JP2007199231A - 支持体付感光性セラミックスグリーンシート及び感光性セラミックスグリーンシートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光性セラミックスグリーンシートに関し、パターン加工性、保存安定性を向上した感光性セラミックスグリーンシート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックス組成物が支持体上に形成された支持体付感光性セラミックスグリーンシートに、透過率が90〜100%でかつ厚さが2〜20μmのカバーフィルムが設置されている支持体付感光性セラミックスグリーンシート。
【選択図】 なし
【解決手段】感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックス組成物が支持体上に形成された支持体付感光性セラミックスグリーンシートに、透過率が90〜100%でかつ厚さが2〜20μmのカバーフィルムが設置されている支持体付感光性セラミックスグリーンシート。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料や、電子部品用チップインダクターやノイズフィルタ用セラミックス多層電子部品用材料に用いられる感光性セラミックスグリーンシート及びその製造方法に関する。
携帯電話をはじめとする無線通信技術の普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイクロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現される状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通信やネットワーク機器としての応用が期待されており、中でもブルートゥース(Bluetooth)やITS(Intelligent Transport System,高度交通情報システム)での利用によってますます重要な技術となりつつある。
これらの高周波回路を実現するためには、そこで使用される基板材料が1〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ必要がある。優れた高周波伝送特性を実現するためには、低誘電率でかつ誘電損失が低いこと、加工精度が高いこと、寸法安定性がよいといった要件が必要であり、なかでもセラミックス基板が有望視されてきた。
しかしながら、これまでのセラミックス基板材料は、寸法安定性に優れているものの、微細加工度が低かったため、特に高周波領域において十分な特性を得ることができなかった。このような微細加工精度の問題を改良する方法として、感光性セラミックス組成物から形成したグリーンシートを用いたフォトリソグラフィー技術によるビアホール形成方法が提案されている(特許文献1参照)。さらに高精細なパターンを形成するセラミックスシートの製造方法としては、例えば露光光の散乱、反射に着目し、光の透過性、直進性を向上させるため、有機成分と無機成分の屈折率を整合する方法(特許文献2、3参照)がある。しかしながら、これらの技術ではシート表面で硬化不足が生じやすく、“膜減り”の問題で、所望の厚さのグリーンシートが得られていなかった。さらに、100μmを越えるような厚さのシートに対して、100μm径以下のビアホールを100μm以下のピッチで形成できない、すなわち高アスペクト比、狭ピッチ加工ができないという問題があった。また、これらの技術では、シート表面へのゴミの付着の問題や、露光時にマスクがシート組成物に貼り付くという問題、シート作製後の現像性が経時変化するという問題があった。
一方、非感光性のセラミックスグリーンシートには、パンチングの残りかすがシート表面につくのを防止する目的として、シートの表面にカバーフィルムを積層させる方法(特許文献4参照)がある。しかしながら、この方法を用いてもパンチングの加工精度は向上することはなかった。
また、他方、水なし平版印刷版において、水なし平版印刷版原版に凹凸をつけた被覆層を積層させる方法(特許文献5参照)が知られている。これは、ポリエステルフィルムなどの被覆層を設置することで、感光性有機組成物層の上に形成されたインキ反発層であるシリコーンゴム層を保護すると共に、露光する際の印刷版原版とマスクフィルムの密着性を向上させ、パターン再現のズレなどを発生させないでパターン再現性を向上させるためのものである。被覆層に凹凸をつけることにより、印刷版原版とマスクフィルムを密着させる真空引き作業が短時間で済む。この技術においては、露光により感光性有機組成物の重合が起こり、感光層とシリコーンゴム層の接着力が向上するものであるが、この技術をセラミックス基板の製造に用いても、感光性セラミックスグリーンシート自体にパターンを形成できるものではないため、高アスペクト比、狭ピッチのパターン形成はできなかった。
特開平6−202323号公報(第4−9頁)
特開平10−171106号公報(段落8−13)
特開平10−265270号公報(段落7−10)
特開平8−81655号公報(段落6−7)
特開平7−92661号公報(段落2−8)
従来の感光性セラミックスグリーンシートでは得られなかった高アスペクト比、狭ピッチ化されたパターンを形成できる感光性セラミックスグリーンシートを提供し、さらに、保存安定性の向上した感光性セラミックスグリーンシート及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックス組成物が支持体上に形成された支持体付感光性セラミックスグリーンシートに透過率が90〜100%でかつ厚さが2〜20μmのカバーフィルムが設置されている支持体付感光性セラミックスグリーンシートである。また、本発明のもう一つの態様は、前記支持体付感光性セラミックスグリーンシートのカバーフィルム上から活性光線を照射し、感光性セラミックスグリーンシートにパターンを形成する工程を有する感光性セラミックスグリーンシートの製造方法である。
本発明の支持体付感光性セラミックスグリーンシートにより、シートのパターン加工性能を向上させることができる。また、シート保管時の保存安定性を向上させることができる。
以下、本発明の感光性セラミックスグリーンシート及びその製造方法、加工方法について詳しく説明する。本発明は、感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックス組成物が支持体に形成された支持体付感光性セラミックスグリーンシートに、さらにカバーフィルムが設置されていることである。
本発明で用いるカバーフィルムの透過性は90%以上であるものが望ましいが、厚さ2〜20μmの範囲で選択される厚さにおいて透過率が90%以上である必要がある。さらに望ましくは、95%以上である。透過率が90%未満では、パターン加工性が悪化し、所望のパターンを得ることができなくなる。特にカバーフィルムを介してパターン形成のための露光を行う場合は、90%以上の透過率を必要とする。また、カバーフィルムの表面粗さは、Raで0.001〜0.1μmとすることが望ましい。表面粗さRaが0.001μm未満では、露光後にカバーフィルムとフォトマスクが密着しやすくなり、取り扱い性が悪くなる。また、0.1μmより大きくなると、散乱によってパターン加工性能が低下してしまう。本発明におけるカバーフィルムの透過率は、スガ試験機(株)製のヘイズコンピューターを用いて、全光線における透過率を2回測定し、その平均値を用いる。また、カバーフィルムの表面粗さRaは、(株)東京精密製サーフコム1400Dを用いて10回測定し、その平均値を用いる。なお、表面粗さ測定時は、フィルム片を測定台に固定した状態で、カットオフ値0.25mm、針移動速度0.30mm/s、測定長さ1.0mm、傾斜補正は最小二乗直線補正の条件で実施する。
カバーフィルムの厚さは2〜20μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは5〜15μmである。カバーフィルムの厚さが2μm未満では強度が著しく下がってしまい、剥離時に切れが生じる可能性があり好ましくない。また、カバーフィルムの厚さが20μmを越えると、露光時の表面散乱が増加してしまい、パターン加工性能が低下してしまう。カバーフィルムの厚さは、例えばミツトヨ(株)製マイクロメーターを用いて測定する。
本発明で用いるカバーフィルムは上記の透過率を満たしていれば良く、その材質は特に限定されない。好ましい材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。特に好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのフィルムが良い。また、シートとの接着性を向上させるために、カバーフィルムのシートとの接触面にシリコーン、ポリビニルアルコールなどの各種コート層を設けても良い。
