JP2006061070A - グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの溶解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを水に溶解する際、粘度を発現せずサラサラの溶液となり、更には、該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し冷却することにより、物性面で大きく変化させることなく、増粘・ゲル化し、所望のゾル状或いはゲル状食品となる製法を提供する。
【解決手段】グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンを共存させた状態で溶解する。また、高度分岐環状デキストリンを含む溶液にグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを添加配合するか、またはグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンとを同時に水溶液に配合することにより調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘度を発現せずにグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解する方法に関する。詳細には、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの、溶解時の粘度の発現を抑制し、加熱溶解後はグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの本来の性質であるゲル化性・増粘性を発揮する、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの取扱い性及び操作性に優れた溶解方法に関する。
ゲル化剤、増粘剤などを添加して、ゲル状或いは増粘食品を製造する際には、水などの溶媒を、各種原料の溶解温度以上(例えば80℃以上)の水中で加熱攪拌溶解することにより完全溶解させてから、各工程を経て食品を調製する方法が採られている。原料を溶解する際、各種原料の溶解温度以上の温度(例えば80℃以上)に加熱した水に原料を投入するのではなく、常温の水に原料を投入し、加熱しながら攪拌溶解し、溶解温度以上まで加温する方法が一般的である。
グルコマンナンは、水との親和性に優れ、保水性が高く、天然の水溶性多糖類の中では粘性の高い多糖類である。通常、グルコマンナンを食品に添加する場合、常温の水に膨潤させた後加熱して溶解するが、膨潤時に粘度が高くなりすぎて、他の原料と均一に混合することができなかったり、また、最終製品中にグルコマンナンのゲル、即ち、コンニャクゲルの塊が生じたりすることがあった。
また、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガムなどのガラクトマンナン類も、増粘安定剤として単独或いは各種多糖類と組み合わせて使用されているが、これらを水に投入した場合、粘度が高くなることがある。
このように、低い温度の溶媒にグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを投入すると、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの粉末粒子が急激に水を吸い込み膨潤又は溶解することで、攪拌不可能な粘度が発生することが問題になっており、その解決方法が検討されている。
この問題を解決する方法として、グルコマンナンについては、例えば、グルコマンナンに、マルトデキストリン、グァールガム水解物、イヌリンおよびその組み合わせからなる群より選ばれてなる減粘化合物を含有する組成物(特許文献1)が、最初は低粘度、続いて最終的には高粘度が必要となる系に使用できることが記載されている。しかし、最終的に高い粘性を付与するためには添加量を多く必要とし、また、食感が変わってしまうという欠点があった。
また、ガラクトマンナンについては、例えば、カラギナンと併用してコプロセス(共処理化)するなどの方法で溶解性を改善する方法については検討されている(特許文献2、特許文献3)。しかし、本方法で溶解温度は低下するものの、溶解温度よりも低い温度時に投入すると、非常に高粘度になる問題は解決されていない。
更には、ゲル化剤や増粘剤などの糊料を水に溶解する加熱工程は、実際の製造においては、熱効率や生産性の点から、可能な限り糊料の高濃度溶液を作成し、加熱溶解後、調合中で希釈する方法や、溶解温度以下で糊料の分散液(未溶解状態)を作成し、UHT殺菌機等の熱交換器を通すことにより加熱溶解する方法も取られている。しかしながら、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンは、溶解温度以下の溶媒に添加すると粉体が水を吸い膨潤状態となるため、攪拌不可能な状態となり食品の製造に支障をきたすという問題点がある。このため、前述の高濃度の溶液を作成する方法や、分散溶液を調製し熱交換器で溶解する等の生産効率を高めた製造方法を行うことが難しい状況であった。
このため、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの優れたゲル化性や増粘性を有しているにかかわらず、実際の製造においてこの様な制約があるため、効率的な生産が不可能であった。これらのことから最終的なゲル化性や増粘性などの物性には影響を与えず、且つ、製造工程中で粘度発現することなく溶解する調製方法が求められていた。
特表2002−543808号公報 特開2001−261703号公報 特開平1−247049号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの溶解方法に関し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には影響を与えず、且つ、製造工程中で粘度発現することなく、取扱い性及び操作性に優れた方法で溶解する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを水に溶解する際、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナン及び高度分岐環状デキストリンを共存させた状態で溶解することにより、当該溶液が粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、当該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し、冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されず、所望のゲル状・増粘食品を調製することができることを見出した。
