JP2014215409A - 光変調素子および光変調素子の駆動方法 - Google Patents

光変調素子および光変調素子の駆動方法 Download PDF

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浩一 長谷部
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Abstract

【課題】単一の変調電源を用いて簡易にプッシュ・プル動作による強度変調を生成し、小型で低消費電力な光変調器を実現する。【解決手段】本発明は、半導体基板上の第1の導波路と、第2の導波路と、p型クラッド層と、n型クラッド層とを備えるマッハ・ツェンダ型光変調器であって、第1の導波路は第1の変調領域を備え、第1の変調領域はコアとして第1の変調層を備え、第1の変調層はnドープされた不純物層であり、第2の導波路は第2の変調領域を備え、第2の変調領域はコアとして第2の変調層を備え、第2の変調層はnドープされた不純物層であり、第1の変調層と前記第2の変調層とは、電圧印加方向に対して各アームの屈折率変化が逆方向になるようそれぞれのn型ドーピング濃度を設定し、第1の変調領域と第2の変調領域とに並列にバイアス電圧及び変調電圧を印加することにより変調動作を行うことを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、光通信用の伝送装置及び光信号処理装置に関するものであり、より詳細には、変調信号を発生させるための変調素子に関するものである。
近年のインターネットの普及に伴うネットワークトラフィックの爆発的な増大により、光ファイバ伝送の高速・大容量化が求められている。大容量化に向けては、これまで変調速度の高速化と多重度の増大が重要な役割を果たしてきた。特に多重化においては、複数波長を用いて情報を多重化する波長多重技術(WDM)の進展によりファイバ1本あたり1000波を超える伝送が可能となり、T(テラ)b/s級の伝送が報告されている。また、変調速度の高速化も進展し、バックボーンにおいて40Gb/sベースの伝送装置が導入され始めているほか、アクセス・メトロネットワークにおいても10Gb/sベースの技術が採用されつつある。変調方式としては、信号の強度変化をビット列に対応させる2値の振幅変調(ASK)方式が主流となり発展してきた。
ASK方式の変調手法として代表的な構成は、一つはレーザの駆動電流に変調信号を重畳して変調信号を生成する直接変調方式、一つはレーザから発振されたCW光源を外部変調器で変調する外部変調方式である。
前者の直接変調方式においては、分布反射型(DFB)レーザや面発光レーザを用いた10Gb/s用送信器が既に市場に出ており、また、研究レベルにおいては50Gb/s動作が実現されている。この構成は非常に簡易であるという面で優れているが、高速変調動作の為には駆動電流が高くなってしまう問題がある。また、変調に伴う発振波長の変動が避けられず、光ファイバ伝送時に伝送波形が劣化し、伝送距離が制限される点が問題となる。
後者の外部変調方式として用いられる材料系としては、化合物半導体、LiNbO素子、シリコンが挙げられる。化合物半導体変調素子を用いた構成としては、DFBレーザと電界吸収型変調器との集積素子が代表的である。電界吸収変調器は、半導体材料に電界を印加することで光吸収スペクトルの吸収端をシフトさせて強度変調を行うものであり、バルク構造ではフランツケルディッシュ効果、量子井戸構造においては量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)を用いる。この構成は、光源と変調素子の集積性に優れており、また低電力駆動を実現できるが、変調時の波長変動が課題となる。
この波長変動の問題を解決し、高速長距離伝送に対応するため、マッハ・ツェンダ型光変調器が提案されている。図1は、マッハ・ツェンダ型光変調器100の構成を示す図である。マッハ・ツェンダ型光変調器100は、光を3dBカプラの分岐器101で分岐した後、分岐光に対し、変調領域110において、変調電極102により電圧を印加してそれぞれ個別の屈折率変化を付与することによりそれぞれの分岐光に対して位相差を設け、合波器104で合波させる。また、位相調整領域120を設け、位相調整電極103において電極注入または逆バイアス電圧を印加することで、2本のアーム(導波路)から出力される分岐光の出力誤差を補正することもできる。出力された分岐光の位相量、チャープ量は自由に制御することが可能であり、位相変調器、周波数変調器としての利用も可能である。特に両アームの屈折率変化を対称駆動させることで、原理的に周波数変動の無い動作、いわゆるプッシュ・プル駆動によりゼロチャープ駆動が実現できることから、長距離伝送用の変調器として採用されている。