本発明の支持体付感光性セラミックスグリーンシートは、次のようにして製造することができる。まず、感光性有機成分である重合体、エチレン性不飽和基を有する化合物やイオン触媒、光重合開始剤、溶媒や各種添加剤などを混合した後、濾過し、有機ビヒクルを作製する。これに、必要に応じて前処理された無機粉末を添加し、ボールミルなどの混練機で均質に混合、分散して感光性セラミックス組成物のスラリーまたはペーストを作製する。このスラリーまたはペーストの粘度は無機粉末と感光性有機成分の配合比、有機溶媒の量、可塑剤その他の添加剤の添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sが好ましい。
スラリーまたはペーストを作製する際に用いる溶媒は、感光性有機成分と溶解し得るものであればよい。例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、3−メチルメトキシブタノール、トルエン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケトン、イソフォロンなどや、これらのうち1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。なお、前記溶媒がペーストに含まれる量は目的用途に応じて様々であり、前記粘度範囲であれば特に制限されるものではない。例えば、塗布段階においては、ペースト(無機粉末を除く)中に20〜50重量%含まれていることが好ましい。
得られたペーストをドクターブレード法、押し出し成形法などの一般的な方法で支持体上に形成し、溶媒を所定量乾燥除去することにより、支持体と、感光性セラミックス組成物を有する支持体付感光性セラミックスグリーンシートが得られる。このときの感光性セラミックスグリーンシートの厚さは0.05〜0.5mmが好ましい。
支持体の厚さは、25〜200μmの範囲内であることが望ましい。より好ましくは50〜100μmである。支持体の厚さが25μm未満では、シート乾燥時に収縮によって反りやすくなる。一方、200μmを越えると支持体の柔軟性が無くなってしまい、取り扱いにくくなる。また、用いられる支持体の材質は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートや、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン等のキャリアテープが好適に用いられる。
カバーフィルムは、感光性セラミックスグリーンシートの少なくとも一方の表面に積層させる。その際、支持体付感光性セラミックスグリーンシートとカバーフィルム双方のテンションがかかった状態で、しわなく積層させる必要がある。また、積層させた直後は密着が難しい場合があり、このような場合は例えば、少なくとも10分以上その状態で放置しておくことが望ましい。
感光性セラミックスグリーンシートを100℃で90分間熱処理したときの重量減少率は、1〜10重量%となるようにすることが好ましい。より好ましくは2〜5重量%である。1重量%未満では、カバーフィルムを積層する工程においてカバーフィルムが接着しづらく、また、現像工程においては、現像液に溶解しづらくなってしまい、現像残りが生じやすくなる。また、10重量%より多くなると、シートの強度が保てなくなり、カバーフィルムや支持体からシートを剥がす過程で、シートがきれいに剥離できなくなる。
感光性セラミックスグリーンシートを100℃で90分間熱処理したときの重量減少率が1〜10重量%となるようにするためには、ペーストを支持体上に形成して溶媒を所定量乾燥除去する工程において、乾燥温度及び乾燥時間と乾燥される溶媒量との関係を事前に確かめておく必要がある。すなわち、乾燥工程後において、シート中の溶媒残存量が1〜10重量%の範囲内となるように、乾燥温度と乾燥時間を調整すれば良い。
シートの重量減少率は、シートの熱処理前の重量をS1とし、熱処理後の重量をS2とすると、(S1−S2)/S1の式で求める。支持体の重さは重量には含めない。またシートの熱処理に用いるオーブンは、例えば熱風乾燥機等を用いることができる。シートの重量減少率を測定する際には、カバーフィルムを剥がした状態で、例えば126mm角に裁断したものを用いる。
シートの重量減少率の測定において、100℃で90分間シートを熱処理したときとするのは、100℃で90分間熱処理することによって、シート中に含まれる溶媒をほぼ完全に蒸発させることができるからである。それよりも高い温度で熱処理しても、溶媒を揮散させる効果に大差なく、溶媒以外の成分も揮散させてしまう可能性があるため好ましくない。また、逆に100℃よりも低い温度で熱処理しても、溶媒を揮散させるのに時間がかかり、かつ溶媒を完全に揮散させられる時間にばらつきが出てしまうために、好ましくない。
特定の機能を有するカバーフィルムを積層した本発明の感光性セラミックスグリーンシートは、パターン露光をカバーフィルムを介して行うことができる。シート表面に空気が直接当たらずに露光されることから、通常露光の際に生じるシート表面の酸素による重合阻害を抑制でき、その結果、露光されたシート表面においては、重合がシート内部と同程度に進行するために、シート表面が十分に硬化され、現像時のシート表面の残膜率が向上する。さらに、シート表面の残膜率の向上のみならず、通常露光の時よりも狭ピッチのパターン加工性が向上することが明らかになった。
このような、カバーフィルム上からのパターン露光は、フォトマスクを用いてマスク露光する方法とレーザー光等で直接描画露光する方法を用いることができるが、フォトマスクを用いた露光のほうが、露光時間を短くでき、生産性に優れているため好ましい。
パターン露光に用いる光源は特に限定されないが、超高圧水銀灯が好ましい。露光条件は感光性セラミックスグリーンシートの厚さによって異なるが、50〜1000W/m2の出力の超高圧水銀灯であれば5秒〜30分間露光を行うことが好ましい。なお、ビアホール形成と同じ手法でシート積層時のアライメント用ガイド孔を形成してもよい。
パターン露光終了後、支持体付感光性セラミックスグリーンシートからカバーフィルムを剥離し、現像する。カバーフィルムの剥離は、現像の直前であることが好ましい。カバーフィルムがシートに積層された状態であることによって、シート中の溶媒が揮散しないために、シート中の溶媒含有量を一定に保つことができるからである。その結果、現像液に可溶な部分の残存量を小さくすることができ、シートのポットライフを長時間保つことが可能になる。
活性光線を照射した感光性セラミックスグリーンシートを現像液で処理することで、現像液に可溶な部分(可溶部分という)を溶解、除去し、感光性セラミックスグリーンシート内にパターンを形成する。感光性セラミックスグリーンシートの現像方法としては浸漬法、スプレー法、超音波法またはこれらを組み合わせて行うことができる。
超音波を用いた現像方法は、感光性セラミックスグリーンシートを現像液に浸漬、あるいは感光性セラミックスグリーンシートに現像液をスプレーした際に超音波を照射することにより、可溶部分の溶解、除去を促進し、感光性セラミックスグリーンシート上に精細なパターンを得る方法である。さらに超音波の基本周波数を所定の幅で連続変調させて照射すると、超音波応力の分布を無くして、感光性セラミックスグリーンシートが受ける現像液の浸食による膨潤や超音波の衝撃によるクラック等のダメージを軽減し、かつ均一なパターンを得ることができる。本発明においては、超音波の周波数変調範囲は20〜50KHzが好ましい。周波数が20KHzを下回ると必要以上に超音波応力が強くなり、感光性セラミックスグリーンシートのダメージが大きくなる。一方、50KHzを上回ると超音波応力が弱くなり、可溶部分の現像液の侵食が弱まるために好ましくない。
超音波の基板面積当たりの仕事密度は好ましくは40〜100W/cm2である。仕事密度が40W/cm2を下回ると可溶部分が除去しきれないことがあり、一方、100W/cm2を上回るとパターンの残存部分(以下硬化部分という)の現像液による侵食や感光性セラミックスグリーンシートのダメージが大きくなる。また、超音波現像時間は5〜120秒が好ましい。現像時間が5秒を下回ると可溶部分が除去しきれないため好ましくなく、一方、120秒を上回ると硬化部分の侵食や感光性セラミックスグリーンシートのダメージが大きくなるため好ましくない。可溶部分の除去が十分に行われつつ、硬化部分の侵食と感光性セラミックスグリーンシートのダメージを抑えるための超音波現像時間は、より好ましくは5〜60秒、さらに好ましくは10〜30秒である。
本発明において感光性セラミックスグリーンシートに対する超音波の照射位置は特に限定はされないが、超音波方向に対して感光性セラミックスグリーンシートが垂直に位置し、表面側から照射するように配置するのが好ましい。また、現像液中で基板を振動、回転、往復運動しても良い。あるいは現像液を循環、振動させるなどしても良い。
