JP2006062550A - 減衰特性制御システムおよび減衰特性制御システムの制御方法 - Google Patents

減衰特性制御システムおよび減衰特性制御システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ユーザーが任意に緩衝器の減衰特性を調整することを可能とすることであり、また、緩衝器に車両の走行状況に最適となる減衰特性を発生させることができる減衰特性制御システムおよび減衰特性制御システムの制御方法を提供する。
【解決手段】 車両の車体側部材と車軸側部材との間に介装される緩衝器の発生減衰力を制御する減衰特性制御システムもしくは減衰特性制御システムの制御方法において、減衰特性入力手段もしくは減衰特性入力ステップを備え、適宜入力される任意の減衰特性に基づいて、緩衝器の発生減衰特性を制御する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、減衰特性制御システムおよび減衰特性制御システムの制御方法に関する。
一般に車両の車体と車軸との間に懸架バネと並列にして緩衝器を介在させたサスペンションが知られており、このサスペンションは車体を懸架するとともに路面からの振動等の入力を減衰して車両の乗り心地と操縦性を向上させ、或いは車体の変位を抑制して車高を一定に保持している。そして、近年では、さらに、車両の乗り心地や操縦性を向上するために、減衰特性を調整可能な緩衝器が開発され、この緩衝器の減衰特性を調整する制御装置の開発がなされるに至っている。
この種制御装置にあっては、緩衝器が油圧式のものであれば、たとえば、緩衝器の減衰力発生要素たる減衰弁の開度をコントローラの指令でアクチュエータにより制御され、また、コントローラには、車両の乗り心地や操縦性が最適となる減衰特性を演算処理させて、車両の走行状況に見合った減衰特性を緩衝器に発生させるとしている。
しかし、上記した制御装置では、車両の運転者に適合する減衰特性を発生させるものではなく、一般的に、たとえば、乗り心地を重視するものであれば車体の振動を押えるのに最適でると考えられている基準をベースとして、その基準に近づけるような制御が行われているに過ぎず、必ずしも、従来制御では、個々の運転者に適合する制御にはなっていなかった。
そこで、最近では、車両のユーザー(運転者や搭乗者)の習慣、いわゆる癖や、その車両の主な走行地域、走行環境といったデータをあらかじめ制御装置のコントローラに記憶させておき、そのデータに基づいて、減衰力をハードないしソフトに切換える制御装置および制御方法の提案がなされるに至っている(たとえば、特許文献1参照)。
このような、制御装置では、運転者一人一人に対し、いわゆる、オーダーメードで緩衝器の減衰力のセッティングがなされるので、ユーザーに適合した乗り心地や操縦性が得られる。
特開平06−342302号公報(発明の詳細な説明,図12)
しかしながら、ユーザー一人一人に対しオーダーメードの緩衝器制御が可能となる最近の制御装置にあっても、以下の不具合がある。
すなわち、オーダーメードの緩衝器制御であっても、各ユーザーのパラメータから、あらかじめ決められた制御側に則って、減衰力を発生するとしているので、必ずしも、ユーザーの趣向にあった制御が行われていない。
また、実際の車両の走行状況によっては、ユーザーの判断で緩衝器の発生減衰特性をコントロールしたい場合があるが、従来の制御装置では、あらかじめ決められた減衰特性や減衰力のうち1つを選択するといった大まかなコントロールしか出来なかった。
さらに、一般的な制御装置にあっては、車両走行中の車速や操舵角といった情報に基づきの車両の走行状況を判断して、緩衝器の減衰力を制御するとされているが、実際に車両が走行している道路、地形等の考慮がなされていない。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、この目的とするところは、ユーザーが任意に緩衝器の減衰特性を調整することを可能とすることであり、また、他の目的は、緩衝器に車両の走行状況に最適となる減衰特性を発生させることができる減衰特性制御システムおよび減衰特性制御システムの制御方法を提供することである。
本発明おける減衰特性制御システムは、車両の車体側部材と車軸側部材との間に介装される緩衝器の発生減衰力を制御する減衰特性制御システムにおいて、減衰特性入力手段を備え、適宜入力される任意の減衰特性に基づいて、緩衝器の発生減衰特性を制御することを特徴とする。
また、本発明における減衰特性制御システムの制御方法は、車両の車体側部材と車軸側部材との間に介装される緩衝器の発生減衰力を制御する減衰特性制御システムの制御方法において、減衰特性を入力するステップとを備え、入力される任意の減衰特性に基づいて緩衝器の発生減衰特性を制御する。
本発明によれば、ユーザーが任意に入力した減衰特性を実現することができ、緩衝器にユーザーの趣向にあった減衰特性を発生させることができる。すなわち、ユーザーにとって、緩衝器セッティングの自由度が飛躍的に高まる。
また、実際の車両の走行状況によって、ユーザーの判断で緩衝器の発生減衰特性をコントロールすることもできるので、より走行状況に適した減衰特性を発生させることができる。
さらに、緩衝器は、ユーザーの意図する減衰特性を発生できるので、ユーザーの満足度を高め、荷物を積載したことによるバネ上重量変化にもユーザー自身で対応し、乗り心地を向上させることができ、さらに、スポーツ走行にも対応することができ、車両を多目的に使用することができるようになる。
そして、減衰特性を任意に変更することができるので、たとえば、緩衝器の減衰特性を極端に変更したりしてユーザーが緩衝器の機能を体感すること目的としたデモンストレーション用としても使用することができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、緩衝器の縦断面図である。図2は、第1の実施の形態における減衰特性制御システムを示す概念図である。図3は、減衰特性を示す図である。図4は、第1の実施の形態における減衰特性入力手順を示すフローチャートである。図5は、減衰特性のラインが重なって入力された減衰特性を示す図である。図6は、第1の実施の形態における減衰特性制御手順を示すフローチャートである。図7は、減衰特性設定可能範囲を表示した状態における減衰特性グラフを示す図である。図8は、第1の実施の形態の変形例における減衰特性入力手順を示すフローチャートである。図9は、第1の実施の形態の変形例における減衰特性制御手順を示すフローチャートである。図10は、第1の実施の形態の他の変形例における減衰特性制御手順を示すフローチャートである。図11は、第2の実施の形態における減衰特性入力手順を示すフローチャートである。図12は、危険閾値を設けた減衰特性グラフを示す図である。図13は、減衰特性を示す図である。図14は、第2の実施の形態のおける減衰特性制御手順を示すフローチャートである。図15は、第3の実施の形態における減衰特性制御システムを示す概念図である。図16は、第3の実施の形態における減衰特性入力および制御手順を示すフローチャートである。図17は、第3の実施の形態の変形例における減衰特性手順を示すフローチャートである。図18は、選択された減衰特性錦位置を設けた状態を示す図である。図19は、第4の実施の形態における減衰特性制御システムを示す概念図である。図20は、減衰特性を補正する手順を示したフローチャートである。
本実施の形態における減衰特性制御システムCは、図2に示すように、減衰特性を調整可能な緩衝器と、緩衝器の減衰特性を調整するECU30と、ECU30に接続される減衰特性入力手段たる入力装置70と、表示手段たる表示ユニット71とで構成される。
以下、詳細に説明すると、図1に示すように、緩衝器は、基本的には、ボール螺子ナット4と、ボール螺子ナット4内に回転自在に螺合される螺子軸3とで構成される運動変換機構と、モータ1とで構成される電磁緩衝器であって、螺子軸3の上端がモータ1のシャフト1aに連結され、モータ1への電流供給によりモータ1の発生するトルクを調整し、螺子軸3にトルクを伝達し、この緩衝器が伸縮する時のボール螺子ナット4の図1中上下方向の直線運動を制御することが出来るものである。
モータ1は、有底筒状の外筒2内に内設され、モータ1のシャフト1aは、外筒2内にボールベアリング9,10,11を介して回転自在に挿入され、また、モータ1のシャフト1aは螺子軸3に連結されている。なお、図示するところでは、螺子軸3とシャフト1aとを別部材として、それぞれを連結しているが、螺子軸3とシャフト1aとが一体的に形成されてもよい。また、外筒2の図1中上端には、車両へこの緩衝器を取付ける為のブラケット20が設けられている。
モータ1は、上記螺子軸3に連結されるシャフト1aと、シャフト1aの外周に取付けられた磁石7,7と、外筒2の内周であって上記磁石7,7と対向するように取付けたコア8と、コア8に巻装したU,V,Wの三相コイル6とで構成されるブラシレスモータであって、この場合、外筒2がモータ1のフレームとしての役割を果たしている。そして、モータ1の各電極(図示せず)は、図2に示すようにECU30に接続され、モータ1にECU30から電流を供給し、モータ1が電磁力に起因するトルクを発生できるようにしてあり、所望の減衰特性を得られるよう設定されている。また、このブラシレスモータには、回転子の位置検出手段としてホール素子Hが搭載され、このホール素子Hは、後述する駆動回路の回転ロジックに接続されるとともに、ECU30で回転子の回転運動の状況(回転角や角速度等)を把握することができるようになっている。なお、ホール素子Hに換えて磁気センサや光センサ等が搭載するとしてもよい。また、もともと位置検出手段を有しないモータ、たとえば、直流ブラシ付モータ等を使用する場合には、緩衝器の制御にあたり位置検出手段を設ける方が好ましいが、モータ1のシャフト1aの回転数を検知するセンサや緩衝器のストローク量を検知するストロークセンサを設ける場合には、この限りにおいて位置検出手段を省略するとしてもよく、その場合には、ブラシレスモータにあっても、位置検出手段を省略するとしてもよい。