また、近年長距離伝送化に向けては、ASK方式に代わり、周波数利用効率を上げることのできる変調技術として、無線技術に応用されてきた多値変調方式の光ファイバ伝送への適用が進められてきている。多値変調方式は、強度情報に加えて光信号の位相情報を用い、1つの信号で複数のビットを表現できるため、同一ビットレートで比較した場合に周波数利用効率面でASK方式よりも優位である。具体的には、位相情報をビット情報に対応させる位相偏移変調(PSK)方式、四値位相偏移変調(QPSK)方式、また、位相の差分をビット情報に対応させる差動位相偏移変調(DPSK)方式、差動四値位相偏移変調(DQPSK)方式などが挙げられる。また、更なる多値数の増大に向けては、強度変調と位相変調を併せた直角位相振幅変調方式(QAM)が検討されており、実験的には64QAM、512QAMなども報告されている。いずれの変調方式においてもマッハ・ツェンダ型光変調器が用いられており、マッハ・ツェンダ型光変調器への期待は更なる高まりを見せている。
マッハ・ツェンダ型光変調器においては、素子の屈折率の動的制御の為に、低電圧、かつ高速応答可能な、高い屈折率変化量を得る為の材料選択が重要である。通信波長帯においては、これまでにLiNbO、InGaAsP、InAlGaAs、シリコンを用いた報告がなされており、主流となっているのはLiNbO(LN)素子である。LN素子においては、電気光学効果を用いることで40GHzを超える高速動作が可能であるが、素子が大きく、また駆動電圧が最低でも4V程度と高くなる問題がある。
一方で、将来の伝送容量の大容量化にあたっては素子数の急激な増大が見込まれ、省スペース化、低コスト化の為に、小型化、低電力駆動化が急務となっている。したがって、低電力駆動化のために消費電力の課題を解決すべく、LN素子よりも電気光学効果が大きく、また、光源との集積が容易な化合物半導体を使用したマッハ・ツェンダ型光変調素子が開発されている。半導体における屈折率変化は、前記の吸収係数変化同様、量子閉じ込めシュタルク(QCSE)効果、フランツケルディッシュ効果、電気光学(EO)効果が用いられる。
図2は、図1の破線A−A´におけるマッハ・ツェンダ型光変調器100の断面構造を示す図である。マッハ・ツェンダ型光変調器100は、(001)nドープInP基板201上に形成されたn型InPクラッド層202、i層InGaAsP量子井戸変調層203、p型InPクラッド層204、pコンタクト層205の上下にn電極206、p電極207が設けられており、p−i−nダイオード構造が形成され、p電極207は図1の変調電極102に接続さている。2本の変調層203はハイメサ導波路230から形成されており、導波路間は素子の保護のためにBCB樹脂208で埋め込まれている。n電極206とp電極207との間に逆バイアスを印加すると、量子閉じ込めシュタルク効果に伴い変調領域の屈折率が変化し、位相変調動作を行うことができる。
R. G. Walker, "High-Speed III-V Semiconductor Intensity Modulators,"IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, VOL. 27, NO. 3, MARCH 1991, pp. 654-667. B. R. BENNET et al, "Carrier-Induced Change in Refractive Index of InP, GaAs, and InGaAsP"IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, VOL. 26, NO. I , JANUARY 1990, pp. 113-122.
光変調器の駆動方法においては、現在の主流であるLN(LiNbO)では、駆動信号が一つ、すなわちシングル駆動によるプッシュ・プル動作が広く用いられている。ここで、図3はLN光変調器300の構造を示す図であり、図4は図3の破線B−B´におけるLN光変調器300の断面図においてLN光変調器の駆動構成を示した図である。LN光変調器のX基板301上にZ方向に対して垂直方向に変調用の導波路302が2本作製されており、両導波路302間に信号電極303、両導波路302の外側に接地電極304を設ける。この信号電極303と接地電極304との間に電圧を印加すると、各導波路302にはX基板301と水平方向、すなわちZ方向に沿って電界が印加される。このとき、各導波路302を伝搬する光に対しては、電気光学効果により、電界印加の方向の符号に従って屈折率変化の符号が変化する。このとき2本の変調領域には逆符号の電界が印加されるため、屈折率変化も逆符号となり、プッシュ・プル動作を行うことができる。
しかし、従来のマッハ・ツェンダ型光変調器においては、同様の構成をとっても伝搬光に対する屈折率変化の符号が逆符号にならないため、シングル駆動によるプッシュ・プル駆動ができない。したがって、従来のマッハ・ツェンダ型光変調器においてプッシュ・プル動作のためには、図5に示したように、2つのアーム用電源501、502により2つのアーム(変調領域)503、504に別々に変調信号を与える、いわゆるデュアル駆動により変調が行われる。この場合変調用のドライバが二つ必要になり、集積数の増大に伴い電気配線の複雑化をもたらすことが課題であった。
従来のマッハ・ツェンダ型光変調器のこのような問題に対処するため、R.G.Walkerはアーム間に位相変調を与える駆動回路を考案し、単一ドライブによる駆動方法を提案している(非特許文献1)。
