JP2006062357A - 感光性セラミックスシートの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン加工工程においては支持体と充分密着した感光性セラミックスシートを、剥離工程においては基板との密着性を低くして容易に剥離することができる感光性セラミックスシートの加工方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも支持体と、感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックスシートを積層した支持体付シートに、パターンを形成するパターン加工工程と、該支持体から該感光性セラミックスシートを剥離する剥離工程とを有する感光性セラミックスシートの加工方法であって、該剥離工程で、活性光線照射もしくは加熱処理することを特徴とする感光性セラミックスシートの加工方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性セラミックスシートの加工方法に関する。本発明の感光性セラミックスシートは、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料や、電子部品用チップインダクターやノイズフィルタ用セラミックス多層電子部品用材料に用いられる。
携帯電話をはじめとする無線通信技術の普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイクロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現される状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通信やネットワーク機器としての応用が期待されており、中でもブルートゥース(Bluetooth)やITS(Intelligent Transport System,高度交通情報システム)での利用によってますます重要な技術となりつつある。
これらの高周波回路を実現するためには、そこで使用される基板材料も、当該使用周波数帯、すなわち、1〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ必要がある。優れた高周波伝送特性を実現するためには、低誘電率でかつ誘電損失が低いこと、加工精度が高いこと、寸法安定性がよいといった要件が必要であり、なかでもセラミックス基板が有望視されてきた。
しかしながら、これまでのセラミックス基板材料は、寸法安定性に優れているものの、微細加工度が低かったため、特に高周波領域において十分な特性を得ることができなかった。このような微細加工精度の問題を改良する方法として、感光性セラミックス組成物から形成したグリーンシートを用いたフォトリソグラフィー技術によるビアホール形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
セラミックス材料を用いて作製したセラミックスシートは、一般に、キャリアテープ等に成膜後、パターン加工等の工程を経て、キャリアテープから剥離する工程に至る。パターン加工工程においてはセラミックスシートとキャリアテープが十分に密着していることが好ましいが、セラミックスシートとキャリアテープの密着が強すぎる場合には、キャリアテープからセラミックスシートを剥離する工程において、シートが密着して剥離できなかったり、また剥離できてもシートの形状が歪んでしまうという問題があった。
また、これらの課題を解決する方法として、キャリアテープにあらかじめ感光性粘着層を塗布して剥離時に紫外線を照射することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、たしかにシートを剥離することは可能になるが、キャリアテープに感光性粘着層を形成する工程を追加する必要があり、製品コスト増加の要因となるという問題があった。
特開平6−202323号公報 特開平5−206594号公報
感光性セラミックスシートは、パターン加工工程においては支持体と十分に密着していることが好ましいが、剥離工程においては、逆に密着性がより低い方が好ましい。本発明はそれらに対応した感光性セラミックスシートの加工方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、少なくとも支持体と、感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックスシートを積層した支持体付シートに、パターンを形成するパターン加工工程と、該支持体から該感光性セラミックスシートを剥離する剥離工程とを有する感光性セラミックスシートの加工方法であって、該剥離工程で、活性光線照射および/または加熱処理することを特徴とする感光性セラミックスシートの加工方法である。
本発明の感光性セラミックスシートの加工方法により、パターン加工工程では感光性セラミックスシートと支持体との密着性を保ち、かつ剥離工程では感光性セラミックスシートと支持体との密着性を低くすることができるために、感光性セラミックスシートを容易に剥離することができる。また、本発明の加工方法により、シートの耐溶剤性を高めることも可能である。さらに、焼成後のシートの反りを抑制することができる。
本発明は、少なくとも支持体と、感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックスシートを積層した支持体付シートに、パターンを形成するパターン加工工程と、該支持体から該感光性セラミックスシートを剥離する剥離工程とを有する感光性セラミックスシートの加工方法であって、該剥離工程に先立って、活性光線照射および/または加熱処理することを特徴とする感光性セラミックスシートの加工方法である。
