JP3481580B2 - 弾性食品組成物及びその製造方法 - Google Patents
弾性食品組成物及びその製造方法Info
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Description
関する。より詳細には、本発明は温度変化に強く高温
(40℃以上)でも手にべた付かず、保型性が良好で、
粘弾性に富んだ弾性食品組成物に関する。また本発明は
上記弾性食品組成物の製造方法に関する。より詳細に
は、本発明は高温、短時間で乾燥処理することも可能と
なった弾性食品組成物の製造方法に関する。
品組成物を製造する方法として、ゲル化剤にゼラチンを
用いたグミキャンディーなどが種々検討されており、グ
ミキャンディーにおいては、上市されているのはほとん
どがゼラチンを用いたものである。しかし、ゼラチンを
用いたグミキャンディーは、温度変化に弱く、夏場の車
中といった40℃以上の高温条件下において、グミキャ
ンディーが手にべとついたり、また、保型性が欠けた
り、粘弾性が劣るという問題点があった。
は、製造時、スターチモールドなどの型に充填後、ゲル
が出来上がる(ゲルがセットする)までに、1〜3日と
いう長時間の工程を要するという問題点があった。
に鑑みて開発されたものであり、温度変化に強く、40
℃以上の高温でも出来上がった食品組成物が手にべとつ
かず、保型性が良好で、粘弾性に富んだ弾性食品組成物
を提供すること、及び該弾性食品組成物を短時間(12
時間以内)に容易に製造できることを目的とする。
技術の問題点に鑑み、弾性食品組成物に使用するゲル化
剤に特に注目して、鋭意研究を重ねていたところ、水可
溶性のカラギナンを用いることにより、温度変化に強
く、粘弾性に富み、更には手にべとつかない弾性食品組
成物ができることを見つけた。また、水可溶性のカラギ
ナンを用いることにより、弾性食品組成物の製造工程が
短時間(12時間以内)となり、容易となることも見出
した。
れたものである。 項1.下記(1)〜(4): (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する (2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル化し
ない (3) ι−タイプ単独、κ−タイプ単独、またはこれら2
種の組み合わせからなる (4) カルシウムイオンを0.1重量%以下の割合で含有
するの性質を有する水可溶性カラギナンを含有する こと
を特徴とする、水分含量10〜40重量%の弾性食品組
成物。 項2.水可溶性カラギナンを1.0〜4.0重量%の割
合で含有する項1に記載の弾性食品組成物。 項3.水溶性固形分が60〜90重量%である項1また
は2に記載の弾性食品組成物。 項4.ゲル強度がブルーム値として35〜240である
ことを特徴とする項1乃至3のいずれかに記載の弾性食
品組成物。 項5.水可溶性カラギナンと少なくとも甘味料を含む食
品原料を混合して水に溶解する工程、該溶液を加熱し煮
詰める工程、煮詰めた溶液を型に充填する工程、及び該
成型された弾性食品組成物を乾燥する工程を有し、該乾
燥工程が15〜70℃の条件で行われることを特徴とす
る項1乃至4のいずれかに記載の弾性食品組成物の調製
方法。 項6.型に充填する煮詰め液の水溶性固形分が55〜8
0重量%であることを特徴とする項5記載の弾性食品組
成物の調製方法。 項7.乾燥を弾性食品組成物の水溶性固形分が60〜9
0重量%となるまで行うことを特徴とする、項5または
6に記載の弾性食品組成物の調製方法。
を用いることを特徴とした弾性食品組成物及びその製造
方法に関するものである。
含量が10〜40重量%、好ましくは、15〜25重量
%のゼリー状或いは餅状の粘弾性が付与された食品をい
う。具体的には、グミゼリー、グミキャンディー、ゼリ
ービーンズ等のグミ食品をはじめとする洋菓子、もち
類、だんご等の和菓子等が該当するが、特にグミ食品と
して好適に用いられる。また、本発明の弾性食品組成物
は、酸性から弱アルカリ性の幅広い食品に適応すること
が出来る。
は、水に混合し、必要により泡立て器などの任意の攪拌
手段を用いて攪拌することにより、水に完全に溶解する
性質を有するものである。本発明でいう水可溶性カラギ
ナンは、上記性質を有するものであれば特に制限され
ず、いずれも使用可能であるが、下記の性質を有するも
のであることが好ましい。
なければ水に溶解しないものであるが、本発明で用いる
水可溶性カラギナンは少なくとも50℃以下の水に溶解
することができるものである。更には、5〜40℃、よ
り好ましくは、5〜30℃の水に溶解するものであるの
が好ましい。すなわち、本発明で用いられる水可溶性カ
ラギナンは、18〜25℃程度の通常の水温の水で溶解
することができることを特徴とするものである。
下でゲル化しない 従来公知の汎用カラギナンは、その1.5重量%水溶液
は25℃条件下でゲル化するものである。それに対し
て、本発明で用いる水可溶性カラギナンはその1.5重
量%水溶液の状態では25℃条件下でゲル化しないこと
を特徴とする。更に、好ましくは、25℃条件下、1.
