JP2006074865A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】矩形波電圧駆動制御において、電圧SWパターン切り替えタイミングを適切に制御してトルクの過不足や過電流のおそれを抑制した電動機の制御装置を提供する。
【解決手段】矩形波制御手段2−1は、一つの電圧SWパターンの、開始から終わりまでの理想的な位相差π/3を、電気角速度ωと電気角加速度ω’とを用いて時間差t’に換算し、電圧SWパターン切り替え時の電気角予測値θnextを、今回の制御演算開始時の電気角θと電気角速度ωと電気角加速度ω’と今回のキャリア周期Tnowを用いて演算し、次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswを、電気角予測値θnextに最も近い値から決定し、θnextとθswとの時間差△tを求め、時間差t’と時間差△tとを加算することにより、次回のキャリア周期Tnextを求め、次回のキャリア周期を上記の求めたキャリア周期Tnextに変更するように構成した電動機の制御装置。
【選択図】図1

Description

本発明は交流電動機の制御装置に関し、特に矩形波電圧駆動でインバータを制御する制御装置における駆動周期の切替技術に関する。
従来における交流電動機の制御装置としては下記特許文献1に記載のものがある。
上記のような交流電動機の制御方法で、電動機に電流を供給するインバータを制御する方式として、PWM電圧駆動方式では出力電圧が制限を受ける動作領域等において用いられる矩形波電圧駆動方式がある。この制御方式においては、一定間隔のクロックで動作するタイマカウンタを使用し、カウント値が目標値に達する毎に電圧スイッチングパターン(以下、電圧SWパターンと略記)を切り替えて出力している。電圧SWパターンが切り替わると、次の切替時に出力する電圧SWパターンを判定し、次の電圧SWパターン切り替えからその次の電圧SWパターン切り替えまでの位相差目標値を電気角速度で除算して時間換算し、次回の電圧SWパターン切り替えと同時に起動するカウンタの目標値を決めるようになっている。
特開2002−359996号公報
上記のように、従来例においては、電圧SWパターンを切り替える毎に、次回の電圧SWパターン切り替えと同時に起動するカウンタの目標値を更新してカウンタを起動する、という構成になっていたため、制御周期が電圧SWパターン切り替えタイミング(例えば三相電動機の場合、電気角で約60°毎)になるので、PWM駆動を行う場合に比べて制御周期が大きくなる。そして或る時点で検出または推定して得た回転速度および位相差目標値に基づく制御演算の結果が制御に反映されるのは、次々回の電圧SWパターン切り替えタイミングとなるため、電圧SWパターンが切り替わってから、次に電圧SWパターンが切り替わるまでの間に回転速度の急峻な変化や位相差目標値が変化した場合には、次回の電圧SWパターン切り替えタイミングにおいて理想的な切り替えタイミングに対する誤差が増加し、トルクの過不足が生じたり過電流が流れるおそれがある、という問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、矩形波電圧駆動制御において、電圧SWパターン切り替えタイミングを適切に制御してトルクの過不足や過電流のおそれを抑制した交流電動機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明においては、キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、一つの電圧スイッチングパターンの、開始から終わりまでの理想的な位相差π/3を、電気角速度ωと電気角加速度ω’とを用いて時間差t’に換算し、電圧スイッチングパターン切り替え時の電気角予測値θnextを、今回の制御演算開始時の電気角θと電気角速度ωと電気角加速度ω’と今回のキャリア周期Tnowを用いて演算し、次回の電圧スイッチングパターン切り替えの電気角目標値θswを、前記電気角予測値θnextに最も近い値から決定し、前記θnextと前記θswとの時間差△tを求め、前記時間差t’と前記時間差△tとを加算することにより、次回のキャリア周期Tnextを求め、次回のキャリア周期を上記の求めたキャリア周期Tnextに変更するように構成している。
電圧SWパターン切り替えの間に回転速度の急峻な変化や、電気角の位相差目標値に変化があった場合でも、電圧SWパターン切り替えタイミングが適切になるようにキャリア周期を変更できるので、トルクの過不足が生じたり過電流が流れるおそれが低減される、という効果がある。特に、位相差を時間に換算する際に、電気角速度に加えて電気角加速度も考慮して換算することにより、加減速中のような過渡状態時であっても理想的な切り替えタイミングに対する誤差を抑制することができるので、トルクの過不足が生じたり過電流が流れるおそれをさらに低減できる、という効果がある。
図1は、この発明を適用する交流電動機の制御装置の構成を示す一実施例のブロック図である。
図1において、電圧位相生成手段1では、外部から入力されるトルク指令値Tおよび現在の回転速度ωを指標としてテーブル参照により求めた電圧位相目標値αを出力する。具体的には、例えば制御の対象となる電動機の評価試験等において、トルク指令値Tと回転速度ωとに対する電圧位相目標値αの値をテーブルデータとして求めておくことにより、そのときのトルク指令値Tと回転速度ωに対応した電圧位相目標値αの値をテーブル参照によって求めることができる。
制御手段2は、矩形波制御手段2−1とPWM制御手段2−2からなる。本発明は矩形波電圧駆動に関するものなので、以下、矩形波制御手段2−1について主として説明し、PWM制御手段2−2については必要のある個所のみを説明する。
