレート (B)ジメチルシリコンオイルで表面処理され、BET法による比表面積が150m2/g未満であり、かつ、水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散させた時の分散組成物のpHが4〜7である疎水性シリカからなる群から選ばれる少なくとも1種 (C)ポリメタクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルと前記メタクリル酸アルキル以外のメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルとの共重合体からなる群のうち、重量平均分子量が10〜30万であるものから選ばれる少なくとも1種

Description

本発明は、2−シアノアクリレート系接着剤組成物に関するものである。
2−シアノアクリレートは極めてアニオン重合を起し易く、固体表面や空気中の水分、アルカリ物質等のアニオン活性種等により触媒の添加や加熱を行なうことなく短時間で重合硬化する性質を有するのでゴム、プラスチック、金属、ガラス、木材等の接着に瞬間接着剤として広く利用されている。
しかし、従来の2−シアノアクリレート系接着剤は、傾斜面への均一な塗布が困難であることや被着材が木材・皮等の多孔性物質の場合、被着材表面に浸透してしまい、接着困難となる等、使用時に問題点を有していた。これらの問題を解決するため、2−シアノアクリレート系接着剤にポリマー系増粘剤を配合してこれを増粘する方法が提案され、この方法により、多孔質面への浸透および傾斜面への塗布性はある程度改善された。しかし、ポリマー系増粘剤の2−シアノアクリレート系接着剤への配合量には限度があり、配合量が過剰な場合、曳糸性の発現等、接着剤としての各種性能が著しく低下するという問題点があった。 そこで、2−シアノアクリレート系接着剤にチクソトロピック剤として超微粉状無水シリカを配合し、高いチクソトロピック性を付与することにより、流動性、浸透性を解決する方法が試みられてきた。
従来の技術としては、ジメチルシロキサン処理されたヒュームドシリカおよびポリメタクリレート等を1〜15重量%添加する方法(特許文献1)、ヘキサメチルジシラザン表面処理された疎水性微粒子状シリカを加熱減圧処理および酸性ガス処理したものを2−シアノアクリレートに添加する方法(特許文献2、3)が開示されているが、これらの方法では、従来の2−シアノアクリレート系接着剤に比べ、所定量配合しても充分な粘度および
チクソトロピック性が得られないという欠点があり、また、製造後期間が経つと分離現象、すなわちチクソトロピック層の上部に低粘度の流動性液体が分離する現象が起こる。この分離現象が生じると、容器より吐出される接着剤組成物の多孔質面への浸透の抑制および傾斜面への塗布性は大きく損なわれるため、2−シアノアクリレート系接着剤として従来と同様の硬化速度、および接着強度を有し、かつ、チクソトロピック層の上部に低粘度の流動性液体が分離する現象が起こることなく、多孔質面への浸透および傾斜面への塗布性が改善された2−シアノアクリレート系接着剤組成物の開発が望まれていた。
特表昭60−502106号公報
特開昭62−169878号公報
特開昭63−97671号公報
本発明は、接着強度、分離安定性、無曳糸性等について従来の2−シアノアクリレート系接着剤と同様の性能を有し、かつ、硬化速度および粘度安定性(貯蔵安定性)において改善された2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討の結果、以下の(A)100重量部に対して(B)2〜15重量部(C)5〜30重量部含有することにより、接着強度、分離安定性等、無曳糸性について従来の2−シアノアクリレート系接着剤と同様の性能を有し、かつ、硬化速度および粘度安定性(貯蔵安定性)において改善された2−シアノアクリレート系接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
(A)2―シアノアクリレート
(B)ジメチルシリコンオイルで表面処理され、BET法による比表面積が150m/g未満であり、かつ、水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散させた時の分散組成物のpHが4〜7である疎水性シリカからなる群から選ばれる少なくとも1種
(C)ポリメタクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルと前記メタクリル酸アルキル以外のメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルとの共重合体からなる群のうち、重量平均分子量が10〜30万であるものから選ばれる少なくとも1種
本発明における(A)2−シアノアクリレートは、式(1)で示される2−シアノアクリレートが好適に用いられる。
Figure 2006077183