8重量%水溶液状態でゲル化しないのがよく、最も好ま
しくは、2.5重量%水溶液でゲル化しないものであ
る。両者はこの点で明確に区別できるものである。具体
的には、1.5重量%水溶液の粘度が、BL型粘度計ロ
ーターNo.2((株)トキメック製)、回転数12rpm
の条件で測定した場合、25℃で4000mPa以下、
好ましくは1500mPa以下であるものであることが
望ましい。
れか、またはこれらの混合物である カラギナンには、通常ι−カラギナン、κ−カラギナン
及びλ−カラギナンの3タイプのカラギナンがある。本
発明で用いられるカラギナンとしては、ι−タイプ及び
κ−タイプを挙げることができる。なお、これらは1種
単独で本発明のカラギナンとして用いられてもよいし、
また2種以上を組み合わせて使用することもできる。好
ましくはι−タイプのカラギナンである。ι−タイプの
カラギナンを用いると最も粘弾性に富んだ柔らかい食感
となるからである。
の割合で含有する 本発明で用いる水可溶性カラギナンに含まれるカルシウ
ムイオンの割合は多くとも0.1重量%程度、好ましく
は0.05重量%以下であることを特徴とする。カルシ
ウムイオン含量が少ないほど、弾性食品組成物のゲル化
温度が低くなり、弾性食品組成物の製造時、調製溶液を
高温で保持する必要がなくなるため、攪拌、充填等の作
業性が向上するからである。
性質を有する水可溶性カラギナンは、商業的に入手でき
るものであり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会
社製のゲルリッチNo.1、ゲルリッチNo.3等が挙
げられる。
カラギナンの含有量であるが、粘弾性に富んだ柔らかい
食感を付与することや、得られた弾性食品の厚みを考慮
した場合、1.0〜4.0重量%、より好ましくは、
1.5〜3.0重量%、更に好ましくは、2.0〜2.
5重量%の割合で含有することが好ましい。
分は、60〜90%、より好ましくは、75〜85%で
ある。水溶性固形分がそれより低くなると、弾性食品組
成物の保存性及び保型性が悪くなり、また、高くなる
と、グミを調製する溶液が粘性を持つようになるため、
製造時の攪拌、充填等の作業性が悪くなるからである。
本発明で用いられる水溶性固形分としては、食品に用い
られる水溶性の固形分であれば特に制限はないが、後述
する弾性食品組成物に含有することが出来る甘味料を好
適に用いることができる。中でも、ショ糖、果糖ブドウ
糖液糖、麦芽水あめ、還元水あめ、ソルビトール、キシ
リトール、マルチトール、エリスリトール、パラチニッ
ト等の糖アルコール、トレハロース等といった、甘味を
有する水溶性固形分が好適に用いられる。
ゲル強度がブルーム値として35〜240、より好まし
くは、40〜100であることが好ましい。ブルーム値
がこれより低いと、弾性食品の保型性が悪くなりべとつ
くことがあり、また、これよりブルーム値が高いと固く
なり過ぎて、良好な粘弾性が得られなくなるからであ
る。ここで、ブルーム値とは、ゼラチン等のゲル組成物
のゲル強度をみる測定値として広く用いられているもの
で、本発明ではスチーブンス社製テクスチャーアナライ
ザーを用いて測定した。
性食品組成物にペクチン、寒天、タマリンド種子多糖
類、ジェランガム、マクロホモプシスガム、ローカスト
ビーンガム、キサンタンガム等の水溶性多糖類を含有し
ていてもよい。その際、当該食感改良剤としての水溶性
多糖類の添加量は、本発明の水可溶性カラギナンに対し
て5〜30重量%が適当である。
奏さない限りにおいて、甘味料、香料、色素、保存料、
酸化防止剤、ビタミン、ミネラル(カリウム、マグネシ
ウム、ナトリウム、カルシウム等)、サプリメント(プ
ロポリス、カテキン等)よりなる群から選択される少な
くとも1種を含有していてもよい。
れず従来甘味料として公知のものがいずれも使用でき
る。従来公知の甘味料としては、例えば、α-グルコシ
ルトランスフェラーゼ処理ステビア、α-サイクロデキ
ストリン、β-サイクロデキストリン、アスパルテー
ム、アセスルファムカリウム、N-アセチルグルコサミ
ン、アラビノース、アリテーム、イソトレハロース、イ
ソマルチトール、イソマルトオリゴ糖(イソマルトー
ス、イソマルトトリオース、パノース等)、エリスリト
ール、オリゴ-N-アセチルグルコサミン、ガラクトー
ス、ガラクトシルスクロース、ガラクトシルラクトー
ス、ガラクトピラノシル (β1-3) ガラクトピラノシル
