JP2006065085A - 半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法 - Google Patents

半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 InP系材料からなる容量装荷型の半導体マッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)を実現できるようにする。
【解決手段】 半導体マッハツェンダ型光変調器を、InP系材料からなり、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方の第1ライン電極と、第2光導波路の側方の第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極と、複数の第1離散電極及びその下方の第1光導波路からなる複数の第1位相変調器と、第2離散電極及びその下方の第2光導波路からなる複数の第2位相変調器とを備えるものとし、複数の第2位相変調器の合計作用長を、複数の第1位相変調器の合計作用長よりも長くする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法に関し、例えば光通信システムにおいて光送信器を構成する光変調器として用いられて好適の半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法に関する。
光通信システムにおいて用いられる光送信器には、入力電気信号の波形に応じて連続光を強度変調して変調光を出力する機能(光変調器,光半導体素子)が備えられている。
このような光送信器(光変調器)においては、光の強度変調に付随して生じる波長の変動、即ち、波長チャーピングを小さく抑えること(低波長チャーピング動作)が望まれる。これは、波長チャーピングが大きいと、光ファイバの波長分散によって伝送する光の強度波形が崩れ、その結果、伝送距離が短く制限されてしまうためである。
特に、中・長距離を伝送する光伝送システムにおいては、分散補償ファイバを用いて伝送路のトータルの分散をゼロにするとともに、光送信器(光変調器)の波長チャーピングを実質的にゼロに等しくすることが要求される。これにより、伝送距離によらず良好な波形品質を保つことができ、かつ、伝送路の総分散量の揺らぎに対しても影響を受けにくいシステムにすることが可能となる。
低波長チャーピングを実現するために、光送信器として、連続光を出射する半導体レーザ(例えばレーザダイオードLD)と、この連続光の強度を入力電気信号にしたがって変調する外部変調器とを組み合わせて用いるのが一般的である。外部変調器の中でも、プッシュプル駆動のマッハツェンダ型光変調器は、原理的にゼロチャーピングを実現できるため有望視されている。
ここで、図20(a),(b)はプッシュプル駆動の半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図である。
プッシュプル動作を行なう半導体マッハツェンダ型光変調器は、図20(a)に示すように、2本の光導波路(アーム)50A,50B,2つの光カプラ51,52によってマッハツェンダ光干渉計を構成し、一方の端部から入射される連続光を、一旦、光カプラ51で分岐し、2本のアーム50A,50Bへ導いた後、再び光カプラ52で結合して、他方の端部から変調光を出射するようになっている。光導波路50A,50Bは、図20(b)に示すように、上下の導電性半導体クラッド層53,54によって光導波路コア層55が挟まれた構造になっている。また、図20(a),(b)に示すように、2本のアーム50A,50B上にはそれぞれ電極55,56が形成されている。さらに、図20(a)に示すように、これらの電極55,56には、それぞれ駆動電源57,58が接続されており、これらの駆動電源57,58からそれぞれの電極55,56に電気信号(電圧)が入力されるようになっている。これらの電極を信号電極という。また、図20(b)に示すように、光導波路50A,50Bの下側(裏面側)には導電性半導体クラッド層54を介して電極59が形成されている。この電極59は接地されており、グランド電位になっているため、接地電極という。
そして、2つの駆動電源57,58から信号電極55,56に電気信号が入力されると、2本のアーム50A,50Bのそれぞれに電圧が印加され、電気光学効果によって、2本のアーム50A,50Bのそれぞれの屈折率が、印加された電圧の大きさに応じて変化するようになっている。
次に、このように構成される電気光学効果を利用したマッハツェンダ型光変調器の動作について説明する。
まず、光のON状態を出力する場合には、2本のアーム50A,50B上の電極55,56のそれぞれに等しくV0の電圧を印加する。この場合、電気光学効果によって2本のアーム50A,50Bの屈折率がそれぞれ変化する。これにより、光カプラ51で分岐された後、2本のアーム50A,50B内をそれぞれ伝搬してきた光の位相は、電圧がゼロの時と比較して変化する。しかしながら、2本のアーム50A,50Bには等しい電圧が与えられているため、2本のアーム50A,50Bを伝搬してきた光の位相の変化量は等しい。したがって、再び光カプラ52で結合する時にこれらの光の位相は等しくなるため、元の入射光と同じ強度の光が再生されることになる。この入射光と同じ強度に再生された光を出力することで、光のON状態が出力されることになる。
一方、光のOFF状態を出力する場合には、2本のアーム50A,50B上の電極55,56のそれぞれに、V0±ΔVの電圧を印加する。この場合、電気光学効果によって2本のアーム50A,50Bの屈折率が変化し、一方のアーム50A(又は50B)の屈折率は低くなり、他方のアーム50B(又は50A)の屈折率は高くなる。これにより、光カプラ51で分岐された後、光をON状態にする場合を基準にして、一方のアーム50A(又は50B)を伝播する光の位相は進み、他方のアーム50B(又は50A)を伝播する光の位相は遅れることになる。つまり、光をON状態にする場合の位相をゼロとし、位相が進む側をプラス、遅れる側をマイナスとすると、2本のアーム50A,50B内を伝搬してきた光の位相は、互いに逆符号に変化する。なお、ΔVは、これらの光の間の位相差が2本のアーム50A,50Bをそれぞれ伝搬してきた後にπラジアン(180°)になるように決められる。このため、これらの光が再び光カプラ52で結合する際には、これらの2つの分岐光が互いに打ち消し合って消光することになる。これにより、実質的に光強度がゼロとなり、光のOFF状態が出力されることになる。
このように、プッシュプル駆動のマッハツェンダ型光変調器では、上述のように、光のON→OFF(又はOFF→ON)の状態変化の際に、2本のアーム50A,50Bに印加される電圧の変化は、同じ量で、符号が逆である。したがって、印加電圧の変化の際に2本のアーム50A,50Bを伝搬する光が受ける位相の変化も、同じ量で、符号が逆になる。これにより、2本のアーム50A,50Bを伝搬する光が再び光カプラ52で結合する際に、合波した光の位相は常に一定に保たれる(光の周波数で変化する部分を除く)。これは、単位時間あたりの光の位相変化で表される波長チャーピングがゼロになることを示している。
ところで、例えば特許文献1では、図20(a),(b)に示すようなプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器において、2本のアーム上に形成される電極の長さを調整することで、波長チャーピング量を制御できることが記載されている。
つまり、2本のアーム上の電極長を等しくすれば、上述のように、2本のアームを伝播する光の位相変化が互いに逆符号で同じ量となるため、ゼロチャーピングとなる。
これに対し、一方のアーム上に形成される電極の長さを長くし、他方のアーム上に形成される電極の長さを短くした場合、即ち、電極長を2本のアーム間で非対称とした場合は、2本のアームを伝搬する光の位相変化量が異なることになる。つまり、電極長の長い電極が形成されている側のアームを伝搬する光の方が、より大きな位相変化を受けることになる。この場合、2本のアームを伝播する光を再び光カプラで結合する際に、合波した光の位相は一定にならず、ON/OFF(又はOFF/ON)の状態変化の際に変化することになる。この結果、光カプラで結合した光にはゼロでないチャーピングが生じる。この波長チャーピング量は、電極長の非対称性に応じて変化することになる。
また、図20(a),(b)と同様にプッシュプル動作を行なうマッハツェンダ型光変調器として、図21(a),(b)に示すような容量装荷型の電極構造を有するマッハツェンダ型光変調器もある。このような容量装荷型の電極構造(進行波電極の一種)を有するマッハツェンダ型光変調器は、最初にGaAs系の材料を用いるものとして提案され、主に、このGaAs系材料について検討されてきた。
ここで、図21(a),(b)は、それぞれ、容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器の上面図、断面図を示している。
図21(a)に示すように、2本のアーム(光導波路)120A,120Bの両脇には、高周波伝送路となるコプレーナ・スロットライン型の進行波電極123,124がそれぞれ形成されている。また、2本のアーム120A,120B上には、それぞれ離散的に電極127,128が形成されている。そして、これらの離散電極127,128は、それぞれスロットライン型の進行波電極123,124に接続されている。離散電極127,128の設けられている部分は微小な位相変調器132として機能する。特に、離散電極127,128の長さは全て同一になっている。つまり、それぞれのアーム120A,120B上に形成されるそれぞれの離散電極127,128は全て同一の長さを有しており、また、2本のアーム120A,120B間で比較しても、同一の長さを有している。
このような容量装荷型の電極構造を有するマッハツェンダ型光変調器では、変調のための電気信号は、コプレーナ・スロットライン型電極123,124の一方の端部から入力され、離散的に形成された離散電極127,128に電圧を供給しながら、このスロットライン型電極123,124上を伝搬していく。この電極構造では、変調のための電気信号が進行波電極を伝搬する際の損失が小さく、そのため広帯域な変調動作が可能になる。
ここで、2枚のコプレーナ・スロットライン型電極のうち、変調信号を供給する駆動電源(高周波駆動電源)125のシグナル端子に接続された電極(信号電極,シグナル側電極)123は、グランド端子に接続された電極(接地電極,グランド側電極)124と比較して、電極の幅が狭く形成されている。つまり、容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器においては、2本のアーム120A,120B上に形成される離散電極127、128に接続されているスロットライン電極123,124の形状が非対称になっている。
また、図21(b)[図21(a)のA−A矢視断面図]に示すように、2本の光導波路120A,120Bは、いずれも、クラッド層としての導電性半導体層102,104によって光導波路コア層103を挟み込んだ構造になっている。そして、変調のための高周波駆動電源125が、2枚のスロットライン電極123,124を介して、2本のアーム(光導波路)120A,120B上に形成される離散電極127,128に接続されている。また、2本のアーム120A,120Bは、その下方の導電性半導体層102を介して、高周波駆動電源125に対して電気的に直列に接続されている。
したがって、高周波駆動電源125から供給される変調電圧Vは、図21(b)に示すように、2本のアーム120A,120Bのそれぞれのコア層に対して、同じ大きさで逆向きに分配されて印加されることになる。
このように、容量装荷型マッハツェンダ光変調器においても、2本のアーム120A,120B、即ち、光導波路コア層103に変調のための電圧を印加することで、図20(a),(b)に示すようなプッシュプル型のマッハツェンダ型光変調器と同様に、プッシュプル変調動作が可能である。したがって、容量装荷型マッハツェンダ光変調器においても、ゼロチャーピング動作が期待される。
また、容量装荷型マッハツェンダ光変調器における波長チャーピングの制御方法については、例えば特許文献2に記載されたものがある。
特許文献2には、GaAs系材料からなる容量装荷型マッハツェンダ光変調器において、2本のアーム(光導波路)上に形成される電極の長さを等しくし、対称な構造とすることで、ゼロチャーピングが実現されることが記載されている。また、特許文献2では、2本のアーム上に形成される電極を等しい長さにしたままで、一方の電極に余分な電気容量成分を並列に接続することで、ゼロでないチャーピングが実現されるとしている。これは、余分な電気容量成分を接続した方の電極において、アーム(光導波路)に印加される電圧の大きさが他方に比較して小さくなり、これにより、2本のアームを伝搬する光の位相変化の大きさに差が生じるためである。
ところで、図21(a),(b)に示すように、容量装荷型のマッハツェンダ変調器をInP系材料によって構成することも検討されている。
例えば非特許文献1,2において、InP基板上に、InPからなるクラッド層と、InGaAsPのMQW(多重量子井戸)からなる光導波路コア層とを形成して、容量装荷型のマッハツェンダ変調器を構成することが記載されている。