矩形波制御手段2−1は、電圧位相生成手段1から出力された電圧位相目標値αと、位置検出手段6で検出された電動機5の電気角θと、電気角θを入力とする速度演算手段7で求めた電気角速度ω(回転速度)および電気角加速度ω’(電気角速度ωを時間微分した値)とに基づいて、オン/オフ信号の駆動信号Pを演算して出力する(詳細後述)。この駆動信号Pでインバータ3を制御し、インバータ3から振幅が電源電圧Vdcか0(または+Vdc/2か−Vdc/2)の3相の矩形波電圧Vu、Vv、Vwを出力し、それによって3相の電動機5を駆動する。
上記の電圧位相生成手段1および制御手段2はコンピュータ等で構成され、所定周期で繰り返し演算を行って駆動信号Pを演算する。この駆動信号Pを演算する際におけるキャリア周期の設定と修正の内容が本発明の要旨である。
上記の駆動信号Pはオン/オフ信号であり、インバータ3の出力は駆動信号Pに同期して出力される。つまり、駆動信号Pのオン/オフの切り替わるタイミングがそのまま矩形波電圧の切り替わるタイミングとなる(厳密にはオンとオフが逆になることもある)。そして矩形波電圧駆動では、印加する電圧振幅は電源電圧Vdcか0(+Vdc/2か−Vdc/2)であって振幅を制御できないので、電圧位相を電圧位相目標値αに追従させるように制御することにより、与えられたトルク指令値Tを実現するように電動機5のトルク制御を行う。つまりトルクと電圧位相には相関があるので、電圧位相を制御することによってトルクを制御することが出来る。この電圧位相を制御するには後述する電圧SWパターンを切り替えることによって行う。
なお、制御手段2におけるPWM制御手段2−2は、PWM電圧駆動を行う領域では、電流センサ4で検出した検出電流Iu、Ivを用いて一般的なトルク制御演算を行い、インバータ3をPWM信号で制御し、電動機5の各相に与える電圧値を変えてトルク制御を行う。上記のPWM制御における一般的なトルク制御演算とは、例えば、入力したトルク指令値と電動機5の回転角度とに基づいてd軸電流指令値とq軸電流指令値を算出し、d軸電流指令値と実際のd軸電流値との偏差に基づき比例積分演算を行ってd軸電圧指令値を演算し、同様にq軸電流指令値と実際のq軸電流値との偏差に基づいてq軸電圧指令値を演算する。なお、実際のd軸電流値とq軸電流値は、検出電流Iu、Iv(IwはIuとIvから算出可能)から3相2相変換を行って求める。そしてd軸電圧指令値とq軸電圧指令値を2相3相変換し、3相電圧指令値を演算する。この3相電圧指令値からPWM信号のデューティ指令値を演算し、このデューティ指令値と所定のキャリア信号(三角波や鋸歯状波など)とを比較することにより、駆動信号Pを求めるものである。
本発明で用いる矩形波電圧駆動を行う場合には、上記キャリア信号と比較するデューティ指令値のデューティ比を0[%]か100[%]のどちらかにセットすることにより矩形波(Vdcか0の2値)の駆動信号Pを生成することが出来る。なお、一般に、矩形波電圧駆動は、高電圧が必要な弱め界磁領域で用いられ、その他の領域ではPWM制御が用いられる。
また、矩形波制御手段2−1において、電圧位相を電圧位相目標値αに追従させるように制御するには、電圧SWパターン(詳細後述)を電圧位相目標値αに応じて決まるタイミングで切り替えることによって行う。
電圧SWパターンやキャリア周期の設定はキャリア信号の三角波や鋸歯状波の谷で有効になり、同時に制御演算を開始するための割り込みが発生する。そして電圧SWパターン切り替えタイミングが適切になるように、キャリア周期を変更して矩形波のパターン(電圧SWパターン)が切り替わるタイミングを調整している。つまり、矩形波を作るためのキャリア信号(例えば三角波)の周期を、電圧SWパターンの切り替わり時点とキャリア信号の谷(割り込み演算開始時)とが一致するように制御することにより、電圧位相を電圧位相目標値αに追従させるように制御している。
(実施例1)
以下、実施例1におけるキャリア周期の設定方法について詳細に説明する。
図2は、キャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図である。
図2において、電圧SWパターン(U、V、Wの三相各相に与える電圧のパターン)、つまり三相の何れを“1”つまりVdcにし、何れを“0”にするかのパターンは、現在のキャリア周期Tnowの範囲ではVu=1、Vv=0、Vw=0の場合、次回のキャリア周期Tnextの範囲ではVu=1、Vv=1、Vw=0の場合を例示している。
図2の制御演算1(黒で塗りつぶした矢印で示す)においては、次回の電圧SWパターン一区間のキャリア周期Tnextを、制御演算1開始時の電気角θと電気角速度ωと電気角加速度ω’とを用いて次のように演算する。
まず、下記(数1)式、(数2)式に示すように、一つの電圧SWパターンの、開始から終わりまでの理想的な位相差π/3[rad]を電気角速度ωと電気角加速度ω’とを用いて時間差t’に換算する。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
次に、下記(数3)式により、電圧SWパターン切り替え時の電気角予測値θnextを算出する。
Figure 2006074865
ただし、Tnow:現在のキャリア周期
次に、次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは、電気角θと、電圧位相目標値αと、電動機に入力すべき電圧のSWパターンとの関係を示す図3に基づき、θsw0〜θsw5の内からθnextと最も近い電気角を選択する。そして下記(数4)式に示すθnextとθswの関係式に基づた(数5)式によってθnextとθswとの時間差△tを求める。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
次に、(数2)式で求めた時間差t’と(数5)式で求めた時間差△tとを(数6)式に示すように加算することにより、次回のキャリア周期Tnextを求める。
Figure 2006074865
したがって次回のキャリア周期Tnextは、図2に実線で示すように、破線で示した値(Tnowに相当の値)から変更される。
