JP2006062554A - タイヤのビード部分の解析モデル、タイヤモデル、車体モデル、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

タイヤのビード部分の解析モデル、タイヤモデル、車体モデル、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006062554A
JP2006062554A JP2004248514A JP2004248514A JP2006062554A JP 2006062554 A JP2006062554 A JP 2006062554A JP 2004248514 A JP2004248514 A JP 2004248514A JP 2004248514 A JP2004248514 A JP 2004248514A JP 2006062554 A JP2006062554 A JP 2006062554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
model
bead portion
analysis
behavior
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004248514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4557640B2 (ja
Inventor
Makoto Ishiyama
誠 石山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2004248514A priority Critical patent/JP4557640B2/ja
Publication of JP2006062554A publication Critical patent/JP2006062554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4557640B2 publication Critical patent/JP4557640B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】 タイヤの解析等においてビード部分の解析を高精度で実施する。
【解決手段】 実際のタイヤからビード部分を切り出してねじったり引っ張ったり等のビード剛性を試験する(ステップ120,122)。ビード部分をその断面が1又は数個の有限要素からなる簡略化した有限要素モデルに定めかつ異方性材料で定義し、解析を行ったときのねじりや引っ張りの反力が実測の反力と一致するように、異方性材料のヤング率やポアソン比を調整する(ステップ124)。この結果の値(各方向のヤング率やポアソン比)を材料定数として、次のステップ126において入力する。このように、ヤング率やポアソン比で定義した異方性材料のビード部分は、簡略した有限要素モデルでも実際のビードと等価な材料物性を実現できる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、タイヤのビード部分の解析モデル、タイヤモデル、車体モデル、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体にかかり、自動車等に使用される空気入りタイヤの性能を解析するときに用いられるタイヤのビード部分の解析モデル、タイヤモデル、車体モデル、そのモデルを用いた、、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体に関する。
タイヤ挙動についての解析は、実際に設計・製造したタイヤを計測したり自動車に装着して得た性能試験結果を用いたりしたものから、計算機(コンピュータ)環境の発達に伴って、計算機上でシミュレーションによって実現できるようになってきている。このタイヤ挙動をシミュレーションによって解析する主要な方法としては、有限要素法(FEM)等の数値解析手法が主に用いられている。FEMは、構造体を有限個の要素でモデル化して、コンピュータを用いて構造体の挙動を解析する手法であり、その特徴から構造体を有限個の要素に分割する(以下、MESH分割、または要素分割という。)ことが必要である。予測精度の高いタイヤ挙動をシミュレーションするためには、有限個の要素で構成されるシミュレーション用のタイヤモデル(数値データから構成されている)を如何に実際のタイヤ形状と同じように製作するかが重要である。
また、タイヤは、ホイルに組み付けられて用いられる。そこで、タイヤをFEMによりシミュレーションするときにはホイルの部分を同時にモデル化する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合は、タイヤが路面に押し付けられたときに、タイヤのビード部分がホイルにセットされた位置からずれようとする。通常のタイヤも同様な傾向があり、例えば60km/hで直進走行している車両が、急旋回しJの字を描くようなターンをする場合、突然大きな力がタイヤに働き、タイヤがホイルからズレる現象が生じ、極端な場合にはズレ落ちて脱輪する場合がある。同様の現象は、その状態の規模に違いはあるが通常の走行条件でも起こり得る。
特開2002−350294号公報
しかしながら、タイヤをモデル化する場合、ビード部分を断面において1つの要素でモデル化することが一般的である。また、タイヤのモデル化手法に基づくタイヤーホイール組立体の有限要素モデル(FEMモデル)でも、ビード部分を断面において1つの要素でモデル化することが一般的である。タイヤのビード部分の断面において1つの要素でしかモデル化しない場合、実際のビードのような適切な動きを再現することは困難である。このため、コーナリング時に実際には、ビード部分が微小にホイルからずれる変形をするが、この変形量がシミュレーションと合致せず、高精度のシミュレーションができないときがある。
また、ビードは、数本の針金が複数束なって構成されていることが普通であり、この1本1本の針金を丁寧に有限要素モデル化することは複雑であるのに加えて、有限要素の要素数を増大させることになり、結果的に計算コスト高(計算時間がかかる)となってしまう。