本発明に好ましく用いられる感光性セラミックスシートの製造方法は、次のとおりである。まず感光性有機成分、例えば、必要に応じて側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する重合体、エチレン性不飽和基を有する化合物やイオン触媒、光重合開始剤、溶媒や各種添加剤などを混合した後、濾過し、有機ビヒクルを作製する。これに、必要に応じて前処理された無機粉末を添加し、ボールミルなどの混練機で均質に混合、分散して感光性セラミックス組成物のスラリーまたはペーストを作製する。このスラリーまたはペーストの粘度は無機粉末と感光性有機成分の配合比、有機溶媒の量、可塑剤その他の添加剤の添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sが好ましい。
スラリーもしくはペーストを作製する際に用いる溶媒は、感光性有機成分を溶解し得るものであればよい。例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、3−メチルメトキシブタノール、トルエン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケトン、イソフォロンなどや、これのうち1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。なお、前記溶媒がペーストに含まれる量は目的用途に応じて様々であり、前記粘度範囲ならば、なんら制限されるものではないが、例えば、塗布段階においては、ペースト(無機粉末を除く)中に10〜30重量%含まれていることが好ましい。
得られたペーストをドクターブレード法、押し出し成形法などの一般的な方法でポリエステルなどの支持体上に成形し、溶媒を乾燥除去することにより、支持体と、感光性セラミックス組成物からなる感光性セラミックスシートを積層した支持体付シートが得られる。感光性セラミックスシートの厚みは0.05〜0.5mmが好ましい。なお、現像工程において感光性セラミックスシートの溶媒含有量は10重量%以下であることが好ましく、上記溶媒を乾燥除去する工程において、残存溶媒量が10重量%以下となるようにすることが好ましい。
支持体の材質は、一般的にポリエチレンテレフタレートや、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン等のキャリアテープが好適に用いられる。
このようにして得られた支持体付シートに対して、ビアホール形成用パターンを有するフォトマスクを通したパターン露光を行い、現像液で現像するパターン加工工程によってビアホールを形成する。パターン露光に用いる光源は、超高圧水銀灯が特に好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。露光条件は感光性セラミックスシートの厚みによって異なるが、5〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯であれば5秒〜30分間露光を行うことが好ましい。なお、ビアホール形成と同じ手法でシート積層時のアライメント用ガイド孔を形成しておくことができる。
感光性セラミックスシートの感光性有機成分として、側鎖にカルボキシル基を有する重合体が含有されている場合、アルカリ水溶液で現像することができるので好ましい。アルカリ水溶液としては、ナトリウムやカリウムなどの金属アルカリ水溶液、有機アルカリ水溶液が使用できる。この場合、アルカリ水溶液の濃度は通常0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像液の温度は、工程管理上20〜50℃が好ましい。現像方法としては、一般的な浸漬法、スプレー法が用いられる。また、超音波を併用して現像時間の短縮や現像ムラの減少化を図る方法もある。なお、現像時においては感光性セラミックスシートと支持体の密着性が強い状態であることが望ましい。これは、特に現像時間が長い場合、シートと支持体の密着性が下がり、現像途中で剥がれやすくなることを防ぐためである。具体的には、例えば感光性セラミックスシートと支持体とのピール強度が35N/m以上であれば、現像途中で感光性セラミックスシートが支持体から剥離することがなく好ましい。
このようにして、焼成前の厚みが10〜500μm、最密なビアホールパターン部分がビアホール直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250μmのシートを作製することができる。
必要に応じて、現像された感光性セラミックスシートに対して、導体や抵抗体ペーストなどを用いて、ビアホールの穴埋め、配線の形成などを行ってもよい。配線の形成はスクリーン印刷機などにより印刷で形成してもよいし、感光性導体ペーストを用いてフォトリソ加工で形成してもよい。なお、これらの工程は、次項の剥離工程後に実施しても良い。
次に、パターン加工された感光性セラミックスシートを支持体から剥離する。本発明は、剥離工程に先立って、活性光線照射および/または加熱処理する必要がある。これらの手法を用いることによって、感光性セラミックスシートの架橋がより進行するために、感光性セラミックスシートの粘着性を低減し、支持体との剥離を容易にすることができる。剥離工程での活性光線照射もしくは加熱処理を行わない場合には、感光性セラミックスシートが支持体から剥がれなかったり、剥がれてもシートが歪んでしまうおそれがある。
ここで照射する活性光線としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線などが挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましく用いられる。例えば、パターン露光時に用いた5〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて、所要の時間、支持体側もしくは両面から紫外光照射を行う。
