JP2006060154A - 露光方法及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非走査方向のサイズが所定値未満のショットの露光際に非走査方向の傾斜制御を含む物体の面位置制御を行うことを可能にする。
【解決手段】露光対象のショットの非走査方向のサイズが所定値未満の場合に、第2モードが設定されている場合、走査方向を行方向としかつ走査方向を列方向とするマトリックス状の配置でウエハ上に設定される面位置検出用の複数の検出点(センサ)の中からショットの外部に位置する検出点(センサ)を少なくとも1つ含む前記マトリックスの異なる列にそれぞれ属する複数の検出点を選択する(ステップ302〜312)。そして、その選択された複数の検出点(センサ)における投影光学系の光軸方向に関するウエハの位置情報に基づいて、パターン転写時におけるウエハの面位置制御を実行する。
【選択図】図4
【解決手段】露光対象のショットの非走査方向のサイズが所定値未満の場合に、第2モードが設定されている場合、走査方向を行方向としかつ走査方向を列方向とするマトリックス状の配置でウエハ上に設定される面位置検出用の複数の検出点(センサ)の中からショットの外部に位置する検出点(センサ)を少なくとも1つ含む前記マトリックスの異なる列にそれぞれ属する複数の検出点を選択する(ステップ302〜312)。そして、その選択された複数の検出点(センサ)における投影光学系の光軸方向に関するウエハの位置情報に基づいて、パターン転写時におけるウエハの面位置制御を実行する。
【選択図】図4
Description
本発明は、露光方法及び露光装置に係り、さらに詳しくは半導体素子や液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程で使用される露光方法及び該露光方法の実施に好適な露光装置に関する。
従来より、半導体素子又は液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンを、投影光学系を介して表面にレジスト等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感光物体(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する投影露光装置が用いられている。
近年、この種の投影露光装置としては、特に生産性の面から、レチクルをスリット状の照明光により照明し、その照明光に対してレチクルを所定の走査方向に相対移動させるのと同期して、前記照明領域に共役な投影光学系の像面側の照明領域(露光領域とも呼ぶ)に対してウエハを相対移動させることにより、レチクル上に形成されたパターン(レチクルパターン)を投影光学系を介してウエハ上に逐次転写するスリットスキャン又はステップ・アンド・スキャン方式などの走査型投影露光装置が、主流となりつつある。
ウエハ表面は、例えばレジスト膜厚の不均一性や、ウエハのうねり等によって必ずしも平坦ではない。このため、走査型露光装置では、ウエハ上のあるショットにレチクルパターンを走査露光方式で転写する際に、前述の露光領域内にマトリックス状の配置で設定された多数の検出点におけるウエハ表面の投影光学系の光軸方向に関する位置情報(面位置情報)を多点焦点位置検出系(以下、「多点AF系」とも呼ぶ)を用いて検出し、その検出結果に基づいて、露光領域内でウエハ表面が常時投影光学系の像面に合致する(像面の焦点深度の範囲内となる)ように、ウエハが載置されたステージ(又はテーブル)の前記光軸方向の位置及び傾きを制御する、いわゆるフォーカス・レベリング制御が行われている。
また、特にDRAM等のメモリの製造過程における露光においては、回路パターンの微細化に伴い、露光エリアの有効利用及び生産性の向上を目的として、レチクルにチップパターンを複数配置し、1回の露光でウエハ上に複数のチップパターンを同時に転写する、いわゆる多チップ取りが行なわれている。かかる多チップ取りに際し、ウエハの外周縁近傍に位置し、いわゆる完全ショット領域(レチクルパターンの全てが転写されるショット領域)と形状の異なる、一部が欠けているいわゆる欠けショット領域に対しても露光を行ない、1枚のウエハからできるだけ多くのチップを得て、製品の歩留まりを向上させるような努力がなされている。
このため、近時においては、欠けショット領域の露光に際して、多点AF系のフォーカスセンサ(検出点)配置の列の自動シフト(列シフト)処理が行われるものがある(例えば特許文献1参照)。この列シフト処理とは、完全ショット領域に対応して定められている検出点から、そのショット領域の欠け具合に応じてフォーカス・レベリング制御に用いられる検出点をシフトする処理をいう。この列シフト処理によると、ウエハ周縁部の欠けショット領域に対しても可能な限りデフォーカスなく露光を行うことが可能となる。
しかるに、従来の走査型露光装置では、ウエハ周縁部の欠けショット領域の露光に際し、いわゆる外内ショットの場合には走査開始時点で、またいわゆる内外ショットの場合には走査終了時点で、露光領域内部の非走査方向の両端に位置する検出点の間隔が所定距離(例えば5.0mm)以上ない場合には、走査方向に直交する非走査方向に関する傾き(ローリング)の制御は、実施されず、フォーカス制御のみが実施されるように構成されている。所定距離は、フォーカスセンサとして用いられるフォトセンサの分解能とウエハが載置されるテーブルの駆動能力とに基づいて定められているものである。また、前述の列シフト処理により、最終的に選択されるセンサが1列のみとなる場合も非走査方向に関する傾き(ローリング)の制御は、実施できない。
このように、ローリング制御を行うことができない場合がしばしば生じており、その欠けショット領域の露光精度を良好に維持できなかった。また、ウエハ周縁部の欠けショット領域を露光する場合以外にも、用途によっては、ウエハ上に細長いショット領域を転写する必要がある場合も考えられる。このような場合に、そのショット領域の非走査方向の幅が狭くなりすぎて、ローリング制御が困難になる可能性があった。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、第1の観点からすると、マスク(R)と物体(W)とを所定の走査方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを投影光学系(PL)を介して前記物体上に転写する露光方法であって、露光対象の区画領域の前記走査方向に直交する非走査方向のサイズが所定値未満の場合に、前記走査方向を行方向としかつ前記非走査方向を列方向とするマトリックス状の配置で前記物体上に設定される面位置検出用の多数の検出点(S11〜S77)の中から前記区画領域内に位置する複数の検出点と、前記区画領域の外部に位置する複数の検出点とを選択する選択工程と;前記選択した複数の検出点における前記投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報に基づいて、前記パターン転写時における前記物体の面位置制御を実行する制御工程と;を含む露光方法である。
本明細書において、「行方向」とは、マトリックスの行が変化する方向を意味し、「列方向」とは、マトリックスの列が変化する方向を意味する。
