JP2011069911A - 変調光を生成する方法、マッハツェンダ型光変調半導体素子、及び、光変調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャーピングを低減可能な、変調光を生成する方法、マッハツェンダ型光変調半導体素子、及び、光変調装置を提供する。
【解決手段】入射光L0を分波して第1及び第2の分岐光(L1、L2)を生成しそれぞれを第1及び第2の導波路(3、4)に提供し、第1及び第2の導波路に第1及び第2の信号電圧をそれぞれ印加して第3及び第4の分岐光(L3、L4)を生成し、第3及び第4の分岐光を合成して変調光L5を生成し、当該素子20への印加電圧の範囲は、第1及び第2の電圧範囲を含み、第2の電圧範囲は、第1電圧範囲とゼロ電圧との間にあり、第1の信号電圧は第1の電圧範囲内にあり、第2の信号電圧は第1の信号電圧と同位相であり且つ第2の電圧範囲内にあり、第1及び第2の導波路の活性層32の屈折率の電圧依存性は、第1の電圧範囲では負の傾きを有すると共に、第2の電圧範囲では正の傾きを有することを特徴とする方法。
【選択図】図1
【解決手段】入射光L0を分波して第1及び第2の分岐光(L1、L2)を生成しそれぞれを第1及び第2の導波路(3、4)に提供し、第1及び第2の導波路に第1及び第2の信号電圧をそれぞれ印加して第3及び第4の分岐光(L3、L4)を生成し、第3及び第4の分岐光を合成して変調光L5を生成し、当該素子20への印加電圧の範囲は、第1及び第2の電圧範囲を含み、第2の電圧範囲は、第1電圧範囲とゼロ電圧との間にあり、第1の信号電圧は第1の電圧範囲内にあり、第2の信号電圧は第1の信号電圧と同位相であり且つ第2の電圧範囲内にあり、第1及び第2の導波路の活性層32の屈折率の電圧依存性は、第1の電圧範囲では負の傾きを有すると共に、第2の電圧範囲では正の傾きを有することを特徴とする方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、変調光を生成する方法、マッハツェンダ型光変調半導体素子、及び、光変調装置に関する。
特許文献1には、半導体マッハツェンダ変調器を用いて信号光を生成する方法が記載されている。この方法では、入射光を2つの分岐光に分岐した後に、各分岐光を第1及び第2の導波路にそれぞれ導波させる。第1及び第2の導波路上にはそれぞれ第1及び第2の電極が設けられており、第1の電極には信号源が接続され、第2の電極は接地されている。第1の導波路には、第1の電極を介して、光オフするためにゼロでない電圧が印加されると共に、光オンするためにゼロ電圧が印加される。第2の導波路には電圧が印加されない。そして、2つの導波路を伝播した光を合成して、信号光を生成している。
上記の方法によれば、第1の導波路には電圧が印加され、第2の導波路には電圧が印加されない。このため、第1の導波路の屈折率は変化し、第2の導波路の屈折率は変化しない。その結果、第1の導波路を伝播する分岐光の位相は変化し、第2の導波路を伝播する分岐光の位相は変化しない。そして、位相が変化した分岐光と位相が変化していない分岐光とを合成することによって、信号光が生成される。
このような方法では、第1の導波路を伝播する分岐光のみに位相の変化が生じるので、生成される信号光は、波長の変動、いわゆるチャーピングを有するものとなり、当該信号光の伝送距離が短く制限されてしまう。
そこで、本発明は、チャーピングを低減可能な、変調光を生成する方法、マッハツェンダ型光変調半導体素子、及び、光変調装置を提供することを目的とする。
本発明に係る変調光を生成する方法は、マッハツェンダ型光変調半導体素子を用いて変調光を生成する方法であって、マッハツェンダ型光変調半導体素子は、分波器と、合波器と、分波器に接続された一端と合波器に接続された他端とを有する第1及び第2の導波路と、該第1及び第2の導波路上にそれぞれ設けられた第1及び第2の電極と、を有しており、分波器を用いて入射光を分波して第1及び第2の分岐光を生成し該第1及び第2の分岐光をそれぞれ第1及び第2の導波路に提供するステップと、第1及び第2の電極を介して第1及び第2の導波路に第1及び第2の信号電圧をそれぞれ印加して第3及び第4の分岐光を生成するステップと、合波器を用いて第3及び第4の分岐光を合波して変調光を生成するステップと、を備え、マッハツェンダ型光変調半導体素子への印加電圧の範囲は、第1の電圧範囲と第2の電圧範囲とを含み、第2の電圧範囲は、第1電圧範囲とゼロ電圧との間の範囲であり、第1の信号電圧は、第1の電圧範囲内にあり、第2の信号電圧は、第1の信号電圧と同位相であり、且つ、第2の電圧範囲内にあり、第1及び第2の導波路の各々は導波路半導体層を含み、導波路半導体層の屈折率は電圧依存性を有し、導波路半導体層の屈折率の電圧依存性は、第1の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有すると共に、第2の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有し、第3の分岐光は、第1の分岐光の位相が変化した光であり、第4の分岐光は、第2の分岐光の位相が変化した光である、ことを特徴とする。
