JP5658895B2 - 光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体をコアとして用いた光導波路を有する光学素子に関するものである。
光通信で伝送される情報量は増加の一途をたどっている。これに対しては、(I)信号の伝送速度を増す、(II)波長多重通信のチャンネル数を増す、といった対策が進められている。
光通信では光パルスを用いて光信号が伝送される。そこで、上記(I)に関しては、光パルス間の間隔が狭まるため、光パルスの時間波形を制御することが重要となる。伝送路である光ファイバ中では、光の波長によって伝搬速度が異なるという波長分散のため、光ファイバを伝搬するに伴い光パルスの時間幅が拡がってしまう。このため、光ファイバとは逆の符号の波長分散を持つ光学素子を光ファイバ伝送路中に設けて、伝送路を伝搬した後の光パルスの波長分散を除去するという波長分散補償技術が必要になる。
一方、(II)の対策を進めると、光部品の数が増すとともに伝送経路も複雑になるため、光通信設備の大型化、複雑化、高額化につながるという問題が生じる。
光通信設備の大型化・複雑化を避けるには、設備を構成する装置の部品や回路など、構成要素の小型化、さらには小型化した構成要素を集積化して部品点数の増大を避けることが必要である。光部品の小型化を遂行するには、光部品を構成する基本要素である光学素子を小型化することが必須である。光通信用の光学素子は光導波路を用いて構成されることが多い。このため、光導波路を小型化することが、光部品の小型化を進める上で重要である。光導波路を小型化するには、シリコン(Si)などの屈折率の高い材料を用いることが必須である。これは、媒質中の光の波長はその媒質の屈折率に反比例するため、屈折率が高いほど光導波路のコア幅などの寸法が小さくなるからである。Siの屈折率は約3.5で、シリカ(SiO)の屈折率(約1.5)に比べて2.3倍以上である。Siなどの高屈折率材料は、平板の基板上に形成されるため、複数の光導波路を結合することが容易で、複数の光部品を集積化する目的に適している。
光部品の高額化を避けるには、光学素子の製造コストを低減することが重要である。光導波路が小型化されると、光学素子一個あたりに占める原材料コストが減少し、単価を削減することができる。Siなどの高屈折率材料は、平板の基板上に形成されるため、大面積基板を用いて多数の光学素子を一つの基板上に製造することができ、製造コストをさらに削減することが可能になる。
このような中、特許文献1で示されるような、シリコン光導波路を用いた光学素子が提案されている。また、非特許文献1には、シリコン光導波路に電圧を加えて光学特性を電気的に制御することが開示されている。
再公表WO2007−91465号公報
Richard A. Soref et. al. "Electrooptical Effects in Silicon", IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. QE-23, No. 1, January 1987
単一材料のコアからなるシングルモード光導波路において、その一部に、特許文献1に開示されているような、光導波路に電圧を加えることにより屈折率を変化させるなどの可変機構を備えた、光学特性が可変なデバイスが実現されている。この場合、電圧を印加することにより屈折率が可変な半導体コア領域と、それ以外の屈折率が可変ではないコア領域(同一集積回路上の他の機能部への伝送路や、素子外部の光学系へと接続するためのスポットサイズコンバータ部などを含む)との接続部において、屈折率が可変ではないコア領域を経由したリーク電流が発生してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、電圧を印加することにより屈折率が可変な半導体コア領域と屈折率が可変ではないコア領域との接続部において、屈折率が可変ではないコア領域を経由したリーク電流を低減することが可能な光学素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、前記コアの幅方向中央部に設けられ、前記コアに沿って延出し、その一端部が前記コアの光入出射端面または外周部に達する第1ギャップ部と、前記第1ギャップ部の他端部から前記光の光軸を挟んで互いに反対方向に分岐し、それぞれが前記コアの外周部に達する第2ギャップ部及び第3ギャップ部と、を有し、前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部は、前記コアより電気伝導率が低く、前記コアは、前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部によって、互いに電気的に分離された3つの分離領域を部分領域として含み、前記3つの分離領域のうち、前記第1ギャップ部を挟んで対向する2つの分離領域の一方が第1導電型、他方が前記第1導電型と逆極性の第2導電型の半導体コア領域をそれぞれ部分領域として含み、前記2つの半導体コア領域に電圧印加用の電極が接続されている光学素子を提供する。
本発明の光学素子においては、前記コアは、中央部の厚みの厚い厚板部とその両側の厚みの薄い薄板部とを有するリブ型形状を有し、前記第1ギャップ部は前記厚板部の幅方向中央部に設けられ、前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とは、前記厚板部の幅方向中央部の所定の位置から前記厚板部を挟んで互いに異なる方向に分岐していることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第1ギャップ部の前記厚板部に配置される部分、前記第2ギャップ部の前記厚板部に配置される部分、及び、前記第3ギャップ部の前記厚板部に配置される部分は、それぞれ前記光軸を挟んで線対称な形状を有することが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とにより前記2つの分離領域から分離された残りの1つの分離領域の屈折率は、前記第2ギャップ部及び前記第3ギャップ部の屈折率よりも高いことが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第2ギャップ部の前記厚板部と前記薄板部との境界部に配置される部分、及び、前記第3ギャップ部の前記厚板部と前記薄板部との境界部に配置される部分は、それぞれ光の導波方向に対して斜めに交差していることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記厚板部の前記光の導波方向と直交する断面内における前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部との間隔は、光の導波方向において連続的に変化することが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とのうち、前記厚板部に配置された部分により構成される形状が、V字形状又はU字形状をなしていることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第2ギャップ部及び前記第3ギャップ部は、それぞれ前記薄板部に配置される部分において光の導波方向と直交する方向に屈曲して前記コアの外周部に達していることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第1ギャップ部と前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とにより構成される形状が、T字形状をなしていることが望ましい。
