JP2006077057A - 顔料分散液、その製造方法、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物 - Google Patents

顔料分散液、その製造方法、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジェット記録用のインクとして駆動条件の変動や長期間の使用に際しても常時安定した吐出を行うことが可能な水性顔料系インクに好適に使用しうる顔料分散液及び該顔料分散液を用いたインクジェット記録用インクを得る。
【解決手段】 顔料と、常温で流動性を有する顔料分散剤とを含んだ混合物を分散して顔料分散液を作製する。さらに、該顔料分散液に添加剤として水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、および防腐剤のうちの少なくとも1種を加えてインクジェット記録用インクを調整する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料分散液およびその製造方法に関し、特にインクジェット記録用インクに好適に使用しうる微粒子径の顔料分散液、その製造方法、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物に関する。
従来、微小な径のノズルからインクを噴射させて印字を行うインクジェットプリンタが広く使用されている。この記録方式は、液体インクを微小な径のノズル(オリフィス)から飛翔粒子として記録媒体に向けて噴出させることにより記録媒体上にインクの飛翔粒子を付着させて文字、画像等を形成するものである。
この種のインクジェット記録装置において、従来、各種の染料を水又は有機溶剤に溶解させた染料系のインクを用いるのが一般的であった。しかしながら、染料系のインクは耐光性や耐水性で劣ることから、記録画像に耐光性や耐水性が要求される場合には好ましくなかった。
そこで、近年は、染料系のインクに代えて、顔料系のインクを用いることが提案されている。顔料系のインクをインクジェット記録装置で用いる場合には、顔料系のインクに特定の添加材を含ませたり、或いは顔料系のインクを特定の組成とすることにより分散安定性を向上させることが提案されている。即ち、顔料系のインクでは本来顔料が水との親和性に劣るため、顔料成分がインク液内で凝集や沈降を生じるが、上記のような添加材を含有させたり特定組成とすることにより凝集や沈降を抑制することができる。
関連する文献として、顔料粒子を含むインクを噴出することにより非接触ノンインパクト記録を行う装置に使用される記録液がある(例えば特許文献1参照)。ここでは記録液中に占める25℃における不揮発成分(A)と色材成分(B)との重量割合の差C(=A−B)が0.01≦10となるようにするのが好ましいとされる。また、黒インクを含む複数のカラーインクを使用することが開示され、それぞれの記録液に占める25℃における不揮発成分(A)と色材成分(B)との比(=B/A)が0.5以下とされている。
また、不水溶性着色材、水溶性有機溶剤及び水を含む水性インク組成物であって、実質的に分散剤を含有せず、前記水不溶性着色剤は水に対する溶解度が20℃において1重量%以下のもので、かつ前記水溶性有機溶剤に可溶で、インク組成物中で前記水不溶性着色剤は分散状態にあるインク組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。
これらは、顔料系のインクについて、分散剤としての添加材の割合を特定の条件に設定したり、分散剤を実質的に含有せずに溶解度を特定範囲に規定することでインク組成物を構成するものであるが、インクジェットプリンタで長期間使用すると、インクジェットヘッドのノズル(オリフィス)からの吐出安定性に不安があり、印字不良を生ずる虞があった。この傾向は、熱エネルギーを使うタイプでも、パルス圧力を使うタイプでもオリフィス周辺にインクの残滓が生じ安定した吐出を妨げることとなる。
特開平7−292302号公報 再公表特許WO95/21897号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、インクジェット記録用のインクとして駆動条件の変動や長期間の使用に際しても常時安定した吐出を行うことが可能な水性顔料系インクに好適に使用し得る顔料分散液およびその製造方法を提供すること、さらに該顔料分散液を用いたインクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物を提供することを目的とする。
上記本発明の目的は次の手段により達成される。すなわち、本発明によれば、第一に、顔料と、常温で流動性を有する顔料分散剤とを含んだ混合物が分散されてなることを特徴とする顔料分散液が提供される。
第二に、前記顔料分散剤がアニオン系界面活性剤であることを特徴とする第一に記載の顔料分散液が提供される。
第三に、前記顔料分散剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする第一に記載の顔料分散液が提供される。
第四に、前記顔料分散剤がポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウムサルフェートを使用することを特徴とする第一に記載の顔料分散液が提供される。
第五に、前記顔料分散剤が重量基準で顔料1に対し0.3以上2以下の割合で含まれることを特徴とする第一ないし第四のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第六に、顔料添加量が顔料分散液総重量に対し5%以上30%未満であることを特徴とする第五に記載の顔料分散液が提供される。