また、位置検出手段としてのホール素子を例に取れば、外部電源から当該素子に通電しておくことが必要であるが、ブラケット20側を車両の車体側に取付けるようにし、さらに、このブラケット20を中空としておけば、ブラケット20内を介して上記通電する為の電線(図示せず)を当該素子に接続して電流を供給するとすれば、ブラケット20の図1中上端側から伸びる電線を外方の制御装置、制御回路に接続する際の取り回しも、容易となり、上記電線は車体内に収容されることとなるので、電線の損傷機会も減ずることが可能となる。また、外部電源を用いずとも、ボール螺子ナット4の回転により発電されるので、この誘導起電力によって発生される電流をホール素子に供給するか、一端外部のバッテリに蓄電しておいて、このバッテリから電流を供給するとしてもよい。なお、本実施の形態においては、コイル6を外筒2側に、磁石7,7をシャフト1a側に取付けているが、コイル6をシャフト1a側に、磁石7,7を外筒2側に取付けるとしても良い。なお、本実施の形態においてはモータ1をブラシレスモータとしているが、電磁力発生源として使用可能であれば、様々なモータ、たとえば直流モータや交流モータ、誘導モータ等が使用可能である。
シャフト1aに連結された螺子軸3は、その外周に螺子溝3aが設けられており、外筒2内に摺動自在に挿入された有底筒状の内筒5内に挿入され、さらに、この内筒5内に嵌着されたボール螺子ナット4内に回転自在に螺合されている。すなわち、この実施の形態においては、螺子軸3とボール螺子ナット4とで運動変換機構が構成され、ボール螺子ナット4と螺子軸3との軸方向の相対的な直線運動は、螺子軸3の回転運動に変換される。ここで、ボール螺子ナット4の構造は特に図示しないが、たとえば、ボール螺子ナット4の内周には、螺子軸3の螺旋状の螺子溝3aに符合するように螺旋状のボール保持部が設けられており、前記保持部に多数のボールが配在されてなり、ボール螺子ナット4の内部にはボールが循環可能なように前記螺旋状保持部の両端を連通する通路が設けられているものであって、螺子軸3を前記ボール螺子ナット4に螺合された場合に、螺子軸3の螺旋状の螺子溝3aにボール螺子ナット4のボールが嵌合し、螺子軸3の回転運動に伴いボール自体も螺子軸3の螺子溝3aとの摩擦力により回転するので、ラックアンドピニオン等の機構に比べ滑らかな動作が可能であるが、運動変換機構をラックアンドピニオンで構成して、ピニオンをモータ1のシャフト1aに連結するとしてもよい。
上述のように、ボール螺子ナット4には螺子軸3が螺子溝3aに沿って回転自在に螺合され、ボール螺子ナット4が螺子軸3に対し図1中上下方向の直線運動をすると、ボール螺子ナット4はたとえば車体もしくは車軸側に固定される内筒5により回転運動が規制されているので、螺子軸3は強制的に回転駆動される。すなわち、上記機構によりボール螺子ナット4の直線運動が螺子軸3の回転運動に変換されることとなる。また、ボール螺子ナット4が図1中下方に移動して緩衝器が最伸びきり状態となったときには、螺子軸3の図1中下端に設けたクッション部材15がボール螺子ナット4の図1中下端に当接して、螺子軸3がボール螺子ナット4から抜けてしまうことが防止されるとともに、最伸びきり時の衝撃を緩和し、最圧縮時には、螺子軸3が後述する内筒5の底部と当接することを防止して衝撃を緩和する。
なお、外筒2と内筒5との間にはダストシール(図示せず)が設けられ、これにより外筒2および内筒5で作られる空間に塵、埃や雨水等が侵入することが防止されている。ちなみに、外筒2内に内筒5が摺動自在に挿入されているが、外筒2と内筒5との間に環状の軸受を設けるとしてもよい。この場合には、外筒2の下端部内周が内筒5の外周面をかじってしまい外筒2と内筒5との間のシール性が劣化してしまう危険を防止できる。
また、外筒2内に内筒5が摺動自在に挿入されていることにより、内筒5およびボール螺子ナット4に対する螺子軸3の軸ぶれが防止されており、これにより、ボール螺子ナット4の一部のボール(図示せず)に集中して荷重がかかることを防止でき、ボールもしくは螺子軸3の螺子溝3aが損傷する事態を避けることが可能である。また、ボールもしくは螺子軸3の螺子溝3aの損傷を防止できるので、螺子軸3とボール螺子ナット4の回転若しくは緩衝器の伸縮方向への移動の各動作の円滑さを保つことができ、上記各動作の円滑を保てるので、緩衝器として機能も損なわれず、ひいては、緩衝器の故障を防止できる。
また、内筒5の図1中下端にはアイ型ブラケット21が設けられており、このアイ型ブラケット21と上述の外筒2の図1中上端に設けたブラケット20とを利用して、車両の車体と車軸との間に緩衝器を介装することができるようになっている。
そして、上記のように構成された緩衝器は、伸縮する、すなわち、外筒2に対し内筒5が図1中上下方向に移動すると、この内筒5に連結されたボール螺子ナット4も軸方向の直線運動をする、つまり図1中上下方向の直線運動をする。このボール螺子ナット4の直線運動は、ボール螺子ナット4と螺子軸3のボール螺子機構により、螺子軸3の回転運動に変換される。
そして、螺子軸3が回転運動を呈すると、シャフト1aも回転する。すると、モータ1内のコイル6が磁石7,7の磁界を横ぎることとなり、コイル6には誘導起電力が発生し、モータ1は、上記誘導起電力に起因するシャフト1aの回転に抗するトルクを発生する。そして、このシャフト1aの回転に抗するトルクは、シャフト1aが螺子軸3に接続されているので、螺子軸3の回転を抑制し、ボール螺子ナット4の上記直線運動を抑制することとなる。なお、螺子軸3の回転に伴ってシャフト1aが回転することにより発生する誘導起電力に起因するコイル6流れる電流と、モータ1が接続される後述のECU30から供給される電流との総和により電磁力を発生し、緩衝器はこの電磁力に見合った減衰力を発生することとなり、ECU30からの電流供給により、緩衝器の発生減衰力を調整することができるとともに、モータ1に供給される電流量の調整によりアクチュエータとしても使用可能となっている。
したがって、上記のモータ1のシャフト1aの回転運動を抑制する作用は、ボール螺子ナット4の直線運動を抑制するように働くので、ボール螺子ナット4の直線運動を抑制する減衰力として作用し、振動エネルギを吸収緩和する。また、ここで、モータ1に供給される電流量を調整すれば、モータ1が発生するトルクは減衰力として作用するだけでなく、緩衝器が伸縮に対し、その伸縮を増長する方向の力としても利用でき、逆に、緩衝器を積極的に伸縮させることもでき、緩衝器の伸縮を自由にコントロールすることも可能である。
また、本実施の形態においては、緩衝器を上述のように、螺子軸3にモータ1のシャフト1aを連結するとしているが、図示はしないが、ボール螺子ナット4の外周に歯車を設けるとともに、シャフト1aにも歯車を設けて、上記歯車同士を噛合させておき、螺子軸3の直線運動をボール螺子ナット4の回転運動に変換し、この回転運動をモータ1に伝達するとしてもよい。このようにすることによっても、ボール螺子ナット4と螺子軸3の軸方向の相対移動をモータ1の電磁力で抑制することが可能となる。
なお、上述したところでは、緩衝器を電磁緩衝器として説明したが、緩衝器を油圧緩衝器としてもよい。この場合、油圧緩衝器は、たとえば、図示はしないが、シリンダと、シリンダ内にピストンを介して摺動自在に挿入されるピストンロッドと、シリンダ内にピストンにより区画される2つの油室と、各油室を連通する通路と、当該通路の途中に設けた減衰力調整弁と、減衰力調整弁の開度を調整するアクチュエータとを備えた公知の緩衝器を使用するとしてもよい。そして、緩衝器ではモータをECU30に接続するとしていたが、この場合には、アクチュエータをECU30に接続することとなり、ECU30からの電流供給により減衰力調整弁の開度を変化させて、油圧緩衝器の発生減衰特性を変化させることが出来るように設定される。なお、アクチュエータとしては、減衰力調整弁の仕様に応じてソレノイドやステッピングモータ等の使用が可能である。
以上、一連の動作により、電磁緩衝器として構成された本実施の形態の緩衝器は減衰力を発生するだけでなくアクチュエータとしての機能を発揮することができる。したがって、従来のアクティブサスペンションのように、緩衝器の他にアクチュエータを搭載する必要がないばかりでなく、また、アクチュエータを駆動する油圧源等を搭載する必要もないので、電磁緩衝器の車両への搭載性が向上するとともに、従来のアクティブサスペンションに比較して軽量にすることができる。
また、従来の油圧緩衝器では、上述のようにアクチュエータおよび油圧源の搭載が不可欠であり、既存車両に取付けること、いわゆる後付けが搭載スペースの関係上、不可能な場合があったが、本実施の形態の緩衝器にあっては、従来の油圧緩衝器に比較して、スリムかつ省スペースであるので、既存の車両にも後付することが可能となる。
つづいて、この上述の緩衝器を実際の車両に適用した状態について説明する。上記のように構成された各緩衝器D1,D2,D3,D4は、たとえば、4輪車であれば、図2に示したように、前後左右の4箇所の車体側部材B1,B2,B3,B4と車軸側部材S1,S2,S3,S4との間に介装され、緩衝器D1,D2,D3,D4と並列して金属バネやエアバネ等の懸架バネK1、K2,K3,K4も介装される。なお、この場合には、緩衝器D1,D2,D3,D4の外筒2が車体側に内筒5が車軸側に取付けられているが、緩衝器D1,D2,D3,D4の内筒5を車体側に外筒2を車軸側に取付けてもよい。ただし、緩衝器D1,D2,D3,D4の外筒2を車軸側に取付ける場合には、モータ1が車軸側に配置されることとなり、一般的に自動車の場合には、車軸側のほうが車体側より振動が激しくなるので、モータ1の損傷防止の観点からは、外筒2を車体側に取付ける方が好ましい。