本発明の光学素子においては、第1半導体コア領域の前記薄板部に前記電極が接続されていることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記ギャップ部は、絶縁体又は無極性の半導体によって構成されていることが望ましい。
本発明は、光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、前記コアの幅方向中央部に設けられ、前記コアに沿って延出し、その一端部が前記コアの光入出射端面または外周部に達する第1ギャップ部と、前記第1ギャップ部の他端部から前記光の光軸を挟んで互いに反対方向に分岐し、それぞれが前記コアの外周部に達する第2ギャップ部及び第3ギャップ部と、を有し、前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部は、前記コアより電気伝導率が低く、前記コアは、前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部によって互いに電気的に分離された3つの分離領域を部分領域として含み、前記3つの分離領域のうち、前記第1ギャップ部を挟んで対向する2つの分離領域が、それぞれ光を導波する半導体領域を部分領域として含み、前記半導体領域の一方が第1導電型であり、他方が、第1導電型と逆極性の第2導電型であり、前記2つの半導体領域間に電圧印加可能である光学素子を提供する。
本発明の光学素子によれば、第1ギャップ部を挟んで対向する2つの半導体コア領域(第1半導体コア領域及び第2半導体コア領域)が、第2ギャップ部及び第3ギャップ部によって、他の分離領域に含まれる屈折率が可変ではない半導体コア領域(第3半導体コア領域)と電気的に分離されている。そのため、第1半導体コア領域と第2半導体コア領域との間に電圧を印加した場合に、第3半導体コア領域を経由して第1半導体コア領域と第2半導体コア領域との間に発生するリーク電流を低減することができる。
第1実施形態の光学素子の説明図である。 複合コア光導波路を光の導波方向に垂直な平面で切った断面図である。 第3コア内の光強度の分布を示すシミュレーション結果である。 中間光導波路を光の導波方向に垂直な平面で切った断面図である。 単一コア光導波路を光の導波方向に垂直な平面で切った断面図である。 光学素子の各光導波路を基板と平行な面で切った断面図である。 光学素子の他の構成例を示す断面図である。 光学素子をマッハツェンダー干渉計に適用した例を示す図である。 第2実施形態の光学素子の説明図である。 第3実施形態の光学素子の説明図である。 第4実施形態の光学素子の説明図である。 実施例1の光学素子の要部を示す説明図である。 比較例1の光学素子の要部を示す説明図である。 第5実施形態の光学素子の全体を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施形態は、シリコン(Si)をコア材料とした光導波路に対して本願の光学素子を適用した場合の実施形態である。
なお、以下の図面においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する場合がある。この場合においては、光の導波方向をY方向、該導波方向と直交する光導波路の幅方向をX方向、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称する。なお、光導波路は基板上に形成されるため、X方向とY方向は基板と平行な方向であり、Z方向は基板と垂直な方向である。なお、以下の実施形態では、光導波路をコアがY方向に延びる直線光導波路としているが、コアが湾曲した曲がり光導波路であっても良い。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光学素子WG1の説明図である。光学素子WG1は、単一材料からなるコアを有するシングルモード光導波路である単一コア光導波路10と、ギャップ構造を有する複合コア光導波路30と、両者の中間に光学的に接続されて位置する中間光導波路20と、を備えている。
光導波路10,20,30のコア11,41,42は、それぞれ下部クラッド6上に形成されたコア1のY方向に連続した3つの部分領域を構成する。コア1は、Y方向に長手方向を有する帯状の半導体層として構成されており、その長手方向の一端面が第1の光入出射端面、他端面が第2の光入出射端面とされている。コア1の長手方向(光の導波方向;Y方向)の一端側には、コア1の幅方向(光の導波方向と直交する方向;X方向)の中央部に、コア1の長手方向に沿って延びる複合コアギャップ部(第1ギャップ部)31が設けられている。複合コアギャップ部31の一端部はコア1の光入出射端面に達しており、複合コアギャップ部31によってコア1の一端側の領域が長手方向と直交する方向に2分割されている。
複合コアギャップ部31の他端部には、Y軸(コア1内を導波する光の光軸)を挟んで互いに反対方向に分岐する第1中間コアギャップ部(第2ギャップ部)21aと第2中間コアギャップ部(第3ギャップ部)21bとが接続されている。複合コアギャップ部31、第1中間コアギャップ部21a、及び、第2中間コアギャップ部21bは、それぞれ絶縁性の材料によって構成されている。第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bとは、それぞれコア1の外周部に達するように形成されており、複合コアギャップ部31、第1中間コアギャップ部21a、及び、第2中間コアギャップ部21bによって、コア1が3つの分離領域A,B,Cに電気的に分離されている。
複合コアギャップ部31と第1中間コアギャップ部21aによって区画される第1分離領域Aのうちコア1の長手方向の一端面(第1の光入出射端面)を含む一部の領域、及び、複合コアギャップ部31と第2中間コアギャップ部21bによって区画される第2分離領域Bのうちコア1の長手方向の一端面(第1の光入出射端面)を含む一部の領域が、複合コア光導波路30のコア42となっている。また、第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bによって区画される第3分離領域Cのうちコア1の長手方向他端面(第2の光入出射端面)を含む一部の領域が、単一コア光導波路10のコア11となっている。そして、第1分離領域Aと第2分離領域Bとのうちのコア42に含まれない残りの領域、及び、第3分離領域Cのうちのコア11に含まれない残りの領域が、中間コア光導波路20のコア41となっている。
