JP2011085881A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像スリーブ34aに供給する現像剤32を貯留する現像剤貯留部34cに対して、供給搬送路37内の現像剤32が障壁13aの上方の供給連通部13aを通過することで現像剤32が供給される現像装置3で、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす、現像剤ほぐし手段としてパドル部材31を備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載の現像装置のように、供給搬送部材に供給スクリュを用いると、螺旋状の羽部の形状に合わせて供給搬送路内の現像剤の嵩高にムラが生じる。すなわち、供給スクリュの回転軸に対して羽部が上方に位置する箇所では、この羽部に対して供給スクリュの搬送方向下流側は現像剤が羽部に押されて盛り上がり、嵩が高くなる。一方、この羽部に対して供給スクリュの搬送方向上流側は現像剤の嵩は低くなる。
また、特許文献1に記載の現像装置では、供給スクリュよりも上方に配置された現像スリーブ内の磁界発生手段の磁力により、供給搬送路内の現像剤を現像スリーブの表面上に汲み上げる構成である。このため、この磁界発生手段からの距離が遠くなるほど現像剤が磁力の影響を受け難くなり、現像剤を汲み上げ難くなる。そして、上述したように、供給搬送路内の現像剤の嵩高にムラが生じていると、嵩が低い箇所では嵩が高い箇所よりも現像スリーブに現像剤を汲み上げ難くなり、現像スリーブへ汲み上げられる現像剤量にもムラが生じる。この現像スリーブへ汲み上げられる現像剤量のムラにより、作成した画像にスクリュピッチムラと呼ばれる画像濃度ムラが発生することがあった。
障壁の上端部で凝集体が徐々に大きくなる問題について説明したが、障壁の上端部で形成された凝集体が振動等によって崩れて障壁から離脱した場合、崩れた凝集体が現像スリーブ上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と現像スリーブとの間に詰まって、白スジと呼ばれる画像不良が生じる場合がある。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像領域を通過した後の上記現像剤担持体の表面に担持される現像剤は、上記循環搬送路に受け渡されることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記供給搬送部材の下端部が上記現像剤担持体の上下方向の中央部よりも上方となるように該現像剤担持体及び該供給搬送部材が配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、回転軸を中心に回転する回転体を上記連通部に備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記回転体の回転軸の軸方向は上記軸線方向に沿う方向に延在し、該回転体の回転方向は、その回転軸よりも下方の部分が上記現像剤貯留部側から上記供給搬送路側へと移動する回転方向であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の現像装置において、上記回転体は、上記回転軸を中心に羽部が回転するパドル部材であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像装置において、上記パドル部材の羽部には一つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4または5の現像装置において、上記回転体は、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、上下方向に揺動する上下揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、水平方向に揺動する水平揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、振動部材を上記連通部の近傍に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、上記連通部の近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤担持体に担持され、上記現像領域に向かって搬送される該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材を有し、上記供給搬送路内の現像剤が、上記連通部を通過し、上記現像剤貯留部に供給され、該現像剤担持体に担持されて該現像剤規制部材によって規制される位置に到達するまでの現像剤の経路に、通過する現像剤に含まれる異物を除去する異物除去手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体を帯電する帯電手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