また浸漬法とは、露光後の感光性セラミックスグリーンシートを現像液に浸すことで、現像液に対し可溶部分の溶解、除去を進める方法である。またスプレー法とは、同様に活性光線照射後の感光性セラミックスグリーンシートの可溶部分をスプレーの物理的な力を利用しながら溶解、除去を進める方法である。このスプレー法は、常に現像液の流出による入れ替わりがあり、現像液位の溶解力低下が少なく、結果として現像時間が短くなる利点がある。また、現像基板面積当たりのスプレー圧力は0.05〜2MPaが好ましい。スプレー圧力が0.05MPaを下回ると物理的な力が不十分であり、現像時間が長くなる。一方、2MPaを上回ると硬化部分への現像液の侵食により、感光性セラミックスグリーンシートへのダメージが大きくなる。物理的な力を保持しつつ、硬化部分の侵食や感光性セラミックスグリーンシートのダメージを抑えるためのスプレー圧力は、より好ましくは0.1〜1MPa、更に好ましくは0.1〜0.5MPaである、なお、スプレー散布器と支持体付感光性セラミックスグリーンシートを相対的に移動させることにより、少ない散布器で面積の大きい支持体付感光性セラミックスグリーンシートに現像液をスプレー散布することができ、感光性セラミックスグリーンシートの特定位置に現像液の散布が集中することが抑制されて好ましい。これら浸漬法、スプレー法等と周波数変調型超音波照射を組み合わせることで現像時間が短縮でき、感光性セラミックスグリーンシートのダメージが軽減される。
感光性セラミックスグリーンシートの現像液としては、感光性セラミックス組成物の活性光線照射部と非照射部に対して、異なった溶解性、膨潤性、親和性を有するものであれば、いずれも使用可能であるが、本発明においてはアルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液としては、ナトリウムやカリウムなどの金属アルカリ水溶液、有機アルカリ水溶液が使用できる。金属アルカリ水溶液としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属イオンを含んでいる化合物を用いることができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどが挙げられる。有機アルカリ水溶液としては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的にはメチルアミン、n−プロピルアミン、t−ブチルアミン、モノエタノールアミン、TMAH(テトラメチルハイドロオキサイド)などが挙げられる。また、アルカリ水溶液の濃度は0.01〜10重量%が好ましい。アルカリ水溶液の濃度が0.01重量%を下回ると可溶部分が完全に除去されない場合がある。一方、10重量%を上回ると硬化部分の侵食やパターンの剥離が起こることがある。可溶部分の除去が十分に行われつつ、硬化部分の侵食やパターンの剥離を抑えるためのアルカリ濃度は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%である。また現像液の温度は、工程管理上20〜50℃が好ましい。
このようにして、焼成前の厚さが10〜500μm、最密なビアホールのパターンがビアホール直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250μmのシートを作製することができる。
必要に応じて、現像された支持体付感光性セラミックスグリーンシートに対して、導体や抵抗体ペーストなどを用いて、ビアホールの孔埋め、配線の形成などを行ってもよい。配線の形成はスクリーン印刷機などにより印刷で形成してもよいし、感光性導体ペーストを用いてフォトリソ加工で形成してもよい。
次に、パターン加工された感光性セラミックスグリーンシートを支持体から剥離する。この際、剥離工程に先立って活性光線照射もしくは加熱処理を行うと、スムーズに支持体からシートを剥離させることができて好ましい。
本発明の製造方法によって得られた感光性セラミックスグリーンシートは、焼成工程を経て回路用基板等になる。例えば、必要な枚数の配線パターンの形成された感光性セラミックスグリーンシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃の温度で5〜40MPaの圧力で接着し、多層シートを作製する。焼成は焼成炉で行う。焼成雰囲気や温度は感光性セラミックス組成物中の無機粉末や有機成分の種類によって異なるが、空気中、窒素雰囲気中、または水素還元雰囲気中で焼成する。焼成方法としては、セラミックスセッター等を多層シートの上に載せて荷重焼成する方法が、好ましく用いられる。本発明において好ましく用いられる感光性セラミックスシートの焼成は、まず室温〜600℃で有機物を分解、飛散させる工程(脱バインダー工程)を経たのち、600〜950℃の温度で焼結を行う。このようにして得られたセラミックス多層基板は高周波回路用基板として用いられる。
荷重焼成は、多層シートの上下を離型層で挟んだものをセラミックスセッター上に配置し、その上にさらに荷重としてセラミックスセッターを配置した状態で脱バインダーおよび焼結を行う方法で、多層シートの焼成後の反りを抑制することができる。荷重焼成での加圧条件は、0.01〜0.2kPaの範囲内が望ましい。加圧が0.01kPa未満では加圧による多層シートの反り抑制効果が無く、加圧が0.2kPaを越えると、多層シートに割れが生じやすくなるので好ましくない。セラミックスセッターは、基板焼結温度では焼結しないものであれば材質は限定されないが、空孔率が60%以上あると脱バインダーがスムーズになされるのでより好ましい。
離型層には、基板焼結温度では焼結しない難焼結性のセラミックスが用いられる。難焼結性のセラミックスとしては、アモルファスシリカ、石英、アルミナ、マグネシア、ヘマタイト、チタン酸バリウムおよび窒化硼素などから選択して用いることができる。これらの粉末を有機バインダーに分散させてシート状にすることで、離型層として用いることができる。
また、離型層に密着性改良剤や可塑剤等を添加して、多層シートとの密着性を上げた、拘束シートを用いても良い。多層シートは、組成物の成分や配合組成、焼成時の諸条件により不可避の収縮が存在するが、拘束シートを用いることによって、厚さ方向にのみ収縮させ、X−Y平面にはほぼ無収縮にすることができる。なお、密着性改良剤としては、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの酸化物粉末があげられ、拘束シート中の無機成分に対して1〜5重量%添加されることが好ましい。
このような拘束シートの例としては、アルミナ粉末にポリビニルブチラール、アクリル共重合体などの有機バインダー、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、適当な酸化物、有機溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に形成したものを挙げることができる。
本発明の感光性セラミックスグリーンシートの感光性有機成分とは感光性セラミックスグリーンシートを形成する感光性セラミックス組成物中の有機成分の総体を指す。なお、本発明において感光性セラミックス組成物は、ペースト体として、塗布、積層に際して、好適に溶媒が用いられるものではあるが、感光性有機成分の組成に関するパラメータ(各成分の含有割合など)についての以下の説明においては、原則として溶媒成分を除外して算出されたものである。
本発明における感光性有機成分は酸性基を有する重合体、エチレン性不飽和基含有化合物、重合開始剤等を含有することが好ましい。
酸性基を有する重合体は、酸性基を有していればどのようなものでも構わないが、好ましくはカルボキシル基を有する重合体であり、より好ましくは側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する重合体である。側鎖にエチレン性不飽和基を有することでパターン形成性が向上し、また側鎖にカルボキシル基を含有することにより、アルカリ水溶液での現像を可能にする。このような重合体は例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルまたはこれらの酸無水物などのカルボキシル基含有モノマーおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのモノマーを選択し、ラジカル重合開始剤を用いて重合または共重合させて重合体を得たのち、ポリマー中の活性水素含有基であるメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させることにより得られるが、これらに限定されるものではない。グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジル、イソクロトン酸グリシジルなどがある。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリロイルイソシアネート、メタアクリロイルイソシアネート、アクリロイルエチルイソシアネート、メタアクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中の活性水素含有基に対して0.05〜0.95モル当量付加させることが好ましい。活性水素含有基がメルカプト基、アミノ基、水酸基の場合にはその全量を側鎖基の導入に利用することもできるが、カルボキシル基の場合には、ポリマーの酸価が好ましい範囲になるよう付加量を調整することが好ましい。