上記のように、次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは、電気角θと、電圧位相目標値αと、電動機に入力すべき電圧のSWパターンとの関係を示す図3に基づき、θsw0〜θsw5の内からθnextと最も近い電気角を選択し、また、現在の回転方向から次の電圧SWパターン切り替え以降に出力する電圧SWパターンを判定する。例えば、図3において、θnextが(5π/3)−αに最も近い値であった場合は、次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswとしてθsw5を選択し、次回の電圧SWパターンは「Vu=+Vdc/2、Vv=+Vdc/2、Vw=−Vdc/2」のパターンとなる。
なお、図3においては、各電圧SWパターンが0を中心とした+Vdc/2と−Vdc/2の2値の矩形波なっている。これは電動機の3相巻線をY接続した場合には、電源電圧Vdc端子と接地端子との間に、U、V、Wの3相のうちの何れか2相の巻線が直列に接続された回路が接続されることになるので、中性点を0とすれば、Vdc端子側に接続された相に+Vdc/2、接地端子側に接続された相に−Vdc/2が印加されたものと表示することが出来ることによる。したがって前記図2に示したように、+Vdc/2をVdc(“1”)、−Vdc/2を“0”で表してもよい。
上記のように、図2における制御演算1では、次々回の電圧SWパターン切り替えタイミングが理想的なタイミングに近づくように、次回の電圧SWパターンの開始から終了までの位相差を決め、これを時間に換算してキャリア周期としている。そして位相差を時間に換算する際、電気角速度に加え、電気角加速度も考慮して換算しているので、加減速中のような過渡状態時であっても、電圧SWタイミングの誤差を抑制することができる。
(実施例2)
次に、実施例2におけるキャリア周期の設定方法について詳細に説明する。
図4は、実施例2におけるキャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図である。この実施例は、図3におけるθsw0〜θsw5の各一区間(図2ではt’の区間に相当)をn等分(図4の例では7等分)し、n個のキャリア周期Tc0に分けた例を示している。
電圧SWパターン(図4ではVu=1、Vv=0、Vw=1の場合を例示)を切り替えてから、次に電圧SWパターンを切り替えるまで(時点tから時点tまで)の間におけるキャリア周期Tc0は、電圧SWパターン切り替えが行われる直前の制御演算1(黒で塗りつぶした矢印で示す)において以下の様に決定する。
まず、前記(数1)式、(数2)式により、時間差t’求める。
次に、下記(数7)式に示すように、制御演算1開始時の電気角θ、電気角速度ω、電気角加速度ω’および現在のキャリア周期Tc’から、次に電圧SWパターン切り替えが行われる電気角予測値θnextを算出する。
Figure 2006074865
なお、現在のキャリア周期Tc’は前回の電圧SWパターン切り替え直前の演算で算出されたキャリア周期である。
次に、次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは、電気角θと、電圧位相目標値αと、電動機に入力すべき電圧のSWパターンとの関係を示す図3に基づき、θsw0〜θsw5の内からθnextと最も近い電気角を選択する。そして下記(数8)式に示すθnextとθswの関係式に基づた(数9)式によってθnextとθswとの時間差△tを求める。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
次に、下記(数10)式に示すように、t’を△tで補正した値tを求め、(数11)式に示すように、上記tをnで等分割した値Tc0を次の電圧SWパターン区間のキャリア周期とする。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
なお、nはキャリア周期Tc0が設定可能な最小キャリア周期以上で最も小さくなる整数である。つまりキャリア周期Tc0をなるべく小さくするように、nをなるべく大きな値に設定する。
次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは、電気角θと、電圧位相目標値αと、電動機に入力すべき電圧のSWパターンとの関係を示す図3に基づき、θsw0〜θsw5の内からθnextと最も近い電気角を選択し、また、現在の回転方向から次の電圧SWパターン切り替え以降に出力する電圧SWパターンを判定する。
また、図3におけるθsw0〜θsw5の各一区間(例えばθsw0からθsw1までの一区間)は、図4のt’の区間に相当し、これをΔtだけ補正したtの区間(時点t〜tの区間)をn等分(図4の例では7等分)し、n個のキャリア周期Tc0に分けている。
次に、キャリア周期の修正方法について説明する。
図5は、キャリア周期の修正方法を説明するための信号波形図である。
電圧SWパターン切り替えが行われる直前以外の制御演算(斜線で塗りつぶした矢印で示す)では、電気角加速度と次回に電圧SWパターン切り替えを行う電気角目標値θswの変化を監視する。つまり上記の値を検出し、その値の変化が所定の閾値を超えなければ、キャリア周期および電圧SWパターンは前回の電圧SWパターン切り替え直前の制御演算2(キャリア周期割り込み演算)で決定した状熊を継続する。
しかし、例えば途中の制御演算5において所定の閾値を超えた場合には、現在のキャリア周期Tc0および演算開始時の電気角θと電気角速度ωと電気角加速度ω’とを用いて、下記(数12)式により、次回の演算開始時から次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswまでの時間差△tを算出し、下記(数13)式に示すように、その△tをn’等分(図5の例ではn’=3)することによって算出したTreを新たなキャリア周期として設定する。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは、制御演算5開始時の電気角θと電気角速度ωの極性から図3に基づいて判定する。なお、電圧SWパターン一区間内なので、電圧SWパターンはキャリア周期割り込み演算2で決定した状態を継続している。