(β1-4) グルコピラノース、ガラクトピラノシル (β1-
3) グルコピラノース、ガラクトピラノシル (β1-6) ガ
ラクトピラノシル (β1-4) グルコピラノース、ガラク
トピラノシル (β1-6) グルコピラノース、カンゾウ抽
出物(グリチルリチン)、キシリトール、キシリトー
ル、キシロース、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、
キシロビオース等)、グリセロール、グリチルリチン酸
三アンモニウム、グリチルリチン酸三カリウム、グリチ
ルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニ
ウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸
二ナトリウム、クルクリン、グルコース、ゲンチオオリ
ゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチ
オテトラオース等)、サッカリン、サッカリンナトリウ
ム、シクラメート、スクロース(ショ糖)、スクラロー
ス、スタキオース、ステビア抽出物、ステビア末、ズル
チン、ソルビトール、ソルボース、タウマチン(ソーマ
チン)、テアンデオリゴ、テアンデオリゴ糖、テンリョ
ウチャ抽出物、トレハルロース、トレハロース、ナイゼ
リアベリー抽出物、ニゲロオリゴ糖(ニゲロース等)、
ネオテーム、ネオトレハロース、ネオヘスペリジンジヒ
ドロカルコン、パラチニット、パラチノース、パラチノ
ースオリゴ糖、パラチノースシロップ、フコース、フラ
クトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、フラクト
シルトランスフェラーゼ処理ステビア、フラクトフラノ
シルニストース、ブラジルカンゾウ抽出物、フルクトー
ス、ポリデキストロース、マルチトール、マルトース、
マルトシル β-サイクロデキストリン、マルトテトライ
トール、マルトトリイトール、マルトオリゴ糖(マルト
トリオース、テトラオース、ペンタオース、ヘキサオー
ス、ヘプタオース等)、マンニトール、ミラクルフルー
ツ抽出物、メリビオース、ラカンカ抽出物、ラクチトー
ル、ラクチュロース、ラクトース、ラフィノース、ラム
ノース、リボース、異性化液糖、還元イソマルトオリゴ
糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元
麦芽糖水飴、還元水飴、酵素処理カンゾウ、酵素分解カ
ンゾウ、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)、大豆
オリゴ糖、転化糖、水飴及び蜂蜜等を挙げることができ
る。
あるが、水可溶性カラギナンと少なくとも甘味料を含む
食品原料を混合して水に溶解する工程、該溶液を加熱し
煮詰める工程、煮詰めた溶液を型に充填する工程、及び
該成型された弾性食品組成物を乾燥する工程を有し、該
乾燥工程が15〜70℃、30分〜24時間の条件で調
製される。なお、得られた弾性食品組成物の粘弾性が適
度に保ちつつ、乾燥工程の時間を短縮するために、好ま
しくは、40〜60℃で2〜12時間で乾燥を行うこと
ができる。
〜80重量%であり、また、乾燥工程を弾性食品組成物
の水溶性固形分が60〜90重量%となるまで行い、弾
性食品組成物の調製を行うことが好ましい。
温度変化に強く、特に40℃以上の高温で保持しても、
手にべた付かない、粘弾性に富んだ弾性食品組成物とな
った。また、本発明により、弾性食品組成物を60℃程
度の高温下で短時間(12時間以内)に乾燥処理するこ
とにより製造することも可能になった。
等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら
限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、
%は、重量%をいうものとし、文中*印は、三栄源エフ
・エフ・アイ株式会社製を示す。
秤量し、砂糖と水可溶性カラギナン及びペクチンの粉
体混合物を加え、混合、分散させる。 それに水を加え、砂
糖、本発明のカラギナンが溶解するまで煮沸させる。更
に、砂糖を加えて、水溶性固形分70%となるまで煮
詰める。煮詰め終了の少し手前でクエン酸三ナトリウム
を加え、溶解を確認する。続けて、果汁、クエン酸(結
晶)(50%W/V水溶液として)、香料、色素を混合