感光性セラミックスシートへの支持体側から照射する活性光線量は、パターン露光時に用いる活性光線量の0.5倍以上であることが好ましい。より好ましくは1倍、さらに好ましくは3倍以上である。照射量を多くすることで、支持体からのシートの剥離が容易になる。さらに活性光線の照射量を多くしても、光重合が飽和してしまうために、剥離性の向上には寄与しない。そのため、露光時の活性光線量の6倍以下の照射量とするのが好ましい。
あるいは、オーブンなどを用いて加熱処理を行ってもよい。シートの加熱処理温度は、感光性セラミックスシートの組成により異なるが、50〜150℃が好ましい。好ましくは50〜120℃、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは100〜120℃である。50℃以上とすることで、感光性セラミックスシートの架橋を十分に行うことができる。また、150℃以下とすることで、感光性セラミックスシートの性能を保つことができる。シートの加熱処理時間は、加熱処理温度によって必ずしも限定できないが、60分前後が好ましい。例えば、加熱処理温度が50〜80℃では60〜180分、80〜120℃では30〜90分、120〜150℃では10〜60分が好ましい。それより短いと、加熱処理の効果が得られないことがある。なお、活性光線照射と加熱処理を両方行うと、どちらか片方のみ実施したときと比較して、熱重合と光重合が補完し合うことから、より架橋がシート全体に均一に進行するために、さらに好ましい。
このような感光性セラミックスシートへの活性光線照射や加熱処理は、感光性セラミックスシートの架橋をより進めることができるために、支持体との剥離を容易にすると同時に、感光性セラミックスシートの耐溶剤性を向上させる効果がある。特に、セラミックスシート剥離後に、シートの裏面に導体や抵抗体ペーストなどを用いてパターンの形成を行う場合において、剥離工程における活性光線照射や加熱処理を施しておくと、シートが導体ペースト等に含まれる溶剤からの浸食を受けにくくなる。
さらに、感光性セラミックスシートへの支持体面側からの活性光線照射や加熱処理は、次項で説明するシート焼成工程において、焼成後のシートの反りを抑制する効果がある。この理由は必ずしも明確ではないが、活性光線照射や加熱処理によってシート中にある未反応の有機物の反応がさらに促進し、シート全体における焼成時の熱応力のムラが小さくなり、シートの反りが抑制できると推察される。
本発明の加工方法によって加工された感光性セラミックスシートは、焼成工程を経て回路用基板等に加工される。例えば、必要な枚数の配線パターンの形成された感光性セラミックスシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃の温度で5〜25MPaの圧力で接着し、多層シートを作製する。この多層シートの両面に、後に説明する難焼結性のセラミックスシートを積層して焼成してもよい。焼成は焼成炉において行う。焼成雰囲気や温度は感光性セラミックス組成物中の無機粉末や有機成分の種類によって異なるが、空気中、窒素雰囲気中、または水素還元雰囲気中で焼成する。本発明において好ましく用いられる感光性セラミックス組成物の焼成は、まず室温〜600℃で有機物を分解、飛散させる工程(脱バインダー工程)を経たのち、600〜950℃の温度で焼結を行う。このようにして得られたセラミックス多層基板は高周波回路用基板として用いられる。
難焼結性のセラミックスとは、基板焼結温度では焼結しないセラミックス粉末で、アモルファスシリカ、石英、アルミナ、マグネシア、ヘマタイト、チタン酸バリウムおよび窒化硼素などから選択して用いることができる。これらの材料から得られるシートは、ダミー用シートまたは拘束シートなどと称せられる。このシートには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの酸化剤やセラミックスシートとの密着性改良剤となる酸化物粉末が1〜5重量%添加されることが好ましい。このような難焼結性のセラミックスシートの例としては、アルミナ粉末にポリビニルブチラール、アクリル共重合体などの有機バインダー、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、適当な酸化物、有機溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に形成したものが挙げられる。
セラミックスシートの組成物の成分や配合組成、焼成時の諸条件により不可避の収縮が存在するが、前記拘束シートを用いることによって、厚み方向にのみ収縮させ、X−Y平面にはほぼ無収縮にすることができる。X−Y平面方向の収縮率を1%以下に抑制できるならば、ほぼ無収縮を達成したものと考えることができるが、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
本発明において用いられる感光性有機成分は、バインダーとなる樹脂成分とそれに感光性を付与する有機成分の総体を指す。感光性有機成分には、酸性基を有する重合体(成分A1)、エチレン性不飽和基含有化合物(成分A2)、重合開始剤等を含有することが好ましい。なお、本発明において感光性セラミックス組成物は、ペースト体として、塗布・積層に際して、好適に溶媒が用いられるものではあるが、感光性有機成分の組成に関するパラメータ(各成分の含有割合など)についての説明においては、原則として溶媒成分は除外して算出されたものである。