図6は、非特許文献1において提案されている提案されているマッハ・ツェンダ型光変調器の駆動回路の電源接続を示す図でありを示す図であり、(a)はマッハ・ツェンダ型光変調器に回路を接続した状態を示す図であり、(b)は回路の駆動の様子を示す図である。ここで、マッハ・ツェンダ型光変調器600の素子の断面構造は図1と同様である。変調領域610全体にバイアス電圧VDCを印加し、各アーム601間に変調信号電圧Vmを与えることで、各変調領域610にそれぞれ逆符号の電圧Vm/2が印加され、単一ドライブ駆動によるプッシュ・プル動作が実現される。
この方法においては、AC駆動の場合には対称駆動が行われるが、DC駆動の場合は対称駆動とならずに片側アームのみの変調となるため、素子の評価が複雑になる。この課題を解決するには、LN光変調器と同様に単一の電界印加により両アームに逆符号の屈折率変化を起こす必要があるが、電気光学効果やQCSE効果やフランツケルディッシュ効果を用いた場合、印加電圧の増大により屈折率が一方向に増大するため、LN光変調器と同様の動作回路の実現は困難であった。
以上の課題を解決するために、本発明に関わる光変調器は、マッハ・ツェンダ型光変調器構造を採用し、p型クラッドとn型クラッドの間のコア層にn型不純物層を設け、さらに、2本のアーム間で、コアのn型不純物のドーピング濃度を変え、電界印加方向に対して各アームの屈折率変化が逆方向になるように設定した。
具体的には、請求項1に記載の発明は、半導体基板上の第1の導波路と、第2の導波路と、p型クラッド層と、n型クラッド層とを備えるマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記第1の導波路は第1の変調領域を備え、前記第1の変調領域はコアとして第1の変調層を備え、前記第1の変調層はnドープされた不純物層であり、前記第2の導波路は第2の変調領域を備え、前記第2の変調領域はコアとして第2の変調層を備え、前記第2の変調層はnドープされた不純物層であり、前記第1の変調層と前記第2の変調層とは、電圧印加方向に対して各アームの屈折率変化が逆方向になるようそれぞれのn型ドーピング濃度を設定し、前記第1の変調領域と前記第2の変調領域とに並列にバイアス電圧及び変調電圧を印加することにより変調動作を行うことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記第1の導波路及び前記第2の導波路は、それぞれ位相調整領域をさらに備え、前記それぞれの位相調整領域に電流注入または逆バイアス印加を行うことにより変調条件の調整を行うことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記基板上面の前記第1の導波路上及び前記第2の導波路上に第1の電極を設け、前記基板裏面に第2の電極を設け、前記第1の電極がn電極かつ前記第2の電極がp電極であり、もしくは前記第1の電極がp電極かつ前記第2の電極がn電極であり、前記p電極と、前記n電極に変調電圧を印加することにより、前記基板に垂直に変調電圧を印加することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記基板上面の前記第1の変調層の両側に隣接してpクラッド層およびnクラッド層を設け、前記基板上面の前記第2の変調領域の間に隣接してpクラッド層およびnクラッド層を設け、前記p型クラッド層はp電極に接続され、前記n型クラッド層はn電極に接続され、前記p電極と、前記n電極に変調電圧を印加することにより、前記基板の水平方向に変調電圧を印加することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層と、前記第1及び第2の変調領域は、異なる材料により形成されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層と、前記第1及び第2の変調領域は、同一の材料により形成されることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記半導体基板と、前記第1の導波路及び前記第2の導波路との間は、エアブリッジ型構造により形成されることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、半導体基板上の第1の導波路と、第2の導波路と、p型クラッド層と、n型クラッド層とを備えるマッハ・ツェンダ型光変調器の駆動方法であって、前記第1の変調領域と、前記第2の変調領域とに、平行にバイアス電圧を印加するステップと、前記第1の変調領域と、前記第2の変調領域とに、変調電圧をさらに印加するステップとを含み、前記第1の導波路は第1の変調領域を備え、前記第1の変調領域はコアとして第1の変調層を備え、前記第1の変調層はnドープされた不純物層であり、前記第2の導波路は第2の変調領域を備え、前記第2の変調領域はコアとして第2の変調層を備え、前記第2の変調層はnドープされた不純物層であり、前記第1の変調層と前記第2の変調層とは、電圧印加方向に対して各アームの屈折率変化が逆方向になるようそれぞれのn型ドーピング濃度を設定することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器であって、前記第1の導波路及び前記第2の導波路は、それぞれ位相調整領域をさらに備え、前記それぞれの位相調整領域に電流注入または逆バイアス印加を行うことにより変調条件の調整を行うステップをさらに備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、単一の変調電源を用いて簡易にプッシュ・プル動作による強度変調を生成し、小型で低消費電力な変調器を実現することができる。