すなわち、有限要素法を用いたタイヤーリムの解析においてはビード部分を簡略化して有限要素モデル化するのが一般的であり、その場合、ビードを構成する針金1本1本を正確にモデル化していないので、解析において実際のビードが変形している状態と異なった状態がシミュレーションされる場合がある。特に、簡略化したビード部分に、そのビードを通常構成する金属の物性値を設定した有限要素を使用すると、実際のビードよりも硬くモデル化される傾向にある。そのため、実際のタイヤではビード部分がリムに装着された位置からずれ動いているにも関わらず、シミュレーションの結果ではそれほど大きくずれ動かない結果を得る場合があった。
本発明は、上記事実を考慮して、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるタイヤの解析等において、計算上でビード部分の解析を高精度で実施することを可能とする、タイヤのビード部分の解析モデル、タイヤモデル、車体モデル、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体を得ることが目的である。
上記目的を達成するために本発明は、タイヤのビード部分について実際に則した挙動解析を可能としたものである。
詳細には、請求項1に記載の発明は、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析モデルであって、1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分について、異方性材料で定義したことを特徴とする。
本発明では、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するとき、1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分について、異方性材料で定義する。このように、ビード部分を異方性材料で定義することにより、実際のビードとほぼ等価なねじり剛性や引っ張り剛性を有するものとして扱うことができる。
請求項2に記載の発明は、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析モデルであって、1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分について、該ビード部分の断面領域を複数の要素領域に定め、少なくとも一つの要素領域に対応する部位を等方性材料で定義すると共に、それ以外の要素領域に対応する部位の少なくとも1つを異方性材料で定義したことを特徴とする。
ビード部分は、1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されることが多く、それらの部位によっては、等方性を有したり異方性を有したりする。そこで、ビード部分の断面領域を複数の要素領域に定めて、少なくとも一つの要素領域に対応する部位を等方性材料で定義すると共に、それ以外の要素領域に対応する部位の少なくとも1つを異方性材料で定義する。これによって、ビード部分に混在する等方性及び異方性を考慮した材料として扱うことができる。
請求項3に記載の発明は、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルであって、請求項1または請求項2のタイヤのビード部分の解析モデルを含むことを特徴とする。
前記のようにモデル化したビード部分を含んでタイヤをモデル化することにより、実際のビードとほぼ等価なねじり剛性や引っ張り剛性を有するビード部分を含んだタイヤモデルを構築できる。
請求項4に記載の発明は、車両の挙動を模擬的に解析するために、車両の各部の構造を数値計算モデルに対応させて計算する車体モデルであって、請求項1または請求項2のタイヤのビード部分の解析モデル、或いは請求項3のタイヤモデル、を含むことを特徴とする。
車両は、その挙動を解析する場合、タイヤを装着した状態で解析することが一般的である。この場合、前記タイヤのビード部分を解析モデルとして採用したり、前記ビード部分を含むタイヤモデルを解析モデルとして採用したりすることによって、より柔軟な解析が可能となる。例えば、実際の現象では、車両が突然大きく旋回した場合には、タイヤのビード部分が、ホイルからずれる場合があるが、このときの現象を異方性材料でビード部分を定義することにより、従来手法よりも正確に解析することが可能である。
請求項5に記載の発明は、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析方法であって、1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分を、異方性材料と定義し、前記ビード部分を前記タイヤから取り出し、前記取り出したビード部分について、複数の方向の引っ張り試験及びねじり試験の少なくとも一方の試験を予め行い、試験結果の各方向の物理量に基づいて前記異方性材料の材料物性を定める。
タイヤのビード部分を解析する場合、そのビード部分の材料物性を特定することが重要である。そこで、実際のビード部分をタイヤから取り出して引っ張り試験やねじり試験を行う。その結果に等価となるように、異方性材料の材料物性を定めることで、タイヤのビード部分を実際のビードに合致する解析を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析方法であって、1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分を、多数要素に分割して形成したビード部分の解析モデルを定め、定めたビード部分の解析モデルを用いて、複数の方向の引っ張り解析及びねじり解析の少なくとも一方の解析を行い、前記解析結果に基づいて前記ビード部分の引っ張り剛性及びねじり剛性の少なくとも一方の剛性を求め、前記ビード部分を異方性材料モデルに置き換えると共に、該異方性材料モデルの引っ張り剛性及びねじり剛性の少なくとも一方の剛性が、前記求めた剛性となるように、該異方性材料モデルの材料物性を決定する。
まず、金属などの1本1本を含む詳細なビード部分の一部または全部を有限要素モデルで忠実にモデル化する。次に、この詳細なビード部分の有限要素モデルを、ねじったり引っ張ったりする解析シミュレーションを実行する。そして、詳細なビード部分の有限要素モデルと同じ部分について、材質を異方性材料とする簡略化した有限要素モデルを作成し、この簡略化したビード部分の有限要素モデルを同じようにねじったり引っ張ったりしたときのねじり反力引っ張り反力が詳細なモデルを用いた時と同等になるように、その異方性材料モデルの材料物性を決定する。これにより、ビード部分のモデル化を簡略化しつつ実際の正確なビード部分の解析が可能となる。
請求項7に記載の発明は、前記異方性材料モデルの材料物性は、異方性部材のヤング率またはポアソン比であることを特徴とする。
