JP2006067930A - 新品種きのこ及びその交配株の作製方法並びに新品種きのことその交配株 - Google Patents

新品種きのこ及びその交配株の作製方法並びに新品種きのことその交配株 Download PDF

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Abstract

【課題】 エリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳とを交配することにより、食味と品質に優れ、収量が多く、栽培が容易で、傘の形態、肉質、栽培期間、汚染耐性等の特性が改善された新品種きのこを提供する。
【解決手段】
白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続することにより作製したエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株。当該交配株を栽培して得た新品種きのこ。
【選択図】 図1

Description

この発明はエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との新規な交配株を作製し、この交配株から、新品種きのこを生産することを目的とした新品種きのこ及びその交配株の作製方法並びに新品種きのことその交配株に関する。
ヒラタケ属のエリンギ、学名Pleurotus eryngiiは、美味しい茸で、近年その生産が急速に増大している。
白霊▲たけ▼と阿魏側耳(阿魏▲磨▼とも言う)は、中華人民共和国原産の茸でやはり美味しい茸である。中華人民共和国においてその需要が伸びており、日本にも若干輸入されはじめている。
白霊▲たけ▼には学名P. nebrodensisが、阿魏側耳には学名P.ferulaeが、それぞれ、当てはめられている。両種とも優秀な食用菌で、中国では高価で取引されている。
阿魏側耳の形態はエリンギにきわめて類似しており、味も似ているが、肉質はより軟らかい。
白霊▲たけ▼は全体が白色で、柄が殆んど無く、傘の大きいきのこで、中国では阿魏側耳より人気がある。
白霊▲たけ▼は阿魏側耳と別種とする説と、阿魏側耳の白色短柄変異株とする説があるようであるが、白霊▲たけ▼も阿魏側耳もエリンギと同じヒラタケ属に分類されている。
エリンギは前記のように、美味しい茸であって我が国で食用菌として高い評価を受けているが、その一方で、肉質が硬く、栽培過程で汚染が多い茸でもある。
白霊▲たけ▼と阿魏側耳の特性をエリンギと比較すると、傘が大型で、肉質は木目細かく、また、より軟らかく、栽培過程での汚染は少なく、収量が多い。その一方、白霊▲たけ▼と阿魏側耳は、長い栽培期間を要する。
前述した同じヒラタケ属に分類されているエリンギ、白霊▲たけ▼、阿魏側耳の特性から、我が国で食用菌として高い評価を受けているエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳とを交配することにより、傘の形態、肉質、栽培期間、汚染耐性等の特性が改善された新品種きのこを得ることが望まれている。
しかし、エリンギと白霊▲たけ▼や阿魏側耳は交配しないとBaoらにより報告されている("Mating Compatibility and Phylogenetic Studies on Pleurotus Species" D. Bao, et. al, Proceedings of The Second Meeting of Far East Asia for Collaboration on Edible Fungi Research. Tottori, Japan, 5-7th September, 2002)。
そこで、本発明は、我が国で食用菌として高い評価を受けているエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳とを交配することにより、食味と品質に優れ、収量が多く、栽培が容易で、傘の形態、肉質、栽培期間、汚染耐性等の特性が改善された新品種きのこを得ることを目的としている。
前記課題を解決するため、この発明は、エリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株を提案するものである。
この交配株は、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続することにより作製できる。
また、前記課題を解決するため、この発明は、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続して得たエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株を栽培することを特徴とする新品種きのこの作製方法を提案するものである。
この新品種きのこの作製方法は、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続して得たエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株の中から、生育速度が、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度と、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の二核菌糸の生育速度、または白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜し、これを栽培する形態にすることもできる。