なお、「光入出射端面」とは、光入射端面又は光出射端面を意味する。光が単一コア光導波路10側から複合コア光導波路30側に導波される場合には、単一コア光導波路10側の光入出射端面は光入射端面であり、複合コア光導波路30側の光入出射端面は光出射端面である。光が複合コア光導波路30側から単一コア光導波路10側に導波される場合には、単一コア光導波路10側の光入出射端面は光出射端面であり、複合コア光導波路30側の光入出射端面は光入射端面である。本実施形態では、単一コア光導波路10側から複合コア光導波路30側に光が導波されるものとするが、この方向は逆でも良い。
本実施形態では、単一コア光導波路10と複合コア光導波路30とのインターフェースとして中間光導波路20を有し、複合コア光導波路30の第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した際に、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とが光の導波方向と直交する方向において対向する面から第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第1のリーク電流、及び、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とに光の導波方向において隣接する中間光導波路20のコア24を経由して第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第2のリーク電流を低減した光導波路を提供するものである。
次に、各領域について概要を説明する。
単一コア光導波路10は、単一材料によるコアからなる光導波路である。単一コア光導波路10は、他の機能を有する部分から本発明のギャップ構造を有する複合コア光導波路30へ光を導波する役割を果たす。他の機能とは、受発光器、干渉計等、光を用いた機能であり、使用に当たって機能素子外へ光を入力又は出力することが必須となる機能のことである。また、ここには、モードフィールドコンバータ(MFC)(スポットサイズコンバータ)など、光学素子外部の光部品との接続に要する機能も挙げられる。構造としては、一般に知られているシリコン細線光導波路や、リブ型光導波路などが挙げられる。
ここで、「単一」とは、高屈折率な材料からなるコアと低屈折率な材料からなるクラッドにより構成される構造を示す。「複合コア光導波路」の「複合」と区別するために用いており、低屈折率材料によりコアが分離しない構造である。例えば、シリコンをコア材料とした構造では、矩形のシリコンがシリカの中に埋め込まれる構造や、シリコンをリブ構造とし、下部にシリカ、上部が空気又はシリカからなる構造が知られている。また、第1のコアの周囲に第1のコアよりも低い屈折率を有する第2のコアを有する構造も、また、コアが分離しないという点で、ここで言う「単一コア」に含めるものとする。
単一コアは一般的な構造の光導波路で多様な場所で使用されている。本発明の中間光導波路は、この単一コア光導波路と、ギャップ構造を有する複合コア光導波路とを接続する役割を有するものであり、両端がその接続対象の光導波路の形状となる。これにより、ギャップ構造を有する複合コア光導波路構造とギャップ構造を有しない単一コア光導波路構造とを融合したデバイスを実現することが可能となる。
複合コア光導波路30は、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とが、それらの中央に位置する複合コアギャップ部31により分離され、これらの領域にまたがって光が伝播する、複合コア構造を有する光導波路である。コア42は、複合コアギャップ部31を挟んで分離された第1複合コア導電性部(第1半導体コア領域)(第1半導体領域)32と第2複合コア導電性部(第2半導体コア領域)(第2半導体領域)33とを部分領域として含む。複合コア光導波路30は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
複合コアギャップ部31は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも電気伝導率の低い絶縁性の材料から構成されている。第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とは、高抵抗の複合コアギャップ部31によって電気的に分離されており、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第2のリーク電流が複合コアギャップ部31により低減されることにより、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に高い電圧をかけることが可能となっている。
例えば、本実施形態では第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33としてP型およびN型のシリコンを用い、両者の間に電圧を加えることで、キャリアプラズマ効果による屈折率変化を利用して光学特性を可変に制御するデバイスを実現している。このとき、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間が電気伝導率の低い複合コアギャップ部31によって隔てられているので、第1のリーク電流の低減により、発熱増加による影響の減少や消費電力そのものの低減という効果が得られる。なお、キャリア密度変化による屈折率の変化については、非特許文献1に記載されている。
また、複合コアギャップ部31が第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも屈折率の低い材料から構成されている場合には、複合コアギャップ部31のない単一材料からなるコアの光導波路と比較して製造トレランスを広げる効果も得られる。
中間光導波路20は、単一コア光導波路10と複合コア光導波路30との間に位置し、低損失で単一コア光導波路10と複合コア光導波路30とを接続するとともに、複合コア光導波路30の第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した際に、単一コア光導波路10又は中間光導波路20内に生じる第2のリーク電流を低減することを目的として形成される。
図2は、複合コア光導波路30のXZ平面による断面図である。本実施形態では、SOI基板を元に加工して作製した光導波路を示す。基板5は、光学素子WG1を作製する元になる基板である。本実施形態においては、シリコン(Si)からなる。
基板5の上部に位置する下部クラッド6は、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも低い屈折率を有する材料であり、例えば、本実施形態においてはSOI基板の有する熱酸化膜(SiO)をそのまま利用している。上部クラッド7についても下部クラッド6と同様の条件を持つ。本実施形態においては、上部クラッド7にもSiOを使用している。下部クラッド6及び上部クラッド7の材料としては、窒酸化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)などを適用することも可能であり、例えば、窒酸化シリコンSiOでは、組成比x:yを制御することで、製造段階において屈折率を制御することが可能である。
