JP2022052551A - 光スイッチ - Google Patents

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Abstract

Figure 2022052551000001
【課題】小型化に有利な光スイッチを提供する。
【解決手段】光スイッチ10は、第1方向性結合器12、第1アーム14、第2アーム15、第2方向性結合器16を有し、第1アーム14、第2アーム15には、マルチモード干渉導波路である第1光導波路21、第2光導波路22が設けられている。第1光導波路21のコアがドープされ、第1光導波路21のコアよりも第2光導波路22のコアのドープ量が小さい。第1光導波路21と第2光導波路22の各コアは、中間導電体26で電気的に接続され、第1光導波路21のコアに接続した第1電極24と第2光導波路22のコアに接続した第2電極25とに電圧を印加して、直列に接続された各コアに電流を流す。
【選択図】図1

Description

本発明は、光スイッチに関するものである。
半導体プロセスの技術を応用して作製される平面光波回路(Planar Lightwave Circuits, PLC)において、マッハツェンダ干渉計(Mach-Zehnder Interferometer, MZI)型の光スイッチが知られている。MZI型の光スイッチは、一対の方向性結合器と、これらの間に設けられた2本の光導波路とから構成される。入力光は、入力側の方向性結合器で2分割されて2本の光導波路にそれぞれ入射し、これら光導波路を伝播した後に、出力側の方向性結合器で合波される。2本の光導波路の光路長を制御することにより、出力側の方向性結合器の一対の出力端のいずれから光を出力するかを決めることができる。
上記光路長の制御では、2本の光導波路のうちの一方を加熱して昇温することにより屈折率を変化させることで、各光導波路の光路長に光の半波長分の差を与えるものが知られている。光導波路を加熱する場合、光導波路の近傍にヒータを配置する構成が知られている。また、ドープしたシリコン製の光導波路に電流を直接流して光導波路を発熱、昇温させる構成が知られている(非特許文献1を参照)。
MANUEL MENDEZ-ASTUDILLO, MASAKI OKAMOTO, YOSHIAKI ITO, AND TOMOHIRO KITA, "Compact thermo-optic MZI switch in silicon-on-insulator using direct carrier injection", Optics Express Vol. 27, Issue 2, pp. 899-906 (2019).
非特許文献1に開示されるように、光導波路に電流を直接流して光導波路を発熱、昇温する構成は、光導波路自体が発熱するため高速動作に有利である。しかしながら、コアを挟むように一対の電極が必要であり、この一対の電極を電源に接続する配線が一対の方向性結合器と2本の光導波路とにより実質的に閉じた閉領域内にコンタクトやホール等を形成しなければならない。このため、2本の光導波路の距離を小さくできず、光スイッチの大型化を招くという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化に有利な光スイッチを提供することを目的とする。
本発明の光スイッチは、ドープされた半導体からなり、クラッドで覆われた第1コアを有する第1光導波路と、前記第1光導波路と同一平面内に形成され、前記第1コアよりもドープ量が小さい半導体からなり、前記クラッドで覆われた第2コアを有する第2光導波路と、前記第1光導波路と同一平面内に形成され、前記第1コアの側面の一方に接した第1電極、前記第2コアの側面の一方に接した第2電極及び前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に設けられ一端が前記第1コアの側面の他方に他端が前記第2コアの側面の他方にそれぞれ接した中間導電体を有し、前記第1電極と前記第2電極とから電圧を印加して前記第1光導波路と前記第2光導波路とに電流を流す電極部とを備えるものである。
本発明の光スイッチによれば、ドープされた半導体からなる第1光導波路の第1コアと第1コアよりもドープ量が小さい半導体からなる第2光導波路の第2コアとをこれらの間に設けた中間導電体で接続し、第1コアに接続した第1電極と第2コアに接続した第2電極とに電圧を印加して、直列に接続された第1コアと第2コアとに電流を流す構成としたので、第1光導波路と第2光導波路との間にホールやコンタクト等ももうける必要がなく、光スイッチの小型化に有利となる。
