JP6454484B2 - 固化用粉末、それを用いた組合せ菓子、及び無水ブドウ糖固化物の固化平準化方法 - Google Patents

固化用粉末、それを用いた組合せ菓子、及び無水ブドウ糖固化物の固化平準化方法 Download PDF

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本発明は、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させてラムネ様の所定形状の固化物を調製するに際し、無水ブドウ糖の性状に左右されることなく、固化開始や固化終了時間が各々早まることで、総じて固化時間が平準化された固化用粉末、それを用いた組合せ菓子、及び無水ブドウ糖固化物の固化平準化方法に関するものである。
従来、本発明者らは、粉末が固化物に変化するという態様で、喫食者が自ら創造的楽しさを味わえる、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させてラムネ様菓子を調製するような、例えば、次のような組合せ菓子を提案している。
一つ目は、容器詰め固化用粉末と成形用モールドとを備え、該成形用モールドの成形用凹部で固化用粉末を水と接触させて固化させ成形菓子化させうる組合せ菓子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この組合せ菓子では、成形用凹部内に水を所定量入れた後、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末を成形用モールドに均一に振り入れ、該固形用粉末を短時間でラムネ様の成形菓子に変化させた後、成形用モールドを裏返して底部を軽くたたいて成形菓子を取り出し喫食するものであり、固化用粉末を水と接触させてからモールドから取り出すのに支障のない強度の固化物となるまでに要する時間は、通常1分から2分30秒程度とされている。
二つ目には、無水ぶどう糖を主成分とし澱粉分解物を含有する固化用粉末と、把持用菓子からなる組合せ菓子が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この組合せ菓子では、澱粉分解物を含有することによって、固化用粉末の固化速度の遅延が図られており、固化速度が速すぎることなく、把持用菓子を挿入でき、かつ、固化後はコマ様菓子に最適な固化強度を保持し得る、喫食者が幼児でも簡単に、かつ確実にコマ様菓子を調製できるものである。そのために、該固化用粉末と水性媒体との混合物に、把持用菓子を挿入後抜けなくなるまで、まず約10秒間を要し、更に該混合物が完全に固化するまでに最低3分間放置することが必要であった。
最後に、80重量%以上の無水ぶどう糖を含有する、80重量%以上が40メッシュパスの固化用粉末と、柔軟性シート状物とを備えてなる組み合わせ菓子が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この組み合わせ菓子では、該固化用粉末と水との混合物を、該柔軟性シート状物に挟んで、薄く、大きくなるよう圧延し、薄板状の遊戯性を備えた成形菓子を得るためには、約3分間放置することが必要であった。また、この特許文献3の実施例3には、副原料として含水ブドウ糖を17重量%含有する固化用粉末が記載されているが、該固化用粉末を使用した場合であっても所望の成形菓子を得るためには、約3分間放置することが必要であった。
上記特許文献1〜3に記載の組合せ菓子において、喫食者が該組合せ菓子を用いてラムネ様菓子を調製する際の固化用粉末と水性媒体とを混合してから固化するまでに要する上限時間は、特許文献1の場合で150秒、特許文献2の場合で190秒、そして特許文献3の場合で180秒であった。さらに、絶対数としては多くはないものの、中には約300秒もの固化時間を要するものも点在していた。そこで、喫食者が取り扱う際、いずれの固化用粉末であっても一定の固化時間となるような固化時間を平準化することについて改良の余地があった。
