JP2006076278A - ボールペンチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】極小ボールを備えたにもかかわらず、ボールの脱落を長期にわたり防止できるとともに筆跡途切れのない十分な筆記性能を有するボールペンチップを得る。
【解決手段】金属筒体2の先端近傍の内面にボール受け座3を形成する。前記ボール受け座3の前側に外径0.3mm未満のボール5を収容する。前記金属筒体2の先細状先端部21を円周状に内方変形させることによってカシメ部4を形成する。前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間でボール5を回転可能に抱持させる。前記カシメ部4の先端より前方にボール5の一部を突出させる。ボール5の外径をA、カシメ部4の内径をH、ボール5のカシメ部4の先端からの出寸法をLとしたとき、「0.010mm<A−H<0.035mm」かつ「0.15<L/A<0.30」の関係を満足させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、極小ボール(即ち外径0.3mm未満のボール)を備えたボールペンチップに関する。
従来、この種のボールペンチップにおいて、特許文献1の請求項3には、金属細管の一端の近傍部においてこの一端から等距離にある複数箇所を内方に押圧変形して内方突起を形成したホルダーと、前記内方突起と前記一端との間に挿入される直径0.3mm未満のボールとを備えるとともに、前記一端の辺縁を内側にカシメ加工することによりカシメ部を形成したボールペンチップであって、前記ボールの直径をD、前記内方突起の内接円の直径をF、前記ボールの前記カシメ部の先端からの出寸法をG及びこのカシメ部の内径をHとしたときに、
0.4≦F/D≦0.6、
G/D≧0.25
かつ
0.005mm≦D−H≦0.010mm
なる関係を満たすことを特徴とするボールペンチップが開示されている。
特開2003−251979号公報
一般に、極小ボール(即ち外径0.3mm未満のボール)を備えたボールペンチップの場合、図5に示すように、筆記時、ボールが紙面に埋没すると同時に、ほとんどの場合、カシメ部もかなりの部分が紙面に埋没する。特に、筆記圧が大きい場合には、前記ボール及びカシメ部の紙面への埋没量は著しい。そのため、極小ボールを備えたボールペンチップは、筆記時、前記カシメ部が紙面と接触することにより次第に摩耗し、短期間でボールが外部へ脱落するおそれがある。
前記特許文献1のボールペンチップは、筆記時の引っかかり感を無くすことを重視し、カシメ部のカシメ変形量を比較的小さく抑え、かつ、ボール外径に対するボール出寸法の比を一般的なボール(例えば外径0.5mmボール)と同様に比較的大きく設定した構成となっている。その結果、前記特許文献1のボールペンチップは、ボールの脱落を長期にわたり防止することが困難である。
また、前記特許文献1のボールペンチップは、ボール受け座の内方突出量が比較的小さく設定されているため、ボール受け座の摩耗を十分に防止することが困難である。そのため、筆記によりボール受け座が大きく摩耗し、カシメ部とボールとの隙間が大きくなる。それにより、筆記時、カシメ部の先端内周縁が紙面を引っかき、良好な筆記感が得られないばかりか、紙面の繊維くず等の異物がボール抱持部内に混入する不具合(即ち紙詰まり)が生じ、インキ流出性及びボールの円滑な回転が阻害され、筆跡途切れが生じたり、あるいはボールペン本体内に充填インキを残したまま筆記不能となるおそれがあった。
本発明は前記問題点を解決するものであって、極小ボールを備えたにもかかわらず、ボールの脱落を長期にわたり防止できるとともに筆跡途切れのない十分な筆記性能を有するボールペンチップを提供すること、極小ボールを備えたにもかかわらず、筆跡途切れのない十分な筆記性能を有するボールペンチップを提供すること、及び極小ボールを備えたにもかかわらず、ボールの脱落を長期にわたり防止できるボールペンチップを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、以下のa.b.の点に着目した。
a.極小ボールを備えたボールペンチップ(特に、極小ボールを備えたニードルタイプのボールペンチップ)の先端は尖鋭となり、図5に示すように、通常の筆記圧では、ボール出寸法にかかわらず、カシメ部を有する先細状先端部が常に紙面に深く埋没し、紙面が一時的に凹んだ状態となる。そのため、前記ボール出寸法をある程度小さく設定しても、前記一時的に凹んだ紙面とボールが十分に接触し、筆跡途切れのない十分な筆記性能が得られる。
b.極小ボールを備えたボールペンの場合、細部への書き込み(例えば手帳や印刷書類等への部分的な書き込み)が主な使用形態であるため、一般的な外径のボール(例えば外径0.5mmのボール)を備えたボールペンのような円滑な筆記感は要求されない。
本発明者らは、以上の点に着目し、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
〔1〕本願の第1の発明は、金属筒体2の先端近傍の内面にボール受け座3を形成し、前記ボール受け座3の前側に外径0.3mm未満のボール5を収容し、前記金属筒体2の先細状先端部21を円周状に内方変形させることによってカシメ部4を形成し、前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間でボール5を回転可能に抱持させるとともに前記カシメ部4の先端より前方にボール5の一部を突出させてなるボールペンチップ1であって、