また、キャリア周期の修正は、電圧SWパターン一区間の間に1回とは限らず、必要に応じて複数回同様の方法で行うことができる。
次に、作用を説明する。
図4における制御演算1で決定する次の電圧SWパターン一区間のキャリア周期は、前記のように誤差を補正した値を等分割した値に設定する。つまり定常状態ならばその次の電圧SWパターンが始まる理想的なタイミングとキャリア信号の谷のタイミングとが一致するようにキャリア周期を決めるので、電圧SWパターンを切り替えるタイミングを設定するキャリア信号の谷のタイミング(割り込み演算の始点)を次の電圧SWパターンが始まる理想的なタイミングに一致させることが出来る。そのため定常状態における電圧SWパターンが切り替えられるタイミングの誤差を抑制することができる。
また、回転速度や電圧SWパターン切り替えの電気角目標値が大きく変化する場合でも、図5の制御演算5のように、変化を検知した時点で次の電圧SWパターンが始まる理想的なタイミングとキャリア信号の谷が一致するようにキャリア周期を変更するので、電圧SWパターンが切り替えられるタイミングの誤差を抑制することができる。
なお、図5で前記のようなキャリア周期の修正を行わなかった場合には、図5の破線3で示したように、制御演算2で決定したキャリア信号3の谷と電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは一致しなくなり、電圧SWパターン切り替えは電気角目標値θswからずれたタイミング(破線4)で行われてしまう。そのためトルクの過不足が生じたり過電流が流れるおそれがある。
上記のように、実施例2においては、矩形波電圧駆動を行う際は、電圧SWパターンの開始から終了までの時間差をn等分(nは整数で、キャリア周期が設定可能な最小値以上で、なるべく小さくなるように決める)した値にキャリア周期を設定する。
また、電圧SWパターン一区間中で、最後の制御演算(キャリア周期割り込み演算)において、次の電圧SWパターン切り替えから、その次に電圧SWパターン切り替えを行うまでのキャリア周期を決定する。
また、電圧SWパターン一区間中で、最後以外の制御演算(キャリア周期割り込み演算)においては、電気角加速度および次の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値の変化を監視し、どちらかまたは両方が所定の閾値を超えたら、次の演算開始から次の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値までの時間差をn’等分した値でキャリア周期を変更するように構成している。
上記のように構成したことにより、電圧SWパターン切り替えの間に回転速度の急峻な変化や、電気角の位相差目標値に変化があった場合でも、電圧SWパターン切り替え間隔によらない小さな周期(電圧SWパターン周期のほぼ1/nの周期)で電圧SWパターン切り替えタイミングが適切になるようにキャリア周期を変更できるので、トルクの過不足や過電流が流れるおそれが低減される。
(実施例3)
実施例3においても構成のブロック図は実施例1と同じ図1であり、キャリア周期の設定方法と修正方法が異なっている。
以下、実施例3におけるキャリア周期の設定方法を説明する。
図6は、キャリア周期の設定方法を示す図である。
本実施例においては、基本のキャリア周期は予め定めた一定の基準値Tcpとしておき、電圧SWパターンを切り替える場合のみ、その前後のキャリア周期の合計が基本のキャリア周期Tcpの3倍となるように設定する。なお、上記の基本のキャリア周期Tcpは、例えばPWM電圧駆動を行う場合のキャリア周期と同じ大きさとする。
電圧SWパターンを切り替えてから、次に電圧SWパターンを切り替えるまでのキャリア周期は、電圧SWパターン切り替えが行われる直前の制御演算1(黒で塗りつぶした矢印)において以下の様に決定する。
まず、前記(数1)式、(数2)式を用いて時間差t’を求める。
次に、下記(数14)式に示すように、制御演算1開始時の電気角θ、電気角速度ω電気角加速度ω’および現在のキャリア周期Tc1から、次に電圧SWパターン切り替えが行われる電気角予測値θnextを算出する。
Figure 2006074865
ただし、現在のキャリア周期Tc1は前回の電圧SWパターン切り替え直前の演算で求めた次回のキャリア周期Tc1nextに相当する。
次に、下記(数15)式に示すように、次の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswと、次に電圧SWパターン切り替えが行われる電気角予測値θnextとの差分を時間換算した値△tを算出する。
Figure 2006074865
そして下記(数16)式に示すように、t’を△tで補正した値tを求める。
Figure 2006074865
次に、下記(数17)式に示すように、次回電圧SWパターン切り替え直後のキャリア周期Tc2を、3TcpとTc1の差分の値に設定し、下記(数18)式に示すように、次々回の電圧SWパターン切り替え直前のキャリア周期Tc1nextを、Tcpと、tからTc2を差し引いた値をTcpで割った余りとの和として求める。そして残りの期間はキャリア周期をTcp一定とすることにより、次の電圧SWパターン一区間の、キャリア周期の合計がtとなるキャリア周期パターンを決定する。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
ただし、mは、Tcp<Tc1next<2Tcpとなる整数