第七に、前記顔料がブラック顔料としてカーボンブラックを用いることを特徴とする第一ないし第六のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第八に、前記顔料がイエロー顔料としてピグメントイエロー74を用いることを特徴とする第一ないし第六のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第九に、前記顔料がマゼンタ顔料としてピグメントレッド122およびピグメントバイオレット19のうちの少なくとも1種を用いることを特徴とする第一ないし第六のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第十に、前記顔料がシアン顔料としてピグメントブルー15:3を用いることを特徴とする第一ないし第六のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第十一に、顔料粒子の平均粒子径(D50)が50nm以下であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第十二に、顔料粒子の平均粒子径(D50)が50nm以下で該顔料粒子の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さいことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の顔料分散液が提供される。
第十三に、第一ないし第十二のいずれかに記載の顔料分散液を湿式分散処理により製造することを特徴とする顔料分散液の製造方法が提供される。
第十四に、第一ないし第十二のいずれかに記載の顔料分散液に添加剤として水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、および防腐剤のうちの少なくとも1種を加えて調整したものであることを特徴とするインクジェット記録用インクが提供される。
第十五に、第十四に記載のインクジェット記録用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジが提供される。
第十六に、第十四に記載のインクジェット記録用インクを画像支持体上に吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
第十七に、第十四に記載のインクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録方式により画像支持体上に画像を形成することを特徴とする画像形成方法が提供される。
第十八に、第十四に記載のインクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録装置により画像支持体上に印字されたことを特徴とする画像形成物が提供される。
第十九に、第十八に記載の画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする画像形成物が提供される。
請求項1記載の顔料分散液によれば、顔料と、常温で流動性を有する顔料分散剤とを含んだ混合物が分散されてなることから、特にインクジェット記録用インクに好適に使用しうる微粒子径顔料分散液を短時間で作製することができ、しかも顔料粒子径の保存時の変化を少なくできる顔料分散液を提供することができる。さらに、含まれる顔料の平均粒子径が小さく、吐出安定性に優れる。
請求項2または3記載の顔料分散液によれば、上記顔料分散剤がアニオン系またはノニオン系の界面活性剤であることから、長期保存性の顔料分散液を得ることができる。
請求項4の顔料分散液によれば、上記顔料分散剤がポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウムサルフェートであることから、より長期保存性の顔料分散液を得ることができる。
請求項5記載の顔料分散液によれば、上記顔料分散剤が重量基準で顔料1に対し0.3以上2以下の割合で含まれることから、分散時の平均粒子径を細かくし、かつ、インクの粘度が大きくならない。
請求項6記載の顔料分散液によれば、上記顔料添加量が顔料分散液総重量に対し5%以上30%未満であることから、生産性が劣らず、かつ、顔料分散液の粘度が高すぎず分散が困難とならない。
請求項7ないし10記載の顔料分散液によれば、これら各顔料を選択することにより、色調および耐光性を両立できる、バランスの取れた顔料分散液を得ることができる。
請求項11または12記載の顔料分散液によれば、顔料粒子の平均粒子径(D50)が50nm以下、または、さらに、該顔料粒子の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さいことから、彩度、吐出安定性、液安定性に一層優れた顔料分散液を得ることができる。
請求項13記載の顔料分散液の製造方法によれば、上記顔料分散液を湿式分散処理により製造することから、微粒子径の顔料分散液を短時間で作製することができる。
請求項14記載のインクジェット記録用インクによれば、上記本発明の顔料分散液を用いることから、含まれる顔料の平均粒子径が小さく、常時安定した吐出を行うことができるインクジェット記録用インクを得ることができる。
請求項15記載のインクカートリッジによれば、上記本発明のインクジェット記録用インクを収容したことから、保存性に優れ、長期にわたって吐出安定性に優れたインクを供給できるインクカートリッジを提供することができる。
請求項16記載のインクジェット記録装置によれば、上記本発明のインクジェット記録用インクを画像支持体上に吐出させて記録を行うことから、吐出安定性の優れたインクジェット記録を行うことができる。
請求項17記載の画像形成方法によれば、上記本発明のインクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録方式により画像支持体上に画像形成を行うことから、吐出安定性の優れた画像形成を行うことができる。
請求項18および19記載の画像形成物によれば、上記本発明のインクジェット記録用インクを用いて印字することから、長期に渡り、安定した彩度を有する画像形成物を得ることができる。