本発明により、製造工程中において、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを水に溶解する際、粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されず、所望のゾル状或いはゲル状食品に効果を発揮するようになった。
本発明は、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナン及び高度分岐環状デキストリンを共存させた状態で溶解する、粘度を発現せずにグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解する方法に関する。
本発明で使用するグルコマンナンは、コンニャク芋に含まれる多糖類であり、D−グルコースとD−マンノースがほぼ、1:1.6のモル比で、β−1,4結合により多数結合した複合多糖類(難消化性多糖類)であり、その分子量は約100万〜200万である。
本発明で使用するガラクトマンナンは、マンノースの高分子化合物であるマンナンにガラクトースが結合している多糖類であり、β−1,4マンノースを主鎖に、側鎖としてガラクトースがα−1,6結合しているものである。ガラクトマンナン類としては、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガムを挙げることができる。
グルコマンナン、ガラクトマンナンも商業的に入手可能である。例えば、グルコマンナンの製剤として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップ[商標]D−2131、ガラクトマンナンの製剤として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のローカストビーンガムF(ローカストビーンガム含有製剤)、ビストップ[商標]D−2022(グァーガム含有製剤)、ビストップ[商標]D−2101(タラガム含有製剤)を挙げることができる。
本発明で使用する高度分岐環状デキストリンは、分子内に環状構造を有した澱粉分解物であり、少なくとも14個のα−1,4−グルコシド結合により構成される環状構造を分子内に1つ有するグルカン及び/又は内分岐環状構造部分と外分岐環状構造部分とを有し、重合度が50以上であることを特徴とする。前者(少なくとも14個のα−1,4−グルコシド結合により構成される環状構造を分子内に1つ有するグルカン)は、特許第3150266号に示されているグルカンであり、澱粉にD酵素(EC2.4.1.25)を作用させα−1,4−グルカン環状化反応によって製造したものである。後者(内分岐環状構造部分と外分岐環状構造部分とを有し、重合度が50以上である)は特許第3107358号に示されているグルカンであり、澱粉にD酵素、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、枝作り酵素の1種以上を作用させて製造したものである。
このような分子内に環状構造を有する高度分岐環状デキストリンは、従来の澱粉加水分解物とは異なり、加水分解ではなく、転移酵素によって澱粉を分子内糖転移反応により低分子化して製造されたものであるため、還元末端が極めて少なくDE値は1以下である。本発明で使用する高度分岐環状デキストリンは、商業上入手可能であり、例えば、江崎グリコ株式会社製のクラスターデキストリンを挙げることができる。
本発明の溶解方法は、高度分岐環状デキストリンの配合割合として、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解する溶媒に対して、高度分岐環状デキストリンを0.1〜15重量%、好ましくは、1.5〜6重量%、更に好ましくは、2〜3重量%を使用すると良い。
本発明では、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンを共存させた状態で溶解することを特徴とする、溶解時には加熱攪拌を行うが、条件としては、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの水への溶解温度である80℃以上で溶解すると良く、80〜130℃、数秒〜30分間程度の条件を挙げることができる。なお、本発明では、例えば20〜30℃程度の室温の水にグルコマンナン及び/又はガラクトマンナン及び高度分岐環状デキストリンを共存させた状態として、室温から80℃以上の温度まで加温し、溶解することも可能である。よって、加熱タンクなどを使用せず、室温の水に増粘・ゲル化剤を分散させた状態(未溶解の状態)でプレートヒーターなどに通して加熱攪拌溶解させても、膨潤が起こらず、粘度を発現せずにグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解することができる。更には、溶解したグルコマンナン及び/又はガラクトマンナン含有溶液を、冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されない、所望のゾル状或いはゲル状食品が調製できる。
本発明は、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンを共存させた状態で溶解することにより、粘性を発現せずにグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解する方法であるが、高度分岐環状デキストリンを含む溶液にグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを添加配合するか、またはグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンとを同時に水溶液に配合することにより調製することができる。