上記のように制御演算1で求める次の電圧SWパターン一区間におけるキャリア周期は、Tc2とm個(図6ではm=4)のTcpとTc1nextとからなるパターンとなる。
なお、Tc1、Tc2、Tc1nextの大きさはTcpより大とする。これは一般にTcpを演算可能な範囲で最も小さな値に設定していることから、それよりも小さな値は演算困難なためである。
次回の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswは、電気角θと、電圧位相目標値αと、電動機に入力すべき電圧のSWパターンとの関係を表す図3に基づき、θsw0〜θsw5からθnextと最も近い点を選択する。また、現在の回転方向から、次の電圧SWパターン切り替え以降に出力する電圧SWパターンを判定する。
次に、キャリア周期の修正方法について説明する。
図7は、キャリア周期の修正方法を説明するための信号波形図である。
電圧SWパターン切り替えが行われる直前以外の制御演算(斜線で塗りつぶした矢印で表示)では、電気角加速度と次回に電圧SWパターン切り替えを行う電気角目標値θswの変化を監視する。これらの変化が所定の閾値を超えなければ、キャリア周期および電圧SWパターンは前回の電圧SWパターン切り替え直前の制御演算2(キャリア周期割り込み演算)で決定した状態を継続する。
しかし、例えば途中の制御演算5で所定の閾値を超えた場合には、現在のキャリア周期Tcpおよび演算開始時の電気角θ、電気角速度ω、電気角加速度ω’を用いて、下記(数19)式により次回演算開始時から電気角目標値θswまでの時間差△tを算出する。また、下記(数20)式に示すように、次回電圧SWパターン切り替え直前のキャリア周期Tc1nextを、Tcpと、△tをTcpで割った余りとの和として演算する。そして残りの期間はキャリア周期をTcp一定として、次の演算開始から電圧SWパターン切り替えまでのキャリア周期の合計が△tとなるようにキャリア周期パターンを変更する。
Figure 2006074865
Figure 2006074865
ただし、mは、Tcp<Tc1next<2Tcpとなる整数
なお、キャリア周期の修正は、電圧SWパターン一区間の間に1回とは限らず、必要に応じて複数回同様の方法で行うことができる。
また、キャリア周期がTc2の区間の制御演算においても同様の方法でキャリア周期を変更できる。
次に、作用を説明する。
図6における制御演算5で決定する次の電圧SWパターン一区間のキャリア周期パターンは、定常状態ならばその次の電圧SWパターンが始まる理想的なタイミングとキャリア信号の谷のタイミングがなるべく一致するように決めるので、定常状態で電圧SWタイミングの誤差は抑制される。
また、回転速度や電圧SWパターン切り替えの電気角目標値が大きく変化する場合でも、図7の制御演算5のように変化を検知した時点で次の電圧SWパターンが始まる理想的なタイミングとキャリア信号の谷が一致するようにキャリア周期パターンを変更するので、電圧SWタイミングの誤差を抑制することができる。
なお、図7で上記のようなキャリア周期の変更を行わなかった場合には、図7の制御演算2で決定したキャリア信号3(破線で示す)の谷と電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswが一致しなくなるので、電圧SWパターン切り替えはθswからずれたタイミング4(破線で示す)で行われてしまう。
また、基本的なキャリア周期TcpをPWM電圧駆動時のキャリア周期と同じ値に設定した場合には、電圧SWパターン切り替えに伴ってその前後のキャリア周期を変更した場合でも、その和は基本的なキャリア周期Tcpの整数倍、つまりPWM電圧駆動時のキャリア周期の整数倍であるため、図8に示すようにPWM電圧駆動から矩形波電圧駆動に切り替え、再度PW電圧駆動に切り替えた場合でも、電流制御などに用いる他のタイマ周期演算との相対的な時間差は一定に保たれるので、時間差の変化による影響を抑制することが出来る。
上記のように、実施例3においては、矩形波電圧駆動を行う際は、基本的なキャリア周期は一定値Tcp(例えばPWM電圧駆動を行う場合のキャリア周期と同じ値)とし、電圧SWパターンを切り替える場合のみ、その前後のキャリア周期の合計が基本的なキャリア周期Tcpの3倍となるように設定する。そして切り替え前後のキャリア周期は基本的なキャリア周期Tcpよりも大きく、その値は電圧SWパターン切り替えタイミングが切り替えを行う電気角目標値に出来るだけ一致するように決める。
また、電圧SWパターン一区間中で、最後のキャリア周期割り込み演算では、次の電圧SWパターン切り替えから、その次に電圧SWパターン切り替えを行うまでのキャリア周期パターンを決定する。そして電圧SWパターン一区間中で、最後以外のキャリア周期割り込み演算では、電気角加速度および次の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値の変化を監視し、何れか一方または両方が所定の閾値を超えたら、次の演算開始から次の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値までの時間差に応じてキャリア周期パターンを変更するように構成している。
上記のように構成したことにより、電圧SWパターン切り替えの間に回転速度の急峻な変化や、電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswに変化があった場合でも、電圧SWパターン切り替え間隔によらない小さな周期で電圧SWパターン切り替えタイミングが適切になるようにキャリア周期を変更できるので、トルクが過不足になったり過電流が流れるおそれを低減することができる。
また、基本的なキャリア周期TcpをPWM電圧駆動を行う場合のキャリア周期と同じ値に設定した場合には、PWM電圧駆動から矩形波電圧駆動に切り替え、再度PWM電圧駆動に切り替えた場合でも、キャリア周期割り込みタイミングが容易に同期でき、PWM電圧駆動時のキャリア周期割り込み以外の周期動作する割り込み演算に対して相対的な時間差を一定にできる、という効果が得られる。
