JP2002171919A - 食用コーティング組成物及びそれを用いたコーティング方法 - Google Patents

食用コーティング組成物及びそれを用いたコーティング方法

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JP2002171919A
JP2002171919A JP2000367617A JP2000367617A JP2002171919A JP 2002171919 A JP2002171919 A JP 2002171919A JP 2000367617 A JP2000367617 A JP 2000367617A JP 2000367617 A JP2000367617 A JP 2000367617A JP 2002171919 A JP2002171919 A JP 2002171919A
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water
carrageenan
coating
soluble
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JP2000367617A
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Yasuhiro Mochizuki
保宏 望月
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San Ei Gen FFI Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーティング作業性、被膜性、外観(光沢、瑞
々しさ、艶感)及び食感(歯触り、舌触り)が良好で、
しかも形成された被膜が常温保存によっても液だれせず
保形性に優れた食用コーティング組成物を提供する。ま
た酸性食品の被覆にも使用できるコーティング組成物を
提供する。 【解決手段】コーティング用のゲル化剤として、(1) 少
なくとも50℃以下の水に溶解する、(2) その1.5重
量%水溶液が25℃条件下でゲル化しない、(3)ι−又
はκ−タイプ、または両者の混合物である、(4) カルシ
ウムイオンを0.1重量%以下の割合で含有する、のい
ずれか少なくとも1つの性質を有する水可溶性カラギナ
ンを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品の被覆に用いら
れる食用コーティング組成物に関する。より詳細には、
コーティング作業性、形成された被膜の外観(光沢、
艶、瑞々しさ)及び保形性に優れ、また食品のpHにか
かわらず広く食品に適用できるコーティング組成物に関
する。さらに本発明は、上記コーティング組成物を用い
た食品のコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、果物等のトッピング材や菓子
類などに光沢を与えて見栄えを良くしたり、保湿を目的
として、これら食品の表面をコーティング剤で被覆する
ことが行われている。コーティング方法としては、従来
よりゲル化剤を利用したゼリーコーティング法が主流で
ある。しかしながら、かかるゼリーコーティング法は、
被膜形成がゲル化剤のゲル化温度や融解温度に左右され
るため、その温度管理には注意を要し、微妙な温度差に
よってコーティング量が変化し均一な厚さを有する被膜
形成が困難であるとともに、被膜がずれ落ちやすい(液
だれ、保形性の欠如)等といった欠点がある。
【0003】例えば、従来から多く用いられているゼラ
チンを用いたコーティング剤は、ゼラチンの融解温度が
20〜30℃と比較的低温であることから、室温以上に
なると液だれ現象が生じて、冷蔵用食品にしか適用でき
ないといった問題がある。また、コーティング剤として
ゼラチンにカラギナン等の多糖類を配合した水溶液を用
いることも提案されているが(特開昭63-172773号公
報)、このものはpHがゼラチンの等電点近くかそれ以
下になるとゼラチンとカラギナンが反応してコーティン
グ剤が白濁するという問題があり、酸性の食品に適用で
きないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解消したコーティング剤を提供することを目的と
するものである。具体的には、本発明はコーティングの
作業性、被膜性、外観(光沢、瑞々しさ、艶感)及び食
感(歯触り、舌触り)が良好で、しかも形成された被膜
が常温保存によっても液だれせず保形性に優れたもので
ある食用コーティング組成物を提供することを目的とす