実公平3−33275号公報 特開2006−67933号公報 実開平6−81290号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させてラムネ様の固化物を調製するに際し、無水ブドウ糖の性状に左右されることなく、固化開始や固化終了時間が各々早まることで、総じて固化時間が平準化された固化用粉末、それを用いた組合せ菓子、及び無水ブドウ糖固化物の固化平準化方法を提供することにある。
本発明は、水性媒体を接触させて所定形状に固化させるための、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末であって、該固化用粉末全体重量中、含水ブドウ糖を0.5〜30重量%含有することを特徴とする固化用粉末により上記目的を達成する。
好ましくは、前記固化用粉末と、下記(A)及び/又は(B)とを備えてなる。
(A)固化用粉末と水性媒体とを接触させ混合するための成型用凹部が設けられた成型用トレイ
(B)固化用粉末と水性媒体とを接触させて得られる混合物を圧延するための圧延用シート
更に好ましくは、更に、把持用治具を備えてなる。
また、本発明は、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させて得られる固化物の固化平準化方法であって、該固化用粉末全体重量中、含水ブドウ糖を0.5〜30重量%添加することを特徴とする無水ブドウ糖固化物の固化平準化方法により上記目的を達成する。
すなわち、本発明者らは、同一仕様の製品であっても固化終了するまでの時間が大きくばらつくという品質差を生じる組合せ菓子があることから、その原因を固化用粉末の主成分である無水ブドウ糖に起因する事象であると推察した。そこで、無水ブドウ糖の原料ロット間、又は同じ原料ロットであっても開封直後と開封後一定時間経ったものを用いて、固化状態を調査し、固化時間を平準化できるよう検討を行った。
まず、無水ブドウ糖の固化現象に注目した。無水ブドウ糖は汎用のブドウ糖(含水ブドウ糖)にはない物性、すなわち、水性媒体と接触すると瞬時に固化する性質を有する。無水ブドウ糖が固化する過程を更に詳細に観察すると、まず水性媒体と接触した部分から無水ブドウ糖の溶解が起こり、その部分は極僅かの間流動性を保ち、その後含水ブドウ糖に変化するとともに再結晶化が起こり、その部分を発端にして固化用粉末全体が固化していく。
そこで、最初に水性媒体と接触する部分において、ブドウ糖の再結晶化が容易に起これば、固化に要する時間を早め、ひいては固化時間を平準化できると想起し、鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、含水ブドウ糖単独では水性媒体を接触させても固化現象自体が起こらないが、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末中に含水ブドウ糖を固化用粉末全体重量中0.5〜30重量%散在させると、固化開始時間や固化終了時間が早まり、無水ブドウ糖のロット如何に左右されることなく固化時間が従来よりも平準化される
ことを見出し、本発明に到達した。
本発明の固化用粉末及びそれを用いた組合せ菓子は、該固化用粉末と水性媒体とを接触させてラムネ様の所定形状の固化物を調製する際、該固化用粉末中の無水ブドウ糖の性状に左右されることなく、固化時間が100秒以内に平準化される。ここで、「固化時間」とは、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させて固化物を得る際、接触後固化が開始(固化開始)され、両者による混合物全体が硬化し離水のない状態となる(固化終了)までに要する時間を意味する。本発明では、従来に比べ固化開始時間、固化終了時間が各々早まることで、総じて固化時間が平準化される。さらに、固化の完了を表す固化終了時間が、無水ブドウ糖如何に関係なく、喫食者があきることなく固化物調製の創造的楽しさを味わうことのできる180秒以内とすることができる。