(実施例4)
実施例4においても構成のブロック図は実施例1と同じ図1であり、キャリア周期の設定方法とキャリア周期の修正方法が異なっている。
以下、実施例4におけるキャリア周期の設定方法を説明する。
図9は、キャリア周期の設定方法を示す図である。
電圧SWパターン切り替え直前の制御演算1では、次のキャリア周期Tc2を、現在のキャリア周期Tc1との和が3Tcpとなるように決定する。演算式は前記(数17)式と同じである。ただし、現在のキャリア周期Tc1は前回の制御演算(制御演算1の直前の演算)で求めている。
また、制御演算1開始時の電気角θと電気角速度ωの極性から、図3に基づき次の電圧SWパターンを決定する。
電圧SWパターン切り替え直前以外の制御演算では、次回に電圧SWパターン切り替えを行う電気角目標値θswと、演算開始時の電気角θおよび電気角速度ωと電気角加速度ω’と現在のキャリア周期Tcpを用いて、次回演算開始時から次回電圧SWパターン切り替えまでの時間△tを前記(数19)式により算出する。
図10および図11は、実施例3において、△tが2Tcpより大か以下かに応じて設定されるキャリア周期が異なる場合を説明するための信号波形図である。
図10の制御演算1は、△tが2Tcpより大きい場合の例であり、次回のキャリア周期をTcpと設定する。この場合には、制御演算1後の2回のキャリア周期がTcpとなり、3回目が「Tc1=△t−2Tcp」となり、Tc2は前記(数17)式と同じ「Tc2=3Tcp−Tc1」となる。
図11の制御演算1は、△tが2Tcp以下の場合の例であり、次回のキャリア周期をTc1=△tに設定する。この場合には、制御演算1後の1回のキャリア周期が「Tc1=△t」となり、Tc2は前記(数17)式と同じ「Tc2=3Tcp−Tc1」となる。
次に、作用を説明する。
電圧SWパターン切り替え直前を除く制御演算では、次の制御演算開始から次の電圧SWパターン切り替えが始まる理想的なタイミングまでの時間差△tが2Tcpを超える場合は次のキャリア周期をTcpにし、△tが2Tcp以下なら△tを次のキャリア周期としてキャリア信号の谷のタイミングがなるべく理想的な電圧SWタイミングと一致するように決めている。したがって電圧SWタイミングの誤差を抑制することができる。
また、基本的なキャリア周期TcpをPWM電圧駆動時と同じにした場合は、電圧SWパターン切り替えに伴ってその前後のキャリア周期を変更した場合でも、その和はPWM電圧駆動時のキャリア周期の整数倍であるため、前記図8に示したようにPWM電圧駆動から矩形波電圧駆動に切り替え、再度PW電圧駆動に切り替えた場合でも、電流制御などに用いる他のタイマ周期演算との相対的な時間差は一定に保たれ、時間差の変化による影響を抑制することができる。
上記のように実施例4においては、矩形波電圧駆動を行う際は、基本的なキャリア周期は一定値Tcp(例えばPWM電圧駆動を行う場合のキャリア周期と同じ値)とし、電圧SWパターンを切り替える場合のみ、その前後のキャリア周期の合計が基本的なキャリア周期Tcpの3倍となるように設定する。そして切り替え前後のキャリア周期は基本的なキャリア周期Tcpよりも大きく、その値は電圧SWパターン切り替えタイミングが切り替えを行う電気角目標値になるべく一致するように決める。また、各キャリア周期割り込み演算では、次の演算開始から次の電圧SWパターン切り替えの電気角目標値までの時間差△tを監視し、時間差△tがPWM電圧駆動時のキャリア周期の2倍を下回ったら、時間差△tを次のキャリア周期とし、次の次の制御演算開始時(図11のTc1の次)に電圧SWパターンを切り替えるように構成している。
上記のように構成したことにより、電圧SWパターンを切り替える間に回転速度の変化や、電圧SWパターン切り替えの電気角目標値θswに変化があった場合でも、電圧SWパターン切り替え間隔によらない小さな周期で電圧SWパターン切り替えタイミングが適切になるようにキャリア周期を設定できるので、トルクの過不足や過電流が流れるおそれは低減される。また、PWM電圧駆動から矩形波電圧駆動に切り替え、再度PWM電圧駆動に切り替えた場合でも、キャリア周期割り込みタイミングが容易に同期でき、PWM電圧駆動時のキャリア周期割り込み以外の周期動作する割り込み演算に対して相対的な時間差を一定にできる。また、時間差△tがTcpの2倍よりも大きいか以下で次回のキャリア周期を決めているので、回転速度変化や電気角目標値θsw変化の監視や、キャリア周期の再計算が不要である、という効果が得られる。
(実施例5)
これまで説明した実施例3、実施例4においては、キャリア周期を変更する際に、変更の前後では前記(数17)式に示したように、「3Tcp=Tc1+Tc2」になるようにし、その後に基本のキャリア周期Tcpに戻るようになっている。しかし、Tc2の演算を省略し、キャリア周期は原則として基本のキャリア周期Tcpとすることも出来る。
図12は、前記実施例3の構成においてTc2の演算を省略した場合の例であり、キャリア周期は原則として基本のキャリア周期Tcpとし、電圧SWパターンの切り替え直前の制御演算1において、時間差△tを補正するように次回のキャリア周期Tc1nextを演算し、それ一回のみで調整するように構成している。
この方法において、△tやtの演算方法は前記(数9)式、(数10)式で示したものと同様であるが、Tc1nextの演算式は下記(数21)式を用いて行う。
Figure 2006074865
ただし、mは、Tcp<Tc1next<2Tcpとなる整数
上記のように制御演算1で求める次の電圧SWパターン一区間におけるキャリア周期は、Tc1nextとm個(図12ではm=6)のTcpからなるパターンとなる。
なお、上記の実施例におけるキャリア周期の修正方法については前記実施例3と同様である。また、Tc1、Tc1nextの大きさはTcpより大とする。これは一般にTcpを演算可能な範囲で最も小さな値に設定していることから、それよりも小さな値は演算困難なためである。