実施形態に係る光スイッチを示す説明図である。 第1光導波路、第2光導波路及び電極部を示す説明図である。 図1におけるIII-III線に沿う断面図である。 熱伝導部を設けた例を示す要部断面図である。 第1アーム及び第2アームの光の損失を示すグラフである。 光スイッチによる光の損失を示すグラフである。 光スイッチのスイッチ動作特性を示すグラフである。 光スイッチのスイッチング応答特性を示すグラフである。 熱伝導部を設けた光スイッチのスイッチング応答特性を示すグラフである。
図1において、この実施形態の光スイッチ10は、マッハツェンダ干渉計(Mach-Zehnder Interferometer, MZI)型のものである。光スイッチ10は、入力光導波路11、第1方向性結合器12、第1アーム14、第2アーム15、第2方向性結合器16、第1出力光導波路17a、第2出力光導波路17b、電極部18を備えている。
第1方向性結合器12は、入力光導波路11に入力される光を第1アーム14、第2アーム15に分波する。第2方向性結合器16は、第1アーム14、第2アーム15からの光を合波、干渉し、第1出力光導波路17aまたは第2出力光導波路17bから光を出力する。第1方向性結合器12、第2方向性結合器16は、それらのコアが近接して配された構成であり、従来のMZI型光スイッチに用いられる方向性結合器と同じものを用いている。
第1アーム14は、第1光導波路21と、第1光導波路21と第1方向性結合器12とを連結する連結光導波路14aと、第1光導波路21と第2方向性結合器16とを連結する連結光導波路14bとから構成される。第2アーム15は、第2光導波路22と、第2光導波路22と第1方向性結合器12とを連結する連結光導波路15aと、第2光導波路22と第2方向性結合器16とを連結する連結光導波路15bとから構成される。この例では、第1アーム14と第2アーム15は、それらの長さ(光を導波する方向の長さ)が互いに同じであり、また第1光導波路21と第2光導波路22の長さも互いに同じであって、第1光導波路21と第2光導波路22とが並列に形成されている。第1アーム14と第2アーム15の長さ、第1光導波路21と第2光導波路22の長さが互いに異なる構成とすることもできる。
第1光導波路21及び第2光導波路22を除く光スイッチ10の各光導波路は、シングルモード光導波路であり、第1光導波路21及び第2光導波路22は、シングルモード光導波路より光導波路の幅が広いマルチモード干渉光導波路である。
連結光導波路14a、14bは、第1光導波路21との幅に違いよる光の反射及び損失を低減するために、第1光導波路21との連結部分において、第1光導波路21に向かって幅が漸増するテーパ形状にしてあるが、第1光導波路21との境界の幅は第1光導波路21よりも小さくしてある。連結光導波路15a、15bについても、同様に、第2光導波路22との連結部分において、第2光導波路22に向かって幅が漸増するテーパ形状にしてある。
この例における光スイッチ10は、例えばシリコン製の基板19上に形成したシリコン石英系光導波路を用いたものであり、第1光導波路21及び第2光導波路22を含む各光導波路は、例えばシリコン(Si)製のコアを二酸化ケイ素(SiO2)製のクラッドで覆った構成である。これらの光導波路の構成は、これに限定されるものではなく、コアとしてはSiGe,Ge,InP,InGaAsP等を、クラッドとしてはSiON,SiN等を用いることもできる。
光スイッチ10では、第1光導波路21を構成するコア21a(図2参照)と第2光導波路22を構成するコア22aにそれぞれ同じ電流を直接に流してコア21a、コア22aを異なる発熱量で発熱させ、それらを互いに異なる温度にすることで、第1光導波路21に対して第2光導波路22に伝播する光の半波長(λ/2)光路長に差を生じさせる。このため、シリコン製のコア21a、コア22aのドープ量を互いに異なったものにしてあり、この例では相対的にコア21aのドープ量が大きく、コア22aのドープ量が小さい。ドープ量が相対的に小さいコア22aについては、他方のコア21aよりも電気的な抵抗が大きくなっていればよいので、ノンドープとしてもよい。
相対的にドープ量が小さいコア22aは、ドープ量が大きいコア21aより電気的な抵抗が大きくなり、同じ電流を流したときにコア21aよりも大きな発熱量になる。コア21a、22aのドープ量ないしその差については、詳細を後述する電極部18によって発熱するコア21a、22aの領域の長さ、コア21a、22aの屈折率の温度依存性、印加する電圧等を考慮し、コア21a、22aに同じ電流を流したときに、半波長(λ/2)の光路長の差が生じるように決めればよい。なお、ドープ量が相対的に小さいコア22aは、ドープをしたものとすることが、電極部18の第1電極24、第2電極25間に印加する電圧を小さくする観点から好ましい。