従来のマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図である。 図1に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の断面を示す図である。 従来のLN光変調器の構成を示す図である。 図3に記載のLN光変調器の断面を示す図である。 従来のマッハ・ツェンダ型光変調器のデュアル駆動を行うための構成を示す図である。 従来のマッハ・ツェンダ型光変調器の駆動構成を示す図である。 本発明の実施例1にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図である。 図7に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の断面を示す図である。 本発明の半導体マッハ・ツェンダ型光変調器の駆動構成を説明する図である。 InGaAsPにおける屈折率のキャリア濃度依存性を説明する図である。 本発明の半導体マッハ・ツェンダ型光変調器の屈折率変化の電圧依存性を説明する図である。 本発明の半導体マッハ・ツェンダ型光変調器の位相差と透過率の電圧依存性を説明する図である。 本発明の実施例2にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図である。 図13に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の断面を示す図である。 本発明の実施例3にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図である。 図15に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の断面を示す図である。 本発明の実施例4にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図である。 図17に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の断面を示す図である。 本発明の実施例5にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図である。 図19に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の断面を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[実施例1]
図7は、本発明の第1の実施例(実施例1)にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器700の構成を示し、図8は、図7に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器700の破線C−C´における断面を示す図である。
実施例1のマッハ・ツェンダ型光変調器700は、光を3dBカプラの分波器701で分岐した後、分岐光に対し、変調領域710において、それぞれ個別の屈折変化率を付与することによりそれぞれの分岐光に対して位相差を設け、合波器704で合波させる。マッハ・ツェンダ型光変調器700の素子は、変調領域710と位相調整領域720とを有する。
マッハ・ツェンダ型光変調器700は、ドーピング濃度1×1018cm−3のn型InP基板801上に、第1の変調領域710−1及び第2の変調領域710−2に対応する二つのハイメサ変調導波路830、840が形成されている。第1の変調領域710−1及び第2の変調領域710−2のコアにはバンドギャップ波長1.3μmのn型InGaAsP変調層803、804がそれぞれ形成されており、変調層803(第1の変調領域710−1)の不純物ドーピング濃度は1×1017cm−3、変調層804(第2の変調領域710−2)の不純物ドーピング濃度は4×1017cm−3と、異なるドーピング濃度を与える。コアとなる変調層803、804の上側にはドーピング濃度1×1018cm−3のp型InPクラッド層805を形成する。コアの厚さは300nm、上部クラッドの厚さは1.5μmである。2つのハイメサ導波路830、840はBCB樹脂809で保護され、基板801の下にはn電極807、導波路830及び840のコンタクト層806の上にはp電極808(図7の変調電極702に接続)が設けられており、半導体素子の下のn電極と上のp電極との間で逆バイアスを印加する。変調領域の長さは1000μm、位相調整領域の長さは200μmとした。実施例1のマッハ・ツェンダ変調器の素子は、MOVPEや半導体エッチング等、一般的な化合物半導体の手法で作製することができる。
図9は、図7のマッハ・ツェンダ型光変調器700の駆動回路の電源接続を示す図であり、(a)はマッハ・ツェンダ型光変調器700に回路を接続した状態を示す図であり、(b)は接続回路を簡略化した図である。半導体基板701を接地し、変調電源903により、2つの変調電極702に並列にバイアス電圧VDC+変調電圧Vmを印加する。変調条件の微調のために、位相調整領域720には位相調整用電源904−1及び904−2により電流注入または逆バイアス印加を行う。
