JP2006058355A - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 仕切り部材を所定の場合に振動させることにより、仕切り部材上に堆積したトナーを定期的に除去し、長期に亘って安定した画像を形成することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像剤担持体32と、現像剤収容部33と、トナー収容部35と、現像剤退避部34と、現像剤分離手段と、仕切り部材39とを有し、現像剤収容部33のトナー濃度に応じて、仕切り部材39により現像剤退避部34に導入された二成分現像剤Gがトナー収容部35から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部33に流入する現像装置において、仕切り部材39には、所定の場合に該仕切り部材39に振動を付与する振動付与手段45が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 現像剤担持体32と、現像剤収容部33と、トナー収容部35と、現像剤退避部34と、現像剤分離手段と、仕切り部材39とを有し、現像剤収容部33のトナー濃度に応じて、仕切り部材39により現像剤退避部34に導入された二成分現像剤Gがトナー収容部35から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部33に流入する現像装置において、仕切り部材39には、所定の場合に該仕切り部材39に振動を付与する振動付与手段45が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置に係り、特に、磁性キャリアとトナーとを具備した二成分現像剤を用い、かつ、トナー濃度検知手段を用いずにトナー濃度を自律的に制御する現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。この種の現像装置に用いられる現像方式としては、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体粒子であるキャリアと着色粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
従来、二成分現像方式の現像装置としては、画質、コスト面や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは、像担体上の静電潜像に接近すると、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
しかし、このような磁気ブラシ現像方法においては、トナー濃度(トナーと磁性キャリアの混合比)を一定範囲に保つ制御を行わないと、トナー濃度が上昇した場合には、トナー飛散やカブリが発生し、一方、トナー濃度が低下した場合には、濃度低下や濃度斑、画像抜けなどが発生してしまう。したがって、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要がある。
そこで、従来の磁気ブラシ現像方法では、安定した画像を得るためにトナー濃度センサを用いてトナー濃度を検知したり、現像パッチを作成してトナー現像量を検知し、その信号によってトナー補給部材を作動させることによりトナー濃度を一定に保つ制御が行われている。例えば、トナー濃度センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基づいてトナー濃度が低下したと判断された場合、トナー補給部材によりトナー補給が行われる。
しかし、この種の磁気ブラシ現像方法にあっては、トナー濃度センサや独立してON/OFF駆動できるトナー補給部材が必要不可欠であり、現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。また、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
このような不具合を解決する先行技術として、トナー濃度センサやトナー補給部材を用いずに、トナー濃度を一定に保つ現像装置や制御方法が既に提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。こうした現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御することで、トナー濃度を調整するものである。
また、自律的制御の方法は、現像剤担持体に担持搬送される現像剤移動層と、現像剤収容部内で現像剤が循環する現像剤循環層とを発生させ、現像剤収容部と連通しているトナー収容部からのトナーを取り込むというものである。すなわち、現像工程において、トナーが消費されると、現像剤収容部内に収容された現像剤の嵩が減少し、減少した嵩分のトナーがトナー収容部から現像剤収容部に補給されることで、現像剤収容部内の現像剤は、トナー濃度を保つというものである。
上記現像装置の例として、特許文献1では、現像スリーブ上に磁性粒子層を形成し、容器内のトナー供給部においてこの磁性粒子層に接触するようにトナーを収容し、現像スリーブの回転に伴う磁性粒子層の磁性粒子の移動によって、上記トナー供給部で磁性粒子層内にその外側のトナー層からトナーを取り込み、トナーと磁性粒子とが混合された現像剤を規制部材でその層厚を規制して現像部に搬送することにより、トナーの過剰供給による帯電不足の防止を図っている。
また、特許文献2では、内部磁極を有する現像スリーブ回転型磁気ブラシ現像装置において、現像スリーブ表面に絶縁性層を設けるとともに、現像スリーブ近くにトナー供給ロールを配設し、トナー供給ロールと現像スリーブ間に交番電圧を印加することで、トナー濃度、トナー帯電の安定化を図っている。
さらに、特許文献3では、現像剤を構成するトナーとして磁性トナーを用いることで、トナー帯電の安定化、トナー飛散の防止を図っている。
また、特許文献4では、現像剤担持体の搬送速度が最速のときにおいて、キャリア一個の表面に対してトナーが完全に覆った状態となる限界トナー濃度以下となるようにトナー濃度を構成することで、地汚れやトナー飛散の防止を図っている。
さらにまた、特許文献5では、現像剤収容部において、現像剤担持体に担持搬送される現像剤量を規制する第一の規制部材よりも現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に第二の規制部材を設けることにより、トナー濃度調整の簡易化を図っている。
しかしながら、上記の先行技術にあっては、いずれもトナー濃度変化に対応した現像剤の体積変化と現像剤の動きとによって、トナー濃度の制御をしているため、現像剤の体積変化や現像剤の動きを顕著にする必要がある。このような要請下においては、通常の二成分現像方式と比較して、特に、現像剤担持体周辺の現像剤仕込量を少なくして、その体積変化等を顕著にする必要があるため、現像剤の循環が悪く、現像剤の動きが活発な箇所と活発でない箇所とが存在して、トナーの取り込みが均一に行われない。さらに、帯電性能や磁化特性の劣化により磁性キャリアが現像装置本体から抜け出て現像剤収容室内の磁性キャリア量が減少すると、トナー濃度安定時において現像剤収容部内の磁性キャリア量に対するトナー量比率が大きくなる。この結果、十分なトナー帯電が施されず地汚れやトナー飛散が生じるという問題が生じていた。
また、現像剤量が少ないことから現像剤中に含まれるトナーの絶対量が少ないこと、トナー濃度が減少しても現像剤の体積変動は緩やかでありトナーの取り込みスピードが遅いことから、トナー消費の激しい高密度画像を連続で出力する際に所望の濃度が維持できないといった問題が生じていた。
さらに、予め現像剤量を少なく設定しなければならないため、1つの磁性キャリアにかかるストレスが大きくなり、磁性キャリアの寿命が短くなる。つまり、ランニングコストが上昇し、また、応答性が遅いため、高密度画像の濃度を確保できないといった問題が生じていた。
こうした問題を解決するために、本出願人は以下のような現像装置を既に提案している。
この特願2003−185499号に係る現像装置は、内部に磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、この現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止めるせき止め部と、このせき止め部に対して現像剤の搬送方向上流側に傾斜配置された傾斜板(以下、仕切り部材と称する場合もある)とを備え、トナー濃度に応じた二成分現像剤の流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用して、トナー濃度が低い二成分現像剤を傾斜板上に流出させて、傾斜板回りの現像剤の流れを生成することによりトナー補給を行ない自律的にトナー濃度を維持するようにしたものである。
しかしながら、上記特願2003−185499号に係る現像装置の場合には、トナー濃度に応じて、仕切り部材上に流出した現像剤やトナーが、仕切り部材の傾斜部に堆積しブロッキングを起こすことにより、トナー濃度制御のための仕切り部材回りの現像剤の正常な流れを妨げ、この結果、トナー濃度が変動するという問題が生じていた。
また、このようなブロッキング現象は、球形トナーや粒径が小さいトナーを用いると生じやすくなる傾向があり、近年のトナーの小粒径化、球形化等により、仕切り部材上に一旦トナーが堆積するとなかなか崩れ難いという問題が生じていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、仕切り部材を所定の場合に振動させることにより、仕切り部材上に堆積したトナーを定期的に除去し、長期に亘って安定した画像を形成することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部にトナー補給路を介して連通し、このトナー補給路を通じてトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤収容部に隣接し現像剤収容部と連通して設けられる現像剤退避部と、現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、現像剤分離手段により分離された前記余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る仕切り部材とを有し、現像剤収容部のトナー濃度に応じて、仕切り部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤がトナー収容部から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部に流入する現像装置において、前記仕切り部材には、所定の場合に該仕切り部材に振動を付与する振動付与手段が設けられていることを特徴とする。
このように構成した本発明に係る現像装置は、現像剤担持体と、現像剤収容部と、トナー収容部と、現像剤退避部と、現像剤分離手段と、仕切り部材とを有し、現像剤収容部のトナー濃度に応じて、仕切り部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤がトナー収容部から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部に流入する現像装置において、仕切り部材には、所定の場合に該仕切り部材に振動を付与する振動付与手段が設けられているので、トナー濃度に応じて仕切り部材上に流出した二成分現像剤が該仕切り部材上に堆積して、正常な二成分現像剤の流れを妨げることを防止し、これにより、長期に亘って安定したトナー濃度を維持し、良質な画像を形成することができる現像装置を提供することが可能となる。
また、前記振動付与手段は、画像形成が行われていない時に、前記仕切り部材に振動を付与してもよい。
この場合は、振動付与手段は、画像形成が行われていない時に、仕切り部材に振動を付与するので、形成中の画像に濃度変動の影響を与えることなく、仕切り部材上に堆積した二成分現像剤を定期的に安定して除去することが可能となる。
ここで、前記トナーは、重合法により製造された球形トナーであってもよいし、前記トナーの重量平均径は、4〜12μmであってもよい。
この場合は、仕切り部材上に堆積して、ブロッキングを起こし易い球形トナー等に対して、こうしたブロッキング現象を効果的に防止することができる現像装置を提供することができる。
また、本発明は上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を用いて、像担持体上の静電潜像を可視像化する画像形成装置をも対象とする。
本発明によれば、仕切り部材を所定の場合に振動させることにより、仕切り部材上に堆積したトナーを定期的に除去し、長期に亘って安定した画像を形成することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
<実施の形態>
<実施の形態>
まず、本発明に係る現像装置を含む画像形成装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
図1において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像担持体であり、この静電潜像担持体21はスコロトロンなどの帯電装置22によって帯電され、レーザ書込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった静電潜像担持体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。また、現像装置24は、現像ハウジング31内に着色粒子であるトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を収容し、現像剤担持体32に前記二成分現像剤を担持させ、この現像剤担持体32にバイアス電源25からの現像バイアスを印加することで、現像剤担持体32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。さらに、転写装置26は、例えば静電潜像担持体21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって静電潜像担持体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加されることで、静電潜像担持体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。また、静電潜像担持体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
さらに、本実施の形態において、静電潜像担持体21上のトナー像を転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は、記録材28に定着される。定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像を記録材28に定着するようになっている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の構成について、図2を参照して説明する。図2は本実施の形態に係る現像装置の概要を示す構成図である。
図2において、現像装置24は、静電潜像担持体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して現像剤担持体32を配設し、現像ハウジング31のうち、現像剤担持体32に隣接した部位には二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部33と、現像剤担持体32に隣接し、現像剤収容部33に対して現像剤担持体32の現像剤搬送方向下流側に設けられる現像剤退避部34と、現像剤収容部33を介して現像剤担持体32に連通し且つトナーT及び現像剤退避部34から流出した二成分現像剤Gを収容するトナー収容部35とを形成したものである。
なお、本実施の形態において、二成分現像剤Gは、トナーTと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーTは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと帯電特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また、本実施の形態において、現像剤担持体32は、回転可能な回転スリーブ321と、この回転スリーブ321の内部に固定的に配設された磁極ロール322とを備えている。上記磁極ロール322は、例えば、ロール本体中心Oを通る水平面右側に合わせて搬送磁極(本例ではS2)を配設し、回転スリーブ321の回転方向(反時計回り)に対し、搬送磁極(S2)から下流側へ30°間隔で搬送磁極(本例ではN2)と、現像磁極(本例ではS1)とを配設する一方、搬送磁極(S2)から上流側へ30°間隔でピックアップ磁極(本例ではN1)と、ピックオフ磁極(本例ではN4)と、搬送磁極(本例ではS3)と、搬送磁極(本例ではN3)とを配置したものである。なお、本実施の形態において、現像磁極(S1)は、静電潜像担持体21に対向し、ピックアップ磁極(N1)は、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gを捕獲するようになっている。もちろん、磁極パターンについてはこの限りでなく、各々の磁極の配置や数は適宜選定して差し支えない。一方、回転スリーブ321は、反時計回りに回転すると共に、磁極ロール322の現像磁極(S1)が配設される現像部において、静電潜像担持体21と対向するようになっている。
また、本実施の形態において、現像剤収容部33は二成分現像剤Gが収容されるスペースを有し、現像剤収容部33内のうち現像剤担持体32に近接(又は接触)した部位に、現像剤撹拌部材36が回転自在(反時計回り)に配設されている。さらに、現像剤収容部33の底部形状は、現像剤担持体32及び現像剤撹拌部材36に沿った湾曲形状をしており、現像剤担持体32、現像剤撹拌部材36との間に所定間隔の現像剤搬送路を確保している。
また、本実施の形態において、現像剤撹拌部材36は、例えば磁性あるいは非磁性のロールからなるが、現像剤担持体32の軸方向における撹拌性を向上させるためにスパイラル状のオーガやロールの円周上に羽根を設けたブレンダーにしてもよく、複数配設しても差し支えない。
さらに、本実施の形態において、トナー収容部35には、収容されるトナーT及び現像剤退避部34から流出する二成分現像剤Gが撹拌搬送せしめられるトナー撹拌部材351を有しており、このトナー撹拌部材351は、例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、トナー収容部35の底壁面に沿ってトナーT及び現像剤退避部34から流出する二成分現像剤Gを掃き出すようにしたものである。
そして、このトナー収容部35の底部形状は、トナー撹拌部材351の移動回転軌跡に沿う湾曲状を有しており、現像剤収容部33とトナー収容部35との間の連結部には、トナー補給路37が設けられている。
また、本実施の形態では、現像剤担持体32内の搬送磁極(N2)から現像剤搬送方向下流側(反時計回り方向側)の位置において、搬送磁極(N2)と現像磁極(S1)との間には、現像剤担持体32と対向するようにせき止め部41が配設されている。このせき止め部41は、現像剤担持体32と同程度の幅を有し、一端を現像ハウジング31により支持され、先端部を数十μm〜数百μm程度の間隙で現像剤担持体32に近接させている。そして、本実施の形態においては、このせき止め部41と、せき止め部41よりも回転方向上流側に配置された搬送磁極(N2)により、現像剤分離手段が構成されている。
また、本実施の形態では、せき止め部41は、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gの層厚を規制する層厚規制機能を兼ねているが、層厚規制機能とは別にしてもよい。この場合、例えば、せき止め部41と現像磁極(S1)との間に層厚規制部材を設ける態様が挙げられる。
さらに、本実施の形態において、現像剤収容部33と現像剤退避部34との間は、仕切り部材39にて隔てられている。
この仕切り部材39は、例えば図3に拡大して示されるように、現像剤担持体32と同程度の幅で形成されたベースプレート39aを有し、このベースプレート39aは、現像剤担持体32側が上方で、その反対側が下方となるように斜め下方に向かって傾斜配置されている。このベースプレート39aの傾斜部長さは傾斜上を流れる現像剤が現像剤収容部33に流れ込むような長さに設定されており、傾斜上を流れる現像剤の内、一部が現像剤収容部33へ余剰分がトナー収容部35へ流出する。しかし、この傾斜部の長さは傾斜板上を流れる現像剤全てがトナー収容部35へ流れ込むような値に設定してもよい。そして、ベースプレート39aのうち、現像剤担持体32側に位置する先端部39bは、現像剤担持体32内の搬送磁極(N2)の直上、あるいは搬送磁極(N2)から現像剤搬送方向上流側(時計回り方向側)の位置において、現像剤担持体32の表面と数百μm〜数mmの位置で対向している。なお、本実施の形態では、前述したせき止め部41に多くの二成分現像剤Gを供給するために、仕切り部材39の上端部39bと現像剤担持体32との間隙は、せき止め部41と現像剤担持体32との間隙よりも広く設定されている。
一方、先端部39bの反対側である下端部39cは、前述したトナー補給路37の上側壁面を形成するような形状となっている。なお、ベースプレート39aの傾斜角度は任意に設定して差し支えない。
さらに、本実施の形態において、仕切り部材39には、所定の場合に該仕切り部材39に振動を付与する振動付与手段である振動部材45が取り付けられている。
本実施の形態において、振動部材45としては、仕切り部材39に容易に装着可能なよう、圧電アクチュエータや圧電振動フィルム、コイルと磁石を組み合わせた振動子等を用いているが、機械的に振動を与える手段などでもよい。
また、また装着位置についても、図3(a)に示されるように仕切り部材39の現像剤担持体32と対向する部分に取り付けてもよいし、図3(b)に示されるように仕切り部材39の傾斜部であるベースプレート39aの表面に取り付けてもよい。
なお、振動部材45は、振動を付与することによる目的の効果を得るために、仕切り部材39の略全面に亘って配置することが好ましいが、振動周波数を特に仕切り部材39の固有振動数の1/(2n+1)に設定することにより、仕切り部材39を共振させることが可能となり、この場合は、振動部材45を仕切り部材39の端部等の部分に配置してもよい。
なお、仕切り部材39への加振を画像形成中に行なうと、仕切り部材39上に流出した現像剤の移動速度が速くなって該現像剤のトナー補給路37への流入量が多くなり、相対的に十分なトナー補給量が確保できなくなり、連続的に画像形成を行なった場合に、現像剤中のトナー濃度低下の要因となる。このような濃度低下を未然に防止するためには、振動付与手段45は、図4に示されるように、連続画像形成が行なわれていない時に仕切り部材39に振動を付与することが好ましい。
具体的には、図4(a)に示されるように、1枚の記録材のみに画像形成を行なう場合には、該記録材への画像形成が完了した際に、振動部材45により仕切り部材39に振動が付与されるが、図4(b)に示されるように、複数の記録材に連続して画像形成を行う場合には、連続画像形成中には仕切り部材39への加振は行なわずに、一連の記録材への画像形成が完了した時点で振動部材45により仕切り部材39に振動が付与されるようになっている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の作動について、再び図2を参照して説明する。
図2において、現像剤収容部33における二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36により撹拌され、現像剤担持体32内のピックアップ磁極(N1)によって捕獲される。この後、捕獲された二成分現像剤Gは、ピックアップ磁極(N1)及び搬送磁極(S2)の磁気吸引力と現像剤担持体32表面との摩擦力により、現像剤担持体32(回転スリーブ321)の回転方向に搬送される。この搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41の近傍に到達すると、搬送磁極(N2)により穂立ちを形成する。さらに、この二成分現像剤Gの穂立ちは、せき止め部41にて規制されることにより、現像剤層として現像剤担持体32上に形成され、この現像剤層は、現像領域に搬送される。さらに、現像領域に搬送された二成分現像剤Gの現像剤層は、現像磁極(S1)の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤GにおけるトナーTは、静電潜像担持体21と現像剤担持体32との間に形成される現像電界によって、静電潜像担持体21上の静電潜像を可視像化する。
次に、このように構成した現像装置24における二成分現像剤Gの流れについて、図5及び図6を参照して説明する。
まず、図5において、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が低い場合を想定する。この二成分現像剤Gは、現像剤中のトナー量が少ないことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が大きくなっている。つまり、外部磁界(本例ではN2)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は大きくなるため、トナー濃度の低い二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍まで確実に搬送される。このせき止め部41まで確実に搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41のせき止め力と搬送磁極(N2)の磁気拘束力によって、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を押し出し、この押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって仕切り部材39上に落下し、現像剤退避部34を経て、その後、現像剤収容部33又はトナー収容部35へ流れ込む。
このとき、上記のようにトナー濃度の低い二成分現像剤Gが現像剤退避部34に導かれた場合、現像剤収容部33内にはその分だけスペースが作られることになる。その結果、トナー補給路37内にあった二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36の搬送力と二成分現像剤Gの自重により、上記スペースに速やかに引き込まれトナー補給路37付近の二成分現像剤が流動する。これにより、トナー補給路37は、トナー収容部35からのトナーT及び高いトナー濃度の二成分現像剤Gを受け入れ、このトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gは、トナー補給路37を経て現像剤収容部33へと速やかに供給される。
一方、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が高い場合を想定すると、この二成分現像剤Gは、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さい。つまり、図6に示すように外部磁界(本例ではN2)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は小さいため、トナー濃度の高い二成分現像剤Gの多くは、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部材39の先端よりも上流側の位置で落下してしまう。この結果、この二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤まで到達することなく、仕切り部材39上に落下しない。このため、この二成分現像剤Gは、仕切り部材39上に落下することなく、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部材39の先端部39bより上流側の位置で落下し、直接現像剤収容部33へ戻る。このとき、前記トナー濃度が低い場合と異なり、現像剤収容部33内にスペースが作られず、トナー補給路37付近の二成分現像剤Gは流動しないので、二成分現像剤Gによりふさがれている状態となり、トナー収容部35からトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gを供給されない。
このように、本実施の形態に係るトナー補給メカニズムは、トナー濃度に応じた二成分現像剤Gの流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われない構成になっている。
そして、低トナー濃度の時には、二成分現像剤Gは、現像剤退避部34へ一時的に誘導されることによって現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されることになり、その分、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gは、トナー収容部35内のトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤をすばやく取り込むことができ、高密度画像の連続出力に対応することができる。さらに、前述のようなメカニズムにより、現像剤担持体32上の飽和トナー濃度は二成分現像剤に働く磁気吸引力に依存するものであり、二成分現像剤の体積に依存しないので、経時で現像装置内の磁性キャリアの量が減少しても飽和トナー濃度は安定した値に保たれる。そして、トナー収容部35からトナー及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤を供給する場合、二成分現像剤Gが現像剤退避部34を経由するため、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの循環が非常に活発になり、トナー及び非常に高い濃度の二成分現像剤の取込みが均一に行なわれる。また、二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されること、磁性キャリアが現像剤収容部33及び現像剤退避部34からトナー収容部35へ流出しても構わない構成であることから、現像剤の仕込み量を増やすことが可能であるため、現像剤に対するストレスが軽減し、現像剤の長寿命化、低ランニングコストを実現することができる。
さらに、仕切り部材39に振動部材45を設けて、所定の場合に仕切り部材39に振動を付与することにより、二成分現像剤Gが仕切り部材39上に堆積して、上述のメカニズムに基づくトナー濃度に応じた正常な現像剤の流れを阻害することを防止し、長期に亘り安定したトナー濃度制御を行なうことが可能となる。
また、このような仕切り部材39上へ堆積し、現像剤の正常な流れを妨げるようなブロッキング現象を生じ易いトナーとしては、乳化重合法や懸濁重合法により生成された球形トナー(特に、重量平均径が4〜12μmの範囲にあるもの)が挙げられる。
そこで、近年のトナーの小粒径化、球形化により用いられることの多い、このような球形トナー等に対しても、本発明に係る現像装置を適用することにより、効果的にブロッキング現象を防止することができる。
21:静電潜像担持体、22:帯電装置、23:露光装置、24:現像装置、25:バイアス電源、26:転写装置、27:バイアス電源、28:記録材、29:クリーニング装置、31:現像ハウジング、32:現像剤担持体、33:現像剤収容部、34:現像剤退避部、35:トナー収容部、36:現像剤撹拌部材、37:トナー補給路、39:仕切り部材、39a:ベースプレート、39b:上端部、39c:下端部、41:せき止め部、45:振動部材、50:定着装置、51:加熱ロール、52:加圧ロール、321:回転スリーブ、322:磁極ロール、351:トナー撹拌部材、G:二成分現像剤、T:トナー
Claims (6)
- トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部にトナー補給路を介して連通し、このトナー補給路を通じてトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤収容部に隣接し現像剤収容部と連通して設けられる現像剤退避部と、現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、現像剤分離手段により分離された前記余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る仕切り部材とを有し、現像剤収容部のトナー濃度に応じて、仕切り部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤がトナー収容部から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部に流入する現像装置において、
前記仕切り部材には、所定の場合に該仕切り部材に振動を付与する振動付与手段が設けられていることを特徴とする現像装置。 - 前記振動付与手段は、画像形成が行われていない時に、前記仕切り部材に振動を付与することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記トナーは、球形トナーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記球形トナーは、重合法により製造されたトナーであることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
- 前記トナーの重量平均径は、4〜12μmであることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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