(式中Rは炭素数1〜16の置換基を有していてもよい飽和または不飽和の脂肪族もしくは脂環族基又は芳香族基を示す。)
本発明における(A)2−シアノアクリレ−トの具体例としては、例えば、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、オクチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、ドデシル、アリル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル、ベンジル、フェニル、クロロエチル、テトラヒドロフルフリル等のエステル類が挙げられる。また、これらの2−シアノアクリレートは1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(B)ジメチルシリコンオイルで表面処理され、かつ、1)BET法による比表面積が150m/g未満および 2)水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散した分散組成のpHが4〜7という条件を満たす疎水性シリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のRY200S等が挙げられる。それぞれの比表面積はいずれも150m2/g未満であり、これらの条件を満たす他の疎水性シリカとしては、独:DEGUSSA社製、米:CABOT社製のものも使用できる。また、これら特定された 疎水性超微粉シリカは1種又は2種以上を併用使用してもよい。 本発明における(B)の使用量は、(A)2―シアノアクリレート100部に対して、2〜15重量部であり、好ましくは、4〜10重量部である。
本発明における(C)ポリメタクリル酸アルキルとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリメタクリル酸の低級アルキル(エステル)が挙げられ、また、本発明におけるメタクリル酸アルキルおよび前記メタクリル酸アルキル以外のメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルとの共重合体のモノマーとしては、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−iso−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−iso−ブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸−n−ヘプチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸エトキシプロピル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸テトラヒドロフリフリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−iso−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−iso−ブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸アリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどが挙げられ、本発明における(C)の共重合体としては、具体的にはコポリマー、ターポリマー、テトラマー等が挙げられ、共重合体中にこれらのモノマーは通常50モル%以下、好ましくは25モル%以下存在するものが好んで用いられる。また、これらのコポリマー、ターポリマー、テトラマー等の共重合体同士を2種以上混合したものでもよい。
本発明における(C)は、重量平均分子量10〜30万、更に好ましくは重量平均分子量12〜20万のポリメタクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルと前記メタクリル酸アルキル以外のメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルとの共重合体が用いられ、その添加量は2−シアノアクリレート100重量部に対して5〜30重量部であり、好ましくは、10〜20重量部、さらに好ましくは12〜17重量部である。
本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている速硬化添加剤を目的に応じ、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物の特性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。
速硬化添加剤としては、多価アルコール類、ポリアルキレンオキサイド誘導体、カリックスアレン化合物等が挙げられる。
速硬化添加剤のうち、多価アルコール類として具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ポリブタジエンジオール、クロルプロピレングリコール、3−メチルペンタンジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、2,5−ヘキサンジオールなどが挙げられ、これらの誘導体としては、そのアルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキルエーテル、又はエステル、具体的には例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、テトラメチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール酢酸エステル、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、エチルセロソルブステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、セロソルブアクリレート、セロソルブメタクリレート、セロソルブクロトネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
速硬化添加剤のうち、ポリアルキレンオキサイド誘導体としては、式(2)
Figure 2006077183
(式中、X4 およびX5 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基を示す。pは1以上の整数、qは2以上の整数を示し、末端は環形成されていてもよい。)
なる繰り返し単位を有する化合物から選ばれた1種以上が挙げられる。
ポリアルキレンオキサイド誘導体の具体的な例としては次の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホルムアルデヒド縮合体、アセトアルデヒド縮合体、トリオキサン重合体、ポリアルキレングリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(400 、1000、etc )、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド、ポリ3,3−ビス(クロロメチル)ブチレンオキシド、ポリ1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックポリマーなど。)
ポリアルキレングリコールモノエーテル(例えば、メチルカルビトール、カルビトール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールプロピルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエーテルなど。)、ポリアルキレングリコールジエーテル(例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなど。)、
ポリアルキレングリコールモノエステル(例えば、ジエチレングリコールモノプロピオネート、テトラエチレングリコールモノアセテート、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチレート、ポリエチレングリコールモノアセテート、ポリエチレングリコールモノプロピオネート、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールセバケート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ジエチレングリコールクロトネートなど。)、ポリアルキレングリコールジエステル(例えば、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジステアレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコールジ−n−ブチレート、ポリエチレングリコールジウラレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレングリコールジ−2−シアノアクリレート、ポリエチレングリコールステアリル−メタクリレート、ポリエチレングリコールラウリル−アクリレートなど。)、