InP系材料の特徴として、バンド端吸収を生じる波長(吸収端波長)が、通常の光通信システムにおける動作波長の1.3μm帯もしくは1.55μm帯に近いということが挙げられる。これにより、InP系材料は、単位長さ、単位電圧あたりの電気光学効果による屈折率の変化が、他のGaAs等の半導体材料やLiNbO3等の誘電体材料と比較して大きいという特徴がある。このため、InP系材料からなるマッハツェンダ型光変調器では、他の材料からなる光変調器と比較して素子長を短くすることが可能となる。
一方、このようにバンド端吸収を生じる波長が動作波長に近いため、InP系材料を用いる場合、光導波路を伝搬する光に、吸収による損失が生じるという他の材料を用いる場合と異なる点がある。この光の吸収量は光導波路に印加される電圧によって変化する。
なお、このほか、マッハツェンダ型光変調器において、チャーピングを調整するための技術として、例えば特許文献3〜5に記載された技術がある。
米国特許第5991471号明細書 米国特許出願公開第2003/0190107号明細書 特開2003−322831号公報 特開平7−199133号公報 特開平9−61766号公報 S. Akiyama et al. "40 Gb/s InP-based Mach-Zehnder Modulator with a driving voltage of 3 VPP" 16th International Conference on Indium Phosphide Related Materials, ThA1-4, 2004 D. Hoffmann et al. "45 GHZ BANDWIDTH TRAVELLING WAVE ELECTRODE MACH-ZEHNDER MODULATOR WITH INTEGRATED SPOT SIZE CONVERTER" 16th International Conference on Indium Phosphide Related Materials, ThA1-5, 2004
ところで、上述のように、特許文献1のようなプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器では、電極長を調整することで、波長チャーピング量を制御できるため、電極長を適切に設計することで(具体的には、電極長を対称にすることで)、ゼロチャーピングが得られる。また、GaAs系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ変調器についても同様で、電極長を対称とすることでゼロチャーピングが得られる。
しかしながら、InP系材料を用いた容量装荷型のマッハツェンダ変調器においては、電極長を等しくし、2つのアーム(光導波路)間で対称にしたとしても、実質的なゼロチャーピングにならならいことが、本発明者による実験を通じて明らかになった。
ここで、電極長を等しくし、2つのアーム(光導波路)間で対称にした場合であっても、ゼロチャーピングにならない理由は、上述のようにInP系材料からなるマッハツェンダ変調器においては光導波路(アーム)に印加された電圧によって光導波路の屈折率だけでなく、光導波路の吸収係数も同時に変化してしまうというInP系材料に特有の現象が起こるためであると考えられる。また、容量装荷型の電極構造の場合には、さらに電極の構造が2つのアーム(光導波路)間で非対称であるためであると考えられる。光導波路の吸収係数が電圧に対して変化した場合に、電極の構造が2つのアーム(光導波路)間で非対称であるため、波長チャーピングに与える影響の仕方も図20に示すような単純な電極構造の場合と比較して複雑である。
このように、従来のInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ変調器においては、光導波路の光の吸収特性や非対称な電極配置のために、電極長が対称な場合においてゼロチャーピングが得られなかった。また、電極長の非対称性と波長チャーピングとの関係も、一般的なプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器における公知の関係と異なっており、不明であった。このため、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ変調器においてはゼロチャーピングを得るための最適な電極長の設計が不明であり、その結果、一般的なプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器のように、電極長の調整により、ゼロチャーピングを得ることができなかった。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータを明らかにし、これを用いて低チャーピング動作(ゼロチャーピング動作を含む)を実現できるようにした半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法を提供することを目的とする。
このため、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器は、InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、第2光導波路の側方に形成され、第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に離散的に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に離散的に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、複数の第1離散電極及びその下方に位置する第1光導波路のそれぞれによって複数の第1位相変調器が構成され、第2離散電極及びその下方に位置する第2光導波路のそれぞれによって複数の第2位相変調器が構成され、複数の第2位相変調器のそれぞれの実効的な作用長(実質的に光が変調される部分の長さ)を足し合わせた合計作用長が、複数の第1位相変調器の作用長を足し合わせた合計作用長よりも長くなるように構成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器は、InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、第2光導波路の側方に形成され、第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に離散的に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に離散的に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に(後述する本発明の実施形態では、シグナル側スロットライン電極が設けられる光導波路に印加される逆バイアス電圧を大きくしていった時に)光出力が小さくなる駆動条件の場合に、電極長非対称パラメータrの値が0.05〜0.17の範囲内になるように構成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器は、InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、第2光導波路の側方に形成され、第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に離散的に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に離散的に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に(後述する本発明の実施形態では、シグナル側スロットライン電極が設けられる光導波路に印加される逆バイアス電圧を大きくしていった時に)光出力が大きくなる駆動条件の場合に、電極長非対称パラメータrの値が0.17〜0.36の範囲内になるように構成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器は、InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、第2光導波路の側方に形成され、第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に離散的に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に離散的に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、第2光導波路の光閉じ込め係数が、第1光導波路の光閉じ込め係数よりも大きくなるように構成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法は、InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、第2光導波路の側方に形成され、第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に離散的に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に離散的に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備える半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法であって、チャーピング量を示すチャープパラメータと、電極長の非対称性を示す電極長非対称パラメータとの関係を示す特性に基づいて、第1の離散電極及び第2の離散電極のそれぞれの電極長を設定し、第1の離散電極及び第2の離散電極のそれぞれの電極長が、設定されたそれぞれの電極長になるように半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することを特徴としている。
また、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法は、InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、第2光導波路の側方に形成され、第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、第1光導波路上に離散的に形成され、第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、第2光導波路上に離散的に形成され、第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備える半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法であって、チャーピング量を示すチャープパラメータと、光導波路の幅との関係を示す特性に基づいて、第1及び第2光導波路の幅を設定し、第1及び第2光導波路のそれぞれの幅が、設定されたそれぞれの幅になるように半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することを特徴としている。
したがって、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法によれば、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータ(例えば電極長など)を用いることで、低チャーピング動作(ゼロチャーピング動作を含む)を実現できるという利点がある。これにより、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、チャーピング(チャープパラメータ)の制御が可能となる。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器としてのInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器及びその製造方法について、図1〜図13を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器(光半導体素子)は、図1に示すように、高抵抗InP基板(半絶縁性半導体基板)1上に形成されている。
ここで、InP系材料とは、InP又はInPに格子整合しうる材料、又は、InPとの間の格子不整合の度合いがゼロか若しくは十分に小さい(例えば1.0%以内)材料をいう。特に、InP基板上に結晶成長(例えばエピタキシャル成長)させることのできる材料が好ましい。
高抵抗InP基板1上には、図2〜図4に示すように、平面状にn型導電性のInP層(n−InP層,導電性半導体層)2が形成されている。n−InP層2は、後述するDCバイアス電極31からDCバイアスが印加される層であるため、n−InPバイアス層(高導電率層)ともいう。n−InP層2の膜厚は1.5μmである。このn−InP層2のドーパントはシリコン(Si)であり、ドーパント濃度は1.0×1018/cm3である。