る。さらに本発明は、中性領域だけでなく酸性領域にお
いても使用可能にすることによってより多くの食品をコ
ーティングできる食用コーティング組成物を提供するこ
とを目的とする。さらに本発明は、上記食用コーティン
グ剤を用いることにより、作業性に優れたコーティング
方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、水可溶
性カラギナンの水溶液が比較的低い温度領域でゲル化し
光沢感のあるゼリーを形成し、しかも一旦固化した後は
比較的高い温度条件下にしても液化しにくいという性質
を有することを見出し、かかる性質が食用コーティング
剤として極めて適していることを確認した。すなわち、
上記水可溶性カラギナン水溶液によれば、25〜40℃
条件下でもゲル化しないため、比較的低い温度領域で対
象食品をコーティングでき、しかも形成された被膜は光
沢ある瑞々しさを有し、比較的高い温度条件下で保存し
ても液だれすることなく保形性に優れており室温保存が
可能であることを確認した。さらに上記水可溶性カラギ
ナンに加えてペクチンを用いることにより、液切れがよ
り改善されて一層コーティング作業性がよくなり、また
所望の食感に調整できることを見出した。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成されたものである。
【0006】すなわち、本発明は、下記項1〜9に掲げ
る食用コーティング組成物である: 項1.水可溶性カラギナンを含有する水溶液からなる食
用コーティング組成物。 項2.水可溶性カラギナンが、下記(1)〜(4): (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する (2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル化し
ない (3) ι−タイプまたはκ−タイプ、または両者の混合物
である (4) カルシウムイオンを0.1重量%以下の割合で含有
する のいずれか少なくとも1つの性質を有するものであるこ
とを特徴とする項1に記載の食用コーティング組成物。 項3.水可溶性カラギナンを0.1〜2重量%の割合で
含有する項1または2に記載の食用コーティング組成
物。 項4.さらにλ−カラギナンを含有する項1乃至3のい
ずれかに記載の食用コーティング組成物。 項5.さらに、食感改良剤を含有する項1乃至4のいず
れかに記載の食用コーティング組成物。 項6.食感改良剤がペクチンを含むものである項5に記
載の食用コーティング組成物。 項7.食感改良剤の配合割合が0.01〜5重量%であ
る項5又は6に記載の食用コーティング組成物。 項8.更に甘味料、着色料、着香料、酸味料及び調味料
よりなる群から選択されるいずれか少なくとも1種を含
有する水溶液からなるものである項1乃至7のいずれか
に記載の食用コーティング組成物。 項9.水溶性固形分が20〜80°である項8記載の食
用コーティング組成物。
【0007】また、本発明は上記項1乃至9のいずれか
に記載の食用コーティング組成物を用いて、対象の食品
を被覆することを特徴とする食品のコーティング方法で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の食用コーティング組成物
は水可溶性カラギナンを主成分として含有する水溶液か
らなるものである。
【0009】本発明で用いられる水可溶性カラギナンと
は、水に混合し、必要により泡立て器などの任意の攪拌
手段を用いて攪拌することにより、水に完全に溶解する
性質を有するものである。本発明でいう水可溶性カラギ
ナンは、上記性質を有するものであれば特に制限され
ず、いずれも使用可能であるが、下記の少なくとも1つ
の性質を有するものであることが好ましい。
【0010】(1) 少なくとも50℃以下の水に溶解す
る:従来公知の汎用カラギナンは、通常60℃以上に加
温しなければ水に溶解しないものであるが、本発明で用
いる水可溶性カラギナンは少なくとも50℃以下、より
詳細には5〜40℃、より好ましくは、5〜30℃の水
に溶解することができる。すなわち、本発明で用いられ
る水可溶性カラギナンによれば、18〜25℃程度の通
常の水温の水で溶解するため、極めて簡単に本発明のコ
ーティング組成物が調製できる。
【0011】(2) その1.5重量%水溶液が25℃条件
下でゲル化しない 従来公知の汎用カラギナンは、その1.5重量%水溶液
は25℃条件下でゲル化するものである。それに対し
て、本発明で用いる水可溶性カラギナンはその1.5重
量%水溶液の状態では25℃条件下でゲル化しないこと
を特徴とする。更に、好ましくは、25℃条件下、1.