固化用粉末のDSC曲線 固化用粉末中の含水ブドウ糖吸熱量による検量線を表す図 本発明の組合せ菓子(固化用粉末と成型用トレイの場合)を用いて、ラムネ様の所定形状の固化物を調製する方法の一例を示す説明図
次に、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の固化用粉末は、無水ブドウ糖を主成分とし、更に含水ブドウ糖を固化用粉末全体重量中0.5〜30重量%含有する。
前記無水ブドウ糖は、その結晶構造内に水を含まず、水性媒体と接触すると一旦溶解した後すぐに再結晶化する性質を有する。
本発明において、無水ブドウ糖は、固化用粉末の主成分として含有し、固化用粉末全体重量中、好ましくは55重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは85重量%以上含有することが、良好な固化強度を有する点で好ましい。
ここで、良好な固化強度とは、固化用粉末と水性媒体とを接触させて得られる固化物が、固化成形時に用いる成型用トレイや圧延用シート等から離型や剥離時、あるいは離型や剥離した後、固化物が崩れない程度の固化強度を有することを意味する。
前記含水ブドウ糖は、その結晶構造内に1分子の水を含み、水性媒体と接触しても再結晶化はしないが、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末内に含有すると、無水ブドウ糖が水性媒体と接触して再結晶する際の核結晶となり、無水ブドウ糖の再結晶化を促進するため、固化開始時間及び固化終了時間が各々早くなる。
含水ブドウ糖の含有量は、固化用粉末全体重量中、好ましくは0.5〜30重量%であることが、固化時間、固化強度の点で重要である。0.5重量%よりも少ないと、固化終了時間が遅くなり、固化時間の長くなるものが生じる。30重量%を超えると、固化物の固化強度が低下し脆くなる傾向があり、40重量%を超えると固化しなくなる。また、より好ましくは0.5〜16重量%とすると、更に良好な固化強度が得られる点で好適である。更に好ましくは4〜16重量%とすると、良好な固化強度が得られ、かつ固化開始時間、固化終了時間が早くなり、固化時間が60秒以内に平準化される点で好適である。
固化用粉末中に含有する含水ブドウ糖含有量は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定することができる。測定に用いる示差走査熱量計としては、例えば、エスアイアイ・
ナノテクノロジー株式会社製のDSC6100等が挙げられる。測定方法としては、例えば20〜40mgの範囲内で正確に計量した固化用粉末を、昇温速度1〜5℃/分で昇温し、図1のようなDSC曲線を得る。得られたDSC曲線の60〜85℃に現れる吸熱ピークのピーク面積を固化用粉末中に含まれる含水ブドウ糖の吸熱量(J/g)として読み取る。予め、図2のような含水ブドウ糖含有量が異なる固化用粉末による含水ブドウ糖吸熱量の検量線を作成しておき、DSC曲線から読み取った前記吸熱量をプロットすることで、固化用粉末中に含有する含水ブドウ糖含有量を求めることができる。
図1は、上述の条件で測定した固化用粉末のDSC曲線である。図1(a)は含水ブドウ糖を含有しない固化用粉末、図1(b)は固化用粉末全体重量中、含水ブドウ糖を0.5重量%含有する固化用粉末、図1(c)は含水ブドウ糖を4.0重量%含有する固化用粉末のDSC曲線である。
図2は、固化用粉末中の含水ブドウ糖吸熱量による検量線を表す図であり、固化用粉末中の含水ブドウ糖含有量が30重量%までは、該吸熱量は含水ブドウ糖含有量に比例して直線性を示している。
また、本発明の固化用粉末には、必要に応じて副原料を添加してもよい。副原料としては、例えば、ブドウ糖とは別の糖類、澱粉、澱粉分解物、粉末果汁、酸味料、香料、呈味料及び着色料(赤キャベツ色素等)等の粉末原料や、チョコレートチップ、アラザン、カラースプレー、フルーツチップ等の粒状物が挙げられ、適宜単独もしくは数種組み合わせて添加すればよい。なお、当該副原料は、固化強度を損なわないよう、固化用粉末全体重量中45重量%以下となるように配合することが好ましい。