そして、各緩衝器D1,D2,D3,D4の各モータ1および各ホール素子Hは、緩衝器用のコントローラたるECU30に接続され、さらに、このECU30は、減衰特性を入力可能とする減衰力入力手段たる入力装置70、表示手段たる表示ユニット71および各モータ1のコイル6に流れる電流iを検知する電流センサ(図示せず)に接続されている。このECU30は、緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性を制御するのに使用されるもので、ホール素子Hで検出されるホール電圧からなるモータ1のシャフト1aの回転位置からシャフト1aの回転速度ωを算出し、この回転速度ωと螺子軸のリードとから車体側部材B1,B2,B3,B4と車軸側部材S1,S2,S3,S4との相対速度vを算出し、相対速度vのときに出力しなければならない減衰力を、適宜入力される減衰特性から得られる相対速度vに対する減衰力Fに制御するべく、その減衰力Fを実現する電流iを各モータ1に供給できるものであれば良く、具体的にはたとえば、電流センサもしくは電圧センサと、前記各ホール素子Hが検出するホール電圧からなるシャフト1a位置の信号、および、電流センサの信号を増幅するためのアンプと、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と低周波及び高周波成分をカットするバンドパスフィルタと、CPU(Central Prossesing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、ハードディスク等の記憶装置、水晶発振子及びこれらを連絡するバスラインからなるコンピュータシステムと各モータ1を駆動する駆動回路とから構成され、減衰特性制御処理中の演算に使用される制御手順は、プログラムとして記憶装置に予め格納させておくとする周知なシステムで良い。なお、これから述べる各実施の形態の制御手順や制御則はあらかじめECU30の主記憶装置もしくは記憶装置内に格納されている。また、ブラシレスモータとしてのモータ1の場合、駆動回路は、たとえば、電圧源に接続されるPWM回路と、PWM回路に接続されるベースドライブ回路と、ベースドライブ回路に接続されるトランジスタインバータと、ホール素子Hが接続される回転ロジックとで構成される周知のものが使用可能であり、その他、そのモータの種類に応じて電流量を調整可能なものが使
用できる。なお、駆動回路は、各モータ1に1つずつに接続されており、すなわち、本実施の形態では4つ設けられている。
また、表示手段たる表示ユニット71としては、ECU30の制御のもと、入力される減衰特性やECU30で演算もしくはECU30にあらかじめ入力済みの減衰特性を表示可能なようになっており、具体的には、図示はしないが、バスラインを介してECU30から送られる制御データに基づいて表示ユニット71全体を制御するグラフィックコントローラと、RAM等のメモリと、LCD(Liquid Crystal Display)、エレクトロルミネッセンス、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて上記ディスプレイを制御する表示制御部と、から構成されており、ECU30に入力される減衰特性を、たとえば、図3に示すように、減衰力Fと相対速度vとの関係で示される減衰特性を表示可能なようになっている。
入力装置70は、上記表示ユニット70のディスプレイの画面上に両面テープ等で固定された一対の対向するガラスやプラスチック等からなる基盤と、当該基盤のあい対向する面に設けられた一対の透明電極と、を備え、押圧されたときの電極間の電圧変化を検出することにより押圧箇所を検知することが可能な、いわゆる、タッチパネルである。そして、上記表示ユニットにあらかじめ横軸を相対速度vとし、縦軸を減衰力Fとしたグラフを表示しておき、ユーザーが、図3に示すように、上記グラフ上にタッチパネルを介して任意の減衰特性Aを入力することが出来るようになっている。そして、ユーザーが入力した減衰特性Aは、相対速度vと減衰力Fとの関係を示すデータとして、ECU30の記憶装置内に格納される。このように、タッチパネル式の入力装置を使用することにより、ユーザーは、減衰特性Aを相対速度vに対する減衰力Fを具体的な数値として入力することに比較して、簡単かつ直感的に入力することが出来るので、ユーザーの負担を軽減することが出来る。
ここで、ECU30の記憶装置に格納される減衰特性Aは、上述のように、ユーザーによって入力されることを述べたが、具体的には、図4に示す手順で入力される。
すなわち、図4の処理は、ステップP1で、車両のユーザーに減衰特性変更の意思があるかを確認する。この処理は、ユーザーのセレクトスイッチの操作により確認するが、具体的には、当該セレクトスイッチが減衰特性入力モードであるか否かによって判断される。そして、セレクトスイッチが減衰特性入力モードを採る場合には、ECU30側に信号が送られ、減衰特性入力処理が割込処理として実行され、ステップP2に移行する。セレクトスイッチが減衰力入力モードを採らない場合には、そのまま待機状態となる。待機状態中は、ECU30は、従前に入力された減衰特性を表示ユニット71のディスプレイに表示しつづけるように制御する。なお、セレクトスイッチは、具体的には、操作上の点から表示ユニット71のディスプレイ上に表示されたボタンとされ、入力装置70の上記ボタンに対応する範囲に押圧があったか否かでユーザーの意思を判断するとしておけばよい。この場合、上記表示しつづける減衰特性にかぶらない位置に上記ボタンを表示するとされる。また、上記の方法以外にも、別途、ECU30に直接設けられるか、ディスプレイ近傍に設けられるスイッチとされてもよい。
ステップP2では、ECU30は、上記表示ユニット70のディスプレイに横軸を相対速度vとし、縦軸を減衰力Fとしたグラフを表示して、減衰特性の入力を待ち、ステップP3に移行する。
そして、ステップP3では、ユーザーが減衰特性Aを入力する。ユーザーは、表示ユニット71のディスプレイ上に表示された上記グラフ内に入力装置70たるタッチパネルを介して入力していく。そして、ECU30は、表示ユニット71のディスプレイに、ユーザーによって入力される減衰特性Aを絶えず表示しつづけるとともに、入力終了か否かの判断をするために終了ボタンを表示ユニット71のディスプレイに表示するように制御する。そして、ユーザーが終了ボタンの表示領域に対応する入力装置70たるタッチパネルの範囲に押圧した場合には、ステップP4に移行する。なお、上記減衰力Fと相対速度vとの関係をマップとして記憶装置に格納するとしてもよい。ここで、ECU30の記憶装置に格納される上記数値もしくはマップは、たとえば、緩衝器D1,D2,D3,D4が伸長する際に、減衰力Fは負の値を採るもとし、収縮する際には減衰力Fは正の値をとるものとする。
さらに、ステップP4では、ユーザーが上記グラフ内に最低限設定されなければならない減衰特性を入力したか否かについて判断する。具体的には、あらかじめ横軸の相対速度vの下限閾値と上限閾値とをECU30の記憶装置に格納しておき、ECU30は、この下限閾値と上限閾値の範囲内全てについて、減衰特性、すなわち、本実施の形態では減衰力Fと相対速度vとの関係が入力されているか否かを判断する。そして、ユーザーが最低限設定されなければならない減衰特性を入力した場合には、ステップP5に移行し、最低限の設定がなされていない場合には、その旨を表示ユニット71のディスプレイに表示して、ステップP2に移行する。
ステップP5では、ユーザーが入力した減衰特性Aがある相対速度vに対して減衰力Fが2つ以上の値を持つか、ある減衰力Fに対して相対速度vが2つ以上の値を持つような場合、すなわち、グラフ上にユーザーが入力した減衰特性Aのラインが図5に示すように重なるように入力された場合には、制御に障害があるので、その旨を表示ユニット71のディスプレイに表示して、ステップP2に移行し、そうでない場合にはステップP6に移行する。
そして、ステップP6では、ステップP3でユーザーが入力した減衰特性Aをユーザーが承認するか否かを判断する。具体的には、ECU30は、表示ユニット70のディスプレイ上に確認ボタンとリセットボタンとキャンセルボタンを表示するように制御し、ユーザーにステップP3で入力した減衰特性Aでよいか否かついての判断を促し、ユーザーが確認ボタンの表示領域に対応する入力装置70の範囲を押圧した場合には、この入力された減衰力Fと相対速度vとの関係を数値として、記憶装置に格納し、表示ユニット71のディスプレイに入力された減衰特性Aを表示しつづけるように制御して、ユーザーの減衰特性入力を終了し、割込処理を終了する。また、ユーザーがリセットボタンの表示領域に対応する入力装置70の範囲に押圧した場合には、ステップP3で入力された減衰特性Aを記憶装置に格納せずにステップP2にもどり、さらに、ユーザーがキャンセルボタンの表示領域に対応する入力装置70の範囲に押圧した場合には、ステップP3で入力された減衰特性Aを記憶装置に格納せずに割込処理を終了する。すなわち、ユーザーの承認が得られたと判断された場合以外は、入力された減衰特性Aを記憶装置に格納せず、従前に入力済みの減衰特性を変更せず、承認が得られたときにのみ、入力された減衰特性Aを記憶装置に格納して、従前入力済みの減衰特性を新規に入力される減衰特性Aに変更する。
なお、上述したところでは、減衰特性Aの入力にあたり、相対速度Vに対する減衰力Fとの関係が連続的に入力され、この連続的に入力された減衰特性Aをそのまま記憶装置に格納するとしているが、たとえば、連続的に入力される減衰特性Aを、複数のある特定の相対速度v、たとえば、相対速度vが0.02m/s,0.05m/s,0.1m/s,0.3m/s,0.6m/s,1m/s,2m/sのときの減衰力FをECU30で読み取り、特定の相対速度v間における減衰力Fについては、ECU30側で補完して減衰特性を作り上げるとしてもよく、また、その場合には、ユーザーに減衰特性Aを連続的に入力させることに換えて、上記複数の特定の相対速度v毎に減衰力Fを入力させるとしてもよい。