第1の実施例のマッハ・ツェンダ型光変調器700は、基板上面の第1の導波路上および第2の導波路上にp電極が設けられ、基板裏面にn電極が設けられているため、p電極とn電極とに変調電圧を印加することにより、基板に垂直方向に変調電圧を印加することができる。
以下、本素子の動作を説明する。n型ドーピングを施した半導体材料に逆バイアスを印加すると、キャリアの空乏化が生じる。このとき、キャリア濃度が減少することによって、キャリア効果による屈折率変化が生じる。キャリア効果による屈折率変化はキャリアプラズマ効果、バンドフィリング効果、バンドギャップ縮小効果の3つの効果が要因であることが、例えばBRIAN R. BENNETTらによって報告されている(非特許文献2)。
図10は、InP材料系の半導体の屈折率のキャリア濃度依存性を示す図表である。キャリア濃度の増加に伴い、全体的に屈折率Nが減少していくが、キャリア濃度のある領域において、屈折率変化ΔNが増加する領域が存在する。
したがって、電界印加によるキャリア濃度の減少に伴い、屈折率が減少する領域と屈折率が増加する領域を各変調領域に個別に設定することにより、両アームに対して同一方向の電界を印加した場合に屈折率の変化が逆符号となり、単一信号の駆動によりプッシュ・プル動作を実現することができる。
図11は、実施例1の構成における電圧印加に伴う第1の変調領域と第2の変調領域とにおける屈折率変化を示す図表である。逆バイアス電圧を増加すると、空乏化によりコアのキャリアが減少し、印加電圧V1とV2の間では、第1の変調領域においては屈折率Nが増加し、第2の変調領域においては屈折率Nが減少する。屈折率変化ΔNがほぼ対称であるため、この間の電圧を用いて、マッハ・ツェンダ型光変調器のプッシュ・プル動作を行うことができる。
図12は、印加電圧に対する各変調領域間の位相変化(a)と透過率の変化(b)を示す。なお、位相調整領域に電流を印加し、電圧V2の際に透過率が最大となるように調整した。電圧をV1からV2まで印加することにより、両変調領域の位相差がπとなり、単一変調電源を用いて消光動作が実現できる。また、n型のキャリア効果を用いるために変調時の素子の光損失変化は小さく、ほぼゼロチャープ動作を実現することができる。また、本素子の駆動方法は従来のシングル変調型のLN光変調器と同様の動作手法であり、ドライバ構成を変更することなくLN光変調器の置き換えとして使用し、従来システムの省電力化に寄与することができる。
[実施例2]
本発明の実施形態は先述の実施例1にとどまるものではない。図13は本発明の他の実施例(実施例2)にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器1300の構成を示す図であり、図14は、図13のマッハ・ツェンダ型光変調器1300の破線部D−D´における断面を示す図である。マッハ・ツェンダ型光変調器1300の素子は変調領域1310と位相調整領域1320を有する。
マッハ・ツェンダ型光変調器1300は、半絶縁性InP基板1401上に、厚さ200nmのスラブ構造が形成され、第1の変調領域1310−1と第2の変調領域1310−2とに対応する二つの変調導波路1430と1440とがInP層に埋め込まれて形成されている。第1の変調領域と第2の変調領域のコアにはバンドギャップ波長1.3μmのn型InGaAsP変調層1403、1404がそれぞれ形成されており、変調層1403(第1の変調領域1310−1)の不純物ドーピング濃度は1×1017cm−3、変調層1404(第2の変調領域1310−2)の不純物ドーピング濃度は4×1017cm−3と、異なるドーピング濃度を与える。第1と第2の変調領域のコアの間は濃度1×1018cm−3のn型ドーピングが施されたn−InP層1402(図13のn領域1330)が形成され、2つのコアの外側には濃度1×1018cm−3のp型ドーピングが施されたp−InP層1405(図13のp領域1340)れている。また、p型ドーピング領域には濃度1×1019cm−3のInGaAsコンタクト層1406が形成され、さらにその上にはp電極1408(図13の変調電極1302に接続)が形成されている。また、n型InGaAsP層1403、1404の上にはi−InPクラッド層1409が形成されて、コア層の上下に光を閉じ込める。
実施例2のマッハ・ツェンダ型光変調器1300の素子も一般的な化合物半導体プロセスにより作製可能である。特に、コアおよび埋め込み領域の不純物ドーピングはエピタキシャル成長を用いても作製できるが、本構造は横型構造であるために、エピタキシャル表面からのドーパント材料の選択的イオン注入や熱拡散を用いても作製できる。
導波路1430、1440間のnドーピング領域1402はアーム間の外側に伸ばされ、表面側からInGaAsコンタクト層を通してn電極を取り出し、図3の接地電極1305に接続された構成になっている。
実施例2のマッハ・ツェンダ型光変調器1300は、基板上面の前記第1の導波路及び前記第2の導波路の外側に隣接してp型クラッド層が設けられ、基板上面の第1の変調領域及び第2の変調領域の間に隣接してn型クラッドが設けられ、p型クラッド層はp電極に接続され、n型クラッド層はn電極に接続されているため、p電極と、n電極とに変調電圧を印加することにより、基板の水平方向に変調電圧を印加することができる。