この方法によれば、第1の導波路の導波路半導体層には、屈折率の電圧依存性が正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有する第1の電圧範囲内の第1の信号電圧が印加される。このとき、第2の導波路の導波路半導体層には、屈折率の電圧依存性が正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有する第2の電圧範囲内であり、且つ、第1の信号電圧と同位相である第2の信号電圧が印加される。このため、第1の導波路の導波路半導体層の屈折率と第2の導波路の導波路半導体層の屈折率とは、各信号電圧の電圧値の上下に伴って、互いに逆方向に変化する。このため、第1の導波路を伝播する第1の分岐光の位相と第2の導波路を伝播する第2の分岐光の位相とは、互いに逆方向に変化する。その結果、第1及び第2の分岐光の位相が変化してそれぞれ生成される第3及び第4の分岐光が合成されて生成される変調光においては、各分岐光の位相の変化の少なくとも一部が打ち消される。したがって、この方法によれば、変調光におけるチャーピングを低減することができる。
本発明に係るマッハツェンダ型光変調半導体素子は、マッハツェンダ型光変調半導体素子であって、入力導波路からの入射光を分波し第1及び第2の分岐光を生成する分波器と、分波器に接続された一端を有し第1の分岐光を伝播する第1の導波路と、分波器に接続された一端を有し第2の分岐光を伝播する第2の導波路と、第1の導波路上に設けられており、第1の導波路に第1の信号電圧を印加するための第1の電極と、第2の導波路上に設けられており、第2の導波路に第2の信号電圧を印加するための第2の電極と、第1及び第2の導波路の他端に接続されており、第1及び第2の導波路からの光を合波して変調光を生成する合波器と、を備え、第1及び第2の導波路は導波路半導体層を含み、導波路半導体層の屈折率は電圧依存性を有し、導波路半導体層の屈折率の電圧依存性は、第1の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有すると共に、第1の電圧範囲とゼロ電圧との間の第2の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有する、ことを特徴とする。
このマッハツェンダ型光変調半導体素子によれば、第1の信号電圧を、第1の導波路の導波路半導体層の電圧依存性が正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有する第1の電圧範囲内の信号電圧とし、第2の信号電圧を、第2の導波路の導波路半導体層の電圧依存性が正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有する第2の電圧範囲内の電圧値であり、且つ、第1の信号電圧と同位相の信号電圧とすることによって、第1の導波路の導波路半導体層の屈折率と第2の導波路の導波路半導体層の屈折率とを、各信号電圧の電圧値の上下に伴って、互いに逆方向に変化させることができる。このとき、第1の導波路を伝播する第1の分岐光の位相と第2の導波路を伝播する第2の分岐光の位相とは、互いに逆方向に変化する。その結果、第1の導波路からの光と第2の導波路からの光とを合波して生成される変調光においては、各光の位相の変化の少なくとも一部が打ち消される。したがって、このマッハツェンダ型光変調半導体素子によれば、変調光におけるチャーピングを低減することができる。
本発明に係るマッハツェンダ型光変調半導体素子では、導波路半導体層は、第1及び第2の量子井戸層と、該第1の量子井戸層と該第2の量子井戸層とを隔てる量子障壁層と、を含む多重量子井戸構造を有する、ことが好ましい。
この場合、第1及び第2の量子井戸層の厚さを適切に設定することにより、特定の電圧でエキシトン吸収を増加させることができる。このような多重量子井戸構造では、屈折率の電圧依存性がピークを持つので、第1の信号電圧が第1の電圧範囲内である場合には正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有すると共に、第2の信号電圧が第2の電圧範囲内である場合には正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有するような、屈折率の電圧依存性を備える導波路半導体層を、確実に実現することができる。
本発明に係る光変調装置は、上記のマッハツェンダ型光変調半導体素子と、第2の電極とグランドとの間に接続された第1の抵抗素子と、第1の電極に第1の信号電圧を供給する電圧源と、を備え、マッハツェンダ型光変調半導体素子は第1の電極と第2の電極との間に接続された第2の抵抗素子を更に有する、ことを特徴とする。
或いは、本発明に係る光変調装置は、上記のマッハツェンダ型光変調器と、第2の電極とグランドとの間に接続された第1の抵抗素子と、第1の電極と第2の電極との間に接続された第2の抵抗素子と、第1の電極に第1の信号電圧を供給する電圧源と、を備える、ことを特徴とする。
これらの光変調装置においては、第2の電極とグランドとの間に第1の抵抗素子が接続されると共に、第1の電極と第2の電極との間に第2の抵抗素子が接続されている。このため、第1の電極に対して第1の信号電圧を供給すれば、第1及び第2の抵抗素子によって分圧された信号電圧が第2の信号電圧として第2の電極に供給されることとなる。したがって、単一の電圧源によって各電極に信号電圧を供給することができる。そして、第1の信号電圧が第1の電圧領域に属するようにすると共に、第2の信号電圧が第2の電圧領域に属するように、第1及び第2の抵抗素子の各抵抗値を決定することによって、上述したように、合成光におけるチャーピングを低減することができる。