また、ステップP4にて、最低限設定されなければならない減衰特性を入力したか否かについて判断しているが、これに換えて、設定しなかった範囲については、ECU30側で補完させるようにしてもよい。この場合には、たとえば、相対速度vが高速域側の減衰力設定が不足する場合、すなわち、上限閾値を超えない場合には、設定の不足する減衰力Fを設定済みの減衰特性Aの直近の傾きを利用して相対速度vが増加する方向に延長し、逆に、下限閾値を超えない場合には、設定の不足する減衰力Fを設定済みの減衰特性Aの直近の傾きを利用して相対速度vが減少する方向に延長するという処理をECU30にさせればよい。そうすることで、わざわざユーザーに減衰特性Aを再度入力させる必要がなくなるのでユーザーの利便性が高まる。さらに、最低限設定されなければならない減衰特性の範囲をあらかじめ減衰特性設定可能範囲として、表示ユニット71のディスプレイに表示させておいてもよい。そうすることにより、ユーザーに最低限設定が必要な範囲について注意を促すことができ、ユーザーに誤入力を回避させることができる。
つづいて、車両走行中における緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性制御の手順について、ECU30のCPUの処理手順の一例を示す図6に基づいて説明する。
この処理は、たとえば、10ms毎に割込み処理として実行され、ステップP7では、まず、ECU30は、緩衝器D1,D2,D3,D4の各モータ1のシャフト1aの回転角θを微分し回転速度ωを算出する。さらに、この回転速度ωと螺子軸3のリードとから相対速度vを算出する。また、ECU30は、電流センサからの信号を受け取り、各モータ1に現在供給されている電流i1を検知して、ステップP8に移行する。
ステップP8では、ECU30は、入力された減衰特性Aの相対速度vと減衰力Fとの関係を参照し、上記演算された相対速度vに対する緩衝器D1,D2,D3,D4が出力すべき減衰力を算出してステップP9に移行する。
ステップP9では、ECU30は、上記出力すべき減衰力と、各モータ1のトルク定数と、緩衝器D1,D2,D3,D4の慣性モーメントとから各モータ1に供給すべき電流iを算出する。具体的には、たとえば、以下の式i=(F・L−4・π・J・α・z)/(2・π・Km・z・L)で算出される。ここで、Lは螺子軸3のリード、Jは緩衝器D1,D2,D3,D4の回転部材の慣性モーメント、αはシャフト1aの角加速度、zはギア比、Kmは電流に対するトルク定数であり、この実施の形態においては、螺子軸3に対しシャフト1aは、直接的に接続されているので、ギア比zは1となる。
そして、ステップP10に移行し、ステップP10では、上記算出された電流iが各モータ1のコイル6に流れるように供給する。ここで、たとえば、コイル6が三相(U,V,W)となっており、自己インダクタンスおよび相互インダクタンスの影響およびモータ1が車体側部材B1,B2,B3,B4と車軸側部材S1,S2,S3,S4との相対移動により強制的に駆動させられることによりコイル6に生じる誘導起電力の影響を受けるので、それらの影響を加味した制御が行われる。具体的には、本ステップP10では、ECU30は、制御時の車体側部材B1,B2,B3,B4と車軸側部材S1,S2,S3,S4との相対移動により各モータ1のコイル6に生じる誘導起電力によりコイル6に流れている電流i1をステップP7にて電流センサで検知してあるので、上記算出された電流iの値とこの誘導起電力により流れている電流値i1と比較して、電流iに対し誘導起電力により流れている電流値i1が過不足となる分の電流を自己インダクタンスおよび相互インダクタンスの影響を加味して供給する、すなわち、フィードバック制御が行われ、各モータ1に対して供給されるトータルの電流値が上記算出された電流iの値となるよう制御される。
なお、各モータ1に電流iを供給するときに、電流iが正の値をとるときには、各モータ1を正転させ緩衝器D1,D2,D3,D4を伸長させるもの方向に減衰力Fを発生し、反対に電流iが負の値をとる場合には、各モータ1を反転させ緩衝器D1,D2,D3,D4を収縮させるもの方向に減衰力Fを発生する。
以下、ECU30は、上記手順を決められたウエイト時間(本実施の形態では10msごと)ごとに割込処理されて制御が実行しつづける。なお、緩衝器が油圧緩衝器の場合には、減衰力Fを発生させる減衰力調整弁の開度を実現するのに必要な電流を、減衰力調整弁を駆動するアクチュエータに与えるとすればよい。また、上述したところでは電流供給により減衰特性を制御しているが、電圧をコントロールすることによってもよい。
したがって、本実施の形態では、ユーザーが任意に入力した減衰特性Aを実現することができ、緩衝器D1,D2,D3,D4にユーザーの趣向にあった減衰特性Aを発生させることができる。すなわち、ユーザーにとって、緩衝器セッティングの自由度が飛躍的に高まる。
また、実際の車両の走行状況によって、ユーザーの判断で緩衝器D1,D2,D3,D4の発生減衰特性をコントロールすることもできるので、より走行状況に適した減衰特性を発生させることができる。
さらに、緩衝器D1,D2,D3,D4は、ユーザーの意図する減衰特性Aを発生できるので、ユーザーの満足度を高め、荷物を積載したことによるバネ上重量変化にもユーザー自身で対応し、乗り心地を向上させることができ、さらに、スポーツ走行にも対応することができ、車両を多目的に使用することができるようになる。
また、本実施の形態では、入力装置にタッチパネルを採用しているので、ユーザーの減衰特性入力が簡易となり、表示ユニットに入力された減衰特性Aを表示することで、視覚的に減衰特性をとらえることが可能となるので、この点でも減衰特性入力が簡易となり、さらに、誤入力の防止効果もある。
さらに、最低限設定が必要な減衰特性を判断できるので、車両の通常使用領域において制御不能な状態となることを回避できることになるので、安全性が確保される。
そして、減衰特性を任意に変更することができるので、たとえば、緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性を極端に変更したりしてユーザーが緩衝器D1,D2,D3,D4の機能を体感すること目的としたデモンストレーション用としても使用することができる。
なお、ユーザーが上記グラフ内に最低限設定されなければならない減衰特性を入力したか否かについて判断するステップP4で、最低限の設定がなされていない場合に、設定のない範囲について、その車両にとって通常の走行状態において最適となる減衰特性をもってこの範囲を補うとしてもよい。この場合には、あらかじめ記憶装置に上記設定のない範囲を補うために使用される減衰特性を格納しておき、設定のない範囲については、上記設定のない範囲を補うために使用される減衰特性を使用して制御するとしてもよい。そうすることによって、ユーザーの入力ミスにも対応でき、安全性を確保することができる。また、設定のない範囲について、上記のように制御することにかえて、スイッチ回路を用いて緩衝器D1,D2,D3,D4の各モータ1のコイル6を短絡するようにしてもよく、そのようにしても緩衝器としても機能を失うことが無いので安全性が確保されることとなる。
また、緩衝器D1,D2,D3,D4を電磁緩衝器として説明したが、上述したように、緩衝器D1,D2,D3,D4を油圧緩衝器としてもよく、この場合には、ステッピングモータやソレノイドに印加する電流・電圧によって制御するとすればよい。ただし、電磁緩衝器のほうが、制御上応答性が優れているので、減衰力Fが著しく変化する減衰特性Aが入力されても、瞬時にその減衰力Fを実現することができるので、制御上有利である。
さらに、上記したところでは、減衰特性入力手段をタッチパネル式入力装置としているが、ECU30に赤外線通信、無線通信、もしくは有線通信可能な装置、たとえば、モデムやUSB(Universal Serial Bus)、LAN(Local Area Network)等の通信用インターフェースを設けて、携帯端末や端末と接続可能とし、ECU30に減衰特性をデータとしてダウンロードさせてその減衰特性を記憶装置に格納するようにしておいてもよい。そうすることで、ユーザーがECU30に直接減衰特性を入力する必要が無くなり、端末等で作成した減衰特性を入力することが可能となる。すると、わざわざ、ユーザーが車両に搭乗して減衰特性を直接入力する煩わしさがなくなると同時に、時間と場所をかえて減衰特性を作成できる点で便利であり、また、インターネット等から減衰特性データをダウンロードすることが可能となり、たとえば、あらかじめその車両についての減衰特性データをインターネット上のホームページに減衰特性データをアップロードしておき、これをユーザーがインターネットを通じて入手可能としておけば、ユーザーが減衰特性を作成する手間も省けるようになる。
さらに、上記の減衰力入力および減衰特性制御にあたって、ECU30にユーザーが誰であるかを認識させるようにしておけば、ユーザー毎に、減衰特性を変化させることができるので便利である。なお、この場合には、たとえば、ユーザーを特定することができるように、ステップP1およびステップP7の前に、ユーザーを特定するステップを追加し、ボタン操作等でユーザーを特定するとすればよく、また、ユーザー毎の減衰特性Aを記憶装置に格納し、制御時には、ユーザー毎の減衰特性Aを参照するとしておけばよい。また、減衰特性制御時に、ユーザーの入力した減衰特性Aを複数、記憶装置に格納しておき、ユーザーが複数の減衰特性Aのうち任意の減衰特性Aを選択することができるようにしておけば、減衰特性を変更するのに、ユーザーが都度減衰特性Aを入力しなければならないという煩わしさを解消することができる。
また、上述したところでは、減衰特性Aを減衰力Fと相対速度vとの関係で決定していたが、緩衝器D1,D2,D3,D4の振動周波数に対する減衰力Fとの関係を示す減衰力の周波数特性を減衰特性として、入力するとしてもよく、その制御についても、電磁緩衝器の場合であれば、その制御にあたり、シャフト1aの角速度ωの変化から振動周波数を算出して、得られた振動周波数に見合った減衰力Fを発生させるべくステップP10と同様に電流iを供給するようにしておくとすればよい。
さらに、相対速度vと減衰力Fとの関係で入力される減衰特性Aの他に、振動周波数に対する制御ゲインを入力できるようにしておけば、よりきめ細かな制御も可能となると同時に、より幅の広い減衰特性の設定が可能となるので、ユーザーの自由度が飛躍的に高まる。この場合には、減衰特性入力時に、別途、減衰特性入力ステップと略同様の処理を行う制御ゲイン入力ステップを設けておけばよい。