8重量%水溶液状態でゲル化しないものがよく、最も好
ましくは、2.5重量%水溶液でゲル化しないものであ
る。両者はこの点で明確に区別できるものである。具体
的には、1.5重量%水溶液の粘度が、BL型粘度計ロ
ーターNo.2((株)トキメック製)、回転数12rpm
の条件で測定した場合、25℃で4000mPa以下、
好ましくは1500mPa以下であるものが望ましい。
【0012】(3) ι−タイプまたはκ−タイプ、または
両者の混合物である:本発明は水可溶性カラギナンとし
て、ι−タイプのカラギナンまたはκ−タイプのカラギ
ナンのいずれか少なくとも一方を用いることを特徴とす
るものである。好ましくはι−カラギナンである。ι−
カラギナンはカチオンを添加することにより、ゲル化す
る温度を調節しやすく、また、ゲル状組成物を食品に塗
布する作業性において、最も適度な粘度(5000〜8
000mPa・s)を付与することが出来るからであ
る。
【0013】ι−カラギナンは単独で用いても、またκ
−カラギナンと併用して用いることもできる。例えば、
カラギナンとしてι−カラギナン単独を用いて調製され
たコーティング組成物はゼリー状であり、これによると
対象物の被覆表面が硬いか柔らかいかに関わらず、ゼリ
ー状の被膜を形成することができる。
【0014】またカラギナンとしてι−カラギナンとκ
−カラギナンを併用して調製されたコーティング組成物
は上記と同様にゼリー状であるが、これによるとι−カ
ラギナン単独使用の場合よりも厚く固い被膜を形成する
ことができる。従って、ι−カラギナンとκ−カラギナ
ンとを併用する場合、それらの配合割合は形成される被
膜の厚さに応じて適宜選択使用することができる。制限
されないが、一例としてι−カラギナン:κ−カラギナ
ン=9:1〜5:5の範囲を挙げることができる。
【0015】(4) カルシウムイオンを0.1重量%以下
の割合で含有する:従来公知の汎用カラギナンに対し
て、本発明で用いる水可溶性カラギナンに含まれるカル
シウムイオンの割合は多くとも0.1重量%程度、好ま
しくは0.05重量%以下であることを特徴とするもの
である。
【0016】本発明においては、好ましくは上記(1)
の性質、より好ましくは上記(1)〜(4)の全ての性質を
有する水可溶性カラギナンを用いることが望ましい。
【0017】なお、本発明で用いられる上記の性質を有
する水可溶性カラギナンは、商業的に入手でき、例え
ば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルリッチN
O.3等が挙げられる。
【0018】本発明の食用コーティング組成物は、上記
水可溶性カラギナンを通常0.1〜2重量%、好ましく
は0.3〜1重量%、より好ましくは0.4〜0.7重
量%の範囲で含むように水、好ましくは蒸留水に溶解す
ることによって調製することができる。
【0019】水可溶性カラギナンの水への溶解は加温下
のもとで行うことが好ましい。具体的には40℃以上、
好ましくは50〜80℃の範囲で加熱溶解することがで
き、必要に応じて撹拌しながら溶解することもできる。
【0020】本発明の食用コーティング組成物は、上記
水可溶性カラギナンに加えてさらに通常用いられるλ−
カラギナンを配合することもできる。即ち、本発明の食
用コーティング組成物に用いられるカラギナンの組合せ
としては、ι−タイプの水可溶性カラギナンまたはκ−
タイプの水可溶性カラギナンのいずれか少なくとも1方
とλ−カラギナンとの組合せを挙げることができる。λ
−カラギナンの併用によってペースト状のコーティング
組成物が調製でき、これによって伸びが向上し、薄皮膜
化が可能となる。水可溶性カラギナンとλ−カラギナン
との配合割合は、形成される被膜の性状に応じて適宜選
択使用することができ、特に制限されるものではない
が、一例として水可溶性カラギナン:λ−カラギナン=
1:9〜3:7(重量比)の範囲を挙げることができ
る。
【0021】本発明の食用コーティング組成物は、さら
に食感改良剤を配合することができる。食感改良剤とし
て、ペクチン、寒天、ジェランガム、キサンタンガム、
ローカストビーンガム、グアガム、アラビアガム、ネイ
ティブジェランガム、グルコマンナン、タラガム、プル
ラン、タマリンド種子多糖類、トラガントガム、カラヤ
ガム、マクロホモプシスガム及びデキストリンからなる
群から選択される少なくとも1種を挙げることができ
る。その中でも、食感改良剤中にペクチンを含むものが
好ましい。ペクチンを配合することによって、水可溶性
カラギナン単独使用の場合のゼリーの糸引き現象を解消
することができ、また水可溶性カラギナンとペクチンを
併用することによって食感を所望のものに適宜調整する
ことができる。ペクチンは、高メトキシルペクチンであ
っても、低メトキシルペクチンであっても良いが、好ま
しくは、高メトキシルペクチンである。高メトキシルペ
クチンを用いた場合、高糖度でゲル化しにくいため、調
整したコーティング組成物の切れが良くなり、塗布しや
すくなるからである。
【0022】食感改良剤の配合割合としては、特に制限
されず、通常食用コーティング組成物100重量%あた
り0.01〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%で
ある。特に、ペクチンを使用する場合は、0.1〜0.8
重量%の範囲から適宜選択することができる。好ましく
は0.2〜0.6重量%、より好ましくは0.3〜0.
