JP2006061928A - 半田ペーストおよび半田接合方法 - Google Patents

半田ペーストおよび半田接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正常な半田接合部を形成して十分な半田接合強度を確保することができる半田ペーストおよびこの半田ペーストを用いた半田接合方法を提供すること。
【解決手段】電子部品4の端子4aを基板1の電極2に半田接合する半田接合方法において、熱硬化性樹脂および熱可塑性の固形樹脂を含み且つ固形樹脂の軟化温度が熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上となるように構成された熱硬化型フラックスに半田を混入した半田ペースト3を電極2に先塗りし、電子部品4を搭載した後のリフロー過程において半田を溶融させるとともに、熱硬化性樹脂を固形樹脂の液化に先行して硬化させ、その後常温に戻すことにより一旦液化した固形樹脂および半田を固化させる。これにより、電極2と端子4aとの間に半田接合部を形成するとともに、硬化した熱硬化性樹脂と冷却によって固化した固形樹脂より成る樹脂補強部によって半田接合部を覆って補強する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を基板に半田接合するために用いられる半田ペーストおよびこの半田ペーストを用いた半田接合方法に関するものである。
電子部品を基板に実装する方法として、半田接合による方法が広く用いられている。実装される電子部品がファインピッチ部品で半田接合部の半田量が小さい場合や、使用される半田接合材料自体の強度が低く十分な接合強度を確保することが難しい場合には、半田接合部を補強樹脂によって補強する半田接合方法が採用される。
補強樹脂としてはエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が使用される場合が多いが、この補強樹脂を硬化させるためのキュア工程を半田接合のためのリフロー工程と同一工程で行うことができれば工程簡略化を図ることができ好都合である。このため、電子部品の基板への実装において電子部品搭載に先立って補強樹脂を形成する熱硬化性樹脂を含む接合材料を予め実装位置に塗布するいわゆる「樹脂先塗り」が採用される場合があり、このような工法において使用される半田接合材料として、熱硬化性樹脂を含有した熱硬化型フラックスや、熱硬化型フラックスに半田粉末を予め混入した半田ペーストが提案されている(例えば特許文献1参照)。このような半田ペーストを用いることにより、別途半田材料を供給することなく、同一工程で電極間の半田接合と補強樹脂の形成が同時に行えるという優れた利点がある。
特開2001−219294号公報
しかしながら上述の熱硬化型フラックスに半田を混入した半田ペーストには、リフロー過程において溶融半田を所望の形態で流動させることが難しいことに起因して、十分な接合強度を与える正常な半田接合部を形成することが難しいという問題点があった。すなわち、リフロー過程においては半田接合のための加熱により半田ペースト中の半田が溶融するとともに、熱硬化性樹脂の熱硬化反応が同時並行的に進行する。
このとき熱硬化型フラックスの硬化が遅延すると、フラックス成分の流動により溶融半田が当初供給された接合部位から離散したまま固化して半田ボールを形成する不具合や、隣接電極間の距離が狭隘な場合にはこのような半田ボールが電極間を短絡する不具合が生じる場合があり、正常な半田接合部が形成されずに十分な半田接合強度の確保が難しいという問題点があった。
そこで本発明は、正常な半田接合部を形成して十分な半田接合強度を確保することができる半田ペーストおよびこの半田ペーストを用いた半田接合方法を提供することを目的とする。
本発明の半田ペーストは、電子部品を基板に半田接合により実装するために用いられる半田ペーストであって、半田の粒子を含む金属成分と、熱硬化性樹脂および常温において固体であり加熱により液状に変化する性質を有する固形樹脂とを含有し半田酸化膜を除去する活性作用を備えた熱硬化型フラックスとを含み、前記固形樹脂の軟化温度が前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上である。
本発明の半田接合方法は、電子部品の接続用電極を基板の回路電極に半田接合する半田接合方法であって、半田の粒子を含む金属成分と、熱硬化性樹脂および常温において固体であり加熱により液状に変化する性質を有する固形樹脂を含有し半田酸化膜を除去する活性作用を備えた熱硬化型フラックスとを含み、前記固形樹脂の軟化温度が前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上である半田ペーストを、前記回路電極と前記接続用電極との間に介在させる工程と、前記基板を加熱して半田を溶融させるとともに、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させながら前記固形樹脂を液状に変化させる加熱工程と、前記基板を常温に戻すことにより前記固形樹脂および半田を固化させる固化工程とを含む。