本発明の固化用粉末は、例えば次のようにして製造される。すなわち、まず、無水ブドウ糖及び含水ブドウ糖を準備し、これらを必要に応じて副原料とともに適宜粉体混合する。
また、本発明の固化用粉末は粉末収容体に充填されていてもよい。粉末収容体の材質は特に制限するものではなく、例えば、ポリエチレン等の軟質プラスチック、紙、金属等、適宜用いればよい。もしくはこれらの材質を組み合わせてラミネートしたものでもよい。また、粉末収容体の形状も特に限定するものではなく、袋状、筒体、箱等適宜設定すればよい。ただし、無水ブドウ糖が吸湿しやすいため、長期保存の場合は防湿性の高い包装材料を用いて密封することが望ましい。
前記固化用粉末は、様々な用途で用いられるが、特に粉末収容体に収容され、組合せ菓子に好適に用いられる。
次に、本発明の組合せ菓子について説明する。
本発明の組合せ菓子は、上記に記載した本発明の固化用粉末と、該固化用粉末と水性媒体とを接触させ混合するための成型用凹部が設けられた成型用トレイ(以下、成型用トレイという)、及び/又は、該固化用粉末と水性媒体とを接触させて得られる混合物を圧延するための圧延用シート(以下、圧延用シートという)とを備え、該成型用トレイ内や該圧延用シート上で、前記固化用粉末に水性媒体を接触させて固化して得られるラムネ様の固化物を調製するための組合せ菓子である。なお、本発明の組合せ菓子は、成型用トレイや圧延用シートを単独或いは併用して備えることができる。
前記成型用トレイは、成型用凹部を備えており、その形状は任意に設定すればよい。凹部の個数は複数でも良いし、かつ各々の形状が異なっていてもよい。成形用トレイの材質は特に限定するものではなく、プラスチック、金属、紙など各種の材質から適宜選択して
用いればよい。具体的には、例えば、プラスチック製の軟質板を型打ち加工して適宜形状の成型用凹部としたもの、プラスチック製やステンレス製のクッキー型やカップケーキ型、防水性のある紙容器等が挙げられる。
また前記圧延用シートは、前記固化用粉末と水性媒体とを接触させて得られる混合物を挟み込んで薄板状に圧延し、固化させ、得られたラムネ様の固化物を剥離するために使用するものであり、柔軟性のある薄くて表面が平滑で剥離性の良好な材質が好適である。このような性質の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルミ箔、或いは、これらの複合構造物が挙げられる。また、その厚みは、柔軟性のある材質であれば特に限定されず、通常、0.01〜1mm程度である。また、その大きさは、得ようとするラムネ様の固化物の大きさに合わせ、適宜設定すれば良く、例えば、圧延用シートの一辺を100mm以上にすると、得られるラムネ様の固化物の面積を大きくすることができ、視覚的面白さに富むので好適である。また、圧延用シートは1枚でなくても、2枚を準備し、重ねて用いるようにしてもよい。
次に、本発明の組合せ菓子の製品化は、例えば次のようにして行われる。まず、本発明の固化用粉末を前記粉末収容体に充填し、前記成型用トレイ及び/又は圧延用シートを準備する。そして、これらを必要に応じ、更に一つの包装体に収容密封し、組合せ菓子製品とすればよい。
なおこのとき、手でつまんで持つことができる形状で、ある程度の硬度を有する把持用治具を同封すると、固化用粉末と水性媒体とを接触させ混合するときに攪拌する、固化物をコマ様菓子とする場合の回転軸とする、固化物の強度を補強し持ち手とする等、固化物を調製しやすくしたり、固化物を用いた遊戯性菓子を得られる点で好適である。把持用治具の材質は、例えば木材、プラスチック、金属、菓子類等硬質の材質であれば特に制限するものではなく、適宜選択して用いればよい。菓子類としては、例えば、ビスケット、クラッカー、クッキー、ウエハース、パフ、せんべい、ボーロ等の焼き菓子や、ガム、キャンディ、チョコレート、ラムネなどの打錠食品等が挙げられる。その形状も、特に限定するものではなく、柱状(円柱、角柱等)、Y字状、団扇の柄のように中央部から複数本の枝が分岐した骨格状、フォーク状、スプーン状等が挙げられる。