第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33には、Siなどの半導体材料に適宜不純物を添加することにより、それぞれP型またはN型の導電性を付与したものとすることができる。例えば、第1複合コア導電性部32をP型領域として、第2複合コア導電性部33をN型領域としても良く、第1複合コア導電性部32をN型領域として、第2複合コア導電性部33をP型領域としても良い。P型とN型とのうちのいずれか一方を第1導電型、いずれか他方を第2導電型としたときに、第1複合コア導電性部32を第1導電型とし、第2複合コア導電性部33を第2導電型とすれば良い。
半導体からなる第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33に導電性を付与する不純物(ドーパント)は、母体媒質に応じて適宜選択して用いることができる。例えば、母体媒質がシリコン等のIV族半導体である場合には、P型極性を与える添加物としてホウ素(B)等のIII族元素が、また、N型極性を与える添加物としてリン(P)やヒ素(As)等のV族元素が挙げられる。
複合コア光導波路30のコア42は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図2の例では、コア42は、第1のリブである第1複合コア導電性部32と、第2のリブである第2複合コア導電性部33と、の2つのリブを部分領域として含む。第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33は複合コアギャップ部31よりも高屈折率の材料からなる。
第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第1複合コア導電性部32は、厚みの薄い平板部(薄板部)32bと、平板部32bの複合コアギャップ31側の縁の上に位置し、平板部32bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)32aとから構成される。第2複合コア導電性部33は、厚みの薄い平板部(薄板部)33bと、平板部33bの複合コアギャップ31側の縁の上に位置し、平板部33bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)33aとから構成される。凸状部32aと凸状部33aは、複合コアギャップ部31の両側を挟んで対向配置され、複合コアギャップ部31の側面に接している。凸状部32a,33aを構成する材料と平板部32b、33bを構成する材料は同じである。
リブ型光導波路は、中央の厚みのある凸状部32a,33aよりも十分離れた領域においては、その構造は光の伝播特性に影響はなく、適宜その形状を加工することが可能である。例えば、本実施形態においては、この厚みの薄い平板部32b、33bを介して図示略の電極パッド(電極)を備え、電圧を印加するものとしている。
なお、上記実施形態では、平板部32b、33bにそれぞれ電極が接続される構成を示したが、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加するための構成は、これに限定されない。例えば、平板部32b、33bに電気的に接続された配線等により、複合コア導電性部32,33間に電圧を印加する構成も可能である。
具体的には、この光学素子WG1が集積化されたときに、複合コア導電性部32,33の平板部32b、33bに電気的に接続された他のデバイスによって複合コア導電性部32,33間に電圧が印加されてもよい。
複合コアギャップ部31は、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも電気伝導率の低い高抵抗材料から構成される。本実施形態においては、絶縁体であるSiOを用いる。こうすることにより、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33の薄い平板部32b、33bを介して離隔した電極パッドに電気的に接続し、電極パッドに電圧を印加することによって複合コアギャップ部31を挟んだ第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33の両側領域に電荷を蓄え、キャリア密度変化により屈折率の変化を誘起し、光学素子WG1の光学特性を変化させることが可能となる。複合コアギャップ部31の材料については、前述した窒酸化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)、または無極性のSiも適用可能である。
このように構成された複合コア光導波路30が光の導波方向(Y方向)に一様に続くとした場合について、モードソルバーにより計算したシミュレーション結果を図3に示す。図3は、上部クラッド7、下部クラッド6、及び、複合コアギャップ部31を屈折率1.45のSiO、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33を屈折率3.48のSi、図2の各部の寸法をt=250nm、t=50nm、W=280nm、W=160nmとしたときの基本伝搬モードのシミュレーション結果の光強度分布を等高線図で表したものである。なお、参考のため各材料の界面を同時に記載した。このとき、基本伝搬モードの実効屈折率は2.1640であった。
図3に示したように、複合コア光導波路を伝播する光は、主に複合コア導電性部の凸状部に閉じ込められている。光の一部が平板部や複合コアギャップ部にしみ出しているが、大部分は厚みの厚い凸状部に閉じ込められており、コアの幅方向(X方向)において十分な閉じ込めが行われることがわかる。そのため、電圧印加時にキャリア密度の変化する凸状部が、伝搬モードにおいて光強度の強い部分となり、凸状部の屈折率変動に対する伝搬モードの実効屈折率変化が増大される。また、複合コアギャップ部を挟んで対向する一対の複合コア導電性部の構造が、誘電体を導電性の平板で挟んだキャパシタ状の構造となることで、電圧印加によるキャリア密度の増加が図られる。
図3に示されるように、各複合コア導電性部(半導体コア領域)において、光が導波する範囲は各複合コア導電性部の全体でなくてもよい。すなわち、光が導波する範囲は、複合コア導電性部の全体であってもよいし、一部であってもよい。
複合コア導電性部(半導体コア領域)は、光の導波が少ない部分を含んでいてもよいのであるから、一般的に「全域にわたり光が伝播する領域」と認識される「コア」という語を含んでいるものの、この一般的な概念に限定して解釈するべきものではない。
すなわち、「コア領域」は「光を導波する部分を含む領域」であるから、「半導体コア領域」は、光を導波する部分を含む「半導体領域」と言うこともできる。