本発明によれば、半田を含む粒子状の金属成分と、熱硬化性樹脂および常温において固体であり加熱により液状に変化する性質を有する固形樹脂を含有し半田酸化膜を除去する活性作用を備えた熱硬化型フラックスとを含み、固形樹脂の軟化温度が前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上である構成の半田ペーストを採用することにより、リフロー過程における樹脂硬化の遅延を防止することができ、半田ボールの発生などの不具合を排除し正常な半田接合部を形成して十分な半田接合強度を確保することができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の半田接合方法による電子部品実装方法の工程説明図、図2は本発明の一実施の形態の半田接合構造の断面図、図3は従来の半田ペーストを用いた半田接合方法における不具合例の説明図である。
まず図1を参照して電子部品実装方法について説明する。この電子部品実装方法は、電子部品の接続用電極を基板に形成された回路電極に半田接合することにより電子部品を基板に実装するものである。
図1(a)において、基板1には回路電極2(以下、単に「電極2」と略記する)が形成されている。電極2には、基板1に実装される電子部品の接続用電極がそれぞれ半田接合により接続される。電子部品の搭載に先立って、まず図1(b)に示すように、電極2の上面には半田ペースト3が塗布される。半田ペースト3の塗布には、スクリーン印刷やディスペンサによって塗布する方法などが用いられる。
ここで電子部品を基板に半田接合により実装するために用いられる半田ペースト3について説明する。半田ペースト3は、半田の粒子を含む金属成分と、熱硬化性樹脂および常温において固体であり加熱により液状に変化する性質を有する固形樹脂を含有し半田酸化膜を除去する活性作用を備えた熱硬化型フラックスとを含む組成になっている。ここで半田としては、鉛成分を含まないいわゆる鉛フリー半田が採用されており、実装対象の基板や電子部品の特性に応じて、2種類の半田を使い分けるようにしている。
すなわち、比較的高温域での加熱が許容されるような対象には、Sn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系の半田(液相線温度220℃)が選定され、また加熱温度を極力低く設定することが望まれるような対象には、Sn(錫)−Bi(ビスマス)系の半田(液相線温度139℃)が選定される。なおSn−Bi系の半田にAg(銀)を1wt%〜3wt%の配合比で加えることにより、半田強度を向上させることができる。そしてこれらの半田は、粒子状のものが半田ペースト中に70wt%〜92wt%の範囲の配合比で含有される。
なお、金属成分として、半田の粒子以外に、Ag(銀)、パラジウム(Pd)、Au(金)などの金属を箔状にした金属粉を、0.5wt%〜10wt%の配合比で混入するこ
とにより、半田接合性を向上させることができる。すなわち上述の金属は、使用される半田の融点よりも高温の融点を有し、大気中で酸化膜を生成せず、且つ半田の粒子が溶融した流動状態の半田が表面に沿って濡れやすい材質であることから、リフローによる半田接合過程において、これらの金属粉が核となって溶融半田を凝集させて半田の濡れ性を向上させるという効果を有している。
また熱硬化性樹脂および固形樹脂としては、固形樹脂の軟化温度が、熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上となるような組み合わせが選定される。このような組み合わせを選定することにより、後述するように、リフロー過程において熱硬化性樹脂の熱硬化が遅延することによる不具合、例えば半田ボールの発生などの接合形状不良を防止することができる。
次いで基板1にはチップ型の電子部品4が搭載される。すなわち、図1(c)に示すように、電子部品4の両端部に設けられた接続用電極である端子4aを電極2に位置合わせして半田ペースト3に端子4aを着地させる。これにより、電子部品4は半田ペースト3の粘着力によって仮止め固定される。この後、電子部品4が搭載された基板1はリフロー装置に送られ、ここで半田ペースト3中の半田の液相線温度以上に加熱される。この加熱により、図1(d)に示すように、半田ペースト3中の半田を溶融させるとともに、半田ペースト3中の熱硬化性樹脂の硬化反応を促進し、同時並行的に固形樹脂を液状に変化させる。