更に、水性媒体を添加するために用いるスポイトや容器を同封してもよい。
本発明の組合せ菓子(固化用粉末と成型用トレイの場合)を用いて、ラムネ様の所定形状の固化物を調製する場合には、例えば、図3のようにして調製することができる。図3(A)は成型用トレイを示しており、1はプラスチック製の軽量の成型用トレイ、2はその成型用トレイ1に形成された成型用凹部である。同図の成型用凹部2はタワーの形状に形成されている。
固化物を調製するには、まず図3(B)に示すように、粉末収容体4を開封して、中に入っている固化用粉末3を成型用トレイ1の成型用凹部2に振り入れ表面を均す。
その上から、図3(C)に示すように、スポイト6を用いて水性媒体5を添加し、固化用粉末3と接触させる。なお、水性媒体5を添加した後、そのまま放置しても固化物を形成するが、好ましくは把持用治具を備え、固化用粉末と水性媒体の接触物を、把持用治具(図示せず)を用いて攪拌混合してから放置すると固化促進の点で好適である。
また、水性媒体としては、単なる水の他、牛乳、果汁、ブドウ糖や砂糖等のシロップや、香料や着色料等の溶質を溶解もしくは分散した溶液等が挙げられる。これらの中でも特にブドウ糖シロップを用いると、より固化が促進される点で好ましい。また、水性媒体は
常温、非加熱とすると、取り扱い易さの点で好ましい。このとき、固化用粉末に対する水性媒体の割合を、重量比で、4:1〜2:1となるように設定すると、水性媒体が固化用粉末全体に均一に分散できる点、良好な固化強度を有するラムネ様の固化物が得られる点で好適である。
なお、スポイト6は、水性媒体5を容易に成型用凹部2全体に満遍なく添加することができるので、組合せ菓子に備えていることが好ましい。
上記のように水性媒体5を入れると同時に、成型用凹部2内において固化用粉末3と水性媒体5とが接触し、固化用粉末中の無水ブドウ糖が含水化した後、固化用粉末中に点在する含水ブドウ糖によってブドウ糖の再結晶化が促進されて固化し、成型用凹部2に沿って成型される。
なお、水性媒体の添加後、固化開始から固化終了までに要する固化時間は100秒以内に平準化されており、かつ得られる固化物は、崩れることなく容易に取り外すことが可能な良好な固化強度を有する。そして、固化終了後、成型用トレイ1を裏返して成型用凹部2を外側から押し出す等して離型すれば、図3(D)に示すように、ラムネ様の固化物7を調製することができる。
また、前記調製方法は、成型用トレイにまず固化用粉末を振り入れその後水性媒体を添加しているが、例えば、固化用粉末と水性媒体を同時に投入してもよいし、添加の順番を逆にして、水性媒体を入れた後に固化用粉末を添加してもよい。
なお、前記のようにして得られたラムネ様の固化物は、このままでも喫食可能であるが、更に前記組合せ菓子にトッピングを備えてもよく、組合せ菓子とは別に準備したトッピングを施してもよい。トッピング材料としては、きな粉、粉末ジュース、抹茶、チョコレート等の各種ソース、ジャム、シロップ等が挙げられ、これらは適宜選択して単独もしくは複数組合せて用いればよい。なお、前記トッピング材料の形態は、特に限定されるものではなく、粉末状、顆粒状、液状等から適宜選択すればよい。
以上のように、本発明において、固化用粉末中に含水ブドウ糖を、該固化用粉末全体重量中0.5〜30重量%添加することで、無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させてラムネ様の所定形状の固化物を調製するに際し、固化用粉末中の無水ブドウ糖の性状に左右されることなく、固化開始時間や固化終了時間が各々早まることで、固化終了時間は180秒以内とすることができ、固化時間は100秒以内に平準化することができる。
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
<実施例1〜5、比較例1〜5>
≪固化用粉末の調製≫