これによれば、露光対象の区画領域の非走査方向のサイズが所定値未満の場合に、走査方向を行方向としかつ非走査方向を列方向とするマトリックス状の配置で物体上に設定される面位置検出用の多数の検出点の中から区画領域内に位置する複数の検出点と、区画領域の外部に位置する複数の検出点とが選択される。そして、その選択された複数の検出点における投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報に基づいて、パターン転写時における前記物体の面位置制御が実行される。従って、本発明では、露光対象の区画領域の非走査方向のサイズが所定値未満で、従来であれば物体の非走査方向の傾斜(ローリング)制御が困難であったような区画領域に対するパターン転写時にも、区画領域の内部と外部との少なくとも2列にそれぞれ属する複数の検出点が選択され、その選択された複数の検出点における投影光学系の光軸方向に関する物体の位置情報に基づいて、非走査方向の傾斜(ローリング)制御を含む物体の面位置制御を実行して、露光精度を良好に維持することが可能になる。
本発明は、第2の観点からすると、マスク(R)と物体(W)とを所定の走査方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを投影光学系(PL)を介して前記物体上に転写する露光装置であって、前記走査方向を行方向としかつこれに直交する非走査方向を列方向とするマトリックス状の配置で前記物体上に設定される多数の検出点(S11〜S77)に検出光をそれぞれ照射し、各反射光を個別に受光することによって前記各検出点における前記投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報(面位置情報)を検出可能な多点焦点位置検出系(50a,50b)と;前記物体を前記光軸方向に直交する2次元面の面内方向、該2次元面に対する傾斜方向及び前記光軸方向に駆動する駆動系(WST,22)と;露光対象の区画領域の前記非走査方向のサイズが所定値未満か否かを判断する判断装置(28)と;前記判断装置により、前記非走査方向のサイズが所定値未満と判断された場合に、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に位置する複数の検出点と、前記区画領域の外部に位置する複数の検出点とを選択する選択装置(28)と;前記選択装置により選択された複数の検出点における前記投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報に基づいて、前記駆動系を制御することで、前記パターン転写時における前記物体の面位置制御を実行する制御装置(28)と;を備える露光装置である。
これによれば、判断装置により露光対象の区画領域の非走査方向のサイズが所定値未満か否かが判断され、その非走査方向のサイズが所定値未満と判断された場合に、選択装置により、多点焦点位置検出系の面位置検出用の多数の検出点の中から区画領域内に位置する複数の検出点と、前記区画領域の外部に位置する複数の検出点とが選択される。そして、制御装置が、選択装置により選択された複数の検出点における投影光学系の光軸方向に関する物体の位置情報に基づいて、駆動系を制御することで、前記パターン転写時における前記物体の面位置制御を実行する。従って、本発明によれば、露光対象の区画領域の非走査方向のサイズが小さく、従来であれば物体の非走査方向の傾斜(ローリング)制御が困難であったような区画領域に対するパターン転写時にも、非走査方向の傾斜(ローリング)制御を含む物体の面位置制御を実行して、露光精度を良好に維持することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5(B)に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の概略的な構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる。)である。
この露光装置100は、照明系IOP、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動部29、レチクルRに形成されたパターンの像を感光剤(レジスト)が塗布された物体としてのウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して2次元平面(XY平面内)を移動するウエハステージWST、ウエハステージWSTを駆動するウエハステージ駆動部22、及びこれらの制御系等を備えている。この制御系は、装置全体を統括制御する主制御装置28を中心として構成されている。
前記照明系IOPは、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号)などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含んで構成されている。光源としては、一例としてArFエキシマレーザ(出力波長193nm)、あるいはKrFエキシマレーザ(出力波長248nm)などのエキシマレーザが用いられる。
この照明系IOPでは、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域IARを照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子などを用いることができる。
前記レチクルステージRSTは、照明系IOPの図1における下方に配置されている。このレチクルステージRST上には不図示のバキュームチャック等を介してレチクルRが吸着保持されている。レチクルステージRSTは、Y軸方向(図1における紙面左右方向)、X軸方向(図1における紙面直交方向)及びθz方向(XY面に直交するZ軸回りの回転方向)に微小駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRST上にはレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)21からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されており、レチクルステージRSTの移動面内の位置はレチクル干渉計21によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルステージRST上にはY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクルY干渉計とレチクルX干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計21として示されている。なお、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。ここで、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加え、θz方向の回転も計測できるようになっている。
前記レチクル干渉計21からのレチクルステージRSTの位置情報はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置28に送られる。そして、ステージ制御装置19では、主制御装置28からの指示に応じてレチクルステージRSTの位置情報に基づいて、レチクルステージ駆動部29を介してレチクルステージRSTを駆動する。