そしてこの後、基板1をリフロー装置から取り出して基板1を常温に戻すことにより、半田ペースト3中の固形樹脂および溶融した半田を固化させる。これにより、電子部品4では溶融した半田が電極2と端子4aとを連結したフィレット形状の半田接合部5a(図2参照)が形成される。これにより、半田ペースト3を用い、電子部品4の接続用電極である端子4aと基板1の電極2を半田接合して成る半田接合構造5が形成される。
この半田溶融時において、半田ペースト3に含まれる熱硬化型フラックス中の固形樹脂が液状に変化することにより、熱硬化型フラックスは半田溶融温度に加熱された状態においても流動性を失わず、溶融半田のセルフアライメント現象を阻害することがない。そして、この半田接合過程が完了した後には、熱硬化型フラックスは熱硬化性樹脂が熱硬化を完了することによる硬化とともに、加熱によって一旦液状化した固形樹脂が常温に冷却されて再び固化することによって完全な固体状態となり、電極2上面の半田接合部5aを覆って補強する樹脂補強部5bとして機能する。
この半田接合構造5は、図2に示すように、半田ペースト3を電極2と端子4aとの間に介在させた状態で基板1を加熱して半田を溶融させ次いで冷却することにより電極2と端子4aとの間に形成された半田接合部5aと、半田接合部5aの表面を覆って形成され加熱によって硬化した熱硬化性樹脂と冷却によって固化した固形樹脂より成る樹脂補強部5bとを備えた構成となっている。
そして上述の半田接合方法は、上述成分組成の半田ペースト3を電極2と端子4aとの間に介在させる工程と、基板1を加熱して半田を溶融させるとともに、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させながら固形樹脂を液状に変化させる加熱工程と、基板1を常温に戻すことにより固形樹脂および半田を固化させる固化工程とを含む形態となっている。
そしてこの半田接合方法を用いることにより、従来の半田ペーストを用いて同様の電子部品14を半田接合した場合に発生しやすい接合不良を防止することができる。たとえば図3(a)は、Sn−Bi系鉛フリー半田の粒子を、リフロー過程において熱硬化型フラックスの硬化が遅延する傾向にあるタイプの熱硬化型フラックスに混入した半田ペーストを用いて、端子14aを電極12に半田接合した場合の半田接合構造を示している。
ここで示す半田接合例では、半田の溶融タイミングと熱硬化型フラックスの硬化特性の相関により、健全な形状の半田フィレットを形成することが難しく、十分な接合強度が確保されない場合が多い。すなわち電極12と端子14aとの間に供給された半田の大部分は、リフロー過程において凝集しないまま半田ボール15cとなって流動状態のフラックス成分15cとともに離散する傾向にあり、半田接合部15aは半田量に乏しく且つ不規則な形状となりやすい。そしてこのような不具合が、図3(b)に示すように、隣接電極間の距離が狭隘な場合に生じると、発生した複数の半田ボール15cが電極12相互を短絡する不具合を招く場合がある。
このような半田接合例を対象とする場合にあっても、本発明に示すように、熱硬化型フラックス中に可塑剤である固形樹脂を含み、固形樹脂の軟化温度が熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上であるような半田ペーストを用いることにより、次のような効果を得る。すなわち固形樹脂の軟化温度が熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上であるような半田ペーストは、リフロー過程において可塑剤の軟化に先行して熱硬化性樹脂の硬化が開始するため、フラックス成分が過剰に流動する状態が発生しない。したがって、フラックス成分の流動に随行する形で溶融半田が分散する事態が生じることがなく、溶融半田は接合対象部位で凝集して健全な形状の半田接合部を形成することができる。
更にリフロー後においては、熱硬化した熱硬化性樹脂と冷却されることによって固化した可塑剤とが相溶状態のまま固体となった樹脂補強部が半田接合部を覆って形成されるため、脆くて接合強度に劣る低融点型の鉛フリー半田を使用した場合においても、半田接合部は樹脂補強部によって補強され、接合信頼性を確保することができる。
ここで、半田ペースト3の成分組成の詳細例について説明する。半田ペースト3は前述のように半田の粒子を熱硬化性フラックスに混入した構成となっている。本実施の形態において熱硬化型フラックスは、基本組成として、熱硬化性樹脂であるエポキシを成分とする主剤、この主剤を熱硬化させる硬化剤および硬化促進剤、半田の酸化膜を除去する活性剤、熱可塑性の固形樹脂より成る可塑剤および溶剤を含んだ構成となっている。
次に上記基本組成における各成分の種類および配合比を説明する。まず主剤としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(30wt%〜40wt%)、硬化剤として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(30wt%〜40wt%)、硬化促進剤として、2−フェニル4−メチル5−ヒドロキシメチルイミダゾール(5wt%〜10wt%)、活性剤として、m−ヒドロキシ安息香酸(3wt%〜10wt%)、可塑剤として、高重合ロジン(3wt%〜20wt%)、そして溶剤として、ブチルカルビトール(0wt%〜5wt%)をそれぞれ含有している。