このように、異方性材料モデルの材料物性を、異方性部材のヤング率やポアソン比で定めることによって、異方性材料モデルを容易かつ簡単に操作することができる。
前記モデルを用いることで、ビード部分の挙動を実際に近い状態で予測でき、タイヤの挙動をシミュレーションすることができる。詳細には、(a)数値計算モデルとして接地及び転動により変形を与えることが可能なタイヤモデルとして、請求項1または請求項2に記載のタイヤのビード部分の解析モデルを含むタイヤモデルを定めるステップ、(b)タイヤ性能を使用状態で解析するために、前記タイヤモデルに使用条件を付与するステップ、(c)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、(d)前記ステップ(c)におけるタイヤモデルに生じる物理量を求めるステップ、(e)前記物理量によりタイヤの性能を評価するステップ、を含むタイヤの挙動シミュレーション方法によって、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析することができる。
また、コンピュータによってタイヤの挙動を解析する場合、(A)数値計算モデルとして接地及び転動により変形を与えることが可能なタイヤモデルとして、請求項1または請求項2に記載のタイヤのビード部分の解析モデルを含むタイヤモデルを定めるステップ、(B)タイヤ性能を使用状態で解析するために、前記タイヤモデルに使用条件を付与するステップ、(C)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、(D)前記ステップ(C)におけるタイヤモデルに生じる物理量を求めるステップ、(E)前記物理量によりタイヤの性能を評価するステップ、を含むタイヤの挙動解析プログラムによって、精度良くタイヤの挙動を解析することができる。
さらに、コンピュータによってタイヤの挙動を解析する場合、(1)数値計算モデルとして接地及び転動により変形を与えることが可能なタイヤモデルとして、請求項1または請求項2に記載のタイヤのビード部分の解析モデルを含むタイヤモデルを定めるステップ、(2)タイヤ性能を使用状態で解析するために、前記タイヤモデルに使用条件を付与するステップ、(3)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、(4)前記ステップ(3)におけるタイヤモデルに生じる物理量を求めるステップ、(5)前記物理量によりタイヤの性能を評価するステップ、を含むタイヤの挙動解析プログラムを記憶媒体に記憶するようにし実行させ、データ収集するようにすれば、精度良くタイヤの挙動解析が予測可能となる。
以上説明したように本発明によれば、ビードとリムの接触部分の挙動を考慮して精度良くタイヤの挙動解析を可能とするビード部分のモデルを提供でき、効率的なタイヤ開発を実現できる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、タイヤの挙動解析に本発明を適用したものである。
〔第1実施の形態〕
図1には本発明のタイヤの挙動シミュレーション方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROMやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらに、対応する装置を用いればよい。また、パーソナルコンピュータの他に、ワークステーションやスーパーコンピュータをタイヤ解析に用いてもよいことは勿論である。
(挙動シミュレーション)
図2は、本実施の形態にかかるタイヤの挙動解析プログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、挙動解析の対象となるタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。なお、ステップ100における設定はタイヤ設計案に限定されるものではなく、現存するタイヤを解析する場合を含む。すなわち、現存するタイヤそのものを対象のモデルとして設定してもよい。次のステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むためのタイヤのタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、上記ステップ102で作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ、及び路面(後述)等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分に分割することをいう。この小部分ごとに計算を行い全ての小部分について計算した後、全部の小部分を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。
上記ステップ102のタイヤモデルの作成では、図3に示すタイヤモデル作成ルーチンが実行される。まず、ステップ112では、タイヤ径方向断面のモデル(タイヤ断面モデル、すなわちタイヤ断面データ)を作成する。また、タイヤ断面内のゴム、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。次のステップ114では、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分(360度)展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。
図4はタイヤ断面モデルの一例を示すもので、複数のゴム部材毎に分割されたカーカス22を有する空気入りタイヤ20を示している。このカーカス22はビード26により折り返されている。このカーカス22の内側はインナーライナー24とされ、インナーライナー24に延長上にはビードゴム36が配置している。また、折り返されたカーカス22により形成される略三角形状の領域はビードフィラー28とされている。カーカス22の上方には、ベルト30が配置しており、このベルト30の半径方向外側には溝が形成されたトレッドゴム32が配置し、カーカス22の軸方向外側にはサイドゴム34が配置している。なお、タイヤ断面モデルをゴム部材毎に複数分割した例を挙げたが、設計目的によって3角形等の任意の形状に分割してもよい。