本構造においても、図9のマッハ・ツェンダ型光変調器700の駆動回路と同一の回路により、表面のn電極(図13の接地電極1305に接続)及び2つのp電極1408の間に実施例1と同様に電圧を印加することによって、両アームに逆方向の屈折率変化を与えることができるため、単一の駆動電圧の印加によって強度変調信号を生成することができる。また、反絶縁性基板1401を用いることで同一電圧に対する素子容量を実施例1よりも抑制できるため、高速な変調動作を実現できる。
[実施例3]
図15は本発明の他の実施例(実施例3)にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器の構成を示す図であり、図16は、図15に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器の破線部E−E´における断面図である。マッハ・ツェンダ型光変調器1500の素子は、変調領域1510と位相調整領域1520とを有する。
マッハ・ツェンダ型光変調器1500は、半絶縁性InP基板1601上に、犠牲層1610及び空気層1611からなる厚さ200nmのエアブリッジ型スラブが形成され、第1の変調領域1510−1と第2の変調領域1510−2に対応する二つの変調導波路1630、1640がInP層に埋め込まれて形成されている。第1の変調領域1510−1及び第2の変調領域1510−2のコアにはバンドギャップ波長1.3μmのn型InGaAsP変調層1603、1604がそれぞれ形成されており、変調層1603(第1の変調領域1510−1)の不純物ドーピング濃度は1×1017cm−3、変調層1604(第2の変調領域1510−2)の不純物ドーピング濃度は4×1017cm−3と、異なるドーピング濃度を与える。第1と第2の変調領域のコアの間は濃度1×1018cm−3のn型ドーピングが施されたn−InP層1602(図15のn領域1630)が形成され、2つのコアの外側は濃度1×1018cm−3のp型ドーピングが施されたp−InP層1605(図15のp領域1640)が形成されている。また、p型ドーピング領域には濃度1×1019cm−3のInGaAsコンタクト層1606が形成されている。また、n型InGaAsP層1603、1604の上下にはi−InPクラッド層1609が形成されて、コア層の上下に光を閉じ込める。強度の増強のために、スラブ下の空気層1611はBCBやポリイミド樹脂などの樹脂で埋めても構わない。
実施例3のマッハ・ツェンダ型光変調器1500の素子も一般的な化合物半導体プロセスにより作製可能である。特に、コアおよび埋め込み領域の不純物ドーピングはエピタキシャル成長を用いても作製できるが、本構造は横型構造であるために、エピタキシャルの表面からのドーパント材料のイオン注入や熱拡散を用いても作製できる。本構造においても、図9のマッハ・ツェンダ型光変調器700の駆動回路と同一の回路により、実施例1と同様に表面のn電極(図15の接地電極1505に接続)及び2つのp電極1608の間に電圧を印加することによって両アームに逆方向の屈折率変化を与えることができるため、単一の駆動電圧の印加によって強度変調信号を生成することができる。本実施例についても、実施例2と同様に、基板の水平方向に変調電圧を印加することができる。
さらにエアブリッジ構造が形成されていることから、実施例2に対して光の閉じ込めを高くすることができ、効率の高い変調動作を実現することができる。
[実施例4]
図17は本発明の他の実施例(実施例4)にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器1700の構成を示す図であり、図18は、図17に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器1700の破線F−F´における断面を示す図である。マッハ・ツェンダ型光変調器1700の素子は変調領域1710と位相調整領域1720とを有する。
マッハ・ツェンダ型光変調器1700は、半絶縁性InP基板1801上に第1の変調領域1710−1及び第2の変調領域1710−2に対応する二つの変調導波路1830及び1840が形成されている。第1の変調領域1710−1及び第2の変調領域1710−2のコアは、n型ドーピングが施されたn型InGaAsP変調層1803及び1804により形成され、変調層1803(第1の変調領域1710−1)の不純物ドーピング濃度は1×1017cm−3、変調層1804(第2の変調領域1710−2)の不純物ドーピング濃度は4×1017cm−3と、異なるドーピング濃度を与える。第1及び第2の変調領域のコアの間は、濃度1×1018cm−3のn型ドーピングが施されたn−InGaAsP層1802が形成され、2つのコアの外側は濃度1×1018cm−3のp型ドーピングが施されたp−InGaAsP層1805が形成されている。また、p型ドーピング領域には濃度1×1019cm−3のInGaAsコンタクト層1806が形成されている。