チャーピングを低減可能な、変調光を生成する方法、マッハツェンダ型光変調半導体素子、及び、光変調装置を提供することができる。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施形態に係る光変調装置の構成を概略的に示す平面図である。図1には、直交座標系Sが示されている。図1に示されるように、光変調装置100は、マッハツェンダ型光変調半導体素子20、電圧源Vph,Vsig及び第1の抵抗素子Rを備えている。
マッハツェンダ型光変調半導体素子20は、入力導波路1、分波器2、第1の導波路3、第2の導波路4、位相制御電極5、第1の電極6、第2の電極7、第2の抵抗素子8、合波器9及び出力導波路10を備えている。
入力導波路1は、後述する半導体基板11上に設けられている。本実施形態では、入力導波路1の一端1aは、マッハツェンダ型光変調半導体素子20の一端面20aに達している。入力導波路1の一端1aは、例えば、光ファイバや他の半導体光素子に接続することができる。入力導波路1の他端1bは、分波器2に接続されている。入力導波路1は、入射光を一端1aから入射し、当該入射光を伝播して他端1bから分波器2に提供する。
分波器2は、半導体基板11上に設けられている。分波器2は、入力導波路1から提供される入射光を分波(分岐)し第1及び第2の分岐光を生成し、当該第1及び第2の分岐光をそれぞれ第1の導波路3及び第2の導波路4に提供する。分波器2は、多モード干渉型のものとすることができる。
第1の導波路3は、一端3aと他端3bとを含む。第1の導波路3の一端3aは、分波器2に接続されている。第1の導波路3の他端3bは、合波器9に接続されている。第1の導波路3は、分波器2から合波器9へ向かう軸(x軸)の方向に沿って延びている。第1の導波路3は、x軸の方向に沿って配列された第1の領域3cと第2の領域3dとを有する。第1の領域3cは、一端1aと第2の領域3dとの間に位置する短尺状の領域である。第2の領域3dは、他端3bと第1の領域3cとの間に位置する長尺状の領域である。第1の導波路3は、分波器2から提供される第1の分岐光を一端3aから他端3bへ向けて伝播させる。
第2の導波路4は、一端4aと他端4bとを含む。第2の導波路4の一端4aは、分波器2に接続されている。第2の導波路4の他端4bは、合波器9に接続されている。第2の導波路4は、x軸の方向に沿って延びている。第1の導波路3と第2の導波路4とは、例えば、略平行である。第2の導波路4は、第1の領域4cを有する。第1の領域4cは、長尺状の領域である。第2の導波路4の第1の領域4cは、例えば、第1の導波路3の第2の領域3dと略平行であり、また、例えば、第1の導波路3の第2の領域3dと略同一の長さを有する。また、第2の導波路4は、例えば、x軸方向について第1の導波路3の第2の領域3dと略同一の位置に配置されている。第2の導波路4は、分波器2から提供される第2の分岐光を一端4aから他端4bへ向けて伝播させる。
位相制御電極5は、半導体基板11及び第1の導波路3の第1の領域3c上に設けられている。位相制御電極5は、ストライプ部5aとパッド部5bとを含む。ストライプ部5aは、第1の導波路3の第1の領域3cの上面を覆うように形成されている。位相制御電極5は、パッド部5bを介して電圧源Vphに接続されている。位相制御電極5は、電圧源Vphより供給される電圧を第1の導波路3の第1の領域3cに印加するための電極である。電圧源Vphは、位相制御電極5とグランドとの間に接続されている。
第1の電極6は、半導体基板11及び第1の導波路3の第2の領域3d上に設けられている。第1の電極6は、ストライプ部6aとパッド部6bと引出部6cとを含む。ストライプ部6aは、第1の導波路3の延在方向に延びる長尺矩形状を成している。ストライプ部6aは、第1の導波路3の第2の領域3dを覆うように形成されている。引出部6cは、第1の導波路3から第2の導波路4へ向かう軸(y軸)の方向に沿ってストライプ部6aから延在して形成されている。第1の電極6は、パッド部6bを介して電圧源Vsigに接続されている。第1の電極6は、電圧源Vsigから供給される第1の信号電圧を、第1の導波路3の第2の領域3dに印加するためのものである。電圧源Vsigは、第1の電極6とグランドとの間に接続されている。
第2の電極7は、半導体基板11及び第2の導波路4の第1の領域4c上に設けられている。第2の電極7は、ストライプ部7aとパッド部7bと引出部7cとを含む。ストライプ部7aは、第2の導波路4の延在方向に延びる長尺矩形状を成している。ストライプ部7aは、第2の導波路4の第1の領域4cを覆うように形成されている。第2の電極7のストライプ部7aは、例えば、第1の電極6のストライプ部6aと略平行であり、また、例えば、第1の電極6のストライプ部6aと略同一の長さを有する。また、第2の電極7のストライプ部7aは、x軸方向について第1の電極6のストライプ部6aと略同一の位置に配置されている。引出部7cは、第2の導波路4から第1の導波路3へ向かう方向にストライプ部7aから延在して形成されている。第2の電極7は、パッド部7bを介して第1の抵抗素子Rに接続されている。第2の電極7は、第2の導波路4の第1の領域4cに第2の信号電圧を印加するためのものである。第1の抵抗素子Rは、第2の電極7とグランドとの間に接続されている。第1の電極6及び第2の電極7は、例えば、Ti/Pt/Auより構成することができる。
