JP2006067933A - 固化用粉末、組合せ菓子及びそれを用いたコマ様菓子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有することを特徴とする固化用粉末、又は該固化用粉末と把持用菓子を組合わせた組合せ菓子によって達成する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、特許文献1記載の固化用粉末は、非常に短時間で固化が進行するため、例えばラムネ様菓子に治具を挿入したようなコマ様菓子を調製しようとする場合、治具を挿入する時点では、殆どラムネ様に固まっており、治具とラムネ様菓子とが一体化し難い。このため、確実にコマ様菓子を形成するには、治具を挿入するタイミングが非常に狭い時間範囲となり、幼児が手作りするには、改良の余地があった。
しかしながら、特許文献2では、無水ぶどう糖の粒度と含有量の検討を行なっているが、上記特許文献1でも述べたコマ様菓子を得るには、固化速度が速すぎ、治具を挿入することは出来るが、治具と固形菓子とが一体化せず、確実にコマ様菓子を形成することは出来なかった。
しかしながら、特許文献3は均一な着色に関するものであり、着色糖類粉末を用いて、特許文献1でも述べたようなコマ様菓子を成型しようとする場合、やはり固化速度が速すぎるため、上記と同様に改良の余地があった。
(A)無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有する固化用粉末
(B)把持用菓子
(C)コマ様菓子の回転体部を成型するための略錐形状の成型用凹部が設けられた成型用トレイ
(1)成型用トレイの成型用凹部内に、下記(A)粉末を収容する工程
(A)無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有する固化用粉末
(2)上記(A)粉末が収容された成型用トレイの成型用凹部内に、水性媒体を投入し混合する工程
(3)上記(A)粉末と水性媒体との混合物中に、把持用菓子を挿入する工程
(4)上記混合物中に挿入された把持用菓子を、該混合物が固化するまで保持した後、固化混合物を離型し、コマ様菓子を得る工程
なおかつ、固化用粉末が固化した際に、コマ様菓子に最適な固化強度を有する。従って、把持用菓子を組合わせることによって得られたコマ様菓子を、喫食前に独楽のように回転させて遊ぶことができる。
まず、本発明の固化用粉末は、無水ぶどう糖を主成分とし、更に澱粉分解物を含有する。
本発明において、無水ぶどう糖は、固化用粉末全体重量中50重量%(以下「%」と略す)以上含有されていることが、適度な固化速度及び固化強度の点で重要である。更に好ましくは、80%以上である。
ここで、DEとは、dextrose equivalentの略で、澱粉の加水分解の度合いを示すものであり、固形分中のグルコースとして表わした全還元糖の比率であり、次式により算出される。
DE=直接還元糖(グルコースとして表示)÷固形分×100
なお、上記DEは、ベルトラン法またはウイルシュテッターシューデル法で測定した値である。
また、平均分子量とは、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した値である。
上記澱粉分解物の具体的な製品としては、例えば、「HLD」(DE30±2、平均分子量460)、「HLD N25」(DE25±2、平均分子量590)、「HLD N2
0」(DE20±2、平均分子量780)、「FSD−815」(DE15〜17、平均分子量900)、「FSD−810」(DE10〜12、平均分子量1350)、「FSD−610」(DE10〜12、平均分子量1500)、「FSD−607」(DE7〜9、平均分子量1700)、「FSD−703」(DE3〜5、平均分子量2500)(以上、二村化学(株)製)や、「パインデックス#1」(DE8、平均分子量2300)、「パインデックス#2」(DE11、平均分子量1500)、「パインデックス#3」(DE25、平均分子量680)、「パインデックス#4」(DE19、平均分子量990)、「パインデックス#6」(DE40、平均分子量400)、「MPD」(DE25、平均分子量680)、「TK−16」(DE17、平均分子量910)(以上、松谷化学(株)製)等が挙げられる。
なお、上記成分は、固化強度を損なわないよう、固化用粉末全体重量中、20%以下となるよう配合することが好ましい。