更には、本発明はグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと高度分岐環状デキストリンを配合することを特徴とする、溶解性が改善されたゲル化剤製剤、安定剤製剤などの糊料製剤に関する。当該糊料製剤の配合割合は、糊料製剤の溶解濃度により異なり、糊料製剤中に任意に設定することができる。例えば、高度分岐環状デキストリンの配合割合は、糊料製剤を溶解する溶媒に対して、0.1〜15重量%、好ましくは、1.5〜6重量%、更に好ましくは、2〜3重量%となるように糊料製剤に配合することを例示できる。なお、高度分岐環状デキストリンの割合が多くなればなるほど、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンの溶解時の粘度発現を抑えることができるが、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解する溶媒中、高度分岐環状デキストリンとして15%より多く添加しても、これ以上の粘度発現抑制の向上効果は見られず、逆に食品系で風味への影響が出るため好ましくない。
更に、本発明の当該糊料製剤はグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと高度分岐環状デキストリンを配合することを特徴とするが、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限度で、他に任意の成分を配合することもできる。他の食品添加物、例えば、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナン以外の増粘・ゲル化剤、例えば、カラギナン、カシアガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工・未化工でん粉(生でん粉)など:ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類:スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料:エリスリトール、キシリトール、マルチトールなどの糖アルコール:ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類;鉄、カルシウム、マグネシウム等の各種ミネラル類:香料:着色料:調味料:酸化防止剤:日持向上剤:保存料;α、βアミラーゼ、α、βグルコシダ−ゼ、パパイン等の酵素;クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン、ポリソルベート等の乳化剤等を添加することができる。
なお、本発明に悪影響を及ぼす多糖類としては、キサンタンガムを挙げることができる。例えば、キサンタンガムを50重量%以上含む、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナン配合増粘・ゲル化剤製剤は、本発明の溶解時の粘度低下効果は見られない。よって、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンに、キサンタンガムを併用する場合には、キサンタンガムの添加量を、キサンタンガムによる悪影響を与えない限度に調整することが望ましい。
本発明の方法や本発明の糊料製剤を使用することにより製造時粘性を発現せずにグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解できる性質を利用して、各種食品を調製することができる。例えば、アイスクリーム類、氷菓、飲料、プリン、ムース、ババロア、ゼリー、杏仁豆腐、くずきり、水ようかん、くず餅風デザート等が例示される。
なお、これらの食品には、前記糊料成分の他に、食品の分野で広く用いられている糖類、香料、中和剤、カラメル、乳化剤、食塩、食用油脂、安定剤、酸化防止剤、保存料、色素、酸味料などが含まれていてもよい。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り、「部」は「重量部」を示すものとし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。また、本実施例では、高度分岐環状デキストリンとして、江崎グリコ株式会社製のクラスターデキストリンを使用した。
実験例1
20℃の水を攪拌しながら砂糖、多糖類及び高度分岐環状デキストリンの粉体混合物を加えて、20℃で10分間攪拌後の粘度を測定した。結果を表1に示す。なお、粘度の測定は、B型回転粘度計((株)トキメック製)を用いて60rpmで行った。
Figure 2006061070
表1より、実施例1〜5において、高度分岐環状デキストリン(クラスターデキストリン)を添加することにより、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを水に添加した際の膨潤による粘度低下が有意に抑制された。なお、ローカストビーンガムとκ−カラギナンを併用した場合(実施例5)には、本発明の粘度低下効果が認められるが、ローカストビーンガムとキサンタンガムを併用した場合(比較例2)では、粘度低下効果は認められなかった。
実験例2
(1)粘度の測定
下記表2に掲げる処方のうち、25℃の水を攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤(ゲルアップ※WG-100*、ローカストビーンガム11%、カラギナン24%、キサンタンガム11%、ジェランガム5.5%、配合)及びデキストリンを加え、25℃10分間攪拌した後、25℃時の分散溶液の粘度(を測定した。結果を表2に示す。粘度の測定は、B型回転粘度計((株)トキメック製)を用いて60rpmで行った。
なお、実施例のデキストリンは、高度分岐環状デキストリンとして江崎グリコ株式会社製のクラスターデキストリンを使用し、比較例のデキストリンは一般的なマルトデキストリンとして、日本エヌ・エス・シー株式会社製のデキストリンNSD-Cを使用した。