5重量%である。また、その他の食感改良剤の配合割合
の例として、ジェランガム、ネイティブジェランガムの
場合は0.02〜0.2重量%、デキストリンの場合は
0.5〜2%をあげることができる。
【0023】本発明の食用コーティング組成物は、上記
水可溶性カラギナンまたは水可溶性カラギナンとペクチ
ンに加えて、さらに甘味料を配合することもできる。コ
ーティング剤に甘味料を配合することによって、対象の
食品に甘味を付与することができるだけでなく、コーテ
ィング組成物中に水溶性固形分(可溶性固形分)を配合
することが出来る。それにより、該コーティング組成物
の離水を防止し、また、コーティング組成物の保存性も
向上させることが出来る。
【0024】なお、ここで甘味料としては、特に制限さ
れず従来甘味料として公知のものがいずれも使用でき
る。従来公知の甘味料としては、例えば、α-グルコシ
ルトランスフェラーゼ処理ステビア、α-サイクロデキ
ストリン、β-サイクロデキストリン、アスパルテー
ム、アセスルファムカリウム、N-アセチルグルコサミ
ン、アラビノース、アリテーム、イソトレハロース、イ
ソマルチトール、イソマルトオリゴ糖(イソマルトー
ス、イソマルトトリオース、パノース等)、エリスリト
ール、オリゴ-N-アセチルグルコサミン、ガラクトー
ス、ガラクトシルスクロース、ガラクトシルラクトー
ス、ガラクトピラノシル (β1-3) ガラクトピラノシル
(β1-4) グルコピラノース、ガラクトピラノシル (β1-
3) グルコピラノース、ガラクトピラノシル (β1-6) ガ
ラクトピラノシル (β1-4) グルコピラノース、ガラク
トピラノシル (β1-6) グルコピラノース、カンゾウ抽
出物(グリチルリチン)、キシリトール、キシリトー
ル、キシロース、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、
キシロビオース等)、グリセロール、グリチルリチン酸
三アンモニウム、グリチルリチン酸三カリウム、グリチ
ルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニ
ウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸
二ナトリウム、クルクリン、グルコース、ゲンチオオリ
ゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチ
オテトラオース等)、サッカリン、サッカリンナトリウ
ム、シクラメート、スクロース(ショ糖)、スクラロー
ス、スタキオース、ステビア抽出物、ステビア末、ズル
チン、ソルビトール、ソルボース、タウマチン(ソーマ
チン)、テアンデオリゴ、テアンデオリゴ糖、テンリョ
ウチャ抽出物、トレハルロース、トレハロース、ナイゼ
リアベリー抽出物、ニゲロオリゴ糖(ニゲロース等)、
ネオテーム、ネオトレハロース、ネオヘスペリジンジヒ
ドロカルコン、パラチニット、パラチノース、パラチノ
ースオリゴ糖、パラチノースシロップ、フコース、フラ
クトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、フラクト
シルトランスフェラーゼ処理ステビア、フラクトフラノ
シルニストース、ブラジルカンゾウ抽出物、フルクトー
ス、ポリデキストロース、マルチトール、マルトース、
マルトシル β-サイクロデキストリン、マルトテトライ
トール、マルトトリイトール、マルトオリゴ糖(マルト
トリオース、テトラオース、ペンタオース、ヘキサオー
ス、ヘプタオース等)、マンニトール、ミラクルフルー
ツ抽出物、メリビオース、ラカンカ抽出物、ラクチトー
ル、ラクチュロース、ラクトース、ラフィノース、ラム
ノース、リボース、異性化液糖、還元イソマルトオリゴ
糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元
麦芽糖水飴、還元水飴、酵素処理カンゾウ、酵素分解カ
ンゾウ、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)、大豆
オリゴ糖、転化糖、水飴及び蜂蜜等を挙げることができ
る。中でも好ましくは、スクロース(ショ糖)、果糖ブ
ドウ糖液糖もしくは水飴である。
【0025】甘味料の配合割合としては、特に制限され
ず、通常食用コーティング組成物の水溶性固形分(可溶