そして、本発明が提案する新品種きのこは、前記の作製方法により作製されるものである。
交配しないとされるものを交配させる為、本願の発明者は、まず、生存能力の高い一核菌糸を選抜し、能力の高い一核菌糸同士を交配させる方法を検討した。そこで、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の生育速度の早い一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの生育速度の早い一核菌糸とを交配させることとした。
そして、前述したように、交配の温度を30℃以下の低目に保ち、同一の培地において培養を行い、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後も15日間以上の長期間培養を継続させることにより、交配株を得ることに成功したのである。
また、こうして得た沢山の交配株を栽培することにより新品種きのこの作製に成功したのである。
更に、前記のようにして得た沢山の交配株の中から、生長の早い株を選抜し、この選抜株の栽培試験を行い、特性の改善された株を選抜することにより、品質・栽培特性においてより優れた品種が得られることの知見を得たのである。
前記において、温度環境を30℃以下としたのは、30℃より高い温度では交配数が激減した為である。20℃より低温でも交配は起こるが、交配の成立に時間を要するので、20℃〜30℃が最良と考えられる。また、同一の培地における培養において、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後の培養日数も15日以上が良好と認められた。
この発明によれば、我が国で食用菌として高い評価を受けているエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳とを交配することにより、食味と品質に優れ、収量が多く、栽培が容易で、傘の形態、肉質、栽培期間、汚染耐性等の特性が改善された新品種きのことその交配株を得ることができる。
この発明は、次の工程を経て実施される。
1.二核菌糸の分離、確認
エリンギ、白霊▲たけ▼、阿魏側耳の二核菌糸は市販子実体より無菌的に菌糸を分離する。あるいは、種菌供給業者より購入することもできる。これらの二核菌糸は雑菌汚染が無いこと、クランプが有ること、培養性状が正常なことを確認して使用する。
2.一核菌糸の分離、選抜
エリンギ、白霊▲たけ▼、阿魏側耳の一核菌糸は、子実体を形成させて胞子を得て、単胞子分離して、培養するのが簡単であるが、子実体の得にくい場合は、菌糸からプロトプラストを調製し、それから単クローンを得ることによっても作製可能である。
一核菌糸は顕微鏡で観察するとクランプが無いので、確認できる。この一核菌糸の栽培試験を行い、生育速度が早く、菌糸密度が厚く、培養性状の正常なものを選抜して使用する。
3.交配
交配はきのこの培養に用いられる固体培地なら何れの培養基を用いても良いが、寒天培地を用いるのが簡便である。
寒天培地としては通常のきのこの培養に用いられる培地なら何れでも良いが、生育のよいものを選択して用いる。
培養温度は30℃以下とし、同一の培地に、エリンギの一核菌糸と白霊▲たけ▼の一核菌糸とを1〜3cm程離して接種し、両菌糸のコロニーが接触してからも培養を15日間以上継続させる、あるいは、エリンギの一核菌糸と阿魏側耳の一核菌糸とを1〜3cm程離して接種し、両菌糸のコロニーが接触してからも培養を15日間以上継続させる。これによって、本発明の交配株が得られる。
また、培養温度は30℃以下とし、同一の培地に、エリンギの一核菌糸と白霊▲たけ▼の二核菌糸とを1〜3cm程離して接種し、両菌糸のコロニーが接触してからも培養を15日間以上継続させる、あるいは、エリンギの一核菌糸と阿魏側耳の二核菌糸とを1〜3cm程離して接種し、両菌糸のコロニーが接触してからも培養を15日間以上継続させる。これによって、本発明の交配株が得られる。
交配株生育試験:
以上の本発明の方法により、エリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の交配株は頻度良く得られるが、大部分の交配株の生育速度は遅い。そこで、生育速度の改善された、より優れた品種を得る上では、生育試験を行って、前記交配株の中から生長の早い株を選抜することが望ましい。
交配株の中から生長の早い株を選抜するには、前記のようにして得たエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株の中から、生育速度が、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度と、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の二核菌糸の生育速度または白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜する方法を採用できる。