前記ボール5の外径をA、前記カシメ部4の内径をH、前記ボール5のカシメ部4の先端からの出寸法をLとしたとき、
0.010mm<A−H<0.035mm
かつ
0.15<L/A<0.30
の関係を満足すること(請求項1)を特徴とする。
前記請求項1のボールペンチップ1は、ボール5の外径Aが0.3mm(ミリメートル)未満の場合に、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hとの差A−Hの値を0.010mm(ミリメートル)より大きくしたこと(即ち、0.010mm<A−H)により、長期にわたりボール脱落防止がなされる。なぜなら、もし、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hとの差A−Hの値が0.010mm以下の場合(即ち、A−H≦0.010mmの場合)、カシメ変形量が小さくなり、筆記使用する条件によっては使用開始から短期間でボール脱落が生じるおそれがあるからである。
また、前記請求項1のボールペンチップ1は、ボール5の外径Aが0.3mm未満の場合に、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値を0.15より大きく設定したこと(即ち、0.15<L/A)により、筆記時、通常の筆記圧でボール5と紙面9との接触状態が維持されるとともにボール5の適正な回転が維持され、筆跡途切れが生じるおそれがない。なぜなら、もし、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値が0.15以下(即ち、L/A≦0.15)の場合、紙面9に対して傾斜させて筆記した際に、ボール5が紙面9から離れて筆跡途切れを生じさせるおそれがあるからである。
また、前記請求項1のボールペンチップ1は、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hの差A−Hの値を0.035mm(ミリメートル)より小さくしたこと(即ち、A−H<0.035mm)により、前記「0.15<L/A」の関係を容易に満足させることができ、筆跡途切れを回避することに有利となる。なぜなら、もし、前記A−Hの値が0.035mm以上の場合、カシメ部の内方へのカシメ変形量が大きくなり、十分なボール出寸法Lを得ることが困難となるからである。
また、前記請求項1のボールペンは、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値を0.30より小さく設定したこと(即ち、L/A<0.30)により、カシメ部4とボール5との隙間を確保でき、筆記に際して十分なインキ流出性が得られる。なぜなら、もし、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値が0.30以上(即ち、0.30≦L/A)の場合、前記ボール脱落を防止できる十分なカシメ変形量を得るための要件「0.010mm≦A−H」の関係を満足させようとすると、カシメ部4とボール5との隙間が小さくなりがちであり、その結果、筆記の際にインキ流出不足により筆跡途切れが生じるおそれがあるからである。
〔2〕前記請求項1のボールペンチップ1において、
0.010mm<A−H<0.030mm
かつ
0.15<L/A<0.25
であること(請求項2)が好ましい。
前記請求項2のボールペンチップ1は、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hの差A−Hの値を0.030mmより小さくしたこと(即ち、A−H<0.030mm)により、より一層、前記「0.15<L/A」の関係を容易に満足させることができ、筆跡途切れを回避することに有利となる。また、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値を0.25より小さく設定したこと(即ち、L/A<0.25)により、ボールを適正に抱持するためのカシメ部のカシメ変形量の設定が容易となり、より一層、カシメ部4とボール5との隙間を確保でき、筆記に際して十分なインキ流出性が得られる。
〔3〕本願の第2の発明は、金属筒体2の先端近傍の内面にボール受け座3を形成し、前記ボール受け座3の前側に外径0.3mm未満のボール5を収容し、前記金属筒体2の先細状先端部21を円周状に内方変形させることによってカシメ部4を形成し、前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間でボール5を回転可能に抱持させるとともに前記カシメ部4の先端より前方にボール5の一部を突出させてなるボールペンチップ1であって、
前記ボール5の外径をA、前記ボール5のカシメ部4の先端からの出寸法をLとしたとき、
0.15<L/A<0.25
の関係を満足すること(請求項3)を特徴とする。
前記請求項3のボールペンチップ1は、ボール5の外径Aが0.3mm未満の場合に、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値を0.15より大きく設定したこと(即ち、0.15<L/A)により、筆記時、通常の筆記圧でボール5と紙面9との接触状態が維持されるとともにボール5の適正な回転が維持され、それにより、筆跡途切れが生じるおそれがない。なぜなら、もし、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値が0.15以下(即ち、L/A≦0.15)の場合、紙面9に対して傾斜させて筆記した際に、ボール5が紙面9から離れて筆跡途切れを生じさせるおそれがあるからである。