つぎに、第1の実施の形態の変形例について説明する。当該変形例にあっては、減衰特性入力処理時に、あらかじめ表示ユニット71のディスプレイに図7に示すように、緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能な減衰力Fと相対速度vとの関係を表示するとし、さらに、減衰特性比較手段を設けたものである。つまり、設定可能な減衰特性の範囲をあらかじめ減衰特性設定可能範囲として、表示ユニット71のディスプレイに表示させておき、そうすることにより、ユーザーに最低限設定が必要な範囲について注意を促すことができ、ユーザーに誤入力を回避させることができる。なお、説明が重複するので、上記実施の形態と同様の部分については同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
この変形例の処理は、具体的には、図8に示すように、すなわち、ステップP1の終了後、ステップP11に移行し、ステップP11で、グラフを表示するとともに、このグラフ上に上記緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能な減衰力Fと相対速度vとの関係を表示する。したがって、ユーザーは、この表示により入力可能な減衰特性の範囲を認識することができるので、ユーザーの減衰特性入力時の利便性が向上する。
このとき、具体的には、ECU30の記憶装置にあらかじめ緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能な減衰特性をインプットしておき、このインプットされたデータに基づき、表示ユニット71のディスプレイに表示させる制御を行わせるとすればよい。
そして、この変形例にあっては、ステップP11の処理を終了すると、ステップP3に移行し、ステップP3では、第1の実施の形態と同様の処理が行われて、ステップP12に移行する。
ステップP12では、ECU30は、ユーザーが入力した減衰特性Aが緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能な減衰力Fと相対速度vとの関係(以下発生可能減衰特性という)から逸脱しているかを判断する。具体的には、図7に示すように、緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能減衰特性の上限を発生可能減衰特性上限閾値とし、緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能減衰特性の下限を発生可能減衰特性下限閾値として、これら閾値をあらかじめECU30の記憶装置内に格納しておく。そして、ECU30は、この発生可能減衰特性上限閾値と発生可能減衰特性下限閾値を参照し、入力される減衰特性が発生可能減衰特性上限閾値と発生可能減衰特性下限閾値の範囲内にあるか否かを判断する。したがって、本実施の形態においては、減衰特性比較手段は、記憶装置に格納される上記比較を実行するプログラムとされている。そして、この範囲から入力される減衰特性Aが逸脱していると判断する場合には、その旨を表示ユニット71のディスプレイに表示して、ステップP11に移行し、この範囲から入力される減衰特性Aが逸脱していないと判断する場合には、ステップP4に移行する。ステップP4以降は第1の実施の形態と同様の処理がなされる。すなわち、入力される減衰特性Aが上記閾値の範囲内に無いときは、減衰特性の変更を行わない。
なお、緩衝器D1,D2,D3,D4を電磁緩衝器としているので、たとえば、各モータ1を正転させた場合において、各モータ1に許容電流値を供給したときの減衰力Fが減衰特性上限閾値とされ、減衰特性下限閾値は、アクチュエータとして機能することができるので、減衰力Fを電磁緩衝器の伸長を増長させることもできるので、各モータ1を逆転させた場合において、各モータ1に許容電流値を供給したときの減衰力Fが電磁緩衝器の減衰特性発生限界を示す減衰特性下限閾値となるが、実際には、振動を増長させることは危険な状態となるので、電磁緩衝器の減衰特性下限閾値は、圧縮側では減衰力Fをゼロ以上とし、伸長側では減衰力Fをゼロ以下とするように設定することが望ましい。
ただし、油圧緩衝器の場合には、減衰力調整弁の規格から減衰特性上限閾値および減衰特性下限閾値が決定されることとなる。
したがって、この変形例にあっては、入力される減衰特性Aが上記閾値の範囲内に無いとき、すなわち、緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能な減衰特性の範囲内に無いときは減衰特性の変更をしないので、緩衝器D1,D2,D3,D4の発生できない減衰特性Aが入力されることを回避できる。すると、緩衝器D1,D2,D3,D4を制御不能な状態となることを回避できるので、走行上の安全性が向上する。
また、特に電磁緩衝器の減衰特性発生限界を上回るもしくは下回るように各モータ1に電流を供給する事態をさけることができるので、各モータ1の熱損や損傷を防止することが可能となる。
さらに、この変形例では、車両走行中の制御時に、ECU30に、ユーザーが入力した減衰特性Aが緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能な減衰力Fと相対速度vとの関係から逸脱しているかを判断させるようにしてもよい。すなわち、図9に示すように、第1の実施の形態におけるステップP7とステップP8との間に、ステップP13を割込みさせ、ECU30に、あらかじめ記憶装置に格納された緩衝器D1,D2,D3,D4の発生可能減衰特性の上限を発生可能減衰特性上限閾値とユーザーが入力した減衰特性Aによる現在の相対速度vに対応する減衰力Fとを比較し、上記閾値を逸脱する減衰特性の範囲について、上記閾値内となる範囲内で任意もしくはその車両に最適となる減衰特性を選択もしくは演算し緩衝器D1,D2,D3,D4が出力すべき減衰力を算出して割込処理を終了し、ステップP9に移行する。他方、上記閾値から逸脱しなければステップP8に移行して割込処理を終了する。以下、第1の実施の形態と同様の制御を続けるとすればよい。
このように、ユーザーの減衰特性入力時に減衰特性を変更しないことにかえて、制御時に、上記閾値の範囲内に無いときは上記閾値の範囲内で減衰力を発生されるとしても、緩衝器D1,D2,D3,D4の発生できない減衰特性Aで制御せざるを得ない状況を回避できる。すると、緩衝器D1,D2,D3,D4を制御不能な状態となることを回避できるので、走行上の安全性が向上する。
また、特に電磁緩衝器の場合には、減衰特性発生限界を上回るもしくは下回るように各モータ1に電流を供給する事態をさけることができるので、各モータ1の熱損や損傷を防止することが可能となる。
つづいて、第1の実施の形態の他の変形例について説明する。この他の変形例においては、減衰特性入力処理時に表示ユニット71のディスプレイにあらかじめECU30の記憶装置に格納されるその車両に最適となる理想減衰特性を表示させるようにしたものである。
すなわち、当該他の変形例にあっては、図10に示すように、第1の実施の形態においてステップP2の換わりに、ステップP14に置き換えたものである。
ステップP14では、すなわち、ステップP1の終了後、ステップP2と同様にグラフを表示するとともに、このグラフ上に上記理想減衰特性を表示する。したがって、ユーザーは、この理想減衰特性の表示により、減衰特性入力に当り指針が示されるので、ユーザーの減衰特性入力時の利便性が向上する。また、ユーザーが減衰特性の変更を繰り返す場合に、万が一、ユーザーが入力した減衰特性Aで著しく乗り心地や操縦安定性を損なった場合にも、通常その車両に理想的である減衰特性に戻すことが可能となる。
ここで、理想減衰特性は、その車両に搭乗するユーザーにとって一般的に乗り心地が最適となる減衰特性とされてもよいし、また、操縦安定性が最適となる減衰特性とされてもよく、また、目的に応じて複数の理想減衰特性を用意しておくとしてもよく、車両の諸元を考慮してあらかじめECU30の記憶装置に格納しておけばよいが、具体的には、舗装路での乗り心地および操縦安定性を重視するのであれば、相対速度vが低中速域では減衰力Fを低く設定し、高速域においては悪路や大入力時での車輪の接地性の確保と緩衝器D1,D2,D3,D4のストロークエンドでの伸び切り、底付きショック防止のため減衰力Fを高めに設定される減衰特性とすればよい。
さらに、入力される減衰特性Aが、減衰力Fと相対速度vとの関係で示されるのではなく、減衰特性が上述の減衰力Fに対する振動周波数の関係で入力されている場合には、理想減衰特性をバネ上質量と懸架バネ定数とから算出されるその車両に最適となる減衰特性としてもよい。
ここで、理想減衰特性は、車両のバネ上質量と懸架バネ定数から算出される場合には、その演算にあたっての処理はあらかじめECU30の記憶装置に格納される。そして、バネ上質量を得るには、車両の出荷時における車両各輪におけるバネ上質量および懸架バネ定数を計測しておき、その値をECU30の記憶装置に記憶させておき、その値に、上記懸架バネ定数と、ホール素子Hで検出されるバネ上質量変化に対応して回転するシャフト1aの回転角θと螺子軸3のリードとから算出される車体側部材B1,B2,B3,B4と車軸側部材S1,S2,S3,S4との相対変位xと、から算出したバネ上質量変化量を加算して算出するとすればよい。そして、得られたバネ上質量と懸架バネ定数とからバネ上共振周波数を算出し、バネ上共振周波数域で減衰力Fを高くして乗り心地を向上するのに最適となる減衰力Fに対する周波数特性の関係で示される減衰特性としておけばよい。
つぎに、第2の実施の形態の減衰特性制御システムについて説明する。第2の実施の形態の減衰特性制御システムは、第1の実施の形態の減衰特性制御システムCと基本的には同様の構成を備えている。そして、第1の実施の形態と異なる点は、入力された減衰特性Aにより車両動特性が危険となるか否かを判断する危険判断手段を備えている点である。
この危険判断手段は、具体的には、ECU30の記憶装置に格納されるプログラムにより実現され、以下、図11に示す、処理手順に基づいて説明する。