酸性基を有する重合体の酸価は50〜200mgKOH/gであることが好ましい。酸価を50mgKOH/g以上とすることで、可溶部分の現像液に対する溶解性が低下することなく、200mgKOH/g以下とすることで、現像許容幅を広くすることができる。なお、酸価の測定は、バインダーポリマー1gをエタノール100mLに溶解した後、0.1N水酸化カリウム水溶液を用いた滴定によって求めることができる。酸性基を有する重合体は、焼成時の熱分解温度が低いことから、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用いられる。酸性基を有する重合体の重量平均分子量は、好ましくは5000〜100000、より好ましくは15000〜75000、さらに好ましくは20000〜50000である。前記範囲内であれば、柔軟性が良好で、かつ現像時の溶解性も良好である。酸性基を有する重合体の重量平均分子量はテトラヒドロフランを移動相としたサイズ排除クロマトグラフィーにより測定する。カラムはShodex KF−803を用い、重量平均分子量はポリスチレン換算により計算する。
酸性基を有する重合体のTg(ガラス転移温度)は、−60〜30℃が好ましい。Tgを−60℃以上とすることで感光性セラミックスグリーンシートの粘着性を低減することができ、Tgを30℃以下とすることで感光性セラミックスグリーンシートの柔軟性を保持することができる。感光性セラミックスグリーンシートの粘着性を低減しつつ、柔軟性も保持するためのTgは、より好ましくは−40〜30℃で、さらに好ましくは−20〜30℃である。重合体のTgの測定法は、島津製作所(株)製DSC−50型測定装置を用い、サンプル重量10mg、窒素気流下で昇温速度20℃/分で昇温し、ベースラインの偏起が開始する温度をTgとする。
酸性基を有する重合体の添加量は、感光性有機成分中の10〜80重量%であることが好ましい。添加量が、感光性有機成分中の10重量%を下回ると感光性セラミックスグリーンシートが形成できず、一方、80重量%を上回ると感光性セラミックスグリーンシート上にパターンが形成できなくなる。
エチレン性不飽和基含有化合物は、光によるパターン形成をより効果的に行うために用いられる。エチレン性不飽和基含有化合物の分子構造形態について、直鎖状、分枝状、環状、あるいはそれらの組み合わせなど、なんら限定されるものではないが、相溶性の点から直鎖状が好ましい。エチレン性不飽和基含有化合物の重量平均分子量は好ましくは100〜100000、より好ましくは100〜50000、更に好ましくは300〜45000である。前記範囲内であれば、柔軟性が良好で、かつ現像時の溶解性も良好であるバインダーポリマーの重量平均分子量はテトラヒドロフランを移動相としたサイズ排除クロマトグラフィーにより測定する。カラムはShodex KF−803を用い、重量平均分子量はポリスチレン換算により計算する。
本発明におけるエチレン性不飽和基含有化合物に含まれるエチレン性不飽和基は、架橋反応性を考慮すれば一般的に立体障害が小さく分子運動の自由度が大きい方が好ましい。従って、一置換ついで二置換が好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。特に、アクリロイル基やメタクリロイル基を有することが好ましい。
アクリロイル基やメタクリロイル基を有する化合物の具体例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド付加物のアクリレート、パラクミルフェノール−エチレンオキサイド付加物のアクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物のアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレートおよびこれらのアクリレートの一部または全てをメタクリレートに代えたものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エチレン性不飽和基含有化合物は、エチレン性不飽和基以外に有機基(結合)を有してもよい。そのような有機基(結合)の例としては、アルキレンオキサイド基、アルキル基、アリール基、アリーレン基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基、ウレタン結合などが例示できる。これらの中でも、相溶性の点からアルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイドなどの極性基が好ましい。エチレン性不飽和基含有化合物中のエチレンオキサイド含有量としては、エチレン性不飽和基含有化合物全体に対して8〜70重量%が好ましい。このような化合物の中でも、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを含む化合物は、熱分解性が良いため特に好ましい。
エチレン性不飽和基含有化合物の添加量は、感光性有機成分中の2〜40重量%であることが好ましい。2重量%以上とすることで精細なパターン加工が可能となり、40重量%以下とすることで光硬化後のシートの柔軟性を保持することができる。
感光性有機成分に含有される酸性基を有する重合体及びエチレン性不飽和基含有化合物には、一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力は低いので、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加えることが好ましい。また光重合開始剤の効果を補助するために増感剤を用いてもよい。このような光重合開始剤には1分子系直接開裂型、イオン対間電子移動型、水素引き抜き型、2分子複合系など機構的に異なる種類があり、それらから選択して用いる。本発明に用いられる光重合開始剤としては、活性ラジカル種を発生するものが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。
本発明において、光重合開始剤や増感剤は1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤の添加量は、感光性有機成分に対し0.05〜10重量%が好ましい。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、良好な光感度を得ることができる。増感剤を添加する場合、その添加量は感光性有機成分に対して0.05〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
また、感光性セラミックスグリーンシートでの散乱光の吸収剤として有機系染料を添加するのが好ましい。有機系染料の中でも350〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は紫外線吸収剤として添加した場合にも、焼成後の基板中に残存しないで紫外線吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。ペースト中の有機系染料の添加量は0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.02〜1重量%である。0.01重量%未満では紫外線吸収剤の添加効果が減少し、5重量%を越えると焼成後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。
さらに、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性セラミックス組成物に対し、0.001〜1重量%が好ましい。
また、可塑剤、酸化防止剤を添加してもよい。可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。酸化防止剤の具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する場合、その添加量は感光性セラミックス組成物に対し0.001〜1重量%が好ましい。
感光性セラミックス組成物中の感光性有機成分の配合量は10〜40重量%、さらには15〜35重量%であることが好ましい。10〜40重量%の配合量であれば、感光性セラミックスグリーンシートの可撓性と通気性の両方の特性を満足させることができる。
本発明において用いられる感光性セラミックス組成物は、上記感光性有機成分の他に無機粉末を必須成分とする。この無機粉末は焼成工程において焼結するものであり、本発明の目的とする基板形成では、1000℃以下、特に700〜900℃の温度での焼成が好ましいので、いわゆる低温焼成無機粉末が好ましい。もちろん、これらの無機粉末が基板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を決めるため、目的とする特性に応じて選択される。
本発明で用いられる無機粉末として有用な成分には5つの態様が挙げられる。前記の第1の態様は、一般式RxO−Al2O3−SiO2系材料(x=1のとき、Rはアルカリ土類金属から選ばれ、x=2のときRはアルカリ金属から選ばれる)で表されるアルミノケイ酸塩系化合物である。特に限定されるものではないが、アノーサイト(CaO−Al2O3−2SiO2)、セルジアン(BaO−Al2O3−2SiO2)などであり、低温焼結セラミックス材料として用いられる無機粉末である。