図2は、プリンタ100の概略構成図である。プリンタ100は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置であり、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン(以下、K,M,Y,Cと記す)の各色トナー像を形成する四つの作像装置17K,M,Y,Cを備えている。これらの作像装置17K,M,Y,Cの下方には、下流側張架ローラ18と上流側張架ローラ19とに掛け回されて記録紙Pを表面に担持して搬送し、各作像装置17K,M,Y,Cに対向しながら表面移動する転写搬送ベルト15が配設されている。また、転写搬送ベルト15を挟んで各作像装置17K,M,Y,Cと対向する転写バイアスローラ5K,M,Y,Cを備えている。
また、転写搬送ベルト15による記録紙搬送方向について下流側張架ローラ18よりも下流側には、転写搬送ベルト15から分離した記録紙P上の未定着トナーを定着する定着装置24を備えている。また、プリンタ100の本体上部には、定着装置24を通過しトナー像が定着した記録紙Pを積載するための排紙トレイ25を備えている。
一方、記録紙P上にトナー像を転写した後の感光体1K,M,Y,Cは、クリーニング装置6K,M,Y,Cによって転写残トナーの除去がなされ、必要に応じて図示しない除電ランプで除電された後、再度、帯電装置2K,M,Y,Cで一様に帯電される動作を繰り返す。
図1は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の一つ目に実施例(以下、実施例1と呼ぶ)の概略構成図である。
実施例1の現像装置3は感光体1に対向配置され、感光体1は図1中矢印aに示すように図1における時計回り方向に回転駆動する。
現像装置3のケーシングである現像容器33内には磁性又は非磁性のトナーと磁性キャリアとからなる粉体状の二成分現像剤である現像剤32が収容されている。現像装置3は、感光体1の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像領域Aまで現像容器33内の現像剤32を担持して、表面移動することによって搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ34aを備える。また、現像スリーブ34aの内部に現像装置3に対して固定された複数の磁石からなるマグネットローラ34bを備え、現像スリーブ34aとマグネットローラ34bとで現像ローラ34を構成する。さらに、現像スリーブ34a上に担持された現像剤の層厚を規制する剤規制部材35とを有している。
図1に示すように、仕切り板36は現像スリーブ34a側の端部が供給スクリュ39を囲むように立設され、当該立設部によって後述する障壁13を形成している。また、障壁13の端部の上方には詳細は後述するパドル部材31が設けられている。
現像容器33内の現像剤32は、供給スクリュ39と循環スクリュ40との回転による搬送によって、仕切り板36の両端に設けられた開口部を通じて供給搬送路37と循環搬送路38との間を循環する。
なお、供給スクリュ39は図1における時計回りに回転し、循環スクリュ40は現像スリーブ34aと同様に反時計回りに回転する。
現像スリーブ34aに供給された現像剤32は、現像スリーブ34aの回転と、内設されたマグネットローラ34bの磁力とによって、現像スリーブ34aの表面に担持されつつ、図1中の矢印Bの方向に搬送される。現像剤貯留部34cに供給されて現像スリーブ34aの表面に担持された現像剤32のうちの一定量が、現像スリーブ34aに担持され、矢印Bで示すように剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部を通過する。このとき、現像スリーブ34aの表面に担持された現像剤32のうちの余分な現像剤32は、図1中の矢印B1で示すように剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部を通過するときに剤規制部材35によって掻き取られる。
すなわち、現像スリーブ34a上に担持されて現像領域Aに搬送され、現像領域Aを通過した後、現像領域Aにおいて感光体1の表面の供給されずに現像スリーブ34a上に残った現像剤32は、現像スリーブ34aの回転に伴って供給搬送路37に再度回収されるのではなく、一度、循環搬送路38に回収される。そして、回収された現像剤32は、循環搬送路38中で補給されたトナーと攪拌されつつ搬送され、再度、供給搬送路37へ受け渡される。このために供給搬送路37内には常に循環搬送路38で十分攪拌された現像剤のみが存在する状態となる。
図1、図3、及び図4に示すように、現像装置3では、供給搬送路37と循環搬送路38との位置関係が上下に並ぶように構成されている。このため、仕切り板36の両端に設けられた開口部のうち図3及び図4中右側の開口部である落下口42では供給搬送路37の下流端から循環搬送路38の上流端へと現像剤32は上から下へと移動する。一方、仕切り板36の両端に設けられた開口部のうち図3及び図4中左側の開口部である持ち上げ口41では循環搬送路38の下流端から供給搬送路37の上流端へと現像剤32は下から上へと移動する。持ち上げ口41での循環搬送路38から供給搬送路37への現像剤の移動は、循環搬送路38内の搬送方向下流端に溜まった現像剤32の圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤32が受け渡される。このように、現像装置3内では、仕切り板36の両端に設けられた2つの開口部(落下口42及び持ち上げ口41)を通じて、供給搬送路37と循環搬送路38との間を現像剤32が循環する。