図4は、中間光導波路20のXY平面による断面図である。中間光導波路20は中間コアギャップ部21a,21bによってコア41が複数の領域に分離されたギャップ構造を有する。中間光導波路20は、中間コア無極性部24と、その両側に位置する第1中間コアギャップ部21a及び第2中間コアギャップ部21bと、さらにその両側に位置する第1中間コア導電性部22及び第2中間コア導電性部23との5領域からなる構造を有する。コア41は、中間コアギャップ部21a,21bを挟んで分離された第1中間コア導電性部22と第2中間コア導電性部23と中間コア無極性部24とを部分領域として含む。第1中間コア導電性部22と第2中間コア導電性部23と中間コア無極性部24は中間コアギャップ部21よりも高屈折率の材料からなる。中間光導波路20は、単一のモードが前記3つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
中間光導波路20のコア41は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図4の例では、中間コア無極性部24が、厚みの厚い厚板部のみで構成され、第1中間コア導電性部22及び第2中間コア導電性部23が、厚みの薄い薄板部のみで構成され、第1中間コアギャップ部21a及び第2中間コアギャップ部21bが、厚みの厚い厚板部と厚みの薄い薄板部とで構成されているが、これらの構成は光の導波方向に沿って連続的に変化する。第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bとの間隔(厚板部における中間コア無極性部24の幅)Wは光の導波方向において変化し、単一コア光導波路側から複合コア光導波路側に向かうにつれて徐々に小さくなっていく。すなわち、厚板部の幅を一定とした状態で第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bの位置が厚板部の外周側から中央側に移動することにより、厚板部における中間コア無極性部24の幅が徐々に狭くなり、最終的には第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bとが厚板部の中央部で接続して中間コア無極性部の幅がゼロとなる。
第1中間コア導電性部22と第2中間コア導電性部23とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bも、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。このような対称性は、光の導波方向全体で維持される。
中間コアギャップ部21a,21bは、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、電気伝導率の小さい高抵抗材料からなる。本実施形態の場合、中間コアギャップ部21a,21bは複合コアギャップ部31と同じ材料からなるが、複合コアギャップ部31と異なる材料によって構成しても良い。第1中間コア導電性部22、第2中間コア導電性部23、及び、中間コア無極性部24は、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33を構成するコア材料と同種の材料(本実施形態の場合はSi)からなる。
図5は、単一コア光導波路10のXZ平面による断面図である。単一コア光導波路10のコア11は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。コア11は、厚みの薄い平板部11bと、平板部11bの中央部に位置し、平板部11bから上部クラッド7側に突出する凸状部11aとから構成される。凸状部11aを構成する材料と平板部11bを構成する材料は同じである。コア11においては、凸状部11aが低屈折率のギャップ部によって分離されておらず、単一材料によって構成された単一コアとなっている。
本実施形態においては、コア11はシリコンからなり、複合コア光導波路のコア(第1複合コア導電性部32、第2複合コア導電性部32)と、中間光導波路のコア(第1中間コア導電性部22、第2中間コア導電性部23、中間コア無極性部24)と同一幅(W=2W+W)及び高さ(t,t)を有して、一度に形成される。図5の単一コア光導波路10は、図2に示した複合コア光導波路30と比較して、コア11がギャップ部を有しないこと、コア1が不純物のドーピングを必須としないこと以外は、複合コア光導波路30と同じである。
本実施形態の場合、コア11は、SOI基板の表層部のシリコン層を用いて形成される。複合コア光導波路のコアは、P型又はN型の不純物をドーピングされているが、コア11の場合はこのような不純物がドーピングされておらず、無極性の半導体となっている。
ここで、「無極性」とは、シリコン層に外部から不純物ドーピングを行っていないということを意味し、シリコン層が真性半導体からなる場合だけでなく、SOI基板にもともと含まれている微量な導電性不純物によってシリコン層に微量な導電性不純物が含まれている場合も含む。例えば、チョクラルスキー法等の製法で作製されたシリコン基板には、P型又はN型の導電性不純物が微量に含まれているのが一般的である。そのようなシリコン基板を用いてSOI基板を作製した場合には、SOI基板の内部に存在する導電性不純物によって、得られるコア11の内部にも微量な導電性不純物が含まれることとなる。
なお、コア11の材料、形状は特にこれに限らず、上部クラッド7及び下部クラッド6が光導波路を形成するという条件のもと適宜選択することができる。また、半導体を材料として用いた場合の極性に関して、必ずしも無極性の半導体である必要はなく、複合コア導電性部において使用されているN型及びP型の極性を有する半導体材料の使用も可能である。
図6は、光導波路10,20,30を基板と平行な面で切った断面図である。中間光導波路20は、単一コア光導波路10との接続界面においては単一コア光導波路10と同一断面構造を有して接続され、複合コア光導波路30との接続界面においては複合コア光導波路30と同一断面構造を有して接続される。図6中央部の点線は、コア中央の厚みのある部分と薄い部分との境界を示し、中間光導波路においても、単一コア光導波路、複合コア光導波路と同一の幅を有する。
第1中間コア導電性部22においては、光の導波方向において隣接する第1複合コア導電性部32と同じ極性の不純物がドーピングされており、第2中間コア導電性部23においては、光の導波方向において隣接する第2複合コア導電性部33と同じ極性の不純物がドーピングされている。すなわち、第1複合コア導電性部32がP型、第2複合コア導電性部33がN型である場合は、第1中間コア導電性部22はP型、第2中間コア導電性部23はN型であり、第1複合コア導電性部32がN型、第2複合コア導電性部33がP型である場合は、第1中間コア導電性部22はN型、第2中間コア導電性部23はP型である。中間コア無極性部24及びコア11には、不純物はドーピングされておらず、無極性の半導体コア領域(無極性半導体領域)となっている。