ここでは、n−InP層2には、図2,図3に示すように、その上面(具体的には、上方に2本のアーム20A,20Bを構成する後述のi−MQW層3が形成される部分)に、光軸方向に延びる2つのライン状の凸部2Aが形成されている。この凸部2Aの膜厚は0.3μmであり、光軸に沿って一様な膜厚に形成されている。この凸部2Aには、後述の光導波路コア層としてのi−MQW層3が接するため、n−InP層2は光導波路クラッド層(導電性半導体クラッド層)としても機能する。
なお、n−InP層2と高抵抗InP基板1との間にバッファ層を設けても良い。また、バッファ層を高抵抗InP層として形成する場合には、n−InP層と高抵抗InP層との間にアンドーピングのInGaAsP(i−InGaAsP)からなるエッチストップ層(i−InGaAsP層)を設けても良い。
そして、n−InP層2上には、図1に示すように、第1,第2のアーム(光導波路)20A,20Bを含む埋込型光導波路20と、第1,第2の多モード干渉(MMI)光カプラ21,22とが形成されており、これらにより、マッハツェンダ光干渉計が構成される。
ここで、図2は図1のA−A矢視断面図であり、図3は図1のB−B矢視断面図であり、図4は図1のC−C矢視断面図である。
マッハツェンダ干渉計を構成する2本のアーム20A,20Bは、図2〜図4に示すように、いずれも、n−InP層2(具体的にはn−InP層2の凸部2A),i−MQW層3,p−InP層4,p−InGaAs層5,SI−InP層6から構成される。なお、ここでは、2本のアーム20A,20Bの断面構造は全く同じである。
まず、i−MQW層(光導波路コア層,絶縁性半導体コア層)3は、図2〜図4に示すように、アンドーピングの多重量子井戸(i−MQW)からなり、n−InP層2の凸部2A上に光軸に沿ってライン状に形成されている。このi−MQW層3は、25層の井戸層を有し、これらの井戸層をバリヤ層で挟み込んだ構造になっている。井戸層、バリヤ層の材料は、それぞれInP、InPに格子整合するInGaAsPである。井戸層及びバリヤ層の膜厚は共に10nmである。したがって、i−MQW層3全体の膜厚は0.5μmである。i−MQW層3は光軸に沿って一様な膜厚に形成されている。また、i−MQW層3は、2本のアームを構成する光導波路20A,20Bの伝播基本モードの電界分布のビーム径程度の幅(ここでは1.5μm)を有している。i−MQW層3のPL発光波長は1.43μmである。
i−MQW層3上には、図2,図4に示すように、下から順に、p型導電性のInP層(p−InP層,導電性半導体クラッド層,光導波路クラッド層)4、p型導電性のInGaAs層(p−InGaAs層,導電性半導体層)5が形成されている。p−InP層4の膜厚は2.0μmであり、p−InGaAs層5の膜厚は0.3μmである。また、これらの層の幅は、いずれもi−MQW層3の幅と等しく、1.5μmである。p−InP層4,p−InGaAs層5のドーパントは亜鉛(Zn)であり、ドーパント濃度はそれぞれ1.0×1018/cm3,2.0×1019/cm3である。なお、p−InGaAs層5は、後述する離散電極とコンタクトする層であるため、コンタクト層ともいう。
このように、絶縁性半導体層としてのi−MQW層3を、導電性半導体層としてのn−InP層2,p−InP層4によって挟み込む構造とすることで、電圧をかけた場合に電界がi−MQW層3に集中して生じるようにしている。
なお、i−MQW層3とp−InP層4との間に、例えば厚さ0.2μmのアンドーピングのInP層(i−InP層)を設けても良い。
ここでは、図4に示すように、p−InP層4,p−InGaAs層5は、上方に後述する離散電極を形成する部分(この部分を位相変調領域という)にのみ形成されている。つまり、後述する離散電極とその下方のi−MQW層3との間に、p−InP層4,p−InGaAs層5が形成されている。一方、図3,図4に示すように、i−MQW層3の上方の離散電極が形成されていない領域(位相変調領域以外の領域)、即ち、光軸方向に分断されたp−InP層4,p−InGaAs層5からなる凸部(この部分が微小位相変調器となる)の間には、SI−InP層(高抵抗InP層,高抵抗性半導体層,半絶縁性半導体層)6が形成されている。このように、複数の微小位相変調器間のギャップ領域に、伝播損失の小さい高抵抗InP層としてのSI−InP層を形成することで、高周波電気信号の損失を低減できるようにしている。なお、図4に示すように、p−InP層4,p−InGaAs層5からなる凸部の間に形成されるSI−InP層6の上面とp−InGaAs層5の上面とは同じ高さ位置になっており、全体が平坦面になっている。
また、i−MQW層3の側方には、図2に示すように、鉄(Fe)がドープされたSI−InP層(高抵抗InP層,高抵抗性半導体層,半絶縁性半導体層)6が形成されている。つまり、図2に示すように、n−InP層2の一部,i−MQW層3,p−InP層4,p−InGaAs層5の各層の両側にSI−InP層6が形成されている。これにより、n−InP層2の一部,i−MQW層3,p−InP層4,p−InGaAs層5がSI−InP層6で埋め込まれた構造になっている。
これらのSI−InP層6,i−MQW層3,p−InP層4,p−InGaAs層5は、図2に示すように、いずれもn−InP層2上に形成されており、メサ構造を構成している。このメサ構造の幅は8.0μmである。なお、第1のアーム20Aと第2のアーム20Bとの間では、n−InP層(n−InPバイアス層)2の上面が露出している。
なお、本実施形態では、i−MQW層3の下側に形成されるn−InP層2を、光導波路クラッド層としての機能と、バイアス層としての機能との双方を備えるものとして構成しているが、これに限られるものではなく、例えば光導波路クラッド層として機能するn−InP層と、バイアス層として機能するn−InPバイアス層(高導電率層)との2層に分けた構造にしても良い。この場合、n−InP層とn−InPバイアス層との間に例えば厚さ50nmのInGaAsPエッチストップ層を設けることもできる。
ところで、第1,第2のアーム20A,20Bの側方には、図1に示すように、コプレーナ・スロットライン型の2枚の電極23,24が光進行方向に沿って(即ち、アームに沿って)形成されている。この2枚のコプレーナ・スロットライン電極23,24は、第1,第2のアーム20A,20Bの端面(即ち、メサ構造やn−InPバイアス層2の端面)から所定距離(例えば15μm)だけ離れたところに、膜厚6.0μmになるように、金(Au)めっきによって形成されている。
2枚のスロットライン電極23,24のうち、一方の電極23は高周波駆動電源25のシグナル端子に接続されている。この電極23をシグナル側ライン電極(第1ライン電極)という。他方の電極24は高周波駆動電源25のグランド端子に接続されている。この電極24をグランド側ライン電極(第2ライン電極)という。そして、2枚のスロットライン電極23,24の一端から高周波電気信号を入力し、スロットライン電極23,24の他端に接続される終端抵抗26で終端している。
ここでは、シグナル側ライン電極23の幅は20μmになっており、グランド側ライン電極24の幅は240μmになっている。このように、グランド側ライン電極24の幅はシグナル側ライン電極23の幅よりも広くなっており、非対称な構造になっている。
また、第1,第2のアーム20A,20B上(上述のメサ構造の上部)には、図1に示すように、それぞれ、光進行方向に沿って所定の間隔をおいて離散的に位相変調のための複数の電極(離散電極,位相変調電極)27,28が形成されている。これらの離散電極27,28は、膜厚4.0μmになるように金(Au)めっきによって形成されている。ここでは、離散電極27,28は2本のアーム上にそれぞれ10個ずつ形成されている。但し、紙面の都合上、図1では個数を省略し、それぞれ5個ずつ表示している。
そして、これらのスロットライン電極23,24と離散電極27,28とは、図1に示すように、それぞれ、金(Au)めっきによって形成されるエアブリッジ配線29,30を介して電気的に接続されている。なお、シグナル側ライン電極23に接続される離散電極27をシグナル側離散電極(第1離散電極)といい、グランド側ライン電極24に接続される離散電極28をグランド側離散電極(第2離散電極)という。また、シグナル側離散電極が形成されている側の光導波路(第2のアーム)20Bをシグナル側光導波路(第1光導波路)といい、グランド側離散電極が形成されている側の光導波路(第1のアーム)20Aをグランド側光導波路(第2光導波路)という。
なお、それぞれの離散電極27,28及びその下方に形成されるp−InGaAs層5,p−InP層4,i−MQW層3,n−InP層2からなる光導波路20A,20Bによって、微小位相変調器32,33が構成される。離散電極27,28は、それぞれ、2本のアーム20A,20B上に離散的に複数設けられるため、2本のアーム20A,20Bにはそれぞれ複数の微小位相変調器32,33が設けられることになる。なお、シグナル側光導波路20B及び複数のシグナル側離散電極27Aから構成されるシグナル側の微小位相変調器32を、シグナル側位相変調器(第1位相変調器)といい、グランド側光導波路20A及び複数のグランド側離散電極28Aから構成されるグランド側の微小位相変調器33を、グランド側位相変調器(第2位相変調器)という。
なお、本光変調器の素子端側には、図1に示すように、DCバイアス用電極パッド(DCバイアス電極)31が金(Au)めっきによって4.0μmの厚さに形成されている。この部分には、2本の光導波路(アーム)20A,20Bの下部に形成されるn−InPバイアス層2(図2〜図4参照)が、電極パッド31の下部まで引き出されて形成されている。これにより、DCバイアス用電極パッド31がn−InPバイアス層2に電気的に接続されている。そして、光変調器の駆動時には、DCバイアス用電極パッド31にDC電圧源からDCバイアスを与えることで、n−InPバイアス層2のDCにおける電位を所望の値に調整できるようになっている。また、図2に示すように、2本のアーム20A,20Bのそれぞれに形成されるi−MQW層3は、いずれも共通のn−InPバイアス層2上に形成されており、i−MQW層3の下面のDCにおける電位が2本のアーム20A,20B間で実質的に等しくなるようにしている。
ところで、InP系材料からなる容量装荷型マッハツェンダ光変調器では、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)を実現することが重要な課題の一つとなっている。このため、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータを明らかにし、これを、InP系材料からなる容量装荷型マッハツェンダ光変調器に適用することが必要になる。
ここでは、波長チャーピングの量と符号を示す係数をチャープパラメータαとし、次式(1)により定義する。
Figure 2006065085
ここで、図5(a),(b)は、一般的なプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器[例えば図20(a),(b)参照]におけるチャープパラメータαと電極長非対称パラメータrとの関係を説明するための図である。図5(a)は、チャープパラメータαの計算に用いた構造を示しており、図5(b)は、電極長を変化させた場合に計算結果として得られたチャープパラメータαの値を示している。図5(b)では縦軸をチャープパラメータαとし、横軸を電極非対称パラメータrとしている。
ここでは、図5(a)に示すように、一般的なプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器における電極長非対称パラメータr′は、次式(2)により定義する。
r′=(L2−L1)/(L2+L1)・・・(2)
図5(b)において、チャープパラメータαがゼロの場合(α=0)は、波長変動の全くないゼロチャーピングを示している。また、α>0の場合は、光がOFF状態からON状態(又はOFF状態からON状態)に変化する時に、光の波長が短波長側へと変化することを示している。また、α<0の場合は、光がOFF状態からON状態(又はOFF状態からON状態)に変化する時に、光の波長が長波長側へと変化することを示している。なお、αの絶対値は波長変動の大きさを示している。
図5(b)において、電極長非対称パラメータr′の各値に対して、2種類のチャープパラメータαの値[図5(b)ではそれぞれ●と○で示している]が得られているが、これらは、マッハツェンダ型光変調器において、高周波駆動電源25から供給される電圧がプラス側(+V)の場合に、位相差を0(2π,4π・・・;2nπ:nは自然数)にするかπ(3π,5π・・・;(2n+1)π:nは自然数)にするか(即ち、光のオン状態で合わせるか、オフ状態で合わせるか)によって区別される2種類の駆動条件にそれぞれ対応している。つまり、一方の光導波路(アーム;例えばシグナル側光導波路)上に形成された電極(後述する位相差調整用DCバイアス電極)に印加する逆バイアス電圧を大きくしていった時に、光出力が小さくなる駆動条件(第1の駆動条件;光のOFF状態で位相差を調整する駆動条件)と、逆にこの電極に印加する逆バイアス電圧を大きくしていった時に、光出力が大きくなる駆動条件(第2の駆動条件;光のON状態で位相差を調整する駆動条件)とにそれぞれ対応している。図5(b)では、第1の駆動条件の場合のチャープパラメータαの値を●で示し、第2の駆動条件の場合のチャープパラメータαの値を○で示している。