また、前記請求項3のボールペンチップ1は、ボール5の外径Aが0.3mm未満の場合に、ボール出寸法Lのボール外径Aに対する比L/Aの値を0.25より小さく設定したこと(即ち、L/A<0.25)により、ボールを適正に抱持するためのカシメ部のカシメ変形量の設定が容易となり、より一層、カシメ部4とボール5との隙間を確保でき、筆記に際して十分なインキ流出性が得られる。
〔4〕本願の第3の発明は、金属筒体2の先端近傍の内面にボール受け座3を形成し、前記ボール受け座3の前側に外径0.3mm未満のボール5を収容し、前記金属筒体2の先細状先端部21を円周状に内方変形させることによってカシメ部4を形成し、前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間でボール5を回転可能に抱持させるとともに前記カシメ部4の先端より前方にボール5の一部を突出させてなるボールペンチップ1であって、
前記ボール5の外径をA、前記カシメ部4の内径をHとしたとき、
0.010mm<A−H<0.035mm
の関係を満足すること(請求項4)を特徴とする。
前記請求項4のボールペンチップ1は、ボール5の外径Aが0.3mm未満の場合に、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hとの差A−Hの値を0.010mmより大きくしたこと(即ち、0.010mm<A−H)により、長期にわたりボール脱落の防止がなされる。なぜなら、もし、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hとの差A−Hの値が0.010mm以下の場合(即ち、A−H≦0.010mmの場合)、カシメ部のカシメ変形量が小さくなり、筆記使用する条件によっては使用開始から短期間でボール脱落が生じるおそれがあるからである。
また、前記請求項4のボールペンチップ1は、ボール5の外径Aが0.3mm未満の場合に、ボール外径Aとカシメ部4の内径Hの差A−Hの値を0.035mmより小さくしたこと(即ち、A−H<0.035mm)により、紙面9に対して傾けて筆記しても筆跡途切れがないようなボール出寸法Lを設定することが容易となる。もし、A−Hの値が0.035mm以上(即ち0.035mm≦A−H)の場合、カシメ部のカシメ変形量が大きくなり、ボール出寸法Lの設定の自由度が減少し、紙面9に対して傾けて筆記しても筆跡途切れが生じないようにボール出寸法Lを設定することが困難となる。前記A−Hの値は、0.030mmより小さいこと(即ち、A−H<0.030mm)が、より一層、紙面9に対して傾けて筆記しても筆跡途切れがないようなボール出寸法Lを設定することが容易となる点で好ましい。
〔5〕前記請求項1乃至4のボールペンチップ1において、前記ボール受け座3の中心に描いた仮想内接円の直径をBとしたとき、
B/A<0.4
の関係を満足すること(請求項5)を特徴とする。
前記ボール受け座3の中心に描いた仮想内接円の直径B(以降、ボール受け座の内径Bという)のボールの外径Aに対する比B/Aの値を、0.4より小さく設定したこと(即ち、B/A<0.4)により、ボール受け座の摩耗を十分に抑えることができる。それにより、紙詰まりによって生じる筆記不良(筆跡途切れや筆記不能)を回避し、円滑なインキ流出性及び良好な筆記感が長期にわたり得られる。尚、前記B/Aの値は、0.25より大きいこと(即ち、0.25<B/A)が好ましい。もし、B/Aの値が、0.25以下であると、ボール受け座3の内径Bが極めて小さくなるため、ボール受け座3の形成が製造上困難となる。前記B/Aの値は、さらに好ましくは、0.3より大きいこと(即ち、0.3<B/A)が有効である。
〔6〕前記請求項1乃至5のボールペンチップ1において、金属筒体2の先細状先端部21の後方に直円筒状部22を備え、前記直円筒状部22の外径Dが0.5mm未満(即ち、D<0.5mm)であること(請求項6)が好ましい。
前記直円筒状部22の外径Dが0.5mm(ミリメートル)未満である場合、図5に示すように、ボールペンチップ1の先端部がニードル状に尖鋭となり、一層、筆記時にカシメ部4が紙面9に埋没しやすく、紙面9との接触によるカシメ部4の摩耗により、使用開始から短期間でボール脱落が発生するおそれがある。しかし、請求項6のボールペンチップ1は、前記請求項1乃至5の構成が有効に作用して、長期にわたりボール脱落を十分に防止することができる。即ち、請求項6により、長期にわたりボール脱落を防止することができるニードルタイプの極小ボールを備えたボールペンチップ1を得る。尚、前記直円筒状部22は、先細状先端部21の後端より後方に連設され、少なくとも先細状先端部21の後端からボール受け座3近傍まで形成される。勿論、前記直円筒状部22は、先細状先端部21の後端から金属筒体2の後端まで形成されてもよい。前記直円筒状部22により、先端がニードル形状のボールペンチップを得る。
〔7〕前記請求項6のボールペンチップ1において、前記ボール5の外径Aが、0.15mm〜0.29mmであり、前記直円筒状部22の外径Dが0.30mm〜0.49mmであること(請求項7)が好ましい。
〔8〕前記請求項7のボールペンチップ1において、前記ボール5の外径Aが、0.25mm〜0.28mmであり、前記直円筒状部22の外径Dが0.40mm〜0.48mmであること(請求項8)が好ましい。