この処理は、第1の実施の形態における減衰特性入力処理のステップP4でユーザーが上記グラフ内に最低限設定されなければならない減衰特性を入力したか否かについて判断した後に、割込処理として実行される。
ステップQ1で、ECU30は、ユーザーによって入力された減衰特性Aに基づいて緩衝器D1,D2,D3,D4を制御すると車両の動特性が不安定となる場合を危険と判断する。具体的には、たとえば、図12に示すように、車両の諸元から相対速度vに対し最低限度必要とされる減衰力Fを危険閾値としてグラフ化したものを、あらかじめECU30の記憶装置に格納してある。
そして、ECU30は、この記憶装置内に格納済みの危険閾値とユーザーが入力した減衰特性Aとを比較する。そして、入力された減衰特性Aが、緩衝器D1,D2,D3,D4の伸長側では上記危険閾値を減衰力Fが上回るとき、緩衝器D1,D2,D3,D4の収縮側では上記危険閾値を減衰力Fが下回る場合に、車両動特性が不安定となるので、ECU30は、上記のような場合に、ユーザーの入力した減衰特性Aは車両動特性上危険となると判断して、ユーザーの入力した減衰特性Aを記憶装置に格納せず、すなわち、減衰特性を変更せずに、その旨を表示ユニット71のディスプレイに表示して、割込み処理を終了してステップP2に移行する。逆に、危険と判断されない場合には、ステップQ2に移行する。
ステップQ2では、図13に示すように、ECU30は、相対速度vが低速域a1のときの平均減衰力F1が高速域a2のときの平均減衰力F2とを比較して高速域の平均減衰力F2が低速域の平均減衰力F1に対し著しく低く設定される場合には、高速域における車輪の接地性が悪化し、車両動特性が不安定となるので危険と判断する。具体的には、あらかじめECU30の記憶装置に車両の諸元に対して適当な所定の減衰力比閾値を格納しておき、この減衰力比閾値と平均減衰力F2を平均減衰力F1で除した値とを比較して、減衰力比閾値を上記平均減衰力F2を平均減衰力F1で除した値が下回る場合に、危険と判断される。なお、この比較は減衰力Fの正負両方で行われる。
危険と判断された場合には、車両動特性が不安定となるので、ECU30は、上記のような場合に、ユーザーの入力した減衰特性Aを記憶装置に格納せず、すなわち、減衰特性を変更せずに、その旨を表示ユニット71のディスプレイに表示して、割込み処理を終了してステップP2に移行する。逆に、危険と判断されない場合には、ステップP5に移行して、割込処理を終了する。
さらに、ステップQ1,Q2で、入力される減衰特性Aが、減衰力Fと相対速度vとの関係で示されるのではなく、減衰特性が上述の減衰力Fに対する振動周波数の関係で入力されている場合には、危険と判断される基準をバネ上質量と懸架バネ定数とから算出されるバネ上共振周波数に対する減衰力Fが極端に低くなる減衰特性となっているか否かに基づくとしてもよい。
したがって、本実施の形態においては、危険判断手段を設け、危険と判断される場合は、減衰特性の変更を行わないので、走行上の安全性を確保することができる。また、危険状態を回避するためには減衰特性の変更を行わないとする方が好ましいが、変更を行わないことに換えて、たとえば、注意を喚起すべく表示装置にその旨表示させる等しても、ユーザーは危険であると認識することができるので、ユーザーは減衰特性を安全なものに変更するであろうから、走行上の安全性を確保することができる。
さらに、この第2の実施の形態では、車両走行中の制御時に、ECU30に、記憶装置内に格納済みの上記危険閾値とユーザーが入力した減衰特性Aとを比較させ、危険と判断される場合には、上記危険閾値を超えない範囲で緩衝器D1,D2,D3,D4を制御させるとしてもよい。すなわち、図14に示すように、第1の実施の形態におけるステップP7とステップP8との間に、ステップQ3を割込みさせ、ECU30に、あらかじめ記憶装置に格納された上記危険閾値とユーザーが入力した減衰特性Aによる現在の相対速度vに対応する減衰力Fとを比較し、上記危険閾値を超える場合には、上記危険閾値を超えない範囲内で任意もしくはその車両に最適となる減衰力を選択して緩衝器D1,D2,D3,D4が出力すべき減衰力を算出して割込処理を終了し、ステップP8に移行する。他方、上記危険閾値を超えない場合にはステップP7に移行して割込処理を終了する。以下、第1の実施の形態と同様の制御を続けるとすればよい。
このように、ユーザーの減衰特性入力時に減衰特性を変更しないことにかえて、制御時に、上記危険閾値を超える場合には上記危険閾値を超えない範囲内で減衰力を発生させる、すなわち、上記危険と判断される場合に安全と見なされる範囲内で減衰力を発生させることができるので、走行上の安全性を確保することができる。
さらに、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態における減衰特性制御システムC1は、基本的には、図15に示すように、第1の実施の形態の減衰特性制御システムCに車両位置検出手段を設けたものである。
車両位置検出手段は、GPS(Global Positioning System)受信装置73である。このGPS受信装置73は、緯度および経度等の情報から車両の絶対位置を検出するために使用され、複数のGPS衛星からの測位データを含む電波を受信することが可能となっており、上記複数のGPS衛星から送られてくる電波の時間差で車両の位置を検出することができるものである。また、GPS受信装置73を車速センサおよび車両の旋回角速度を検出する角速度センサに接続し、これらセンサから送られる各データに基づいて車両位置検出精度の向上を図ってもよい。
このGPS受信装置73は、得られる車両の絶対位置データをECU30に入力する。また、ECU30は、CD−ROMドライブもしくはDVD−ROMドライブもしくは無線通信装置に接続されており、ECU30の記憶装置は、CD−ROMもしくはDVD−ROMもしくはホストコンピュータに格納された地図データをCD−ROMドライブもしくはDVD−ROMドライブもしくはホストコンピュータから送られる地図データを受信可能な無線通信装置を介して、適宜格納することができるようにしてある。なお、あらかじめ記憶装置に地図データを格納させておくとしてもよい。
また、地図データには、道路の属性や個性と道路情報が含まれており、具体的には、たとえば、道路の法定速度、幅員、道路の曲率半径、勾配、高速自動車道か否か、道路の路面状況、パワースペクトル密度等の情報が含まれている。なお、格納された地図データに含まれる道路情報のうち道路の路面状況やパワースペクトル密度等については、実際に車両がその道路を走行するときに得られる緩衝器D1,D2,D3,D4の伸縮状況を、ECU30に記憶させて、絶えずその情報を更新もしくは補正するようにしてもよい。
そして、ECU30は。上記GPS受信装置73で検知した車両の絶対位置データから上記地図データを参照し、地図データから車両が現在いかなる道路を走行中かを認識することができるようになっている。
つづいて、第3の実施の形態における減衰特性制御システムC1の減衰特性の入力および緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性の制御について図16に示す処理手順に基づいて説明する。
図16の処理は、たとえば、10ms毎に割込み処理として実行され、ステップR1で、車両がGPS受信装置73から入力される測位データから地図データを参照して、車両が現在走行中の道路を特定する。つづいて、ステップR2に移行する。
ステップR2では、上記道路情報からその道路を走行するのに最適となる減衰特性を選択する。このとき選択される減衰特性は、あらかじめECU30の記憶装置に格納されており、具体的には、たとえば、高速自動車道に適した減衰特性、ワインディングロードのような連続的にコーナリングを強いられるような場合に適した減衰特性、ストップアンドゴーを繰り返す街中を走行するのに適した減衰特性、路面がうねっているような悪路を走行するのに適した減衰特性等の想定される走行状況に応じた複数の減衰特性が用意されている。なお、上記したところでは、あらかじめ記憶装置に複数の減衰特性が格納されている場合について説明したが、ユーザーが独自に走行状況に応じた減衰特性を第1の実施の形態で説明したように、ユーザー自身が入力して準備しておくとしてもよい。そして、走行に適した減衰特性を選択した後にステップR3に移行する。
ステップR3では、ECU30は、減衰特性を上記ステップR2で選択された減衰特性に変更し、つづいて第1の実施の形態と同様のステップP7に移行し、その後は、第1の実施の形態と同様の制御が行われる。なお、減衰特性制御に当り、道路情報から道路のパワースペクトル密度と車速とから緩衝器D1,D2,D3,D4に入力される振動を想定して、別途、制御ゲインを設定し、この制御ゲインを減衰特性制御に反映させるとしてもよい。また、上述したところでは、最適な減衰特性を選択するとしているが、ECU30の記憶装置にあらかじめ最適な減衰特性を演算処理するプログラムを格納しておき、ECU30に都度、最適な減衰特性を演算させて、その演算された減衰特性に変更するとしてもよい。
したがって、第3の実施の形態における減衰特性制御システムでは、車両位置検出手段を設けているので、検出された車両の位置から、車両走行中の道路に適した減衰特性を緩衝器D1,D2,D3,D4に発生させることが可能となる。
また、車両走行中の道路に適した減衰特性を緩衝器D1,D2,D3,D4に発生させることができるので、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、車両の前方の道路状況を把握することができるので、先んじて緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性を制御することができ、特に緩衝器D1,D2,D3,D4が電磁緩衝器に比較して応答性が低い油圧緩衝器であっても、タイムラグ無く減衰特性を変化させる制御を行うことが可能である。
なお、この減衰特性制御システムを鉄道車両に適用する場合には、道路情報を路線情報として、具体的にはたとえば、線路の曲率半径、勾配、カント等の情報とすればよい。