第2の抵抗素子8は、半導体基板11上に設けられている。第2の抵抗素子8は、第1の電極6と第2の電極7との間に配置されており、第1の電極6の引出部6cと第2の電極7の引出部7cとに接続されている。第2の抵抗素子8は、例えば、NiCrより構成することができる。
合波器9は、半導体基板11上に設けられている。合波器9は、第1の導波路3及び第2の導波路4をそれぞれ伝播した光を合成し変調光を生成して出力導波路10に提供する。合波器9は、多モード干渉型のものとすることができる。
出力導波路10は、半導体基板11上に設けられている。出力導波路10の一端10aは合波器9に接続されている。本実施形態では、出力導波路10の他端10bは、マッハツェンダ型光変調半導体素子20の他端面20bに到達している。他端10bは、例えば、光ファイバや他の半導体光素子に接続することができる。出力導波路10は、合波器9から提供される変調光を伝播してマッハツェンダ型光変調半導体素子20の外部(光ファイバや他の半導体光素子)に提供するために使われる。
次に、図2を参照して、マッハツェンダ型光変調半導体素子20について説明する。図2は、図1のI−I線に沿ってとられたマッハツェンダ型光変調半導体素子20の断面図である。図2には、直交座標系Sが示されている。
図2に示されるように、マッハツェンダ型光変調半導体素子20は、半導体基板11を備える。半導体基板11は、y軸の方向に沿って順に配列されx軸の方向に沿って延びる第1の領域11a、第2の領域11b、第3の領域11c、第4の領域11d及び第5の領域11eを含む。半導体基板11は、例えば、n型の導電型を有する。半導体基板11は、例えば、Sn−InPにより構成することができる。
第1の導波路3は、下部クラッド層31、活性層(導波路半導体層)32、上部クラッド層33及びコンタクト層34を有する。下部クラッド層31、活性層32、上部クラッド層33及びコンタクト層34は、半導体基板11の第2の領域11b上において、半導体基板11の主面11fの法線軸(z軸)方向に順次積層されている。第2の導波路4は、下部クラッド層31、活性層32、上部クラッド層33及びコンタクト層34を有する。下部クラッド層31、活性層32、上部クラッド層33及びコンタクト層34は、半導体基板11の第4の領域11d上において、z軸の方向に沿って順次積層されている。第1の導波路3及び第2の導波路4は、x軸方向に沿って延びるストライプメサ構造を有する。
下部クラッド層31は、例えば、n型の導電型を有する。下部クラッド層31は、例えば、Si−InPにより構成することができる。下部クラッド層31の厚さは、例えば、1μm程度である。上部クラッド層33は、例えば、p型の導電型を有する。上部クラッド層33は、例えば、Zn−InPにより構成することができる。上部クラッド層33の厚さは、例えば、2μm程度である。コンタクト層34は、例えば、Zn−GaInAsより構成することができる。コンタクト層34の厚さは、例えば、0.2μm程度とすることができる。第1の導波路3及び第2の導波路4は、下部クラッド層31、活性層32及び上部クラッド層33をより成るpn接合ダイオード構造を含む。
第1の導波路3のコンタクト層34上には、第1の電極6(ストライプ部6a)が設けられている。第2の導波路4のコンタクト層34上には、第2の電極7(ストライプ部7a)が設けられている。第1の電極6及び第2の電極7は、それぞれ第1の導波路3のコンタクト層34及び第2の導波路4のコンタクト層34と接触している。
半導体基板11の第1の領域11a、第3の領域11c及び第5の領域11e上の表面と、第1の導波路3及び第2の導波路4の側面上と、には、絶縁膜35が形成されている。絶縁膜35は、例えば、シリコン酸化物(例えばSiO2等)より構成することができる。
半導体基板11の裏面11g上には、裏面電極36が形成されている。裏面電極36は、例えば、AuGe/Neより構成することができる。第1の導波路3及び第2の導波路4には、pn接合ダイオード構造が含まれるので、例えば、第1の電極6及び第2の電極7は、アノードであり、裏面電極36はカソードであることができる。
活性層32は、第1及び第2の量子井戸層と、該第1の量子井戸層と該第2の量子井戸層とを隔てる量子障壁層とを含む半導体層のセットを複数含む多重量子井戸構造を有する。第1の量子井戸層と第2の量子井戸層とは層厚が異なっている。このような構造を有する活性層に電圧を印加すると、特定の電圧においてエキシトン吸収が増大することが知られている。活性層の屈折率は、エキシトン吸収の変化に伴って、活性層の屈折率も変化するので、当該活性層32の屈折率は、以下のような電圧依存性を有する。その電圧依存性は、例えば、図3(a)に示されるように、第1の電圧範囲Aにおいては負の傾きを有すると共に、第1の電圧範囲とゼロ電圧との間の第2の電圧範囲Bにおいては正の傾きを有する。
図3(c)は、マッハツェンダ型光変調半導体素子20の各部間の電気的な接続関係を模式的に示す回路図である。第1の導波路3には、電圧源Vsigから第1の電極6を介して、図3(b),(c)に示されるように、第1の信号電圧(逆バイアス)v1が印加される。このとき、第2の導波路4には、第1の抵抗素子Rと第2の抵抗素子8とによって信号電圧v1から分圧された第2の信号電圧v2が印加されることとなる。この場合の信号電圧v1と信号電圧v2との関係は、第2の抵抗素子8及び第1の抵抗素子Rの抵抗値をそれぞれr1及びr2とすると、v2=(r2/(r1+r2))v1となる。したがって、抵抗体8及び抵抗素子Rの抵抗値を調整することによって、第1の導波路3に印加される電圧から任意の値降下した電圧を、第2の導波路4に印加することができる。これにより、第1の信号電圧v1を第1の電圧範囲A内の電圧値とし、第2の信号電圧v2を第2の電圧範囲B内の電圧値とすることができる。