〔9〕前記請求項1乃至8のボールペンチップ1において、金属筒体2の先端近傍の側壁を内方へ押圧変形させることにより、金属筒体2の先端近傍の内面にボール受け座3を形成したこと(請求項9)が好ましい。それにより、極小ボールを備えたニードルタイプのボールペンチップが容易に得られる。
〔10〕前記請求項1乃至8のボールペンチップ1において、金属筒体2の先端近傍の内面を切削加工することにより、金属筒体2の先端近傍の内面にボール受け座3を形成したこと(請求項10)が好ましい。それにより、極小ボールを備えた切削タイプのボールペンチップが容易に得られる。
尚、本発明で、前記ボール5の外径Aとは、ボール5の直径である。本発明で、前記ボール出寸法Lとは、ボール5がボール受け座3に当接した状態において、ボール5がカシメ部4の先端より軸方向前方に突出する長さである。本発明で、前記カシメ部4の内径Hとは、カシメ部4の内面の径方向内方に円周状に最も突出した部分の内径である。
請求項1により、極小ボールを備えたにもかかわらず、ボールの脱落を長期にわたり防止できるとともに、筆跡途切れのない十分な筆記性能を有するボールペンチップが得られる。
請求項2により、極小ボールを備えたにもかかわらず、ボールの脱落を長期にわたり防止できるとともに、より一層、筆跡途切れのない十分な筆記性能を有するボールペンチップが得られる。
請求項3により、極小ボールを備えたにもかかわらず、筆跡途切れのない十分な筆記性能を有するボールペンチップが得られる。
請求項4により、極小ボールを備えたにもかかわらず、ボールの脱落を長期にわたり防止できるボールペンチップが得られる。
請求項5により、ボール受け座の摩耗を十分に抑えることができ、紙詰まりによって生じる筆記不良を回避し、円滑なインキ流出性及び良好な筆記感を長期にわたり得る。
請求項6により、前記請求項1乃至5の効果を有するニードルタイプのボールペンチップが得られる。
請求項7により、前記請求項1乃至5の効果を有するニードルタイプのボールペンチップが確実に得られる。
請求項8により、前記請求項1乃至5の効果を有するニードルタイプのボールペンチップが一層確実に得られる。
請求項9により、極小ボールを備えたニードルタイプのボールペンチップが容易に得られる。
請求項10により、極小ボールを備えた切削タイプのボールペンチップが容易に得られる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の実施の形態のボールペンチップ1は、金属筒体2と、該金属筒体2の先端近傍の内面に形成したボール受け座3と、前記金属筒体2の先細状先端部21の先端を円周状に内方変形させることによって形成したカシメ部4と、前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間で回転可能に抱持されるボール5とからなる。
前記金属筒体2は、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS305、SUS321等のオーステナイト系ステンレス鋼)の円筒体よりなる。
前記ボール受け座3は、例えば、金属筒体2の先端近傍の側壁を内方へ押圧変形(ポンチ加工)すること、金属筒体2の先端近傍の内面を切削加工すること、または前記押圧変形と前記切削加工の組み合わせにより得られる。
前記ボール受け座3の前側にはボール5が挿入され、その後、金属筒体2の先細状先端部21の先端を円周状に内方へ押圧変形(カシメ加工)することによりカシメ部4が形成される。それにより、前記カシメ部4と前記ボール受け座3との間でボール5が回転可能に抱持される。前記カシメ部4の内径Hは、ボール外径Aよりも小さく設定される。
前記ボール5は、外径Aが0.3mm未満の極小ボールが適用される。本発明では、前記ボール5の外径Aは、0.3mm未満であればよいが、好ましくは、0.15mm〜0.29mmの範囲、さらに好ましくは、0.20mm〜0.29mmの範囲、より好ましくは、0.25mm〜0.28mmの範囲が有効である。
前記カシメ部4の内径Hと前記ボール外径Aとの差A−Hの値は、0.010mmより大きく且つ0.035mmより小さい値に設定される(即ち、0.010mm<A−H<0.035mm)。好ましくは、前記A−Hの値は、0.010mmより大きく且つ0.030mmより小さい値に設定される(即ち、0.010mm<A−H<0.030mm)。
前記ボール出寸法Lの前記ボール外径Aに対する比L/Aの値は、0.15より大きく且つ0.30より小さい値に設定される(即ち、0.15<L/A<0.30)。好ましくは、前記L/Aの値は、0.15より大きく且つ0.25より小さい値に設定される(即ち、0.15<L/A<0.25)。
前記ボール受け座3の内径Bの前記ボール外径Aに対する比B/Aの値は、0.25より大きく設定され且つ0.4より小さく設定される(即ち、0.25<B/A<0.4)。好ましくは、前記B/Aの値は、0.3より大きく設定され且つ0.4より小さく設定される(即ち、0.3<B/A<0.4)。
前記ボールペンチップ1は、金属筒体2の先細状先端部21の後方に直円筒状部22が連設されたニードルタイプが好ましい。本発明では、前記直円筒状部22の外径Dが0.5mm未満、具体的には、前記直円筒状部22の外径Dが0.30mm〜0.49mmの範囲であること、好ましくは、前記直円筒状部22の外径Dが0.40mm〜0.48mmの範囲であること、さらに好ましくは、前記直円筒状部22の外径Dが0.45mm〜0.48mmの範囲であることが有効である。
本発明の実施例を図面に従って説明する。
〔第1実施例〕