つづいて、第3の実施の形態の変形例について説明する。この変形例の減衰特性制御システムは、基本的には、第3の実施の形態と同様の構成となっており、減衰特性制御処理のみが異なるので、その制御処理について説明する。
この変形例の制御処理は、通常は第1の実施の形態と同様に、ユーザーが任意に入力した減衰特性に基づいて減衰特性制御が行われ、一定の条件を満たした場合には、以下の制御が行われるものである。この変形例の制御処理は、第1の実施の形態と同様に、たとえば、10ms毎に割込み処理として実行され、図17に示すように、ステップR4で、車両がGPS受信装置73から入力される測位データから地図データを参照して、車両が現在走行中の道路を特定する。つづいて、ステップR5に移行する。
ステップR5では、上記道路情報からその道路を走行するのに最適となる減衰特性を選択する。このとき選択される減衰特性は、第3の実施の形態と同様に、あらかじめECU30の記憶装置に格納されており、具体的には、たとえば、高速自動車道に適した減衰特性、ワインディングロードのような連続的にコーナリングを強いられるような場合に適した減衰特性、ストップアンドゴーを繰り返す街中を走行するのに適した減衰特性、路面がうねっているような悪路を走行するのに適した減衰特性等の想定される走行状況に応じた複数の減衰特性が用意されているが、この変形例では、各減衰特性につき、図18に示すように、減衰特性のラインを中心に減衰特性閾値たる減衰特性上限閾値と減衰特性下限閾値が設けられている。そして、この減衰特性の選択が終了すると、ステップR6に移行する。
ステップR6では、ECU30は、選択された減衰特性と、ユーザーが入力した減衰特性Aと比較する。そして、入力された減衰特性Aが、ステップR5で選択された減衰特性における減衰特性上限閾値と減衰特性下限閾値との間の範囲に収まらないと判断する場合には、ステップR7に移行し、ユーザーが入力した減衰特性Aを選択された減衰特性に一時的に変更する。このとき、ユーザーが入力した減衰特性Aを記憶装置に格納したままとし、第1の実施の形態と同様のステップP7に移行し、ステップP7では一時的に記憶装置に格納された減衰特性に基づいて減衰特性制御が行われる。逆に、入力された減衰特性Aが、ステップR5で選択された減衰特性における減衰特性上限閾値と減衰特性下限閾値との間の範囲に収まると判断する場合には、ユーザーが入力した減衰特性Aをそのまま有効としステップP7に移行して、ユーザーが入力した減衰特性Aに基づいて減衰特性制御が行われる。
そして、ステップR5で選択された減衰特性における減衰特性上限閾値と減衰特性下限閾値との間の範囲に収まらないと判断する場合、その後道路状況が変化し、入力された減衰特性Aが、ステップR5で選択された減衰特性における減衰特性上限閾値と減衰特性下限閾値との間の範囲に収まると判断する場合には、記憶装置に格納してあるユーザーが入力した減衰特性Aを復元する。
したがって、この第3の実施の形態における変形例の減衰特性制御システムでは、ユーザーが入力した減衰特性Aが、車両走行中の道路にそぐわない場合であっても、減衰特性を変化させ、その道路の走行に適した減衰特性を緩衝器D1,D2,D3,D4に発生させることが可能となる。
そして、車両走行中の道路に適した減衰特性を緩衝器D1,D2,D3,D4に発生させることができるので、車両における乗り心地を向上することができる。
したがって、緩衝器の機能や減衰特性の知識に乏しいユーザーが、安全性や操縦安定性の観点から好ましくない減衰特性Aを入力しても、緩衝器D1,D2,D3,D4に走行に適した減衰特性を発生させることができ、安全性を向上することができる。
最後に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態における減衰特性制御システムC2は、基本的には、図19に示すように、第1の実施の形態の減衰特性制御システムCに車速検知手段74と、操舵角検知手段75と、車両の走行中に検知される車速および操舵角を記憶する記憶手段とを備えさせたものである。この場合、記憶手段は、ECU30には備え付けられている記憶装置を使用すればよい。
車速検知手段74としては、たとえば、光学式や磁気式の車速センサが使用可能であり、この車速センサは、車軸の回転を検出し、パルス信号としての車速パルスを発生して、ECU30に伝達することが可能となっている。
他方、操舵角検知手段としては、たとえば、光学式の操舵角センサが使用可能であり、ステアリング部に配置される。そして、この操舵角センサは、具体的には、二組の発光ダイオードとフォトトランジスタとステアリングホイールと一緒に回転するスリット板とで構成され、フォトトランジスタで受光する二組の発光ダイオードのタイミング違いを出力し、ECU30側に伝達することが可能となっており、この信号からECU30は、操舵角度および操舵方向および操舵速度を判断することが可能となっている。また、操舵角センサをポテンショメータとして、電圧値で操舵角を検出するとしてもよい。
つづいて、第4の実施の形態における減衰特性制御システムC2の緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性の制御について説明する。
第4の実施の形態における減衰特性制御システムC2においては、ECU30は、車両走行中の車速および操舵角と検出し、得られた車速と操舵角を記憶装置に記録する。そして、得られた車速と操舵角のデータからユーザーの運転上の習慣を把握する。具体的には、たとえば、記録した車速と操舵角とを統計処理して、マップ化する。このとき、制御に必要とされる車速と操舵角データサンプルが所定量得られたか否かを判断する。
すなわち、図20に示すように、ステップT1では、ECU30は、車両走行中の車速および操舵角と検出し、得られた車速と操舵角を記憶装置に記録する。具体的には、たとえば、10ms毎にそのときの車速と操舵角とを検出して、記録していく。
つづいて、ステップT2に移行し、ステップT2では、逐次、記憶装置に記録される車速と操舵角のデータを統計処理し、マップ化する。
さらに、ステップT3に移行し、ステップT3では、所定量の車速と操舵角データが得られたか否かを判断する。そして、所定量のデータが得られていないと判断する場合には、ステップT1に移行し、さらに、車速と操舵角のデータを収集する。逆に、所定量の車速と操舵角のデータを得られたと判断する場合には、ステップT4に移行する。
ステップT4では、ECU30は、ステップT2で得られたマップからある車速において、入力されうる操舵角を想定して、その想定される操舵角と現在車速とから車体側部材B1,B2,B3,B4と車軸側部材S1,S2,S3,S4との相対速度を算出し、その相対速度で必要とされる減衰力を演算して、ステップT5に移行する。
ステップT5では、ECU30は、ユーザーにより入力された減衰特性Aを参照し、演算された相対速度vに対応する減衰力Fと上記の演算された減衰力とを比較して、減衰力Fが演算された減衰力に対して過不足となる部分について、ユーザーが入力した減衰特性Aを演算された減衰力に基づいて補正し、この補正した減衰特性をECU30の記憶装置に格納する。
このステップT4とステップT5の処理は、車速毎に行われ、具体的に、たとえば、ある車速を10km/h刻みとして行われ、すなわち、10,20,30,40,50,60km/hと徐々に車速を増加させ、その車速毎に減衰特性Aを補正していく。すわなち、車速に応じて減衰特性Aを補正する。なお、車速の刻みをもっと細かくしたり、粗くしたりしてもよい。
なお、上記ステップT1からステップT5の処理は、継続的に行われ、絶えず、減衰特性Aを補正していくが、補正回数の上限を設けたり、車速と操舵角を記録するサンプル数の上限を設けたりするとしてもよい。
そして、この補正された減衰特性により、緩衝器D1,D2,D3,D4の制御が行われるが、この場合には、緩衝器D1,D2,D3,D4の減衰特性制御時に車速を検知して、車速毎に補正された減衰特性で制御される。すなわち、第1の実施の形態の制御手順の前に、車速を検知して、検知された車速からその車速に応じた減衰特性を抽出する手順が加えられる。ここで、本実施の形態において減衰特性を抽出する方法としては、具体的には、車速が10km/h刻みである場合には、実際の車速を四捨五入等して得られる車速に見合った車速における減衰特性を抽出するようにしておけばよい。
したがって、第4の実施の形態における減衰特性制御システムでは、減衰特性をその車速に最も適するように補正できるので、車両の安定した走行を実現できるとともに、乗り心地を向上することもできる。
また、ユーザー毎に車速および操舵角データを記憶させて減衰特性Aを補正するとしておけば、ユーザー毎の運転習慣に適した減衰特性を緩衝器D1,D2,D3,D4に発生させることができる。
なお、上述した各実施の形態においては、緩衝器D1,D2,D3,D4を電磁緩衝器としているので、相対速度vを検出するのに、ホール素子を使用しているが、レゾルバを使用してもよく、他にもストロークセンサを使用したり、車体側部材に対する車軸側部材の変位を検出する変位センサを使用して変位を微分して相対速度vを算出するようにしたりしてもよい。
さらに、各実施の形態の機能を複合的に組み合せて減衰特性入力および減衰特性制御することも可能である。また、一連の減衰特性入力処理および制御処理については同様の機能を果たす限りにおいて、手順の順番を変更、省略することは差し支えない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