表1に示す組成を粉体混合して固化用粉末を調製し、該固化用粉末5gをポリエチレン袋に密封した。なお、実施例1〜3の無水ブドウ糖は同一製品でロット番号の異なるものを、実施例4、5の無水ブドウ糖は実施例1とは異なるメーカーのものを用いた。また、比較例1〜5は、実施例1〜5の対照とするため、含水ブドウ糖を含有せず、各実施例と同一の無水ブドウ糖を用いた。
<実施例6〜11、参考例12〜16、比較例6〜8>
≪固化用粉末の調製≫
表2に示す組成を粉体混合して固化用粉末を調製し、該固化用粉末5gをポリエチレン袋に密封した。なお、無水ブドウ糖は、実施例1で使用した同一のロット番号のものを同一時期に用いた。
Figure 0006454484
Figure 0006454484
≪組合せ菓子の調製≫
図3(A)に示すような成型用トレイ1、把持用治具(ポリスチレン製のスプーン、図示せず)及び図3(C)に示すようなスポイト6を準備し、前記密封した固化用粉末と共に一つのポリエチレン包装体に収容密封し、組合せ菓子を得た。
≪固化物の調製≫
上記組合せ菓子を用いて、専門パネラー5名が以下の手順でラムネ様の固化物を調製した。
すなわち、図3(A)〜(D)に示すように、まず成型用トレイ1の成型用凹部2に5gの固化用粉末3を振り入れ表面を均した。その上から、スポイト6を用いて2gの水5を成型用凹部2表面全体に満遍なく添加し、把持用治具で30回攪拌した後放置してラムネ様の固化物7を調製した。
表1及び表2に以上のようにして得られたラムネ様の固化物調製時の専門パネラー5名による固化開始時間、固化終了時間の測定結果、これらより算出された固化時間、及び固化強度の評価結果を示す。
ここで、固化開始時間とは、水を添加してから固化物の表面を指で押したときに跳ね返る状態となった時までの時間とし、固化終了時間とは、水を添加してから固化物全体が固化し、表面に離水のない状態となった時までの時間とした。また、固化開始時間と固化終了時間は、専門パネラー5名から得られた最短時間と最長時間の範囲で示した。
表1の結果から、含水ブドウ糖を含有する実施例1〜5は、それぞれ同じ無水ブドウ糖を主成分とし、含水ブドウ糖を含有しない比較例1〜5に比べ、いずれも固化開始時間及び固化終了時間が早まることで、総じて固化時間は60秒以内に平準化されており、固化用粉末と水性媒体とを接触させてから、おそくとも110秒以内には固化が終了した。
すなわち、含水ブドウ糖を含有させない場合は、固化開始時間に最長100秒、固化時間には最長230秒を要し、比較例1〜5における固化終了時間の最大ばらつきは170秒に及んだ。
一方、含水ブドウ糖を含有した場合には、固化開始時間は最長50秒(50秒短縮)、固化時間も最長60秒(170秒短縮)に平準化された。また、実施例1〜5における固化終了時間の最大ばらつきは60秒(110秒短縮)に抑えられ、無水ブドウ糖のロット間や製造メーカー間の影響を受けることがなくなった。
次に、実施例1及び6〜11、参考例12〜16、比較例1及び6〜8の結果から、本発明の固化用粉末において、含水ブドウ糖を固化用粉末全体重量中0.5〜30重量%含有することで、固化時間は100秒以内に平準化でき、かつ一定の固化強度を維持することができた。
また、比較例6は、実施例6に比べて、特に固化終了時間において有意に違いがあり、比較例6のように固化終了時間が180秒を超えると、喫食者が実際に取り扱うとなると待ち時間が長くなりすぎ、固化物を調製する楽しみが低下した。
また、含水ブドウ糖を0.5〜16重量%含有すれば、更に良好な固化強度が得られ、4〜16重量%であれば、良好な固化強度に加え、固化時間が最長60秒以内に平準化された。
1 成型用トレイ
2 成型用凹部
3 固化用粉末
4 粉末収容体
5 水性媒体
6 スポイト
7 固化物

Claims (1)

  1. 無水ブドウ糖を主成分とする固化用粉末と水性媒体とを接触させて得られる固化物の固化時間平準化方法であって、該固化用粉末全体重量中、含水ブドウ糖を0.5〜30重量%添加することを特徴とする無水ブドウ糖固化物の固化時間平準化方法。
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