上記と同様に、実施例4の構成において、Tc2の演算を省略することも出来る。この場合には、図12において、Tc1nextの直前の制御演算においてTc1nextを演算する。Tc1nextの演算式は上記(数21)式と同じである。この場合においてもキャリア周期の修正方法については前記実施例4と同様である。
実施例5においては、キャリア周期割り込み以外のタイマ動作する割り込みとの同期が行われないことを除けば、実施例2、3と同様の作用、効果があるが、キャリア周期は原則として基本のキャリア周期Tcpとし、Tc1のみで時間差△tを補正しているので、キャリア周期を決定するモードを一つ(Tc2を決めるモード)減少させることが出来、構成を簡略化できる、という特徴がある。
本発明を適用する交流電動機の制御装置の構成を示す一実施例のブロック図。 実施例1におけるキャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図。 電動機に入力すべき電圧のSWパターンを示す図。 実施例2におけるキャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図。 実施例2におけるキャリア周期の修正方法を説明するための信号波形図。 実施例3におけるキャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図。 実施例3におけるキャリア周期の修正方法を説明するための信号波形図。 PWM電圧駆動と矩形波電圧駆動とを切り替えて駆動した場合における演算の相対時間差を示す信号波形図。 実施例4におけるキャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図。 実施例4において、△tが2Tcpより大きい場合に設定されるキャリア周期を説明するための信号波形図。 実施例4において、△tが2Tcp以下の場合に設定されるキャリア周期を説明するための信号波形図。 実施例5におけるキャリア周期の設定方法を説明するための信号波形図。
符号の説明
1…電圧位相生成手段 2…制御手段
2−1…矩形波制御手段 2−2…PWM制御手段
3…インバータ 4…電流センサ
5…電動機 6…位置検出手段
7…速度演算手段

Claims (7)

  1. 電源電圧の最高値と最低値を所定の電圧スイッチングパターンで電動機巻線の各相に印加する矩形波電圧駆動を行う交流電動機の制御装置において、
    外部から与えられたトルク指令値と現在の回転速度とに応じた電圧位相目標値を出力する電圧位相生成手段と、
    前記電圧位相目標値と、電動機の電気角と、前記電動機の電気角速度と、前記電動機の電気角加速度から前記電動機を駆動する矩形波の駆動信号を演算する矩形波制御手段と、
    前記矩形波の駆動信号に応じた矩形波電圧を前記電動機巻線の各相に印加して前記電動機を駆動するインバータと、を備え、
    前記矩形波制御手段は、
    キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、
    一つの電圧スイッチングパターンの、開始から終わりまでの理想的な位相差π/3を、電気角速度ωと電気角加速度ω’とを用いて時間差t’に換算し、
    電圧スイッチングパターン切り替え時の電気角予測値θnextを、今回の制御演算開始時の電気角θと電気角速度ωと電気角加速度ω’と今回のキャリア周期Tnowを用いて演算し、
    次回の電圧スイッチングパターン切り替えの電気角目標値θswを、前記電気角予測値θnextに最も近い値から決定し、
    前記θnextと前記θswとの時間差△tを求め、
    前記時間差t’と前記時間差△tとを加算することにより、次回のキャリア周期Tnextを求め、
    次回のキャリア周期を上記の求めたキャリア周期Tnextに変更して前記電圧スイッチングパターンが切り替わるタイミングを調整することにより、電圧位相を電圧位相目標値に追従させるように制御することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の交流電動機の制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、
    前記電圧スイッチングパターン一区間中で、最後の前記割り込み演算において、次の電圧スイッチングパターン切り替えから、その次に電圧スイッチングパターン切り替えを行うまでのキャリア周期を、電圧スイッチングパターン一区間の開始から終了までの時間差をn等分(nは整数で、キャリア周期が設定可能な最小値以上で、キャリア周期が最小になるように出来るだけ大きな値)した値に設定し、
    かつ、電圧スイッチングパターン一区間中で、最後以外の前記割り込み演算において、電気角加速度および次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値の変化を監視し、何れか一方または両方が所定の閾値を超えた場合は、次の前記割り込み演算開始から次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差をn'等分(n'は整数で、キャリア周期が設定可能な最小値以上で、キャリア周期が最小になるように出来るだけ大きな値)した値に、それ以後のキャリア周期を変更するように構成し、
    キャリア周期を変更して前記電圧スイッチングパターンが切り替わるタイミングを調整することにより、電圧位相を電圧位相目標値に追従させるように制御することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  3. 請求項1に記載の交流電動機の制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、