成分A1は、酸性基を有する重合体であればどのようなものでも構わないが、好ましくはカルボキシル基を有する重合体であり、より好ましくは側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する重合体である。側鎖にエチレン性不飽和基を有することでパターン形成性が向上し、また側鎖にカルボキシル基を含有することにより、アルカリ水溶液での現像を可能にする。このような重合体は例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルまたはこれらの酸無水物などのカルボキシル基含有モノマーおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのモノマーを選択し、ラジカル重合開始剤を用いて重合または共重合させて重合体を得たのち、ポリマー中の活性水素含有基であるメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させることにより得られるが、これらに限定されるものではない。グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジル、イソクロトン酸グリシジルなどがある。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリロイルイソシアネート、メタアクリロイルイソシアネート、アクリロイルエチルイソシアネート、メタアクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中の活性水素含有基に対して0.05〜0.95モル当量付加させることが好ましい。活性水素含有基がメルカプト基、アミノ基、水酸基の場合にはその全量を側鎖基の導入に利用することもできるが、カルボキシル基の場合には、ポリマーの酸価が好ましい範囲になるよう付加量を調整することが好ましい。
成分A1の酸価は50〜200mgKOH/gであることが好ましい。酸価を50mgKOH/g以上とすることで、未露光部の現像液に対する溶解性が低下することがなく、200mgKOH/g以下とすることで、現像許容幅を広くすることができる。成分A1は、焼成時の熱分解温度が低いことから、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用いられる。成分A1の分子量は、好ましくは10000〜50000、より好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは20000〜30000である。前記範囲内であれば、柔軟性が良好で、かつ現像時の溶解性も良好である。分子量はGPCを用いて測定を行う。
成分A1の添加量は、感光性有機成分中の10〜80重量%であることが好ましい。前記数値範囲内であれば、パターン形成性並びに焼成時の焼け飛び性を両立させることができる。
成分A2は、光によるパターン形成をより効果的に行うために用いられる。成分A2の分子構造形態について、直鎖状、分枝状、環状、あるいはそれらの組み合わせなど、なんら限定されるものではないが、相溶性の点から直鎖状が好ましい。成分A2の分子量は好ましくは100〜100000、より好ましくは100〜50000、更に好ましくは300〜45000である。前記範囲内であれば、柔軟性が良好で、かつ現像時の溶解性も良好である。分子量はGPCを用い、ポリスチレン換算した測定で求める。
本発明における成分A2のエチレン性不飽和基は、架橋反応性を考慮すれば一般的に立体障害が小さく分子運動の自由度が大きい方が好ましい。従って、一置換ついで二置換が好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。特に、アクリロイル基やメタクリロイル基を有することが好ましい。
アクリロイル基やメタクリロイル基を有する化合物の具体例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド付加物のアクリレート、パラクミルフェノール−エチレンオキサイド付加物のアクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物のアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレートおよびこれらのアクリレートの一部または全てをメタクリレートに代えたものなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
成分A2は、エチレン性不飽和基以外に有機基(結合)を有してもよい。そのような有機基(結合)の例としては、アルキレンオキサイド基、アルキル基、アリール基、アリーレン基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基、ウレタン結合などが例示できる。これらの中でも、相溶性の点からアルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイドなどの極性基が好ましい。成分A2中のエチレンオキサイド含有量としては、成分A2に対して8〜70重量%が好ましい。このような化合物の中でも、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを含む化合物は、焼け飛び性が良いため特に好ましい。
成分A2の添加量は、感光性有機成分中の10〜80重量%であることが好ましい。前記数値範囲内であれば、パターン形成性並びに焼成時の焼け飛び性を両立させることができる。
このような化合物を光反応性成分として用いることにより、感光性有機成分の相溶性を向上し、フォトリソ加工性を向上させることができる。
感光性有機成分の相溶性はヘイズ値(曇値)で評価できる。感光性有機成分のヘイズ値は感光性有機成分をガラス基板に塗布、乾燥した後、ヘイズメーターの測定によって得られる。この際の塗布膜厚は100μmである。本発明において用いられる感光性有機成分は、ヘイズ値が10以下であることが好ましい。前記範囲内においては相溶性が良好であり、光線の透過率が高いため、フォトリソ加工を効果的に行うことができる。