単一コア光導波路10と複合コア光導波路30との違いは、複合コアギャップ部31の有無である。中間光導波路20では、両者を低損失で接続するために、中間コアギャップ部21a、21bは、光の導波方向に沿って、その幅方向の中央に設けられた、コア11と同一の材料からなりコア11と連続的に接続される中間コア無極性部24により、二手に分離される。
中間コア無極性部24は、単一コア光導波路10側に進むにつれて徐々に幅の広がるテーパ構造を有し、また、第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ21bは中間コア無極性部24の幅方向の両側に位置し、単一コア光導波路10側に向かってその位置を中央より外側に徐々に変化させていく。このように光の導波方向の長さに対する断面構造の変化を小さくすることで、光は中間光導波路20を低損失に伝搬し、単一コア光導波路20と複合コア光導波路30とを光学的に接続することができる。
本実施形態では、光導波路10,20,30はリブ型光導波路構造であり、光はその厚みのある中央を中心に通る。中間コア無極性部24における幅方向の十分遠方の領域においては、任意の形状をとることが可能である。例えば、図3のシミュレーションにおける導波モードの光強度は、中心から1μm離れた位置では最大位置の1000分の1、2μmでは1000万分の1と急激に減少し、2μm離れた部分における構造は、光の導波への影響は殆ど無いと考えられる。このことから、中間コア無極性部24が、薄い平板部(スラブ領域)を含む遠方にわたる全領域において中間コアギャップ部21a、21bにより分離されるように構成することにより、複合コア導電性部32,33間に電圧を印加した場合の、中間コア無極性部24を経由して複合コア導電性部32,33間に流れる第2のリーク電流を低減することが可能となる。
一例を図7に示す。この例では、光の伝搬する領域から離れた部分において中間コアギャップ部21a,21bは光の導波方向と直交する方向に屈曲してコアの外周部に至る部分21c,21dを有する。単一コア光導波路10、中間光導波路20、複合コア光導波路30の各光導波路は、その境界において互いに同一の断面構造を有するが、ここでは便宜上境界を図7の点線で示すように定義する。すなわち、中間光導波路20は、複合コア光導波路30に対してギャップ部の幅が変化する位置を境界とし、また、単一コア光導波路10に対して低屈折率材料によるギャップ部がその断面において存在する部分と存在しない部分の境を境界とする。ただし、このときギャップ部が十分に遠方においてのみ存在するような断面構造では、光に対するギャップ部の影響は無視できるため、単一コア光導波路と考えて差し支えない。
[光学素子の利用例]
本発明の光学素子をマッハツェンダー干渉計(Mach-Zehnder Interferometer;MZI)の一部として利用する場合について、図8を用いて説明する。図8は、マッハツェンダー干渉計を基板に水平な面(XY平面)で切断した断面を示す概略図である。
MZI光導波路101は、本実施形態における単一コア光導波路と同一の断面構造により構成され、SOI基板上にシリコンリブ光導波路として形成される。位相調整部102は、マッハツェンダー干渉計の2本のアームの片側に設置され、本実施形態における複合コア光導波路と同一の断面構造により構成される。位相調整部102の両側の第1接続部103及び第2接続部104は、本実施形態の光学素子によって構成される。第1接続部103及び第2接続部104においては、それぞれ光学素子の複合コア光導波路が位相調整部102と接続され、光学素子の単一コア光導波路がMZI光導波路101と接続される。これにより、MZI光導波路101と位相調整部102とが接続される。
具体例として、図1に示す光学素子WG1を第1接続部103及び第2接続部104に用いた場合について説明する。
第1接続部103においては、複合コア導電性部32、33の端部が位相調整部102の一方の端部に接続され、単一コア光導波路10の端部がMZI光導波路101に接続される。第2接続部104においては、複合コア導電性部32、33の端部が位相調整部102の他方の端部に接続され、単一コア光導波路10の端部がMZI光導波路101に接続される。
これによって、位相調整部102の一方の端部は第1接続部103を介してMZI光導波路101に接続され、他方の端部は第2接続部104を介してMZI光導波路101に接続される。
位相調整部102においては、外部より電極を通じて複合コア導電性部に電圧を印加することにより、複合コア導電性部に屈折率変化を誘起し、光の伝搬速度を変える。そして、位相調整部102の設けられていない反対側のアームを通過する光に対して位相差を発生させることにより、出力端における光の強度を制御する。
光学素子WG1の光学特性についてのシミュレーションを次のように行った。
図12に示すように、中間光導波路20は、第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bが直線状であり、その間隔(中間コア無極性部24の幅)が光の導波方向において単一コア光導波路側から複合コア光導波路側に向かうにつれて徐々に小さくなっていく構造を想定した。各部の寸法は、L=160μm、L=240μm、W(分岐部における中間コアギャップ部21a、21bの間隔)=60nm、W=1.94μm、とした。図2の各部の寸法は、t=250nm、t=50nm、W=280nm、W=160nmとした。
上部クラッド7、下部クラッド6、ギャップ部31,21a,21bにはSiOを使用し、屈折率は1.45とした。複合コア導電性部32、33にはSiを使用し、屈折率は3.48とした。
一般に、伝播距離が長いほどモード変換による損失は低減し、高い結合効率が期待できるが、その半面、導波路の側壁面における伝播損失も大きくなる。この伝播損失は、例えば、T. Tsuchiyzawa, K. Yamada, H. Fukuda, T. Watanabe, J. Takahashi, M. Takahashi, T. Shoji, E. Tamechika, S. Itabashi, and H. Morita, “Microphotonic devices based on silicon microfabrication technology,”. IEEE J. Sel. Topics Quantum Electron., vol. 11, no. 1, pp. 232-240,. Jan./Feb. 2005.において2.8dB/cmという値が得られているが、適用する構造、製造条件等により伝播損失は変化するため、適宜条件に合わせて設計する必要がある。
実施例1のシミュレーションでは、実際のデバイスの中での割り当て可能な長さを考慮し、光学素子の長さを400μmと想定した。
比較のため、図13に示すように、中間光導波路20がないこと以外は実施例と同じ構成の光学素子についても同様のシミュレーションを行った(比較例1)。
シミュレーションは、Eigen Mode Expansion法に基づいて行った。各断面構造における導波モードは、有限要素法や、透過屈折率法等により定めることができる。