以下、本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。
前述のように本発明の特徴は、少なくとも顔料と、常温で流動性を有する顔料分散剤とを含むインクジェット用顔料分散液及びその製造方法にある。本明細書でいう常温とは18℃から28℃(好ましくは25℃)であり、また、「流動性を有する」とは、粘度12000(mPa・s)以下と定義する。粘度12000(mPa・s)以上の分散剤は水に溶解する時間が固形の分散剤並の時間を要するからである。
このように本実施形態の顔料分散液に使用される分散剤は、常温で流動性を有する分散剤であり、具体的には、アニオン系活性剤としては分岐アルキルベンゼンスルホート・Na、分岐アルキルジフェニルエーテルジスルホネート・Na、ジイソプロピルナフタレンスルホネート・Na、オクチルエーテルホスフェート・K、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウムサルフェート等が挙げられる。またノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレン2級アルキル(C12−14)エーテル、ポリオキシアルキレンポリスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウムサルフェート用いることにより、より長期保存可能な顔料分散液及びそれを用いた常時安定した吐出を行うことができるインクジェットインク用インクを得ることができる。
常温で流動性を有する分散剤を用いることで、常時安定した吐出を行うことができるインクジェット用インクが得られる理由は定かではないが、ノズル先端でインク中の水分が蒸発しインクが増粘しても分散剤が流動性を有していることから、全体の粘度上昇が抑制される為ではないかと考えられる。
添加量として分散剤が重量基準で顔料1に対し0.3以上2以下の割合が好ましく、1.5〜2がより好ましい。分散剤の量が0.3未満だと分散時の平均粒子径を細かくする効果が小さく、2より多いとインクの粘度が大きくなる傾向にある。このような分散剤の使用量を採用することにより、平均粒子径(D50)が小さく、かつ粒子径標準偏差も小さくする事が出来、これにより彩度、吐出安定性、液安定性に一層優れた顔料分散液を提供することができる。なお、前記分散剤の使用量が0.3未満では前記効果が達成されにくいことのほか、顔料分散液及びインクの保存安定性が劣り、その結果ノズルの目詰まりが発生しやすい傾向があり、2より大きいと顔料分散液およびインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
本実施形態の顔料粒子の平均粒子径(D50)は50nm以下であり、且つ顔料粒子の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さいことにある。顔料粒子の平均粒子径(D50)は好ましくは20nm以下である。平均粒子径(D50)が50nmを超えると彩度が劣る。
なお、本実施形態における平均粒子径(D50)は常法により測定することは可能であるが、例えば日機装株式会社製の粒度分析計UPA150を使用して測定することができる。また本実施形態でいう粒子径標準偏差も常法により測定することは可能であるが、これも例えば日機装株式会社製の粒度分析計UPA150を使用して測定して得た測定値sdであることができる。
平均粒子径(D50)及び粒子径標準偏差は、分散機を用いて顔料を分散する際、分散機回転部周速、分散時間、分散液流量、分散液温度によって制御することが可能である。この場合、顔料粒子の平均粒子径(D50)が100nm以下であり、且つ顔料粒子の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さくするには分散機回転部周速はあまり高過ぎると顔料分散液が凝集しやすく、低すぎると分散効率が悪く生産性が落ちるため好ましくは6m/s〜13m/sである。
分散時間は上記メディアミル内の分散液滞留時間5分の平均粒子径の変化が2%未満で分散を終了することが望ましい。
分散液流量として300ml/分以上が好ましく、300ml/分以下では分散液温度が上昇し分散安定性に好ましくない。
循環方式の分散は短時間分散に於いては粒子径標準偏差が大きくなる傾向にあり好ましくない。
分散液温度は分散時10℃未満が好ましく、さらに好ましくは4℃〜8℃が分散安定性が良い。
また下記で説明する分散機としてビーズミルを用いる場合は、分散媒体(ビーズ)の大きさを調節することによって制御可能である。この場合、平均粒子径(D50)を50nm以下にするにはビーズを0.1mm〜1.0mm程度にすることが好ましくさらに好ましくは0.1mm〜0.5mmにすれば良い。またこの手法によって本実施形態における粒子径標準偏差を平均粒子径(D50)より小さくすることができる。
本実施形態の顔料分散液に使用されている顔料としては、例えばブラック顔料としてはファーネス法あるいはチャネル法で製造されたカーボンブラック等が挙げられる。
またイエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー129、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
またマゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168, ピグメントレッド184, ピグメントレッド202,ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
またシアン顔料としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられる。