次に、図3のステップ116では、タイヤ各部のゴムの構成材料を設定する。このステップでは、タイヤの各部位に応じた剛性などの材料特性の構成材料を選択する。次のステップ118では、ビード部分をモデル化する。本実施の形態では、ビード部分を簡略化して有限要素モデル化する。これは、数本の針金が複数束なって構成されていることが多いビードについて、1本1本の針金毎に有限要素モデル化することが複雑でかつ有限要素の要素数を増大させることが計算コスト高(計算時間がかかる)となることを解消するためである。そして、そのビード部分の要素に異方性材料を設定している。
ここで、本実施の形態におけるビード部分の剛性について図5を参照して説明する。図5には、複数の金属線からなるビードを長方形材料(異方性材料)に置き換えたときの剛性の説明図である。図5の例では、断面積を変えずに、10本の金属製のビード線の束を、断面が長方形の異方性材に置き換えた場合を示す。図5(A)は10本の金属製のビード線の束、(B)は置き換えた断面長方形の異方性材料、(C)はx軸周りの曲げ剛性、(D)はy軸周りの曲げ剛性、(E)はz軸周りの曲げ剛性、(F)はせん断剛性、について示している。
まず、10本の金属線の束からなるビードを、同じ断面積を持つ等方性の金属としてFEMでモデル化した場合、曲げ剛性Ix、Iy、ねじり剛性Izが実際より過大に評価されていた。これは、複数のビード線からなる金属の間にはゴムが介在し、ゴムは金属よりはるかに柔らかいため、同じ断面積を持つ1つの金属と置き換えた場合よりも、実際のビードは曲がりやすく、ねじりやすいからである。
例えば、各種実験を行った結果、引っ張り剛性Ezは、同じ断面積を持つ等方性金属に置き換え可能だが、曲げ剛性Ixは等方性金属に置き換えた場合よりも30%も実際は柔らかく、曲げ剛性Iyは35%柔らかくなった。また、ねじり剛性Izは、等方性の金属に置き換えた場合よりも、38%柔らかくなったことが分かった。また、ビードコアを断面についてせん断する時のせん断剛性τxyも、55%柔らかいことがわかった。
このように、ビード部分を等方性金属に置き換えると、引っ張りや曲げ、ねじりなどのようにビードを変形させる方向によって、ビード硬さが違うので、等方性材料に置き換えることは正確でなかった。このため、ビードの線1本1本を全てFEMモデル化して解析するべきであるが、これはFEM解析の要素数を膨大として、工業的には時に非効率な場合がある。そこで、ビード部分に、ビード部の曲げ、ねじり、引っ張り強度を考慮した、異方性材料を採用することにした。すなわち、本実施の形態では、金属の束を、同じ断面積を持つ異方性材料で置き換える。
なお、置き換えた後の断面積は、置き換える前の断面積と必ずしも同じでなくても良い。置き換えた部材が、同じねじり剛性、引っ張り剛性、せん断剛性を持てば、断面積の差は解析結果に悪影響を与えないからである。また、置き換える断面の形状は、長方形だけではなく、円形や、そのほかの多角形や楕円でも良い。
また、異方性材料の定義は、(歪)=(異方性材料成分)・(応力)で構成された次式で表すことができる。
Figure 2006062554
但し、Eはヤング率、Gはせん断弾性率、νはポアソン比であり、添え字は方向を表している。
次に、上述の剛性を考慮したビード部分の解析モデルの作成は(ステップ118)、タイヤのビード部分について異方性材料で材料物性を定義した有限要素モデルでモデル化することでなされる。この処理では図6に示す異方性材料の材料定数の設定プロセスにより得られた値を入力することによって達成される。このプロセスでは、まず、図6のステップ120で、実際のタイヤからビード部分(円環状)を切り出す。その切り出したビード部分単体について、次のステップ122ではビード剛性を試験する。例えばねじったり引っ張ったり曲げたりする動きを試験装置を用いて再現し、そのときのねじり反力あるいは引っ張り反力を計測する。図7には、ビード剛性の試験方法の概要を示した。図7(A)はビード環、(B)はせん断剛性測定、(C)は引っ張り剛性測定、(D)は第1の曲げ剛性測定、(E)は第2の曲げ剛性測定、(F)はねじり剛性測定を示している。
次のステップ124では、上記ステップ122の試験結果からビード部分の異方性材料を決定する。具体的には、解析モデル(複数の針金とその周辺ゴムからなるビードをその断面が1又は数個の有限要素からなる簡略化した有限要素モデル)について、上記計測と同様の動きでねじったり引っ張ったり曲げたりするシミュレーションを実行する。ここで、解析モデル(簡略化されたビード部分の有限要素モデル)の材質は異方性材料で定義し(上記の式による)、ねじりや引っ張りを行ったときの反力が実測の反力と一致するように、異方性材料のヤング率やポアソン比を調整する。ヤング率やポアソン比の値を適切に定義することにより異方性材料として設定したビード部分は、簡略したビード円環形状の有限要素モデルでも実際のビードと等価なねじり剛性、引っ張り剛性を実現できる。この結果の値(各方向のヤング率やポアソン比)を材料定数として、次のステップ126において入力する。
上記のようにして簡略したビード円環形状の有限要素モデル(解析モデル)を含むタイヤモデルを作成した後には、図2のステップ104へ進み、路面の設定すなわち路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。このステップ104では、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力するものである。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力する。例えば、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。
なお、流体モデルを作成して、路面とタイヤモデルの間に設けても良い。流体モデルは、タイヤの一部(または全部)および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を分割し、モデル化するものである。
このようにして、路面状態の入力がなされると、次のステップ106において、境界条件の設定がなされる。この境界条件とは、タイヤモデルに解析上すなわちタイヤの挙動をシミュレートする上で必要なものであり、タイヤモデルに付与する各種条件である。このステップ106の境界条件の設定では、まず、タイヤモデルには内圧を与えて、タイヤモデルに回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)の少なくとも一方と、予め定めた負荷荷重とを与える。なお、路面との摩擦を考慮する場合は、回転変位(または力、速度でもよい)もしくは直進変位(または力、速度でもよい)のどちらか一方のみでよい。