図5(b)に示すように、一般的なプッシュプル型のマッハツェンダ光変調器では、電極長が2本の光導波路(アーム)間で等しい場合に、2つの駆動条件の間でチャープパラメータαの値が一致し、ゼロに等しくなる。一方、電極長の非対称性を大きくしていくと(即ち、電極長非対称パラメータr′の値を大きくしていくと)、チャープパラメータαは次第にゼロから離れていくが、その絶対値の大きさは2つの駆動条件の間で等しく、符号が逆となる。
一方、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器における電極長非対称パラメータrは、複数のグランド側離散電極28のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、複数のシグナル側離散電極27のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとして、次式(3)により定義する。
r=(LG−LS)/(LG+LS)・・・(3)
なお、グランド側離散電極28の個数とシグナル側離散電極27の個数とが同一であり、かつ、これらの離散電極28,27の長さがそれぞれの光導波路において全て等しい場合には、電極長非対称パラメータrは、複数のグランド側離散電極28のそれぞれの長さをLGとし、複数のシグナル側離散電極27のそれぞれの長さをLSとして、上記式(3)により定義しても同じである。本実施形態では、グランド側離散電極28の個数とシグナル側離散電極27の個数とが同一であり、かつ、これらの離散電極28,27の長さがそれぞれの光導波路において全て等しいため、便宜上、複数のグランド側離散電極28のそれぞれの長さをLGとし、複数のシグナル側離散電極27のそれぞれの長さをLSとして、電極長非対称パラメータrを計算している。
ここで、図6は、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器におけるチャープパラメータαと電極長非対称パラメータrとの関係を説明するための図であり、電極長を変化させた場合に計算結果として得られたチャープパラメータαの値を示している。図6では縦軸をチャープパラメータαとし、横軸を電極非対称パラメータrとしている。
図6において、電極長非対称パラメータrの各値に対して、2種類のチャープパラメータαの値[図6ではそれぞれ●と○で示している]が得られているが、これらは、マッハツェンダ型光変調器において、高周波駆動電源25から供給される電圧がプラス側(+V)の場合に、位相差を0(2π,4π・・・;2nπ:nは自然数)にするかπ(3π,5π・・・;(2n+1)π:nは自然数)にするか(即ち、光のオン状態で合わせるか、オフ状態で合わせるか)によって区別される2種類の駆動条件にそれぞれ対応している。つまり、一方の光導波路(アーム;例えばシグナル側光導波路)上に形成された電極(後述する位相差調整用DCバイアス電極)に印加する逆バイアス電圧を大きくしていった時に、光出力が小さくなる駆動条件(第1の駆動条件;光のOFF状態で位相差を調整する駆動条件)と、逆にこの電極に印加する逆バイアス電圧を大きくしていった時に、光出力が大きくなる駆動条件(第2の駆動条件;光のON状態で位相差を調整する駆動条件)とにそれぞれ対応している。図6では、第1の駆動条件の場合のチャープパラメータαの値を●で示し、第2の駆動条件の場合のチャープパラメータαの値を○で示している。
ここでは、図1に示すように、容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器は、グランド側ライン電極24の幅とシグナル側ライン電極23の幅とが非対称な構造(電極の非対称性)になっている。また、図6に示すように、容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器は、2本の光導波路(アーム)20A,20B上に離散的に形成される離散電極27,28の長さ(電極長)は、それぞれのアーム20A,20B上においては全て等しくしている。また、計算においては、動作波長を1.54μmとしている。さらに、2本の光導波路20A,20BにはDCバイアス電極31を介して6Vの逆バイアス電圧を与えている。この状態で、高周波駆動電源25から10GHzのサイン波で変化する小振幅の電気信号を入力して、変調動作を行なった時の、出力光の周波数チャーピングを計算している。高周波駆動電圧によって2本の光導波路20A,20Bに印加される電圧の振幅比については、3次元の有限要素電磁界解析により求めて、チャーピングの計算において考慮している。また、印加電圧に対する光導波路の屈折率変化、吸収係数変化については、本実施形態における素子構造に対して実際に測定された値を用いている。チャープパラメータαの値は、時間に対する光出力強度の変化率が最も大きい時点での、光出力変化率と波長チャーピングを元に計算している。
この図6の計算結果を上述の図5の計算結果と比較することで、InP系材料における光の吸収と、容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器における電極の非対称性に起因して、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器におけるチャープパラメータαと電極長非対称パラメータrとの関係は、以下のような定性的な特徴を有することがわかった。
つまり、図5の計算結果では、電極長が対称の場合(電極長非対称パラメータr=0)に、丁度、2つの駆動条件の間でチャープパラメータαの値が一致するが、図6の計算結果では、電極長が非対称の場合(電極長非対称パラメータr>0;即ち、グランド側離散電極28の長さLG又は複数のグランド側離散電極28のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長LGの方が長い場合)に、2つの駆動条件の間でチャープパラメータαが一致する。
また、図5の計算結果では、チャープパラメータαの値を示す2本の直線は、チャープパラメータα=0の線に関して対象となっており、このため、2つの駆動条件の間でチャープパラメータαが一致する場合に、その値はゼロに等しくなる。これに対して、図6の計算結果では、チャープパラメータαの値を示す2本の直線は、その交点がチャープパラメータαのマイナス側に移動している。このため、チャープパラメータαの値が2つの駆動条件の間で一致する場合に、その値はゼロよりも小さい値となっている。このようにチャープパラメータαがマイナス側にずれてしまうのは、InP系材料による光の吸収の影響であると考えられる。
このような電極長の非対称性に対するチャープパラメータαの定性的な傾向は、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータ(例えば電極長の設計値)を設定するのに利用することが可能である。
つまり、上述のような電極長の非対称性に対するチャープパラメータαの定性的な傾向に基づいて、グランド側離散電極28の電極長をシグナル側離散電極27の電極長よりも長くすることで(即ち、上述のように定義した電極長非対称パラメータrをゼロよりも大きくすることで)、電極長が2本のアーム間で等しい時と比較して、チャープパラメータαの値をゼロに近づけることができることが明らかになった。
具体的には、図6の計算結果からわかるように、電極長非対称パラメータrを0.1(第1の駆動条件の場合)又は0.25(第2の駆動条件の場合)とすることで、2つの異なる駆動条件のいずれかにおいてチャープパラメータαを実質的にゼロに等しくすることができる。つまり、駆動条件に応じて電極長非対称パラメータrが0.1又は0.25になるように、グランド側離散電極28の電極長及びシグナル側離散電極27の電極長を設定することで、2つの異なる駆動条件のいずれかにおいてチャープパラメータαを実質的にゼロに等しくすることが可能となる。
これは、チャーピング量を示すチャープパラメータα(より具体的には、チャーピング量及び長波長側か短波長側かを示す符号からなる値である)と、電極長の非対称性を示す電極長非対称パラメータr(より具体的には、全ての離散電極27,28の合計電極長に対するグランド側離散電極28とシグナル側離散電極27との差の割合を示す値である)との関係を示す特性(チャープパラメータ−電極長非対称パラメータ特性;図6参照)に基づいて、グランド側離散電極28及びシグナル側離散電極27のそれぞれの電極長を設定することを意味する。
そして、グランド側離散電極28及びシグナル側離散電極27のそれぞれの電極長が、構造パラメータとしての電極長非対称パラメータrを用いて設定されたそれぞれの電極長になるように、InP系材料からなる容量装荷型の半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することで、半導体マッハツェンダ型光変調器においてゼロチャーピング動作を実現できることになる。
なお、本実施形態では、電極長非対称パラメータrの値を0.1又は0.25とすることで、2種類の駆動条件のいずれかにおいてチャープパラメータαを実質的にゼロ(α=0)とすることが可能となった。このチャープパラメータαを実質的にゼロ(α=0)にする電極長非対称パラメータrの値は、素子構造及びその他の駆動条件によって変化する。例えば、本実施形態では、その他の駆動条件の一つである2本の光導波路にDCバイアス電極31を介して与える逆バイアス電圧を6Vとしていた。これに対して、逆バイアス電圧を7.3Vとし、光導波路において生じる光の吸収をより増大させた場合には、電極長非対称パラメータrの値が0.05(第1の駆動条件の場合)又は0.36(第2の駆動条件の場合)のときに、2種類の駆動条件のいずれか一方でチャープパラメータαを実質的にゼロ(α=0)とすることが可能となる。また、逆バイアス電圧を3V又は9.2Vとした場合には、いずれも、電極長非対称パラメータrの値が0.17(第1、第2の駆動条件の場合)のときに、2種類の駆動条件のいずれか一方でチャープパラメータαを実質的にゼロ(α=0)にすることが可能になる。
まとめると、第1の駆動条件の場合は、電極長非対称パラメータrの値を、0.05〜0.17の範囲内になるように構成すれば、チャープパラメータαを実質的にゼロにすることが可能となり、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器において、ゼロチャーピング動作を実現できることになる。また、第2の駆動条件の場合は、電極長非対称パラメータrの値を、0.17〜0.36の範囲内になるように構成すれば、チャープパラメータαを実質的にゼロにすることが可能となり、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器において、ゼロチャーピング動作を実現できることになる。
具体的には、以下のようにして、グランド側離散電極28の電極長及びシグナル側離散電極27の電極長を設定することができる。
本実施形態における容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器では、図1に示すように、2本のアーム(光導波路)20A,20B上に離散的に形成された離散電極27,28の長さ(電極長)は、2本のアーム20A,20B間で異なっている。ここでは、シグナル側離散電極27の長さ(電極長)をLSμm、グランド側離散電極28の長さをLGμmとしている。
また、2本のアーム20A,20B間で互い対向する一組の離散電極27,28は、一方の端部位置が揃えられている。それぞれのアーム20A,20B上には、それぞれ一定の間隔ごとに離散電極27,28が形成されている。ここでは、離散電極27,28の周期は共に250μmである。これにより、素子の製造が簡単になり、作りやすくなるという利点がある。なお、複数の離散電極27,28はその一方の端部位置をずらして設けても良い。また、複数の離散電極27,28は異なる間隔(異なる周期)で設けても良い。
本実施形態では、r=0.1,0.25のそれぞれに対応して、LS及びLGの値を、それぞれ、以下のように設定している。
LS=90μm、LG=110μm(r=0.1の場合;第1の駆動条件の場合)
LS=75μm、LG=125μm(r=0.25の場合;第2の駆動条件の場合)
このようにしてシグナル側離散電極27の電極長LS及びグランド側離散電極28の電極長LGを設定することで、本実施形態にかかる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器では、2種類の駆動条件のいずれかを選択するだけで、チャーピングパラメータαがゼロ(α=0)になるゼロチャーピング動作を行なうことができるようになる。
ここで、2つの駆動条件のうち、いずれかを選択するための方法については、例えば特開2004−53830号公報に記載されているように、マッハツェンダ干渉計を構成する2本の光導波路(アーム)上に、それぞれ、位相差調整用DCバイアス電極パッドを形成して位相差調整領域を設け、これらの位相差調整領域に位相差調整用DCバイアス電極パッドを介してDCバイアス電圧を与えることで、2本の光導波路(アーム)を伝搬する分岐光の位相差を0(2π,4π・・・;2nπ:nは自然数)にするかπ(3π,5π・・・;(2n+1)π:nは自然数)にするかによって区別される2種類の駆動条件のうち望ましい方の駆動条件を選択するように構成すれば良い。