図1に本発明の第1実施例のボールペンチップ1を示す。本実施例のボールペンチップ1は、SUS321よりなる直円筒状の金属筒体2と、該金属筒体2の先端近傍の内面に内方への押圧変形(ポンチ加工)によって形成した複数(ここでは3個)の内方突起よりなるボール受け座3と、前記金属筒体2の先細状先端部21の先端を円周状に内方変形させることによって形成したカシメ部4と、前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間で回転可能に抱持されるボール5とからなる。
前記ボール5は、外径Aが0.25mmと0.28mmの2種類が採用される。前記金属筒体2は、ボール受け座3の前方に位置する先細状先端部21後端から金属筒体2の後端まで外径がほぼ一定の直円筒状部22が形成され、ニードル形状となる。前記ボール5の外径Aが0.25mmの場合、前記直円筒状部22の外径Dは、0.45mmに設定され、ボール5の外径Aが0.28mmの場合、前記直円筒状部22の外径Dは、0.48mmに設定される。
図2に、前記図1の実施例のボールペンチップ1を適用したボールペン6の例を示す。前記ボールペン6は、軸筒7と、該軸筒7内に収容されるボールペンレフィル8とからなる。
(軸筒)
前記軸筒7は、金属製の先軸71と、合成樹脂製の後軸72と、合成樹脂製の尾栓73とからなる。
(先軸)
前記先軸71は、金属材料(例えば真鍮)の切削加工により得られる。前記先軸71の先端部は、外周面が、切削加工により先細状に形成される。また、前記先軸71の先端には、切削加工により、ストレート状の先端孔が貫設され、前記先端孔の後方の先軸71の内面には、切削加工により、テーパ状内面が形成され、さらに、前記テーパ状内面の後方の先軸71内面には、切削加工により、雌ネジ部が形成される。
(後軸)
前記後軸72は合成樹脂の射出成形により得られる。前記後軸72の先端部外周面に、雄ネジ部が形成され、前記雄ネジ部と、前記先軸71の雌ネジ部が着脱自在に螺合される。また、前記後軸72の後端開口部には、尾栓73が圧入固着される。
(ボールペンレフィル)
前記ボールペンレフィル8は、前記図1のボールペンチップ1と、該ボールペンチップ1が先端部に固着された合成樹脂製のホルダー82と、該ホルダー82の先端部に固着され且つボールペンチップ1の外周面を支持する支持筒83と、前記ホルダー82が先端開口部に固着され且つ後端が開口されたインキ収容管81とからなる。
(インキ収容管)
前記インキ収容管81は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の押出成形により得られる。前記インキ収容管81の内部には、インキ81a(例えば水性ゲルインキ)と、該インキ81aの後端に配置され、該インキ81aの消費に伴って前進する追従体81b(例えば高粘度流体)とが充填されている。
(ホルダー)
前記ホルダー82は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の射出成形により得られる。前記ホルダー82は、筒状前部と、該筒状前部の後方に連設される鍔部と、該鍔部の後方に連設される筒状後部とが一体に形成されてなる。前記筒状前部には、ボールペンチップ1が圧入固着される。前記鍔部は、インキ収容管81の先端面、後軸72の先端面、及び先軸71のテーパ状内面と当接される。前記筒状後部は、インキ収容管81の先端開口部に圧入固着される。
(支持筒)
前記ホルダー82の筒状前部の外周面には、金属製の支持筒83が固着される。前記支持筒83は、前記ボールペンチップ1の先端部後方の外周面を支持し、筆記時のボールペンチップ1のぐらつきを防止する。
(試験結果)
表1及び表2に、図2に示すボールペン6にて行ったボール脱落試験及び筆跡途切れ試験の結果を示す。
表1は、ボール外径Aが0.25mmの図1に示す構造のボールペンチップ1において、A−Hの値とL/Aの値の組み合わせが異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図2に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。表2は、ボール外径Aが0.28mmの図1に示す構造のボールペンチップ1において、A−Hの値とL/Aの値の組み合わせが異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図2に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。
Figure 2006076278
Figure 2006076278
(ボール脱落試験)
前記ボール脱落試験は、筆記角度(即ち、紙面9とボールペンチップ1の軸線とのなす角度)が50度、筆記荷重150g(グラム)で走行筆記試験機によって自転させながら4m/分でジクザク走行させて行った。また、筆記用紙は、硬質塩化ビニル樹脂製板よりなる下敷きの上に5枚重ねてセットされた。ボール脱落の確認は、筆記距離200m毎にボールペンチップ1先端を粘着テープの粘着面に当接させ、ボール脱落の有無を調べた。前記ボール脱落試験の結果の評価は、筆記距離1000mまでに、ボール脱落が見られない場合は「○」とし、ボール脱落が見られた場合は「×」とした。尚、筆跡途切れ試験で、「×」のものは、ボール脱落試験を行っていないため、「−」を記載した。
(筆跡途切れ試験)
前記筆跡途切れ試験は、前記用意したボールペン6を、検査員3名の手書きにより確認した。前記筆跡途切れ試験の結果の評価は、筆跡途切れが生じない場合は「○」、筆記角度を極端に小さくしなければ筆跡途切れが生じない場合は「△」、筆跡途切れが頻繁に生じる場合は「×」とした。