続いて、図4〜6を参照して、マッハツェンダ型光変調半導体素子20を用いて変調光を生成する方法について説明する。図4〜6は、マッハツェンダ型光変調半導体素子20を用いて変調光を生成する方法の主要なステップを示す図である。
先ず、図4に示されるように、ステップS101では、分波器2を用いて入射光L0を分波(分岐)して第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2を生成し該第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2をそれぞれ第1の導波路3及び第2の導波路4に提供する。
続いて、図5に示されるように、ステップS102では、電圧源Vsigを用いて、第1の電極6を介して第1の導波路3に第1の信号電圧v1を印加する。このとき、第1の抵抗素子R及び第2の抵抗素子8により分圧された第2の信号電圧v2が、第2の電極7を介して第2の導波路4に印加される。第1の信号電圧v1と第2の信号電圧v2とは、同位相の信号電圧である。
第1の信号電圧v1は、図中下部に示されるような矩形波の信号電圧である。第1の信号電圧v1は、あらかじめオフセット電圧v10が付与されており、この電圧v10を基準電圧として、v1Hとv1Lとの間を振動する。第1信号電圧v1は、図中上部に示されるように、オフセット電圧v10が付与されることによって、第1の導波路3の活性層32の屈折率の電圧依存性が負の傾きを有する第1の電圧範囲A内の電圧値とされている。したがって、矩形波である第1信号電圧v1が、高い側の電圧値v1Hに振れるときには、第1の導波路3の活性層32の屈折率は低くなる。第1信号電圧v1が、低い側の電圧値v1Lに振れるときには、第1の導波路3の活性層32の屈折率は高くなり所定値n0となる。
第2の信号電圧v2も、第1の信号電圧と同様に矩形波の信号電圧である。第2の信号電圧v2は、第1の抵抗素子R及び第2の抵抗素子8の抵抗値を適当な値に設定することによって、第2の導波路4の活性層32の屈折率の電圧依存性が正の傾きを有する第2の電圧範囲B内の電圧値となるようにされている(第2の信号電圧v2の振動の基準電圧がv20とされている)。この第2の信号電圧v2が高い側の電圧値v2Hに振れるとき(第1の信号電圧v1が電圧値v1Hに振れるとき)には、第2の導波路4の活性層32の屈折率は高くなる。第2の信号電圧v2が低い側の電圧値v2Lに振れるとき(第1の第1信号電圧v1が電圧値v1Lに振れるとき)には、第2の導波路4の活性層32の屈折率は低くなり所定値n0となる。したがって、第1の信号電圧v1及び第2の信号電圧v2の各振動に伴って、第1の導波路3及び第2の導波路4の各活性層32の屈折率は、互いに逆方向に変化することとなる。
このステップS102によって、第1の導波路3には第1の信号電圧v1が印加され、第2の導波路4には第2の信号電圧v2が印加される。このため、第1の導波路3及び第2の導波路4の各活性層32の屈折率は、それぞれ変化する。その結果、第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2は、それぞれ第1の導波路3及び第2の導波路4の活性層32を伝播することによって、それぞれ位相が変化する。このようにして、第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2の位相がそれぞれ変化した光である第3の分岐光L3と第4の分岐光L4が生成される。
第1の信号電圧v1及び第2の信号電圧v2が、低い側の電圧値にそれぞれ振れたときには、第1の導波路3及び第2の導波路4の活性層32の屈折率がそれぞれn0となり等しくなるので、第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2の位相の変化は等しくなる。このため、第3の分岐光L3と第4の分岐光L4とを合成した変調光の強度は、入射光L0と等しくなる。つまり、光のオン状態が実現されることとなる。
一方、第1の信号電圧v1及び第2の信号電圧v2が、高い側の電圧値にそれぞれ振れたときには、第1の導波路3及び第2の導波路4の活性層32の屈折率が互いに逆方向に変化するので、第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2の位相の変化は、互いに逆方向の変化となる。このため、第3の分岐光L3と第4の分岐光L4とを合成した変調光の強度は、入射光L0に比べて弱くなる。つまり、光のオフ状態が出力されることとなる。
なお、上記の説明では、第1の信号電圧v1を、第1の導波路3の活性層32の屈折率の電圧依存性が負の傾きを有する電圧範囲内のものとし、第2の信号電圧v2を第2の導波路4の活性層32の屈折率の電圧依存性が正の傾きを有する電圧範囲内のものとしたが、各電極に印加されるバイアスの順逆を入れ替えることによって、それぞれ逆の電圧範囲内のものとすることができる。
そして、図6に示されるように、ステップS103では、合波器9を用いて、第3の分岐光L3と第4の分岐光L4とを合波(合成)して変調光L5を生成する。