前記レチクルRは、一例として、ガラス基板の中央部にパターン領域(回路パターン)が形成され、そのパターン領域のX軸方向の両側には、少なくとも1対のレチクルアライメントマーク(いずれも図示省略)が形成されている。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に、その光軸AXの方向がXY面に直交するZ軸方向となるように配置されている。この投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/4又は1/5)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、その照明領域IAR内の回路パターンは、投影光学系PLを介してウエハW上に投影され、レチクルR上の照明領域IARに共役なスリット状の投影領域、すなわちウエハW上の照明領域(以下、前記照明領域IARとの識別のため「露光領域」と呼ぶ)IAが形成される。ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハW上の前記露光領域IA部分には、照明領域IAR内のレチクルRのパターンの縮小像(部分倒立像)が形成される。
前記ウエハステージWSTは、XYステージ20と、該XYステージ20上に搭載され、不図示のウエハホルダを介してウエハWを真空吸着等により保持するウエハテーブル18とを含んで構成されている。
前記XYステージ20は、不図示のウエハベースの上面の上方に不図示のエアベアリングによって例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持され、ウエハステージ駆動部22を構成する不図示のリニアモータ等によって走査方向であるY軸方向(図1における紙面内左右方向)及びこれに直交するX軸方向(図1における紙面直交方向)に2次元駆動可能に構成されている。
前記ウエハテーブル18は、3つのZ位置駆動部57(但し、紙面奥側のZ位置駆動部は不図示)によってXYステージ20上に3点で支持されている。各Z位置駆動部57は、ウエハテーブル18下面のそれぞれの支持点を投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に駆動するアクチュエータ(例えばボイスコイルモータなど)71と、該アクチュエータ71によるZ軸方向の駆動量(基準位置からの変位)を検出するエンコーダ73とを含んで構成されている。エンコーダ73としては、例えば光学式又は静電容量式等のリニアエンコーダが使用されている。本実施形態では、各Z位置駆動部は、相互に独立している。すなわち、上記アクチュエータ71によってウエハテーブル18を、光軸AX方向(Z軸方向)及び光軸に直交する面(XY面)に対する傾斜方向、すなわちX軸回りの回転方向であるθx方向、Y軸回りの回転方向であるθy方向に駆動する駆動装置が構成されている。また、各エンコーダ73の検出信号(出力信号)は、図示は省略されているが、主制御装置28に供給されるとともに、該主制御装置28を介してステージ制御装置19に供給されるようになっている。
また、ウエハテーブル18の上面には、移動鏡24が設けられており、この移動鏡24にレーザビームを投射して、その反射光を受光することにより、ウエハテーブル18のXY面内の位置を計測するウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)26が移動鏡24の反射面に対向して設けられている。なお、実際には、移動鏡はX軸に直交する反射面を有するX移動鏡と、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡とが設けられ、これに対応してウエハ干渉計もX方向位置計測用のXウエハ干渉計とY方向位置計測用のYウエハ干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表して移動鏡24、ウエハ干渉計26として図示されている。なお、例えば、ウエハテーブル18の端面を鏡面加工して反射面(移動鏡24の反射面に相当)を形成しても良い。また、Xウエハ干渉計及びYウエハ干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計であり、ウエハテーブル18のX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。従って、以下の説明ではウエハ干渉計26によって、ウエハテーブル18のX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置が計測されるものとする。
ウエハ干渉計26の計測値はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置28に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置28からの指示に応じてウエハ干渉計26の計測値に基づいてウエハステージ駆動部22を介してXYステージ20を駆動する。
本実施形態の露光装置100は、さらに、主制御装置28によってオン・オフが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数のピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射系50aと、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を個別に受光する受光系50bとから成る斜入射方式の多点焦点位置検出系を、備えている。なお、本実施形態の多点焦点位置検出系(50a、50b)と同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報等に開示されている。
本実施形態では、一例として多点焦点位置検出系を構成する照射系50aの内部に7行7列のマトリックス状の配置でスリット状の開口パターンが形成されたパターン板が設けられており、各開口パターンから射出される結像光束はウエハWの面上で、図2に示されるように、7行7列のマトリックス状配置のスリット像S11〜S77としてそれぞれ結像する。そして、これら49個のスリット像S11〜S77からの反射光束を個別に受光可能な7×7(=49)個の受光素子(フォーカスセンサ)が受光系50b内に設けられている。このように、スリット像S11〜S77のそれぞれが結像されるウエハW表面の投影光学系PLの光軸AX方向に関する位置情報(面位置情報)の検出点と受光素子(フォーカスセンサ)とは1:1で対応しているので、以下では特に区別が必要な場合を除き、それぞれの検出点を対応するスリット像S11〜S77と同一の符号を用いて、フォーカスセンサS11〜S77と記述する。また、検出点をフォーカスセンサとも記述し、フォーカスセンサを適宜センサとも略述するものとする。
図2において、露光領域IA内部に3行7列のマトリックス状に配置された3×7(=21)個のフォーカスセンサS31〜S57は、ウエハWのフォーカス・レベリング制御に用いられる追従センサである。また、露光領域IAの走査方向の一側と他側にそれぞれ2行7列のマトリックス状に配置された、合計4×7(=28)個のフォーカスセンサS11〜S17、S21〜S27及びS61〜S67、S71〜S77、は、いわゆる先読みセンサである。以下においては、フォーカスセンサS31〜S57を追従センサとも呼び、フォーカスセンサS11〜S17、S21〜S27及びS61〜S67、S71〜S77を先読みセンサとも呼ぶものとする。