図3は、表1の結果をグラフに表したものであり、縦軸にL/Aをとり、横軸にA−Hをとり、表1の実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例5におけるL/Aの値とA−Hの値を、黒丸「●」によりプロットした。前記プロット「●」の下の( )内は、そのプロットに対応したボール脱落試験結果及び筆跡途切れ試験結果を示し、左側がボール脱落試験結果、右側が筆跡途切れ試験結果を示す。この図3のグラフから、A−Hの値が0.010mmより大きいとき(即ち、0.010mm<A−Hの場合)、ボール脱落が生じないことが判る。また、この図3のグラフから、L/Aの値が0.15より大きいとき(即ち、0.15<L/Aの場合)に、筆跡途切れがほとんど生じないことが判る。
図4は、表2の結果をグラフに表したものであり、縦軸にL/Aをとり、横軸にA−Hをとり、表2の実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例3におけるL/Aの値とA−Hの値を、黒丸「●」によりプロットした。プロット「●」の下の( )内は、そのプロットに対応したボール脱落試験結果及び筆跡途切れ試験結果を示し、左側がボール脱落試験結果、右側が筆跡途切れ試験結果を示す。この図4のグラフから、A−Hの値が0.010mmより大きいとき(即ち、0.010mm<A−Hの場合)、ボール脱落が生じないことが判る。また、この図4のグラフから、L/Aの値が0.15より大きいとき(即ち、0.15<L/Aの場合)に、筆跡途切れがほとんど生じないことが判る。
表3及び表4に、図2に示すボールペン6にて行った書き切り試験結果を示す。
表3は、ボール外径Aが0.25mmの図1に示す構造のボールペンチップ1において、B/Aの値が異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図2に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。
表4は、ボール外径Aが0.28mmの図1に示す構造のボールペンチップ1において、B/Aの値が異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図2に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。
Figure 2006076278
Figure 2006076278
(書き切り試験)
前記書き切り試験は、インキ収容管81の内部に充填されるインキ81aが充填量0.4gの水性ゲルインキである、図2に示すボールペン6を用い、螺旋状に筆記する筆記試験機(筆記角度70度、筆記荷重100g、筆記速度4m/分)にて行った。表3及び表4のボール受け座の摩耗は、前記筆記試験機で700m筆記後において測定した。尚、表3及び表4のボール受け座の摩耗の値は、各5本の平均値である。また、表3及び表4の書き切り不良とは、充填インキを最後まで消費することができないものを言い、表3及び表4に示す数値は、各5本中の書き切り不良の発生本数を表す。
表3及び表4の結果に示すとおり、ボール受け座の摩耗が大きいもの(表3の比較例1と比較例2、表4の比較例1と比較例2)は、紙詰まり等により書き切り不良が生じたり、筆跡途切れが生じた。一方、ボール受け座の摩耗が小さいもの(表3の実施例1、表4の実施例1)は、書き不良が生じず、充填インキを最後まで消費できた。
〔第2実施例〕
図6に本発明の第2実施例のボールペンチップ1を示す。本実施例のボールペンチップ1は、先細状先端部21を備えた円筒状のSUS304製の金属筒体2と、該金属筒体2の先端近傍の内面に切削加工によって形成したボール受け座3と、前記金属筒体2の先細状先端部21の先端を円周状に内方変形させることによって形成したカシメ部4と、前記ボール受け座3と前記カシメ部4との間で回転可能に抱持されるボール5とからなる。
前記先細状先端部21は、金属筒体2の先端部外面に、前記カシメ部4から前記ボール受け座3を越えて後方に延びるように形成される。前記ボール受け座3には、中心孔31と、該中心孔31に放射状に連通する複数(ここでは3本)のインキ誘導溝32とが、軸方向に貫設される。前記ボール5は、外径Aが0.25mmと0.28mmの2種類が採用される。
図7に、前記図6の実施例のボールペンチップ1を適用したボールペン6の例を示す。前記ボールペン6は、軸筒7と、該軸筒7内に収容されるボールペンレフィル8とからなる。
(軸筒)
前記軸筒7は、金属製の先軸71と、合成樹脂製の後軸72と、合成樹脂製の尾栓73とからなる。
(先軸)
前記先軸71は、金属材料(例えば真鍮)の切削加工により得られる。前記先軸71の先端部は、外周面が、切削加工により先細状に形成される。また、前記先軸71の先端には、切削加工により、ストレート状の先端孔が貫設され、前記先端孔の後方の先軸71の内面には、切削加工により、テーパ状内面が形成され、さらに、前記テーパ状内面の後方の先軸71内面には、切削加工により、雌ネジ部が形成される。
(後軸)
前記後軸72は合成樹脂の射出成形により得られる。前記後軸72の先端部外周面に、雄ネジ部が形成され、前記雄ネジ部と、前記先軸71の雌ネジ部が着脱自在に螺合される。また、前記後軸72の後端開口部には、尾栓73が圧入固着される。
(ボールペンレフィル)
前記ボールペンレフィル8は、前記図6のボールペンチップ1と、該ボールペンチップ1が先端部に固着された合成樹脂製のホルダー82と、該ホルダー82が先端開口部に固着され且つ後端が開口されたインキ収容管81とからなる。