ポリアルキレングリコールモノエーテルモノエステル(例えば、メチルカルビトール、カルビトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラオキシエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル等のグリコールモノエーテル化合物のアクリレート、メタクリレート、クロトネート、又は2−シアノアクリレートなど。)、その他ビスフェノールA−ポリアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−ポリアルキレンオキシド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキシド付加物、アジピン酸−ポリアルキレンオキシド付加物、トリメット酸−ポリアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。その他環状化合物としては例えば、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン−5−エーテル、ジチオ−15−クラウンエーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6−エーテル、 1.2−ナフト−15−クラウン−5−エーテル、 1.2−メチルベンゾ−18−クラウン−6−エーテルなども使用することができ、これらの添加剤は1種又は2種以上を使用してもよい。
カリックスアレン化合物としては、従来公知のカリックスアレン化合物を用いることができ、具体的には一般式(3)
Figure 2006077183
(式中、R4 は水素原子、−OH基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基および置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5 はH又は置換されていてもよいアルキル基である。また、yは4,6又は8である。)
で示されるカリックスアレン化合物があげられる。このようなカリックスアレン化合物としては、具体的には、5,11,17,23,29,35 −ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42 −ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、37,38,39,40,41,42 −ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、或いは例えば特開昭60−179482号公報に記載されている 37,38,39,40,41,42−ヘキサ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔6〕アレン、 25,26,27,28−テトラ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔4〕アレン等が好ましく用いられる。
これら速硬化添加剤は本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物の硬化速度をさらに速めるために添加される。本発明において速硬化添加剤の添加量は通常、2−シアノアクリレート100重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.005〜1重量部である。
また、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている安定剤(例えば、二酸化イオウ、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、三弗化ホウ素ジエチルエーテル、HBF4 、トリアルキルボレート等のアニオン重合禁止剤や、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、カテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤等)、可塑剤(フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソデシル等)、着色剤、香料、溶剤、強度向上剤、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸等、目的に応じ、2−シアノアクリレートモノマーの安定性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。
また、他の増粘剤すなわち、アクリルゴム、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、セルロースエステル、ポリアルキル−2−シアノアクリレート、エチレン−酢ビ共重合体等シアノアクリレートの増粘剤として公知である種々の増粘剤を1種又は2種以上併用しても良い。
本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物は、接着強度、分離安定性、組成物調製中の相溶性・分散安定性(分散性)、無曳糸性について従来の2−シアノアクリレート系接着剤と同様の性能を有し、かつ、硬化速度および粘度安定性(貯蔵安定性)において改善された2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供することができる。
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
試験法は比較例、実施例とも以下の試験法に準じた。
[試験方法]
1.粘度
JIS K 6838に準じて測定した。(BH型粘度計 No.7ローター20 rpm.)
2.チクソ指数
JIS K 6838に準じて測定した。(BH型粘度計 No.7 ローター2 rpm.と20rpm.との比)
3. セットタイム(硬化速度)
被着材として鋼/鋼を用い、JIS K 6838に準じて測定した。単位 (秒)
4. 引張剪断強さは、JIS K6861−6に準じて測定した。被着材は鋼/鋼を用いた。
5. 粘度安定性
調製直後の接着剤組成物を容量4ccのアルミチューブに3g充填し、100℃に保持し,ゲル化日数を測定した.(促進試験)
6.分離安定性
接着剤組成物を、500ccのポリエチレン容器に入れ、室温で6ケ月間放置し、分離の有無を観察した。
7.曳糸性
本発明によって調整された接着剤組成物を、6ケ月後該接着剤組成物にスパチラを入れて、スパチラを上げた時に曳糸性の有無を観察した。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
比較例1は比表面積が本発明の範囲外の表面処理疎水性シリカを用いる以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物を調整し、比較例2は、表面処理疎水性シリカの表面処理法を本発明の範囲外とする以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物を調整し、上記試験方法に準じて、物性安定性を測定した。結果を実施例1および実施例2と合わせて表1に示す。
Figure 2006077183
PMMA:ポリメチルメタクリレート
表面処理疎水性シリカ A(ジメチルシリコンオイル処理)
比表面積 300m/g
pH=5.5(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)
表面処理疎水性シリカ B(ジメチルシリコンオイル処理)
比表面積 100m/g
pH=5.5(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)
表面処理疎水性シリカ C(ジメチルシリコンオイル処理)
比表面積 50m/g
pH=5.5(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)
表面処理疎水性シリカ D(ヘキサメチルジシラザン処理)
比表面積 50m/g
pH=5.5(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)
表中の記号は以下の状態を表す。なお、本表記は表2−表5についても同様である。
3)セットタイム(硬化速度)
◎:10秒以内、○:11秒〜20秒、△:21〜30秒、×:30秒以上
4)引張りせん断強さ
◎:18N/mm以上、○:11−17N/mm2、△:10N/mm以下
5)安定性
○:6日以上、△:5日、×:5日未満
6)分離安定性
○:分離なし △:やや分離あり ×:分離あり。
5)曳糸性
○:曳糸性なし。△:やや曳糸性あり。×:あり。