なお、本実施形態では、グランド側離散電極28の電極長をシグナル側離散電極27の電極長よりも長くすることで、2本の光導波路20A,20B上にそれぞれ設けられる離散電極27,28の電極長を非対称にしており、また、これらの電極27,28の下方に形成される導電性のp−InP層4及びp−InGaAs層5も電極長と同じ長さになるように形成しているが、離散電極27,28の電極長を等しくし、対称にした上で、その下方に形成されるp−InP層(クラッド層)4及びp−InGaAs層(コンタクト層)5の少なくとも一方をパラメータとして用いて、グランド側光導波路(第1のアーム)20Aを構成するp−InP層4又はp−InGaAs層5の長さを、シグナル側光導波路(第2のアーム)20Bを構成するp−InP層4又はp−InGaAs層5の長さよりも長くすることで、非対称とすることも考えられる。この場合、これらの層の長さにより定義した非対称パラメータとチャープパラメータαとの間に、上述の図6と同様の関係が得られると考えられる。したがって、この場合も、本実施形態による効果と同様の効果を得ることができる。
つまり、本実施形態では、離散電極27,28の電極長をパラメータ(設計パラメータ)として用いているが、これに限られるものではなく、離散電極27,28及びその下方に形成される光導波路20A,20Bによって構成される微小位相変調器32,33の実効的な作用長(実質的に光が変調される部分の長さ)をパラメータとして用い、グランド側位相変調器(第2位相変調器)33における作用長がシグナル側位相変調器(第1位相変調器)32における作用長よりも長くなるように構成すれば良い。なお、光の変調に与える影響が大きいのは、クラッド層としてのp−InP層4の長さであるため、p−InP層(クラッド層)4の長さを非対称にすれば、最も効率的に効果を得ることができる。
また、本実施形態では、一方の光導波路20A(又は20B)上に設けられる個々の離散電極28(又は27)の電極長は、いずれも等しくし、2本の光導波路20A,20B間では、グランド側離散電極28の電極長をシグナル側離散電極27の電極長よりも長くなるように構成しているが、これに限られるものではなく、少なくとも、グランド側光導波路20A上に設けられる複数のグランド側離散電極28の電極長を足し合わせた合計電極長が、シグナル側光導波路20B上に設けられる複数のシグナル側離散電極27の電極長を足し合わせた合計電極長よりも長くなっていれば良い。つまり、複数のグランド側位相変調器33の作用長を足し合わせた合計作用長が、複数のシグナル側位相変調器32の作用長を足し合わせた合計作用長よりも長くなっていれば良い。
例えば、個々のグランド側離散電極28やシグナル側離散電極27の電極長を異なるように構成することもできる。この場合、一のグランド側離散電極28の電極長と一のシグナル側離散電極27の電極長とを比較した場合に、グランド側離散電極28の電極長の方がシグナル側離散電極27の電極長よりも短くなっていても良い。また、1つのグランド側離散電極28の電極長だけを他のグランド側離散電極28やシグナル側離散電極27の電極長よりも長くなるように構成しても良い。
要するに、複数のグランド側離散電極28のそれぞれの長さの平均値が、複数のシグナル側離散電極27のそれぞれの長さの平均値よりも大きくなるように構成すれば良い。つまり、複数のグランド側位相変調器33のそれぞれの作用長の平均値が、複数のシグナル側位相変調器32のそれぞれの作用長の平均値よりも大きくなるように構成すれば良い。
次に、本実施形態にかかるInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器の製造方法について、図7〜図13を参照しながら説明する。なお、説明の都合上、図1において点線で囲んだ一周期部分のみを切り出して説明することとする。
まず、図7(b)[図7(a)のX−X線に沿う断面図]に示すように、高抵抗InP基板1上に、n−InP層(n−InPクラッド層)2、i−MQW層(アンドーピング多重量子井戸層,i−MQW光導波路コア層)3、p−InP層(p−InPクラッド層)4、p−InGaAs層(p−InGaAsコンタクト層)5を、この順に、例えばMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により結晶成長させるなどして面内に均一に形成したウエハを用意する。
なお、高抵抗InP基板1とn−InP層2との間にバッファ層を含むように構成しても良い。また、バッファ層を高抵抗InP層として形成する場合には、n−InP層と高抵抗InP層との間にアンドーピングのInGaAsP(i−InGaAsP)からなるエッチストップ層(i−InGaAsP層)を設けても良い。
次に、図7(a)に示すように、このウエハの上面の一部分(位相変調領域を含む部分)に、SiO2からなるマスク40を形成する。
そして、このマスク40に覆われていない部分にあるp−InGaAs層5及びp−InP層4をエッチングによって除去し、i−MQW層3を露出させた後、図8(a),(b)[図8(b)は図8(a)のX−X線に沿う断面図である]に示すように、露出させたi−MQW層3上にSI−InP層6を例えばMOVPE法により結晶再成長させるなどして形成する。このようにしてSI−InP層6を形成した後、マスクを除去する。
次に、図9(a),(b)[図9(b)は図9(a)のX−X線に沿う断面図である]に示すように、ドライエッチング技術により、ウエハ上面からn−InP層2の途中まで、即ち、p−InGaAs層5,p−InP層4,SI−InP層6,i−MQW層3,n−InP層2の一部を除去し、メサ構造を形成する。この場合にも、予めSI−InP層6及びp−InGaAs層5上の光導波路となる部分にSiO2からなるマスクを形成しておく。このようにして形成されたメサ構造の部分が、マッハツェンダ干渉計を構成する2本の光導波路(アーム)20A,20Bとなる。なお、ここでは、図1において点線で囲んだ一周期部分のみを説明しているため、マッハツェンダ干渉計を構成するアーム20A,20Bが形成されることになるが、当然のことながら、同時に、MMI光カプラ21,22,入力側及び出力側の光導波路20も形成されることになる。
そして、SiO2マスクを残した状態で、ドライエッチングにより露出されたn−InP層2上のメサ構造(光導波路)の両側の部分に、図10(a),(b)[図10(b)は図10(a)のX−X線に沿う断面図である]に示すように、例えばMOVPE法による埋め込み成長技術を用いてSI−InP層6を結晶成長させるなどして形成する。その後、SiO2マスクを除去する。
次に、SI−InP層6及びp−InGaAs層5上の光導波路となる部分にSiO2からなるマスクを形成した後、図11(a),(b)[図11(b)は図11(a)のX−X線に沿う断面図である]に示すように、ウェットエッチング(1回目のエッチング)により、2つのメサ構造(光導波路)のそれぞれの外側側面部分に所定幅のSI−InP層6を残すように、それよりも外側のSI−InP層6を除去し、高抵抗InP基板1を露出させる。続いて、SiO2マスクを除去した後、ウェットエッチング(2回目のエッチング)により、2つのメサ構造(光導波路)のそれぞれの内側側面部分に所定幅のSI−InP層6を残すように、2つのメサ構造(光導波路)の間のSI−InP層6を除去し、n−InP層2を露出させる。このようにして形成されたn−InP層2はバイアス層となる。なお、エッチストップ層を設けておけば、エッチングを精度良く行なえることになる。
最後に、図12(a),(b)[図12(b)は図12(a)のX−X線に沿う断面図である]に示すように、上述のようにして作製された素子の表面に、金(Au)めっきにより、スロットライン電極23,24,離散電極27,28,エアブリッジ配線29,30を形成する。なお、同時に、DCバイアス用電極パッド31も形成されることになる。
具体的には、金(Au)めっきは2回に分けて行なわれる。つまり、1回目のめっきにより、スロットライン電極23,24(及びDCバイアス用電極パッド31)を形成する。次に、2回目のめっきにより、離散電極27,28を形成する。このとき、スロットライン電極23,24と離散電極27,28とがエアブリッジ配線27,28により接続される。これらの電極23,24,27,28を金(Au)めっきにより形成する場合には、例えばレジストパターンを用いる選択めっき法による。また、2回目のめっきの前に、p−InGaAs層5とスロットライン電極23,24との間に、例えばレジストを形成し、金(Au)めっきの後にレジストパターンを除去することによりエアブリッジ配線27,28の下には空間が形成される。
また、図1に示すように、シグナル側のスロットライン電極23は、2本の光導波路(アーム)20A,20Bの上方を越えて、グランド側のスロットライン電極24側まで引き出される。この場合も、2本の光導波路20A,20B上に例えばレジストを形成し、金(Au)めっきによりエアブリッジ構造を形成した後にレジストを除去するようにすれば良い。
なお、離散電極27,28のそれぞれの長さ、離散電極27,28が光導波路20A,20B全長に占める割合などを調整することにより、進行波電極としての特性インピーダンスを所望の値に一致させることができる。
上述の素子作製方法から分かるように、光導波路20A,20Bの離散電極27,28が形成されている部分では、i−MQW層3の上方(即ち、離散電極27,28とi−MQW層3との間)に、p−InPクラッド層4とp−InGaAsコンタクト層5とが形成されている。一方、それ以外の部分では、基本的にi−MQW層3の上方に、SI−InP層6が形成されている。但し、図12(a)中、符号Aで示すように、光導波路20A,20Bの一部分だけは、上部に離散電極27,28が形成されない部分において、i−MQW層3の上方(即ち、離散電極27,28とi−MQW層3との間)には、p−InPクラッド層4とp−InGaAsコンタクト層5とが残されている部分がある。これは、図7中、符号Aで示したSiO2マスクパターンの一部分が転写されて残ったことによる。なお、この部分は図1では省略している。
以下、これについて説明する。
図7のSiO2マスクパターンにおいては、符号Aの部分を含めて、細いライン状のパターンが、後に光導波路20A,20Bとなる部分の横方向の外側へ引き出されて形成されている。このようにしているのは、SiO2マスクパターンを上から見た時に、SiO2マスクパターンに外側に出っ張る角が形成されないようにするためである。つまり、これらの横方向外側へ引き出されるライン状のパターンを設けないと、図13に示すように、SiO2マスクパターンは多数の角を有するものとなるが、これらの角は、図8に示すような構造を形成するための結晶再成長の際に、異常成長の原因となり、好ましくないからである。
特に、本実施形態のように、2本の光導波路20A,20Bの間で長さの異なる電極を形成する際には、図7中、符号Aで示すように、横方向外側へ延びる細いライン状のパターンを付け足してSiO2マスクパターンを形成する必要がある。この結果、図12中、符合Aで示すように、一方の光導波路は、上部に離散電極がないが、p−InPクラッド層4とp−InGaAsコンタクト層5とを一部に有するものとなる。
したがって、本実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器によれば、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータ(例えば電極長など)を用いることで、低チャーピング動作(ゼロチャーピング動作を含む)を実現できるという利点がある。これにより、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、チャーピング(チャープパラメータ)の制御が可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法について、図14〜図16を参照しながら説明する。なお、図14〜図16では、上述の第1実施形態と同一のものには同一の符号を付している。
本実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器は、上述の第1実施形態のものに対し、2本の光導波路(アーム)間で離散電極の長さ(電極長)を等しくし、光導波路上に設けられる離散電極の総数(即ち、微小位相変調器の総数)を2本の光導波路間で異なるように構成している点が異なる。
つまり、本実施形態では、グランド側離散電極の総数(即ち、グランド側位相変調器の総数)が、シグナル側離散電極の総数(即ち、シグナル側位相変調器の総数)よりも多くなるようにしている。
例えば、図14に示すように、シグナル側光導波路20B上のシグナル側離散電極27Aの個数を、7個、8個、9個のうちのいずれかに設定し、これらに対応して、グランド側光導波路20A上のグランド側離散電極28Aの個数を、それぞれ13個、12個、11個に設定している。但し、図14では、説明の便宜上、離散電極27A,28Aの個数を省略して示している。
本実施形態では、それぞれの光導波路(アーム)20A,20B上に形成される複数の離散電極27A,28Aの長さ(電極長)はいずれも等しく(ここでは、共に100μmとしている)、さらに、2本の光導波路20A,20B間でも離散電極27A,28Aの長さは互いに等しくなっている。