前記の第2の態様の無機粉末としては、ホウ珪酸ガラス粉末50〜90重量%と、石英粉末および/またはアモルファスシリカ粉末10〜50重量%の割合からなるものである。この時高純度シリカ(石英)は、ほう珪酸ガラスと溶解しないことが好ましい。また、球状シリカである方が、スラリーの充填性が上がり好ましい。
前記の第3の態様は、ホウ珪酸ガラス粉末30〜60重量%、石英粉末および/またはアモルファスシリカ粉末20〜50重量%およびコーディエライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイトおよびセルジアンの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末20〜50重量%との混合物である。
前記の第4の態様は、酸化物換算表記でSiO2:30〜70重量%、Al2O3:5〜40重量%、CaO:3〜25重量%、B2O3:3〜50重量%の組成範囲で、総量が85重量%以上となるガラス粉末を30〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディエライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末40〜70重量%との混合物である。
前記の第5の態様は、酸化物換算表記でSiO2:80〜90重量%、B2O3:10〜15重量%、Al2O3:0〜5重量%、K2O:0〜5重量%の割合で含まれる無機粉末である。
無機粉末はフィラー成分を含むことが可能であり、フィラー成分として前記の通りセラミックス粉末が用いられることが多く、基板の機械的強度の向上や熱膨張係数を制御するのに有効であり、特に、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、アノーサイトはその効果が優れている。これらのセラミックス粉末の混合により、焼成温度を800〜900℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができる。
ガラス粉末のSiO2、Al2O3、CaOおよびB2O3などの成分は、ガラス粉末中で総量85重量%以上であることが好ましい。残りの15重量%未満はNa2O、K2O、BaO、PbO、Fe2O3、Mn酸化物、Cr酸化物、NiO、Co酸化物などを含有することができる。
感光性セラミックス組成物においてパターン形成性を高いレベルに保持するためには、無機粉末と感光性有機成分との屈折率を整合させることが好ましい。無機粉末の屈折率は組成の配合比で制御することが可能であり、配合する感光性有機成分の平均屈折率との整合をとるように配慮することが好ましい。無機粉末の屈折率をN1、感光性有機成分の屈折率をN2としたとき|N1−N2|<0.15となるように整合させることが好ましい。
本発明で用いる無機粉末は、Cu、Ag、Auなどを配線導体として多層化した場合、600〜900℃での焼成が可能であり、チップ部品やプリント基板の熱膨張係数と近似した熱膨張係数を有し、高周波領域においても低誘電率でかつ誘電損失が低い基板を与える材料を選ぶ必要がある。
本発明の感光性セラミックスグリーンシートは、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料や、電子部品用チップインダクターやノイズフィルタ用セラミックス多層電子部品用材料に用いられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。実施例に用いた感光性有機成分および無機粉末は次の通りである。
A.感光性有機成分
モノマーI:ポリエチレングリコールジアクリレート(“M−245”東亞合成(株)製)
モノマーII:ウレタンアクリレート(“UA2235PE”新中村化学工業(株)製)
重合体I:40重量部の2−エチルヘキシルアクリレート、40重量部のブチルメタクリレート、20重量部のアクリル酸からなる共重合体にグリシジルメタクリレートを付加反応させたもので、得られたバインダーポリマーIの重量平均分子量36000、酸価100mgKOH/g、Tgは15℃である。なお、バインダーポリマーの重量平均分子量はテトラヒドロフランを移動相としたサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。カラムはShodex KF−803を用い、ポリスチレン換算により計算した。Tgの測定法は、島津製作所(株)製DSC−50型測定装置を用い、サンプル重量10mg、窒素気流下で昇温速度20℃/分で昇温し、ベースラインの偏起が開始する温度をTgとした。また、酸価の測定は、バインダーポリマー1gをエタノール100mLに溶解した後、0.1N水酸化カリウム水溶液を用いた滴定を行い、求めた。
モノマーI:ポリエチレングリコールジアクリレート(“M−245”東亞合成(株)製)
モノマーII:ウレタンアクリレート(“UA2235PE”新中村化学工業(株)製)
重合体I:40重量部の2−エチルヘキシルアクリレート、40重量部のブチルメタクリレート、20重量部のアクリル酸からなる共重合体にグリシジルメタクリレートを付加反応させたもので、得られたバインダーポリマーIの重量平均分子量36000、酸価100mgKOH/g、Tgは15℃である。なお、バインダーポリマーの重量平均分子量はテトラヒドロフランを移動相としたサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。カラムはShodex KF−803を用い、ポリスチレン換算により計算した。Tgの測定法は、島津製作所(株)製DSC−50型測定装置を用い、サンプル重量10mg、窒素気流下で昇温速度20℃/分で昇温し、ベースラインの偏起が開始する温度をTgとした。また、酸価の測定は、バインダーポリマー1gをエタノール100mLに溶解した後、0.1N水酸化カリウム水溶液を用いた滴定を行い、求めた。
重合体II:イソブチルメタクリレート49%、2−エチルヘキシルアクリレート24%、メタクリル酸12%およびアクリル酸15%からなる共重合体のカルボキシル基に対して、0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたもので、重量平均分子量25000、酸価160mgKOH/g、Tgは14℃である。なお、重合体IIの重量平均分子量、酸価、Tgの測定は、重合体Iと同様の測定法を用いた。
光重合開始剤: “イルガキュア819”チバ・スペシャルティケミカルズ社製)
紫外線吸光剤:スダンIV(東京化成工業(株)製)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール(和光純薬工業(株)製)
溶媒:“ソルフィット”((株)クラレ製) 。
光重合開始剤: “イルガキュア819”チバ・スペシャルティケミカルズ社製)
紫外線吸光剤:スダンIV(東京化成工業(株)製)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール(和光純薬工業(株)製)
溶媒:“ソルフィット”((株)クラレ製) 。
B.無機粉末
無機粉末I:
アルミナ粉末55%+ガラス粉末45%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO2(60%)、PbO(17.5%)、CaO(7.5%)、MgO(3%)、Na2O(3.15%)、K2O(2%)、B2O3(5.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHz)、平均粒子径2μm 。
無機粉末I:
アルミナ粉末55%+ガラス粉末45%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO2(60%)、PbO(17.5%)、CaO(7.5%)、MgO(3%)、Na2O(3.15%)、K2O(2%)、B2O3(5.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHz)、平均粒子径2μm 。
無機粉末II:
アルミナ粉末60%+ガラス粉末40%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径37nm
上記ガラス粉末の組成:SiO2(60%)、PbO(17.5%)、CaO(7.5%)、MgO(3%)、Na2O(3.15%)、K2O(2%)、B2O3(5.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHz)、平均粒子径2μm 。
アルミナ粉末60%+ガラス粉末40%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径37nm
上記ガラス粉末の組成:SiO2(60%)、PbO(17.5%)、CaO(7.5%)、MgO(3%)、Na2O(3.15%)、K2O(2%)、B2O3(5.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHz)、平均粒子径2μm 。