その結果、実施例1では、TE−likeモードが88.3%、TM−likeモードが97.8%となった。
一方、比較例1では、TE−likeモードが76.8%、TM−likeモードが86.5%となった。
これらの結果より、実施例では優れた光学特性が得られたことが確認された。
なお、TE−likeモードとは、光の電界の主成分が光導波方向に垂直で、基板面に平行な伝播モードであり、TM−likeモードとは、光の電界の主成分が光導波方向に垂直で、基板面にも垂直な伝播モードである。
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2実施形態にかかる光学素子WG2の説明図である。図9の光学素子WG2において、図1に示した第1実施形態の光学素子WG1と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図1に示した第1実施形態の光学素子WG1では、コア1の幅は光の導波方向全体を通じて一定であったが、コア1の幅を光の導波方向に沿って異ならせても良い。具体的として、中間光導波路のコアの幅が光の導波方向に沿って徐々に変化する構造を図9に示す。
図9の光学素子WG2において、単一コア光導波路10のコア101の幅Wと複合コア光導波路30のコアの幅Wとは異なっている。単一コア光導波路10側ではコアの幅は小さく、複合コア光導波路側ではコアの幅は大きい。ここで、「コアの幅」とは、ギャップ構造を含む構造の場合は、そのギャップ部の幅を含めた幅を意味する。例えば、複合コア光導波路30のコアの幅Wは、複合コア導電性部32,33の幅と複合コアギャップ部31の幅とを合計した幅である。
中間コア光導波路20においては、単一コア光導波路10と複合コア光導波路30とを低損失で接続するために、単一コア光導波路10側のコアの幅を単一コア光導波路10のコア101の幅Wと一致させ、複合コア光導波路30側のコアの幅を複合コア光導波路30のコアの幅Wと一致させる。そのため、中間光導波路20内では、コアの幅は光の導波方向に沿って変化することとなる。本実施形態の場合、その変化は単一コア光導波路10近傍の領域においては緩やかに行われ、それ以外の領域では一定である。コア幅の変化は光の導波方向において連続的に行われる。このようにすることで、低損失な伝搬が可能となる。
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3実施形態にかかる光学素子WG3の説明図である。図10の光学素子WG3において、図1に示した第1実施形態の光学素子WG1と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第1実施形態の光学素子WG1では、複合コアギャップ部31と第1中間コアギャップ部21a、及び、複合コアギャップ部31と第2中間コアギャップ部21bは、いずれも鈍角を成して交差していた。しかし、第1中間コアギャップ部21aと第2中間コアギャップ部21bの構成はこれに限らない。例えば、図10に示すように、複合コアギャップ部31と第1中間コアギャップ部21e、及び、複合コアギャップ部31と第2中間コアギャップ部21fとをいずれも鋭角に交差させることも可能である。この場合、第1中間コアギャップ部21a及び第2中間コアギャップ部21bは、いずれも複合コアギャップ部31の端部から複合コア光導波路30側に分岐してコア1の外周部に至る。複合コアギャップ部31の端部は鋭く尖っている(断面積が他の部分よりも小さくなっている)ことが望ましく、これにより当該端部における散乱損失が抑えられ、低損失な光の伝搬が可能となる。
図10の例では、第1中間コアギャップ部21e及び第2中間コアギャップ部21fで構成される部分がV字形状をなしているが、この形状はU字のように一部が湾曲していても良い。また、図7のように、コア1の厚板部に配置される部分がV字形状又はU字形状をなすように形成され、薄板部に配置された部分が光の導波方向と直交する方向に屈曲してコア1の外周部に至る部分となっていても良い。
[第4の実施の形態]
図11は、本発明の第4実施形態にかかる光学素子WG4の説明図である。図11の光学素子WG4において、図1に示した第1実施形態の光学素子WG1と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図11の光学素子WG4では、中間光導波路が存在せず、単一コア光導波路10と複合コア光導波路30とが直接接続されている。第1複合コアギャップ部31aの端部からは単一コア光導波路10と複合コア光導波路30との接続部に沿って光の導波方向と直交する方向に第2複合コアギャップ部31bと第3複合コアギャップ部31cとが分岐しており、3つのギャップ部31a,31b,31cがT字形状をなすように形成されている。
この構成でも、コア1は第1複合コアギャップ部31a、第2複合コアギャップ部31b、及び、第3複合コアギャップ部31cによって3つの分離領域に電気的に分離される。よって、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加したときに、コア11を迂回して複合コア導電性部32,33間に流れる第2のリーク電流を低減することができる。
光学素子WG4の光学特性についてのシミュレーションを次のように行った。
図2のt=250nm、t=50nmとした。図5のW=720nmとした。ギャップ部31a,31b,31cにはSiOを使用することを想定した。ギャップ部31a,31b,31cの幅はいずれも160nmとした。
Eigen Mode Expansion法に基づいてシミュレーション行った結果、ギャップ部31b,31cにおける反射率は、TE−likeモードが11.5%、TM−likeモードが11.4%となった。
なお、シミュレーションは、第1実施形態の光学素子WG1の実施例1について行った方法に準じて行った。
[第5の実施の形態]
図14は、本発明の第5実施形態にかかる光学素子WG5の説明図である。
図14の光学素子WG5において、図11に示した第4実施形態の光学素子WG4と共通する構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
光学素子WG5は、第1複合コアギャップ部31a(中間ギャップ部)の両端部に、それぞれ光の導波方向と直交する方向に第2複合コアギャップ部31bと第3複合コアギャップ部31cとが分岐して形成されている。
すなわち、光学素子WG5は、第1複合コアギャップ部(中間ギャップ部)の両端部に、それぞれ光学素子WG4と同様にT字形状にギャップ部が分岐形成された構成である。
前述のように、光学素子WG4は優れた反射特性を有するため、発光または光増幅機構を組み込むことなどにより、光共振器としての利用が可能となる。例えば、レーザ発振に応用できる。
発光または光増幅機構では、複合コアギャップ部に、例えばEr等の希土類元素イオンや蛍光物質などの、励起光により発光する発光物質が添加された材料を用いることができる。この機構に励起光を導入することで発光または光増幅が可能となる。
