JP2006062075A - 表面被覆切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備えるものであって、該被膜は、該基材上の最外層となるものであり、かつ圧縮応力を有しており、該圧縮応力は、上記被膜の厚み方向に強度分布を有するように変化しており、該強度分布は、上記被膜の表面の圧縮応力が上記被膜の表面から、上記被膜の表面と上記被膜の底面との間に位置する第1の中間点まで連続的に減少し、該第1の中間点において極小点を有するとともに、該第1の中間点から、該第1の中間点と上記被膜の底面との間に位置する第2の中間点まで連続的に増加し、該第2の中間点において極大点を有することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
図1に示したように、本発明の表面被覆切削工具1は、基材2と、該基材上に形成された被膜3とを備えた構成を有している。なお、図1では、被膜3が基材2表面に直接接するように形成されているが、被膜3が最外層となる限り被膜3と基材2との間には後述するように任意の中間層が形成されていても差し支えない。本願において基材上に形成された被膜という場合は、このように任意の中間層が形成された場合も含むものとする。
本発明の表面被覆切削工具に用いられる基材は、この種の用途の基材として従来公知のものであればいずれのものも使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなど)、立方晶型窒化硼素焼結体、またはダイヤモンド焼結体のいずれかであることが好ましい。
本発明の被膜は、上記の基材上に形成されるものであって最外層となるものである。このように形成されている限り、必ずしも上記基材を全面に亘って被覆している必要はなく、上記基材の表面に該被膜が形成されていない部分や後述の圧縮応力の強度分布を満たさない部分が含まれていても差し支えない。なお、被膜を一旦形成した後において、任意の後加工によりその被膜の表面の一部が除去される場合に、それが除去された後に新たに最表面に露出した層についても本発明の圧縮応力の強度分布を満たす被膜となる場合には本発明に含まれる。また、後述のように基材と被膜との間に中間層が形成されている場合において、その被膜が任意の後加工により除去されて中間層が最外層として露出する場合にも、その露出部分の該中間層が本発明の圧縮応力の強度分布を満たす被膜となる場合には本発明に含まれる(この場合、該中間層が複数の層で形成されている場合には、その複数の層のうち最外層(最表面となる層)が本発明の対象の被膜となる)。
本発明の被膜の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。その厚みが0.1μm未満では、被膜の形成による諸特性の向上効果が十分に得られなくなることがあり、10μmを超えると被膜自体が容易に剥離することがあるからである。
本発明の被膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、物理的蒸着法(PVD法)により形成することが好ましい。このように物理的蒸着法を採用することより、強度分布が形成されるように被膜の圧縮応力を容易に変化させることができるからである。
本発明の被膜は、圧縮応力を有している。そして、該圧縮応力は−15GPa以上0GPa以下の範囲の応力であることが好ましい。より好ましくは、その下限を−10GPa、さらに好ましくは−8GPaである。また、その上限は、より好ましくは−0.5GPaであり、さらに好ましくは−1GPaである。
本発明の被膜の上記圧縮応力は、上記被膜の厚み方向に強度分布を有するように変化している。ここで被膜の厚み方向とは、被膜の表面から被膜の底面(該被膜は基材上の最外層となるためその最外層の最も基材側の面)に向かう方向であって、被膜の表面に対して垂直となる方向である。図1の被膜3の部分の拡大断面図である図2を用いてより具体的に説明すれば、被膜の厚み方向とは、被膜の表面4から被膜の底面6に向かう矢印7で示される方向である。なお、矢印7は、便宜上、被膜の表面4から被膜の底面6に向かう方向で示されているが、被膜の表面に対して垂直となる方向である限りこの上下方向を限定する必要はなく、被膜の底面6から被膜の表面4に向かうものであってもよい。
本発明の表面被覆切削工具においては、図5に示すように上記基材2と上記被膜3との間に任意の中間層8を形成することができる。このような中間層8は、通常耐摩耗性を向上させたり、基材と被膜との密着性を向上させたりする特性を有するものであり、1層または複数層として形成することができる。なお、この場合、上記被膜の底面6は、被膜3と中間層8とが接する面となる。
<表面被覆切削工具の作製>
まず、表面被覆切削工具の基材として、以下の表1に示す材質と工具形状(後述の各特性の評価方法により異なる)を有する切削用刃先交換型チップを用意し、これをカソードアークイオンプレーティング装置に装着した。
<表面被覆切削工具の作製>
まず、表面被覆切削工具の基材としては、実施例1〜6において用いたものと同じものを用いた。そして、この基材をカソードアークイオンプレーティング装置に装着した。
上記で作製した実施例1〜10および比較例1〜2の表面被覆切削工具のそれぞれについて、上記の表1に示す条件による湿式(水溶性エマルジョン)の連続切削試験および断続切削試験を行なった。そして、刃先の逃げ面摩耗幅が0.2mmを超える時間を切削時間として測定した。
上記で作製した実施例1〜10および比較例1〜2の表面被覆切削工具のそれぞれについて、以下に示す条件で靭性の評価試験を行なった。
Claims (8)
- 基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
前記被膜は、前記基材上の最外層となるものであり、かつ圧縮応力を有しており、
前記圧縮応力は、前記被膜の厚み方向に強度分布を有するように変化しており、
前記強度分布は、前記被膜の表面の圧縮応力が前記被膜の表面から、前記被膜の表面と前記被膜の底面との間に位置する第1の中間点まで連続的に減少し、前記第1の中間点において極小点を有するとともに、前記第1の中間点から、前記第1の中間点と前記被膜の底面との間に位置する第2の中間点まで連続的に増加し、前記第2の中間点において極大点を有することを特徴とする、表面被覆切削工具。 - 前記圧縮応力は、−15GPa以上0GPa以下の範囲の応力であることを特徴とする、請求項1記載の表面被覆切削工具。
- 前記第1の中間点は、前記被膜の表面から、前記被膜の厚みの0.1%以上50%以下の距離を有して位置することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
- 前記第2の中間点は、前記被膜の表面から、前記被膜の厚みの0.2%以上95%以下の距離を有して位置することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
- 前記圧縮応力は、前記被膜の表面において最大となることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
- 前記圧縮応力は、前記第1の中間点において前記被膜の表面の圧縮応力の20〜90%の値を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
- 前記圧縮応力は、前記第1の中間点において前記被膜の表面の圧縮応力の40〜80%の値を有することを特徴とする、請求項6記載の表面被覆切削工具。
- 前記圧縮応力は、前記被膜の表面の圧縮応力が前記被膜の表面から前記第1の中間点の方向に向かって一定の距離の間維持された後、前記第1の中間点まで連続的に減少することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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