無機粉末III:
アルミナ粉末25%+ガラス粉末75%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:Al2O3(8.7%)、SiO2(67%)、ZrO2(2.7%)、K2O(1.6%)、B2O3(12.5%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点500℃、熱膨張係数42×10−7/K、誘電率4.7(1MHz)、平均粒子径3μm 。
アルミナ粉末25%+ガラス粉末75%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:Al2O3(8.7%)、SiO2(67%)、ZrO2(2.7%)、K2O(1.6%)、B2O3(12.5%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点500℃、熱膨張係数42×10−7/K、誘電率4.7(1MHz)、平均粒子径3μm 。
無機粉末IV:
Al2O3−SiO2−B2O3系ガラス粉末85%+石英15%の複合セラミックス
上記ガラス粉末の組成:Al2O3(1.87%)、SiO2(67.3%)、K2O(1.22%)、B2O3(11.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点507℃、熱膨張係数46×10−7/K、誘電率4.6(1MHz)、平均粒子径2.2μm 。
Al2O3−SiO2−B2O3系ガラス粉末85%+石英15%の複合セラミックス
上記ガラス粉末の組成:Al2O3(1.87%)、SiO2(67.3%)、K2O(1.22%)、B2O3(11.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点507℃、熱膨張係数46×10−7/K、誘電率4.6(1MHz)、平均粒子径2.2μm 。
無機粉末V:
Al2O3−SiO2−B2O3系ガラス粉末
上記ガラス粉末の組成:Al2O3(0.34%)、SiO2(84.3%)、K2O(1.29%)、B2O3(11.7%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点509℃、熱膨張係数22×10−7/K、誘電率4.5(1MHz)、平均粒子径2.5μm 。
Al2O3−SiO2−B2O3系ガラス粉末
上記ガラス粉末の組成:Al2O3(0.34%)、SiO2(84.3%)、K2O(1.29%)、B2O3(11.7%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点509℃、熱膨張係数22×10−7/K、誘電率4.5(1MHz)、平均粒子径2.5μm 。
C.現像液
現像液:炭酸ナトリウム1.5重量%水溶液
D.有機ビヒクルの作製
溶媒および重合体を混合し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべての重合体を溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光重合開始剤を加えて溶解させた。その溶液を真空脱泡した後、250メッシュのフィルターで濾過し、有機ビヒクルを作製した。
現像液:炭酸ナトリウム1.5重量%水溶液
D.有機ビヒクルの作製
溶媒および重合体を混合し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべての重合体を溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光重合開始剤を加えて溶解させた。その溶液を真空脱泡した後、250メッシュのフィルターで濾過し、有機ビヒクルを作製した。
E.ペースト調製
上記の有機ビヒクルに無機粉末を混合し、ボールミルで20時間湿式混合しスラリーまたはペーストとした。有機ビヒクル中の感光性有機成分を合わせた25重量部に対して無機粉末の量は75重量部とした。有機溶媒量は前記2者の合計を100重量部として25重量部となるように調製した。
上記の有機ビヒクルに無機粉末を混合し、ボールミルで20時間湿式混合しスラリーまたはペーストとした。有機ビヒクル中の感光性有機成分を合わせた25重量部に対して無機粉末の量は75重量部とした。有機溶媒量は前記2者の合計を100重量部として25重量部となるように調製した。
F.感光性セラミックスグリーンシートの作製
紫外線を遮断した室内でポリエステルの支持体とブレードとの間隔を0.1〜0.8mmとし、成形速度0.2m/分でドクターブレード法によって、ペーストを塗布し感光性セラミックスグリーンシートを作製後、オーブン中で所定温度、所定時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。感光性セラミックスグリーンシートの厚さは100μmであった。なお、乾燥したシートの一部を抜き出して10cm角に切断したシートの重量を測定後、さらに100℃で90分加熱処理して加熱処理後のシートの重量を測定した。シートの重量減少率は、シートの熱処理前の重量をS1とし、熱処理後の重量をS2とすると、(S1−S2)/S1の式で求めた。
紫外線を遮断した室内でポリエステルの支持体とブレードとの間隔を0.1〜0.8mmとし、成形速度0.2m/分でドクターブレード法によって、ペーストを塗布し感光性セラミックスグリーンシートを作製後、オーブン中で所定温度、所定時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。感光性セラミックスグリーンシートの厚さは100μmであった。なお、乾燥したシートの一部を抜き出して10cm角に切断したシートの重量を測定後、さらに100℃で90分加熱処理して加熱処理後のシートの重量を測定した。シートの重量減少率は、シートの熱処理前の重量をS1とし、熱処理後の重量をS2とすると、(S1−S2)/S1の式で求めた。
G.カバーフィルム
カバーフィルムI:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムII:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:97%、厚さ:3μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムIII:ポリプロピレンフィルム“トレファン”2172タイプ(東レ(株)製)、透過率:93%、厚さ:18μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムIV:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.08μm
カバーフィルムV:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.002μm
カバーフィルムVI:ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”C21タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムVII:トリアセチルセルロースフィルム“フジタック”(富士フィルム(株)製)、透過率:90%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムVIII:ポリメチルメタクリレートフィルム“スミペックス”(住友化学(株)製)、透過率:92%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムIX:ポリシクロオレフィンフィルム“ゼオネックス”(日本ゼオン(株)製)、透過率:92%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムX:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:93%、厚さ:10μm、Ra:0.15μm
カバーフィルムXI:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:80%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムXII:ポリプロピレンフィルム“トレファン”2578タイプ(東レ(株)製)、透過率:92%、厚さ:25μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムXIII:ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”C60タイプ(東レ(株)製)、透過率:98%、厚さ:1μm、Ra:0.02μm
透過率は、用いるフィルムの各々の厚さにおいて測定した。用いる各フィルム片をスガ試験機(株)製のヘイズコンピューターHGM−2DPを用いて、全光線透過率を2回測定し、その平均値を用いた。フィルムの厚さはミツトヨ(株)製マイクロメーターを用いて測定した。カバーフィルムの表面粗さRaは(株)東京精密製サーフコム1400Dを用いてフィルム片の表面を10回測定し、その平均値を用いた。なお、表面粗さ測定時は、フィルム片を測定台に固定した状態で、カットオフ値0.25mm、針移動速度0.30mm/s、測定長さ1.0mm、傾斜補正は最小二乗直線補正の条件で実施した。