の後、型(スターチモールド等)に充填し、60℃で8
時間乾燥させて、水溶性固形分を70%から80%まで
上昇させ、グレープ風味及びピーチ風味のフルーツグミ
ゼリーを得た。
ープ風味)の処方において、カラギナンとペクチンの代
わりにアルカリゼラチン7部を用いてグミゼリーを調製
し、60℃で乾燥させたが、固まらなかった。また、常
温で2日間放置することで比較例のゼラチン使用のグミ
ゼリーが得られた。実施例及び比較例のグミゼリーを4
5℃の恒温器で5時間保存した結果、実施例のグミゼリ
ーはグミゼリーの保型性が保たれ、べとつき感もなかっ
たのに対し、比較例のグミゼリーは保型性が崩れ、べと
つきを生じ、商品価値が無くなった。
性カラギナンの粉体混合物を加え、均一に分散させた
後、水を加え加熱、沸騰させて水溶性固形分70%まで
煮詰める。コーヒーエキス、香料を加え、全体を均一に
混合後、型(カップ、スターチモールド等)に充填、6
0℃で8時間乾燥させて、水溶性固形分を70%から8
0%まで上昇させ、コーヒーグミゼリーを得た。得られ
たゼリーは、粘弾性に富み、高温でも手にべとつかない
ものとなった。
加え、均一に分散させた後、水を加え加熱、沸騰させて
約3分間加熱溶解し、クエン酸三ナトリウムを添加し
て、水溶性固形分70%になるまで煮詰める。香料、ク
エン酸(結晶)N(50%水溶液として)を加え、全体
を均一に混合後、型(カップ、スターチモールド等)に
充填、60℃で8時間乾燥させて、水溶性固形分を70
%から80%まで上昇させ、ノンシュガーグミキャンデ
ィーを得た。得られたグミキャンディーは、粘弾性に富
み、高温でも手にべとつかないものとなった。
均一に分散させた後、水を加え加熱、沸騰させて約3分
間加熱溶解後、グラニュー糖を加え、水溶性固形分80
%まで煮詰める。予め加熱溶解しておいた油脂、香料、
色素、乳化剤を加え、全体を均一に混合後、型(カッ
プ、スターチモールド等)に充填、25℃で15時間乾
燥させて、水溶性固形分を70%から80%まで上昇さ
せ、桜餅を得た。得られた桜餅は粘弾性に富み、高温で
も手にべとつかないものとなった。
Claims (7)
- 【請求項1】下記(1)〜(4): (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する (2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル化し
ない (3) ι−タイプ単独、κ−タイプ単独、またはこれら2
種の組み合わせからなる(4) カルシウムイオンを0.1
重量%以下の割合で含有するの性質を有する水可溶性カ
ラギナンを含有する ことを特徴とする、水分含量10〜
40重量%の弾性食品組成物。 - 【請求項2】水可溶性カラギナンを1.0〜4.0重量
%の割合で含有する請求項1に記載の弾性食品組成物。 - 【請求項3】水溶性固形分が60〜90重量%である請
求項1または2に記載の弾性食品組成物。 - 【請求項4】ゲル強度がブルーム値として35〜240
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
載の弾性食品組成物。 - 【請求項5】水可溶性カラギナンと少なくとも甘味料を
含む食品原料を混合して水に溶解する工程、該溶液を加
熱し煮詰める工程、煮詰めた溶液を型に充填する工程、
及び該成型された弾性食品組成物を乾燥する工程を有
し、該乾燥工程が15〜70℃の条件で行われることを
特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性食品
組成物の調製方法。 - 【請求項6】型に充填する煮詰め液の水溶性固形分が5
5〜80重量%であることを特徴とする請求項5記載の
弾性食品組成物の調製方法。 - 【請求項7】乾燥を弾性食品組成物の水溶性固形分が6
0〜90重量%となるまで行うことを特徴とする、請求
項5または6に記載の弾性食品組成物の調製方法。
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KR101128201B1 (ko) * | 2003-04-14 | 2012-03-23 | 에프엠씨 코포레이션 | 카파-2 카라기난을 함유하는 균질한 열가역성 젤 필름 및이로부터 제조된 연질 캡슐 |
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