性固形分)が20〜80°となるような範囲から適宜選
択することができる。好ましくは40〜75°、より好
ましくは50〜70°である。これより、水溶性固形分
が少ないと、コーティングの付着性が悪くなり、また、
保存性の面からも好ましくない。また、これより多い
と、コーティング液の粘性がコーティング出来なくなる
ほどに上がるため好ましくない。
【0026】本発明の食用コーティング組成物は、対象
とする食品へのコーティング作業性の観点から、BL型
粘度計、ローターNo.4を使用し、回転数12rpm
の条件で測定した場合、25℃で3000〜12000
mPa・s、好ましくは5000〜8000mPa・sの粘度を有
するように調製されることが好ましい。このような粘度
を有するコーティング組成物は、配合される水可溶性カ
ラギナンの濃度を調節したり、また、必要に応じてペク
チンなどの食感改良剤の配合割合や水溶性固形分を適宜
調整することによって行うことができる。
【0027】また本発明で用いる水可溶性カラギナン
は、カルシウムイオン、カリウムイオン、ローカストビ
ーンガム等の上記カラギナンと反応性のあるガム類また
は乳由来のタンパク質の少なくとも1種を含む水溶液と
反応してゲル化する性質を有する。このことから、本発
明のコーティング組成物は上記水可溶性カラギナンに加
えて、これらカルシウムイオン、カリウムイオン、ガム
類または乳由来のタンパク質のいずれか少なくとも1種
を配合することによって、所望な粘度に、また所望なゲ
ル化温度に調整が可能である。例えば、水可溶性カラギ
ナンとしてι−カラギナン、κ−カラギナンまたはこれ
らの混合物を用いる場合は、上記成分を配合することに
よってゲル化温度が15〜60℃、好ましくは20〜4
0℃の範囲となるようにコーティング組成物を調製する
ことが望ましい。かかるコーティング組成物によればコ
ーティングの作業性がよく、また対象物に密着した被膜
を形成することができる。制限はされないが、具体的に
はコーティング組成物を上記ゲル化温度に設定するに
は、通常乳酸カルシウムを0.001〜0.02重量%
の割合で用いることによって達成できる。
【0028】さらに本発明の食用コーティング組成物
は、本発明の効果を損なわないことを限度として、各種
着色料、着香料、酸味料、調味料及び風味調製剤などを
含むことができ、これによって対象とする食品の表面に
所望の色、香り並びに味を均一に付与することができ
る。また、保存料、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル
(カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム
等)、サプリメント(プロポリス、カテキン等)よりな
る群から選択される少なくとも1種を含有していても良
い。
【0029】本発明の食用コーティング組成物は、食品
の表面を被覆することによって、食品に光沢や艶を与え
たり着色することによって見栄えをよくしたり、食品か
らの水分の蒸発を防止することによって食品素材の瑞々
しさを保持したり、食品に味や香りを付与したり、また
食品の食感(歯触り、口当たり)やフレーバーリリース
を改善することができる。
【0030】本発明の食用コーティング組成物が適用で
きる食品としては、特に制限されないが、例えばイチゴ
やメロンなどの果物(特に、デザートのトッピングされ
る果物)、ケーキ、クッキー、パン、クラッカー、煎
餅、ゼリー、ババロア、ブランマンジェ、プディング又
はムース等のデザート食品等を挙げることができる。な
お、本発明の食用コーティング組成物によれば、コーテ
ィングする食品のpHに制限されず、例えば、レモンや
梅干し等を含む食品のような酸性領域(pH2〜3)に
ある食品をも被覆対象とすることができる。
【0031】また本発明は上記食用コーティング組成物
を用いた食品のコーティング方法を提供する。
【0032】具体的には、本発明のコーティング方法
は、上記本発明の食用コーティング組成物に対象の食品
を浸漬するか、または本発明の食用コーティング組成物
を対象の食品に塗布もしくは噴霧することによって、実
施することができる。コーティングに用いるコーティン
グ組成物の温度は通常15〜60℃、好ましくは20〜
45℃、より好ましくは25〜35℃の範囲を挙げるこ
とができる。本発明の食用コーティング組成物は、かか