中でも、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、シアン顔料としてピグメントブルー15:3を用いることにより、色調と耐光性が両立できるバランスの取れたインクジェットインク用インクを得ることができる。
本実施形態の顔料分散において顔料濃度は5重量%以上30重量%以下が好ましい。5重量%未満では生産性が劣り、30重量%より多いと顔料分散液の粘度が高すぎて分散が困難になる傾向がある。
また、本実施形態の顔料分散液には、水の他に各種添加剤を配合することができる。例えば、水溶性有機媒体としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、また防腐剤等が挙げられる。
本実施形態の顔料分散液は、前記顔料、分散剤、水、必要に応じて各種添加剤をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で分散することによって得られる。このとき、分散剤の使用量を前記のように重量基準として顔料1に対し0.3以上2以下の割合にするとともに、湿式分散処理を採用するのが好適である。なお、本明細書で言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水、必要に応じて水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等により、いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散する処理のことである。
さらに、本実施形態の顔料分散液は、流動性のない分散剤を使用した場合に比べると短時間で作製することができる。すなわち流動性のない分散剤を水に溶解するような時間は少なくとも短縮され、本件発明者らの実績では1〜2時間は短縮される。
このようにして得られた本実施形態の顔料分散液は、特に顔料系インクジェット用インクとして好適に使用することができる。顔料系インクジェット用インクは公知の方法、例えば本実施形態の顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を攪拌混合し、フィルタ、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、必要であれば脱気することによって得られる。
なお、インクの顔料濃度は1重量%以上15重量%以下が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、15重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなくノズルの目詰まりが発生しやすくなる。またインクには前記顔料分散液への添加剤で記した材料と同等の材料を必要に応じて配合することが出来る。たとえば水溶性有機溶剤の含有量としては、インク全量に対して0重量%以上50重量%以下、好ましくは5重量%〜40重量%、さらに好ましくは10重量%〜35重量%である。
このようにして得られた本実施形態の顔料系インクジェット用インクは、例えばカラー画像を形成するために複数の異なる色相のインクを重ねて画像支持体に画像形成するインクジェット記録用インクセット、これを収容するインクカートリッジに好適に用いることが出来る。また本実施形態の顔料系インクジェットインクは、これを例えば紙のような画像支持体に吐出させ記録(印字)を行って画像形成するインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下で示す部は重量基準である。
〔実施例1〕
処方1
顔料:ピグメントレッド122(大日本インキ化学工業株式会社製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RG) 30部
ハイテノール18E(第一工業製薬株式会社製、アニオン系界面活性剤、常温流動性(1588mPa・s)) 23部
蒸留水 148部
上記の混合物を200mlのビーカーに入れテフロン(登録商標)皮覆攪拌子を加え、4時間攪拌を行った。次にこの攪拌処理済の混合物をディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製ダイノミールKDL型0.3Lバッチ式ガラスコンテナーセット)で0.3mmジルコニアビーズを用いて3時間分散し、実施例1の顔料分散液(A)を得た。
〔実施例2〕
実施例1のハイテノール18EをパイオニンA−43−D(竹本油脂株式会社製、アニオン系界面活性剤、常温流動性(248mPa・s))にする以外は同様にして実施例2の顔料分散液(B)を得た。
〔実施例3〕
実施例1のピグメントレッド122をピグメントブルー15:3(東洋インキ製造株式会社製、LIONOL BLUE FG−7351)にする以外は同様にして実施例3の顔料分散液(C)を得た。
〔実施例4〕
実施例3のハイテノール18EをパイオニンD−1107−S(竹本油脂株式会社製、ノニオン系界面活性剤、常温流動性(51mPa・s))にする以外は同様にして実施例4の顔料分散液(D)を得た。
〔実施例5〕
実施例1のピグメントレッド122をピグメントイエロー74(大日精化工業株式会社製エローNo.43)にする以外は同様にして実施例5の顔料分散液(E)を得た。
〔比較例1〕
実施例1のハイテノール18EをパイオニンA−45−PN(竹本油脂株式会社製、常温固体)にする以外は同様にして比較例1の顔料分散液(G)を得た。
〔比較例2〕
実施例3のハイテノール18EをパイオニンB−611(竹本油脂株式会社製、常温固体)にする以外は同様にして比較例2の顔料分散液(H)を得た。
〔比較例3〕
実施例5のハイテノール18EをパイオニンD−1420(竹本油脂株式会社製、常温固体)にする以外は同様にして比較例3の顔料分散液(I)を得た。
〔試験例〕
上記の方法で得られた顔料分散液(A)〜(I)を用いて下記インク処方1によりインク液を調整し、30分攪拌後、孔径0.8μmのメンブランフィルタでろ過、真空脱気して(a)〜(i)の実施例のインク液を得た。