カバーフィルムI:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムII:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:97%、厚さ:3μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムIII:ポリプロピレンフィルム“トレファン”2172タイプ(東レ(株)製)、透過率:93%、厚さ:18μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムIV:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.08μm
カバーフィルムV:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.002μm
カバーフィルムVI:ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”C21タイプ(東レ(株)製)、透過率:95%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムVII:トリアセチルセルロースフィルム“フジタック”(富士フィルム(株)製)、透過率:90%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムVIII:ポリメチルメタクリレートフィルム“スミペックス”(住友化学(株)製)、透過率:92%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムIX:ポリシクロオレフィンフィルム“ゼオネックス”(日本ゼオン(株)製)、透過率:92%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムX:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:93%、厚さ:10μm、Ra:0.15μm
カバーフィルムXI:ポリプロピレンフィルム“トレファン”YK−57タイプ(東レ(株)製)、透過率:80%、厚さ:10μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムXII:ポリプロピレンフィルム“トレファン”2578タイプ(東レ(株)製)、透過率:92%、厚さ:25μm、Ra:0.02μm
カバーフィルムXIII:ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”C60タイプ(東レ(株)製)、透過率:98%、厚さ:1μm、Ra:0.02μm
透過率は、用いるフィルムの各々の厚さにおいて測定した。用いる各フィルム片をスガ試験機(株)製のヘイズコンピューターHGM−2DPを用いて、全光線透過率を2回測定し、その平均値を用いた。フィルムの厚さはミツトヨ(株)製マイクロメーターを用いて測定した。カバーフィルムの表面粗さRaは(株)東京精密製サーフコム1400Dを用いてフィルム片の表面を10回測定し、その平均値を用いた。なお、表面粗さ測定時は、フィルム片を測定台に固定した状態で、カットオフ値0.25mm、針移動速度0.30mm/s、測定長さ1.0mm、傾斜補正は最小二乗直線補正の条件で実施した。
H.カバーフィルムの積層
乾燥した感光性セラミックスグリーンシート上に、カバーフィルムを互いにテンションのかかった状態で積層した。積層後30分間静置した。
乾燥した感光性セラミックスグリーンシート上に、カバーフィルムを互いにテンションのかかった状態で積層した。積層後30分間静置した。
I.ビアホ−ルの形成
カバーフィルムが積層された感光性セラミックスグリーンシートを126mm角に切断した後、ビア径30〜100μm、ビアホールピッチ30〜200μmのクロムマスクを用いて、カバーフィルム付シートの上面から、15〜25mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いてシート上のカバーフィルムとマスクの間を密着条件下で、250mJの紫外線を照射してパターン露光した。カバーフィルムを剥離後、25℃に保持した現像液により現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄した。
カバーフィルムが積層された感光性セラミックスグリーンシートを126mm角に切断した後、ビア径30〜100μm、ビアホールピッチ30〜200μmのクロムマスクを用いて、カバーフィルム付シートの上面から、15〜25mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いてシート上のカバーフィルムとマスクの間を密着条件下で、250mJの紫外線を照射してパターン露光した。カバーフィルムを剥離後、25℃に保持した現像液により現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄した。
J.荷重焼成に用いる離型層の作製
離型層I:アルミナ粉末にポリビニルブチラール、有機溶媒を加えて、ドクターブレード法によってシート状に作製したものを用いた。
離型層II:アルミナ粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、酸化ビスマス、有機溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に作製したものを用いた。
離型層I:アルミナ粉末にポリビニルブチラール、有機溶媒を加えて、ドクターブレード法によってシート状に作製したものを用いた。
離型層II:アルミナ粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、酸化ビスマス、有機溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に作製したものを用いた。
K.セラミックスセッター
セラミックスセッター:“イソプラトンE3”(イソライト工業(株)製)150mm角、厚さ4mm、見かけ気孔率75%、通気率0.05cm3、かさ密度0.8g/cm3
L.多層基板の作製
パターン形成された感光性セラミックスグリーンシートを5〜6枚積層し、上下に離型層を配置し、90℃でプレス圧力15MPaにて熱圧着した。得られた多層体を空気中で、900℃の温度で30分間荷重焼成して、多層基板を作製した。
セラミックスセッター:“イソプラトンE3”(イソライト工業(株)製)150mm角、厚さ4mm、見かけ気孔率75%、通気率0.05cm3、かさ密度0.8g/cm3
L.多層基板の作製
パターン形成された感光性セラミックスグリーンシートを5〜6枚積層し、上下に離型層を配置し、90℃でプレス圧力15MPaにて熱圧着した。得られた多層体を空気中で、900℃の温度で30分間荷重焼成して、多層基板を作製した。
実施例1
無機粉末として無機粉末I(75重量部)を、感光性有機成分として重合体II(15重量部)、モノマーI(6重量部)、モノマーII(1.5重量部)および光重合開始剤(2重量部)、紫外線吸光剤(0.05重量部)、重合禁止剤(0.18重量部)を用い、厚さ100μmの感光性セラミックスグリーンシートを得た。その際、シートは100℃で20分乾燥した。なお、乾燥後のシートの一部を抜き出して10cm角に切断したシートの重量を測定し、再度100℃で90分熱処理して熱処理後のシートの重量を測定した。シート熱処理前の重量(S1)は4gであり、熱処理後の重量(S2)は3.9gであり、重量減少率は2.5重量%であった。乾燥後のシートにカバーフィルムIをシート面に積層したところ、20枚中20枚ともシートに問題無く積層することができた。なお、カバーフィルム設置不良率は、カバーフィルム設置枚数に対する不良数の発生割合であり、カバーフィルムの設置不良数をカバーフィルム設置枚数で除して求める。
無機粉末として無機粉末I(75重量部)を、感光性有機成分として重合体II(15重量部)、モノマーI(6重量部)、モノマーII(1.5重量部)および光重合開始剤(2重量部)、紫外線吸光剤(0.05重量部)、重合禁止剤(0.18重量部)を用い、厚さ100μmの感光性セラミックスグリーンシートを得た。その際、シートは100℃で20分乾燥した。なお、乾燥後のシートの一部を抜き出して10cm角に切断したシートの重量を測定し、再度100℃で90分熱処理して熱処理後のシートの重量を測定した。シート熱処理前の重量(S1)は4gであり、熱処理後の重量(S2)は3.9gであり、重量減少率は2.5重量%であった。乾燥後のシートにカバーフィルムIをシート面に積層したところ、20枚中20枚ともシートに問題無く積層することができた。なお、カバーフィルム設置不良率は、カバーフィルム設置枚数に対する不良数の発生割合であり、カバーフィルムの設置不良数をカバーフィルム設置枚数で除して求める。