このため、供給搬送路37内で供給スクリュ39によって搬送力が付与されて搬送される現像剤32の量は、現像剤32が現像スリーブ34a表面から循環搬送路38に回収されることにより、供給搬送路37内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に減少する傾向がある。
一方、循環搬送路38内で循環スクリュ40によって搬送力が付与されて搬送される現像剤32の量は、循環搬送路38内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に増加する傾向がある。即ち、現像装置3内の現像剤32の量の分布には偏りが存在する。
図16は、従来の現像装置3の一例を示す概略説明図である。
図1に示す実施例1の現像装置3と比較して、図16に示す現像装置3は、パドル部材31を備えていない点で相違する。なお、マグネットローラ34bが備える磁極が、実施例1の現像装置3では、2つのN極(N1、N2)と1つのS極(S1)との3つの磁極であるのに対して、図16に示す従来の現像装置3は5つの磁極である点も相違する。しかし、本発明の特徴的な構成は、実施例1の現像装置3のように磁極が3つである構成に限らず、磁極が5つの構成等、磁極が3つ以外の構成にも適用可能である。
このため、供給搬送路37内のトナー濃度の変動を防止し、現像スリーブ34aには均一なトナー濃度の現像剤32が供給されるため、上述したような供給搬送路37の搬送方向下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。このため、現像スリーブ34aには常に均一なトナー濃度の現像剤32が供給され、スラスト方向の画像ムラ(攪拌が不十分なために起こる画像ムラ)や濃度差(攪拌が不十分なために起こる濃度差)のない均一な画像を得ることができるのである。近年、フルカラー化に伴い、文書などの印字率の低い原稿に比べて、印字率の高い写真などの原稿を印刷する機会が増えつつあるが、図16に示す現像装置3のように、供給搬送路37内のトナー濃度の変動を防止する構成では、印字率の高い原稿であっても画像濃度にムラが発生することを防止できる。なお、特許文献1及び特許文献2に記載の現像装置においても、供給搬送路から現像スリーブに供給されて現像領域を通過した現像剤は、供給搬送路に再度回収されるのではなく、一度、循環搬送路に回収されるため、供給搬送路の搬送方向下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。
上述したように、この現像装置3では、供給搬送路37から現像スリーブ34aに供給された現像剤32は循環搬送路38へと搬送されるため、現像スリーブ34aから供給搬送路37へと現像剤32が搬送されることはない。よって、供給搬送路37内において供給スクリュ39により搬送される現像剤32の量は、搬送方向上流側から搬送方向下流側に行くに従い徐々に減少する傾向がある。即ち、供給搬送路37内の現像剤32の量の分布には偏りが存在し、現像剤32の量が多い搬送方向上流側ほど現像剤32の嵩(剤面32fの位置)が高く、搬送方向下流側ほど現像剤32の嵩が低くなる。
また、現像スリーブ34aに内包されたマグネットローラ34bと現像剤32は互いに引き合い現像スリーブ34aに対して負荷が生じる。このとき、剤規制部材35の手前に搬送される現像剤32の量に軸方向でムラがあって不均一であると、現像剤32の量の多い箇所では剤規制部材35による規制位置で現像剤32が現像スリーブ34aを剤規制部材35と反対側に押す負荷が大きくなり、現像スリーブ34aが撓むことで現像スリーブ34aと剤規制部材35との間隔が変動するおそれがある。この間隔が変動すると、間隔が広い箇所では多くの現像剤32が通過するため、剤規制部材35を通過して現像領域Aに向かう現像剤32の量にムラが発生する。現像領域Aに向かう現像剤32の量にムラが生じると、例え現像剤32のトナー濃度が現像スリーブ34aの軸方向で均一であったとしても、画像濃度にムラを発生させる不具合が生じる。
さらに、現像スリーブ34aが撓むと、現像領域Aにおける現像スリーブ34aの表面と感光体1の表面との距離である現像ギャップが現像スリーブ34aの軸方向において不均一となるおそれがある。現像ギャップが不均一となると、現像スリーブ34aと感光体1との間に形成される現像電界の強さが不均一となり、画像ムラを発生させる不具合が生じる。
また、供給搬送路37における高さの差Hが大きい搬送方向上流側では、現像スリーブ34aに対して過剰な現像剤32が供給される傾向にあり、搬送方向下流側では上流側で過剰に供給されたため現像剤32の供給量が不足する不具合が生じるおそれがある。
図18は、図16に示す現像装置3で、仕切り壁である障壁13の上端の高さが供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くなる従来例2の現像装置3の説明図である。図18(a)は、従来例2の現像装置3の障壁13を形成する仕切り板36の斜視説明図であり、図18(b)は、従来例2の現像装置3の障壁13の高さと供給搬送路37内の現像剤32の嵩の高さとの関係を示す模式図である。
さらに、障壁13の近傍に凝集体が形成されると、例えばプリンタ100の移動などで現像装置3に大きな振動が与えられ、凝集体が崩れた場合、崩れた凝集体が剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間に詰まると、いわゆる白スジなどの不良画像を発生することがある。