各フォーカスセンサSi,j(i=1〜7、j=1〜7)の出力、すなわち受光素子からの光電変換信号が主制御装置28に図1のメインAF処理系62(選択回路及び信号処理回路等を含む)を介して供給されるようになっている。この場合、信号処理回路は例えば9チャネルの信号出力回路を有しており、主制御装置28は、走査露光時などに、49個のフォーカスセンサSi,jのうちから最大9個のフォーカスセンサを選択して、それぞれのフォーカスセンサの出力に基づいて各スリット像の結像点におけるウエハW表面のデフォーカス量を算出するとともに、該デフォーカス量に基づいてステージ制御装置19、並びにウエハステージ駆動部22及び3つのZ位置駆動部57を介してウエハテーブル18を、光軸AX方向(Z軸方向)及びθx方向及びθy方向の少なくとも1方向に駆動する。すなわち、主制御装置28では、このようにして、ウエハWのフォーカス制御(Z位置制御)、Yチルト制御(θx回転(ピッチング)制御)及びXチルト制御(θy回転(ローリング)制御)の少なくとも1つを行い、可能な限り、ウエハWの露光領域が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に一致するようなウエハWの面位置制御を行う。なお、上記のフォーカス制御、Yチルト制御及びXチルト制御、並びにこれらの任意の組み合わせのうちのいずれのタイプにするか、すなわちウエハの面位置制御のタイプの決定等については、後述する。
前記主制御装置28は、CPU(中央演算処理装置)、メモリ(ROM、RAM)、各種インタフェース等からなるいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、露光動作が的確に行われるように、例えば、レチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括して制御する。
次に、本実施形態の露光装置100における、ウエハの面位置制御のタイプの決定を含むフォーカスセンサの選択処理について、主制御装置28内のCPUの処理アルゴリズムを示す図3のフローチャートに沿って説明する。
本実施形態の露光装置100では、フォーカスセンサの選択モードとして、ユーザ又はオペレータ(以下、「オペレータ」と総称する)は入出力装置63を介して、マニュアルモードとセンサ自動選択モードとを指定できるようになっている。ここで、センサ自動選択モードを指定した場合、オペレータは更に第1モードと第2モードとの選択設定、及び必要な場合に列シフト実行モードの設定ができるようになっている。
ここで、「第1モード」とは、レチクルブラインドの開口サイズに基づき、その開口サイズに応じてショット領域(以下、適宜「ショット」と略述する)の非走査(非スキャン)方向の幅の範囲内でその範囲内で非走査方向に関して最も離れている列のフォーカスセンサ(検出点)を選択する、面位置制御に用いられるフォーカスセンサ(検出点)の基本的な選択を行うモード(ブラインド幅優先モード)を意味する。また、「第2モード」とは、上記のフォーカスセンサの基本的な選択を行うものと仮定したとき、非スキャン方向のレベリングが実施できないような場合に、フォーカスセンサを追加的に選択するモードを意味する。なお、第2モードにおけるフォーカスセンサの選択の具体的方法については後述する。
また、列シフト実行モードとは、例えば特開2001−168024号公報に開示されるように、いわゆる欠けショットを露光するに際して、実行されるセンサ配置の列の自動シフト(列シフト)と同様の処理を行うモードを意味する。
ここで、「欠けショット」とは、完全ショット以外のショット領域を意味し、「完全ショット」とは、露光開始直後に照明領域(露光領域)の後端がショット領域の前端と一致する第1位置と露光終了直前に照明領域(露光領域)の前端がショット領域の後端と一致する第2位置とを含み、その間で、フォーカスセンサ(検出点)のうち追従センサがいずれもウエハ上の有効領域から外れないショット領域を意味する。
ここで、「ウエハ上の有効領域」の定義の仕方は種々考えられるが、本実施形態では「ウエハ上の有効領域」とは「ウエハのエッジリンス幅+数mm程度のマージン」で設定されるDisable Rangeの内部(ウエハ周縁部に通常設けられるパターン禁止帯の内部とほぼ一致)を意味するものとする。
なお、上述の完全ショット及び欠けショットの定義から明らかなように、本実施形態では、欠けショットには、ショット領域の一部が欠けているショット領域の他、非走査方向の幅が完全ショットより狭く、フォーカスセンサの一部がショット領域から外れるサイズの小さな矩形のショット領域も含まれる。
図3のフローチャートで示される処理アルゴリズムに対応するプログラムは、実際には、露光処理プログラムの一部であり、オペレータにより、センサ自動選択モードが指定されている場合でかつ、露光対象のショットが完全ショットでない欠けショットの場合に、例えば、各ショットの露光開始直前毎に繰り返し実行される。
なお、オペレータによりマニュアルモードが指定されている場合には、オペレータがマニュアルで選択すべきフォーカスセンサを指定できるようになっており、また、イリーガルなセンサ選択がなされた場合には、エラー表示等がなされるようになっている。マニュアルモードが指定されている場合については、これ以上の説明は省略する。また、露光対象のショットが、完全ショットである場合には、面位置制御に用いられるフォーカスセンサ(検出点)の基本的な選択を行った後、通常のフォーカス・レベリング制御(面位置制御)が行われるので、詳細説明は省略する。
まず、図3のステップ200において、露光対象のショットがウエハW周縁部のショット(すなわちエッジショット)であるか否かを判断する。このステップ200における判断は、プロセスプログラムファイルと呼ばれる露光条件の設定ファイル中に含まれる、ショットサイズ、露光順序(各ショットのスキャン方向を含む)及び各ショットのウエハ上の配置などを含む、ショットマップ、に基づいて行われる。なお、ショットマップは、プロセスプログラムファイルの読み込みと同時に、主制御装置28のRAM内に格納されている。
そして、このステップ200における判断が肯定された場合には、ステップ202に進んで露光対象のショットが、外内ショットか否か、すなわち当該ショットの露光の際に露光領域IAがウエハWの外周部から内部に向かって相対走査されるか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、次のステップ204に進み、ウエハエッジ、すなわち前述した有効領域外縁からそのショットの露光開始位置までの距離がL1以上で、走査開始時点で追従センサがウエハWの有効領域内であるか否かを判断する。この判断は、ウエハエッジ座標と、ショットマップ等によりウエハエッジからどのくらいの距離の所にそのショットがあるかがわかり、また走査開始位置とフォーカスセンサとの相対位置関係がわかっているので、これらに基づいてなされる。ここで、距離L1とは、走査開始位置から露光開始位置までの助走距離であって、ウエハテーブル18をXチルト及びYチルト駆動するために駆動系が追従するのに必要な距離(すなわち、X、Yチルトの引き込みに必要なストローク)を意味する。
そして、上記ステップ204における判断が肯定された場合には、ステップ230に移行して面位置制御に用いられるフォーカスセンサの基本的選択を行った後、ステップ232に進んで、ウエハの面位置制御のタイプを規定するフラグFに1を設定する。一方、上記ステップ204における判断が否定された場合には、ステップ206に進んでウエハエッジからそのショットの露光開始位置までの距離がL2以上であるか否かを判断する。この判断も上記ステップ204における判断と同様に行われる。ここで、距離L2とは、走査開始位置から露光開始位置までの助走距離であってウエハテーブル18を非走査方向に関してチルト駆動するために駆動系が追従するのに必要な距離(すなわち、Xチルトの引き込みに必要なストローク)を意味する。そして、このステップ206における判断が否定された場合には、ステップ224に移行し、面位置制御に用いられるフォーカスセンサの基本的な選択を行った後、ステップ225に進んで、前述のフラグFに3を設定する(F←3)。
一方、上記ステップ206の判断が肯定された場合には、次のステップ208に進んで走査開始時点で有効領域内に位置する2行目のフォーカスセンサの内、両端のセンサ間の間隔がD1以上あるか否かを判断する。この判断は、センサ間隔の設計値と、フォーカスセンサの位置情報と、ショットエッジとの位置関係に基づいて行われる。ここで、間隔D1は、フォトセンサの分解能とウエハテーブル18の駆動能力とに基づいて定められる値である。そして、このステップ208における判断が否定された場合は、モードに応じたセンサの選択を行う、ステップ227のサブルーチンに移行する。
このモードに応じたセンサの選択を行うサブルーチンでは、まず、図4のステップ302において、第2モード、すなわちレベリング優先モードが選択されているか否かを判断する。この判断は、例えば、オペレータの第2モード選択の指示に対応するフラグが立っているか否かを確認することにより行われる。
そして、このステップ302における判断が肯定された場合には、ステップ303に進み、露光対象のショットのウエハ上での位置情報と、そのショットの非走査方向のサイズに関連する情報と、多数のフォーカスセンサ(検出点)に関する情報とに基づいて、露光対象のショット内に含まれるフォーカスセンサ(検出点)の列数を予測(算出)する。
次のステップ304では、上記ステップ303の予測結果に基づき、ショットの幅にセンサ列が2列収まっているか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、ステップ306に進み、そのショット(露光対象のショット)から見てショットの外部のうち、ウエハ中心に近い側にフォーカスセンサが存在するか否かを判断する。そして、このステップ306における判断が肯定された場合には、ステップ308に進んで、そのショットから見てショットの外部のうち、ウエハ中心に近い側の列のセンサを追加選択した後、ステップ314に移行して前述のフラグFに2を設定する(F←2)。なお、上記ステップ308では、基本的な選択によって選択されるショット内の2列のセンサと、ショット外部でショットのウエハ中心寄りに隣接する1列のセンサとが、面位置制御に用いられるフォーカスセンサとして選択される。
一方、上記ステップ306における判断が否定された場合には、ステップ310に進んで、そのショットから見てショットの外部のうち、ウエハ中心とは反対側の列のセンサを追加選択した後、ステップ314に移行する。この場合、ステップ310では、基本的な選択によって選択されるショット内の2列のセンサと、ショット外部でショットのウエハ中心とは反対側に隣接する1列のセンサとが選択される。
一方、上記ステップ304における判断が否定された場合には、ステップ312に移行し、ショットの両隣の列のセンサを追加選択した後、ステップ314に移行する。この場合、ステップ312では、基本的な選択によって選択される1列のセンサと、その両側の列のセンサとが選択される。
この一方、上記ステップ302における判断が否定された場合、すなわち第1モードが選択されている場合には、ステップ316に進んで、基本的な選択によるセンサ選択を行った後、ステップ318に進んで、前述のフラグFに3を設定する(F←3)。
そして、上記ステップ314又はステップ318のいずれかの処理の後、このモードに応じたセンサの選択を行うサブルーチンの処理を終了してメインルーチンのステップ260に戻る。
一方、前述のステップ208における判断が肯定された場合には、ステップ217に進み、基本的な選択によるセンサ選択を行った後、ステップ218に進み、前述の列シフト実行モードが指定されているか否かを判断する。この判断は、例えばオペレータの列シフト実行モード指定に対応するフラグが立っているか否かを確認することにより行われる。
そして、このステップ218における判断が否定された場合は、ステップ222に移行して、前述のフラグFに4を設定する(F←4)。
一方、ステップ218の判断が肯定された場合には、ステップ220に進んで、前述の特開2001−168024号公報に開示されるのと同様のセンサ配置の列の自動シフト(列シフト)を行った後、ステップ222に移行する。
この一方、上記ステップ202における判断が否定された場合、すなわち露光対象ショットが内外ショット、すなわち、当該ショットの露光の際に露光領域IAがウエハWの内部から外周部に向かって相対走査される場合には、ステップ210に移行し、ウエハエッジからそのショットの露光終了位置までの距離がL3以上で、露光終了時点で追従センサがウエハWの有効領域内であるか否かを判断する。この判断は、前述したステップ204と同様に、ウエハエッジ座標と、ショットマップ等によりウエハエッジからどのくらいの距離の所にそのショットがあるかがわかり、また露光終了位置とフォーカスセンサとの相対位置関係がわかっているので、これらに基づいてなされる。ここで、距離L3とは、露光終了位置からウエハエッジまでの距離であってウエハテーブル18をXチルト及びYチルト駆動するために駆動系が追従するのに必要な距離(すなわち、X、Yチルトの引き込みに必要なストローク)を意味する。
そして、上記ステップ210における判断が肯定された場合には、ステップ226に進んで、面位置制御に用いられるフォーカスセンサの基本的な選択を行った後、ステップ228に進んで、前述のフラグFに1を設定する(F←1)。
一方、ステップ210における判断が否定された場合には、ステップ212に進んでウエハエッジからそのショットの露光終了位置までの距離がL4以上であるか否かを判断する。この判断も上記ステップ204における判断と同様に行われる。ここで、距離L4とは、露光終了位置からウエハエッジまでの距離であってウエハテーブル18を非走査方向に関してチルト駆動するために駆動系が追従するのに必要な距離(すなわち、Xチルトの引き込みに必要なストローク)を意味する。そして、このステップ212における判断が否定された場合には、ステップ213に移行し、面位置制御に用いられるフォーカスセンサの基本的な選択を行った後、ステップ215に進んで、前述のフラグFに3を設定する(F←3)。
一方、ステップ212における判断が肯定された場合には、ステップ214に進んで走査終了時点で有効領域内に位置する2行目のフォーカスセンサの内、両端のセンサ間の間隔がD2以上あるか否かを判断する。この判断は、前述したステップ208と同様にして行われる。ここで、間隔D2は、フォトセンサの分解能とウエハテーブル18の駆動能力とに基づいて定められる値である。そして、このステップ214における判断が否定された場合は、ステップ216のモード選択に応じたセンサ選択を行うサブルーチンに移行する。
このステップ216のサブルーチンでは、前述したステップ227と全く同様の処理が行われる(図4参照)ので、詳細説明は省略する。
一方、上記ステップ214における判断が肯定された場合には、前述のステップ217に移行しセンサの基本的な選択を行った後、ステップ218におけるセンサ列のシフト指定の判断、その判断結果に基づくステップ220、222の処理が行われる。
この一方、前述のステップ200における判断が否定された場合、すなわち露光対象のショットが内部ショットである場合には、ステップ229に進んでショットの非スキャン方向のサイズはD(Dはローリング制御可能なショット幅であり、例えば5.4mmである)以上か否かを判断する。なお、このステップ229において、ショット内に位置する両端のセンサ列の間隔が所定距離、例えば5.0mm以上か否か判断することで、ショットの非スキャン方向のサイズが上記のローリング制御可能なショット幅であるか否かを判断しても良い。
そして、ステップ229における判断が肯定された場合には、先に説明したステップ230に移行する。一方、ステップ229における判断が否定された場合には、ステップ233のモード選択に応じたセンサ選択を行うサブルーチンに移行する。
このステップ233のサブルーチンでは、前述したステップ227と全く同様の処理が行われる(図4参照)ので、詳細説明は省略する。
上述のようにして、上記ステップ215、サブルーチン216(ステップ314又は318)、ステップ222、225、サブルーチン227(ステップ314又は318)、ステップ228、232、サブルーチン233(ステップ314又は318)のいずれかで、前述のフラグFに1〜4のうちの所定の値を設定した後、ステップ260に移行する。
そして、ステップ260では、次のようにしてフラグFの値に応じたタイプのウエハWの面位置制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行う。
a.フラグFに1が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのX、Yチルト及びZ制御を行う通常のフォーカス・レベリング制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
b.フラグFに2が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのXチルト及びZ制御を行う変則的なフォーカス・レベリング制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
c.フラグFに3が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのZ制御のみを行うフォーカス制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
d.フラグFに4が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのXチルト及びZ制御を行う変則的なオートフォーカス・レベリング制御(ショット内の2列以上の追従センサが選択されている場合)、又はウエハWのZ制御のみを行うフォーカス制御(ショット内の1列の追従センサが選択されている場合)を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
a.フラグFに1が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのX、Yチルト及びZ制御を行う通常のフォーカス・レベリング制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
b.フラグFに2が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのXチルト及びZ制御を行う変則的なフォーカス・レベリング制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
c.フラグFに3が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのZ制御のみを行うフォーカス制御を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
d.フラグFに4が設定されている場合には、上で選択した多点焦点位置検出系(50a、50b)の各追従センサに対応する各面位置情報(フォーカス信号)に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部22を介してウエハテーブル18を制御し、露光領域IA内のウエハW表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に極力一致するように、ウエハWのXチルト及びZ制御を行う変則的なオートフォーカス・レベリング制御(ショット内の2列以上の追従センサが選択されている場合)、又はウエハWのZ制御のみを行うフォーカス制御(ショット内の1列の追従センサが選択されている場合)を実行しつつ、そのショットの走査露光を行い、レチクルRのパターンを当該ショットに転写する。
いずれにしても、上記ステップ260におけるショットの走査露光終了後、本ルーチンの処理を終了する。
上述のような処理が、オペレータによってセンサ自動選択モードが指定されている場合で、かつ露光対象のショットが欠けショットの場合に、その欠けショットの露光開始直前毎に繰り返し実行される。
本実施形態によると、図4のサブルーチンの処理において、例えば図5(A)に示されるショット領域SAを露光する際、センサの基本的な選択を行った場合に、同図に示される追従センサであるフォーカスセンサS3,k、S3,k+1、S4,k、S4,k+1、S5,k、S5,k+1が選択される場合に、第2モードが選択されているものとすると、ステップ304の判断が肯定され、ステップ306の判断がなされるが、ショットSAのウエハ中心側にセンサS3,k-1、S4,k-1、S5,k-1が存在するため、ステップ306における判断が肯定され、ステップ308でセンサS3,k-1、S4,k-1、S5,k-1が選択され、ステップ314でフラグFに2が設定される。この結果、追従センサであるフォーカスセンサS3,k、S3,k+1、S4,k、S4,k+1、S5,k、S5,k+1、S3,k-1、S4,k-1、S5,k-1により検出される面位置情報を用いて、走査露光中に、ウエハテーブル18をXチルト制御(ローリング制御)及びZ制御する、ウエハWの面位置制御が行われることとなる。
また、図4のサブルーチンの処理において、例えば図5(B)に示されるショット領域SBを露光する際、センサの基本的な選択を行った場合に、同図に示される追従センサであるフォーカスセンサS3,p、S4,p、S5,pが選択される場合に、第2モードが選択されているものとすると、ステップ304の判断が否定され、ステップ312において、ショットSBの両側の列のセンサS3,p-1、S4,p-1、S5,p-1、S3,p+1、S4,p+1、S5,p+1が追加選択され、ステップ314でフラグFに2が設定される。この結果、追従センサであるフォーカスセンサS3,p-1、S4,p-1、S5,p-1、S3,p、S4,p、S5,p、S3,p+1、S4,p+1、S5,p+1により検出される面位置情報を用いて、走査露光中に、ウエハテーブル18をXチルト制御(ローリング制御)及びZ制御する、ウエハWの面位置制御が行われることとなる。
従って、本実施形態では、通常のスキャニング・ステッパで行われているセンサの基本的な選択によると、ショットの非スキャン方向のサイズが小さいため、ウエハW(ウエハテーブル18)のローリング制御が実施できない場合であっても、第2モードがオペレータにより選択されている場合には、ウエハW(ウエハテーブル18)のローリング制御が行われるようになっている。
なお、追従センサが1列のみ選択されたが、ショットの幅に収まっていない場合には、ステップ304→312→314の経路の処理が行われるので、ショット外で最初に選択された追従センサ及びその両側の列の追従センサが、最終的に選択されることとなる。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、ウエハステージWSTとウエハステージ駆動部22とによって、ウエハWを光軸AX方向に直交する2次元面(XY面)の面内方向、該2次元面に対する傾斜方向及び光軸AX方向に駆動する駆動系が構成されている。また、主制御装置28(より具体的にはCPU)とソフトウェアプログラムによって判断装置、予測装置、選択装置が実現されている。すなわち、主制御装置28のCPUが行う、ステップ229、214、208の処理によって判断装置が実現され、CPUが行う、ステップ304、306、308、310、312の処理によって選択装置が実現され、CPUが行う、ステップ303の処理によって予測装置が実現されている。また、CPUがステージ制御装置19を介して行うステップ260の処理によって制御装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPUによるソフトウェアプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良い。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100及びその露光方法によると、判断装置としての主制御装置28により露光対象のショット領域の非走査方向のサイズが所定値未満か否かが判断される(図3のステップ229、214、208)。その非走査方向のサイズが所定値未満と判断された場合に、第2モードが設定されているとき、選択装置としての主制御装置28により、多点焦点位置検出系の面位置検出用の多数の検出点(フォーカスセンサ)の中から前記ショット領域の内部、外部にそれぞれ位置する検出点(フォーカスセンサ)を少なくとも各1つ含む複数の検出点(フォーカスセンサ)が選択される(図4のステップ302〜312)。そして、制御装置としての主制御装置28が、選択された複数の検出点における投影光学系PLの光軸方向に関するウエハの位置情報(面位置情報)に基づいて、駆動系を制御することで、パターン転写時におけるウエハの面位置制御を実行する(ステップ260参照)。従って、露光対象のショットの非走査方向のサイズが小さく、従来ウエハの非走査方向の傾斜制御(Xチルト制御、すなわちローリング制御)が困難であったようなショットに対するパターン転写時にも、非走査方向の傾斜制御を含むウエハの面位置制御を実行して、露光精度を良好に維持することが可能になる。
また、本実施形態の露光装置100及びその露光方法によると、図3のフローチャート及びその説明から分かるように、いかなる周辺ショットに関しても、正スキャン、負スキャンのいずれであっても、露光時の最適なフォーカス制御が可能となることから、許容し難いデフォーカス状態が発生するのを防止することができ、これによりデフォーカスに起因する色ムラの発生を防止することができる。従って、色ムラの発生防止とスループットの向上とを両立させることができる。また、色ムラの発生防止により回路パターンの解像度低下を防止することができ、これにより製造される製品(半導体デバイス)の歩止まりの低下を防止しあるいは歩止まりを向上させることができる。
なお、上記実施形態では、a.フォーカス及びX、Yチルト制御、b.フォーカス及びXチルト制御、c.フォーカス制御のみ、d.Xチルト及びフォーカス制御又はフォーカス制御のみの、面位置制御のタイプの決定(判定)を、図3のフローチャートに基づいて行なう場合について説明したが、これに限らず、例えばウエハW上にどのようなショット配置を採用し、どのような露光順序で露光を行なうかの、露光マップが作成された時点で、各ショットとウエハエッジとの位置関係を求めることができるので、各ショット毎にa.〜d.のいずれにより面位置調整を行なうかを、テーブルデータとして作成してメモリに記憶し、走査露光の際には、このテーブルデータに従って面位置制御を行なうようにすることも可能である。
なお、図3のフローチャートの処理アルゴリズムは一例であって、本発明がこれに限定されないことは勿論である。例えば、前述の第2モードでのフォーカスセンサの自動選択機能を、前述の列シフト機能と併用する場合に、第2モードでのフォーカスセンサの自動選択の実行後において、列シフトが実行されるような処理アルゴリズムを採用することも可能である。但し、この場合は、ウエハの周縁部の欠けショットでは、第2モードでのフォーカスセンサの自動選択により、センサの基本的な選択により選択されたショット内部の列のセンサにショット外部の列のセンサが追加選択された後に、センサ・シフト処理が実行され、結果的にレベリングが不可能なセンサの選択となる場合があるので、このようなことが起こらないように、処理アルゴリズムを作成することが望ましい。
また、前述の実施形態のように、ショットに応じて、面位置制御のタイプを切り換えることなく、全てのショットで、X,Yチルト及びフォーカス制御を行いたい場合などに、スキャン方向チェックと呼ばれる機能が採用されることがある。「スキャン方向チェック」とは、プロセスプログラムファイルの編集時にシステムが決定した、スループットを第1優先に考えた各ショットでのスキャン方向に対して、ウエハ周縁部の欠けショットである外内ショットについては、内外スキャンにそのスキャン方向を変更する機能である。このスキャン方向チェック機能と、センサの自動選択機能を併用した場合、ウエハの周縁部の欠けショットでは、第1モード、第2モードいずれが選択されている場合も、自動選択で選ばれたセンサに対してスキャン方向チェックが行われる。この結果、第1モードと第2モードでは、スキャン方向が変更されるショットが異なる場合がある。
なお、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、上記実施形態では、光源としてKrFエキシマレーザやArFエキシマレーザを用いる場合について説明したが、これに限らず、光源として、波長が170nm以下の光を発生する、例えばF2レーザ(出力波長157nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)等の他の真空紫外光源を用いても良い。
また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置、又はプロキシミティ方式の露光装置などにも、本発明は適用できる。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置にも本発明を好適に適用できる。さらに、例えば国際公開WO99/49504号パンプレットなどに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体(例えば純水など)が満たされる液浸型露光装置にも本発明を適用することができる。液浸露光装置としては、反射屈折型の投影光学系を用いる走査露光方式を採用することが好ましい。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
なお、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した調整方法によりパターンの転写特性が調整される上記実施形態の露光装置で、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写するリソグラフィステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置が用いられるので、高精度な露光を長期に渡って実現することができる。従って、微細パターンが形成された高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上することができる。
本発明の露光方法及び露光装置は、マイクロデバイスの製造に適している。
18…ウエハテーブル(駆動系の一部)、22…ウエハステージ駆動部(駆動系の一部)、28…主制御装置(判断装置、選択装置、予測装置、制御装置)、50a…照射系(多点焦点位置検出系の一部)、50b…受光系(多点焦点位置検出系の一部)、100…露光装置、R…レチクル(マスク)、W…ウエハ(物体)、PL…投影光学系、S11〜S77…スリット像(検出点)。
Claims (7)
- マスクと物体とを所定の走査方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して前記物体上に転写する露光方法であって、
露光対象の区画領域の前記走査方向に直交する非走査方向のサイズが所定値未満の場合に、前記走査方向を行方向としかつ前記非走査方向を列方向とするマトリックス状の配置で前記物体上に設定される面位置検出用の多数の検出点の中から前記区画領域内に位置する複数の検出点と、前記区画領域の外部に位置する複数の検出点とを選択する選択工程と;
前記選択した複数の検出点における前記投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報に基づいて、前記パターン転写時における前記物体の面位置制御を実行する制御工程と;を含む露光方法。 - 露光対象の区画領域の前記物体上での位置情報と、前記区画領域の前記非走査方向のサイズに関連する情報と、前記多数の検出点に関する情報とに基づいて、前記露光対象の区画領域内に含まれる前記検出点の列数を予測する予測工程を更に含み、
前記露光対象の区画領域内に2列の検出点のみが含まれると予測される場合に、前記選択工程では、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に属する検出点と、前記区画領域の外部のうち、前記物体の中心寄りの列に属する検出点とを選択することを特徴とする請求請1に記載の露光方法。 - 前記選択工程では、前記区画領域の外部のうち、前記物体の中心寄りに前記検出点が存在しない場合に、前記多数の検出点の中から前記区画領域内の前記2列にそれぞれ属する検出点と、前記区画領域の外部のうち、前記物体の中心とは反対側寄りの列に属する検出点とを選択することを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
- 露光対象の区画領域の前記物体上での位置情報と、前記区画領域の前記非走査方向のサイズに関連する情報と、前記多数の検出点に関する情報とに基づいて、前記露光対象の区画領域内に含まれる前記検出点の列数を予測する予測工程を更に含み、
前記露光対象の区画領域内に2列未満の検出点のみが含まれると予測される場合に、前記選択工程では、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に属する検出点と、前記区画領域の外部における一側と他側のそれぞれの列に属する検出点を選択することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。 - マスクと物体とを所定の走査方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して前記物体上に転写する露光装置であって、
前記走査方向を行方向としかつこれに直交する非走査方向を列方向とするマトリックス状の配置で前記物体上に設定される多数の検出点に検出光をそれぞれ照射し、各反射光を個別に受光することによって前記各検出点における前記投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報を検出可能な多点焦点位置検出系と;
前記物体を前記光軸方向に直交する2次元面の面内方向、該2次元面に対する傾斜方向及び前記光軸方向に駆動する駆動系と;
露光対象の区画領域の前記非走査方向のサイズが所定値未満か否かを判断する判断装置と;
前記判断装置により、前記非走査方向のサイズが所定値未満と判断された場合に、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に位置する複数の検出点と、前記区画領域の外部に位置する複数の検出点とを選択する選択装置と;
前記選択装置により選択された複数の検出点における前記投影光学系の光軸方向に関する前記物体の位置情報に基づいて、前記駆動系を制御することで、前記パターン転写時における前記物体の面位置制御を実行する制御装置と;を備える露光装置。 - 前記露光対象の区画領域の前記物体上での位置情報と、前記区画領域の前記非走査方向のサイズに関連する情報と、前記多数の検出点に関する情報とに基づいて、前記露光対象の区画領域内に含まれる前記検出点の列数を予測する予測装置を更に備え、
前記予測装置が、前記区画領域内に2列の検出点のみが含まれると予測した場合、前記選択装置は、前記区画領域の外部のうち、前記物体の中心寄りの列に前記検出点が存在するか否かを確認し、存在する場合には、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に属する検出点と、前記区画領域の外部のうち、前記物体の中心寄りの列に属する検出点とを選択し、存在しない場合には、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に属する検出点と、前記区画領域の外部のうち、前記物体の中心とは反対側寄りの列に属する検出点とを選択することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。 - 前記露光対象の区画領域の前記物体上での位置情報と、前記区画領域の前記非走査方向のサイズに関連する情報と、前記多数の検出点に関する情報とに基づいて、前記露光対象の区画領域内に含まれる前記検出点の列数を予測する予測装置を更に備え、
前記予測装置が、前記露光対象の区画領域内に2列未満の検出点のみが含まれると予測した場合、前記選択装置は、前記多数の検出点の中から前記区画領域内に属する検出点と、前記区画領域の外部における一側と他側のそれぞれの列に属する複数の検出点を選択することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
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