カバーフィルムIを積層後、カバーフィルムI上にマスクを置いて、250mJ/cm2の紫外線を照射して、カバーフィルムIをシート面から剥離した。カバーフィルムIは20枚中20枚とも問題なく剥離することができた。なお、カバーフィルム剥離不良率は、カバーフィルム剥離枚数に対する不良数の発生割合であり、カバーフィルムの剥離不良数を、カバーフィルムを剥離した枚数で除して求める。
その後、現像工程を経てシート上にビアホールパターンを形成した。ビアホールパターンは、80μm径、80μmピッチパターン(以下ビアホールパターン1という)、80μm径、160μmピッチパターン(以下ビアホールパターン2という)共に20枚中20枚とも問題なく作製することができた。なお、ビアホールパターン1加工率はビアホールパターン1が問題なく加工できた枚数をビアホールパターン1の露光現像を行ったシート枚数で除して求める。同様に、ビアホールパターン2加工率はビアホールパターン2が問題なく加工できた枚数をビアホールパターン2の露光現像を行ったシート枚数で除して求める。
積層工程を経て、多層シートを離型層Iで挟んで荷重焼成した結果、焼成後の多層基板の反りは全く生じなかった。カバーフィルムI積層後の感光性セラミックスグリーンシートを、2週間気温25℃、湿度50%雰囲気中で放置して、露光現像した結果、ビアホールパターン1は20枚中20枚とも問題なく作製することができた。
実施例2〜20
表1に示された組成比等に基づき、その他は実施例1と同様にして感光性グリーンシートを作製、評価した。その結果を表1に示す。なお、実施例17〜20は、表1に記載の乾燥条件で有機溶媒を除去した。
表1に示された組成比等に基づき、その他は実施例1と同様にして感光性グリーンシートを作製、評価した。その結果を表1に示す。なお、実施例17〜20は、表1に記載の乾燥条件で有機溶媒を除去した。
比較例1
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムを積層せずに、シートの上に直接マスクを置いて250mJ/cm2の紫外線を照射後、現像工程を経てシート上にビアホールパターンを形成した。ビアホールパターン1は20枚中16枚が作製できず、ビアホールパターン2は6枚中1枚20枚中4枚が作製できなかった。ビアホールパターン1加工率は20%、ビアホールパターン2加工率は80%であった。なお、積層工程を経て、多層シートを離型層Iで挟んで荷重焼成した結果、焼成後の多層基板の反りは全く生じなかった。
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムを積層せずに、シートの上に直接マスクを置いて250mJ/cm2の紫外線を照射後、現像工程を経てシート上にビアホールパターンを形成した。ビアホールパターン1は20枚中16枚が作製できず、ビアホールパターン2は6枚中1枚20枚中4枚が作製できなかった。ビアホールパターン1加工率は20%、ビアホールパターン2加工率は80%であった。なお、積層工程を経て、多層シートを離型層Iで挟んで荷重焼成した結果、焼成後の多層基板の反りは全く生じなかった。
乾燥後の感光性セラミックスグリーンシートを、2週間気温25℃、湿度50%雰囲気中で放置して露光現像した結果、ビアホールパターン1は20枚中20枚とも作製できず、ビアホールパターン1加工率は0%であった。
比較例2
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムXIをシート面に積層したところ、20枚中20枚とも問題なくカバーフィルムを積層することができ、カバーフィルム設置不良率は、0%であった。
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムXIをシート面に積層したところ、20枚中20枚とも問題なくカバーフィルムを積層することができ、カバーフィルム設置不良率は、0%であった。
カバーフィルムXIを積層後、カバーフィルムXI上にマスクを置いて、250mJ/cm2の紫外線を照射して、カバーフィルムXIをシート面から剥離した。カバーフィルムIは20枚中20枚とも問題なく剥離することができた。現像工程を経てシート上にビアホールパターンを形成した。ビアホールパターン1は、20枚中12枚が作製できず、ビアホールパターン2は20枚中8枚が作製できなかった。積層工程を経て、多層シートを離型層Iを挟んで荷重焼成した結果、焼成後の多層基板の反りは全く生じなかった。
カバーフィルムXI積層後の感光性セラミックスグリーンシートを、2週間気温25℃、湿度50%雰囲気中で放置して露光現像した結果、ビアホールパターン1は20枚中12枚が作製できなかった。
比較例3
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムXIIをシート面に積層したところ、20枚中20枚とも問題なくカバーフィルムを積層することができ、カバーフィルム設置不良率は、0%であった。
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムXIIをシート面に積層したところ、20枚中20枚とも問題なくカバーフィルムを積層することができ、カバーフィルム設置不良率は、0%であった。
カバーフィルムXIIを積層後、カバーフィルムXII上にマスクを置いて、250mJ/cm2の紫外線を照射して、カバーフィルムXIIをシート面から剥離した。カバーフィルムXIIは20枚中20枚とも問題なく剥離することができた。現像工程を経てシート上にビアホールパターンを形成した。ビアホールパターン1は、20枚中12枚が作製できず、ビアホールパターン2は20枚中8枚が作製できなかった。積層工程を経て、多層シートを離型層Iを挟んで荷重焼成した結果、焼成後の多層基板の反りは全く生じなかった。
カバーフィルムXII積層後の感光性セラミックスグリーンシートを、2週間気温25℃、湿度50%雰囲気中で放置して露光現像した結果、ビアホールパターン1は20枚中12枚が作製できなかった。
比較例4
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムXIIIをシート面に積層したところ、20枚中20枚ともカバーフィルムがテンションをかけた際に破れてしまい積層できず、カバーフィルム設置不良率は100%であった。
表1に示すように、実施例1と同じ成分を用いて感光性セラミックスグリーンシートを作製した。乾燥後のシートにカバーフィルムXIIIをシート面に積層したところ、20枚中20枚ともカバーフィルムがテンションをかけた際に破れてしまい積層できず、カバーフィルム設置不良率は100%であった。
乾燥後のシートの上に直接マスクを置いて250mJ/cm2の紫外線を照射後、現像工程を得てシート上にビアホールパターンを形成した。ビアホールパターンは20枚中16枚が作製できず、ビアホールパターンは20枚中4枚が作製できなかった。なお、積層工程を経て、多層シートを離型層Iで挟んで荷重焼成した結果、焼成後の多層基板の反りは全く生じなかった。
乾燥後の前記感光性セラミックスグリーンシートを、2週間気温25℃、湿度50%雰囲気中で放置して露光現像した結果、ビアホールパターン1加工は20枚中20枚とも作製できなかった。
Claims (4)
- 感光性有機成分と無機粉末とを含有する感光性セラミックス組成物が支持体上に形成された支持体付感光性セラミックスグリーンシートに、透過率が90〜100%で、かつ厚さが2〜20μmのカバーフィルムが設置されている支持体付感光性セラミックスグリーンシート。
- カバーフィルムの表面粗さRaが0.001〜0.1μmである請求項1記載の支持体付感光性セラミックスグリーンシート。
- 感光性セラミックスグリーンシートを100℃で90分間熱処理したときの重量減少率が1〜10重量%である請求項1記載の支持体付感光性セラミックスグリーンシート。
- 請求項1記載の支持体付感光性セラミックスグリーンシートのカバーフィルム上から活性光線を照射し、感光性セラミックスグリーンシートにパターンを形成する工程を有する感光性セラミックスグリーンシートの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2006015938A JP2007199231A (ja) | 2006-01-25 | 2006-01-25 | 支持体付感光性セラミックスグリーンシート及び感光性セラミックスグリーンシートの製造方法 |
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JP7274019B1 (ja) | 2022-03-31 | 2023-05-15 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 感光性ガラス組成物とその利用 |
-
2006
- 2006-01-25 JP JP2006015938A patent/JP2007199231A/ja active Pending
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