本発明の組合せ菓子は、上記固化用粉末と把持用菓子とが別々に容器詰めされており、コマ様菓子を得るための組合せ菓子である。
図1(A)はコマ様菓子の一例を示す斜視図であり、(B)はコマ様菓子の正面図である。この図1において、1はコマ様菓子であり、把持用菓子5と回転体部6とで構成されている。
このコマ様菓子とは、喫食前に把持用菓子5を回転軸として手で持って回転させることにより、頂部6aが支点となり把持用菓子5及び回転体部6が回転し、所謂「独楽」のようにして喫食者が楽しむことができる菓子である。
上記回転体部6は、頂部6aが頂点となる略錐形状である。上記略錐形状とは、具体的に、円錐、三角錐、四角錐、それ以上の角を有する多角錐や回転体部6の上面6bの形状が手裏剣様、花形様、クローバー様等となっている変則錐形等が挙げられ、適宜設定すればよい。上記のような形状は、線対称であることが、成型されたコマ様菓子を「独楽」のようにして回転させて遊ぶ際にバランスを取りやすいので好適である。なお、本発明で言う略錐形状とは、頂点6aが尖鋭状のみならず、アール状、もしくはこれらを組合わせたもので頂点6aが尖鋭状であるものでもよい。
その形状も、特に限定するものではなく、柱状等が挙げられる。
本発明にかかる成型用トレイの第一の実施形態について、図2を用いて説明する。
図2は、成型用トレイの一例を示す斜視図である。
この図2において、10は成型用トレイであり、該トレイ10は、成型用凹部15、収容部16及び計量カップ17とから構成されている。なお、上記計量カップ17は、コマ様菓子を調製する際に、切り離し手段としてのミシン目18で切り離して用いるようになっている。
この成型用トレイ10は、ポリスチレン製である。
収容部16の底面21は、傾斜等のない平面である。
上述した第一の実施形態では、成型用トレイ10の材質は、ポリスチレンであったが、上記の例に限定するものではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニル系樹脂等が挙げられ、適宜選択して用いればよい。
また、成型用凹部15の深さ、個数も、特に限定するものではなく、適宜設定すればよい。
また、成型用凹部15の形状も、回転体部6が把持用菓子を中心に「独楽」のように回転しうる形状であれば、特に限定するものではない。
上記実施形態の成型用トレイ10には、ミシン目18で切り離し可能な計量カップ17が設けられているが、これは任意である。設けない場合には、別途添付してもよく、家庭のコップ等を代用するようにしてもよい。
まず、(A)無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有する固化用粉末、(B)把持用菓子、をそれぞれ別々の容器に包装する。そして、この別々に容器に包装された(A)粉末及び(B)菓子と、(C)コマ様菓子の回転体部を成型するための略錐形状の成型用凹部が設けられた成型用トレイとを準備する。
そして、これらを必要に応じ、更に一つの包装体に密封し、組合せ菓子製品とすればよい。
このとき、上記(A)粉末、(B)菓子の各包装は、例えば、ポリエチレン等の軟質なプラスティック袋等に包装すればよい。その包装形態は、袋状、筒状や箱状等が挙げられる。また、その材質は、プラスティックに限定されるものではなく、紙あるいは金属など各種材質の中から適宜選択して用いればよい。特に、上記(A)粉末は、無水ぶどう糖を含有するので、無水ぶどう糖の易吸湿性を考慮して、防湿性を有し、かつ密封可能な包装であることが望ましい。
なお、このとき攪拌用治具等を同封するようにしてもよい。
まず、水性媒体を準備する。水性媒体は、例えば、水、シロップ、牛乳、溶質を溶解した水溶液等が挙げられ、これらの中から適宜選択し、単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。この中でも、特に手軽に使用でき、固化用粉末との反応性がよく、コマ様菓子の風味に影響を与えない点で水が好適に用いられる。
なお、水性媒体は予め容器詰め等を行い、上記組合せ菓子とセットにして製品化するようにしてもよい。
その後、図3(C)に示すように、成型用トレイ10を手でRS方向(略平行方向)に揺り動かすことによりトレイ10を振動させ、固化用粉末30を凹部15内に略平らに敷き詰める。
このように、固化用粉末30を凹部15内に略平らに敷き詰めることにより、後述する水性媒体との混合時に反応が良好となり、成型の点で好適である。
《組合せ菓子の調製》