    キャリア周期は原則として一定の基準値とし、電圧スイッチングパターンを切り替える場合にのみ、その前後のキャリア周期の合計が前記基準値の3倍となるように設定し、かつ、前記切り替え前後のキャリア周期は前記基準値よりも大きく、その値は電圧スイッチングパターン切り替えタイミングが切り替えを行う電気角目標値に一致するように設定し、電圧スイッチングパターン一区間中で、最後の前記割り込み演算では、次の電圧スイッチングパターン切り替えから、その次に電圧スイッチングパターン切り替えを行うまでのキャリア周期パターンを決定し、
    かつ、電圧スイッチングパターン一区間中で、最後以外の前記割り込み演算において、電気角加速度および次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値の変化を監視し、何れか一方または両方が所定の閾値を超えた場合は、次の前記割り込み演算開始から次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差に応じてそれ以後のキャリア周期を変更するように構成し、
    キャリア周期を変更して前記電圧スイッチングパターンが切り替わるタイミングを調整することにより、電圧位相を電圧位相目標値に追従させるように制御することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  4. 請求項1に記載の交流電動機の制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、
    キャリア周期は原則として一定の基準値とし、電圧スイッチングパターンを切り替える場合にのみ、その前後のキャリア周期の合計が前記基準値の3倍となるように設定し、かつ、前記切り替え前後のキャリア周期は前記基準値よりも大きく、その値は電圧スイッチングパターン切り替えタイミングが切り替えを行う電気角目標値に一致するように設定し、
    かつ、前記各割り込み演算では、次の演算開始から次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差を監視し、その時間差が前記キャリア周期の基準値の2倍を下回ったら、前記時間差を次のキャリア周期とし、次の次の制御演算開始時に電圧スイッチングパターンを切り替えるように構成し、
    キャリア周期を変更して前記電圧スイッチングパターンが切り替わるタイミングを調整することにより、電圧位相を電圧位相目標値に追従させるように制御することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  5. 請求項1に記載の交流電動機の制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、
    キャリア周期は原則として一定の基準値とし、電圧スイッチングパターンを切り替える場合にのみ、電圧スイッチングパターンの切り替え直前の前記割り込み演算において、次の前記割り込み演算開始から次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差を補正するように次回の電圧スイッチングパターンの切り替え直前におけるキャリア周期を演算し、
    かつ、電圧スイッチングパターン一区間中で、最後以外の前記割り込み演算において、電気角加速度および次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値の変化を監視し、何れか一方または両方が所定の閾値を超えた場合は、次の前記割り込み演算開始から次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差に応じてそれ以後のキャリア周期を変更するように構成し、
    キャリア周期を変更して前記電圧スイッチングパターンが切り替わるタイミングを調整することにより、電圧位相を電圧位相目標値に追従させるように制御することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  6. 請求項1に記載の交流電動機の制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、キャリア信号の谷の位置毎に制御演算を開始するための割り込みを発生すると共に前記電圧スイッチングパターンの設定と前記キャリア信号のキャリア周期の設定とを行い、
    キャリア周期は原則として一定の基準値とし、電圧スイッチングパターンを切り替える場合にのみ、電圧スイッチングパターンの切り替え直前の割り込み演算の一つ前の割り込み演算において、前回の電圧スイッチングパターンの切り替えから次に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差を補正するように今回の電圧スイッチングパターンの切り替え直前におけるキャリア周期を演算し、
    かつ、前記各割り込み演算では、次の演算開始から次回に電圧スイッチングパターンを切り替える電気角目標値までの時間差を監視し、その時間差が前記キャリア周期の基準値の2倍を下回ったら、前記時間差を次のキャリア周期とし、次の次の制御演算開始時に電圧スイッチングパターンを切り替えるように構成し、
    キャリア周期を変更して前記電圧スイッチングパターンが切り替わるタイミングを調整することにより、電圧位相を電圧位相目標値に追従させるように制御することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  7. 請求項3乃至請求項6の何れかに記載の交流電動機の制御装置において、
    矩形波電圧駆動を行なわない運転状態ではPWM電圧駆動を行うPWM電圧駆動制御手段を有し、
    前記キャリア周期の基準値は、PWM電圧駆動を行う場合におけるキャリア周期と同じ値にしたことを特徴とする交流電動機の制御装置。
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