粘度の好ましい範囲は30000〜100000mPasであり、チクソ指数の好ましい範囲は5〜9である。この好適な範囲は表1〜表5についても同様である。

表1より、ジメチルシリコンオイル表面処理疎水性シリカの比表面積が大であると初期粘度が低くチクソ性も低い。また硬化速度も遅く分離もしやすくなる。しかし、比表面積が50m/g,100m/gであると初期粘度が高く硬化速度も速くなる。
(実施例3、比較例3、4)
比較例3、4はジメチルシリコンオイル表面処理疎水性シリカのpHが本発明の範囲外の表面処理疎水性シリカを用いる以外は、実施例3と同様にして接着剤組成物を調整し上記試験方法に準じて物性および安定性を測定した。結果を実施例2と合わせて表2に示す。
Figure 2006077183
表面処理疎水性シリカ(ジメチルシリコンオイル処理) E:比表面積 100m/g
pH=7.5 (水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)
表面処理シリカ(ジメチルシリコンオイル処理) F:比表面積 100m/g
pH=3.5 (水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)

表2より、ジメチルシリコンオイル表面処理疎水性シリカのpHが高いと安定性が悪くなる。pHが低いと安定性は良好になるが、硬化速度は遅くなる。pHが5.5のものは硬化速度も速く安定性もよい。
(比較例5〜6、実施例4〜5)
比較例5〜6は重量平均分子量が本発明の範囲外のポリメタクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルと前記メタクリル酸アルキル以外のメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルとの共重合体を用いる以外は、実施例4〜5と同様にして接着剤組成物を調整し、上記試験方法に準じて、物性安定性を測定した。結果を実施例4〜5と合わせて表3に示す。
Figure 2006077183
表面処理疎水性シリカ(ジメチルシリコンオイル処理) G
比表面積 100m/g
pH=6.0(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)

表3より、ポリメチルメタクリレートの重量平均分子量が本発明範囲以下では添加量が多く必要となる。それにより安定性が悪くなり硬化速度も遅くなる。逆に発明より重量平均分子量が大であると糸曳きや分離現象を生ずる。
比較例7〜8、実施例6
比較例7〜8は
比表面積、pHおよび重量平均分子量のすべてが本発明の範囲外の表面処理疎水性シリカおよびポリメチルメタクリレートを用いる以外は、実施例6と同様にして接着剤組成物を調整し、上記試験方法に準じて、物性安定性を測定した。結果を実施例6と合わせて表4に示す。
Figure 2006077183
表面処理疎水性シリカ(ジメチルシリコンオイル表面処理)H
比表面積 300m/g
pH=7.5(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)
表面処理疎水性シリカ(ジメチルシリコンオイル表面処理)I
比表面積 300m/g
pH=3.5(水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散液)

ジメチルシリコンオイル表面処理疎水性シリカの比表面積、pHおよびポリメチルメタクリレートの重量平均分子量を本発明の範囲外としたものは硬化速度、安定性、分離性等いずれかの性能に支障が生ずるが本発明範囲内にすると、特に顕著な欠点もなく良好な接着剤が得られる。
比較例9〜10、実施例7〜8
比較例9、10は表面処理疎水性シリカを用いない以外は、実施例7〜8と同様にして接着剤組成物を調整し、上記試験方法に準じて、物性安定性を測定した。結果を実施例7〜8と合わせて表5に示す。
Figure 2006077183
PEG#400誘導体:ポリエチレングリコール#400モノメタクリレートモノメチルエーテル(速硬化添加剤)
12−クラウン−4−エーテル(速硬化添加剤)

Claims (1)

  1. 以下の(A)100重量部に対して(B)2〜15重量部(C)5〜30重量部含有することを特徴とする接着剤組成物。
    (A)2―シアノアクリレート
    (B)ジメチルシリコンオイルで表面処理され、BET法による比表面積が150m2/g未満であり、かつ、水/メタノール=1:1(wt/wt)溶液中に4wt%分散させた時の分散組成物のpHが4〜7である疎水性シリカからなる群から選ばれる少なくとも1種
    (C)ポリメタクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルと前記メタクリル酸アルキル以外のメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルとの共重合体からなる群のうち、重量平均分子量が10〜30万であるものから選ばれる少なくとも1種
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