電極部18は、導電性を有する第1電極24、第2電極25及び中間導電体26を備えている。この電極部18は、コア21a、22aを電気的に直列に接続して、その直列に接続したコア21a、22aに電源(図示省略)より電圧を印加して電流を流す。この例の第1電極24、第2電極25及び中間導電体26は、シリコンに高濃度ドープしたものであり、コア21aよりもドープ量を高くしてある。
コア21a、22aと、第1電極24、第2電極25及び中間導電体26とは、PN接合が形成されないようにするために、同じ極性(P型またはN型)の半導体となるようにドーピングしている。この例では、ボロン(B)をシリコンにドープすることにより、コア21a,22aと第1電極24、第2電極25及び中間導電体26とをP型の半導体にしている。なお、ドーパントの種類は特に限定されない。また、リン(P)等をドーパントとして用いて、コア21a,22aと第1電極24、第2電極25及び中間導電体26とをN型の半導体としてもよい。
中間導電体26は、第1方向性結合器12、第1アーム14、第2アーム15及び第2方向性結合器16が囲む領域(以下、閉領域と称する)内で第1光導波路21と第2光導波路22との間に配されている。この中間導電体26は、コア21aとコア22aとを電気的に接続する。第1電極24及び第2電極25は、閉領域の外側に配されている。第1電極24は、中間導電体26との間に第1光導波路21を挟む位置に配され、第2電極25は、中間導電体26との間に第2光導波路22を挟む位置に配されている。第1電極24及び第2電極25は、それらの基部に電極端子31、32が設けられており、電極端子31、32を介して電源に接続される。
図2に示すように、第1電極24は、第1光導波路21に沿って並ぶ3本の導線部24a~24cを有する。これらの導線部24a~24cは、先端がそれぞれ第1光導波路21のコア21aの一方の側面(コア21aの閉領域の外側の壁面)に接した状態に形成されており、コア21aと電気的に接続されている。導線部24a~24cは、基部で互いに繋がっている。
同様に、第2電極25は、第2光導波路22に沿って並ぶ3本の導線部25a~25cを有し、それらの先端がそれぞれ第2光導波路22のコア22aの一方の側面(コア22aの閉領域の外側の壁面)に接した状態に形成され、コア22aと電気的に接続されている。導線部25a~25cは、基部で互いに繋がっている。
中間導電体26は、その一端側(第1光導波路21側)に、第1光導波路21に沿って並ぶ3本の導線部26a~26cを有し、他端側(第2光導波路22)に第2光導波路22に沿って並ぶ3本の導線部26d~26fを有する。導線部26a~26cは、先端がそれぞれコア21aの他方の側面(コア21aの閉領域側の壁面)に接し、コア21aを挟んで導線部24a~24cの先端と対面する。また、導線部26d~26fは、先端がそれぞれコア22aの他方の側面(コア22aの閉領域側の壁面)に接し、コア22aを挟んで導線部25a~25cの先端と対面する。これにより、コア21aとコア22aとが中間導電体26によって電気的に接続されている。
第1電極24と第2電極25との間に電圧を印加したときには、コア21aでは、導線部24aと導線部26aとに挟まれる電極間コア領域、導線部24bと導線部26bとに挟まれる電極間コア領域及び導線部24cと導線部26cとに挟まれる電極間コア領域にそれぞれ電流が流れ、それらの各電極間コア領域が発熱する。また、コア22aでは、導線部25aと導線部26dとに挟まれる電極間コア領域、導線部25bと導線部26eとに挟まれる電極間コア領域及び導線部25cと導線部26fとに挟まれる電極間コア領域にそれぞれ電流が流れ、それらの各電極間コア領域が発熱する。
第1電極24の一端すなわち導線部24a~24cの先端がコア21aの側面に接する位置は、コア21aの側面において、第1光導波路21を伝播する光のパワーがマルチモード干渉現象によって最小となる位置に決められている。同様に、第2電極25の一端すなわち導線部25a~25cの先端がコア22aの側面に接する位置は、コア22aの側面において第2光導波路22を伝播する光のパワーがマルチモード干渉現象によって最小となる位置に決められている。中間導電体26の導線部26a~26cは、導線部24a~24cの先端と対面する位置であり、導線部26d~26fは、導線部25a~25cの先端と対面する位置であるので、これらについても、コア21aの側面において第1光導波路21を伝播する光のパワーが最小となる位置及びコア22aの側面において第2光導波路22を伝播する光のパワーが最小となる位置である。このように第1電極24、第2電極25、中間導電体26をコア21a、22aに接続することにより、第1光導波路21、第2光導波路22における光の損失を低くすることができる。