ここで熱硬化性樹脂の硬化開始温度は140℃以下であり、可塑剤(固形樹脂)として用いられている高重合ロジンの軟化温度は140℃であることから、この配合例においては、固形樹脂の軟化温度が熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上となるような組み合わせが実現されている。
なお上述の各成分として、以下の物質が代替物質として選択可能である。まず、主剤として、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂に替えて、3,4エポキシシクロヘキセニルメチル−3,’4’エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビスフェノールF型エポキシ樹脂またはビスフェノールA型エポキシ樹脂が選択可能である。また硬化剤として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸に替えて、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が、そして活性剤として、m−ヒドロキシ安息香酸に替えて、メサコン酸が、溶剤として、ブチルカルビトールに替えてメチルカルビトールを選択することが可能である。上述各成分の配合
比は、前述の基本配合例に示す数値と同じである。また硬化剤として用いられる酸無水物は、それ自体で酸化膜を除去する活性作用を有していることから、活性剤の配合を省略してもよい。
なお、熱硬化性樹脂としては、主剤としてエポキシ系以外にも、アクリル系、ウレタン系、フェノール系、尿素系、メラミン系、不飽和ポリエステル系、アミン系、ケイ素系のいずれか1つを含む材質を選定することができる。そして可塑剤として用いられる固形樹脂としては、テルペン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、非結晶性ロジン、イミド樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン、ポリイミド、脂肪酸誘導体から選ばれた少なくとも1つが熱硬化性樹脂中に混入される。
これらの固形樹脂を選定する際に、主剤の成分との関連で主剤に対して相溶性を有する固形樹脂を選定することにより、固形樹脂を主剤中に混入させる際に、気化性のガス分を含む溶剤を使用することなく流動性を備えた液状の樹脂を実現することが可能となる。これにより、溶剤から気化するガスによるリフロー装置内へのガス成分の付着や工場内の作業環境の汚染など、溶剤使用による環境負荷を低減することが可能となっている。
更に低融点型の鉛フリー半田であるSn−Bi系の半田を用いることにより、以下に詳述するような優れた効果を得る。近年環境保護の要請から、電子機器製造業界においては鉛フリー半田の使用が主流になっているが、一般に用いられているSN−Ag−Cu系の半田は液相線温度220℃であり、従来主に用いられていたSnPb共晶半田の液相線温度と比較して高温であるため、対象とする基板や部品によっては適用が困難であった。
これに対し、Sn−Bi系の半田は液相線温度139℃であることから、耐熱温度が低い性質を有する部品(例えばCCD素子やアルミ電解コンデンサなど)への適用が望まれている。ところがSn−Bi系の半田は機械的に脆い強度特性を有している上に、前述のようにリフロー過程において健全な形状の半田接合部を形成することが難しく接合信頼性に難点があるため、従来は適用可能範囲が限られていた。
本実施の形態においては、このような特性を有するSn−Bi系の半田を、可塑剤を含む熱硬化型フラックス中に混入した半田ペーストとして用いることにより、適用可能範囲を大幅に拡大することが可能となっている。すなわちこのような構成の半田ペースト3を採用し、さらに熱硬化性樹脂の硬化開始温度と可塑剤としての固形樹脂の軟化開始温度との相対関係を適切に設定することにより、前述のようにリフロー過程におけるフラックス成分の流動特性を、良好な半田接合部形成に望ましい特性にすることができる。
これにより、溶融半田の凝集がフラックス成分によって阻害される程度が少なく、より健全な形状の半田接合部を形成することが可能となっている。さらに形成された半田接合部は硬化した熱硬化性樹脂および固化した可塑剤よりなる樹脂補強部によって覆われて補強されることから、Sn−Bi系の半田の強度特性に由来する強度不足を樹脂補強部によって補うことができ、接合信頼性が向上する。