(インキ収容管)
前記インキ収容管81は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の押出成形により得られる。前記インキ収容管81の内部には、インキ81a(例えば水性ゲルインキ)と、該インキ81aの後端に配置され、該インキ81aの消費に伴って前進する追従体81b(例えば高粘度流体)とが充填されている。
(ホルダー)
前記ホルダー82は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の射出成形により得られる。前記ホルダー82は、筒状前部と、該筒状前部の後方に連設される鍔部と、該鍔部の後方に連設される筒状後部とが一体に形成されてなる。前記筒状前部には、ボールペンチップ1が圧入固着される。前記鍔部は、インキ収容管81の先端面、後軸72の先端面、及び先軸71のテーパ状内面と当接される。前記筒状後部は、インキ収容管81の先端開口部に圧入固着される。
(試験結果)
表5及び表6に、図7に示すボールペン6にて行ったボール脱落試験及び筆跡途切れ試験の結果を示す。
表5は、ボール外径Aが0.25mmの図6に示す構造のボールペンチップ1において、A−Hの値とL/Aの値の組み合わせが異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図7に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。表6は、ボール外径Aが0.28mmの図6に示す構造のボールペンチップ1において、A−Hの値とL/Aの値の組み合わせが異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図7に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。
(ボール脱落試験)
前記ボール脱落試験は、筆記角度(即ち、紙面9とボールペンチップ1の軸線とのなす角度)が50度、筆記荷重150g(グラム)で走行筆記試験機によって自転させながら4m/分でジクザク走行させて行った。また、筆記用紙は、硬質塩化ビニル樹脂製板よりなる下敷きの上に5枚重ねてセットされた。ボール脱落の確認は、筆記距離200m毎にボールペンチップ1先端を粘着テープの粘着面に当接させ、ボール脱落の有無を調べた。前記ボール脱落試験の結果の評価は、筆記距離1000mまでに、ボール脱落が見られない場合は「○」とし、ボール脱落が見られた場合は「×」とした。尚、筆跡途切れ試験で、「×」のものは、ボール脱落試験を行っていないため、「−」を記載した。
(筆跡途切れ試験)
前記筆跡途切れ試験は、前記用意したボールペン6を、検査員3名の手書きにより確認した。前記筆跡途切れ試験の結果の評価は、筆跡途切れが生じない場合は「○」、筆記角度を極端に小さくしなければ筆跡途切れが生じない場合は「△」、筆跡途切れが頻繁に生じる場合は「×」とした。
Figure 2006076278
Figure 2006076278
図8は、表5の結果をグラフに表したものであり、縦軸にL/Aをとり、横軸にA−Hをとり、表5の実施例1〜実施例5及び比較例1におけるL/Aの値とA−Hの値を、黒丸「●」によりプロットした。前記プロット「●」の下の( )内は、そのプロットに対応したボール脱落試験結果及び筆跡途切れ試験結果を示し、左側がボール脱落試験結果、右側が筆跡途切れ試験結果を示す。この図8のグラフから、A−Hの値が0.010mmより大きいとき(即ち、0.010mm<A−Hの場合)、ボール脱落が生じないことが判る。また、この図8のグラフから、L/Aの値が0.15より大きいとき(即ち、0.15<L/Aの場合)に、筆跡途切れがほとんど生じないことが判る。
図9は、表6の結果をグラフに表したものであり、縦軸にL/Aをとり、横軸にA−Hをとり、表6の実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3におけるL/Aの値とA−Hの値を、黒丸「●」によりプロットした。プロット「●」の下の( )内は、そのプロットに対応したボール脱落試験結果及び筆跡途切れ試験結果を示し、左側がボール脱落試験結果、右側が筆跡途切れ試験結果を示す。この図9のグラフから、A−Hの値が0.010mmより大きいとき(即ち、0.010mm<A−Hの場合)、ボール脱落が生じないことが判る。また、この図9のグラフから、L/Aの値が0.15より大きいとき(即ち、0.15<L/Aの場合)に、筆跡途切れがほとんど生じないことが判る。
表7及び表8に、図7に示すボールペン6にて行った書き切り試験結果を示す。
表7は、ボール外径Aが0.25mmの図6に示す構造のボールペンチップ1において、B/Aの値が異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図7に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。
表8は、ボール外径Aが0.28mmの図6に示す構造のボールペンチップ1において、B/Aの値が異なるサンプルを各5本ずつ用意し、それらを図7に示すボールペン6に適用して試験した結果を示す。
Figure 2006076278
Figure 2006076278
(書き切り試験)