光のパワーがマルチモード干渉現象によって最小となる位置は、第1光導波路21、第2光導波路22の幅(コア21a、22aの幅)や入力される光の波長等を用いた理論的値や、シミュレーションによる値等として求めることができる。なお、この点に関しては、文献「MANUEL MENDEZ-ASTUDILLO, MASAKI OKAMOTO, YOSHIAKI ITO, AND TOMOHIRO KITA, “Compact thermo-optic MZI switch in silicon-on-insulator using direct carrier injection”, Optics Express Vol. 27, Issue 2, pp. 899-906 (2019)」に詳細が記載されている。
この例では、1つの側面について、光の伝播方向におけるコア21a、22aの中央を含む3カ所に接するように第1電極24、第2電極25及び中間導電体26を設けているが、コア21a、22aに接触する接触数は限定されず、1または複数とすることができる。第1電極24、第2電極25及び中間導電体26がコア21a、22aに接する接触数を少なくすることは、広い波長範囲の光について損失を抑えることができるという観点から好ましい。一方、第1電極24、第2電極25及び中間導電体26がコア21a、22aに接する接触数を多くすることは、コア21a、22aにおける抵抗が減少するため必要とする電力を得るための電圧を小さくするうえで有利である。また、コア21a、22aの側面における光の伝播方向の中央は、一般的に波長に寄らず光のパワーがマルチモード干渉現象によって最小となるので、この位置に第1電極24、第2電極25及び中間導電体26を接触させる構成は好ましい。なお、コア21aとコア22aとで第1電極24、第2電極25及び中間導電体26が接触する接触数が違っていてもよい。
個々の接触位置における第1電極24、第2電極25及び中間導電体26がコア21a、22aに接触する接触長(導線部24a~24c、25a~25c、26a~26fの各々の光の伝播方向の長さ)は、コアを挟む導線部同士の間の抵抗を十分に小さくしつつ、過剰な光損失を招くことがないように決められている。接触長は、第1光導波路21、第2光導波路22におけるマルチモード干渉のビート長の1/4以下にすることが好ましい。この例のビート長は、2400nmであるため、600nm以下とすることが好ましく、この例では400nmにしてある。
図3において、基板19上にクラッド34が形成され、このクラッド34にコア21a、コア22aが埋設されている。クラッド34は、電気的に絶縁性を有しコアよりも屈折率が低い二酸化ケイ素で形成されている。入力光導波路11、第1方向性結合器12、第1アーム14の連結光導波路14a、14b、第2アーム15の連結光導波路15a、15b、第2方向性結合器16、第1出力光導波路17a、第2出力光導波路17bを構成するコアについても、クラッド34に埋設されている。第1光導波路21及び第2光導波路22を含む各光導波路、すなわちコア21a、22aを含む各光導波路のコアは、同一の平面内に形成されている。また、コア21a、22aと同じ平面内に第1電極24、第2電極25及び中間導電体26の各導線が設けられている。図3では、第1電極24の導線部24b、第2電極25の導線部25b、中間導電体26の導線部26b、26eが示されている。第1電極24、第2電極25の基部の上層に電極端子31、32がそれぞれ形成され、第1電極24、第2電極25に接続されている。電極端子31、32は、例えばアルミニウム(Al)で形成されている。
この例では、各光導波路の厚みは210nmであり、第1光導波路21及び第2光導波路22を除くシングルモード光導波路の幅が400nm、マルチモード干渉光導波路である第1光導波路21及び第2光導波路22のコア21a、22aの幅が1200nmである。第1電極24、第2電極25及び中間導電体26の各導線の厚みは、コア21a、22aと同じである。第1光導波路21及び第2光導波路22の長さは、9.5μm(9500nm)である。
上記のように光スイッチ10では、第1光導波路21と第2光導波路22との間に中間導電体26を配し、閉領域の外側の第1電極24と第2電極25を介して、中間導電体26によって直列接続されたコア21aとコア22aに対して電流を流す構成である。このため、閉領域にコア21aまたはコア22aに接続するホールやコンタクト等の配線を設ける必要がない。また、中間導電体26は、コア21aとコア22aとを電気的に接続できればよいので小型化することが容易である。したがって、上記のように構成される光スイッチ10は、小型化に有利である。また、第1光導波路21と第2光導波路22(コア21aとコア22a)の間隔を狭く、例えば3μm程度に狭くすることが可能である。また、このように第1光導波路21と第2光導波路22との間隔は、より狭くすることができるため、より短い時間で、第1光導波路21と第2光導波路22の温度差を小さくすることができるため、光スイッチ10の高速なスイッチング応答特性を得るうえでも有利である。