光学素子WG5は、電圧を印加することにより、複合コア導電性部に屈折率変化を誘起し得る構成であるため、導波路長を調整することで発振波長を制御することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、Siをコア材料として用いたが、コア材料はこれに限らず、GeやSiGeなどの他の半導体材料を用いても良い。
また、上記実施形態では、3つのギャップ部で構成される形状をY字、U字、T字などとしたが、この形状はこれに限らず、コア1を3つに分離できる形状であれば、どのようなものを用いても良い。この場合、3つのギャップ部で構成される形状は、Y軸(コア1内を導波する光の光軸)を挟んで線対称な形状となっていることが望ましい。これにより、電気的、光学的な特性を光の光軸を挟んで対称なものとすることができる。
ただし、リブ構造の光導波路を用いる場合、その厚板部よりも十分に遠方の領域においては、光の導波への影響は殆ど無い。そのため、そのような領域における対称性は必ずしも必要とされない。光はコアの主に厚板部に閉じ込められているため、少なくとも厚板部に配置された部分が対称な形状となっていれば良い。
1…コア、21a,21b,21c,21d,21e,21f,31,31a,31b,31c…ギャップ部、32,33…複合コア導電性部(半導体コア領域)(半導体領域)、32b,33b…薄板部、A,B,C…分離領域、WG1,WG2,WG3,WG4…光学素子

Claims (12)

  1. 光を導波する半導体のコア(1)を有する光学素子であって、
    前記コアの幅方向中央部に設けられ、前記コアに沿って延出し、その一端部が前記コアの光入出射端面または外周部に達する第1ギャップ部(31)と、前記第1ギャップ部の他端部から前記光の光軸を挟んで互いに反対方向に分岐し、それぞれが前記コアの外周部に達する第2ギャップ部(21a)及び第3ギャップ部(21b)と、を有し、
    前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部は、前記コアより電気伝導率が低く、
    前記コアは、前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部によって、互いに電気的に分離された3つの分離領域(A,B,C)を部分領域として含み、
    前記3つの分離領域のうち、前記第1ギャップ部を挟んで対向する2つの分離領域(A,B)の一方が第1導電型、他方が前記第1導電型と逆極性の第2導電型の半導体コア領域(32,33)をそれぞれ部分領域として含み、前記2つの半導体コア領域に電圧印加用の電極が接続されていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記コアは、中央部の厚みの厚い厚板部(32a)とその両側の厚みの薄い薄板部(32b)とを有するリブ型形状を有し、前記第1ギャップ部は前記厚板部の幅方向中央部に設けられ、前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とは、前記厚板部の幅方向中央部の所定の位置から前記厚板部を挟んで互いに異なる方向に分岐していることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1ギャップ部の前記厚板部に配置される部分、前記第2ギャップ部の前記厚板部に配置される部分、及び、前記第3ギャップ部の前記厚板部に配置される部分は、それぞれ前記光軸を挟んで線対称な形状を有することを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とにより前記2つの分離領域から分離された残りの1つの分離領域の屈折率は、前記第2ギャップ部及び前記第3ギャップ部の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記第2ギャップ部の前記厚板部と前記薄板部との境界部に配置される部分、及び、前記第3ギャップ部の前記厚板部と前記薄板部との境界部に配置される部分は、それぞれ光の導波方向に対して斜めに交差していることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記厚板部の前記光の導波方向と直交する断面内における前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部との間隔は、光の導波方向において連続的に変化することを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とのうち、前記厚板部に配置された部分により構成される形状が、V字形状又はU字形状をなしていることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記第2ギャップ部及び前記第3ギャップ部は、それぞれ前記薄板部に配置される部分において光の導波方向と直交する方向に屈曲し前記コアの外周部に達していることを特徴とする請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記第1ギャップ部と前記第2ギャップ部と前記第3ギャップ部とにより構成される形状が、T字形状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  10. 前記半導体コア領域の前記薄板部に前記電極が接続されていることを特徴とする請求項〜9のうちいずれか1項に記載の光学素子。
  11. 前記ギャップ部は、絶縁体又は無極性の半導体によって構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学素子。
  12. 光を導波する半導体のコア(1)を有する光学素子であって、
    前記コアの幅方向中央部に設けられ、前記コアに沿って延出し、その一端部が前記コアの光入出射端面または外周部に達する第1ギャップ部(31)と、前記第1ギャップ部の他端部から前記光の光軸を挟んで互いに反対方向に分岐し、それぞれが前記コアの外周部に達する第2ギャップ部(21a)及び第3ギャップ部(21b)と、を有し、
    前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部は、前記コアより電気伝導率が低く、
    前記コアは、前記第1ギャップ部、前記第2ギャップ部、及び、前記第3ギャップ部によって互いに電気的に分離された3つの分離領域(A,B,C)を部分領域として含み、
    前記3つの分離領域のうち、前記第1ギャップ部を挟んで対向する2つの分離領域(A,B)が、それぞれ光を導波する半導体領域(32,33)を部分領域として含み、
    前記半導体領域の一方が第1導電型であり、他方が、第1導電型と逆極性の第2導電型であり、
    前記2つの半導体領域間に電圧印加可能であることを特徴とする光学素子。
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