前記書き切り試験は、インキ収容管81の内部に充填されるインキ81aが充填量0.4gの水性ゲルインキである、図7に示すボールペン6を用い、螺旋状に筆記する筆記試験機(筆記角度70度、筆記荷重100g、筆記速度4m/分)にて行った。表7及び表8のボール受け座の摩耗は、前記筆記試験機で700m筆記後において測定した。尚、表7及び表8のボール受け座の摩耗の値は、各5本の平均値である。また表7及び表8の書き切り不良とは、充填インキを最後まで消費することができないものを言い、表7及び表8に示す数値は、各5本中の書き切り不良の発生本数を表す。
表7及び表8の結果に示すとおり、ボール受け座の摩耗が大きいもの(表7の比較例1と比較例2、表8の比較例1と比較例2)は、紙詰まり等により書き切り不良が生じた。一方、ボール受け座の摩耗が小さいもの(表7の実施例1、表8の実施例1)は、書き切り不良が生じず、インキを最後まで消費できた。
(a)が本発明ボールペンチップの第1実施例を示す要部拡大縦断面図であり、(b)が前記(a)のX−X線断面図である。 図1のボールペンチップの適用例を示す縦断面図である。 表1の結果を示すグラフである。 表2の結果を示すグラフである。 筆記時の本発明ボールペンチップの紙面との当接状態を示す拡大図である。 (a)が本発明ボールペンチップの第2実施例を示す要部拡大縦断面図であり、(b)が前記(a)のY−Y線断面図である。 図6のボールペンチップの適用例を示す縦断面図である。 表5の結果を示すグラフである。 表6の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 ボールペンチップ
2 金属筒体
21 先細状先端部
22 直円筒状部
3 ボール受け座
31 中心孔
32 インキ誘導溝
4 カシメ部
5 ボール
6 ボールペン
7 軸筒
71 先軸
72 後軸
73 尾栓
8 ボールペンレフィル
81 インキ収容管
81a インキ
81b 追従体
82 ホルダー
83 支持筒
9 紙面
A ボールの外径
B ボール受け座の内径
L ボール出寸法
H カシメ部の内径
D 直円筒状部の外径

Claims (10)

  1. 金属筒体の先端近傍の内面にボール受け座を形成し、前記ボール受け座の前側に外径0.3mm未満のボールを収容し、前記金属筒体の先細状先端部を円周状に内方変形させることによってカシメ部を形成し、前記ボール受け座と前記カシメ部との間でボールを回転可能に抱持させるとともに前記カシメ部の先端より前方にボールの一部を突出させてなるボールペンチップであって、
    前記ボールの外径をA、前記カシメ部の内径をH、前記ボールのカシメ部の先端からの出寸法をLとしたとき、
    0.010mm<A−H<0.035mm
    かつ
    0.15<L/A<0.30
    の関係を満足することを特徴とするボールペンチップ。
  2. 前記ボールの外径A、前記カシメ部の内径H、前記ボールのカシメ部の先端からの出寸法Lが、
    0.010mm<A−H<0.030mm
    かつ
    0.15<L/A<0.25
    の関係を満足する請求項1記載のボールペンチップ。
  3. 金属筒体の先端近傍の内面にボール受け座を形成し、前記ボール受け座の前側に外径0.3mm未満のボールを収容し、前記金属筒体の先細状先端部を円周状に内方変形させることによってカシメ部を形成し、前記ボール受け座と前記カシメ部との間でボールを回転可能に抱持させるとともに前記カシメ部の先端より前方にボールの一部を突出させてなるボールペンチップであって、
    前記ボールの外径をA、前記ボールのカシメ部の先端からの出寸法をLとしたとき、
    0.15<L/A<0.25
    の関係を満足することを特徴とするボールペンチップ。
  4. 金属筒体の先端近傍の内面にボール受け座を形成し、前記ボール受け座の前側に外径0.3mm未満のボールを収容し、前記金属筒体の先細状先端部を円周状に内方変形させることによってカシメ部を形成し、前記ボール受け座と前記カシメ部との間でボールを回転可能に抱持させるとともに前記カシメ部の先端より前方にボールの一部を突出させてなるボールペンチップであって、
    前記ボールの外径をA、前記カシメ部の内径をHとしたとき、
    0.010mm<A−H<0.035mm
    の関係を満足することを特徴とするボールペンチップ。
  5. 前記ボール受け座の中心に描いた仮想内接円の直径をBとしたとき、
    B/A<0.4
    の関係を満足する請求項1、2、3または4記載のボールペンチップ。
  6. 金属筒体の先細状先端部の後方に直円筒状部を備え、前記直円筒状部の外径Dが0.5mm未満である請求項1、2、3、4または5記載のボールペンチップ。
  7. 前記ボールの外径Aが、0.15mm〜0.29mmであり、前記直円筒状部の外径Dが0.30mm〜0.49mmである請求項6記載のボールペンチップ。
  8. 前記ボールの外径Aが、0.25mm〜0.28mmであり、前記直円筒状部の外径Dが0.40mm〜0.48mmである請求項7記載のボールペンチップ。
  9. 金属筒体の先端近傍の側壁を内方へ押圧変形させることにより、金属筒体の先端近傍の内面にボール受け座を形成した請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のボールペンチップ。
  10. 金属筒体の先端近傍の内面を切削加工することにより、金属筒体の先端近傍の内面にボール受け座を形成した請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のボールペンチップ。
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