このような不具合に対して、本発明を適用した現像装置は、現像剤が凝集しやすい箇所に対し、現像剤をほぐす現像剤ほぐし手段を設けることで、長期の使用においても現像剤の凝集を生成させずに安定した現像剤供給を行うものである。
図1に示すように、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、パドル部材31を備える。
実施例1の現像装置3では、パドル部材31が不図示の駆動源から駆動が伝達され、回転駆動することで、パドル部材31の羽根が障壁13の上方を通過し、障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32をほぐすことができる。このため、現像装置3を長期使用しても現像剤32の凝集を防ぐことが可能となる。
図5に、実施例1の現像装置3に適用可能なパドル部材31の一つ目の例を示す。図5(a)は、パドル部材31の斜視図であり、図5(b)は、パドル部材31が備えるパドル羽部31bの正面図である。パドル部材31は、パドル回転軸31aとパドル羽部31bとからなり、不図示の駆動源からパドル回転軸31aに図中矢印D方向の回転駆動が伝達されることにより、パドル羽部31bが回転し、現像剤32をほぐすものである。図5に示すパドル部材31のパドル羽部31bは平板状の部材である。
図7に、実施例1の現像装置3に適用可能なパドル部材31の三つ目の例を示す。図7(a)は、パドル部材31の斜視図であり、図7(b)は、パドル部材31が備えるパドル羽部31bの正面図である。そして、図7に示すパドル部材31のパドル羽部31bは軸方向両端の羽支持部31cの間に複数本のワイヤ部材31dを張ったワイヤ形状の部材である。
このため、図6及び図7に示すように、メッシュ形状やワイヤ形状のパドル羽部31bを備えたパドル部材31を用いて、パドル部材31が回転することによる現像剤32をほぐす機能は持たせつつ、現像剤32に対して搬送力を付与する機能を抑制した構成の方が望ましい。
なお、実施例1の現像装置3では、供給搬送路37内の搬送方向における現像剤量の偏りに起因する現像スリーブ34aに供給される現像剤32の量の搬送方向における偏差を抑制するために、図18で示した従来例2と同様に障壁13の高さを供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くしている。このため、障壁13の上端13bの位置は搬送方向上流側ほど高く、下流側ほど低くなるように斜めになっている。実施例1の現像装置3では、パドル部材31のパドル回転軸31aが障壁13の上端13bと平行になるように配置している。
また、実施例1では、障壁13の高さを供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くしているが、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32を現像剤ほぐし手段によってほぐす構成は、図17を用いて説明した従来例1のように、障壁13の上端13bの高さが一様である現像装置3であっても適用可能である。
図8は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の二つ目に実施例(以下、実施例2と呼ぶ)概略構成図である。
図8に示すように、実施例2の現像装置3は、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、図8中の矢印Eで示す上下方向に揺動する上下揺動部材310を備える。
図9は、図8に示す実施例2の現像装置3の供給搬送路37の説明図である。図9(a)は、実施例2の現像装置3の供給搬送路37を形成する、仕切り板36と上下揺動部材310との斜視説明図であり、図9(b)は、実施例2の現像装置3の上下揺動部材310の配置と供給搬送路37内の現像剤32の嵩(剤面32fの位置)の高さとの関係を示す模式図である。
なお、実施例2の現像装置3は上下に揺動する上下揺動部材310を備える構成であるが、揺動する部材によって障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32をほぐす構成としては、水平方向に揺動する構成でもよい。
また、上下揺動部材310の形状は、供給搬送路37から供給連通部13aを通って現像剤貯留部34cへ向かう現像剤32の流れを阻害しない程度に小さい形状であることが望ましい。
図10は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の三つ目に実施例(以下、実施例3と呼ぶ)概略構成図である。
図10に示すように、実施例3の現像装置3は、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、障壁13に超音波振動子などからなる振動部材311を設けたものである。
振動部材311が振動することで、障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32にもその振動が伝達し、上部に存在する現像剤32からの圧がかかった状態でも下部に存在する現像剤32はほぐされるため、現像剤32の凝集を抑制することができる。
図11は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の四つ目に実施例(以下、実施例4と呼ぶ)概略構成図である。