上記のように構成される光スイッチ10では、光出力をクロス状態、すなわち入力光導波路11から入力される光を第2出力光導波路17bから出力する場合には、電極端子31、32間に電圧を印加しない状態にする。電圧を印加しないので、第1光導波路21のコア21a及び第2光導波路22のコア22aは、発熱しない。このため、第1光導波路21を含む第1アーム14と第2光導波路22を含む第2アーム15とは、同じ光路長に保たれ、第1方向性結合器12で第1アーム14と第2アーム15に分波された各光が第2方向性結合器16において合波されて干渉するため、第2出力光導波路17bから光が出力され、第1出力光導波路17aからは光が出力されない。
一方、光出力をバー(スルー)状態、すなわち入力光導波路11から入力される光を第1出力光導波路17aから出力する場合には、電極端子31、32間に電源から所定の電圧を印加する。第1光導波路21のコア21aと第2光導波路22のコア22aとが中間導電体26によって電気的に接続されているから、コア21aに電気的に接続されている第1電極24とコア22aに電気的に接続されている第2電極25との間に電流が流れる。すなわち、コア21aの各電極間コア領域と、コア22aの各電極間コア領域にそれぞれ電流が流れる。
コア22aは、コア21aに対してドープ量が低いためその抵抗が高い。一方、コア21aとコア22aは、直列に接続されているからコア21aの各電極間コア領域に流れる電流と、コア22aの各電極間コア領域に流れる電流とは同じである。したがって、コア22aの各電極間コア領域は、コア21aの各電極間コア領域における発熱量よりも大きく発熱し、コア21aの各電極間コア領域よりも温度が高くなる。熱光学効果により、コア21aの各電極間コア領域よりもコア22aの各電極間コア領域の屈折率が上昇することによって、第1光導波路21の光路長と第2光導波路22の光路長とに、入力された光の半波長分の差が形成される。そして、第1アーム14と第2アーム15からの各光が第2方向性結合器16で合波、干渉されることで、第1出力光導波路17aから光が出力され、第2出力光導波路17bからは光が出力されない。このときにコア22aは、それ自体に直接に電流が流れて発熱するため、速やかに温度上昇するので、電圧の印加から短い時間でクロス状態からバー状態に移行する。
電極端子31、32間への電圧の印加を停止すると、コア21a、22aは、第1電極24、第2電極25及び中間導電体26や、クラッド34を介して放熱し温度が下がる。そして、コア21a、22aの温度差がなくなると、第1光導波路21を含む第1アーム14と第2光導波路22を含む第2アーム15との光路長の差がなくなり、光出力がクロス状態になる。コア21a、22aは、中間導電体26を介して接続されており、またそれらの間隔を小さくできるので、コア21aとコア22aとの温度差が速やかに解消される。したがって、電圧の印加の停止からバー状態からクロス状態に短い時間で移行する。
上記のように光スイッチ10では、電圧の印加及びその停止に応答して短い時間でクロス状態からバー状態に移行し、またバー状態からクロス状態に移行するので、高速なスイッチング応答特性が実現される。
図4は、熱伝導部を設けた例を示している。この例の光スイッチ10Aでは、第1光導波路21及び第2光導波路22の各コア21a、22aに対して、基板19の厚み方向(コア21a、22aを含む平面の法線方向)に間隔をあけて対面した熱伝導部41がクラッド34に埋設された状態に設けられている。熱伝導部41は、基板19の厚み方向から見てコア21a、22aが並ぶ方向に広がり、コア21a、22aの延在する方向に延びている。熱伝導部41は、クラッド34よりも熱伝導度が高いものであれば、特にその形成材料は限定されず、例えば金属、半導体を用いることができる。この例では、熱伝導部41は、アルミニウム(Al)で作製されている。
上記のような熱伝導部41を設けることによって、コア21a、22aの周囲における熱伝導度が高められることにより、電極端子31、32への電圧の印加が停止されてからより短時間でコア21a、22aの温度が低下するようになり、結果的により速やかにコア21aとコア22aの温度が同じになって、光出力がバー状態からクロス状態にスイッチされる。したがって、より高速なスイッチング応答特性が得られる。
なお、第1光導波路21のコア21aに対面する熱伝導部と、第2光導波路22のコア21aに対面する熱伝導部をそれぞれ設けてもよい。また、コア21aよりも温度が高くなるコア22aにだけ熱伝導部を設けてもよい。