なお、電圧源Vphを用いて、位相制御電極5を介して第1の導波路3の第1の領域3cに定常電圧を印加し、第1の導波路3の第1の領域3cの活性層32の屈折率を変化させることができる。これにより、第1の領域3cの活性層32を通る第1の分岐光L1の位相を変化させて、第3の分岐光L3と第4の分岐光L4との位相のズレを制御することができる。
以上説明した方法によれば、第1の導波路3の第2の領域3dの活性層32には、屈折率の電圧依存性が正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有する第1の電圧範囲内の第1の信号電圧v1が印加される。このとき、第2の導波路4の第1の領域4cの活性層32には、屈折率の電圧依存性が正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有する第2の電圧範囲内であり、且つ、第1の信号電圧v1と同位相である第2の信号電圧v2が印加される。このため、第1の導波路3の活性層32の屈折率と第2の導波路4の活性層32の屈折率とは、各信号電圧の電圧値の変動に伴って、互いに逆方向に変化する。このため、第1の導波路3を伝播する第1の分岐光L1の位相と第2の導波路4を伝播する第2の分岐光L2の位相とは、互いに逆方向に変化する。その結果、第1の分岐光L1及び第2の分岐光L2の位相が変化してそれぞれ生成される第3の分岐光L3及び第4の分岐光L4が合波されて生成される変調光L5においては、各分岐光L3,L4の位相の変化の少なくとも一部が打ち消される。したがって、変調光L5におけるチャーピングを低減することができる。
また、光変調装置100においては、第2の電極7とグランドとの間に第1の抵抗素子Rが接続されると共に、第1の電極6と第2の電極7との間に第2の抵抗素子8が接続されている。このため、第1の電極6に対して第1の信号電圧v1を供給すれば、第1の抵抗素子R及び第2の抵抗素子8によって分圧された信号電圧が、第2の信号電圧v2として第2の電極7に供給されることとなる。したがって、単一の電圧源によって各電極6,7に信号電圧を供給することができる。
本発明に係る光変調装置は、上記の実施形態に限られない。本発明に係る光変調装置の実施形態は、例えば、図7に示されるものとすることができる。図7は、本発明に係る光変調装置の他の実施形態の構成を概略的に示す平面図である。
図7に示されるように、光変調装置100aは、光変調装置100のマッハツェンダ型光変調半導体素子20に換えてマッハツェンダ型光変調半導体素子20aを備えると共に、第3の電圧源Vph2と第2の抵抗素子R2とを更に備えている点で、光変調装置100と異なっている。光変調装置100aの他の構成は光変調装置100と同様である。
マッハツェンダ型光変調半導体素子20aは、第2の位相制御電極12を更に備えると共に、第2の抵抗素子8を備えていない点でマッハツェンダ型光変調半導体素子20と異なっている。マッハツェンダ型光変調半導体素子20aの他の構成は、マッハツェンダ型光変調半導体素子20と同様である。
第2の位相制御電極12は、第2の導波路4の導波路上において、位相制御電極5と対応する位置に形成されている。第2の位相制御電極12は、ストライプ部12aとパッド部12bとを含む。ストライプ部12aは、第2の導波路4の一端4aと第1の領域との間に位置する第2の領域4dの上面を覆うように形成されている。第2の位相制御電極12は、パッド部12bを介して電圧源Vph2に接続されている。第2の位相制御電極12は、電圧源Vph2より供給される電圧を第2の導波路4の第2の領域4dに印加するための電極である。電圧源Vph2は、第2の位相制御電極12とグランドとの間に接続されている。第2の抵抗素子R2は、第1の電極6と第2の電極7との間に接続されている。
この光変調装置100aにおいては、第2の電極7とグランドとの間に第1の抵抗素子Rが接続されると共に、第1の電極6と第2の電極7との間に第2の抵抗素子R2が接続されている。このため、第1の電極6に対して第1の信号電圧v1を供給すれば、第1の抵抗素子R及び第2の抵抗素子R2によって分圧された信号電圧が、第2の信号電圧v2として第2の電極7に供給されることとなる。したがって、単一の電圧源によって各電極6,7に信号電圧を供給することができる。
また、マッハツェンダ型光変調半導体素子20aは、第2の導波路4上に第2の位相制御電極12を備えているので、第2の導波路4を伝播する第2の分岐光の位相も制御することができる。
なお、第1の電極6と第2の電極7との間には、必ずしも抵抗素子を接続しなくてもよい。その場合、変調光の生成に際しては、第1の電極6と第2の電極7とに対して、それぞれ異なる電圧源から、第1の信号電圧v1及び第2の信号電圧v2をそれぞれ供給することとなる。
(実施例)続いて、本発明の実施例について説明する。本実施例に係るマッハツェンダ型光変調半導体素子20の各層は、以下のような材料、厚さで構成される。
半導体基板11:n型Si−InP
下部クラッド層31:n型Si−InP,厚さ1.0μm
上部クラッド層33:p型Zn−InP,厚さ2.0μm
コンタクト層34:Zn−GaInAs,厚さ0.2μm
半導体基板11:n型Si−InP
下部クラッド層31:n型Si−InP,厚さ1.0μm
上部クラッド層33:p型Zn−InP,厚さ2.0μm
コンタクト層34:Zn−GaInAs,厚さ0.2μm
また、第1の電極6及び第2の電極7はTi/Pt/Auより構成され、裏面電極はAuGe/Neにより構成されている。また、抵抗体8はNiCr合金により構成されており、絶縁膜はSiO2より構成されている。