図11に示すよう実施例4の現像装置3は、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、供給連通部13aの近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段である電磁石312を障壁13に設けたものである。
電磁石312が画像出力中に磁界を形成すると、現像剤32の循環を阻害してしまうため、画像出力後に制御信号を送り、磁界を形成することが望ましい。
電磁石312が磁界を形成すると、電磁石312の周辺の現像剤32は発生した磁界のベクトルに沿って磁気穂が立つ。このとき、供給連通部13aの下部領域M1に存在する現像剤32に対して上部領域M2に存在する現像剤32によって圧力がかかった状態でも、電磁石312の磁気的な力によって下部領域M1に存在する現像剤32に動きが生じて、この現像剤32がほぐされるため、現像剤32の凝集を抑制することができる。
図12は、障壁13の上端13b近傍の拡大説明図である。
上述した実施例1〜実施例4の現像装置3では、障壁13の上端13b近傍の形状は図12(a)に示すように、上端13bに平面が形成された形状となっている。障壁13の上端13b近傍の形状としては、図12(b)に示すように傾斜を持たせた形状や、図12(c)に示すようにくさび形状とすることで、障壁13の上端13b近傍に滞留する現像剤32の量を少なくする構成が望ましい。
また、実施例1〜実施例4では、現像剤ほぐし手段を構成する各部材をそれぞれ単独で備える構成について説明したが、各実施例で説明した現像剤ほぐし手段を構成する各部材を複数組み合わせた構成としてもよい。
磁力により供給搬送路内の現像剤を現像スリーブに汲み上げる構成では、障壁の上方に存在する現像剤にも磁力によって現像スリーブ側に移動する積極的な力が作用しているため、障壁の上方に現像剤の凝集体は形成されにくい。しかし、供給搬送路と現像スリーブとの間に障壁があり、障壁の上方の供給連通部を介して供給搬送路から現像スリーブに現像剤を供給する構成であれば、障壁の上部に現像剤の凝集体が形成される不具合は起こり得る。
図13は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の五つ目に実施例(以下、実施例5と呼ぶ)概略構成図である。
図13に示すように、実施例5の現像装置3は、図1に示す実施例1の現像装置3に異物除去部材300を追加した構成である。
しかし、このように、現像剤32の自重によって現像スリーブ34a表面へと落下させて現像スリーブ34a表面に現像剤32を供給する、いわゆるかけ流し方式の現像装置3では、現像容器33内の現像剤32に異物やトナー凝集体等が混入すると白スジが発生しやすいという問題がある。
また、実施例1〜実施例4の現像装置3は、供給搬送路37から現像スリーブ34aに供給された現像剤32が供給搬送路37に戻らず、循環搬送路38に受け渡され、循環搬送路38から供給搬送路37に現像剤32が供給される、いわゆる一方向循環の現像装置である。このような一方向循環の現像装置3は、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤が供給搬送路に戻る構成に比べて、現像容器33内の現像剤32に異物等が混入すると白スジが発生しやすいという問題がある。以下、これらの問題について説明する。
現像装置3において、現像容器33内に規制ギャップ(剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部の最近接部の間隔)よりも大きな異物等が混入することが生じ得る。この規制ギャップよりも大きな異物等が、現像剤32とともに現像スリーブ34aの表面に供給され、剤規制部材35によって現像スリーブ34a上の現像剤量が規制される位置まで到達すると、この異物等が剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間に詰まる。剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間に異物等が詰まると、この詰まりが生じた箇所のみ現像剤32が通過できなくなる。これにより、詰まりが生じた箇所の現像スリーブ34aの表面に対して表面移動方向下流側はスジ状の現像剤32が供給されない箇所となり、この箇所と対向した感光体1表面上の潜像は現像されないため白スジが発生する。
一方、かけ流し方式の一方向循環の現像装置では、重力によって供給搬送路から現像スリーブへと現像剤の搬送を行っているため、磁気的に現像剤を汲み上げる方式と比較すると現像剤に負荷されるストレスが低減するという利点は有するものの、現像剤中に混入した磁性体ではない異物等も重力によって供給搬送路から現像スリーブへと搬送されるため、剤規制部材によって現像剤量が規制される位置まで異物等が搬送され易く、より白スジが発生し易くなるという問題がある。
このような問題に対して、実施例5の現像装置3は、現像容器33内に混入した異物等を、剤規制部材35によって現像剤量が規制される位置まで搬送しないことで、白スジなどの画像不良を発生させず、良好な画像品質を維持するものである。