る温度範囲で3000〜12000mPa・s、好ましくは
5000〜8000mPa・sの粘度を有するため、容易に
コーティング作業を行うことができ、さらに食品表面に
所望の厚さ(例えば、0.1〜3mm)の被膜を均一に
形成することができる。食品に被覆されたコーティング
組成物は、次いで冷却されることによって固化し、透明
な光沢のある被膜を形成する。
【0033】冷却温度は、コーティング液がゲル化する
ような温度を挙げることができ、その限りにおいて0〜
45℃、好ましくは0〜25℃の範囲の温度を採用する
ことができる。固化に要する時間は、コーティング面積
並びに被膜の厚さや対象食品の種類等にもよって異な
り、一概に特定できないるが、通常2〜30分の範囲を
挙げることができる。
【0034】斯くして形成された被膜は、通常40〜5
5℃の条件下でも液化せず保形性を維持するため、常温
や室温保存することが可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。尚、本発明において部とは、特に記載し
ない限り重量部を意味するものとする。実施例1 :ゼリー状コーティング組成物 <処方> 水可溶性カラギナン 0.7 部 (ι−カラギナン:κ−カラギナン=5:2の割合で含
有) 果糖ブドウ糖液糖 42.0 砂糖 25.0 白ワイン 10.0 50% クエン酸溶液 0.4 クエン酸三ナトリウム 0.1乳酸カルシウム 0.05 清水にて全量 100.0 部 清水に対して、上記処方のうち砂糖半量、水可溶性カラ
ギナン、クエン酸三ナトリウム及び乳酸カルシウムの粉
体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解し
た。溶解後、残りの砂糖半量と果糖ブドウ糖液糖を添加
し、80℃で2分間撹拌溶解した。これに50%クエン
酸溶液、白ワインを添加し、清水にて全量が100重量
部となるように調整し、ゼリ状のコーティング組成物を
作成した(水溶性固形分55°)。これを25℃まで冷
却し、各種食品(ケーキ、クッキー、果物(イチゴ
等)、パン、クラッカーなど)の表面に刷毛にて塗布し
た。これによって、これらの食品の風味を損なうことな
く各種食品の表面に自然な艶を与えることができた。な
おここでは25℃の水に溶解し、2.5重量%水溶液が
25℃条件下でゲル化せず、またカルシウムイオンの含
有量が0.1重量%以下の水可溶性カラギナンを用い
た。
【0036】また、比較例として、水可溶性カラギナン
の代わりにゼラチン2部を用いた以外は実施例1と同様
の方法で、コーティング組成物を作成した。25℃のコ
ーティング液でケーキに塗布しようとしたが、ケーキに
染みこみコーティング出来なかった。また、このコーテ
ィング液でコーティングするためには温度を15℃まで
下げる必要があるが、15℃まで下げるとコーティング
液を均一に塗布することが出来なかった。またコーティ
ングしてから該コーティング液がゲル化するまではかな
り時間がかかり、上記コーティング液の冷却時間と合わ
せると、ゼラチンによるコーティングには時間を要する
ことがわかった。
【0037】実施例2 :ペースト状コーティング組成物 <処方> 水可溶性カラギナン 0.2 部 〔ι−カラギナン(ゲルリッチNo.3:三栄源エフ・エフ
・アイ(株))〕 λ−カラギナン 0.4 ペクチン 0.5 砂糖 21.0 ソルビトール 20.0 果糖ブドウ糖液糖 15.0 ブランデー 2.0 50% クエン酸溶液 0.4 クエン酸三ナトリウム 0.1乳酸カルシウム 0.05 清水にて全量 100.0 部 清水に対して、上記処方のうち砂糖半量、水可溶性カラ
ギナン、λ−カラギナン、ペクチン、乳酸カルシウム及
びクエン酸三ナトリウムの粉体混合物を添加し、80℃
で10分間加熱撹拌溶解した。溶解後、残りの砂糖半量
と果糖ブドウ糖液糖およびソルビトールを添加し、80
℃で2分間撹拌溶解した。これに50%クエン酸溶液、
ブランデーを添加し、清水にて全量が100重量部とな
るように調整し、ペースト状のコーティン組成物を作成
した(水溶性固形分49°)。これを25℃まで冷却
し、各種食品(ケーキ、クッキー、果物(イチゴ等)、
パン、クラッカーなど)の表面に刷毛にて塗布した。こ
の処方においても、これらの食品の風味を損なうことな
く各種食品の表面に自然な艶を与えることができた。
【0038】実施例3:ゼリー状コーティング組成物