こうして交配株を選抜してから次の栽培試験に入ると効率的である。
なお、前記の選抜において、一核菌糸を比較の対照にしなかったのは、一核菌糸と二核菌糸とは性質が異なるので、二核菌糸同士を比較することが望ましいからである。
また、前記のようにしてエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株を作製する交配がダイモン交配で、白霊▲たけ▼または阿魏側耳が二核菌糸である場合があるが、この場合も、前述したように、当該白霊▲たけ▼または阿魏側耳の二核菌糸の生育速度と、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜することになる。
ここで、前述した平均生育速度の8掛け以上の生育速度である交配株を選抜するようにしたのは、品質・栽培特性においてより優れた品種を得る上でこの範囲が好ましいからである。
4.栽培
交配株の栽培特性は、エリンギと白霊▲たけ▼の中間にあると予測した。
エリンギではオガコ、コーンコブ、コットンハル等の培地基材に米糠、麸皮、コーンブラン、ビール粕、オカラ、大豆皮等の栄養源を加え、水分を65%〜68%に調整したものが多く使われる。
阿魏側耳や白霊▲たけ▼の栽培に用いられる培地もほぼ同様だが、栄養源を控えめにする。
培養は22℃〜25℃で行った場合、菌株にもよるが、エリンギでは30日〜40日、阿魏側耳では50日〜60日、白霊▲たけ▼では70日〜100日の培養期間が必要である。
発生処理はエリンギは菌掻き後、15℃〜18℃の温度環境で発生が行われるが、阿魏側耳や白霊▲たけ▼では昼間15℃〜20℃、夜間5℃〜10℃程の変温処理を行い原基形成が見られたら、13℃〜18℃できのこを生育させる。
交配株においては、これらの栽培条件の中間的な栽培条件を各種試みて、適合する栽培条件を見出して、栽培を行う。
すなわち、前述した本発明の方法によって作製した本発明のエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の交配株の栽培には、オガコ、コーンコブ、コットンハル等の培地基材に米糠、麸皮、コーンブラン、ビール粕、オカラ、大豆皮等の栄養源を加え、水分を64%〜68%に調整したものを使うことができる。培養期間は40日〜90日、発生処理は菌掻き処理または昼間15℃〜20℃、夜間5℃〜10℃程の変温処理を10日間ほど行い、生育は13℃〜18℃で行うことができる。
この発明の実施例を説明する。
二核菌糸及び一核菌糸:
エリンギの二核菌糸は中華人民共和国上海市農業科学院食用菌研究所のエリンギ種菌(上海1号)を購入して用いた。また、一核菌糸はこの種菌を定法により栽培して得られた子実体より単胞子を分離し、培養して得た。
白霊▲たけ▼の二核菌糸は中華人民共和国の新疆哈密地区天山菌業研究所より購入した天山2号の種菌を用い、また一核菌糸は本菌を定法により栽培して得られた子実体より単胞子を分離し、培養して得た。
阿魏側耳の二核菌糸は中華人民共和国福建省の三明真菌研究所より購入した阿魏▲磨▼の種菌を用い、また一核菌糸は本菌を定法により栽培して得られた子実体より単胞子を分離し、培養して得た。
これらの一核菌糸は不和合性因子を検定し、4極性であることを確認し、また親株とも交配することを確認した。
PDA培地での培養性状の良いもの約半数を選び、次の交配試験を行った。
エリンギと白霊▲たけ▼の一核菌糸同士の交配:
エリンギと白霊▲たけ▼の一核菌糸各10株同士の全組合せで交配試験を行った。培地はPDA培地を使用し、表1にその試験条件と結果を示す。
Figure 2006067930
表1から分かるように、エリンギの一核菌糸と白霊▲たけ▼の一核菌糸の両コロニーが接触してもかなりな時間がたたないと交配は起こらない。15日以上培養を継続することが必要である。また、30℃を超えた温度で培養すると交配が起こりにくくなる。
但し、ここでエリンギと白霊▲たけ▼の一核菌糸の両方が二核化する場合もあるが、エリンギの一核菌糸のみが二核化することが多かった。
エリンギと阿魏側耳の一核菌糸同士の交配:
エリンギと阿魏側耳の一核菌糸同士の交配を上記試験と同様の条件で行った結果を表2に示す。
Figure 2006067930
表2から分かるように、阿魏側耳においても30℃以下の培養条件で、両菌糸のコロニーの接触後15日以上培養を継続することにより、効率的に交配株が得られた。
二核菌糸と一核菌糸の交配:
交配可能な菌株の間では、二核菌糸と一核菌糸も交配すること(ブラー現象)が知られている。エリンギと白霊▲たけ▼や阿魏側耳の間でも、30℃以下で両菌糸のコロニーの接触後15日以上培養を継続することにより、交配株が得られた。表3に白霊▲たけ▼二核菌糸とエリンギ一核菌糸の交配の例を示す。
Figure 2006067930
ここでは、白霊▲たけ▼の二核菌糸にエリンギの一核菌糸100株を交配させた。表3から分かるように、二核菌糸と一核菌糸の交配では一核菌糸同士の交配に比べ、確率は低いが、30℃以下で両菌糸のコロニーの接触後15日以上培養を継続することにより、交配株が得られることが分かる。
交配株の生育度による選抜:
上記で設定した条件で、多数の交配株を得たが、多くの交配株の生長は遅かった。そこで、PDA培地での生育試験を行い、前記のようにして得たエリンギの一核菌糸と白霊▲たけ▼の一核菌糸との交配株の中から、生育速度が、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸(上海1号)の生育速度と、白霊▲たけ▼の一核菌糸の分離源の二核菌糸(天山2号)の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜した。
また、エリンギの一核菌糸と阿魏側耳の一核菌糸との交配株の中から、生育速度が、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸(上海1号)の生育速度と、阿魏側耳の一核菌糸の分離源の二核菌糸(中華人民共和国福建省の三明真菌研究所より購入した阿魏▲磨▼の種菌)の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜した。
更に、エリンギの一核菌糸と白霊▲たけ▼の二核菌糸との交配株の中から、生育速度が、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸(上海1号)の生育速度と、白霊▲たけ▼の二核菌糸(天山2号)の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜した。
こうして選抜した交配株を次の栽培試験に供した。
[栽培試験]
コットンハル:コーンブラン:麸皮:ホミニフィード:炭酸カルシウムを乾物比で39:35:20:5:1の割合で混合し、水分を65%に調整した。これを850mlのきのこ栽培瓶に570g充填し、接種孔を空け、蓋をして、滅菌した(培地温度120℃達温後1時間)。
滅菌後、20℃に冷却し、上記選抜交配株より調製した種菌を接種した。温度22℃〜24℃、湿度60%〜70%RHの培養室で60日間培養後、菌掻きを行い、温度16℃〜18℃、湿度80%〜95%RHの発生室で、芽出し、芽掻き、生育収穫を行った。
その結果、試験に使用した選抜交配株50株の内、42株が正常な子実体を形成した。この内、形質、栽培特性の優れた新品種Aを選抜した。
従って、本発明の方法により各種交配株が調製でき、その中から本発明の方法により効率的に特性の優れた品種を選抜することができる。
ここで選抜した新品種A(エリンギの一核菌糸と白霊▲たけ▼の一核菌糸との交配株から本発明の方法により栽培した新品種きのこ)の特性を示す。
栽培特性:
(1) 栽培期間:75日、エリンギ(55〜65日)より長く、白霊▲たけ▼(90〜120日)より短い
(2) 病気:見られない、エリンギより病気に強い、白霊▲たけ▼並
(3) 収量:145g/瓶、エリンギ(130g)より多く、白霊▲たけ▼(190g)より少ない
(4) 発生における低温処理:不要、エリンギに同じ、白霊▲たけ▼は必要。
きのこの形態的特長:
柄が太く長く、傘径は柄径より少し大きい程度で、外観はエリンギ似だが、傘が白色の薄膜で覆われ、白黄土色、また肉質は白霊▲たけ▼に近く硬くない。食味は白霊▲たけ▼に近い。
菌学的性状:
菌学的性状を表4にまとめた。
Figure 2006067930
表4に示したように、両親株と性状に大きな相違は見られない。また、両親株と対峙培養(同一の培地での培養)で帯線を形成することからも新しい品種が出来たことが分かる。この交配新品種の発生状態を図1に示す。
即ち瓶1に培地を入れ培養した後、新品種株を培養した所、新品種のきのこ2を得た。このきのこの肉質は木目細かくて軟らかく、食味良好であった。
この発明の交配株より得た新品種きのこの斜視図。
符号の説明
1 瓶
2 きのこ

Claims (5)

  1. エリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株。
  2. 白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続することを特徴としたエリンギと、白霊▲たけ▼又は阿魏側耳との交配株の作製方法。
  3. 白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続して得たエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株を栽培することを特徴とする新品種きのこの作製方法。
  4. 白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸とを30℃以下の温度環境で同一の培地で培養し、前記白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸または二核菌糸と、エリンギの一核菌糸の両コロニーが接触した後15日以上培養を継続して得たエリンギと、白霊▲たけ▼または阿魏側耳との交配株の中から、生育速度が、交配に用いたエリンギの一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度と、白霊▲たけ▼または阿魏側耳の二核菌糸の生育速度または白霊▲たけ▼または阿魏側耳の一核菌糸の分離源の二核菌糸の生育速度との平均にあたる平均生育速度の8掛け以上である交配株を選抜し、これを栽培することを特徴とする新品種きのこの作製方法。
  5. 請求項3又は4記載の方法により作製した新品種きのこ。
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