インク処方1:
顔料分散液(顔料濃度15%) 40.0部
グリセリン 7.5部
ジエチレングリコール 22.5部
2―エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
2−ピロリドン 3.0部
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.45部
蒸留水 73.55部
上記顔料分散液(A)〜(I)及びインクジェット記録用インク(a)〜(i)をポリエチレン製容器に密閉し70℃で7日間高温保存性試験を行い、試験前後の顔料平均粒子径を測定した。またインク(a)〜(i)をセイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターEM−930C(ピエゾ方式)及び日本ヒューレット・パッカード株式会社製インクジェットプリンターDeskJet880C(サーマル方式)で印字吐出安定性を評価した。分散液の平均粒子径の測定結果を表1に、インクの平均粒子径の測定結果を表2に、インクの吐出安定性の評価結果を表3に示した。
Figure 2006077057
Figure 2006077057
Figure 2006077057
以上のように、上述した各実施例による顔料分散液によれば、含まれる顔料の平均粒子径が小さく、吐出安定性に優れ、しかも顔料粒子径の保存時の変化を少なくできる顔料分散液を提供することができる。

Claims (19)

  1. 顔料と、常温で流動性を有する顔料分散剤とを含んだ混合物が分散されてなることを特徴とする顔料分散液。
  2. 前記顔料分散剤がアニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の顔料分散液。
  3. 前記顔料分散剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の顔料分散液。
  4. 前記顔料分散剤がポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウムサルフェートであることを特徴とする請求項1に記載の顔料分散液。
  5. 前記顔料分散剤が重量基準で顔料1に対し0.3以上2以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  6. 顔料添加量が顔料分散液総重量に対し5%以上30%未満であることを特徴とする請求項5に記載の顔料分散液。
  7. 前記顔料がブラック顔料としてカーボンブラックを用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  8. 前記顔料がイエロー顔料としてピグメントイエロー74を用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  9. 前記顔料がマゼンタ顔料としてピグメントレッド122およびピグメントバイオレット19のうちの少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  10. 前記顔料がシアン顔料としてピグメントブルー15:3を用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  11. 顔料粒子の平均粒子径が50nm以下であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  12. 顔料粒子の平均粒子径が50nm以下で該顔料粒子の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径より小さいことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の顔料分散液。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の顔料分散液を湿式分散処理により製造することを特徴とする顔料分散液の製造方法。
  14. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の顔料分散液に添加剤として水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、および防腐剤のうちの少なくとも1種を加えて調整したものであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  15. 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  16. 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを画像支持体上に吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録方式により画像支持体上に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  18. 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録装置により画像支持体上に印字されたことを特徴とする画像形成物。
  19. 請求項18に記載の画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする画像形成物。
JP2004260185A 2004-09-07 2004-09-07 顔料分散液、その製造方法、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物 Pending JP2006077057A (ja)

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