実施例4のマッハ・ツェンダ型光変調器1700の素子も、一般的な化合物半導体プロセスにより作製可能である。特に、不純物ドーピングはエピタキシャルの表面からドーパント材料の部分的なイオン注入や熱拡散を用いて作製できる。本構造においても、図9のマッハ・ツェンダ型光変調器700の駆動回路と同一の回路により、実施例1と同様に表面のn電極(図17の接地電極1705に接続)及び2つのp電極1808の間に電圧を印加することによって両アームに逆方向の屈折率変化を与えることができるため、単一の駆動電圧の印加によって強度変調信号を生成することができる。本実施例についても、実施例2と同様に、基板の水平方向に変調電圧を印加することができる。また、本構造は、実施例2がInP埋め込み構造を採用しているのに対し、スラブ導波路と導波路をInGaAsPの単一構造で作製しているため、エピタキシャル成長の回数が少なく、簡易な手法により作製することができる。
[実施例5]
図19は本発明の他の実施例(実施例5)にかかるマッハ・ツェンダ型光変調器1900の構成を示す図であり、図20は、図19に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器1900の破線G−G´における断面を示す図である。マッハ・ツェンダ型光変調器の素子は、変調領域1910と位相調整領域1920とを有する。
マッハ・ツェンダ型光変調器1900は、半絶縁性InP基板2001上に、犠牲層2010及び空気層2011からなる厚さ200nmのエアブリッジ型のバンドギャップ波長1.3μmInGaAsPスラブが形成され、第1の変調領域1910−1と第2の変調領域1910−2に対応する高さ500nmの二つの変調リブ導波路が形成されている。第1の変調領域1910−1及び第2の変調領域1910−2のコアは、n型ドーピングが施されたn−InGaAsP変調層2003及び2004が形成されており、変調層2003(第1の変調領域1910−1)の不純物ドーピング濃度は1×1017cm−3、変調層2004(第2の変調領域1910−2)の不純物ドーピング濃度は4×1017cm−3と、異なるドーピング濃度を与える。第1及び第2の変調領域のコアの間は濃度1×1018cm−3のn型ドーピングが施されたn−InGaAsP層2002が形成され、2つのコアの外側には濃度1×1018cm−3のp型ドーピングが施されたp−InGaAsP層2005が形成されている。また、p型ドーピング領域には濃度1×1019cm−3のInGaAsコンタクト層2006が形成されている。強度の増強のために、スラブ下の空気層2011はBCBやポリイミド樹脂などの樹脂で埋めても構わない。特に、不純物ドーピングはエピタキシャルの表面からドーパント材料の部分的なイオン注入や熱拡散を用いて作製できる。
実施例5のマッハ・ツェンダ型光変調器1900の構造においても、図9のマッハ・ツェンダ型光変調器700の駆動回路と同一の回路により、実施例1と同様に表面のn電極(図19の接地電極1905に接続)と2つのp電極の間に電圧を印加することによって両アームに逆方向の屈折率変化を与えることができるため、単一の駆動電圧の印加によって強度変調信号を生成することができる。本実施例についても、実施例2と同様に、基板の水平方向に変調電圧を印加することができる。
また、本構造は、実施例3がInP埋め込み構造を採用しているのに対し、スラブ導波路と導波路をInGaAsPの単一構造で作製しているため、エピタキシャル成長の回数が少なく、容易な手法により作製することができる。また、実施例4と比較して、エアブリッジ構造が形成されていることから、実施例2に対して光の閉じ込め効果を上げることができ、効率の高い変調動作を実現することができる。
[その他の構成]
本実施例においては、InGaAsP材料を用いたが、InAlGaAs材料など、化合物半導体におけるキャリア効果を用いることのできる材料であればどのような光半導体材料系にも適用可能である。また、使用波長に従って、本原理に従う範囲でバンドギャップ波長やキャリアのドーピング濃度の設計変更を行うことができる。
100、600、700、1300、1500、1700、1900
マッハ・ツェンダ型光変調器
101、701、1301、1501、1701、1901 分波器
102、702、1302、1502、1702、1902 変調電極
103、703、1303、1503、1703、1903 位相調整電極
104、704、1304、1504、1704、1904 合波器
110、710、1310、1510、1710、1910 変調領域
120、720、1320、1720、1920 位相変調領域
201、801、901 n−InP基板
202、802、1402、1602 n−InPクラッド層
203 i層InGaAsP量子井戸変調層
204、805、1405、1605 p−InPクラッド層
205、806、1406、1606、1806、2006 コンタクト層
206、807 n電極
207、808、1408、1608、1808、2008 p電極
208、809、1612 樹脂層
230、830、840、1430、1440、1630、1640、1830、1840、2030、2040 ハイメサ導波路
300 LN変調器
301 LN基板
302 導波路
303 信号電極
304 接地電極
501、502 アーム用電源
503、601、710−1、1310−1、1510−1、1710−1、
1910−1 第1の変調領域