一方、一の光導波路20A(又は20B)上に形成される離散電極27A(又は28A)の長さを全て足し合わせた値(合計電極長)、即ち、一つの離散電極27A(又は28A)の長さと光導波路20A(又は20B)上に形成する個数とを掛け合わせた値を比較した場合、グランド側光導波路20A上に形成されたグランド側離散電極28Aの電極長を足し合わせた合計電極長の方が、シグナル側光導波路20B上に形成されたシグナル側離散電極27Aの電極長を足し合わせた合計電極長よりも長くなっている。
また、これらの合計電極長の値を用いて電極長非対称パラメータr[r=(LG−LS)/(LG+LS)]を計算してみると(この場合、グランド側離散電極28Aの合計電極長をLGとし、シグナル側離散電極27Aの合計電極長をLSとする)、r=0.1〜0.3となる。したがって、図6から明らかなように、本実施形態においても、チャープパラメータαの値をゼロに近づけることが可能である。
このように、本実施形態では、グランド側離散電極28Aの個数とシグナル側離散電極27Aの個数とが異なるようにしているため、図15(図14のA−A矢視断面図)に示すように、一方の光導波路20A上には離散電極28Aが形成されているが、他方の光導波路20B上には離散電極27Aが形成されていない領域が存在することになる。一方、複数の離散電極の間の領域では、図16(図14のB−B矢視断面図)に示すように、上述の第1実施形態のものと同様に、2本のアーム20A,20Bは、いずれも、n−InP層2,i−MQW層3,SI−InP層6から構成されている。
なお、その他の構成や製造方法については、上述の第1実施形態のものと同じであるため、ここでは、説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器によれば、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータ(例えば電極長など)を用いることで、低チャーピング動作(ゼロチャーピング動作を含む)を実現できるという利点がある。これにより、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、チャーピング(チャープパラメータ)の制御が可能となる。
なお、本実施形態では、グランド側離散電極28Aの総数がシグナル側離散電極27Aの総数よりも多くなるようして、複数のグランド側離散電極28Aの電極長を足し合わせた合計電極長を、複数のシグナル側離散電極27Aの電極長を足し合わせた合計電極長よりも長くしているが、これは、グランド側離散電極28A及びその下方に形成される光導波路20Aから構成されるグランド側位相変調器33Aの総数が、シグナル側離散電極27A及びその下方に形成される光導波路20Bから構成されるシグナル側位相変調器32Aの総数よりも多くなるようにし、複数のグランド側位相変調器33Aの作用長を足し合わせた合計作用長が、複数のシグナル側位相変調器32Aの作用長を足し合わせた合計作用長よりも長くなるように構成することを意味する。
上述の第1実施形態のように、p−InP層(クラッド層)4やp−InGaAs層(コンタクト層)5を離散電極27A,28Aの下方にのみ形成する場合には、グランド側離散電極28Aの下方に形成されるp−InP層(クラッド層)4又はp−InGaAs層(コンタクト層)5の総数は、シグナル側離散電極27Aの下方に形成されるp−InP層(クラッド層)4又はp−InGaAs層(コンタクト層)5の総数よりも多くなることになる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法について、図17〜図19を参照しながら説明する。なお、図17〜図19では、上述の第1実施形態と同一のものには同一の符号を付している。
本実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器は、上述の第1実施形態のものに対し、2本の光導波路(アーム)間で離散電極の長さ(電極長)を等しくし、2本の光導波路(アーム)の幅(具体的には光導波路コア層の幅)が異なるように構成している点が異なる。
つまり、本実施形態では、図17,図18(図17のA−A矢視断面図)に示すように、2本の光導波路(アーム)20A,20B間で離散電極27A,28Aの長さ(電極長)を等しくし(ここでは、共に100μmとしている)、グランド側離散電極28Aが設けられるグランド側光導波路20Aの幅(具体的には光導波路コア層3の幅)を1.5μmに固定し、もう一方のシグナル側離散電極27Aが設けられるシグナル側光導波路20Bの幅(具体的には光導波路コア層3の幅)をWsμmに設定している。なお、シグナル側光導波路の幅Wsの具体的な数値については後述する。
ここで、図19は、図17,図18に示すような構造のInP系材料からなる容量装荷型マッハツェンダ変調器において、グランド側光導波路20Aの幅を1.5μmと一定に保った状態で、シグナル側光導波路20Bの幅Wsを変化させた場合に、計算によって得られたチャープパラメータαの値を示している。
なお、図19では、シグナル側光導波路20Bの幅Wsの各値に対して、2種類のチャープパラメータαの値[図19ではそれぞれ●と○で示している]が得られているが、これらは、マッハツェンダ型光変調器において、高周波駆動電源25から供給される電圧がプラス側(+V)の場合に、位相差を0(2π,4π・・・;2nπ:nは自然数)にするかπ(3π,5π・・・;(2n+1)π:nは自然数)にするか(即ち、光のオン状態で合わせるか、オフ状態で合わせるか)によって区別される2種類の駆動条件にそれぞれ対応している。つまり、一方の光導波路(アーム;例えばシグナル側光導波路)上に形成された電極(後述する位相差調整用DCバイアス電極)に印加する逆バイアス電圧を大きくしていった時に、光出力が小さくなる駆動条件(第1の駆動条件;光のOFF状態で位相差を調整する駆動条件)と、逆にこの電極に印加する逆バイアス電圧を大きくしていった時に、光出力が大きくなる駆動条件(第2の駆動条件;光のON状態で位相差を調整する駆動条件)とにそれぞれ対応している。図19では、第1の駆動条件の場合のチャープパラメータαの値を●で示し、第2の駆動条件の場合のチャープパラメータαの値を○で示している。
ここでは、光導波路の幅によって変化する光閉じ込め係数を有限要素法により解析し、計算に用いた。それ以外の計算のための条件及び手法は上述の第1実施形態と同様である。
図19に示すように、シグナル側光導波路20Bの幅Wsμmを、グランド側光導波路20Aの幅である1.5μmと比較して狭くしていくことで、チャープパラメータαの値がよりゼロに近づいていくことが分かる。
このような光導波路の幅の非対称性に対するチャープパラメータαの定性的な傾向は、InP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータ(例えば光導波路の幅)を設定するのに利用することが可能である。
つまり、上述のような光導波路の幅の非対称性に対するチャープパラメータαの定性的な傾向に基づいて、シグナル側光導波路20Bの幅(具体的には光導波路コア層3の幅)を、グランド側光導波路20Aの幅(具体的には光導波路コア層3の幅)に対して狭くすることで、2本の光導波路20A,20Bの幅が等しい場合と比較して、チャープパラメータαの値をゼロに近づけることができることが明らかになった。
図19の計算結果からわかるように、グランド側光導波路20Aの幅を1.50μmとし、シグナル側光導波路20Bの幅Wsを0.60μm〜0.90μmの範囲内(好ましくは0.75μm)とすれば、一方の駆動条件(第1の駆動条件)においてチャープパラメータαを実質的にゼロに等しくすることができる。
これは、チャーピング量を示すチャープパラメータα(より具体的には、チャーピング量及び長波長側か短波長側かを示す符号からなる値である)と、光導波路(アーム)の幅(ここでは、シグナル側光導波路20Bの幅Ws)との関係を示す特性(チャープパラメータ−光導波路幅特性;図19参照)に基づいて、光導波路の幅を設定することを意味する。
本実施形態では、グランド側光導波路20Aの幅を1μmよりも広く(ここでは1.50μm)なるように設定し、シグナル側光導波路20Bの幅を1μmよりも狭く(ここでは0.75μm)なるように設定している。
このようにして、構造パラメータとしての光導波路の幅を設定し、設定された光導波路の幅になるように、InP系材料からなる容量装荷型の半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することで、半導体マッハツェンダ型光変調器においてゼロチャーピング動作を実現できることになる。
上述のように、光導波路の幅を変化させると、その光導波路における光閉じ込め係数が変化することになる。これにより、一定の電圧が印加されている状況において、伝搬光が受ける位相変化量を変化させることができる。したがって、一方の光導波路20Aの幅を一定に保ち、他方の光導波路20Bの幅のみを変化させることで、これらを伝搬する分岐光の間で生じる位相変化の大きさを非対称にすることができる。このため、InP系材料における光の吸収と、容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器における電極の非対称性に起因して、電極長を等しくし、2つのアーム(光導波路)20A,20B間で対称にしたとしても、実質的なゼロチャーピングが得られない、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、上述の第1実施形態の電極長を非対称にする場合と同様に、ゼロチャーピングを実現できるようになる。
本実施形態では、チャープパラメータαをゼロにする手段の一つとして、シグナル側光導波路20Bの幅を、グランド側光導波路20Aの幅よりも狭くしている。この手段の本質は、グランド側光導波路20Aの光閉じ込め係数[具体的には、グランド側光導波路20Aを構成するi−MQW層(光導波路コア層)3の光閉じ込め係数]を、シグナル側光導波路20Bの光閉じ込め係数[具体的には、シグナル側光導波路20Bを構成するi−MQW層(光導波路コア層)3の光閉じ込め係数]よりも大きくして、グランド側光導波路20Aを伝播する光の位相変化を、シグナル側光導波路20Bを伝搬する光の位相変化よりも大きくすることにある。
したがって、光導波路の幅に限らず、光閉じ込め係数を小さくする他の構造パラメータを用いることもできる。例えば、グランド側光導波路20Aのコア層3の厚さを、シグナル側光導波路20Bのコア層3の厚さよりも大きくするように構成しても良いし、グランド側光導波路20Aのコア層3の屈折率変化量を、シグナル側光導波路20Bのコア層3の屈折率変化量よりも大きくするように構成しても良い。
なお、その他の構成や製造方法については、上述の第1実施形態のものと同じであるため、ここでは、説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器によれば、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、低チャーピング(ゼロチャーピングを含む)をもたらす構造パラメータ(例えば電極長など)を用いることで、低チャーピング動作(ゼロチャーピング動作を含む)を実現できるという利点がある。これにより、InP系の半導体材料からなる容量装荷型の電極構造を有する半導体マッハツェンダ型光変調器において、チャーピング(チャープパラメータ)の制御が可能となる。
(その他)
(1)上述の各実施形態では、構造パラメータとして、電極長や光導波路の幅の数値を具体的に挙げて説明しているが、本発明のInP系材料からなる容量装荷型マッハツェンダ変調器は、上述の第1実施形態〜第3実施形態において説明した具体的な電極長や光導波路の幅以外の数値に基づいて構成することもできる。
なお、上述の各実施形態に示したような具体的な電極長非対称パラメータや光導波路の幅(シグナル側光導波路の幅)以外の数値を用いると、上述の計算結果よりもチャープパラメータαは若干ずれると思われる。このような場合でも、光の吸収が存在するInP系材料を用い、非対称性の容量装荷型の電極構造を有するマッハツェンダ型光変調器では、図6,19を用いて説明したように、チャープパラメータαの定性的な傾向が得られる。したがって、このように上述の各実施形態で示されている具体的な数値以外の数値を用いた場合であっても、グランド側離散電極28の電極長をシグナル側離散電極27の電極長よりも長くすることで、あるいは、シグナル側光導波路20Bの幅をグランド側光導波路20Aの幅よりも狭くすることで、チャープパラメータαの値をよりゼロに近づけることができる。より詳細な値は、上述の実施形態において示したように、素子の構造を考慮して数値的な計算を行うことで得ることができる。
(2)従来のInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器においては、離散電極の長さと個数、及び光導波路断面構造が、シグナル側とグランド側とで同じであり、対称構造になっていたのに対し、上述の各実施形態では、それぞれ、離散電極の長さ、光導波路の幅、離散電極の個数をシグナル側とグランド側とで異なるものとし、非対称構造にしている。これにより、グランド側光導波路20Aにおける位相変化のシグナル側光導波路20Bにおける位相変化に対する相対的な大きさを、従来のものと比較して増大させることで、ゼロチャーピングを実現できるようにしている。したがって、グランド側光導波路20Aの位相変化のシグナル側光導波路20Bの位相変化に対する相対的な大きさを、結果的により大きくすることができる構造であれば、上述の各実施形態のものに限られるものではなく、本発明の作用,効果を得ることができ、ゼロチャーピングを達成できることになる。