次に、ステップ106までに作成されたり設定されたりした数値モデルをもとに、解析としてのタイヤモデルの変形計算を行う。すなわち、上記ステップ106で境界条件の設定が終了すると、ステップ108へ進み、タイヤモデルの変形計算を行う。このステップ108では、タイヤモデルおよび与えた境界条件より、有限要素法に基づいてタイヤモデルの変形計算を行う。この変形計算は、タイヤ転動時の状態を得るために(過渡的な状態を得るために)、タイヤモデルの変形計算を繰り返し(例えば1msec以内の計算を繰り返して行い)、その度に境界条件を更新するようにしてもよい。また、変形計算は、タイヤ変形が定常状態となることを想定した予め定めた計算時間を採用することができる。次のステップ110では、上述の計算結果を出力する。この計算結果とは、タイヤ変形時の物理量を採用する。具体的には、サイドのたわみ量や接地形状、接地圧分布、タイヤ中心に作用する横力等である。
なお、計算結果の出力は、タイヤの接地部の形状や接地圧の分布、タイヤ中心に作用する力等の値または分布を可視化することを採用してもよい。これらは計算結果の値や変化量または変化率、力の向き(ベクトル)そして分布から導出することができ、それらをタイヤモデル周辺やパターン周辺とを共に線図等で表せば、把握しやすく提示可能な可視化をすることができる。
このように、本実施の形態では、タイヤのビード部分を、その断面が1又は数個の有限要素からなる簡略化した有限要素モデルでモデル化して、そのビードモデル(解析モデル)の材質を異方性材料で定義することによって、実際のビードに等価な材料特性となるようなねじり剛性、引っ張り剛性を実現できる。従って、ビード部分は簡略化した要素により実際形状のように針金の1本1本をモデル化する手間が省け、また、タイヤ全体の有限要素の数を減らすことができ、計算コストを低減すなわち計算時間の短縮することができる。
〔第2実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。上記では、タイヤからビード部分を実際に取り出して、実験によってビードの材料特性を特定したが、本実施の形態では実際の試験による材料特性の測定に代えて計算により求めるものである。
本実施の形態では、図6のプロセスを図8の処理ルーチンに代えて実行する。このプロセスでは、まず、図8のステップ130で、タイヤモデルのビード部分(円環状)について詳細な解析モデルを作成する。すなわち、針金などの金属線の1本1本を含む詳細なビード部分の一部または全部を有限要素モデルで忠実にモデル化する。図9には、ビード部分をモデル化することの説明図を示した。図9(A)は6本の細い金属線がねじられながら太い金属線を取り囲んでいる実際のケーブルビードの断面図であり、(B)は要素分割したモデルである。図9(B)では、要素(MESH)が2次元で表されているが、実際には図の厚み方向にも広がる3次元のものである。
次のステップ132では、ステップ130で作成した詳細なビード部分の有限要素モデルを、ねじったり引っ張ったり曲げたりする解析シミュレーション(FEM)を実行する。なお、このモデル(詳細なビード部分の有限要素モデル)の材質は金属線の部分は金属でその間はゴムでモデル化する。このモデルに対して、図7で示したビード剛性試験と同様の変形を与えるシミュレーションを実施する。例えばねじったり引っ張ったり曲げたりする動きをシミュレーションで再現して、そのときのねじり反力あるいは引っ張り反力を計算する。
次のステップ134では、上記ステップ132のシミュレーション結果からビード部分の異方性材料を決定する。具体的には、解析モデル(複数の針金とその周辺ゴムからなるビードをその断面が1又は数個の有限要素からなる簡略化した有限要素モデル)について、上記ねじったり引っ張ったり曲げたりするシミュレーションを実行する。この場合、詳細なビード部分の有限要素モデルと同じ部分について、材質を異方性材料とする簡略化した有限要素モデルを作成し、この簡略化したビード部分の有限要素モデルを同じようにねじったりひっぱたりしたときのねじり反力引っ張り反力が詳細なモデルを用いた時と同等になるように、その異方性材料を定義する。すなわち、解析モデル(簡略化されたビード部分の有限要素モデル)の材質は異方性材料で定義し(前記の式による)、ねじりや引っ張りを行ったときの反力が実測の反力と一致するように、異方性材料のヤング率やポアソン比を調整する。ヤング率やポアソン比の値を適切に定義することにより異方性材料として設定したビード部分は、簡略したビード円環形状の有限要素モデルでも実際のビードと等価なねじり剛性、引っ張り剛性を実現できる。この結果の値(各方向のヤング率やポアソン比)を材料定数として、次のステップ136において入力する。
このように、本実施の形態では、実際のタイヤを用いることなくFEMによる解析によってビード部分をモデル化できるので、解析処理の負荷を軽減することができる。
〔第3実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施の形態では、解析対象としてタイヤとリムの組み合わせた組立体モデルを採用する。
タイヤを様々なリム(ホイール)と組み合わせて利用することを考えた場合、リムとタイヤを1体の構造物として解析を行なうことが重要である。本実施の形態では、図2の処理に代えて図10の処理が実行される。図2と図10の差異は、ステップ103の組み立てモデルの作成処理が追加されたことと、図2のステップ108をステップ107の組立体モデルの変形計算に代えたことである。ステップ103ではリムをモデル化すると共に、タイヤモデルにリムモデルを組み付けた組立体モデルを作成する。この組立体モデルについてステップ107で変形計算を行う。
このように、本実施の形態では、タイヤモデルとリムモデル(ホイール)からなる組立体モデルを用いてFEMによる解析を行うので、タイヤ単体のみならずリム付きタイヤの解析を容易にすることができる。
〔第4実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施の形態では、解析対象としてタイヤを取り付けた車両モデルを採用する。
タイヤは装着された車両において性能が発揮される。そこで、タイヤ単体の解析以外に、タイヤを車両モデルに取り付けて、旋回するような解析を実施する場合にも、本発明は有効である。例えば、実際の現象では、車両が突然大きく旋回した場合には、タイヤのビード部分が、ホイルからずれる場合があるが、このときの現象を異方性材料でビード部分を定義することにより、従来手法よりも正確に解析することが可能である。