ここで、図8を参照して、本実施例に係るマッハツェンダ型光変調半導体素子20の活性層32について詳細に説明する。図8(a)は活性層32の概略断面図であり、図8(b)は活性層32におけるバンド構造を示す図である。
活性層32は、下部クラッド層31上に順次積層された第1の障壁層321、第1の井戸層322、第2の障壁層323、第2の井戸層324、第3の障壁層325及び第3の井戸層326を含む。活性層32は、これらの各層321〜326から成るセットが12セット積層されて構成されている。
図8(b)に示されるように、各障壁層321,323,325はそれぞれ量子障壁B1,B2,B3を形成し、各井戸層322,324,326はそれぞれ量子井戸W1,W2,W3を形成している。このように、活性層32は、各井戸層322,324,326と、これらの井戸層322,324,326同士を隔てる各障壁層321,323,325と、を含む多重量子井戸構造を有しており、この場合、特に、FACQW(Five-Layer Asymmetric Coupled Quantum Well)構造と呼ばれる構造を有している。
活性層32の各層は、以下に示される材料、厚さで構成される。
第1の障壁層321:In0.52Al0.48As,厚さ 10nm
第1の井戸層322:In0.53Ga0.47As,厚さ 4.4nm
第2の障壁層323:In0.52Al0.48As,厚さ 0.88nm
第2の井戸層324:In0.53Ga0.47As,厚さ 1.17nm
第3の障壁層325:In0.52Al0.48As,厚さ 2.35nm
第3の井戸層326:In0.53Ga0.47As,厚さ 5.58nm
第1の障壁層321:In0.52Al0.48As,厚さ 10nm
第1の井戸層322:In0.53Ga0.47As,厚さ 4.4nm
第2の障壁層323:In0.52Al0.48As,厚さ 0.88nm
第2の井戸層324:In0.53Ga0.47As,厚さ 1.17nm
第3の障壁層325:In0.52Al0.48As,厚さ 2.35nm
第3の井戸層326:In0.53Ga0.47As,厚さ 5.58nm
このように、活性層32においては、層厚方向に沿って第1の井戸層322、第2の井戸層324、第3の井戸層326が順次配列されており、これらの厚さは、第3の井戸層326が最も厚く、第2の井戸層324が最も薄い。また、活性層32においては、層厚方向に沿って、第1の障壁層321、第2の障壁層323、第3の障壁層325が順次配列されており、これらの厚さは、第1の障壁層321が最も厚く、第2の障壁層323が最も薄い。したがって、最も薄い井戸層である第2の井戸層324と第1の井戸層322とは、最も薄い障壁層である第2の障壁層323により隔てられている。そして、これら第1の井戸層322と第2の井戸層324との厚さを合計すると、概ね第3の井戸層326の厚さとなっている。
このようにして構成される活性層32の屈折率は、図9に示されるような電圧依存性を有する。図9は、活性層32の屈折率の電圧依存性を示すグラフである。図9に示されるグラフにおいて、横軸は活性層32に印加される電圧(逆バイアス)を示し、縦軸は活性層32の屈折率を示している。
図9に示されるように、活性層32の屈折率は、2.2V付近までは単調に増加し、2.2V以上では単調に減少している。つまり、活性層32の屈折率の電圧依存性は、2.2V〜3.5Vの電圧範囲では負の傾きを有しており、0V〜2.2Vの電圧範囲では正の傾きを有している。特に、活性層32の屈折率は、2.5ボルト付近で大きな負の電圧依存性を有し、2.0V付近で大きな正の電圧依存性を有している。ここで、傾きとは、電圧の変化に対する屈折率の変化の割合であり、具体的には、屈折率の電圧による微分係数である。
以上説明したマッハツェンダ型光変調半導体素子20を用いて、上記実施形態に記した方法により、変調光を生成した。その際、第1の信号電圧v1は、変動幅が0.13Vの信号電圧vsに対して2.54Vのオフセット電圧を付与したものとした。したがって、この第1の信号電圧v1は、活性層32の屈折率の電圧依存性が負の傾きを有する第1の電圧範囲A内のものとなっている。これに対して、第2の抵抗素子8及び第1の抵抗素子Rの抵抗値をそれぞれ10.5Ω及び39.5Ωとすることによって、第2の導波路4に印加される第2の信号電圧v2を、活性層32の屈折率の電圧依存性が正の傾きを有する第2の電圧範囲B内になるようにした。
このような条件下において生成された変調光の特性を測定した。図10は、変調光の特性を測定した結果を示すグラフである。図10に示されるグラフの横軸は、信号電圧vsの電圧値(V)を示しており、左側の縦軸は変調光L5の光強度(任意単位)を示しており、右側の縦軸はαパラメータの値を示している。ここで、αパラメータとは、変調光に含まれるチャーピングの度合いを表すパラメータであって、αパラメータがゼロであるということは、変調光に含まれるチャーピングがゼロであることを意味する。同図において、変調光の光強度は実線により表されており、αパラメータは破線により表されている。
図10に示される測定結果によれば、信号電圧vsの変動幅全域にわたってαパラメータが小さく抑えられていることがわかる。特に、信号電圧vsが約−0.05V〜約0.05Vの範囲では、αパラメータが概ねゼロとなっている。これは、本実施例に係るマッハツェンダ型光変調半導体素子20を用いて、特に、信号電圧vsを約−0.05V〜約0.05Vの範囲とすれば、チャーピングが概ねゼロである変調光を生成可能であることを示している。