感光性有機成分に含有される成分A1及び成分A2には、一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力は低いので、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加えることが好ましい。また光重合開始剤の効果を補助するために増感剤を用いてもよい。このような光重合開始剤には1分子系直接開裂型、イオン対間電子移動型、水素引き抜き型、2分子複合系など機構的に異なる種類があり、それらから選択して用いる。本発明に用いられる感光性有機成分の光重合開始剤としては、活性ラジカル種を発生するものが好ましい。光重合開始剤や増感剤は1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは0.1〜10重量%である。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることができる。
感光性セラミックス組成物中の感光性有機成分の配合量は10〜40重量%、さらには15〜35重量%であることが好ましい。前記範囲内であれば、グリーンシートの可撓性と通気性の両方の特性を満足させることができる。
本発明において用いられる感光性セラミックス組成物は、上記感光性有機成分の他に無機粉末を必須成分とする。この無機粉末は焼成工程において焼結するものであり、本発明の目的とする基板形成では、1000℃以下、特に700〜900℃の温度での焼成が好ましいので、いわゆる低温焼成無機粉末が好ましい。もちろん、これらの無機粉末が基板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を決めるものであるため、目的とする特性に応じて選択されるものである。
本発明で用いられる無機粉末として有用な成分には5つの態様が挙げられる。
前記の第1の態様は、一般式RO−Al−SiO系材料(x=1のとき、Rはアルカリ土類金属から選ばれ、x=2のときRはアルカリ金属から選ばれる)で表されるアルミノケイ酸塩系化合物である。特に限定されるものではないが、アノーサイト(CaO−Al−2SiO)、セルジアン(BaO−Al−2SiO)などであり、低温焼結セラミックス材料として用いられる無機粉末である。
前記の第2の態様の無機粉末としては、ホウ珪酸ガラス粉末50〜90重量%と、石英粉末および/またはアモルファスシリカ粉末10〜50重量%の割合からなるものである。この時高純度シリカ(石英)は、ほう珪酸ガラスと溶解しないことが好ましい。また、球状シリカである方が、スラリーの充填性が上がり好ましい。
前記の第3の態様は、ホウ珪酸ガラス粉末30〜60重量%、石英粉末および/またはアモルファスシリカ粉末20〜50重量%およびコーディエライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイトおよびセルジアンの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末20〜50重量%との混合物である。
前記の第4の態様は、酸化物換算表記でSiO:30〜70重量%、Al:5〜40重量%、CaO:3〜25重量%、B:3〜50重量%の組成範囲で、総量が85重量%以上となるガラス粉末を30〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディエライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末40〜70重量%との混合物である。
前記の第5の態様は、酸化物換算表記でSiO:80〜90重量%、B:10〜15重量%、Al:0〜5重量%、KO:0〜5重量%の割合で含まれる無機粉末である。
無機粉末はフィラー成分を含むことが可能であり、フィラー成分として前記の通りセラミックス粉末が用いられることが多く、基板の機械的強度の向上や熱膨張係数を制御するのに有効であり、特に、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、アノーサイトはその効果が優れている。これらのセラミックス粉末の混合により、焼成温度を800〜900℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができる。
ガラス粉末のSiO、Al、CaOおよびBなどの成分は、ガラス粉末中で総量85重量%以上であることが好ましい。残りの15重量%未満はNaO、KO、BaO、PbO、Fe、Mn酸化物、Cr酸化物、NiO、Co酸化物などを含有することができる。
感光性セラミックス組成物においてパターン形成性を高いレベルに保持するためには、無機粉末と感光性有機成分との屈折率を整合させることが必要である。無機粉末の屈折率は組成の配合比で制御することが可能であり、配合する感光性有機成分の平均屈折率との整合をとるように配慮することが好ましい。無機粉末の屈折率をN1、感光性有機成分の屈折率をN2としたとき|N1−N2|<0.15となるように整合させることが好ましい。
本発明で用いる無機粉末は、Cu、Ag、Auなどを配線導体として多層化した場合、600〜900℃での焼成が可能であり、チップ部品やプリント基板の熱膨張係数と近似した熱膨張係数を有し、高周波領域においても低誘電率でかつ誘電損失が低い基板を与える材料を選ぶ必要がある。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。実施例に用いた感光性有機成分および無機粉末は次の通りである。
A.感光性有機成分
モノマーI(成分A2):ポリエチレングリコールジアクリレート(“M−245”東亞合成(株)製)