本実施の形態では、図2の処理に代えて図11の処理が実行される。図2と図11の差異は、ステップ103と同一の組み立てモデルの作成処理(ステップ103A)と車両モデルの作成処理(ステップ130B)が追加されたことと、図2のステップ108をステップ109の走行模擬計算に代えたことである。ステップ103Aではリムをモデル化すると共に、タイヤモデルにリムモデルを組み付けた組立体モデルを作成し、次にその組立体モデルを取り付けるための車両モデルを作成しかる組立体モデルを取り付ける。この車両モデルについてステップ109で走行模擬計算を行う。
このように、本実施の形態では、タイヤを装着する車両を含めたモデルを用いたFEMによる解析を行ので、車両の挙動に沿ったタイヤの解析を容易に行うことができる。
次に、本発明の実施例を詳細に説明する。
〔第1実施例〕
本実施例としてモデル化・試作したタイヤは、タイヤサイズは185/60R14であり、内圧1.8kgf/cm2(=176kPa)、荷重400kg(=39.2kN)で、タイヤを路面に押しつけた後に横方向に30mmせん断する解析を実施した結果を示す(図12(A)参照)。このとき、FEMモデルは、リムとビード部分のタイヤ表面は接触要素を配置して接触させている(図12(B)参照)。また、図12(C)、(D)には、横力付与前後のビード部分の周辺を示した。
横力を付与したとき、リムの表面とビードとの距離Dを比較した結果を以下の表1に示す。このとき、解析試験に併せて、同様の試験を実際に行い、断面形状をX線を用いて撮影し、リムとビードとの距離を実験的に求めた結果と、等方性金属で定義したときの解析結果、異方性金属で定義したときの解析結果を示した。
Figure 2006062554
表1から理解されるように、ビード部分を単に金属(例えば鉄)でモデル化した場合、ビードが硬く振る舞い、リムからの移動量(ズレ量)が少ない解析結果になっている。これに対して、ビードの曲げやねじりを考慮し、これを等価に表す異方性材料で定義した場合、実験と程同様に変形する結果を得ることができ、正確な解析が実行されたことが理解できる。
〔第2実施例〕
本実施例は第1実施例と同一のタイヤをモデル化・試作し、速度時速50kmでタイヤを転動させる解析を行い、スリップ角SAを0度から10度まで変化させる解析を行った。その結果を図13に示す。
図から理解されるように、実測値ではスリップ角SAが高くなりと、横力が小さくなる傾向にある。ビード部分を等方性の金属(等方性材料)でモデル化すると、ビード部分が硬く、変形が微小であり、特性は平坦になり、上記傾向が現れない。これに対して、ビードの曲げやねじりを考慮し、これを等価に表す異方性材料で定義した場合、実験と程同様に変形する結果を得ることができ、正確な解析が実行されたことが理解できる。
本発明の実施の形態にかかる、タイヤの挙動シミュレーション方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 本発明の第1実施の形態にかかる、タイヤの挙動解析プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤモデル作成処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤ断面モデルを示す線図である。 ビード部分の剛性の説明図であり、(A)はビード線の束、(B)は断面長方形の異方性材料、(C)はx軸周りの曲げ剛性、(D)はy軸周りの曲げ剛性、(E)はz軸周りの曲げ剛性、(F)はせん断剛性、について示している。 第1実施形態にかかる異方性材料の材料定数の設定プロセスの流れを示すフローチャートである。 ビード剛性試験概要の説明図であり、(A)はビード環、(B)はせん断剛性測定、(C)は引っ張り剛性測定、(D)は第1の曲げ剛性測定、(E)は第2の曲げ剛性測定、(F)はねじり剛性測定を示している。 第2実施形態にかかる異方性材料の材料定数の設定プロセスの流れを示すフローチャートである。 ビード部分をモデル化の説明図で、(A)は実際のケーブルビードの断面図、(B)は要素分割したモデル図である。 本発明の第3実施の形態にかかる、組立体の挙動解析プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第4実施の形態にかかる、車両の挙動解析プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施例の解析結果を示し、(A)は解析条件、(B)はリムとビード部分の配置(C)は横力付与前、(D)は、横力付与後を示す線図である。 第2実施例の解析結果を示す特性図である。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
30 タイヤモデル
FD フレキシブルディスク(記録媒体)

Claims (10)

  1. 使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析モデルであって、
    1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分について、異方性材料で定義したことを特徴とする
    タイヤのビード部分の解析モデル。
  2. 使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析モデルであって、
    1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分について、該ビード部分の断面領域を複数の要素領域に定め、少なくとも一つの要素領域に対応する部位を等方性材料で定義すると共に、それ以外の要素領域に対応する部位の少なくとも1つを異方性材料で定義したことを特徴とする
    タイヤのビード部分の解析モデル。
  3. 使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルであって、
    請求項1または請求項2のタイヤのビード部分の解析モデルを含むことを特徴とする
    タイヤモデル。
  4. 車両の挙動を模擬的に解析するために、車両の各部の構造を数値計算モデルに対応させて計算する車体モデルであって、
    請求項1または請求項2のタイヤのビード部分の解析モデル、或いは請求項3のタイヤモデル、を含むことを特徴とする
    車体モデル。
  5. タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析方法であって、