以上、好適な実施形態及び実施例において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1…入力導波路、2…分波器、3…第1の導波路、4…第2の導波路、5…位相制御電極、6…第1の電極、7…第2の電極、8,R2…第2の抵抗素子、9…合波器、10…出力導波路、11…半導体基板、12…第2の位相制御電極、20,20a…マッハツェンダ型光変調半導体素子、31…下部クラッド層、32…活性層、33…上部クラッド層、34…コンタクト層、35…絶縁膜、36…裏面電極、100,100a…光変調装置、321…第1の障壁層、322…第1の井戸層、323…第2の障壁層、324…第2の井戸層、325…第3の障壁層、326…第3の井戸層、Vph,Vph2,Vsig…電圧源、R…抵抗素子、L0…入射光、L1…第1の分岐光、L2…第2の分岐光、L3…第3の分岐光、L4第4の分岐光、L5…変調光。
Claims (5)
- マッハツェンダ型光変調半導体素子を用いて変調光を生成する方法であって、
前記マッハツェンダ型光変調半導体素子は、分波器と、合波器と、前記分波器に接続された一端と前記合波器に接続された他端とを有する第1及び第2の導波路と、該第1及び第2の導波路上にそれぞれ設けられた第1及び第2の電極と、を有しており、
前記分波器を用いて入射光を分波して第1及び第2の分岐光を生成し該第1及び第2の分岐光をそれぞれ前記第1及び第2の導波路に提供するステップと、
前記第1及び第2の電極を介して前記第1及び第2の導波路に第1及び第2の信号電圧をそれぞれ印加して第3及び第4の分岐光を生成するステップと、
前記合波器を用いて前記第3及び第4の分岐光を合波して変調光を生成するステップと、を備え、
前記マッハツェンダ型光変調半導体素子への印加電圧の範囲は、第1の電圧範囲と第2の電圧範囲とを含み、
前記第2の電圧範囲は、前記第1電圧範囲とゼロ電圧との間の範囲であり、
前記第1の信号電圧は、前記第1の電圧範囲内にあり、
前記第2の信号電圧は、前記第1の信号電圧と同位相であり、且つ、前記第2の電圧範囲内にあり、
前記第1及び第2の導波路の各々は導波路半導体層を含み、
前記導波路半導体層の屈折率は電圧依存性を有し、
前記導波路半導体層の屈折率の前記電圧依存性は、前記第1の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有すると共に、前記第2の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有し、
前記第3の分岐光は、前記第1の分岐光の位相が変化した光であり、
前記第4の分岐光は、前記第2の分岐光の位相が変化した光である、ことを特徴とする方法。 - マッハツェンダ型光変調半導体素子であって、
入力導波路からの入射光を分波し第1及び第2の分岐光を生成する分波器と、
前記分波器に接続された一端を有し前記第1の分岐光を伝播する第1の導波路と、
前記分波器に接続された一端を有し前記第2の分岐光を伝播する第2の導波路と、
前記第1の導波路上に設けられており、前記第1の導波路に第1の信号電圧を印加するための第1の電極と、
前記第2の導波路上に設けられており、前記第2の導波路に第2の信号電圧を印加するための第2の電極と、
前記第1及び第2の導波路の他端に接続されており、前記第1及び第2の導波路からの光を合波して変調光を生成する合波器と、を備え、
前記第1及び第2の導波路は導波路半導体層を含み、
前記導波路半導体層の屈折率は電圧依存性を有し、
前記導波路半導体層の屈折率の前記電圧依存性は、第1の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの一方の傾きを有すると共に、前記第1の電圧範囲とゼロ電圧との間の第2の電圧範囲においては正及び負の傾きのうちの他方の傾きを有する、ことを特徴とするマッハツェンダ型光変調半導体素子。 - 前記導波路半導体層は、第1及び第2の量子井戸層と、該第1の量子井戸層と該第2の量子井戸層とを隔てる量子障壁層と、を含む多重量子井戸構造を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のマッハツェンダ型光変調半導体素子。
- 請求項2又は3に記載のマッハツェンダ型光変調半導体素子と、
前記第2の電極とグランドとの間に接続された第1の抵抗素子と、
前記第1の電極に前記第1の信号電圧を供給する電圧源と、を備え、
前記マッハツェンダ型光変調半導体素子は前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続された第2の抵抗素子を更に有する、ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項2又は3に記載のマッハツェンダ型光変調器と、
前記第2の電極と、グランドと、の間に接続された第1の抵抗素子と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続された第2の抵抗素子と、
前記第1の電極に前記第1の信号電圧を供給する電圧源と、を備えることを特徴とする光変調装置。
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