504、601、710−2、1310−2、1510−2、1510−2、
1910−2 第2の変調領域
803、1403、1603、1803、2003 第1のn−InGaAsP変調層
804、1404、1604、1804、2004 第2のn−InGaAsP変調層
903 変調電源
904−1、904−2 位相変調電源
1305、1705、1905 接地電極
1330、1530、1730、1930 n領域
1340、1540、1740、1940 p領域
1401、1601、1801、2001 半絶縁性InP基板
1409、1609 i−InPクラッド層
1610、2010 犠牲層
1611、2011 空気層
1802、2002 n−InGaAsPクラッド層
1805、2005 p−InGaAsPクラッド層

Claims (9)

  1. 半導体基板上の第1の導波路と、第2の導波路と、p型クラッド層と、n型クラッド層とを備えるマッハ・ツェンダ型光変調器であって、
    前記第1の導波路は第1の変調領域を備え、前記第1の変調領域はコアとして第1の変調層を備え、前記第1の変調層はnドープされた不純物層であり、
    前記第2の導波路は第2の変調領域を備え、前記第2の変調領域はコアとして第2の変調層を備え、前記第2の変調層はnドープされた不純物層であり、
    前記第1の変調層と前記第2の変調層とは、電圧印加方向に対して各アームの屈折率変化が逆方向になるようそれぞれのn型ドーピング濃度を設定し、
    前記第1の変調領域と前記第2の変調領域とに並列にバイアス電圧及び変調電圧を印加することにより変調動作を行うことを特徴とするマッハ・ツェンダ型光変調器。
  2. 前記第1の導波路及び前記第2の導波路は、それぞれ位相調整領域をさらに備え、前記それぞれの位相調整領域に電流注入または逆バイアス印加を行うことにより変調条件の調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器。
  3. 前記基板上面の前記第1の導波路上及び前記第2の導波路上に第1の電極を設け、前記基板裏面に第2の電極を設け、前記第1の電極がn電極かつ前記第2の電極がp電極であり、もしくは前記第1の電極がp電極かつ前記第2の電極がn電極であり、
    前記p電極と、前記n電極に変調電圧を印加することにより、前記基板に垂直に変調電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器。
  4. 前記基板上面の前記第1の変調層の両側に隣接してpクラッド層およびnクラッド層を設け、前記基板上面の前記第2の変調領域の間に隣接してpクラッド層およびnクラッド層を設け、
    前記p型クラッド層はp電極に接続され、前記n型クラッド層はn電極に接続され、
    前記p電極と、前記n電極に変調電圧を印加することにより、前記基板の水平方向に変調電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器。
  5. 前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層と、前記第1及び第2の変調領域は、異なる材料により形成されることを特徴とする請求項4に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器。
  6. 前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層と、前記第1及び第2の変調領域は、同一の材料により形成されることを特徴とする請求項4に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器。
  7. 前記半導体基板と、前記第1の導波路及び前記第2の導波路との間は、エアブリッジ型構造により形成されることを特徴とする請求項5または6に記載のマッハ・ツェンダ型光変調器。
  8. 半導体基板上の第1の導波路と、第2の導波路と、p型クラッド層と、n型クラッド層とを備えるマッハ・ツェンダ型光変調器の駆動方法であって、
    前記第1の変調領域と、前記第2の変調領域とに、平行にバイアス電圧を印加するステップと、
    前記第1の変調領域と、前記第2の変調領域とに、変調電圧をさらに印加するステップと
    を含み、
    前記第1の導波路は第1の変調領域を備え、前記第1の変調領域はコアとして第1の変調層を備え、前記第1の変調層はnドープされた不純物層であり、前記第2の導波路は第2の変調領域を備え、前記第2の変調領域はコアとして第2の変調層を備え、前記第2の変調層はnドープされた不純物層であり、前記第1の変調層と前記第2の変調層とは、電圧印加方向に対して各アームの屈折率変化が逆方向になるようそれぞれのn型ドーピング濃度を設定することを特徴とする駆動方法。
  9. 前記第1の導波路及び前記第2の導波路は、それぞれ位相調整領域をさらに備え、前記それぞれの位相調整領域に電流注入または逆バイアス印加を行うことにより変調条件の調整を行うステップをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の駆動方法。
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