このように低融点型の鉛フリー半田であるSn−Bi系の半田の実用化を可能とする接合工法を確保することにより、前述のように低耐熱温度の基板や部品への適用を拡大するとともに、加熱温度を低く設定できることによる副次的効果、すなわち予熱ステージ数の減少によるリフロー装置の小型化や消費電力量の削減が可能となる。
また加熱上限温度の制約から、従来より低温での半田接合が必須とされる場合に採用された高コストの接合工法、例えば銀粉を樹脂接着剤中に含有させたAgペーストを用いる
方法や、基板全体を加熱することなくレーザ、ソフトビームなどで局所加熱して半田接合を行う個別接合工法を採用する必要がなくなり、高価な資材・装置の使用を不要として、製造コスト低減を図ることができる。
更に、液相線温度が従来のSnPb共晶半田の液相線温度(183℃)と比較して大幅に低いことから、従来は採用が不可能とされた低耐熱性の材質、例えば紙フェノールなどの安価な材質を基板に使用することができ、BTレジンなどの高価な基板材料の使用を不要として、材料コスト低減を図ることができる。
上記説明したように、本実施の形態に示す半田接合方法では、補強樹脂を形成する熱硬化性樹脂を含む接合材料を予め実装位置に塗布するいわゆる「樹脂先塗り」を採用する接合工法において、半田の粒子を含む金属成分と、前述組成の熱硬化型フラックスであって、固形樹脂の軟化温度が熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上であるような構成の半田ペーストを採用している。これにより、リフロー工程の半田溶融過程における熱硬化性樹脂の熱硬化の遅延を防止することができ、半田ボールの発生などの不具合を排除し正常な半田接合部を形成して十分な半田接合強度を確保することができる。
本発明の半田ペーストおよび半田接合方法ならびに半田接合構造は、正常な半田接合部を形成して十分な半田接合強度を確保することができるという効果を有し、電子部品を基板に半田接合により実装する用途に利用可能である。
本発明の一実施の形態の半田接合方法による電子部品実装方法の工程説明図 本発明の一実施の形態の半田接合構造の断面図 従来の半田ペーストを用いた半田接合方法における不具合例の説明図
符号の説明
1 基板
2 電極
3 半田ペースト
4 電子部品
4a 端子
5 半田接合構造
5a 半田接合部
5b 樹脂補強部

Claims (5)

  1. 電子部品を基板に半田接合により実装するために用いられる半田ペーストであって、半田の粒子を含む金属成分と、熱硬化性樹脂および常温において固体であり加熱により液状に変化する性質を有する固形樹脂を含有し半田酸化膜を除去する活性作用を備えた熱硬化型フラックスとを含み、前記固形樹脂の軟化温度が前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上であることを特徴とする半田ペースト。
  2. 前記半田は、錫およびビスマスを含むことを特徴とする請求項1記載の半田ペースト。
  3. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、フェノール系、尿素系、メラミン系、不飽和ポリエステル系、アミン系、ケイ素系のいずれか1つを含む主剤と、この主剤を熱硬化させる硬化剤とを含み、前記固形樹脂が、テルペン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、非結晶性ロジン、イミド樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン、ポリイミド、脂肪酸誘導体から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の半田ペースト。
  4. 前記主剤に対して相溶性を有する固形樹脂が選ばれることを特徴とする請求項3記載の半田ペースト。
  5. 電子部品の接続用電極を基板の回路電極に半田接合する半田接合方法であって、半田の粒子を含む金属成分と、熱硬化性樹脂および常温において固体であり加熱により液状に変化する性質を有する固形樹脂を含有し半田酸化膜を除去する活性作用を備えた熱硬化型フラックスとを含み、前記固形樹脂の軟化温度が前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上である半田ペーストを、前記回路電極と前記接続用電極との間に介在させる工程と、前記基板を加熱して半田を溶融させるとともに、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させながら前記固形樹脂を液状に変化させる加熱工程と、前記基板を常温に戻すことにより前記固形樹脂および半田を固化させる固化工程とを含むことを特徴とする半田接合方法。
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