下記表1に示す組成の固化用粉末を調整し、ポリエチレン袋に充填、密封した。また、把持用菓子である長さ3.5cmの棒状のビスケット5を同じくポリエチレン袋に3個充填、密封した。そして、この容器入り固化用粉末30と、把持用菓子であるビスケット5と、第一の実施形態で説明した成型用トレイ10と、スプーン32とを、更にプラスティック袋に一纏めに密封することにより組合せ菓子とした。
上記組合せ菓子を用い、図3(A)〜(F)に示す手順でコマ様菓子を調製した。
すなわち、まず、成型用トレイ10から計量カップ17を切り離し、容器詰めされたビスケット5を成型用トレイ10の収容部16に一時的に収容した。
次に、成型用トレイ10に設けられた三ヶ所の凹部15全てに、容器詰めされた固化用粉末30を均等に10gずつ投入した後、成型用トレイ10を手で約3秒間RS方向に振って振動させることにより、該固化用粉末30を凹部15内に略平らに敷き詰めた。
次に、予め準備した水31を、計量カップ17で表1に示す量を計量した後、一ヶ所の凹部15に充填された固化用粉末30の上に投入し、引き続きスプーン32を用いてよく攪拌溶解、混合した。混合は、混合物33に粘度(とろみ)が生じるまで続けた。
次に、上記混合物33に粘度(とろみ)が生じたら、収容部16に一時的に収容しているビスケット5を、長手方向が混合物33の露出表面に対し略垂直となるような角度で凹部15の略中央に挿入し、そのまま混合物33が固化してビスケット5が抜けなくなるまでの約10秒間混合物33に浸漬されていないビスケット5の一部を手で保持した。
その後、上述した凹部15に充填された固化用粉末30に加水して、攪拌溶解、混合した後、この混合物33にビスケット5を挿入し、混合物33が固化するまでビスケット5を手で保持する一連の工程を、残りの二ヶ所の凹部15に充填された固化用粉末30にお
いても繰り返し行った。
全ての凹部15において、上記工程が終了した3分後、成型用トレイ10の凹部15を外側から軽く手で押すことにより、コマ様菓子1を離型させ、ビスケット5部分をつまんで取り出すことにより、コマ様菓子1を得た。
ることが出来た。また、成型用凹部より確実に取り出すことが出来、独楽として回して遊ぶことが出来る強度を有するコマ様菓子を作ることができた。特に実施例1は、幼児でも非常に簡単にコマ様菓子を作ることができ、また、独楽の様に回して遊ぶことが出来たので大変好適であった。
これに対し、比較例1では、固化用粉末に加水すると瞬時に固化したため、ビスケットを挿入するタイミングを図ることが非常に困難であった。また、比較例2では、固化用粉末に加水しても、固化せず、コマ様菓子を調製することができなかった。
5 把持用菓子
6 回転体部
6a 頂部
6b 上面
10 成型用トレイ
15 凹部
16 収容部
17 計量カップ
18 ミシン目
19 開口周縁部
20 頂点
21 底面
30 固化用粉末
31 水
32 スプーン
33 混合物
Claims (6)
- 無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有することを特徴とする固化用粉末。
- 澱粉分解物を、固化用粉末全体重量中1〜10重量%含有する請求項1記載の固化用粉末。
- 澱粉分解物が粉体状である請求項1又は2記載の固化用粉末。
- 別々に容器詰めされた下記(A)粉末及び(B)菓子が組み合わされていることを特徴とする組合せ菓子。
(A)無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有する固化用粉末
(B)把持用菓子 - 更に下記(C)が組み合わされている請求項4記載の組合せ菓子。
(C)コマ様菓子の回転体部を成型するための略錐形状の成型用凹部が設けられた成型用トレイ - 下記(1)〜(4)の工程を備えてなることを特徴とするコマ様菓子の製造方法。
(1)成型用トレイの成型用凹部内に、下記(A)粉末を収容する工程
(A)無水ぶどう糖を主成分とする固化用粉末において、該固化用粉末中に澱粉分解物を含有する固化用粉末
(2)上記(A)粉末が収容された成型用トレイの成型用凹部内に、水性媒体を投入し混合する工程
(3)上記(A)粉末と水性媒体との混合物中に、把持用菓子を挿入する工程
(4)上記混合物中に挿入された把持用菓子を、該混合物が固化するまで保持した後、固化混合物を離型し、コマ様菓子を得る工程
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