上記のように構成される光スイッチ10、10Aの特性について測定した結果を以下に説明する。なお、光スイッチ10、10Aの第1光導波路21のコア21aのドープ量は1×1018(1/cm)、第2光導波路22のコア22aはノンドープとした。また、第1電極24、第2電極25及び中間導電体26のドープ量は1.9×1020(1/cm)とした。
図5は、光スイッチ10の第1アーム14及び第2アーム15のそれぞれにおける光損失を測定した結果を示している。コア21aにドープすることによって第1アーム14の光損失が第2アーム15よりも大きくなるが、第1アーム14及び第2アーム15のいずれも0.3db程度ないしそれ以下の光損失となった。また、図6に示すように、光スイッチ10の挿入損失は、2dB以下であった。
図7に、熱伝導部を設けていない光スイッチ10のスイッチ動作特性と、図4に示されるように熱伝導部41を設けた光スイッチ10Aのスイッチ動作特性をそれぞれ測定した結果を示す。熱伝導部がない光スイッチ10のスイッチング電力は、15mWであり、消光比が38.0dBであった。一方、熱伝導部41を設けた光スイッチ10Aでは、熱伝導部41を設けた分だけ熱容量が大きくなったためスイッチング電力が22.6mWとなり熱伝導部がない光スイッチ10よりも少し大きくなったが、消光比が41.7dBと高くなった。
図8に熱伝導部を設けていない光スイッチ10についてのスイッチング応答特性を、また図9に熱伝導部41を設けた光スイッチ10Aについての応答特性を示す。なお、光スイッチ10Aに印加する電圧は、熱伝導部41を設けた分だけ熱容量が大きくなっていることに対応して、熱伝導部がない光スイッチ10に印加した電圧よりも高くした。光スイッチ10の立ち上がり時間は2.60μs±0.014、立ち下がり時間は1.42μs±0.019、光スイッチ10Aの立ち上がり時間は0.142μs±0.014、立ち下がり時間は0.401μs±0.013となった。光スイッチ10、10Aのいずれも良好なスイッチング応答特性を示し、光スイッチ10Aは、より高いスイッチング応答特性を示した。
10、10A 光スイッチ
21 第1光導波路
22 第2光導波路
24 第1電極
25 第2電極
26 中間導電体
41 熱伝導部

Claims (6)

  1. ドープされた半導体からなり、クラッドで覆われた第1コアを有する第1光導波路と、
    前記第1光導波路と同一平面内に形成され、前記第1コアよりもドープ量が小さい半導体からなり、前記クラッドで覆われた第2コアを有する第2光導波路と、
    前記第1光導波路と同一平面内に形成され、前記第1コアの側面の一方に接した第1電極、前記第2コアの側面の一方に接した第2電極及び前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に設けられ一端が前記第1コアの側面の他方に他端が前記第2コアの側面の他方にそれぞれ接した中間導電体を有し、前記第1電極と前記第2電極とから電圧を印加して前記第1光導波路と前記第2光導波路とに電流を流す電極部と
    を備えることを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記第1光導波路及び前記第2光導波路は、マルチモード干渉光導波路であり、
    前記第1電極と前記中間導電体の一端とは、前記第1光導波路を伝播する光の強度が最小となる前記第1コアの側面の1または複数の位置にそれぞれ接し、
    前記第2電極と前記中間導電体の他端とは、前記第2光導波路を伝播する光の強度が最小となる前記第2コアの側面の1または複数の位置にそれぞれ接する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 間隔をあけて前記第2コアと対面して設けられ、前記クラッドよりも熱伝導度が高い熱伝導部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチ。
  4. 前記熱伝導部は、前記第2コアに対面した位置から前記第1コアに対面する位置に延びていることを特徴とする請求項3に記載の光スイッチ。
  5. 前記第1電極、前記第2電極及び前記中間導電体は、前記第1コアよりも高濃度にドープされた半導体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  6. 前記第1コア、前記第2コア、前記第1電極、前記第2電極及び前記中間導電体は、ドープしたシリコンで構成され、前記クラッドは、SiOで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の光スイッチ。

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