例えば、単位電圧変化に対する光導波路の屈折率変化、すなわち光導波路の屈折率変調効率を、グランド側光導波路20Aにおいてシグナル側光導波路20Bよりも大きくした構造であっても良い。このような構造は、例えば、i−MQW層(光導波路コア層)3のフォトルミネッセンス波長と動作波長との間の差を、グランド側光導波路20Aにおいて、シグナル側光導波路20Bよりも小さくとった構造又は組成により、実現される。また、この波長の差が対称な場合でも、i−MQW層3の内部層構造又は組成を非対称にすることによっても屈折率変調効率を非対称にすることができる。
(3)上述の各実施形態では、光導波路20A,20Bの断面をSI−InPによる埋め込み構造としたが、これに限られるものではなく、例えばリッジ型の光導波路、ハイメサ型の光導波路、あるいは、その他の断面構造の光導波路であっても本発明を適用できる。
この場合も、上述の各実施形態のように、離散電極の長さ、離散電極の個数、光導波路の幅、あるいは、その他の部分をシグナル側とグランド側とで非対称とすることで、グランド側光導波路20Aにおける位相変化のシグナル側光導波路20Bにおける位相変化に対する相対的な大きさを、従来のInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器と比較して増大させることで、上述の各実施形態と同様の効果が得られ、結果としてゼロチャーピングを達成することができるようになる。
(4)本実施形態では、1×2のMMI光カプラ21,22を用いているが、これに限られるものではなく、2×2のMMI光カプラ、あるいは、その他の構造のMMI光カプラを用いた場合であっても、本発明を適用できる。
この場合も、上述の各実施形態のように、離散電極の長さ、離散電極の個数、光導波路の幅、あるいは、その他の部分をシグナル側とグランド側とで非対称とすることで、グランド側光導波路20Aにおける位相変化のシグナル側光導波路20Bにおける位相変化に対する相対的な大きさを、従来のInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器と比較して増大させることで、上述の各実施形態と同様の効果が得られ、結果としてゼロチャーピングを達成することができるようになる。
(5)上述の各実施形態では、離散電極及びその下方に形成される光導波路からなる微小位相変調器32,32A,33,33Aの領域においてはp−InP層4を上部クラッド層とし、その他の領域(微小位相変調器32,32A,33,33Aの間の領域等)においてはSI−InP層6を上部クラッド層としているが、このような構造の容量装荷型マッハツェンダ変調器に限らず、例えば16th International Conference on Indium Phosphide Related Materials, ThA1-5, 2004に示されているような構造の容量装荷型マッハツェンダ変調器を用いた場合であっても、本発明を適用することができる。つまり、i−MQW層(光導波路コア層)3上に、例えば0.5〜1.5μm程度の厚さのアンドーピングのInPクラッド層(i−InPクラッド層)を全面に一様に形成し、さらに、その上の離散電極32,32A,33,33Aを設ける部分のみにp−InPクラッド層を形成する構造に対しても、本発明を適用することができる。
また、例えばi−MQW層(光導波路コア層)3上の全面にp−InPクラッド層を形成する構造のものであっても、本発明を適用することができる。
さらに、例えば特開2004−53830号公報や特開2003−322831号公報に記載されているような構造のものにも、本発明を適用することができる。
このような場合も、上述の各実施形態のように、離散電極の長さ、離散電極の個数、光導波路の幅、あるいは、その他の部分をシグナル側とグランド側とで非対称とすることで、グランド側光導波路20Aにおける位相変化のシグナル側光導波路20Bにおける位相変化に対する相対的な大きさを、従来のInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器と比較して増大させることで、上述の各実施形態と同様の効果が得られ、結果としてゼロチャーピングを達成することができるようになる。
(6)上述の各実施形態では、光導波路コア層として、InGaAsPの井戸層とInPのバリア層からなるi−MQW層3を用いているが、このような構造のMQW層に限られるものではなく、例えばInAlGaAs(P),GaInAsN(P)などのInP基板上に形成できる他の材料からなるMQWを用いた場合であっても、本発明を適用することができる。
この場合も、上述の各実施形態のように、離散電極の長さ、離散電極の個数、光導波路の幅、あるいは、その他の部分をシグナル側とグランド側とで非対称とすることで、グランド側光導波路20Aにおける位相変化のシグナル側光導波路20Bにおける位相変化に対する相対的な大きさを、従来のInP系材料からなる容量装荷型のマッハツェンダ型光変調器と比較して増大させることで、上述の各実施形態と同様の効果が得られ、結果としてゼロチャーピングを達成することができるようになる。
(7)上述の各実施形態では、光導波路コア層として、InPのバリヤ層とInGaAsPの井戸層からなるi−MQW層3を用いている。また、光導波路コア層としてのi−MQW層3の上部及び下部のクラッド層に、それぞれp−InPクラッド層4とn−InPクラッド層2を用いている。これらは、いずれもInP系材料であるが、これらの材料だけでなく、これら以外の他のInP系材料を用いることもできる。
例えば、クラッド層2,4の材料として、InGaAsP,InGaAs,InGaAlAs,InAlAsを用いることも可能である。また、上下クラッド層2,4の電気伝導の種類も、それぞれp型、n型のいずれであっても良く、また、上下両方をn型もしくはp型としても良い。
一方、光導波路コア層として、バリヤ層がInAlAs,InAlGaAsのいずれか一つからなり、井戸層がInGaAs,InGaAlAsのいずれか一つからなるMQW層を用いても良い。また、InSb,InAs,InAsP,InSbP,InAsSbPのいずれか一つ以上の層を用いたMQW層を用いても良い。
このように、本実施形態では、InP系材料は、InP,InGaAsP,InGaAs,InGaAlAs,InAlAs,InSb,InAs,InAsP,InSbP,InAsSbPのいずれかの材料を含むものとする。
(8)上述の各実施形態では、それぞれ、離散電極の電極長、離散電極の個数、光導波路の幅を、シグナル側とグランド側とで異なるようにしているが、これらの実施形態のものを組み合わせても良い。
(付記1)
InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
前記複数の第1離散電極及びその下方に位置する前記第1光導波路のそれぞれによって複数の第1位相変調器が構成され、
前記第2離散電極及びその下方に位置する前記第2光導波路のそれぞれによって複数の第2位相変調器が構成され、
前記複数の第2位相変調器の作用長を足し合わせた合計作用長が、前記複数の第1位相変調器の作用長を足し合わせた合計作用長よりも長くなるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記2)
前記複数の第2離散電極の長さを足し合わせた合計電極長が、前記複数の第1離散電極の長さを足し合わせた合計電極長よりも長くなるように構成されることを特徴とする、付記1記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記3)
前記複数の第2位相変調器のそれぞれの作用長の平均値が、前記複数の第1位相変調器のそれぞれの作用長の平均値よりも大きくなるように構成されることを特徴とする、付記1又は2記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記4)
前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さの平均値が、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さの平均値よりも大きくなるように構成されることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記5)
前記第2離散電極の総数が、前記第1離散電極の総数よりも多くなるように構成されることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記6)
前記第1ライン電極が、シグナル側スロットライン電極であり、
前記第2ライン電極が、グランド側スロットライン電極であり、
前記第1離散電極が、シグナル側離散電極であり、
前記第2離散電極が、グランド側離散電極であり、
前記第1位相変調器が、シグナル側位相変調器であり、
前記第2位相変調器が、グランド側位相変調器であることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
ここで、シグナル側(グランド側)とは、高周波駆動電源のシグナル端子(グランド端子)に接続された、という意味である。
(付記7)
InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、前記第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に光出力が小さくなる駆動条件の場合に、前記電極長非対称パラメータrの値が0.05〜0.17の範囲内になるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記8)
InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、前記第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に光出力が大きくなる駆動条件の場合に、前記電極長非対称パラメータrの値が0.17〜0.36の範囲内になるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記9)
前記第1光導波路の前記第1離散電極が設けられていない部分又は前記第2光導波路の前記第2離散電極が設けられていない部分に、前記第1及び第2光導波路を構成するコア層上の層構成が、前記第1離散電極又は前記第2離散電極のいずれかが設けられている部分の層構成と同じ部分が一部含まれていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記10)
InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
前記第2光導波路の光閉じ込め係数が、前記第1光導波路の光閉じ込め係数よりも大きくなるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記11)
前記第1離散電極が設けられる前記第1光導波路の幅が、前記第2離散電極が設けられる前記第2光導波路の幅よりも狭くなるように構成されることを特徴とする、付記1〜10のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記12)
前記第1光導波路の幅が、1μmよりも狭くなるように構成されることを特徴とする、付記11記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記13)
前記第1離散電極と前記第2離散電極とは、少なくとも一方の端部の位置が揃うように構成されることを特徴とする、付記1〜12のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記14)
前記第1ライン電極が、シグナル側スロットライン電極であり、
前記第2ライン電極が、グランド側スロットライン電極であり、
前記第1離散電極が、シグナル側離散電極であり、
前記第2離散電極が、グランド側離散電極であることを特徴とする、付記7〜13のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記15)
前記第1及び第2光導波路が、導電性半導体クラッド層,絶縁性半導体コア層,導電性半導体クラッド層を順に積層させた構造を含むものとして構成されることを特徴とする、付記1〜14のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記16)
前記第1及び第2光導波路は、DCバイアス電極パッドが接続されてDCバイアス電圧が供給される導電性半導体層上に形成されていることを特徴とする、付記1〜15のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記17)
前記第1及び第2光導波路は、InP基板上に形成されていることを特徴とする、付記1〜16のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記18)
InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備える半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法であって、