緩衝器の縦断面図である。 第1の実施の形態における減衰特性制御システムを示す概念図である。 減衰特性を示す図である。 第1の実施の形態における減衰特性入力手順を示すフローチャートである。 減衰特性のラインが重なって入力された減衰特性を示す図である。 第1の実施の形態における減衰特性制御手順を示すフローチャートである。 減衰特性設定可能範囲を表示した状態における減衰特性グラフを示す図である。 第1の実施の形態の変形例における減衰特性入力手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態の変形例における減衰特性制御手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態の他の変形例における減衰特性制御手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における減衰特性入力手順を示すフローチャートである。 危険閾値を設けた減衰特性グラフを示す図である。 減衰特性を示す図である。 第2の実施の形態のおける減衰特性制御手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態における減衰特性制御システムを示す概念図である。 第3の実施の形態における減衰特性入力および制御手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態の変形例における減衰特性手順を示すフローチャートである。 選択された減衰特性錦位置を設けた状態を示す図である。 第4の実施の形態における減衰特性制御システムを示す概念図である。 減衰特性を補正する手順を示したフローチャートである。
符号の説明
1 モータ
1a シャフト
3 螺子軸
3a 螺子溝
4 ボール螺子ナット
30 コントローラたるECU
B1,B2,B3,B4 車体側部材
D1,D2,D3,D4 緩衝器
H ホール素子
K1,K2,K3,K4 懸架バネ
S1,S2,S3,S4 車軸側部材
70 減衰特性入力手段たる入力装置
71 表示手段たる表示ユニット
73 車両位置検出手段たるGPS受信装置
74 車速検知手段
75 操舵角検知手段

Claims (27)

  1. 車両の車体側部材と車軸側部材との間に介装される緩衝器の発生減衰力を制御する減衰特性制御システムにおいて、減衰特性入力手段を備え、適宜入力される任意の減衰特性に基づいて、緩衝器の発生減衰特性を制御することを特徴とする減衰特性制御システム。
  2. 危険判断手段を備え、適宜入力される減衰特性によって車両動特性が危険となるか否かを判断する請求項1に記載の減衰特性制御システム。
  3. 車両を懸架する懸架バネ定数とバネ上質量とに基づいて、車両動特性が危険となるか否かを判断する請求項2に記載の減衰特性制御システム。
  4. 危険判断手段を備え、適宜入力される減衰特性によって車両動特性が危険となると判断した場合に、安全となる減衰特性の範囲内で緩衝器の発生減衰力を制御する請求項1から3のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  5. 危険判断手段を備え、適宜入力される減衰特性によって車両動特性が危険となると判断した場合に、減衰特性の変更を行わない請求項1から4のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  6. 減衰特性比較手段を備え、減衰特性比較手段が、適宜入力される減衰特性が緩衝器の発生可能な減衰特性範囲を逸脱した場合に、逸脱した範囲について緩衝器の発生可能な減衰特性の範囲内で、緩衝器の発生減衰特性を制御する請求項1から5にいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  7. 減衰特性比較手段を備え、減衰特性比較手段が、適宜入力される減衰特性が緩衝器の発生可能な減衰特性範囲を逸脱した場合には、減衰特性の変更を行わないことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  8. 車両位置検出手段を備え、適宜入力される減衰特性が車両の走行位置に基づいて決定されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  9. 適宜入力される減衰特性が車両の走行位置における道路情報もしくは路線情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の減衰特性制御システム。
  10. 減衰特性比較手段が、適宜入力される減衰特性と車両の走行位置に基づいて算出される減衰特性閾値と比較し、適宜入力される減衰特性が上記減衰特性閾値から逸脱する場合に、減衰特性閾値内で緩衝器の発生減衰特性を制御する請求項8または9のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  11. 車速検知手段と、操舵角検知手段と、車両の走行中に検知される車速および操舵角を記憶する記憶手段とを備え、記憶した車速および操舵角に基づいて適宜入力される減衰特性を補正し、この補正した減衰特性に基づいて緩衝器の発生減衰特性を制御する請求項1から10のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  12. 減衰特性入力手段が、タッチパネル式入力装置であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  13. 減衰特性入力手段が赤外線通信もしくは無線通信もしくは有線通信手段を含み、減衰特性が携帯端末もしくは端末から入力可能としたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  14. 入力済みおよび入力中の減衰力特性を画面表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  15. 上記表示手段が、バネ上質量および懸架バネ定数から算出されるか、あるいは、あらかじめ入力済みの理想減衰特性を表示することを特徴とする請求項14のいずれかに記載の減衰特性制御システム。
  16. 上記表示手段に、減衰特性入力可能範囲を表示することを特徴とする請求項14または15に記載の減衰特性制御システム。
  17. 車両の車体側部材と車軸側部材との間に介装される緩衝器の発生減衰力を制御する減衰特性制御システムの制御方法において、減衰特性を入力するステップとを備え、入力される任意の減衰特性に基づいて緩衝器の発生減衰特性を制御することを特徴とする減衰特性制御システムの制御方法。
  18. 減衰特性を入力するステップで入力された減衰特性によって車両動特性が危険となるか否かを判断する危険判断ステップを備えた請求項17に記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  19. 減衰特性を入力するステップで入力された減衰特性によって車両動特性が危険となるか否かを判断する危険判断ステップを備え、車両を懸架する懸架バネ定数とバネ上質量とに基づいて、車両動特性が危険となるか否かを判断する請求項18に記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  20. 減衰特性を入力するステップで入力された減衰特性によって車両動特性が危険となるか否かを判断する危険判断ステップを備え、車両動特性が危険となると判断した場合に、安全となる減衰特性の範囲内で緩衝器の発生減衰力を制御する請求項17から19のいずれかに記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  21. 減衰特性を入力するステップで入力された減衰特性によって車両動特性が危険となるか否かを判断する危険判断ステップを備え、適宜入力される減衰特性によって車両動特性が危険となると判断した場合に、減衰特性の変更を行わない請求項17から20のいずれかに記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  22. 適宜入力される減衰特性が緩衝器の発生可能な減衰特性範囲を逸脱するか否かを判断する減衰特性比較ステップを備え、適宜入力される減衰特性が緩衝器の発生可能な減衰特性範囲を逸脱した場合に、逸脱した範囲について緩衝器の発生可能な減衰特性の範囲内で、緩衝器の発生減衰特性を制御する請求項17から21のいずれかに記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  23. 適宜入力される減衰特性が緩衝器の発生可能な減衰特性範囲を逸脱するか否かを判断する減衰特性比較ステップを備え、適宜入力される減衰特性が緩衝器の発生可能な減衰特性範囲を逸脱した場合に、減衰特性の変更を行わないことを特徴とする請求項17から22のいずれかに記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  24. 車両の走行位置を判断する車両位置判断ステップを備え、適宜入力される減衰特性が車両の走行位置に基づいて決定されることを特徴とする請求項17から23のいずれかに記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  25. 適宜入力される減衰特性が車両の走行位置における道路情報もしくは路線情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項24に記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  26. 適宜入力される減衰特性と車両の走行位置に基づいて算出される減衰特性閾値と比較する減衰特性比較ステップを備え、適宜入力される減衰特性が上記減衰特性閾値から逸脱する場合に、減衰特性閾値内で緩衝器の発生減衰特性を制御する請求項24または25に記載の減衰特性制御システムの制御方法。
  27. 車速を検知するステップと、操舵角を検知するステップと、車両の走行中に検知される車速および操舵角を記憶する記憶ステップと、記憶した車速および操舵角に基づいて適宜入力される減衰特性を補正する補正ステップとを備え、この補正した減衰特性に基づいて緩衝器の発生減衰特性を制御する請求項17から26に記載の減衰特性制御システムの制御方法。
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