(カロリーカットタイプ) 水可溶性カラギナン 0.8 部 (ι−カラギナン:κ−カラギナン=3:1の割合で含
有) ペクチン 0.2 還元水飴 86.0 スクラロース 0.014 50% クエン酸溶液 0.4 クエン酸三ナトリウム 0.1 色素 0.01 香料 0.1乳酸カルシウム 0.03 清水にて全量 100.00 部 清水に対して、上記処方のうち水可溶性カラギナン、ペ
クチン及びスクラロースを還元水飴に攪拌棒を使って手
早く分散し、少量の清水に溶解した乳酸カルシウム及び
クエン酸三ナトリウムを加えた後、80℃で10分間加
熱撹拌溶解した。溶解後、これに50%クエン酸溶液、
色素及び香料を添加し、清水にて全量が100重量部と
なるように調整し、ゼリー状のコーティング組成物を作
成した(水溶性固形分62°)。これを25℃まで冷却
し、各種食品(ケーキ、クッキー、果物(イチゴ等)、
パン、クラッカーなど)の表面に刷毛にて塗布した。こ
の処方においても、これらの食品の風味を損なうことな
く各種食品の表面に自然な艶を与えることができた。ま
た、砂糖を使用しない事から、ノンシュガータイプのコ
ーティング剤の作成が可能となった。なおここでは25
℃の水に溶解し、2.5重量%水溶液が25℃条件下で
ゲル化しないで、カルシウムイオンの含有量が0.1重
量%以下の水可溶性カラギナンを用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 105/00 105/00 A23L 1/04 Fターム(参考) 4B035 LG22 LG25 LK01 LK02 LK14 LK19 4B041 LD03 LE05 LH05 LH10 LP09 4B048 PE09 PN04 4D075 CA47 CB04 DA23 DA40 DB70 DC50 EA06 EA07 EB07 EB56 EC07 EC54 4J038 BA011 BA012 KA08 LA07 NA01 NA23 NA27 PB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水可溶性カラギナンを含有する水溶液から
    なる食用コーティング組成物。
  2. 【請求項2】水可溶性カラギナンが、下記(1)〜(4): (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する (2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル化し
    ない (3) ι−タイプまたはκ−タイプ、または両者の混合物
    である (4) カルシウムイオンを0.1重量%以下の割合で含有
    する のいずれか少なくとも1つの性質を有するものであるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の食用コーティング組
    成物。
  3. 【請求項3】水可溶性カラギナンを0.1〜2重量%の
    割合で含有する請求項1または2に記載の食用コーティ
    ング組成物。
  4. 【請求項4】さらにλ−カラギナンを含有する請求項1
    乃至3のいずれかに記載の食用コーティング組成物。
  5. 【請求項5】さらに、食感改良剤を含有する請求項1乃
    至4のいずれかに記載の食用コーティング組成物。
  6. 【請求項6】食感改良剤がペクチンを含むものである請
    求項5に記載の食用コーティング組成物。
  7. 【請求項7】食感改良剤の配合割合が0.01〜5重量
    %である請求項5又は6に記載の食用コーティング組成
    物。
  8. 【請求項8】更に甘味料、着色料、着香料、酸味料及び
    調味料よりなる群から選択されるいずれか少なくとも1
    種を含有する水溶液からなるものである請求項1乃至7
    のいずれかに記載の食用コーティング組成物。
  9. 【請求項9】水溶性固形分が20〜80°である請求項
    8記載の食用コーティング組成物。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載の食用
    コーティング組成物を用いて、対象の食品を被覆するこ
    とを特徴とする食品のコーティング方法。
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