チャーピング量を示すチャープパラメータと、電極長の非対称性を示す電極長非対称パラメータとの関係を示す特性に基づいて、前記第1の離散電極及び前記第2の離散電極のそれぞれの電極長を設定し、
前記第1の離散電極及び前記第2の離散電極のそれぞれの電極長が、設定されたそれぞれの電極長になるように半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
(付記19)
前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、前記第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に光出力が小さくなる駆動条件の場合に、前記電極長非対称パラメータrの値が0.05〜0.17の範囲内になるように、前記第1の離散電極及び前記第2の離散電極のそれぞれの電極長を設定することを特徴とする、付記18記載の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
(付記20)
前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、前記第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に光出力が大きくなる駆動条件の場合に、前記電極長非対称パラメータrの値が0.17〜0.36の範囲内になるように、前記第1の離散電極及び前記第2の離散電極のそれぞれの電極長を設定することを特徴とする、付記18記載の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
(付記21)
InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備える半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法であって、
チャーピング量を示すチャープパラメータと、光導波路の幅との関係を示す特性に基づいて、前記第1及び第2光導波路の幅を設定し、
前記第1及び第2光導波路のそれぞれの幅が、設定されたそれぞれの幅になるように半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図であって、図1のA−A矢視断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図であって、図1のB−B矢視断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図であって、図1のC−C矢視断面図である。 一般的なプッシュプル型のマッハツェンダ型光変調器における電極長非対称パラメータrとチャープパラメータαとの関係を説明するための図であって、(a)はチャープパラメータαの計算に用いた構造を示しており、(b)は電極長を変化させた場合に計算結果として得られたチャープパラメータαの値を示している。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器における電極長非対称パラメータrとチャープパラメータαとの関係を説明するための図であって、電極長を変化させた場合に計算結果として得られたチャープパラメータαの値を示している。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。 好ましくないマスクパターンの例を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図であって、図14のA−A矢視断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図であって、図14のB−B矢視断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器の構成を示す模式図であって、図17のA−A矢視断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体マッハツェンダ型光変調器におけるシグナル側光導波路の幅Wsとチャープパラメータαとの関係を説明するための図であって、グランド側光導波路の幅を1.5μmと一定に保った状態で、シグナル側光導波路の幅Wsを変化させた場合のチャープパラメータαの値を示している。 従来のプッシュプル型のマッハツェンダ型光変調器の構成を説明するための模式図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。 従来の容量装荷型の電極構造を有するマッハツェンダ型光変調器の構成を説明するための模式図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
符号の説明
1 高抵抗InP基板
2 n−InP層(導電性クラッド層)
2A 凸部
3 i−MQW層(光導波路コア層)
4 p−InP層(導電性クラッド層)
5 p−InGaAs層
6 SI−InP層
20 光導波路
20A,20B アーム
21,22 MMI光カプラ
23 スロットライン電極(シグナル側ライン電極,第1ライン電極)
24 スロットライン電極(グランド側ライン電極,第2ライン電極)
25 高周波駆動電源
26 終端抵抗
27,27A 離散電極(シグナル側離散電極,第1離散電極)
28,28A 離散電極(グランド側離散電極,第2離散電極)
29,30 エアブリッジ配線
31 DCバイアス電極パッド
32,32A 微小位相変調器(シグナル側位相変調器,第1位相変調器)
33,33A 微小位相変調器(グランド側位相変調器,第2位相変調器)
40 マスク

Claims (10)

  1. InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
    前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
    前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
    前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
    前記複数の第1離散電極及びその下方に位置する前記第1光導波路のそれぞれによって複数の第1位相変調器が構成され、
    前記第2離散電極及びその下方に位置する前記第2光導波路のそれぞれによって複数の第2位相変調器が構成され、
    前記複数の第2位相変調器の作用長を足し合わせた合計作用長が、前記複数の第1位相変調器の作用長を足し合わせた合計作用長よりも長くなるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
  2. 前記複数の第2離散電極の長さを足し合わせた合計電極長が、前記複数の第1離散電極の長さを足し合わせた合計電極長よりも長くなるように構成されることを特徴とする、請求項1記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  3. 前記複数の第2位相変調器のそれぞれの作用長の平均値が、前記複数の第1位相変調器のそれぞれの作用長の平均値よりも大きくなるように構成されることを特徴とする、請求項1又は2記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  4. 前記第2離散電極の総数が、前記第1離散電極の総数よりも多くなるように構成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  5. InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
    前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
    前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
    前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
    前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、前記第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に光出力が小さくなる駆動条件の場合に、前記電極長非対称パラメータrの値が0.05〜0.17の範囲内になるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
  6. InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
    前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
    前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
    前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
    前記複数の第2離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLGとし、前記複数の第1離散電極のそれぞれの長さを足し合わせた合計電極長をLSとし、電極長非対称パラメータをr=(LG−LS)/(LG+LS)として、前記第2離散電極に与える負符号の印加電圧の絶対値を大きくしていった時に光出力が大きくなる駆動条件の場合に、前記電極長非対称パラメータrの値が0.17〜0.36の範囲内になるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
  7. InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
    前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
    前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
    前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備え、
    前記第2光導波路の光閉じ込め係数が、前記第1光導波路の光閉じ込め係数よりも大きくなるように構成されることを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器。
  8. 前記第1離散電極が設けられる前記第1光導波路の幅が、前記第2離散電極が設けられる前記第2光導波路の幅よりも狭くなるように構成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  9. InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
    前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
    前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
    前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備える半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法であって、
    チャーピング量を示すチャープパラメータと、電極長の非対称性を示す電極長非対称パラメータとの関係を示す特性に基づいて、前記第1の離散電極及び前記第2の離散電極のそれぞれの電極長を設定し、
    前記第1の離散電極及び前記第2の離散電極のそれぞれの電極長が、設定されたそれぞれの電極長になるように半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
  10. InP系材料により形成され、マッハツェンダ光干渉計を構成する第1及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路の側方に形成される第1ライン電極と、
    前記第2光導波路の側方に形成され、前記第1ライン電極よりも幅の広い第2ライン電極と、
    前記第1光導波路上に離散的に形成され、前記第1ライン電極に接続される複数の第1離散電極と、
    前記第2光導波路上に離散的に形成され、前記第2ライン電極に接続される複数の第2離散電極とを備える半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法であって、
    チャーピング量を示すチャープパラメータと、光導波路の幅との関係を示す特性に基づいて、前記第1及び第2光導波路の幅を設定し、
    前記第1及び第2光導波路のそれぞれの幅が、設定されたそれぞれの幅になるように半導体マッハツェンダ型光変調器を製造することを特徴とする、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
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