このような構成において、異物除去部材300のメッシュの大きさを、剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間で詰まりが発生するおそれがある異物等を除去できる程度に設計する。これにより、現像容器33内に異物等が混入した場合においても剤規制部材35による規制位置まで詰まりを発生させるおそれのある異物等が搬送されることはないため、白スジの発生を防止し、安定した画像品質を提供することが可能となる。
よって、異物等を除去しつつ、良好な現像剤循環を得るために、規制ギャップをd、メッシュの大きさをMd、現像剤の粒径をTdとすると、
2Td< Md <d
という関係を満たすように異物除去部材300のメッシュの大きさMdを設定することが望ましい。
一方、異物除去部材300を配置する角度θを30[°]以上に設定すると、異物除去部材300の厚み方向への通過を妨げられ、異物除去部材300の上部で引っかかった異物等は、異物除去部材300の上部の傾きに沿ってその自重により下方側へと移動する。このため、角度θを30[°]以上に設定することにより、目詰まり等の不具合の発生を抑制することができる。
図14は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の六つ目に実施例(以下、実施例6と呼ぶ)概略構成図である。
図14に示すように、実施例6の現像装置3は、図13に示す実施例5の現像装置3のパドル部材31の代わりに、磁石等の磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材51を配置した構成である。スリーブ部材51はパドル部材31と同様に、図14中の反時計回り方向に回転駆動する。
図15は、図14に示す実施例6の現像装置3の供給搬送路37の説明図である。図15(a)は、実施例6の現像装置3の供給搬送路37を形成する、仕切り板36とスリーブ部材51との斜視説明図であり、図15(b)は、実施例6の現像装置3のスリーブ部材51と障壁13との位置関係を示す模式図である。
一方、図14に示す実施例6の現像装置3では、障壁13の上方に磁界発生手段を内包したスリーブ部材51を設けた構成であり、供給搬送路37内の現像剤32は、スリーブ部材51内の磁界発生手段の磁力によりスリーブ部材51の上部表面へと汲み上げられる。
図14に示す構成では、スリーブ部材51内の磁界発生手段は、汲み上げ極Naと剤離れ極Nbとが配置されている。汲み上げ極Naの磁力によってスリーブ部材51の上部表面へと汲み上げられた現像剤32は、スリーブ部材51の回転駆動に伴い搬送され、剤離れ極Nbが配置された剤切れ部において、スリーブ部材51の表面から離脱する。このとき、剤離れ極Nbの磁力とスリーブ部材51の回転駆動に伴う遠心力とによって、剤規制部材35の上方の現像容器33の内壁付近まで搬送される。
剤規制部材35の上方の現像容器33の内壁付近まで搬送された現像剤32は、自重により落下し、異物除去部材300を通過した後に現像スリーブ34aの表面上へと搬送される。
また、スリーブ部材51の回転方向を時計回りに設定すると、供給搬送路37内の現像剤32がスリーブ部材51と障壁13の上端13bとの狭い隙間を通過して、異物除去部材300側に供給されると、現像剤32にストレスがかかり、現像剤32の劣化が進む原因となる。
このように、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材51を配置した構成では、供給搬送路37と対向したスリーブ部材51の表面が、スリーブ部材51の上方に向かって移動し、現像剤貯留部34cと対向する位置を通過して、障壁13の上端13bとの対向する位置を通過するように(図14中の反時計回り方向に)スリーブ部材51を回転させることで、供給搬送路37内の下流側で現像剤32が枯渇することを抑制できるとともに、現像剤32の劣化を抑制することができるため、回転方向が逆の構成よりも好ましい。
このような問題に対して、実施例6の現像装置3では、スリーブ部材51から離脱した後、現像スリーブ34aの表面に到達する前の現像剤32は磁気的な制約を受けることがない。このため、スリーブ部材51の表面上に供給された現像剤32にも凹凸が生じていても、スリーブ部材51から現像スリーブ34aに搬送される間にその凹凸が均され易く、スクリュピッチ状の画像ムラはより発生し難いという利点もある。
このように、スリーブ部材51の内部を一つの磁極とする構成では、スリーブ部材51からの現像剤32の離脱Wお円滑に行うために、剤離れ部におけるスリーブ部材51表面上の法線方向の磁束密度が5[mT]以下程度に低減するように、磁極を配置することが望ましい。
さらに、異物除去部材300としては、メッシュが形成された板状部材に限るものではなく、所定の大きさよりも小さい粒子のみを通過させる部材であればよい。
実施例1〜4の現像装置3では、現像剤ほぐし手段によって障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐすことで、障壁13の上端13b近傍に現像剤32の凝集体が形成されることを防止し、経時に渡って安定して良好な画像品質を維持することができる。
2 帯電装置
3 現像装置
5 転写バイアスローラ
6 クリーニング装置
13 障壁
13a 供給連通部
13b 上端
15 転写搬送ベルト
16 露光装置
17 作像装置
18 下流側張架ローラ
19 上流側張架ローラ
20、21、22 給紙カセット
23 レジストローラ
24 定着装置
25 排紙トレイ
26 給紙搬送装置
