JP2004151590A - 光半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光通信システムにおいて光送信器内の光変調器として用いられる光半導体装置に関し、内部的にプッシュプル駆動ができ、高速動作、低電圧駆動が可能で、他のシステムとの整合性に優れること。
【解決手段】半導体基板上の高導電率層2上に互いに間隔をおいて形成された第1光導波路3第2光導波路4と、第1光導波路3と第2光導波路4の双方の光入力部に接続される分波器5と、第1及び第2光導波路3,4の双方の光出力部に接続される合波器6と、第1光導波路3上に光伝搬方向に間隔をおいて複数形成され且つ互いに電気的に接続される第1分布電極8と、第2光導波路4上に接する接続部分9を有し、高導電率層2から離れて形成され且つ光伝搬方向に沿って配置された第1接地電極11と、半導体基板1上であって高導電率層2の側方に形成され且つ高導電率層2から離れて形成された第2接地電極13を含む。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体装置に関し、より詳しくは、光通信システムにおいて光送信器内の光変調器として用いられる光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体光変調器は、小型化が可能であり、半導体レーザとの集積も可能であるという利点を持ち、ローコスト化が期待できる。従って、そのような半導体光変調器は、短距離から中長距離までの光通信システムに適用できる電気−光変換素子として研究が行われている。特にマッハツェンダ型変調器は、素子の波長チャーピングが少なく、中長距離光通信システム応用上で有用である。
【0003】
しかし、実際に波長チャーピングを低減したマッハツェンダ型光変調器を実現するには、変調器内に形成された2本の光導波路について逆方向の位相変調が行われるように駆動しなくてはならない。このような駆動方法を、以下に、プッシュプル駆動と言う。
【0004】
プッシュプル駆動の位相の調整を素子外部で行う場合には、正相と逆相の高周波信号を同期させて入力するためのタイミング調整回路が必要があり、高周波信号の精度の高いチューニングが必要となる。したがって、素子内部でプッシュプル駆動の位相調整ができれば、素子を容易に動作させることが可能になる。
【0005】
素子内部でプッシュプル駆動の位相調整ができるマッハツェンダ型光変調器として、例えば、下記の特許文献1において集中定数型電極を用いる方法が検討されている。このマッハツェンダ型光変調器は、第1の位相変調器と第2の位相変調器を有し、第1の位相変調器と第2の位相変調器はそれぞれ下側に第1導電型クラッド層、上側に第2導電型クラッド層を有している。
【0006】
そのマッハツェンダ型光変調器においては、第1の位相変調器の第1導電型クラッド層と第2の位相変調器の第2導電型クラッド層をリード線を介して接続する構造を有している。そして、第1の位相変調器の第1導電型クラッド層と第2の位相変調器の第2導電型クラッド層の接続点に単一のドライバの出力信号を印加し、第1の位相変調器の第2導電型クラッド層と第2の位相変調器の第1導電型クラッド層のうちp型の方に負電圧を、n型の方に接地電位を印加する構造となっている。
【0007】
しかし、そのような集中定数型電極を用いる素子では、電極容量およびリード線のインダクタンスが素子の動作速度を制限するので、高速動作させるためにはきわめて小型にする必要がある。しかし、マッハツェンダ型変調器は、素子長と駆動電圧が反比例するため、きわめて小型の素子では、きわめて高い駆動電圧が必要となる。駆動電圧を低減する方法としては、電界が印加される領域を薄くする方法がある。しかし、この方法では、電極容量が大きくなるため、やはり動作速度を制限することになり、集中定数型の素子では、低い駆動電圧で高速動作する素子は得られない。
【0008】
素子の内部でプッシュプル駆動を調整できる他のマッハツェンダ型光変調器が、R. G. Walkerにより下記の非特許文献1において提案されている。この構造は図1(a),(b) に示すように、進行波型電極と集中定数型電極を組み合わせたような構造をもち、光導波路とマイクロ波導波路が分離して存在している。
【0009】
図1(a) は、マッハツェンダ型光変調器の構造を示す平面図、図1(b) は、図1(a) のI−I線断面図である。
【0010】
図1(a),(b) に示す光変調器は、2本のリッジ型の光導波路111,112と2つの光カプラ113,114と第1、第2の進行波型電極115a,115bを有している。
【0011】
図1(a) において、第1、第2の進行波型電極115a,115bは光導波路111,112の両側に間隔をおいて配置されている。第1の進行波型電極115aの一端と第2の進行波型電極115bの一端には高周波電気信号源116が接続され、それらの他端は互いに抵抗117を介して接続されている。
【0012】
また、第1の光導波路111の上には間隔をおいて複数の位相変調電極115cが光進行方向に間隔をおいて形成され、それらの位相変調電極115cは、第1の進行波型電極115aから櫛状に複数に分岐された配線115eを介して第1の進行波型電極115aに接続されている。同様に、第2の光導波路112の上には間隔をおいて複数の位相変調電極115dが光進行方向に間隔をおいて形成され、それらの位相変調電極115dは、第2の進行波型電極115bから櫛状に複数に分岐された配線115fを介して第2の進行波型電極115bに接続されている。
【0013】
図1(a) に示したマッハツェンダ型光変調器は、図1(b) に示すような層構造を有している。
【0014】
図1(b) において、半絶縁性のGaAs基板110の上にはシリコンドープのn型GaAsクラッド層121、アンドープのGaAsコア層122、AlGaAs層123が順に形成されている。そして、n型GaAsクラッド層121、GaAsコア層122は2つの光導波路111,112を包含する広さに凸状にパターニングされてGaAs基板110から突出し、さらにAlGaAs層123は第1、第2の光導波路111,112となるストライプ形状にパターニングされてGaAsコア層122から突出されている。さらに、第1、第2の光導波路111,112の上部を構成するAlGaAs層123上にはそれぞれ上記した位相変調電極115c,115dが接続されている。なお、n型GaAsクラッド層121には直流バイアス電源118が接続されている。
【0015】
以上により、進行波型電極115a,115bが位相変調電極115c,115dから独立に存在し、しかも、複数の位相変調電極115c,115dには進行波型電極115a,115bが接続されている。
【0016】
そして、複数の位相変調電極115c,115dはそれぞれ集中定数型電極として機能するが、十分小さいので高周波まで帯域の制限を受けずに動作する。また、図2(a),(b) に示すように、それぞれの集中定数型電極は、外部の進行波型電極115a,115bから見て、分布定数型の抵抗成分Rd 、容量Cd およびインダクタンスLd に見えるため、これらを含めた進行波型電極として設計することで、特性インピーダンスを50Ωに整合させ、光の速度と電気信号が伝搬する速度を整合させることも可能である。
【0017】
また、図2(a) に示すように、第1及び第2の光導波路111,112の下部には導電層としてn型GaAsクラッド層121があり、この導電層を介して第1、第2の光導波路111,112が等質な容量として働き、電圧を印加した際に第1、第2の光導波路111,112に対し電界が互いに逆方向に生じ、マッハツェンダ型光変調器をプッシュプル駆動する。さらに、光導波路111,112の下部に高導電率層であるn型GaAsクラッド層121を備えているため、比較的効率的に第1及び第2の光導波路111,112のそれぞれに電界を集中することができるため、駆動電圧を比較的小さくできる。
【0018】
しかし、図1(a) ,(b) に示した構造はマイクロ波導波路の形状がスロットライン型をしているため、放射損が大きく、他のシステムとの整合性も悪い。
【0019】
これに対して、下記の非特許文献2において、R. Spickermannらは、図3(a) 〜(c) のような構造を提案している。この構造は、図1(a),(b) と同様に、光の導波路構造とマイクロ波の導波路構造を空間的に分離し、さらに、進行波型電極と集中定数型電極を組み合わせた構造をしている。図3(a) は、マッハツェンダ型光変調器の平面図であり、図3(b) は、図3(a) において破線で囲んだ領域を示し、図3(c) は、図3(b) のII−II線断面図である。
【0020】
図3(a) 〜(c) において、半導体基板131の上に形成されたリッジ型の第1、第2の光導波路132,133は、互いに両端で接続されていて、第1及び第2の光導波路132,133の一端部は入射用光導波路134に接続され、第1及び第2の光導波路132,133の他端部は出射用光導波路135に接続されている。
【0021】
そして、第1の光導波路132と第2の光導波路133の間の内側領域には第1の進行波型電極136が形成され、また、第1及び第2の光導波路132,133のそれぞれの外側領域には第2、第3の進行波型電極137,138が形成されている。また、第1の光導波路132上には光進行方向に複数の第1の位相変調電極139が間隔をおいて形成され、第2の光導波路133上には光進行方向に複数の第2の位相変調電極140が間隔をおいて形成されている。そして、第1の光導波路132上の第1の位相変調電極139は配線141を介して第1の進行波型電極137に接続され、また、第2の光導波路133上の第2の位相変調電極140は配線142を介して第1の進行波型電極136に接続されている。
【0022】
また、第1の進行波型電極136と第1の光導波路132の間の領域では、第1の光導波路132の光進行方向に沿って複数の第3の位相変調電極143が半導体基板131上の半導体層131aの上に形成され、第3の位相変調電極143は半導体層131aにショットキー接続している。第3の位相変調電極143は第1の進行波型電極136から派生した配線144に接続されている。
【0023】
さらに、第2の光導波路133と第3の進行波型電極138の間の領域では、第2の光導波路133の光進行方向に沿って複数の第4の位相変調電極145が半導体基板131上の半導体層131aの上に形成され、第4の位相変調電極145は半導体層131aにショットキー接続している。第4の位相変調電極145は、第3の進行波型電極138から派生した配線146に接続されている。
【0024】
そのような構造のマッハツェンダ型光変調器では、第1の進行波型電極136の一端と接地線GNDの間に高周波電気信号源116が接続されている。また、第1の進行波型電極136の他端と第2の進行波型電極137の他端には第1の抵抗素子117aが接続され、さらに、第1の進行波型電極136の他端と第3の進行波型電極138の他端には第2の抵抗素子117bが接続されている。第2の進行波型電極137の一端と第3の進行波型電極138の一端はそれぞれ接地線に接続されている。
【0025】
これにより、図3(c) に示すように、第4の位相変調電極145と第2の位相変調電極140間で半導体層131aを通して第2の光導波路133内に電界が発生するとともに、第3の位相変調電極143と第1の位相変調電極139間で半導体層131aを通して第1の光導波路132内に電界が発生する。
【0026】
この構造では、マイクロ波導波路にコプレーナ型を使用しているので、放射損が減るだけでなく、2本の光導波路132,133に並列に電界を印加しているため、駆動電圧を下げることができる。
【0027】
【特許文献1】
特開閉10−333106号公報(第4−5頁、図1、図2)
【非特許文献1】
IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.27 ,p.645, 1991
【非特許文献2】
Electronics Letters, vol.32, p.1095, 1996
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非特許文献2に示した構造では、光導波路層をpin構造にすることができないため、コア層に対し電界を効率的に印可することができず、また、コア層に量子井戸構造を使用できないため、屈折率変化率が低くなり、結果として駆動電圧が増加する。
【0029】
従って、従来の素子では、内部的にプッシュプル駆動ができ、高速動作、低電圧駆動が可能で、他のシステムとの整合性に優れた素子は実現されていない。即ち、従来の半導体マッハツェンダ型光変調器は、内部的にプッシュプル駆動ができ、高速動作、低電圧駆動が可能で、他のシステムとの整合性に優れた素子ではない。
【0030】
本発明の目的は、内部的にプッシュプル駆動ができ、高速動作、低電圧駆動が可能で、他のシステムとの整合性に優れた光半導体装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、半導体基板上に形成され且つ少なくとも一部がドープト半導体からなる第1の高導電率層と、前記第1の高導電率層上に形成された第1の光導波路と、前記第1の高導電率層上で前記第1の光導波路から間隔をおいて一側方に形成された第2の光導波路と、前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の双方の光入力部に接続される分波器と、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の双方の光出力部に接続される合波器と、前記第1の光導波路上に光伝搬方向に間隔をおいて複数形成され且つ互いに電気的に接続される第1の分布電極と、前記第2の光導波路上に接する接続部分を有し、前記第1の高導電率層から離れて形成され、且つ前記光伝搬方向に沿って配置された第1の接地電極と、前記半導体基板の上であって前記第1の高導電率層の他側方に形成され且つ前記第1の高導電率層から離れて形成された第2の接地電極とを有することを特徴とする光半導体装置によって解決される。
【0032】
即ち、本発明の半導体マッハツェンダ型光変調器は、半導体基板上に形成された高導電率層の上に第1及び第2の光導波路構造を有し、第1及び第2の光導波路構造の上にそれぞれ周期的に配置された第1及び第2の分布電極を有し、第1の光導波路構造上に配置された第1の分布電極と電気的に結合した信号電極と、第2の光導波路上に配置された第2の分布電極と電気的に結合した第1の接地電極と、信号電極を挟んで第1の接地電極の反対側に配置された第2の接地電極を有するようにしたものである。
【0033】
本発明の半導体マッハツェンダ変調器によれば、高導電率層を利用して、第1及び第2の光導波路に直流バイアス電界を印加し、信号電極から高導電率層を介して第1及び第2の光導波路に互いに逆向きの高周波電界を印加する構成とすることにより、第1の光導波路を含んでなる位相変調器と、第2の光導波路を含んでなる位相変調器をプッシュプル駆動することができる。
【0034】
しかも、信号電極に対し第1、第2の接地電極を有し、コプレーナ型のマイクロ波導波路構造となるため、放射損が少なく、他のシステムとの整合性にも優れている。また、光導波路構造下部に高導電率層を有しており、光導波路構造に効率的に電界を印加することができるため、低電圧駆動が可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図4は、本発明の第1実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図5(a) は、図4のIII−III 線断面図、図5(b) は、図4の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図5(c) は、図5(b) IV−IV線断面図である。
【0036】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。
【0037】
InP 基板1の上には、光進行方向に長い長方形の平面形状を有するn型導電性のInP 高導電率層2が形成されている。このInP 高導電率層2は、約1.0μm又はそれ以上の厚さを有している。このInP 高導電率層2のドーパントはシリコン(Si)であり、ドーパント濃度は1×1018/cmである。
【0038】
n−InP 高導電率層2の上には、約幅1〜2μmのストライプ状の第1の光導波路3と幅1〜2μmのストライプ状の第2の光導波路4が8〜10μmの間隔をおいて略平行に形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4のうちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分配する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。
【0039】
なお、InP 基板1上において、分波器5には光を導入するための光入力導波路3a,4aが接続され、また、合波器6には光を外部に導入するための光出力導波路3b,4bが接続されている。
【0040】
第1及び第2の光導波路3,4はそれぞれ、図5(a) に示すように、n型InP よりなる下部クラッド層3a、4aと、アンドープの量子井戸よりなるコア層3b,4bと、p型InP よりなる上部クラッド層3c,4cと、p型InGaAsよりなるコンタクト層3d,4dとがInP 高導電率層2上に順に形成された積層構造を有している。従って、第1及び第2の光導波路3,4はそれぞれ上下方向にpin接合構造となっている。
【0041】
コア層3b,4bを構成する量子井戸構造は、厚さ10nmのInGaAsP バリア層と厚さ10nmのInP 井戸層が交互に形成され、且つ井戸層がバリア層に挟まれた構造を有している。井戸層の数は、1又は複数である。
【0042】
第1及び第2の光導波路3,4の側面とInP 基板1の上面とInP 高導電率層2の表面のそれぞれの面は、厚さ0.5μm程度の酸化シリコンよりなる保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1及び第2の光導波路3,4の上面を露出する開口部が形成されている。
【0043】
第1の光導波路3上には、長手方向に複数の位相変調電極(分布電極)8が間隔をおいて形成されている。また、第2の光導波路4の上には、長手方向に複数の位相変調電極(分布電極)9が間隔をおいて形成されている。位相変調電極8,9の長さは30μm〜500μmである。また、位相変調電極8,9は、50μm以上、1mm以下の周期で配置されている。
【0044】
第1及び第2の光導波路3,4のうち位相変調電極8、9が存在しない部分では、図5(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c及びコンタクト層3d,4dが除去されて凹部が形成され、その凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0045】
InP 高導電率層2から一側方に離れた位置においてInP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第1の電極11が形成されている。また、InP 高導電率層2から他側方に離れた位置において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第2の電極12が形成されている。さらに、第2の電極12から他側方に離れた位置において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第3の電極13が形成されている。第1、第3の電極11,13は接地電極であり、第2の電極12は信号電極である。
【0046】
第1の光導波路3の上の位相変調電極8は、第1の電極11から櫛状に延びる第1の分布配線14に接続されている。また、第2の光導波路4の上の位相変調電極9は、第2の電極12から櫛状に延びる第2の分布配線15に接続されている。第1、第2の分布配線14,15はそれぞれ位相変調電極8,9の長さと同じかそれ以下の幅、例えば5μm以上の幅を有している。なお、第1及び第2の分布配線14,15は、InP 高導電率層2に対して接触しないようにブリッジ状に形成されている。
【0047】
第1〜第3の電極11〜13、位相変調電極8,9、第1及び第2の分布配線14,15は、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。
【0048】
高周波信号16は第2の電極12と第3の電極13のそれぞれの一端部に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極12と接地電極である第1、第3の電極11、13とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極11と第2の電極12の間と、第2の電極12と第3の電極13の間には、それぞれ100Ωの終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、第1〜第3の電極11〜13から構成されるマイクロ波導波路は終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0049】
また、高導電率層2のうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0050】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、連続(CW)光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第2の光導波路4上の位相変調電極9から高導電率層2、第1の光導波路3に生じる電界により位相が変化させられて進んだ後に合波器6内で位相変化に応じた光強度に変換されて出力される。この場合、第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9からInP 高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3内と第2の光導波路4内のそれぞれの電界の方向は逆になる。
【0051】
図6は、第2の電極12に高周波信号を印加し、高導電率層2にバイアス電圧を印加した状態でのマッハツェンダ型光変調器の等価回路を示している。即ち、マイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、周期的に配置された位相変調電極8,9とその下の光導波路3、4とから構成される位相変調器が高導電率層2を介して直列に接続された容量Cp として見えるため、図6のようにマイクロ波導波路21の分布定数回路に、位相変調器による容量Cp が装荷された回路として表せる。マイクロ波導波路21とこの装荷容量Cp を合わせて設計することにより、図6の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造にすることにより高速動作が可能になる。
【0052】
図7(a) は、上記したマッハツェンダ型変調器の図5(a) の断面における等価回路である。この等価回路のうちの直流の等価回路は図7(b) に示すようになり、直流電圧用電源20による電界Eb は2つの光導波路3、4に同じ方向に印加される。これにより、光導波路3、4はそれぞれ同一方向にバイアスされる。高周波信号印加時における等価回路は図7(c) のようになり、図5(a) に示した第1の光導波路3と第2の光導波路4にはそれぞれ基板に対して逆方向に信号電界Es が印加される。
【0053】
したがって、2つの光導波路3、4における正味の位相変化量は、高周波に対し互いに逆方向であるため、マッハツェンダ型光変調器はプッシュプル駆動される。
【0054】
また、信号電極である第2の電極12の両側方には、接地電極である第1及び第3の電極11,13が配置されているので、第2の電極12の周囲の信号電界の分布を均一にすることができる。
【0055】
以上のように、上記したマッハツェンダ型光変調器によれば、素子内部でプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れている。しかも、光導波路3,4の構造としてpin接合構造を用い且つコア層3b,4bにi型層の量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0056】
なお、本実施形態では、第1の光導波路3上の位相変調電極8は間隔をおいて不連続に形成されているが、連続的に一体に形成されていても良い。この場合、コンタクト層3d,4dと上側クラッド層3c,4cの凹部に埋め込まれた埋込層10は高抵抗層であり、埋込層10の直下のコア層3b内を通る光は吸収されず、変調されない。しかし、連続してストライプ状に位相変調電極8を形成すると、マイクロ波の伝搬損失が増加するために変調速度が低く制限される。
【0057】
また、上記した構造では、第1及び第2の分布配線14,15の幅は位相変調電極8,9の単位要素の長さより小さいが、位相変調電極8,9の単位要素の長さと等しくすることにより、マイクロ波の伝搬損失を低減できるため、より高速動作が可能になる。
【0058】
なお、第1の電極11とこれに接続される分布配線14、位相変調電極8によって接地線が構成される。また、第3の電極13は接地線である。さらに、第2の電極12とこれに接続される分布配線15、位相変調電極9によって信号線が構成される。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図9(a) は、図8のV−V線断面図、図9(b) は、図8の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図9(c) は、図9(b) のVI−VI線断面図である。なお、図8、図9において、図4,図5と同じ符号は同じ要素を示している。
【0059】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。また、InP 基板1の上には、光進行方向に長い長方形の平面形状を有するn型のInP よりなる高導電率層2が形成されている。
【0060】
高導電率層2の上には、第1の光導波路3と第2の光導波路4が略平行に且つ第1実施形態と同じ構造に形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4のうちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分波する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。
【0061】
第1及び第2の光導波路3,4の側面とInP 基板1の上面とInP 高導電率層2の表面のそれぞれの面は、酸化シリコンよりなる保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1及び第2の光導波路3,4の上面を露出する開口部が形成されている。
【0062】
第1の光導波路3上には、第1実施形態と同様に、長手方向に複数の位相変調電極8が間隔をおいて周期的に形成されている。また、第2の光導波路4の上には、第1実施形態と同様に、長手方向に複数の位相変調電極9が間隔をおいて周期的に形成されている。
【0063】
第1及び第2の光導波路3,4のうち位相変調電極8,9が存在しない部分では、図9(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c及びコンタクト層3d,4dが除去されて凹部が形成され、その凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0064】
InP 高導電率層2から一側方に離れた位置において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第1の電極11が形成されている。第1の光導波路3の上の複数の位相変調電極8は、第1の電極11に櫛状に延びた分布配線14に接続されている。分布配線14は、位相変調電極8の長さと同じかそれ以下の幅、例えば5μm以上の幅を有している。なお、分布配線14は、InP 高導電率層2に対して接触しないようにブリッジ状に形成されている。
【0065】
また、第2の光導波路4上では、隣り合う位相調整電極9の間隙の上から前後の位相変調電極9の一部にかけて分布配線パターン12aが形成され、これにより、複数の位相変調電極9が複数の分布配線パターン12aを介して電気的に接続される。即ち、複数の位相変調電極9と分布配線パターン12aにより第2の電極52が構成される。
【0066】
さらに、第2の光導波路4から他側方に離れた領域において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第3の電極13が形成されている。
【0067】
第1、第3の電極11,13は接地電極である。また、第2の光導波路4上に形成された位相変調電極9及び分布配線パターン12aは信号電極となる。
【0068】
第1〜第3の電極11〜13、位相変調電極8,9、分布配線14及び分布配線パターン12aは、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、例えば金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。なお、分布配線パターン12aは、第1、第3の電極11,13、位相変調電極8,9、分布配線14を形成した後に形成される。
【0069】
複数の位相変調電極8,9同士の光進行方向の間隙は3μm以上である。そして、第2の光導波路4の上の位相変調電極9同士の間隙の上には分布配線パターン12aが形成されている。
【0070】
高周波信号16は、第2の電極52(12a、9)と第3の電極13の間に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極52と接地電極である第1、第3の電極12、13とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極11と第2の電極52の間と、第2の電極52と第3の電極13の間には、それぞれ終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、マイクロ波導波路は、終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0071】
また、高導電率層2のうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0072】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第2の光導波路4上の位相変調電極9から高導電率層2、第1の光導波路3に生じる電界により位相が変化させられて進んだ後に合波器6内で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9からInP 高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3内と第2の光導波路4内のそれぞれの電界の方向は逆になる。この場合、分布配線パターン12aを介して第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9からInP 高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0073】
図10に、上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路を示す。
【0074】
図10において、第1、第3の電極11,13を含むマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、第2の光導波路4上に周期的に接続された位相変調電極9によって異なる伝播定数を持つ分布定数回路がマイクロ波導波路21に接続され、しかも、第1の光導波路3上の位相変調電極8とその下のpin接合構造により容量Cp がマイクロ波導波路21接続されているように見えるため、LC分布定数回路に、位相変調器による異なる線路23が接続され且つ容量Cp が装荷された回路としてあらわせる。
【0075】
位相変調電極9によるマイクロ波導波路21の特性インピーダンスおよびマイクロ波の伝搬速度は全く整合していなくても、マイクロ波導波路21と位相変調電極9による線路23と位相変調電極8による装荷容量Cp をあわせて設計することにより、図10の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造が可能であるため、高速動作が可能になる。
【0076】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れる。しかも、光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0077】
さらに、信号電極である第2の電極52の両側方には、接地電極である第1及び第3の電極11,13が配置されているので、第2の電極52の周囲の信号電界の分布を均一にすることができる。
【0078】
なお、本実施形態では、第2の光導波路4上の位相変調電極9は不連続に形成されているが、連続的に形成されていても良い。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低く制限される。
【0079】
また、本実施形態では、位相変調電極8と第1の電極11を接続する分布配線14の幅は、図8では位相変調電極8の1つの単位要素の長さより小さいが、位相変調電極8の単位要素の長さと等しくすることにより、マイクロ波の伝搬損失を低減してもよく、これによりさらなる高速動作が可能になる。
【0080】
なお、第1の電極11とこれに接続される分布配線14、位相変調電極8によって接地線が構成される。また、第3の電極13は接地線である。さらに、分布配線パターン12a、位相変調電極9によって信号線が構成される。
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図12(a) は、図11のVII−VII 線断面図、図12(b) は、図11の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図12(c) は、図12(b) のVII−VII 線断面図である。なお、図11、図12において、図4、図5、図8、図9と同じ符号は同じ要素を示している。
【0081】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。また、InP 基板1の上には、光進行方向に長い長方形の平面形状を有するn型のInP よりなる高導電率層2が形成されている。
【0082】
高導電率層2の上には、第1の光導波路3と第2の光導波路4が略平行に且つ第1実施形態と同じ構造に形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4のうちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分波する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。
【0083】
第1及び第2の光導波路3,4の側面とInP 基板1の上面とInP 高導電率層2の表面のそれぞれの面は、酸化シリコンよりなる保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1及び第2の光導波路3,4の上面を露出する開口部が形成されている。
【0084】
第1の光導波路3上には、第1実施形態と同様に、長手方向に複数の位相変調電極8が間隔をおいて周期的に形成されている。また、第2の光導波路4の上には、第1実施形態と同様に、長手方向に複数の位相変調電極9が間隔をおいて周期的に形成されている。
【0085】
第1及び第2の光導波路3,4のうち位相変調電極8,9が存在しない部分では、図9(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c及びコンタクト層3d,4dが除去されて凹部が形成され、その凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0086】
また、第1、第2の光導波路3,4上では、それぞれ隣り合う位相調整電極8,9の間隙の上から前後の位相変調電極8,9の一部にかけて分布配線パターン11a,12aが形成され、これにより、複数の位相変調電極8,9が複数の分布配線パターン11a,12aを介して光進行方向に電気的に接続される。即ち、第1の光導波路3上では複数の位相変調電極8と分布配線パターン11aが互いに接続されて第1の電極51が構成される。同様に、第2の光導波路4上では複数の位相変調電極9と複数の分布配線パターン12aが互いに接続されて第2の電極52が構成される。
【0087】
さらに、高導電率層2から他側方に離れた領域において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第3の電極13が形成されている。
【0088】
第1の光導波路3上の位相変調電極8及び分布配線パターン11aは信号電極となる。また、第3の電極13は接地電極である。さらに、第2の光導波路4上において第2の光導波路4上の位相変調電極9及び分布配線パターン12aは信号電極となる。
【0089】
位相変調電極8,9、分布配線パターン11a,12a及び第3の電極13は、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。さらに、分布配線パターン11a,12aは、第3の電極13、位相変調電極8,9を形成した後に形成される。
【0090】
高周波信号16は、第2の電極52と第3の電極13の間に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極52と接地電極である第1、第3の電極51、13とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極51と第2の電極52の間と、第2の電極52と第3の電極13の間には、それぞれ終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、マイクロ波導波路は、終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0091】
また、高導電率層2のうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0092】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第2の光導波路4上の位相変調電極9から高導電率層2、第1の光導波路3に生じる電界により位相が変化させられて進んだ後に合波器6内で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、分布配線パターン12aを介して第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9から高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の光導波路3上の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0093】
図13は、上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路を示している。マッハツェンダ型光変調器のマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、周期的に接続された位相変調電極8、9によって、異なる伝播定数を持つ分布定数回路が接続されているように見えるため、図10のように分布定数回路に、位相変調器による異なる線路23が接続された回路となる。位相変調電極8、9によるマイクロ波導波路21の特性インピーダンスおよびマイクロ波の伝搬速度は全く整合していなくても、マイクロ波導波路21と、位相変調電極8、9による線路23をあわせて設計することにより、図10の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造が可能であるため、高速動作が可能になる。
【0094】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れ、かつ光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0095】
さらに、信号電極である第2の電極52の両側方には、接地電極である第1及び第3の電極51,13が配置されているので、第2の電極52の周囲の信号電界の分布を均一にすることができる。
【0096】
なお、本実施形態では、光導波路3上の分布配線パターン11a,12aは不連続に形成されているが、連続的に形成されていてもよい。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低くなる。
【0097】
なお、分布配線パターン11aと位相変調電極8によって接地線が構成される。また、第3の電極13は接地線である。さらに、分布配線パターン12aと位相変調電極9によって信号線が構成される。
(第4の実施の形態)
図14は、本発明の第4実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図15(a) は、図14のIX−IX線断面図、図15(b) は、図14の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図15(c) は、図15(b) X−X線断面図である。なお、図14、図15において、図4、図5と同じ符号は同じ要素を示している。
【0098】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。
【0099】
InP 基板1の上には、光進行方向に長い長方形の平面形状を有するn型導電性のInP 高導電率層2が形成されている。このInP 高導電率層2は、約1.0μm又はそれ以上の厚さを有している。このInP 高導電率層2のドーパントはシリコン(Si)であり、ドーパント濃度は1×1018/cmである。
【0100】
n−InP 高導電率層2の上には、第1の光導波路3、第2の光導波路4及び第3の光導波路(ストライプ層)25がストライプ状であって互いに略平行に形成されている。また、第1,第2の光導波路3,4うちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分配する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。なお、第3の光導波路25には分波器5、合波器6は接続されない。
【0101】
第1、第2及び第3の光導波路3,4,25はそれぞれ、図15(a) に示すように、n型InP よりなる下部クラッド層3a、4a,25aと、アンドープの量子井戸よりなるコア層3b,4b,25bと、p型InP よりなる上部クラッド層3c,4c,25cと、p型InGaAsよりなるコンタクト層3d,4d,25dとがInP 高導電率層2上に順に形成された積層構造を有している。従って、第1、第2及び第3の光導波路3,4,25はそれぞれ上下方向にpin接合構造となっている。
【0102】
コア層3b,4b,25bを構成する量子井戸構造は、厚さ10nmのInGaAsP バリア層と厚さ10nmのInP 井戸層が交互に形成され、且つ井戸層がバリア層に挟まれた構造を有している。井戸層の数は、1又は複数である。
【0103】
第1、第2及び第3の光導波路3,4,25の側面とInP 基板1の上面とInP 高導電率層2の表面のそれぞれの面は、厚さ0.5μm程度の酸化シリコンよりなる保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1、第2及び第3の光導波路3,4,25の上面を露出する開口部が形成されている。
【0104】
第1、第2、第3の光導波路3,4,25上には、それぞれ長手方向に複数の位相変調電極8,9,26が間隔をおいて形成されている。位相変調電極8,9,26の長さは30μm〜500μmである。また、位相変調電極8,9,26は、50μm以上、1mm以下の周期で配置されている。
【0105】
第1、第2及び第3の光導波路3,4,25のうち位相変調電極8,9,26が存在しない部分では、図15(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c,25c及びコンタクト層3d,4d,25dが除去されて凹部が形成され、その凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0106】
InP 高導電率層2から一側方に離れた位置において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第1の電極11が形成されている。また、InP 高導電率層2から他側方に離れた位置において、InP 基板1上には保護絶縁膜7を介して第3の電極27が形成されている。第1、第3の電極11,27は接地電極である。
【0107】
第2の光導波路4上では、隣り合う位相調整電極9の間隙の上方から前後の位相変調電極9の一部にかけて分布配線パターン12aが形成され、これにより、複数の位相変調電極9が複数の分布配線パターン12aを介して電気的に接続される。即ち、複数の位相変調電極9と複数の分布配線パターン12aにより、信号電極である第2の電極52が構成される。
【0108】
第1の光導波路3の上の位相変調電極8は、第1の電極11から櫛状に延びた第1の分布配線14に接続されている。また、第3の光導波路25上の位相変調電極26は、第2の電極27から延びる第2の分布配線28に接続されている。第1、第2の分布配線14,28はそれぞれ位相変調電極8,9の長さと同じかそれ以下の幅、例えば5μm以上の幅を有している。なお、第1及び第2の分布配線14,28は、InP 高導電率層2に対して接触しないようにブリッジ状に形成されている。
【0109】
第1、第3の電極11,27、位相変調電極8,9,26、第1及び第2の分布配線14,28及び分布配線パターン12aは、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。
【0110】
高周波信号16は第2の電極52と第3の電極27の間に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極52と接地電極である第1,第3の電極11、27とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極11と第2の電極52の間と、第2の電極52と第3の電極27の間には、それぞれ100Ωの終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、マイクロ波導波路は、終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0111】
また、高導電率層2のうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0112】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第2の光導波路4上の位相変調電極9から高導電率層2、第1の光導波路3に生じる電界により位相が変化させられて進んだ後に合波器6内で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、分布配線パターン12aを介して第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9から高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0113】
マッハツェンダ型光変調器では、第3の光導波路25に分波器5、合波器6は接続されないが、高周波信号が印加される第2の光導波路4を中心にして左右対称となるので、第2の電極52の周囲の電界分布も左右対称となって電界の分布が均一になる。
【0114】
上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路は、第2実施形態に係る変調器の等価回路を示した図10と同じになる。
【0115】
即ち、第1、第3の電極11、27よりなるマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、第2の光導波路4上に周期的に接続された位相変調電極8によって異なる伝播定数を持つ分布定数回路が接続され、しかも位相変調電極8,9及びpin構造により容量Cp が接続されているように見えるため、マイクロ波導波路21の分布定数回路に、位相変調器による異なる線路23が接続され且つ容量Cp が装荷された回路としてあらわせる。
【0116】
位相変調電極9によるマイクロ波導波路21の特性インピーダンスおよびマイクロ波の伝搬速度は全く整合していなくても、マイクロ波導波路21と、位相変調9による線路23と位相変調電極8,26による装荷容量Cp をあわせて設計することにより、図10の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造が可能であるため、高速動作が可能になる。
【0117】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れる。しかも、光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0118】
なお、本実施形態では、第1、第3の光導波路3,25上の位相変調電極8,26は不連続に形成されているが、連続的に形成されていても良い。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低く制限される。
【0119】
また、本実施形態では、位相変調電極8,26と第1、第3の電極11を接続する分布配線14,28の幅は、図14では位相変調電極8,26の1つの単位要素の長さより小さいが、位相変調電極8,26の単位要素の長さと等しくすることにより、マイクロ波の伝搬損失を低減してもよく、これによりさらなる高速動作が可能になる。
【0120】
また、本実施形態では光変調器が行われない第3の光導波路25は、誘電体材料(絶縁材料)から置換しても同様の効果が得られる。しかし、第3の光導波路25だけを別工程で形成すれば、マッハツェンダ型光変調器の製造工程が複雑になる。
【0121】
なお、第1の電極11とこれに接続される分布配線14、位相変調電極8によって接地線が構成される。また、第3の電極27とこれに接続される位相変調で26、分布配線28によって接地線が構成される。さらに、位相変調電極9と分布配線パターン12aによって信号線が構成される。
(第5の実施の形態)
図16は、本発明の第5実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図17(a) は、図16のXI−XI線断面図、図17(b) は、図16の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図17(c) は、図17(b) の XII−XII 線断面図である。なお、図16、図17において、図14、図15と同じ符号は同じ要素を示している。
【0122】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。
【0123】
InP 基板1の上には、光進行方向に長い長方形の平面形状を有するn型導電性のInP 高導電率層2が形成されている。このInP 高導電率層2は、光進行方向に長い平面形状にパターニングされている。
【0124】
n−InP 高導電率層2の上には、第1の光導波路3、第2の光導波路4及び第3の光導波路25がストライプ状であって互いに略平行に形成されている。第1〜第3の光導波路3,4,25は、図17(a) に示すように、第4実施形態と同じ層構造を有している。また、第1,第2の光導波路3,4うちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分配する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。なお、第3の光導波路25には分波器5、合波器6は接続されない。
【0125】
第1、第2及び第3の光導波路3,4,25の側面とInP 基板1の上面とInP 高導電率層2の表面のそれぞれの面は保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1、第2及び第3の光導波路3,4,25の上面を露出する開口部が形成されている。
【0126】
第1、第2、第3の光導波路3,4,25上には、それぞれ長手方向に複数の位相変調電極8,9.26が間隔をおいて形成されている。第1、第2及び第3の光導波路3,4,25のうち位相変調電極8,9,26が存在しない部分では、図17(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c,25c及びコンタクト層3d,4d,25dが除去されて凹部が形成され、その凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0127】
第1、第2及び第3の光導波路3,4,25上では、同一の光導波路において隣り合う位相調整電極8,9,25の間隙の上方から前後の位相変調電極8,9,26の一部にかけて分布配線パターン11a,12a,27aが形成され、これにより、複数の位相変調電極8,9,25が複数の分布配線パターン11a,12a,27aを介して電気的に接続される。即ち、第1の光導波路3上の複数の位相変調電極8と複数の分布配線パターン11aにより、接地電極である第1の電極51が構成される。また、第2の光導波路4上の複数の位相変調電極9と複数の分布配線パターン12aにより、信号電極である第2の電極52が構成される。さらに、第3の光導波路25上の複数の位相変調電極26と複数の分布配線パターン27aにより、接地電極である第3の電極53が構成される。
【0128】
位相変調電極8,9,26及び分布配線パターン11a,12a,27aは、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。
【0129】
高周波信号16は、第2の電極52と第3の電極53の間に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極52と、接地電極である第1、第3の電極51、53とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極51と第2の電極52の間と、第2の電極52と第3の電極53の間には、それぞれ100Ωの終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、マイクロ波導波路は、終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0130】
また、高導電率層2のうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0131】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第2の光導波路4上の位相変調電極9から高導電率層2、第1の光導波路3に生じる電界により位相が変化させられて進んだ後に合波器6内で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、分布配線パターン12aを介して第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9から高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0132】
マッハツェンダ型光変調器では、高周波信号が印加される第2の電極52を中心にして第1及び第3の電極51,53が左右対称となるので、第2の電極52の周囲の電界分布も左右対称となって電界の分布が均一になる。
【0133】
上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路は、第3実施形態に係る変調器の等価回路を示した図13と同じになる。
【0134】
即ち、第1〜第3の電極51〜53を有するマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、周期的に接続された位相変調電極8,9,26によって異なる伝播定数を持つ分布定数回路が接続されているように見えるため、分布定数回路に、位相変調器による異なる線路23が接続された回路としてあらわせる。
【0135】
位相変調電極8,9,26によるマイクロ波導波路21の特性インピーダンスおよびマイクロ波の伝搬速度が全く整合していなくても、マイクロ波導波路21と、位相変調電極8,9,26による線路23をあわせて設計することにより、図13の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造が可能であるため、高速動作が可能になる。
【0136】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れる。しかも、光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0137】
なお、本実施形態では、第1、第2及び第3の光導波路3,4,25上の位相変調電極8,9,26は間隔をおいて不連続に形成されているが、連続的に形成されていても良い。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低く制限される。
【0138】
また、本実施形態では光変調器が行われない第3の光導波路25は、誘電体材料(絶縁材料)から置換しても同様の効果が得られる。
【0139】
なお、第1及び第3の光導波路3,25において、位相変調電極8(26)と分布配線パターン11a(27a)によって接地線が構成される。また、第2の光導波路4上において、位相変調電極9と分布配線パターン12aによって信号線が構成される。
(第6の実施の形態)
図18は、本発明の第6実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図19(a) は、図18のXIII−XIII 線断面図、図19(b) は、図18の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図19(c) は、図19(b) のXIIII−XIIII 線断面図である。
【0140】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。
【0141】
InP 基板1の上には、光進行方向に長い長方形の平面形状を有するn型InP からなる第1及び第2の高導電率層2a,2bが側方に互いに間隔をおいて形成されている。第1及び第2の高導電率層2a,2bはそれぞれ約1.0μm又はそれ以上の厚さを有している。このInP 高導電率層2のドーパントはシリコン(Si)であり、ドーパント濃度は1×1018/cmである。
【0142】
第1の高導電率層2aの上には、第1の光導波路3、第2の光導波路4がストライプ状であって側方に離れて互いに略平行に形成されている。また、第2の高導電率層2bの上には、第3の光導波路(ストライプ層)31、第4の光導波路(ストライプ層)32がストライプ状であって側方に離れて互いに略平行に形成されている。第1〜第4の光導波路3,4,31,32の幅はそれぞれ1〜2μm程度である。
【0143】
第1,第2の光導波路3,4うちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分配する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。なお、第3及び第4の光導波路31,32には分波器、合波器は接続されていない。
【0144】
第1及び第2の光導波路3,4はそれぞれ、図19(a) に示すように、n型InP よりなる下部クラッド層3a、4aと、アンドープの量子井戸よりなるコア層3b,4bと、p型InP よりなる上部クラッド層3c,4cと、p型InGaAsよりなるコンタクト層3d,4dとが第1の高導電率層2a上に順に形成された積層構造を有している。同じように、第3及び第4の光導波路31,32はそれぞれ、n型InP よりなる下部クラッド層31a,32aと、アンドープの量子井戸よりなるコア層31b,32bと、p型InP よりなる上部クラッド層31c,32cと、p型InGaAsよりなるコンタクト層31d,32dとが第2の高導電率層2b上に順に形成された積層構造を有している。
【0145】
従って、第1、第2、第3及び第4の光導波路3,4,31,32はそれぞれ上下方向にpin接合構造となっている。
【0146】
コア層3b,4b,31b,32bを構成する量子井戸構造は、厚さ10nmのInGaAsP バリア層と厚さ10nmのInP 井戸層が交互に形成され、且つ井戸層がバリア層に挟まれた構造を有している。井戸層の数は、1又は複数である。
【0147】
第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32の側面とInP 基板1の上面と第1及び第2の高導電率層2a,2bの表面のそれぞれの面は、厚さ0.5μm程度の酸化シリコンよりなる保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32の上面を露出する開口部が形成されている。
【0148】
第1、第2、第3及び第4の光導波路3,4,31,32上にはそれぞれ長手方向に複数の位相変調電極8,9,33,34が間隔をおいて形成されている。位相変調電極8,9,31,32の長さは30μm〜500μmである。また、位相変調電極8,9,31,32は、50μm以上、1mm以下の周期で配置されている。
【0149】
第1〜第4の光導波路3,4,31,32の側面とInP 基板1の上面と第1及び第2のInP 高導電率層2,3の表面のそれぞれの面は保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1、第2、第3及び第4の光導波路3,4,31,32の上面を露出する開口部が形成されている。
【0150】
第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32のうち位相変調電極8,9,33,34が存在しない部分では、図19(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c,31c,32c及びコンタクト層3d,4d,31d,32dが除去されて凹部が形成され、その凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0151】
第1の高導電率層2aから一側方に離れた領域では、InP 基板1上に保護絶縁膜7を介して第1の電極11が形成されている。また、第1の高導電率層2aと第2の高伝導率層2bの間の領域では、InP 基板1上に保護絶縁膜7を介して第2の電極12が形成されている。さらに、第2の高導電率層2bの他側方の領域では、InP 基板1上に保護絶縁膜7を介して第3の電極13が形成されている。
【0152】
第2の電極12は信号電極あり、第1及び第3の電極11,13は接地電極である。
【0153】
第1の光導波路3の上の複数の位相変調電極8は、第1の電極11から櫛状に張り出した第1の分布配線14に接続されている。第2の光導波路4の上の位相変調電極9は、第2の電極12の一側部から櫛状に出る第2の分布配線15に接続されている。第3の光導波路31上の位相変調電極33は、第3の電極12の他側部から櫛状に出る第3の分布配線35に接続されている。第4の光導波路32上の位相変調電極34は、第3の電極13から櫛状に出る第4の分布配線36に接続されている。
【0154】
第1〜第4の分布配線14,15,35,36はそれぞれ位相変調電極8,9,33,34の長さと同じかそれ以下の幅、例えば5μm以上の幅を有している。なお、第1〜第4の分布配線14,15,35,36は、それぞれ第1及び第2の高導電率層2a,2bに対して接触しないようにブリッジ状に形成されている。
【0155】
第1〜第3の電極11〜13、位相変調電極8,9,33,34及び第1〜第4の分布配線14,15,35,36は、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。
【0156】
高周波信号16は第2の電極12と第3の電極13の間に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極12と接地電極である第1、第3の電極11、13とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極11と第2の電極12の間と、第2の電極12と第3の電極13の間には、それぞれ100Ωの終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、マイクロ波導波路は、終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0157】
また、第1の高導電率層2aのうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0158】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第2の光導波路4上の位相変調電極9から第1の高導電率層2a、第1の光導波路3に生じる電界により位相が変化させられて進んだ後に合波器6内で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、第2の電極12を介して第2の光導波路4の上の第2の位相変調電極9に印加される信号は、第2の位相変調電極9から高導電率層2へ電界を発生させ、同時に、InP 高導電率層2から第1の位相変調電極8へと電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0159】
このマッハツェンダ型光変調器では、高周波信号が印加される第2の電極12を中心にして第1及び第3の電極11,13が左右対称となるので、第2の電極12の周囲の電界分布も左右対称となって電界が均一に分布する。
【0160】
上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路は、第1実施形態に係る変調器の等価回路を示した図6と同じになる。
【0161】
即ち、第1〜第3の電極11〜13を含むマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、第1、第2の電極11,12にそれぞれ周期的に接続された位相変調電極8,9と第1、第2の光導波路3,4よりなる位相変調器は、第1の高導電率層2aを介して直列に接続された容量として見える。同じように、第2、第3の電極12,13にそれぞれ周期的に接続された位相変調電極33,34と第3、第4の光導波路31,32よりなる位相変調器は、第2の高導電率層2bを介して直列に接続された容量として見える。従って、図6に示すように、分布定数回路に位相変調器による容量Cp が装荷された回路としてあらわせる。
【0162】
これにより、マイクロ波導波路21と位相変調8,9,33,34による装荷容量Cp をあわせて設計することにより、図3の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造が可能であるため、高速動作が可能になる。
【0163】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れる。しかも、光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0164】
なお、本実施形態では、第1〜第4の光導波路3,4,31,32上の位相変調電極8,9,33,34は不連続に形成されているが、連続的に形成されていても良い。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低く制限される。
【0165】
また、本実施形態では、位相変調電極8,9,33,34と第1〜第3の電極11〜13を接続する分布配線14,15,35,36の幅は、図20では位相変調電極8,9,33,34の1つの単位要素の長さより小さいが、位相変調電極8,9,33,34の単位要素の長さと等しくすることにより、マイクロ波の伝搬損失を低減してもよく、これによりさらなる高速動作が可能になる。
【0166】
また、本実施形態では光変調器が行われない第3、第4の光導波路31,32は、誘電体材料(絶縁材料)から置換しても同様の効果が得られる。しかし、第3、第4の光導波路31,32だけを別工程で形成すれば、マッハツェンダ型光変調器の製造工程が複雑になる。
【0167】
なお、第1の電極11とこれに接続される位相変調電極8、分布配線14によって接地電極が構成される。また、第2の電極12とこれに接続される位相変調電極9,33、分布電極15,35によって信号線が構成される。さらに、第3の電極13とこれに接続される位相変調電極34、分布配線36によって接地電極が構成される。
(第7の実施の形態)
図20は、本発明の第7実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図21(a) は、図20のXV−XV線断面図、図21(b) は、図20の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図21(c) は、図21(b) のXVI−XVI 線断面図である。なお、図20、図21において、図18,図19と同じ符号は同じ要素を示している。
【0168】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。
【0169】
InP 基板1の上には、第6実施形態と同じ構造の第1及び第2の高導電率層2a,2bが両側で間隔をおいて形成されている。また、第1の高導電率層2aの上には、第6実施形態と同じ構造で第1の光導波路3、第2の光導波路4が互いに略平行に形成されている。これと同じように、第2の高導電率層2bの上には、第6実施形態と同じ構造で第3の光導波路31、第4の光導波路32が互いに略平行に形成されている。従って、第1、第2、第3及び第4の光導波路3,4,31,32はそれぞれ第6実施形態と同じ構造の上下方向にpin接合構造となっている。
【0170】
第1,第2の光導波路3,4うちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分配する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。
【0171】
第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32の側面とInP 基板1の上面と第1及び第2の高導電率層2a,2bの表面のそれぞれの面は、保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32の上面を露出する開口部が形成されている。
【0172】
第1、第4の光導波路3,32上にはそれぞれ長手方向に複数の位相変調電極8,34が間隔をおいて形成されている。
【0173】
また、第2、第3の光導波路4,31の上には、第2の光導波路4と第3の光導波路31の間隙を跨ぐ広さの位相変調電極37が光進行方向に間隔をおいて複数形成されている。この位相変調電極37は、コンタクト層2a,2bの上面から約3μmの高さで第2の光導波路4から第3の光導波路31に橋渡しされている。
【0174】
第1〜第4の光導波路3,4,31,32のうち位相変調電極8,37,34が存在しない部分では、図21(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c,31c,32c及びコンタクト層3d,4d,31d,32dが除去されて凹部が形成され、それらの凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。なお、一列に複数配置される位相変調電極14,34,37の光進行方向の長さは30〜50μmであり、光進行方向の周期は50μm以上で1mm以下である。
【0175】
第1の高導電率層2aの一側方の領域には、InP 基板1上に保護絶縁膜7を介して第1の電極11が形成されている。
【0176】
また、第2の光導波路4と第3の光導波路31の上において、光進行方向に隣り合う位相変調電極37を接続するための分布配線パターン38が形成されている。複数の分布配線パターン38と複数の位相変調電極37により、信号電極である第2の電極52が構成される。
【0177】
さらに、第2の高導電率層2bの他側方の領域では、InP 基板1上に保護絶縁膜7を介して第3の電極13が形成されている。
【0178】
第1の光導波路3の上の複数の位相変調電極8は、第6実施形態と同様に、第1の分布配線14を介して第1の電極11に接続されている。また、第4の光導波路32上の位相変調電極34は、第2の分布配線36を介して第3の電極13に接続されている。
【0179】
第1、第2の分布配線14,36はそれぞれ位相変調電極8,9,33,34の長さと同じかそれ以下の幅、例えば5μm以上の幅を有している。なお、第1、第2の分布配線14,36は、それぞれ第1及び第2の高導電率層2a,2bに対して接触しないようにブリッジ状に形成されている。
【0180】
第1、第3の電極11、13、位相変調電極8,34,37及び第1、第2の分布配線14,36、分布配線パターン38は、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆うことにより形成される。
【0181】
高周波信号16は、第3の電極13と第2の電極52の間に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極52と接地電極である第1、第3の電極11、13とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極11と第2の電極52の間と、第2の電極52と第3の電極13の間には、それぞれ100Ωの終端抵抗17a,17bが介在される。即ち、マイクロ波導波路は、終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0182】
また、第1の高導電率層2aのうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0183】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第1及び第2の光導波路3、4上の位相変調電極8、37から生じる電界により位相が変化させられた後に、合波器6で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、第2及び第3の光導波路4,31上の位相変調電極37と分布配線パターン38を介して第2の光導波路4のコンタクト層4dに印加される信号は、位相変調電極9から高導電率層2aへの一方向の電界を発生させ、同時に、高導電率層2aから第1の位相変調電極8への逆方向の電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0184】
このマッハツェンダ型光変調器では、高周波信号が印加される位相変調電極37と分布配線パターン38を中心にして第1及び第3の電極11,13が左右対称となるので、第2の電極52の周囲の電界分布は左右対称となって電界の分布が均一になる。
【0185】
上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路は、第2実施形態に係る変調器の等価回路を示した図10と同じになる。
【0186】
即ち、第1、第2及び第3の電極11,52,13を含むマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、第2及び第3の光導波路4,31上に周期的に接続された位相変調電極37によって異なる伝搬定数をもつ分布定数回路がマイクロ波導波路21に接続され、さらに第1及び第2の分布配線14,36によって容量Cp がマイクロ波導波路21に接続されることになる。
【0187】
従って、本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、マイクロ波導波路21の分布定数回路に位相変調器による異なる線路23と容量Cp が装荷された回路として表される。
【0188】
第2及び第3の光導波路4,31の上の位相変調電極37によるマイクロ波導波路の特性インピーダンスとマイクロ波の伝搬速度は全く整合しなくても、マイクロ波導波路21と位相変調電極37による線路23と第1及び第4の光導波路3,32上の位相変調電極8,34による装荷容量Cp を合わせて設計することにより、図10の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度に整合させる構造を作成することが可能である。これにより、マッハツェンダ型光変調器の高速動作が可能になる。
【0189】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れる。しかも、光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0190】
なお、本実施形態では、第1、第4の光導波路3,32上の位相変調電極8,34は不連続に形成されているが、連続的に形成されていても良い。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低く制限される。
【0191】
また、本実施形態では、第1、第2の分布配線14,36の幅は、図20では位相変調電極8,34の1つの単位要素の長さより小さいが、位相変調電極8,34の単位要素の長さと等しくすることにより、マイクロ波の伝搬損失を低減してもよく、これによりさらなる高速動作が可能になる。
【0192】
また、本実施形態では光変調器が行われない第3、第4の光導波路31,32は、誘電体材料(絶縁材料)から置換しても同様の効果が得られる。しかし、第3、第4の光導波路31,32だけを別工程で形成すれば、マッハツェンダ型光変調器の製造工程が複雑になる。
【0193】
さらに、上記した構造において、第2の光導波路4の代わりに第3の光導波路32を分波器5、合波器6に接続して変調器として使用しても、同様な効果が得られる。
【0194】
なお、第1の電極11とこれに接続される位相変調電極8、分布配線14によって接地電極が構成される。また、第3の電極13とこれに接続される位相変調電極34、分布配線36によって接地電極が構成される。さらに、第2、第3の導波路4,31の上の位相変調電極37、分布電極38によって信号線が構成される。
(第8の実施の形態)
図22は、本発明の第8実施形態に係る半導体光変調器の平面図、図23(a) は、図22のXVII−XVII 線断面図、図23(b) は、図22の一点鎖線で囲んだ領域を示す平面図、図23(c) は、図23(b) のXVIII−XVIII 線断面図である。なお、図22、図23において、図18,図19と同じ符号は同じ要素を示している。
【0195】
本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器は、半絶縁性のInP 基板1の上に形成されている。InP 基板1の上には、第6実施形態と同じ構造の第1及び第2の高導電率層2a,2bが間隔をおいて形成されている。
【0196】
第1の高導電率層2aの上には、第6実施形態と同じ構造の第1の光導波路3、第2の光導波路4がストライプ状であって互いに略平行に形成されている。また、第2の高導電率層2bの上には、第6実施形態と同じ構造の第3の光導波路31、第4の光導波路32が互いに略平行に形成されている。従って、第1、第2、第3及び第4の光導波路3,4,31,32はそれぞれ上下方向にpin接合構造となっている。
【0197】
第1,第2の光導波路3,4うちの光入力端には、入力光を第1の光導波路3と第2の光導波路4に分配する分波器5が形成されている。また、第1及び第2の光導波路3,4の光出力端には、第1の光導波路3と第2の光導波路4から出力される光を合波する合波器6が形成されている。
【0198】
第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32の側面とInP 基板1の上面と第1及び第2の高導電率層2a,2bの表面のそれぞれの面は、保護絶縁膜7により覆われている。その保護絶縁膜7には、第1、第2,第3及び第4の光導波路3,4,31,32の上面を露出する開口部が形成されている。
【0199】
第1、第4の光導波路3,32上には、それぞれ、光進行方向に複数の位相変調電極8,34が間隔をおいて形成されている。
【0200】
また、第2、第3の光導波路4,31の上には、第2の光導波路4と第3の光導波路31の間隙を跨ぐ位相変調電極37が光進行方向に間隔をおいて複数形成されている。
【0201】
第1〜第4の光導波路3,4,31,32のうち位相変調電極8,34,37が存在しない部分では、図23(c) に示すように、上部クラッド層3c,4c,31c,32c及びコンタクト層3d,4d,31d,32dが除去されて凹部が形成され、それらの凹部内には半絶縁性InP よりなる埋込層10が形成されている。
【0202】
第1、第4の光導波路3,32上では、それぞれ、光進行方向に隣り合う位相調整電極8,34同士を接続する分布配線パターン11a,36aが形成され、これにより、複数の位相変調電極8,34が複数の分布配線パターン11a,36aを介して電気的に接続される。同じように、第2及び第3の光導波路4,31上の複数の位相変調電極37は複数の分布配線パターン38によって接続されている。
【0203】
従って、第1の光導波路3において、複数の位相変調電極8と分布配線パターン11aにより接地電極である第1の電極51が構成される。また、第2、第3の光導波路4,41において、複数の位相変調電極37と分布配線パターン38により第2の電極52が構成される。さらに、第4の光導波路32において、複数の位相変調電極34と分布配線パターン36aにより第3の電極53が構成される。
【0204】
位相変調電極8,34,37、分布配線パターン11a,36a,38は、それぞれメッキにより形成された3μm以上の厚さの金膜からなり、メッキの際には金膜を形成しない領域をレジストパターンで覆われ、レジストパターンはメッキ後に除去される。
【0205】
高周波信号16は、第3の電極53と第2の電極52に接続される。即ち、高周波信号16は、信号電極である第2の電極12と接地電極である第1、第3の電極11、13とによって形成されるコプレーナ型マイクロ波導波路構造の一端に接続される。また、第1の電極11と第2の電極12の間と、第2の電極12と第3の電極13の間には、それぞれ100Ωの終端抵抗17a,17bが介在され、マイクロ波導波路は終端抵抗17a,17bにより終端される。
【0206】
また、第1の高導電率層2aのうち光入力端の近傍にはバイアス電極18が接続され、バイアス電極18にはインダクタ19を介して直流電圧用電源20が接続されている。
【0207】
上記したマッハツェンダ型光変調器において、光は分波器5の入力導波路に入力される。分波器5に入力された光は第1及び第2の光導波路3、4に分けられて進行し、さらに第1及び第2の光導波路3、4上の位相変調電極8、37から生じる電界により位相が変化させられた後に、合波器6で位相変化に応じた強度変化に変換されて出力される。この場合、第2及び第3の光導波路4,31上の位相変調電極37と分布配線パターン38を介して第2の光導波路4のコンタクト層4dに印加される信号は、位相変調電極9から高導電率層2aへの一方向の電界を発生させ、同時に、高導電率層2aから第1の位相変調電極8への逆方向の電界を発生させる。従って、第1の光導波路3と第2の光導波路4の電界の方向は逆になる。
【0208】
このマッハツェンダ型光変調器では、高周波信号が印加される第2の電極52を中心にして第1及び第3の電極51,53が左右対称となるので、第2の電極52の周囲の電界分布も左右対称となって電界の分布が均一になる。
【0209】
上記したマッハツェンダ型光変調器の高周波に対する等価回路は、第3実施形態に係る変調器の等価回路を示した図13と同じになる。
【0210】
即ち、第1〜第3の電極11,12,13、pin接合等よりなるマイクロ波導波路21はLC分布定数回路で表せる。また、周期的に接続された位相変調電極8,9,37によって異なる伝播定数を持つ分布定数回路がマイクロ波導波路21に接続されているように見えるため、分布定数回路に、位相変調器による異なる線路23が接続された回路としてあらわせる。
【0211】
位相変調電極8,9,37によるマイクロ波導波路21の特性インピーダンスとマイクロ波の伝搬速度が全く整合していなくても、マイクロ波導波路21と、位相変調電極8,9,37による線路23をあわせて設計することにより、図13の回路の特性インピーダンスを50Ωに整合させ、マイクロ波の伝搬速度を光の伝搬速度と整合させる構造が可能であるため、高速動作が可能になる。
【0212】
また、上記したマッハツェンダ光変調器によれば、第1実施形態と同様な効果により、内部的にプッシュプル駆動が可能であり、かつコプレーナ電極構造を有するため放射損が少なく、他のシステムとの整合性に優れる。しかも、光導波路構造としてpin構造を用い、コア層に量子井戸を用いているため、低電圧動作が可能であり、かつ高速動作が可能である。
【0213】
なお、本実施形態では、第1、第4の光導波路3,32上の位相変調電極8,34は不連続に形成されているが、連続的に形成されていても良い。しかし、この場合マイクロ波の伝搬損失が増加するため、変調速度が低く制限される。
【0214】
また、本実施形態では光変調器が行われない第3、第4の光導波路31,32は、誘電体材料(絶縁材料)から置換しても同様の効果が得られる。しかし、第3、第4の光導波路31,32だけを別工程で形成すれば、マッハツェンダ型光変調器の製造工程が複雑になる。
【0215】
さらに、上記した構造において、第2の光導波路4の代わりに第3の光導波路32を分波器5、合波器6に接続して変調器として使用しても、同様な効果が得られる。
【0216】
なお、第1の光導波路3上の位相変調電極8、分布配線パターン11aによって接地電極が構成される。また、第4の光導波路32上の位相変調電極34、分布配線パターン36aによって接地電極が構成される。さらに、第2、第3の導波路4,31の上の位相変調電極37、分布電極38によって信号線が構成される。
(その他の実施の形態)
上記した第1〜第8の実施形態では、光導波路3,4,25,31,32の表面を覆う保護絶縁膜7を酸化シリコンから構成しているが、その他の絶縁材料から構成してもよい。
【0217】
また、保護絶縁膜7の代わりに半絶縁性半導体膜を用いてもよく、例えば、第7実施形態に示したマッハツェンダ型光変調器において、図24の断面に示すように、第1、第2、第3及び第4の光導波路3,4,31,32の側面に半絶縁性InP からなる保護層39を形成する。
【0218】
これによれば、半絶縁性InP からなる保護膜39により光導波路3,4,31,32を被覆しているので、マイクロ波伝搬特性にあまり影響を与えずに、光導波路3,4,31,32の光モードを安定化できる。しかも、光導波路3,4,31,32の側面を半導体膜で覆う構造は、酸化シリコン膜で覆う構造に比べて、光のモードの安定性や高信頼性に優れている。この場合、光導波路3,4,31,32の凹部に埋め込まれる半絶縁性InP の埋込層10の形成と半絶縁性InP の保護層39を同時に成長できるので、成膜工程が容易であり、歩留まりおよび素子の信頼性を向上することができる。
【0219】
また、保護膜39により光導波路3,4,31,32の側面を覆っても上記した実施形態と同様に内部的にプッシュプル動作でき、他のシステムとの整合性にも優れ、高速で低電圧動作可能なマッハツェンダ型光変調器が実現される。
【0220】
なお、第2の光導波路4と第3の光導波路31の間の隙間を無くすように、第2の光導波路4と第3の光導波路31の間に半絶縁性半導体、例えばアンドープのInP 膜を埋め込んでも同様の効果が得られる。
【0221】
ところで、保護膜39として半絶縁性半導体の代わりに別の物質、例えばi型半導体を用いても良い。しかし、保護膜39としてi型の半導体を用いる場合には半絶縁性半導体を用いる場合に比べてマイクロ波の損失が生じ、動作速度が制限されやすい。
【0222】
また、上記した第1〜第8の実施形態において、位相変調電極の前後において光導波路3,4,31,32の凹部を半絶縁性InP の埋込層10で埋め込んでいるが、半絶縁性InP の埋込層10の代わりにi型半導体層を形成してもよし、埋め込まなくてもよい。しかし、凹部内の埋込層としてi型半導体層を用いた場合には、半絶縁性半導体を用いる場合に比べてマイクロ波の損失が増加し動作速度は制限されやすい。
【0223】
その凹部内に何も埋め込まない場合は、光導波路構造を伝搬する光がこの部分で散乱し、本実施形態と比較して光の損失や反射が増加する。また、光導波路3,4,31,32に凹部を形成しない場合は、マイクロ波の伝搬損失が増加するため、上記した実施形態に比較して変調速度が制限される。
【0224】
また、位相変調電極の前後において光導波路3,4,31,32の凹部に酸化シリコンを埋め込んでもよいが、光導波路構造を伝搬する光の散乱が凹部で生じるので、光の損失や反射が増加する。
【0225】
上記した実施形態においては半絶縁性の基板1としてInP 基板を用いているが、半絶縁性のGaAs基板を用いてもよい。また、コア層3b,4b,31b,32bとしてGaInAsP 量子井戸を用いているが、GaInAs量子井戸やAlGaInAs量子井戸構造を用いてもよい。また、上側又は下側のクラッド層3a,3c,4a,4cを構成する材料としてAlGaAs、AlInAsを用いてもよい。さらに、光導波路3,4,31,32の下の高導電率層2,2a,2bとしてはn型半導体層を用いているが、例えば、光導波路3,4の下の部分をn型半導体で、その他の部分を金属で構成してもよい。
【0226】
また、上記した本実施形態では、コア層3b,4b,31b,32bとして量子井戸構造を用いているが、バルクの半導体層を用いてもよい。バルクの半導体層を用いる場合には、量子井戸構造を用いる場合に比べて、電界に対する位相変調効果が小さいため上記した実施形態と比較して駆動電圧が増加しやすい。
【0227】
また、上記した実施形態では光導波路構造3,4,25,31,32にpin構造の半導体を用いているが、i型半導体を用いてもよい。しかし、i型半導体を用いる場合は上記した実施形態に比べて電界に対する位相変調効果が小さいため駆動電圧が増加する。
【0228】
上記した実施形態では、分波器5、合波器6はInP 基板1上に形成されているが、外部に形成しても良い。この場合、上記した実施形態に比較して素子が大型化し、光の過剰損失が生じやすい。
【0229】
また、上記した施形態では、複数の位相変調電極8,9の前後の間隔、複数の位相変調電極8,9の各々の長さは一定であるが、それらの間隔、長さを一定としない構成としてもよい。この場合、上記した実施形態と比較してマイクロ波の伝搬損失が増加し、変調効率も劣化しやすい。
【0230】
上記した実施形態では、分布配線14,15はInP 基板1の上に空隙をおいたブリッジ状に形成されているが、InP 基板1上に例えば樹脂によって形成した台の上に形成してもよい。この場合、上記した実施形態と比較してマイクロ波の損失が生じ、動作速度が制限されやすい。
【0231】
なお、上記した実施形態において、分布配線又は分布配線パターンは、第1〜第4の光導波路には直に接しないように離れて形成することが好ましい。
【0232】
なお、上記した実施形態では半導体マッハツェンダ型変調器の例をあげたが、本発明の素子を実施形態の構成を持つような高速の光スイッチやDEMUXに利用できることはいうまでもない。
(付記1)半導体基板上に形成され且つ少なくとも一部がドープト半導体からなる第1の高導電率層と、
前記第1の高導電率層上に形成された第1の光導波路と、
前記第1の高導電率層上で前記第1の光導波路から間隔をおいて一側方に形成された第2の光導波路と、
前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の双方の光入力部に接続される分波器と、
前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の双方の光出力部に接続される合波器と、
前記第1の光導波路上に光伝搬方向に間隔をおいて複数形成され且つ互いに電気的に接続される第1の分布電極と、
前記第2の光導波路上に接する接続部分を有し、前記第1の高導電率層から離れて形成され、且つ前記光伝搬方向に沿って配置された第1の接地電極と、
前記半導体基板の上であって前記第1の高導電率層の他側方に形成され且つ前記第1の高導電率層から離れて形成された第2の接地電極と
を有することを特徴とする光半導体装置。
(付記2)前記第1の光導波路上の複数の前記第1の分布電極同士を互いに電気的に接続する第1の分布配線を有し、前記第1の分布配線と前記第1の分布電極により信号電極が構成されることを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記3)前記第1の高導電率層と前記第2の接地電極の間の領域において、前記第1の高導電率層と前記第2の接地電極から離れて前記半導体基板上に配置された信号電極と、
前記信号電極から櫛状に伸びて複数の前記第1の分布電極の各々に個別に接続され,かつ前記第1の光導波路及び前記第1の高導電率層から離れて形成された複数の第1の分布配線とを有することを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記4)前記第1の分布配線と前記第1の分布配線に接続される前記第1の分布電極とそれぞれの前記光伝送方向の長さが等しいことを特徴とする付記3に記載の光半導体装置。
(付記5)前記第1の接地電極の前記接続部分は、前記光伝搬方向に沿って間隔をおいて形成された複数の第2の分布電極であることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記6)前記第1の接地電極は、前記第1の高導電率層の一側方向で且つ前記第1の高導電率層から離れて形成された第1の電極と、前記第1の電極から櫛状に伸びて前記第2の分布電極を前記第1の電極に個別に接続し且つ記第2の光導波路に離れて配置された第2の分布配線とを有することを特徴とする付記5に記載の光半導体装置。
(付記7)前記第1の接地電極は、前記第2の光導波路の前記光の伝搬方向に沿って複数の前記第2の分布電極の隣同士を互いに接続し、且つ前記第2の光導波路上部に接しないように配置された第2の分布配線を有することを特徴とする付記5に記載の光半導体装置。
(付記8)前記第1の高導電率層上において、前記第1の光導波路の他側方の領域に形成され且つ前記第2の接地電極の一部が上部に接続される第1のストライプ層をさらに有することを特徴とする付記1又は付記2に記載の光半導体装置。
(付記9)前記第1の接地電極の前記接続部分は、前記光伝搬方向に沿って間隔をおいて形成された複数の第2の分布電極であり、
前記第2の接地電極が前記第1のストライプ層に接する部分は、前記光伝搬方向に沿って間隔をおいて形成される複数の第3の分布電極である
ことを特徴とする付記8に記載の光半導体装置。
(付記10)前記第1の接地電極は、前記第1の高導電率層から一側方に離れて形成された第1の電極と、前記第1の電極から櫛状に伸びて前記第2の分布電極に個別に接続され且つ前記第2の光導波路から間隔をおいて形成される第2の分布配線とを有し、
前記第2の接地電極は、前記第1のストライプ層から他側方に離れて形成された第3の電極と、前記第3の電極から櫛状に伸びて前記第3の分布電極に個別に接続され且つ前記第1のストライプ層から間隔をおいて形成される第3の分布配線とを有している
ことを特徴とした付記9に記載の光半導体装置。
(付記11)複数の前記第2、第3の分布配線の各々の前記光伝搬方向の長さと、前記第2、第3の分布電極の各々の前記光伝搬方向の長さが等しいことを特徴とする付記10に記載の光半導体装置。
(付記12)前記第2の分布電極を含む前記第1の接地電極は、前記光の伝搬方向に沿って前記第2の分布電極の隣同士を互いに接続し、かつ前記第2の光導波路上部に接しないように配置された第2の分布配線を含み、
前記第3の分布電極を含む前記第2の接地電極は、前記光の伝搬方向に沿って前記第3の分布電極の隣同士を互いに接続し、かつ前記第1の誘電体層上部に接しないように配置された第3の分布配線を含んでなることを特徴とする付記9に記載の光半導体装置。
(付記13)前記第1のストライプ層は、誘電体材料から構成されていることを特徴とする付記8乃至付記12のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記14)前記第1のストライプ層は、前記第1及び第2の光導波路と同じ層構造を有することを特徴とする付記8乃至付記13のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記15)前記半導体基板上において、前記第2の接地電極と前記第1の高導電率層の間で且つ前記第2の接地電極と前記第1の高導電層から離れて形成された第2の高導電率層と、
前記第2の高導電率層上に形成され且つ前記第2の接地電極の接続部分が上部に接続される第1のストライプ層と、
前記第2の高導電率層上であって前記第1のストライプ層から一側方に離れて形成された第2のストライプ層と、
前記第2のストライプ層のうち前記光の伝搬方向に沿って間隔をおいて形成され且つ複数の前記第1の分布電極に電気的に接続される複数の第4の分布電極とを有することを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記16)複数の前記第1の分布電極同士を前記光伝搬方向に互いに接続し且つ前記第1の光導波路から離れて形成される第1の分布配線と、
複数の前記第4の分布電極同士を互いに接続し且つ前記第2のストライプ層から離れて形成される第4の分布配線と、
前記第1、第4の分布電極、前記第1及び第4の分布配線とを含む信号電極とを有することを特徴とする付記15に記載の光半導体装置。
(付記17)前記半導体基板上であって前記第1の高導電率層と前記第2の高導電率層の間の領域で前記第1及び第2の高導電率層から離れて形成された第2の電極と、
前記第2の電極の一側から櫛状に分岐されて複数の前記第1の分布電極に個別に接続される複数の第1の分布配線と、
前記第2の電極の他側から櫛状に分岐されて複数の前記第4の分布電極に個別に接続される複数の第4の分布配線と
を有することを特徴とする付記15に記載の光半導体装置。
(付記18)前記第1、第4の分布配線と前記第1、第4の分布電極のうち前記光伝搬方向のそれぞれの長さが等しいことを特徴とする付記17に記載の光半導体装置。
(付記19)前記第1の接地電極の前記接続部分は、前記光伝搬方向に沿って間隔をおいて形成された複数の第2の分布電極であり、
前記第2の接地電極は前記第1のストライプ層の上部において前記光の伝搬方向に沿って間隔をおいて形成された複数の第3の分布電極を有する
ことを特徴とする付記15乃至付記18のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記20)前記第1の接地電極は、複数の前記2の分布電極の他に、前記第1の光導波路の一側方であって前記第1の高導電率層から一側方に離れて前記半導体基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極から櫛状に延びて前記第2の分布電極に個別に接続される複数の第2の分布配線とを有し、
さらに、前記第2の接地電極は、複数の前記3の分布電極の他に、前記第1のストライプ層の他側方であって前記第2の高導電率層から他側方に離れて前記半導体基板上に形成された第3の電極と、前記第3の電極から櫛状に延びて前記第3の分布電極に個別に接続される複数の第3の分布配線とを有する
ことを特徴とする付記19に記載の光半導体装置。
(付記21)前記光伝搬方向において、前記第2の分布電極の個々の長さは前記第2の分布電極の個々の長さに等しく、さらに、前記第3の分布電極の個々の長さは前記第3の分布電極の個々の長さに等しいことを特徴とする付記20に記載の光半導体装置。
(付記22)前記第1の接地電極は、複数の前記第2の分布電極同士を前記光伝搬方向に互いに接続する第2の分布配線を有し、
前記第2の接地電極は、複数の前記第3の分布電極同士を前記光伝搬方向に互いに接続する第3の分布配線を有する
ことを特徴とする付記19に記載の光半導体装置。
(付記23)前記第1の光導波路と前記第2のストライプ層の間は高抵抗体により埋め込まれていることを特徴とする付記15、付記16、付記21、付記22のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記24)前記第1のストライプ層と第2のストライプ層の少なくとも一方は、前記第1及び第2の光導波路と同じ層構造を有することを特徴とする付記15乃至付記22のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記25)前記第1の光導波路と第2の光導波路のうち少なくとも一方は、p型半導体層、i型半導体層及びn型半導体層からなるpin接合構造を有していることを特徴とする付記1乃至付記24のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記26)前記第1の光導波路と第2の光導波路のうち少なくとも一方において、前記第1の分布電極と前記第1の接地電極の前記接続部分とのいずれにも接していない領域の前記i型半導体層より上の層が除去されて除去部分となっていることを特徴とする付記25に記載の光半導体装置。
(付記27)前記除去部分内には高抵抗体が埋め込まれていることを特徴とする付記26に記載の光半導体装置。
(付記28)少なくとも前記第1及び第2の光導波路の両側面は、高抵抗体で覆われていることを特徴とする付記1乃至付記27のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記29)前記高抵抗体は、半絶縁性半導体であることを特徴とする付記231、付記27、付記28のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記30)前記第1及び第2の光導波路は量子井戸構造を有することを特徴とする付記1乃至付記29のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記31)前記分波器、前記合波器は前記半導体基板の上に配置されていることを特徴とする付記1乃至付記30のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記32)前記第1の高導電率層には直流バイアス電圧を印加するバイアス源が接続されていることを特徴とする付記1乃至付記31のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記33)前記第1の光導波路の上の複数の第1の分布電極には信号源が接続されることを特徴とする付記1乃至付記32のいずれかに記載の光半導体装置。
【0233】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、高導電率層上に形成された第1及び第2の光導波路に直流バイアス電界を印加し、信号電極から高導電率層を介して第1及び第2の光導波路に互いに逆向きの高周波電界を印加するようにしたので、第1の光導波路を含んでなる位相変調器と、第2の光導波路を含んでなる位相変調器をプッシュプル駆動することができる。
【0234】
しかも、信号電極に対し第1、第2の接地電極を有し、コプレーナ型のマイクロ波導波路構造となるため、放射損が少なく、他のシステムとの整合性にも優れている。また、光導波路構造下部に高導電率層を有しており、光導波路構造に効率的に電界を印加することができるため、低電圧駆動が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a),(b) は、第1の従来技術に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図及び断面図である。
【図2】図2(a),(b) は、第1の従来技術に係るマッハツェンダ型変調器の等価回路図である。
【図3】図3(a),(b),(c) は、第2の従来技術に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図、部分拡大平面図及び断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図5】図5(a) は、図4に示した本発明の第1実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のIII−III 線断面図、図5(b) は図4の部分拡大平面図、及び図5(c) は図5(b) のIV−IV線断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係るマッハツェンダ型変調器の等価回路図である。
【図7】図7(a) は、本発明の第1実施形態に係るマッハツェンダ型変調器の膜厚の方向の等価回路図、図7(b),(c) は図7(a) の動作を説明する等価回路図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図9】図9(a) は、図8に示した本発明の第2実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のV−V線断面図、図9(b) は図8の部分拡大平面図、及び図9(c) は図9(b) のVI−VI線断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係るマッハツェンダ型変調器の等価回路図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図12】図12(a) は、図11に示した本発明の第3実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のVII−VII 線断面図、図12(b) は図11の部分拡大平面図、及び図12(c) は図12(b) のVIII−VIII線断面図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態に係るマッハツェンダ型変調器の等価回路図である。
【図14】図14は、本発明の第4実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図15】図15(a) は、図14に示した本発明の第4実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のVIIII−VIIII 線断面図、図15(b) は図14の部分拡大平面図、及び図15(c) は図15(b) のX−X線断面図である。
【図16】図16は、本発明の第5実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図17】図17(a) は、図16に示した本発明の第5実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のXI−XI 線断面図、図17(b) は図16の部分拡大平面図、及び図17(c) は図17(b) のXII−XII 線断面図である。
【図18】図18は、本発明の第6実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図19】図19(a) は、図18に示した本発明の第6実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のXIII−XIII線断面図、図19(b) は図18の部分拡大平面図、及び図19(c) は図19(b) のXIIII−XIIII 線断面図である。
【図20】図20は、本発明の第7実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図21】図21(a) は、図20に示した本発明の第7実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のXV−XV線断面図、図21(b) は図20の部分拡大平面図、及び図21(c) は図21(b) のXVI−XVI 線断面図である。
【図22】図22は、本発明の第8実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す平面図である。
【図23】図23(a) は、図22に示した本発明の第8実施形態に係るマッハツェンダ型変調器のXVII−XVII線断面図、図23(b) は図22の部分拡大平面図、及び図23(c) は図23(b) のXVIII−XVIII 線断面図である。
【図24】図24は、本発明のその他の実施形態に係るマッハツェンダ型変調器を示す断面図である。
【符号の説明】
1…InP (半導体)基板、2,2a,2c…高導電率層、3,4,25,31,32…光導波路、5…分波器、6…合波器、7…保護絶縁膜、8,9,26,33,34,37…位相変調電極(分布電極)、10…埋込層、11…第1の電極、12…第2の電極、13、27,36…第3の電極、11a,12a,13a…分布配線パターン、14,15,28…分布配線、16…高周波信号源、17a,17b…抵抗、18…バイアス電極、19…インタクタ、20…直流電圧用電源。

Claims (10)

  1. 半導体基板上に形成され且つ少なくとも一部がドープト半導体からなる第1の高導電率層と、
    前記第1の高導電率層上に形成された第1の光導波路と、
    前記第1の高導電率層上で前記第1の光導波路から間隔をおいて一側方に形成された第2の光導波路と、
    前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の双方の光入力部に接続される分波器と、
    前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の双方の光出力部に接続される合波器と、
    前記第1の光導波路上に光伝搬方向に間隔をおいて複数形成され且つ互いに電気的に接続される第1の分布電極と、
    前記第2の光導波路上に接する接続部分を有し、前記第1の高導電率層から離れて形成され、且つ前記光伝搬方向に沿って配置された第1の接地電極と、
    前記半導体基板の上であって前記第1の高導電率層の他側方に形成され且つ前記第1の高導電率層から離れて形成された第2の接地電極と
    を有することを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記第1の光導波路上の複数の前記第1の分布電極同士を互いに電気的に接続する第1の分布配線を有し、前記第1の分布配線と前記第1の分布電極により信号電極が構成されることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記第1の高導電率層と前記第2の接地電極の間の領域において、前記第1の高導電率層と前記第2の接地電極から離れて前記半導体基板上に配置された信号電極と、
    前記信号電極から櫛状に伸びて複数の前記第1の分布電極の各々に個別に接続され,かつ前記第1の光導波路及び前記第1の高導電率層から離れて形成された複数の第1の分布配線とを有することを特徴とする請求項1 に記載の光半導体装置。
  4. 前記第1の接地電極の前記接続部分は、前記光伝搬方向に沿って間隔をおいて形成された複数の第2の分布電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光半導体装置。
  5. 前記第1の接地電極は、前記第1の高導電率層の一側方向で且つ前記第1の高導電率層から離れて形成された第1の電極と、前記第1の電極から櫛状に伸びて前記第2の分布電極を前記第1の電極に個別に接続し且つ記第2の光導波路に離れて配置された第2の分布配線とを有することを特徴とする請求項4に記載の光半導体装置。
  6. 前記第1の接地電極は、前記第2の光導波路の前記光の伝搬方向に沿って複数の前記第2の分布電極の隣同士を互いに接続し、且つ前記第2の光導波路上部に接しないように配置された第2の分布配線を有することを特徴とする請求項4に記載の光半導体装置。
  7. 前記第1の高導電率層上において、前記第1の光導波路の他側方の領域に形成され且つ前記第2の接地電極の一部が上部に接続される第1のストライプ層をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光半導体装置。
  8. 前記半導体基板上において、前記第2の接地電極と前記第1の高導電率層の間で且つ前記第2の接地電極と前記第1の高導電層から離れて形成された第2の高導電率層と、
    前記第2の高導電率層上に形成され且つ前記第2の接地電極の接続部分が上部に接続される第1のストライプ層と、
    前記第2の高導電率層上であって前記第1のストライプ層から一側方に離れて形成された第2のストライプ層と、
    前記第2のストライプ層のうち前記光の伝搬方向に沿って間隔をおいて形成され且つ複数の前記第1の分布電極に電気的に接続される複数の第4の分布電極とを有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  9. 複数の前記第1の分布電極同士を前記光伝搬方向に互いに接続し且つ前記第1の光導波路から離れて形成される第1の分布配線と、
    複数の前記第4の分布電極同士を互いに接続し且つ前記第2のストライプ層から離れて形成される第4の分布配線と、
    前記第1、第4の分布電極、前記第1及び第4の分布配線とを含む信号電極とを有することを特徴とする請求項8に記載の光半導体装置。
  10. 前記半導体基板上であって前記第1の高導電率層と前記第2の高導電率層の間の領域で前記第1及び第2の高導電率層から離れて形成された第2の電極と、
    前記第2の電極の一側から櫛状に分岐されて複数の前記第1の分布電極に個別に接続される複数の第1の分布配線と、
    前記第2の電極の他側から櫛状に分岐されて複数の前記第4の分布電極に個別に接続される複数の第4の分布配線と
    を有することを特徴とする請求項8に記載の光半導体装置。
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