モノマーII(成分A2):ウレタンアクリレート(“UV6100B”日本合成化学工業(株)製)
重合体I:スチレン30%、メチルメタクリレート30%およびメタクリル酸40%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加したもの(成分A1)。75℃に保った溶媒“ソルフィット”中にスチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アゾイソブチロニトリルを溶解したものをゆっくり滴下し、5時間反応後、グリシジルメタクリレート、テトラブチルアンモニウムクロライド、p−メトキシフェノールを溶解したものをゆっくり滴下し、3時間反応して得られる。重量平均分子量30000、酸価110
重合体II:エチルアクリレート35%、2−エチルヘキシルアクリレート35%およびメタクリル酸30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して、0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加したもの(成分A1)。重合体Iのスチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸をエチルアクリレート35%、2−エチルヘキシルアクリレート35%、メチルメタクリル酸30%に置き換えた以外は、全く同様の方法で共重合体を合成し、同じくグリシジルメタクリレート、テトラブチルアンモニウムクロライド、p−メトキシフェノールを滴下し、重合体IIを合成した。重量平均分子量25000、酸価160
重合体III:ポリイソブチルメタクリレート、ポリn−ブチルメタクリレートの混合体。(“アクリベース MM−2005”藤倉化成(株)製)
可塑剤I:ジブチルフタレート(和光純薬工業(株)製)
光重合開始剤I:2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1(“イルガキュア369”チバ・スペシャリティケミカルズ社製)
紫外線吸光剤:スダンIV(東京化成工業(株)製)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール(和光純薬工業(株)製)
溶媒:“ソルフィット”((株)クラレ製)
導電ペースト:“H−4767”(昭栄化学工業(株)製)。
B.無機粉末
無機粉末I:
アルミナ粉末55%+ガラス粉末45%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO(60%)、PbO(17.5%)、CaO(7.5%)、MgO(3%)、NaO(3.15%)、KO(2%)、B(5.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHz)、平均粒子径2μm
無機粉末II:
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径37nm
上記ガラス粉末の組成:SiO(60%)、PbO(17.5%)、CaO(7.5%)、MgO(3%)、NaO(3.15%)、KO(2%)、B(5.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHz)、平均粒子径2μm
無機粉末III:
アルミナ粉末25%+ガラス粉末75%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:Al(8.7%)、SiO(67%)、ZrO(2.7%)、KO(1.6%)、B(12.5%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点500℃、熱膨張係数42×10−7/K、誘電率4.7(1MHz)、平均粒子径3μm
無機粉末IV:
Al−SiO−B系ガラス粉末85%+石英15%の複合セラミックス
上記ガラス粉末の組成:Al(1.87%)、SiO(67.3%)、KO(1.22%)、B(11.8%)、
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点507℃、熱膨張係数46×10−7/K、誘電率4.6(1MHz)、平均粒子径2.2μm
無機粉末V:
Al−SiO−B系ガラス粉末
上記ガラス粉末の組成:Al(0.34%)、SiO(84.3%)、KO(1.29%)、B(11.7%)、
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点509℃、熱膨張係数22×10−7/K、誘電率4.5(1MHz)、平均粒子径2.5μm
無機粉末VI:
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%との複合セラミックス(“NKX−592J”日本フェロー(株)製)
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:Al−B−SiO−CaO系ガラス
上記ガラス粉末の特性:平均粒子径4.8μm、
無機粉末VII:
アルミナ・結晶性ガラス複合系セラミックス(“FJ352J”日本フェロー(株)製)
上記ガラス粉末の組成:Al−B−SiO−CaO−ZnO系ガラス
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点683℃、熱膨張係数52×10−7/K、平均粒子径5μm
無機粉末VIII:
結晶性ガラス(“FJ351J”日本フェロー(株)製)
上記ガラス粉末の組成:Al−B−SiO−MgO系ガラス
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点681℃、熱膨張係数90×10−7/K、平均粒子径5μm
無機粉末IX:
非結晶性ガラス(“K805”旭テクノグラス(株)製)
上記ガラス粉末の組成:Al−B−SiO系ガラス
無機粉末X:
ガラス粉末80%とSiO20%の混合物
上記ガラス粉末の組成:Al−B−SiO系ガラス。
C.現像液
現像液I:炭酸ナトリウム1.5%水溶液
D.有機ビヒクルの作製
溶媒および重合体を混合し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべての重合体を溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光重合開始剤を加えて溶解させた。その溶液を真空脱泡した後、250メッシュのフィルターで濾過し、有機ビヒクルを作製した。
E.ペースト調製
上記の有機ビヒクルに無機粉末を混合し、ボールミルで20時間湿式混合しスラリーまたはペーストとした。有機ビヒクル中の感光性有機成分を合わせた25重量部に対して無機粉末の量は75重量部とした。
F.感光性セラミックスシートの作製
紫外線を遮断した室内でポリエステルの支持体とブレードとの間隔を0.1〜0.8mmとし、成形速度0.2m/分でドクターブレード法によって感光性セラミックスシートを作製した。感光性セラミックスシートの厚みは150μmであった。
G.ビアホ−ルの形成
支持体上に積層された感光性セラミックスシートを126mm角に切断した後、温度80℃で1時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。ビア径30〜100μm、ビアホールピッチ500μmのクロムマスクを用いて、支持体付シートの上面から、15〜25mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて支持体付シートとマスクの間を密着条件下で、250mJの紫外線を照射してパターン露光した。次に、25℃に保持した現像液により現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄した。
H.支持体からの剥離
一辺の長さが126mm角の支持体付感光性セラミックスシートを、15〜25mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて、支持体面側から所定量露光した。その後、支持体より感光性セラミックスシートを剥離した。
I.導体回路の形成
剥離したシートの裏面に、導体ペースト“H−4767”を用いて導体回路をスクリーン印刷にて形成した。
J.シート反り測定
焼成したシートを水平な台に置いて、平面からの最大反り量を測定して反り量を決定した。
実施例1
無機粉末として無機粉末I(75重量部)を、感光性有機成分として重合体II(15重量部)、モノマーI(6重量部)、モノマーII(1.5重量部)および光重合開始剤(2重量部)、紫外線吸光剤(0.05重量部)、重合禁止剤(0.18重量部)を用い、厚み150μmの支持体付感光性セラミックスシートを得た。250mJ/cmの紫外線を照射して現像工程を経てビアホール形成後、支持体面側より750mJ/cmの紫外線照射を行った。感光性セラミックスシートは、10枚中10枚とも変形無く剥離することができた。また、剥離後のシートの裏面に導体回路をスクリーン印刷したが、特に導体ペーストからのシートへの浸食は見られなかった。焼成した結果、焼成後のシートの反りは全く生じなかった。
実施例2〜18
表1に示す成分を用いて実施例1の操作を繰り返した。その結果を表1に示した。
比較例1
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて支持体付感光性セラミックスシートを作製した。250mJ/cmの紫外線を照射して現像工程を経てビアホール形成後、紫外線照射及び加熱処理を行わずに剥離したところ、感光性セラミックスシートは、10枚中10枚とも剥離時に歪みが生じてしまった。また、剥離後のシートの裏面に導体回路をスクリーン印刷したが、導体ペーストからのシートへの浸食が全てのシートで見られた。積層焼成後のシートの反り量は6mmあった。
比較例2
無機粉末として無機粉末I(80%)を、有機成分として重合体III(15%)、可塑剤I(5%)を用い、厚み150μmの支持体付セラミックスシートを作製した。紫外線を支持体面側より500mJ/cm照射し、かつ60分間100℃加熱処理を行って剥離したところ、セラミックスシートは、10枚中10枚とも剥離時に歪みが生じてしまった。また、剥離後のシートの裏面に導体回路をスクリーン印刷したが、特に導体ペーストからのシートへの浸食は見られなかった。積層焼成後のシートの反りはほとんど生じなかった。
Figure 2006062357

Claims (4)

  1. 少なくとも支持体と、感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックスシートを積層した支持体付シートに、パターンを形成するパターン加工工程と、該支持体から該感光性セラミックスシートを剥離する剥離工程とを有する感光性セラミックスシートの加工方法であって、該剥離工程に先立って、活性光線照射および/または加熱処理することを特徴とする感光性セラミックスシートの加工方法。
  2. 活性光線が紫外線であることを特徴とする請求項1記載の感光セラミックスシートの加工方法。
  3. 加熱処理の温度が50〜150℃であることを特徴とする請求項1記載の感光性セラミックスシートの加工方法。
  4. 剥離工程に先立って支持体面側より照射する活性光線量が、パターン加工工程で照射する活性光線量の0.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の感光性セラミックスシートの加工方法。
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