    1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分を、異方性材料と定義し、
    前記ビード部分を前記タイヤから取り出し、
    前記取り出したビード部分について、複数の方向の引っ張り試験及びねじり試験の少なくとも一方の試験を予め行い、
    試験結果の各方向の物理量に基づいて前記異方性材料の材料物性を定める
    ことを特徴とするタイヤのビード部分の解析方法。
  6. タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルの一部を構成するタイヤのビード部分の解析方法であって、
    1または複数の金属線及び該金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるタイヤのビード部分を、多数要素に分割して形成したビード部分の解析モデルを定め、
    定めたビード部分の解析モデルを用いて、複数の方向の引っ張り解析及びねじり解析の少なくとも一方の解析を行い、
    前記解析結果に基づいて前記ビード部分の引っ張り剛性及びねじり剛性の少なくとも一方の剛性を求め、
    前記ビード部分を異方性材料モデルに置き換えると共に、該異方性材料モデルの引っ張り剛性及びねじり剛性の少なくとも一方の剛性が、前記求めた剛性となるように、該異方性材料モデルの材料物性を決定する
    ことを特徴とするタイヤのビード部分の解析方法。
  7. 前記異方性材料モデルの材料物性は、異方性部材のヤング率またはポアソン比であることを特徴とする請求項6に記載のタイヤのビード部分の解析方法。
  8. 次の各ステップを含むタイヤの挙動シミュレーション方法。
    (a)数値計算モデルとして接地及び転動により変形を与えることが可能なタイヤモデルとして、請求項1または請求項2に記載のタイヤのビード部分の解析モデルを含むタイヤモデルを定めるステップ。
    (b)タイヤ性能を使用状態で解析するために、前記タイヤモデルに使用条件を付与するステップ。
    (c)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (d)前記ステップ(c)におけるタイヤモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (e)前記物理量によりタイヤの性能を評価するステップ。
  9. コンピュータによってタイヤの挙動を解析するために、次の各ステップを含むことを特徴とするタイヤの挙動解析プログラム。
    (A)数値計算モデルとして接地及び転動により変形を与えることが可能なタイヤモデルとして、請求項1または請求項2に記載のタイヤのビード部分の解析モデルを含むタイヤモデルを定めるステップ。
    (B)タイヤ性能を使用状態で解析するために、前記タイヤモデルに使用条件を付与するステップ。
    (C)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (D)前記ステップ(C)におけるタイヤモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (E)前記物理量によりタイヤの性能を評価するステップ。
  10. コンピュータによってタイヤの挙動を解析するためのタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体であって、次の各ステップを含むことを特徴とするタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体。
    (1)数値計算モデルとして接地及び転動により変形を与えることが可能なタイヤモデルとして、請求項1または請求項2に記載のタイヤのビード部分の解析モデルを含むタイヤモデルを定めるステップ。
    (2)タイヤ性能を使用状態で解析するために、前記タイヤモデルに使用条件を付与するステップ。
    (3)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (4)前記ステップ(3)におけるタイヤモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (5)前記物理量によりタイヤの性能を評価するステップ。
JP2004248514A 2004-08-27 2004-08-27 タイヤの解析方法、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体 Expired - Fee Related JP4557640B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004248514A JP4557640B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 タイヤの解析方法、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004248514A JP4557640B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 タイヤの解析方法、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006062554A true JP2006062554A (ja) 2006-03-09
JP4557640B2 JP4557640B2 (ja) 2010-10-06

Family

ID=36109397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004248514A Expired - Fee Related JP4557640B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 タイヤの解析方法、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4557640B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102175519A (zh) * 2011-02-23 2011-09-07 杭州中策橡胶有限公司 一种轮胎钢丝圈强度测试装置
JP2016057232A (ja) * 2014-09-11 2016-04-21 住友ゴム工業株式会社 ゴム製品の解析方法及びゴム製品を解析するためのコンピュータプログラム