31 パドル部材
31a パドル回転軸
31b パドル羽部
31c 羽支持部
31d ワイヤ部材
32 現像剤
32f 剤面
33 現像容器
33b 底部
34 現像ローラ
34a 現像スリーブ
34b マグネットローラ
34c 現像剤貯留部
35 剤規制部材
36 仕切り板
37 供給搬送路
38 循環搬送路
39 供給スクリュ
40 循環スクリュ
41 持ち上げ口
42 落下口
45 トナー補給口
51 スリーブ部材
300 異物除去部材
310 上下揺動部材
310a 揺動部材支持部
311 振動部材
312 電磁石
Claims (14)
- トナー及びキャリアからなる現像剤を表面上に担持して表面移動し、潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
貯留する現像剤が該現像剤担持体の表面に接触し、該現像剤担持体の表面移動に伴い該現像剤担持体の表面に接触した現像剤が該現像剤担持体に担持・搬送される現像剤貯留部と、
上方が連通部である障壁を挟んで該現像剤貯留部に隣接して形成され、該連通部を介して該現像剤貯留部に現像剤を供給しながら該現像剤担持体の表面移動方向に直交する軸線方向に現像剤を搬送する供給搬送路と、
該供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給搬送部材と、
該供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を該供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、
該循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材とを有し、
上記供給搬送路内の現像剤が上記連通部を通過することで上記現像剤貯留部に現像剤が供給される現像装置において、
上記障壁の上方に存在する現像剤をほぐす現像剤ほぐし手段を備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記現像領域を通過した後の上記現像剤担持体の表面に担持される現像剤は、上記循環搬送路に受け渡されることを特徴とする現像装置。 - 請求項1または2の現像装置において、
上記供給搬送部材の下端部が上記現像剤担持体の上下方向の中央部よりも上方となるように該現像剤担持体及び該供給搬送部材が配置されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤ほぐし手段として、回転軸を中心に回転する回転体を上記連通部に備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項4の現像装置において、
上記回転体の回転軸の軸方向は上記軸線方向に沿う方向に延在し、該回転体の回転方向は、その回転軸よりも下方の部分が上記現像剤貯留部側から上記供給搬送路側へと移動する回転方向であることを特徴とする現像装置。 - 請求項4または5の現像装置において、
上記回転体は、上記回転軸を中心に羽部が回転するパドル部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項6の現像装置において、
上記パドル部材の羽部には一つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする現像装置。 - 請求項4または5の現像装置において、
上記回転体は、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤ほぐし手段として、上下方向に揺動する上下揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤ほぐし手段として、水平方向に揺動する水平揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤ほぐし手段として、振動部材を上記連通部の近傍に設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤ほぐし手段として、上記連通部の近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段を設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤担持体に担持され、上記現像領域に向かって搬送される該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材を有し、
上記供給搬送路内の現像剤が、上記連通部を通過し、上記現像剤貯留部に供給され、該現像剤担持体に担持されて該現像剤規制部材によって規制される位置に到達するまでの現像剤の経路に、通過する現像剤に含まれる異物を除去する異物除去手段を備えることを特徴とする現像装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体を帯電する帯電手段と、
該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、
上記現像手段として、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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