Figure 2006061070
(2)ゼリーの調製
下記表3に掲げる処方のうち、25℃の水を攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤及びデキストリンの粉体混合物を加え、加温し80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁及びクエン酸を加えて、蒸発水を補正し、容器充填後85℃30分間加熱殺菌を行い、水冷してオレンジゼリーを調製した。
出来上がったオレンジゼリーについて、ゼリー強度及び破断強度を測定した。レオメーター(SUN RHEO METER COMPAC-100:株式会社サン科学製)を用い、ゲル強度は調製したゲルの表面から4mm押した時の応力(ブルーム)を測定し、破断強度は、ゲルを破断するまでに与えた応力(g/cm)を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2006061070
Figure 2006061070
表4より、ローカストビーンガムを含むゲル化剤にデキストリンNSD−Cを添加した際の粘度は、添加量が増すにつれて増大する。しかし、高度分岐環状デキストリンを添加した系は、常温時には固形分の含量が上がっているにもかかわらず分散溶液の粘度が低下することが判った。
更に、オレンジゼリーについては、デキストリンの添加量にかかわらず、3%迄添加しても最終的なゼリーの食感が変わらないので、常温で攪拌困難な際、高度分岐環状デキストリンを添加して攪拌すると、効果的に粘度を低くでき、作業性が向上することが判る。
実施例9:グルコマンナン添加飲料
下記表5に掲げる処方のうち、水(室温)と果糖ブドウ糖液糖及び高度分岐環状デキストリンを混合した液に、砂糖、増粘剤、クエン酸三ナトリウムの混合物を加え、80℃まで加熱し10分間攪拌溶解後、レモン透明果汁、ミカンさのう、50%W/Vクエン酸(無水)溶液を加え、全量調整し、93℃まで加熱し、香料を添加混合した後ホットパックして、グルコマンナン飲料を得た(pH3.6)。得られたオレンジ飲料は適度な粘度があるが、製造中には増粘することなく良好な作業性であった。
Figure 2006061070
実施例11:和風ゼリー
下記表6に掲げる処方のうち、室温の水と生あんにグラニュー糖、ゲル化剤及び高分岐環状デキストリンの粉体混合物を添加後、80℃まで加熱し10分間攪拌溶解した後、香料を添加し、全量を補正し、カップに適当量充填後、冷却固化させて和風ゼリーを調製した。
Figure 2006061070
得られた和風ゼリーは、もちの様な弾力性のある良好な食感であったが、製造時、溶液の状態では増粘することなく良好な作業性であった。
実施例12:ピーチゼリー
下記表7に掲げる処方のうち、水に攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤及び高分岐環状デキストリンの粉体混合物を添加し、80℃まで加熱後10分間攪拌溶解して、白桃ピューレ、クエン酸及び香料を添加後、蒸発水を補正し、容器充填し、80℃30分間湯浴中で殺菌後、水冷固化させて、ピーチゼリーを調製した(pH3.7)。
Figure 2006061070
得られたピーチゼリーは、弾力性のある良好な食感であったが、製造時、溶液の状態では増粘することなく良好な作業性であった。
実施例13:コンニャクゼリー(グレープ)
下記表8に掲げる処方のうち、水に攪拌機で攪拌しながら、砂糖、クエン酸三ナトリウム、ゲル化剤及び高分岐環状デキストリンの粉体混合物を添加し、室温(約25℃)で10分間攪拌した後、80℃まで加熱後10分間攪拌溶解して、果汁、クエン酸、香料及び色素を添加後、蒸発水を補正し、容器充填し、80℃30分間湯浴中で殺菌後、水冷固化させて、コンニャクゼリーを調製した(pH3.9)。
Figure 2006061070
得られたコンニャクゼリーは、コンニャクの持つ弾力性のある良好な食感であったが、製造時、溶液の状態では増粘することなく良好な作業性であった。
実施例14:バニララクトアイス
水に、攪拌機で攪拌しながら、香料を除く下記表9に掲げる原料を加えて、85℃まで加温し、10分間攪拌溶解させて後、パドルミキサーを使用して10分間混合予備乳化を行った。その後、高圧ホモゲナイザーを用いて1.47×10Paの条件で乳化を行った。得られた乳化物を85℃まで加温し、殺菌した後、5℃まで冷却し、そのまま保温して一昼夜エージングを行った。その後、得られたアイスクリームミックスに香料を添加し、オーバーラン(70%)に達するまで攪拌し、その後急速凍結(−35℃)して、バニララクトアイスを調製した。
Figure 2006061070
得られたラクトアイスは良好な食感であったが、製造時、溶液の状態では増粘することなく良好な作業性であった。
本発明により、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解温度より低い温度の水に溶解する際、粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し冷却することにより、物性面で大きく変化させることなく、増粘・ゲル化し、所望のゲル状・増粘食品ができる。

Claims (3)

  1. グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンを共存させた状態で溶解することを特徴とする、粘度を発現せずにグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを溶解する方法。
  2. 高度分岐環状デキストリンを含む溶液にグルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを添加配合するか、または高度分岐環状デキストリンと、グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンを同時に水溶液に配合することにより調製される、請求項1の記載の方法。
  3. グルコマンナン及び/又はガラクトマンナンと、高度分岐環状デキストリンを配合することを特徴とする、溶解性が改善された糊料製剤。






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