JP2018109524A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 住友ゴム工業株式会社 ビード部の曲げ剛性測定方法
CN112270055A (zh) * 2020-11-11 2021-01-26 珠海格力智能装备有限公司 机器人的应力分析方法、应力分析装置和处理器
JP2021092513A (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 Toyo Tire株式会社 タイヤのシミュレーション方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094916A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 複合体の有限要素モデル作成方法及び装置
JP2004093530A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 複合材の力学特性シミュレーション方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094916A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 複合体の有限要素モデル作成方法及び装置
JP2004093530A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 複合材の力学特性シミュレーション方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102175519A (zh) * 2011-02-23 2011-09-07 杭州中策橡胶有限公司 一种轮胎钢丝圈强度测试装置
JP2016057232A (ja) * 2014-09-11 2016-04-21 住友ゴム工業株式会社 ゴム製品の解析方法及びゴム製品を解析するためのコンピュータプログラム
JP2018109524A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 住友ゴム工業株式会社 ビード部の曲げ剛性測定方法
JP2021092513A (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 Toyo Tire株式会社 タイヤのシミュレーション方法
JP7346784B2 (ja) 2019-12-12 2023-09-20 Toyo Tire株式会社 タイヤのシミュレーション方法
CN112270055A (zh) * 2020-11-11 2021-01-26 珠海格力智能装备有限公司 机器人的应力分析方法、应力分析装置和处理器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4557640B2 (ja) 2010-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4469172B2 (ja) タイヤのシミュレーション方法
JP4608306B2 (ja) タイヤのシミュレーション方法
JP4782392B2 (ja) タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体
JP5430198B2 (ja) タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、及びプログラム
JP4814751B2 (ja) タイヤモデルの作成方法、装置、及びプログラム
JP5128857B2 (ja) タイヤコードの解析モデル作成方法、装置、プログラム、及びタイヤ性能解析方法
JP5284686B2 (ja) タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラム
JP2009190427A (ja) タイヤのシミュレーション方法
JP4976069B2 (ja) タイヤ性能シミュレーション方法、装置、及び記録媒体
JP2007083925A (ja) タイヤとホイールの組立体の挙動シミュレーション方法及びタイヤの挙動シミュレーション方法
JP4557640B2 (ja) タイヤの解析方法、タイヤのビード部分の解析方法、タイヤの挙動シミュレーション方法、タイヤの挙動解析プログラム及びタイヤの挙動解析プログラムを記録した記録媒体
JPH11153520A (ja) タイヤ性能のシミュレーション方法及びその装置
JP4626352B2 (ja) 振動モード判別方法及び振動モード判別用コンピュータプログラム
JP3314082B2 (ja) タイヤ有限要素モデルの作成方法
JP4996296B2 (ja) タイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラム
JP5226339B2 (ja) タイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラム
JP2006076404A (ja) タイヤモデル、タイヤの挙動シミュレーション方法、プログラム及び記録媒体
JP2008231605A (ja) タイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラム
JP2003200722A (ja) タイヤのシミュレーション方法
JP2006160159A (ja) タイヤ挙動解析方法
JP6025304B2 (ja) タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラム
JP4533056B2 (ja) タイヤモデル、車体モデル、タイヤの挙動解析方法、プログラム及び記録媒体
JP4557630B2 (ja) タイヤの挙動シミュレーション方法
JP2012171477A (ja) タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラム
JP5122790B2 (ja) 車両走行体性能予測方法、装置及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100713

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees