JP5549919B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置、並びにこの現像装置を用いた画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真の分野において、画像形成装置が備える現像装置としては、一成分の現像剤を用いる一成分方式の現像装置や、トナーと磁性キャリアからなる現像剤を用いる二成分方式の現像装置が知られている。そして、一成分方式の現像装置に比べて、耐久性、画像特性に優れている等の理由により、二成分方式の現像装置を備える画像形成装置が広く用いられている。二成分方式の現像装置としては、複数の磁極を有する磁界発生手段を内包して現像剤を表面に担持して搬送する現像剤担持体としての現像スリーブを有するものが知られている。この現像装置では、現像スリーブの軸方向に平行に現像剤を搬送しながら現像スリーブに現像剤を供給する供給搬送路を有する。このような現像装置では、供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路を有する。
供給搬送路と循環搬送路とを備える現像装置としては、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤が、潜像担持体である感光体と現像スリーブとの対向部である現像領域を通過した後、供給搬送路に受け渡されるものがある。現像領域を通過した現像剤は感光体上の潜像にトナーを供給してトナー濃度が低下した状態であるので、現像領域を通過した現像剤が供給搬送路に戻る現像装置では供給搬送路の搬送方向下流側ほど現像剤中のトナー濃度が低下する。特に高印字率の画像では現像領域を通過する前の現像剤に対して現像領域を通過した後の現像剤のトナー濃度の低下が大きくなる。これにより、供給搬送路の搬送方向下流側のトナー濃度低下が大きくなって、画像濃度にムラが発生し、画像品質が低下する問題が生じる。
特許文献1に記載の現像装置は、供給搬送路及び循環搬送路の現像スリーブに平行な2本の現像剤搬送路を備える。そして、供給搬送路から現像スリーブに供給され、現像スリーブに担持されて現像領域を通過した現像剤は循環搬送路に受け渡される。このような現像装置では、現像領域を通過してトナー濃度が低下した現像剤は供給搬送路に戻らず、循環搬送路に受け渡されるため、上述したような供給搬送路の搬送方向下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。
特許文献1に記載の現像装置は、供給搬送路内の現像剤を搬送する供給搬送部材として回転軸に螺旋状の羽部を固定したスクリュ形状の供給スクリュを備え、現像スリーブは供給スクリュよりも上方に配置されている。この現像装置は、供給搬送路内を供給スクリュによって搬送される現像剤を、現像スリーブ内の磁界発生手段の磁力によって現像スリーブの表面に汲み上げる構成である。
特許文献1に記載の現像装置のように、供給搬送部材に供給スクリュを用いると、螺旋状の羽部の形状に合わせて供給搬送路内の現像剤の嵩高にムラが生じる。すなわち、供給スクリュの回転軸に対して羽部が上方に位置する箇所では、この羽部に対して供給スクリュの搬送方向下流側は現像剤が羽部に押されて盛り上がり、嵩が高くなる。一方、この羽部に対して供給スクリュの搬送方向上流側は現像剤の嵩は低くなる。
また、特許文献1に記載の現像装置では、供給スクリュよりも上方に配置された現像スリーブ内の磁界発生手段の磁力により、供給搬送路内の現像剤を現像スリーブの表面上に汲み上げる構成である。このため、この磁界発生手段からの距離が遠くなるほど現像剤が磁力の影響を受け難くなり、現像剤を汲み上げ難くなる。そして、上述したように、供給搬送路内の現像剤の嵩高にムラが生じていると、嵩が低い箇所では嵩が高い箇所よりも現像スリーブに現像剤を汲み上げ難くなり、現像スリーブへ汲み上げられる現像剤量にもムラが生じる。この現像スリーブへ汲み上げられる現像剤量のムラにより、作成した画像にスクリュピッチムラと呼ばれる画像濃度ムラが発生することがあった。
特許文献2に記載の現像装置では、供給搬送路を現像スリーブよりも上方に配置し、現像スリーブが配置された空間と供給搬送路とを仕切る障壁の上方の連通部を介して供給搬送路から現像スリーブに現像剤を供給する構成である。供給搬送路内の現像剤のうち障壁を乗り越えた現像剤が、障壁の上端から自重によって落下することで現像スリーブへと供給される。この現像装置では、供給搬送路と現像スリーブとの間にある障壁を現像剤が乗り越えて現像スリーブへと落下する過程で、供給搬送路から現像スリーブに向かう現像剤量のムラは均される。このため、供給搬送路内の現像剤の嵩高にムラがあっても、スクリュピッチムラの発生を抑制することが出来る。
しかし、特許文献2に記載の現像装置では、供給搬送路から障壁の上方の連通部に到達した現像剤は自重によって現像スリーブに向かって落下するため、連通部に存在する現像剤に対して積極的に移動させる力が作用していない。このため、連通部に存在する現像剤は障壁の上端部に近い下方に存在するものほど動き難くなる。現像剤は障壁の上端部の上方で動かなくなった現像剤は現像剤の自重によって徐々に圧縮され、凝集体を形成することがあった。障壁の上端部に凝集体が形成されると、凝集体が連通部を塞いで障壁の一部のようになってしまい、凝集体が大きくなっていくに従って、障壁が徐々に高くなる。そして、供給搬送内の現像剤が到達し得る高さよりも高くなると、現像剤が障壁を乗り越えることができなくなり、現像スリーブに現像剤が供給できなくなって画像形成が行えなくなる。また、障壁の高さが供給搬送路内の現像剤が到達し得る高さよりも高くならなくても、凝集体が形成されている箇所での現像スリーブへの現像剤の供給量が減少し、現像スリーブへの現像剤の供給量不足によって画像が薄くなる画像不良が発生する場合がある。
障壁の上端部で凝集体が徐々に大きくなる問題について説明したが、障壁の上端部で形成された凝集体が振動等によって崩れて障壁から離脱した場合、崩れた凝集体が現像スリーブ上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と現像スリーブとの間に詰まって、白スジと呼ばれる画像不良が生じる場合がある。
上述した説明では、現像スリーブよりも上方に配置された供給搬送路内の現像剤が障壁を乗り越えるときに、積極的に移動させる力が作用しにくいことに起因して凝集体が発生する問題について説明した。このような現像スリーブが配置された空間と供給搬送路とを仕切る障壁の上方を通過する現像剤に凝集体が生じる不具合は、供給搬送路が現像スリーブよりも上方に配置された構成でなくても生じ得る不具合である。特許文献1に記載の現像装置のように、供給搬送路内の現像剤を磁力によって現像スリーブに汲み上げる現像装置では、障壁の上方の現像剤には磁力によって積極的に現像スリーブ側に移動する力が作用するため、特許文献2の現像装置に比べて障壁の上端部に凝集体が形成されにくい。しかし、障壁に引っかかるなどして障壁の上端部の上方に現像剤が滞留すると、その滞留した現像剤から凝集体が形成されることは起こり得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、現像スリーブが配置された空間と供給搬送路とを仕切る障壁の上端部に現像剤の凝集体が形成されることを防止し、経時に渡って安定して良好な画像品質を維持することができる現像装置、及びこの現像装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナー及びキャリアからなる現像剤を表面上に担持して表面移動し、潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、貯留する現像剤が該現像剤担持体の表面に接触し、該現像剤担持体の表面移動に伴い該現像剤担持体の表面に接触した現像剤が該現像剤担持体に担持・搬送される現像剤貯留部と、上方が連通部である障壁を挟んで該現像剤貯留部に隣接して形成され、該連通部を介して該現像剤貯留部に現像剤を供給しながら該現像剤担持体の表面移動方向に直交する軸線方向に現像剤を搬送する供給搬送路と、該供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給搬送部材と、該供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を該供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、該循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材とを有し、上記供給搬送路内の現像剤が上記連通部を通過することで上記現像剤貯留部に現像剤が供給される現像装置において、上記障壁の上方に存在する現像剤をほぐす現像剤ほぐし手段を備え、該障壁の上端部は上記現像剤担持体よりも上方となる配置であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像領域を通過した後の上記現像剤担持体の表面に担持される現像剤は、上記循環搬送路に受け渡されることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記供給搬送部材の下端部が上記現像剤担持体の上下方向の中央部よりも上方となるように該現像剤担持体及び該供給搬送部材が配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、回転軸を中心に回転する回転体を上記連通部に備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記回転体の回転軸の軸方向は上記軸線方向に沿う方向に延在し、該回転体の回転方向は、その回転軸よりも下方の部分が上記現像剤貯留部側から上記供給搬送路側へと移動する回転方向であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の現像装置において、上記回転体は、上記回転軸を中心に羽部が回転するパドル部材であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像装置において、上記パドル部材の羽部には一つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4または5の現像装置において、上記回転体は、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、上下方向に揺動する上下揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、水平方向に揺動する水平揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、振動部材を上記連通部の近傍に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤ほぐし手段として、上記連通部の近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤担持体に担持され、上記現像領域に向かって搬送される該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材を有し、上記供給搬送路内の現像剤が、上記連通部を通過し、上記現像剤貯留部に供給され、該現像剤担持体に担持されて該現像剤規制部材によって規制される位置に到達するまでの現像剤の経路に、通過する現像剤に含まれる異物を除去する異物除去手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体を帯電する帯電手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、現像剤ほぐし手段によって障壁の上方に存在する現像剤をほぐすことで、障壁の上端部に現像剤の凝集体が形成されることを防止し、経時に渡って安定して良好な画像品質を維持することができるという優れた効果がある。
実施例1に係る現像装置の概略構成図。 本実施形態に係るプリンタの概略構成図。 現像容器中の現像剤の流れを説明する模式図。 実施例1に係る現像装置の断面図。 パドル羽部が平板状のパドル部材の説明図、(a)は、パドル部材の斜視図、(b)は、パドル羽部の正面図。 パドル羽部がメッシュ状のパドル部材の説明図、(a)は、パドル部材の斜視図、(b)は、パドル羽部の正面図。 パドル羽部がワイヤ形状のパドル部材の説明図、(a)は、パドル部材の斜視図、(b)は、パドル羽部の正面図。 実施例2に係る現像装置の概略構成図。 実施例2の現像装置の供給搬送路の説明図、(a)は、供給搬送路を形成する仕切り板と上下揺動部材との斜視説明図、(b)は、上下揺動部材の配置と供給搬送路内の現像剤の嵩の高さとの関係を示す模式図。 実施例3に係る現像装置の概略構成図。 実施例4に係る現像装置の概略構成図。 障壁の上端近傍の拡大説明図、(a)は、上端が平面の場合の説明図、(b)は、上端に傾斜を持たせた場合の説明図、(c)は、上端をくさび形状とした場合の説明図。 実施例5に係る現像装置の概略構成図。 実施例6に係る現像装置の概略構成図。 実施例6の現像装置の供給搬送路の説明図、(a)は、供給搬送路を形成する仕切り板とスリーブ部材との斜視説明図、(b)は、スリーブ部材の配置と供給搬送路内の現像剤の嵩の高さとの関係を示す模式図。 従来の現像装置の一例を示す概略説明図。 障壁の上端の高さが一様である従来例1の現像装置の説明図、(a)は、障壁を形成する仕切り板の斜視説明図、(b)は、障壁の高さと供給搬送路内の現像剤の嵩の高さとの関係を示す模式図。 障壁の上端の高さが搬送方向上流側ほど高くなる従来例2の現像装置の説明図、(a)は、障壁を形成する仕切り板の斜視説明図、(b)は、障壁の高さと供給搬送路内の現像剤の嵩の高さとの関係を示す模式図。 従来例2の現像装置の供給搬送路、現像剤貯留部及び現像ローラの拡大説明図、(a)は、現像剤量が多いときの搬送方向上流側の説明図、(b)は、現像剤量が少ないときの搬送方向下流側の説明図。
以下、本発明を画像形成装置としてのプリンタ(以下、プリンタ100という)に適用した実施形態について説明する。
図2は、プリンタ100の概略構成図である。プリンタ100は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置であり、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン(以下、K,M,Y,Cと記す)の各色トナー像を形成する四つの作像装置17K,M,Y,Cを備えている。これらの作像装置17K,M,Y,Cの下方には、下流側張架ローラ18と上流側張架ローラ19とに掛け回されて記録紙Pを表面に担持して搬送し、各作像装置17K,M,Y,Cに対向しながら表面移動する転写搬送ベルト15が配設されている。また、転写搬送ベルト15を挟んで各作像装置17K,M,Y,Cと対向する転写バイアスローラ5K,M,Y,Cを備えている。
また、転写搬送ベルト15による記録紙搬送方向について下流側張架ローラ18よりも下流側には、転写搬送ベルト15から分離した記録紙P上の未定着トナーを定着する定着装置24を備えている。また、プリンタ100の本体上部には、定着装置24を通過しトナー像が定着した記録紙Pを積載するための排紙トレイ25を備えている。
転写搬送ベルト15の下方には、記録紙Pを収容する複数の給紙カセット20、21、22を備えている。また、転写搬送ベルト15と作像装置17K,M,Y,Cとが対向する転写領域に各給紙カセット20、21、22から記録紙Pを供給する記録紙供給手段としての給紙搬送装置26を備える。さらに、作像装置17K,M,Y,Cによる作像タイミングに合わせて各給紙カセット20、21、22から搬送されてきた記録紙Pを転写搬送ベルト15に供給するレジストローラ23を備えている。
なお、図2ではプリンタ100が図2中の左右方向において小型になるよう、転写搬送ベルト15が斜め方向に配設され、矢印で示す記録紙Pの搬送方向が斜め方向となっている。これにより、プリンタ100は、図2中の左右方向における筐体の幅が、A3サイズの記録紙長手方向の長さよりも僅かに長い大きさとなっている。すなわち、プリンタ100は、内部に記録紙を収容するために最低限必要な大きさとされることで大幅に小型化されている。
各作像装置17K,M,Y,Cは、潜像担持体としてドラム状の感光体1K,M,Y,Cを有している。この感光体1K,M,Y,Cの回転方向に関して順に、それぞれ帯電装置2K,M,Y,C、現像装置3K,M,Y,C、クリーニング装置6K,M,Y,C、等を有している。また、帯電装置2K,M,Y,Cと現像装置3K,M,Y,Cとの間で書込み光Lを露光装置16K,M,Y,Cから照射される周知の構成である。感光体1K,M,Y,Cはドラム状でなく、ベルト状としても良い。
このような構成のプリンタ100では、画像形成スタートとともに、各作像装置17K,M,Y,Cで各色トナー像が形成される。各作像装置17K,M,Y,Cでは、感光体1K,M,Y,Cが、図示されないメインモータにより回転駆動され、帯電装置2K,M,Y,Cによって一様帯電される。その後、露光装置16K,M,Y,Cによって、画像を色分解した色毎の画像情報に応じた書込み光Lが感光体1K,M,Y,Cの表面に照射され、感光体1K,M,Y,Cの表面上に静電潜像が形成される。感光体1K,M,Y,Cの表面上に形成された静電潜像は、現像装置3K,M,Y,Cにより現像され、各感光体1K,M,Y,Cの表面上に各色トナー像が形成される。一方、給紙カセット(20〜22のうちの1つ)から給紙搬送された記録紙Pは、レジストローラ23によって作像装置17K,M,Y,Cによる作像タイミングに合わせて、転写搬送ベルト15の表面上に供給される。そして、転写搬送ベルト15に担持された記録紙Pは転写搬送ベルト15の表面移動によって各色の転写領域に搬送される。
各感光体1K,M,Y,C上に形成されたトナー像は、感光体1K,M,Y,Cと転写搬送ベルト15との対向部で転写バイアス手段である転写バイアスローラ5K,M,Y,Cによって転写搬送ベルト15上に担持された記録紙Pに順次転写される。このようにしてK(黒)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)の順で各感光体1K,M,Y,C上に形成されたトナー像が転写され、重ね合わせカラートナー像が記録紙P上に形成される。トナー像を転写された記録紙Pは、転写搬送ベルト15から分離され、定着装置24に搬送され、トナー像が定着されて装置外の排紙トレイ25に排出される。
一方、記録紙P上にトナー像を転写した後の感光体1K,M,Y,Cは、クリーニング装置6K,M,Y,Cによって転写残トナーの除去がなされ、必要に応じて図示しない除電ランプで除電された後、再度、帯電装置2K,M,Y,Cで一様に帯電される動作を繰り返す。
次に、現像装置3について詳しく説明する。本実施形態のプリンタ100の現像装置3K,M,Y,Cは、画像形成物質として、互いに異なる色(K,M,Y,C)のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。このため、以下、添字K,M,Y,Cを省略し、現像装置3として説明する。
〔実施例1〕
図1は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の一つ目に実施例(以下、実施例1と呼ぶ)の概略構成図である。
実施例1の現像装置3は感光体1に対向配置され、感光体1は図1中矢印aに示すように図1における時計回り方向に回転駆動する。
現像装置3のケーシングである現像容器33内には磁性又は非磁性のトナーと磁性キャリアとからなる粉体状の二成分現像剤である現像剤32が収容されている。現像装置3は、感光体1の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像領域Aまで現像容器33内の現像剤32を担持して、表面移動することによって搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ34aを備える。また、現像スリーブ34aの内部に現像装置3に対して固定された複数の磁石からなるマグネットローラ34bを備え、現像スリーブ34aとマグネットローラ34bとで現像ローラ34を構成する。さらに、現像スリーブ34a上に担持された現像剤の層厚を規制する剤規制部材35とを有している。
現像剤搬送手段である2つの搬送スクリュとして、供給スクリュ39と循環スクリュ40とが現像スリーブ34aの回転軸方向に対して略平行に設けられている。各搬送スクリュは、回転軸と回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより回転軸の軸方向に沿って一方向に現像剤32を搬送する。現像容器33の内部は現像容器33の内壁及び仕切り板36によって空間が仕切られ、現像剤搬送路として供給搬送路37と循環搬送路38とが仕切り板36を挟んで上下に形成されている。また、仕切り板36の図1中の手前側及び奥側の両端部には開口部がそれぞれ設けられており、供給搬送路37と循環搬送路38との間を2つの開口部によってそれぞれ連通している。
図1に示すように、仕切り板36は現像スリーブ34a側の端部が供給スクリュ39を囲むように立設され、当該立設部によって後述する障壁13を形成している。また、障壁13の端部の上方には詳細は後述するパドル部材31が設けられている。
現像スリーブ34aと供給スクリュ39との間を遮蔽する障壁13の上端部と障壁13の上方の現像容器33の内壁とによって供給連通部13aが形成されており、供給搬送路37内の現像剤32は供給連通部13aから現像スリーブ34a側へと供給される。供給連通部13aから現像スリーブ34a側へ供給された現像剤32は、障壁13、現像スリーブ34aの表面及び現像容器33の内壁によって形成される現像剤貯留部34cに貯留される。現像剤貯留部34cに貯留される現像剤32は、現像スリーブ34aの表面に接触し、現像スリーブ34aの回転に伴い現像スリーブ34aの表面に接触した現像剤32が現像スリーブ34aに担持され、現像領域Aに搬送される。供給連通部13aは現像スリーブ34aの軸方向に延びており、現像幅に渡って、供給搬送路37から現像スリーブ34aへ現像剤32が供給可能となっている。
図1に示すように、供給搬送路37及び循環搬送路38にはそれぞれ供給スクリュ39及び循環スクリュ40が配置されており、現像容器33内の現像剤32は供給搬送路37、循環搬送路38、及び現像剤貯留部34cに収容されている。循環スクリュ40は供給スクリュ39に対して略平行に配置され、循環搬送路38内の現像剤32は循環スクリュ40によって供給スクリュ39の搬送方向とは逆方向に搬送される。
現像容器33内の現像剤32は、供給スクリュ39と循環スクリュ40との回転による搬送によって、仕切り板36の両端に設けられた開口部を通じて供給搬送路37と循環搬送路38との間を循環する。
なお、供給スクリュ39は図1における時計回りに回転し、循環スクリュ40は現像スリーブ34aと同様に反時計回りに回転する。
現像容器33内の現像剤32のうち供給搬送路37内の現像剤は、供給スクリュ39が回転することによって搬送されながら、障壁13を乗り越えることで、現像剤貯留部34cへ受け渡され、現像スリーブ34aの表面へと供給される。
現像スリーブ34aに供給された現像剤32は、現像スリーブ34aの回転と、内設されたマグネットローラ34bの磁力とによって、現像スリーブ34aの表面に担持されつつ、図1中の矢印Bの方向に搬送される。現像剤貯留部34cに供給されて現像スリーブ34aの表面に担持された現像剤32のうちの一定量が、現像スリーブ34aに担持され、矢印Bで示すように剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部を通過する。このとき、現像スリーブ34aの表面に担持された現像剤32のうちの余分な現像剤32は、図1中の矢印B1で示すように剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部を通過するときに剤規制部材35によって掻き取られる。
剤規制部材35との対向部を通過した適正量の現像剤32は、図1中矢印B2で示すように現像スリーブ34aと感光体1との間の現像領域Aを通過した後、現像スリーブ34aから離れ、現像容器33の底部33bへ流れて循環搬送路38へと受け渡される。
すなわち、現像スリーブ34a上に担持されて現像領域Aに搬送され、現像領域Aを通過した後、現像領域Aにおいて感光体1の表面の供給されずに現像スリーブ34a上に残った現像剤32は、現像スリーブ34aの回転に伴って供給搬送路37に再度回収されるのではなく、一度、循環搬送路38に回収される。そして、回収された現像剤32は、循環搬送路38中で補給されたトナーと攪拌されつつ搬送され、再度、供給搬送路37へ受け渡される。このために供給搬送路37内には常に循環搬送路38で十分攪拌された現像剤のみが存在する状態となる。
なお、供給搬送路37の下流端に到達した現像剤32と、現像領域Aを通過して現像スリーブ34aの表面から離脱した現像剤32とは循環搬送路38によって搬送され供給搬送路37の上流端に受け渡される。循環搬送路38内の現像剤32は現像領域Aを通過してトナー濃度が低下した現像剤32を含むため、トナーを補給する必要がある。プリンタ100では、潜像の画像情報から求めるトナー消費量に応じて、または、循環搬送路38内の現像剤のトナー濃度の検知結果に応じて、不図示のトナー補給装置によって循環搬送路38内の現像剤32にトナーを補給することによって、適正なトナー濃度の現像剤32を供給搬送路37に受け渡すことが出来る。
図3は、現像装置3を図1の矢印C方向から見た、現像容器33中の現像剤32の流れを説明する模式図である。また、図4は、現像装置3を図1の矢印C方向からみた供給スクリュ39の回転軸近傍の断面説明図である。図3及び図4中の矢印が現像容器33中の現像剤32の流れを示している。なお、図3及び図4では、パドル部材31及び現像剤貯留部34cは省略している。
図1、図3、及び図4に示すように、現像装置3では、供給搬送路37と循環搬送路38との位置関係が上下に並ぶように構成されている。このため、仕切り板36の両端に設けられた開口部のうち図3及び図4中右側の開口部である落下口42では供給搬送路37の下流端から循環搬送路38の上流端へと現像剤32は上から下へと移動する。一方、仕切り板36の両端に設けられた開口部のうち図3及び図4中左側の開口部である持ち上げ口41では循環搬送路38の下流端から供給搬送路37の上流端へと現像剤32は下から上へと移動する。持ち上げ口41での循環搬送路38から供給搬送路37への現像剤の移動は、循環搬送路38内の搬送方向下流端に溜まった現像剤32の圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤32が受け渡される。このように、現像装置3内では、仕切り板36の両端に設けられた2つの開口部(落下口42及び持ち上げ口41)を通じて、供給搬送路37と循環搬送路38との間を現像剤32が循環する。
また、現像装置3は、図3及び図4中の矢印Tで示すように、不図示のトナー補給装置によってトナー補給口45から循環搬送路38の上流側にトナー補給がなされる。このトナー補給によって現像容器33内に補給されたトナーが落下口42から循環搬送路38の搬送方向上流側端部に落下して循環搬送路38内の現像剤32にトナーを補給することができる。
現像装置3では、循環搬送路38から供給搬送路37へと受け渡された現像剤32のすべてが供給搬送路37内の供給スクリュ39の搬送方向下流端に到達するわけではない。図3中の矢印Bで示すように、供給搬送路37内を搬送される途中で現像スリーブ34aの表面に供給され、現像領域Aを通過した後、循環搬送路38に回収される成分が存在する。このような現像スリーブ34aの表面への現像剤32の受渡しは、現像スリーブ34aの回転軸方向の幅の略全域に渡ってなされる。
このため、供給搬送路37内で供給スクリュ39によって搬送力が付与されて搬送される現像剤32の量は、現像剤32が現像スリーブ34a表面から循環搬送路38に回収されることにより、供給搬送路37内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に減少する傾向がある。
一方、循環搬送路38内で循環スクリュ40によって搬送力が付与されて搬送される現像剤32の量は、循環搬送路38内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に増加する傾向がある。即ち、現像装置3内の現像剤32の量の分布には偏りが存在する。
次に、パドル部材31を備えない従来の現像装置について説明する。
図16は、従来の現像装置3の一例を示す概略説明図である。
図1に示す実施例1の現像装置3と比較して、図16に示す現像装置3は、パドル部材31を備えていない点で相違する。なお、マグネットローラ34bが備える磁極が、実施例1の現像装置3では、2つのN極(N1、N2)と1つのS極(S1)との3つの磁極であるのに対して、図16に示す従来の現像装置3は5つの磁極である点も相違する。しかし、本発明の特徴的な構成は、実施例1の現像装置3のように磁極が3つである構成に限らず、磁極が5つの構成等、磁極が3つ以外の構成にも適用可能である。
図16に示す現像装置3は、実施例1と同様に障壁13の上端13bと現像容器33の内壁の上面との間で供給連通部13aが形成されている。供給搬送路37の現像剤32は、供給スクリュ39が回転することによって搬送されながら、供給連通部13aを通って現像剤貯留部34cに受け渡され、現像スリーブ34aへと供給される。供給搬送路37から現像スリーブ34aへの現像剤32の供給は、供給スクリュ39と現像スリーブ34aとの間の障壁13の上端13bを供給スクリュ39の回転によって現像剤32が乗り越えたり、現像スリーブ34aに内設されたマグネットローラ34bの磁力によって現像剤32が現像スリーブ34aに引き付けられたりすることによって行われる。
従来の現像装置としては、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤が、現像領域を通過した後、現像スリーブから供給搬送路に受け渡されるものがあり、このような現像装置では供給搬送路内の現像剤の剤容量は現像剤の搬送方向でほぼ均一することができる。しかし、このような現像装置では、現像領域でトナーが消費されトナー濃度(現像剤中に含まれるトナーの割合)が低下した現像剤が供給搬送路内の現像剤と混ざる。このため、供給搬送路内の搬送方向下流側に搬送されるにつれ、複数回現像スリーブへと供給され、徐々に現像剤のトナー濃度が低下していくという問題があった。供給搬送路内の現像剤の搬送方向下流側ほどトナー濃度が低下すると、現像スリーブに供給される現像剤のトナー濃度に現像スリーブの軸方向でムラが生じ、形成される画像にも濃度ムラが生じて、画像品質が低下する問題が生じていた。また、現像領域を通過した現像剤が現像スリーブから供給搬送路に受け渡される現像装置では、印字率の高い原稿を印刷した場合、トナーの消費量は多くなるため、現像剤のトナー濃度分布のムラが顕著になり、プリント用紙面内、或いはプリント用紙間で、画像濃度にムラが発生するといった問題が生じた。
一方、図16に示す従来の現像装置3は、実施例1の現像装置3と同様に、供給搬送路37から現像スリーブ34aに供給されて現像領域Aを通過して現像スリーブ34a上に残留した現像剤32は、供給搬送路37に再度回収されるのではなく、一度、循環搬送路38に回収される。そして、現像スリーブ34aから循環搬送路38に回収された現像剤32は、循環搬送路38で十分に撹拌されて、再度、供給搬送路37へ受け渡される。
このため、供給搬送路37内のトナー濃度の変動を防止し、現像スリーブ34aには均一なトナー濃度の現像剤32が供給されるため、上述したような供給搬送路37の搬送方向下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。このため、現像スリーブ34aには常に均一なトナー濃度の現像剤32が供給され、スラスト方向の画像ムラ(攪拌が不十分なために起こる画像ムラ)や濃度差(攪拌が不十分なために起こる濃度差)のない均一な画像を得ることができるのである。近年、フルカラー化に伴い、文書などの印字率の低い原稿に比べて、印字率の高い写真などの原稿を印刷する機会が増えつつあるが、図16に示す現像装置3のように、供給搬送路37内のトナー濃度の変動を防止する構成では、印字率の高い原稿であっても画像濃度にムラが発生することを防止できる。なお、特許文献1及び特許文献2に記載の現像装置においても、供給搬送路から現像スリーブに供給されて現像領域を通過した現像剤は、供給搬送路に再度回収されるのではなく、一度、循環搬送路に回収されるため、供給搬送路の搬送方向下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。
特許文献1に記載の現像装置では、現像スリーブが供給搬送路よりも上方に配置されており、供給搬送路内の現像剤は現像スリーブに内包された磁石の磁気力によって供給搬送路から現像スリーブへと汲み上げられる。このように、現像スリーブに内包された磁石の磁力により現像剤を汲み上げる構成であると、磁力で現像剤を保持するため現像剤に負荷が生じ、現像剤を劣化させる要因となっていた。これに対して、図16に示す現像装置3では、現像スリーブ34aを配置した空間と供給搬送路37とを仕切る障壁13の上端13bが現像スリーブ34aよりも上方となる配置であり、重力を利用して現像スリーブ34aに現像剤32を供給しているため、磁気的に現像剤32を引き付ける力は少なくなり、現像剤32の劣化を大幅に抑制できるという利点がある。特許文献2に記載の現像装置も障壁の上端が現像スリーブよりも上方となる配置であり、重力を利用して現像スリーブに現像剤を供給しているため、図16の現像装置3と同様に特許文献1に記載の現像装置に比べて現像剤の劣化を抑制することが出来る。
上述したように、図1に示す実施例1の現像装置3では、現像剤32の量が供給搬送路37では上流端から下流端に向かうに従い徐々に減少し、循環搬送路38では上流端から下流端に向かうに従い徐々に増加するため、現像装置3内の現像剤32の量の分布には偏りが存在する。そして、図16に示す現像装置3や特許文献1及び特許文献2に記載の現像装置においても現像装置内の現像剤の量の分布には同様の偏りが存在する。
図17は、図16に示す現像装置3で、仕切り壁である障壁13の上端13bの高さが一様である従来例1の現像装置3の説明図である。図17(a)は、従来例1の現像装置3の障壁13を形成する仕切り板36の斜視説明図であり、図17(b)は、従来例1の現像装置3の障壁13の高さと供給搬送路37内の現像剤32の嵩の高さとの関係を示す模式図である。
上述したように、この現像装置3では、供給搬送路37から現像スリーブ34aに供給された現像剤32は循環搬送路38へと搬送されるため、現像スリーブ34aから供給搬送路37へと現像剤32が搬送されることはない。よって、供給搬送路37内において供給スクリュ39により搬送される現像剤32の量は、搬送方向上流側から搬送方向下流側に行くに従い徐々に減少する傾向がある。即ち、供給搬送路37内の現像剤32の量の分布には偏りが存在し、現像剤32の量が多い搬送方向上流側ほど現像剤32の嵩(剤面32fの位置)が高く、搬送方向下流側ほど現像剤32の嵩が低くなる。
そして、図17(a)に示すように、障壁13の上端13bの高さが一様であると、図17(b)に示すように、供給搬送路37内の現像剤32の剤面32fの高さは搬送方向下流側に進むに従い低くなるのに対して、障壁13の上端13bの高さは一定である。このため、障壁13の上端13bから現像剤32の剤面32fまでの高さの差Hは供給搬送路37の搬送方向上流側ほど大きく、搬送方向下流側ほど小さくなる。このような現像装置3では、障壁13を乗り越えた現像剤32が現像スリーブ34aに供給されるため、高さの差Hが大きい搬送方向上流側ほど障壁13を乗り越えて現像スリーブ34aに供給される現像剤32は多くなり、現像スリーブ34aへの供給にムラができるおそれがある。
供給搬送路37内の搬送方向上流側と搬送方向下流側とで現像スリーブ34aへの供給にムラができると、現像スリーブ34aに担持される現像剤32の量にも現像スリーブ34aの軸方向で偏りが生じる。このように、現像スリーブ34aに担持される現像剤32の量に軸方向で偏りが生じると現像領域Aに向かう現像スリーブ34a上の現像剤32の量を規制する剤規制部材35の手前に搬送される現像剤32の量にも現像スリーブ34aの軸方向でムラが生じるおそれがある。
また、現像スリーブ34aに内包されたマグネットローラ34bと現像剤32は互いに引き合い現像スリーブ34aに対して負荷が生じる。このとき、剤規制部材35の手前に搬送される現像剤32の量に軸方向でムラがあって不均一であると、現像剤32の量の多い箇所では剤規制部材35による規制位置で現像剤32が現像スリーブ34aを剤規制部材35と反対側に押す負荷が大きくなり、現像スリーブ34aが撓むことで現像スリーブ34aと剤規制部材35との間隔が変動するおそれがある。この間隔が変動すると、間隔が広い箇所では多くの現像剤32が通過するため、剤規制部材35を通過して現像領域Aに向かう現像剤32の量にムラが発生する。現像領域Aに向かう現像剤32の量にムラが生じると、例え現像剤32のトナー濃度が現像スリーブ34aの軸方向で均一であったとしても、画像濃度にムラを発生させる不具合が生じる。
さらに、現像スリーブ34aが撓むと、現像領域Aにおける現像スリーブ34aの表面と感光体1の表面との距離である現像ギャップが現像スリーブ34aの軸方向において不均一となるおそれがある。現像ギャップが不均一となると、現像スリーブ34aと感光体1との間に形成される現像電界の強さが不均一となり、画像ムラを発生させる不具合が生じる。
また、供給搬送路37における高さの差Hが大きい搬送方向上流側では、現像スリーブ34aに対して過剰な現像剤32が供給される傾向にあり、搬送方向下流側では上流側で過剰に供給されたため現像剤32の供給量が不足する不具合が生じるおそれがある。
このような不具合の対策としては、上記特許文献1に記載された現像装置のように、供給スクリュ39と循環スクリュ40との現像剤32の搬送能力を、供給搬送路37から現像スリーブ34aへの供給量に対して十分に大きくし、現像スリーブ34aへの現像剤32の供給によって現像剤32が減少する割合を低減する構成が考えられる。しかし、搬送スクリュの回転速度を速めて現像剤搬送量を大きくすると、現像剤32に対するストレス増加や回転トルクの上昇があるため、あまり大きくすることができないという問題がある。
上述した不具合に対する他の対策として、上記特許文献2に記載された現像装置のように、障壁13の高さを供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くする構成が考えられる。この構成を従来例2として図18を用いて説明する。
図18は、図16に示す現像装置3で、仕切り壁である障壁13の上端の高さが供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くなる従来例2の現像装置3の説明図である。図18(a)は、従来例2の現像装置3の障壁13を形成する仕切り板36の斜視説明図であり、図18(b)は、従来例2の現像装置3の障壁13の高さと供給搬送路37内の現像剤32の嵩の高さとの関係を示す模式図である。
従来例1と同様に従来例2の現像装置3でも、供給搬送路37内の現像剤32の量の分布には偏りが存在し、現像剤32の量が多い搬送方向上流側ほど現像剤32の嵩(剤面32fの位置)が高く、搬送方向下流側ほど現像剤32の嵩が低くなる。しかし、従来例2の現像装置3では、図18(a)に示すように仕切り壁である障壁13の上端13bの高さが供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くなっている。すなわち、障壁13の上端13bの高さが供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側から搬送方向下流側に行くにしたがって低くなるように、障壁13の上端13bが傾斜している。このように、障壁13の上端13bを現像剤32の搬送方向で傾斜させることにより、障壁13の上端13bから現像剤32の剤面32fまでの高さの差Hの搬送方向における偏差は従来例1の現像装置3に比べて大幅に改善することができる。これにより、障壁13を乗り越えて現像スリーブ34aに供給される現像剤32の量の搬送方向における偏差も大幅に改善することができる。
上述したように、図16に示す従来例の現像装置3のように、現像スリーブ34aに対して供給スクリュ39が上方の設けられている場合、供給搬送路37から現像スリーブ34aへの現像剤32の供給は、供給スクリュ39の回転駆動に伴い、障壁13を乗り越えた現像剤32が自重によって現像スリーブ34a表面へと落下することにより行われる。このとき、供給連通部13aに存在する現像剤32はその下方に障壁13の上端13bがあるため、供給連通部13aを通過する現像剤32に対しては積極的に移動させる力が作用しにくい。さらに、供給連通部13aに存在する現像剤32のうち、下部領域M1に存在する現像剤32は、上部領域M2に存在する現像剤32からの圧力を受けて圧縮され易くなる。さらに、上部領域M2に存在する現像剤32に比較すると、下部領域M1に存在する現像剤32は周りに他の現像剤32が存在し、下部領域M1から他の領域へと現像剤32が循環するスペースが少なくなっているため、現像剤32が滞留し、圧縮され易くなる。このため、現像装置3を長期使用すると、供給連通部13aに存在する現像剤32のうち、下部領域M1に存在する現像剤32は徐々に圧縮されてしまうため障壁13の上端13bの上方に現像剤32の凝集体を形成してしまう。
図19は、上述した従来例2の現像装置3の供給搬送路37、現像剤貯留部34c及び現像ローラ34の拡大説明図であり、図19(a)は、現像剤32の量が多いときの搬送方向上流側の説明図であり、図19(b)は、現像剤32の量が少ないときの搬送方向下流側の説明図である。図19に示すように、供給搬送路37の上流側の方が下流側に比べて、供給連通部13aに存在する現像剤32の量が多くなり、下部領域M1に存在する現像剤32の現像剤32の自重(上部領域M2に存在する現像剤32からの圧力)により徐々に圧縮され、凝集体を形成しやすい。
そして、障壁13の上端13bの上方に凝集した現像剤32の凝集体は新たな障壁となってしまうため、障壁13の高さは凝集体が大きくなるに伴い徐々に高くなる。そして、供給搬送路37内の現像剤が到達し得る高さよりも高くなると、現像剤32が障壁13を乗り越えることができなくなり、現像スリーブ34aに現像剤32が供給できなくなって画像形成が行えなくなる。また、障壁13の高さが供給搬送路37内の現像剤32が到達し得る高さよりも高くならなくても、凝集体が形成されている箇所での現像スリーブ34aへの現像剤32の供給量が減少し、現像スリーブ34aへの現像剤32の供給量不足によって画像が薄くなる画像不良が発生する場合がある。
さらに、障壁13の近傍に凝集体が形成されると、例えばプリンタ100の移動などで現像装置3に大きな振動が与えられ、凝集体が崩れた場合、崩れた凝集体が剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間に詰まると、いわゆる白スジなどの不良画像を発生することがある。
このような不具合に対して、本発明を適用した現像装置は、現像剤が凝集しやすい箇所に対し、現像剤をほぐす現像剤ほぐし手段を設けることで、長期の使用においても現像剤の凝集を生成させずに安定した現像剤供給を行うものである。
次に、図1に示す実施例1の現像装置3の特徴部について説明する。
図1に示すように、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、パドル部材31を備える。
実施例1の現像装置3では、パドル部材31が不図示の駆動源から駆動が伝達され、回転駆動することで、パドル部材31の羽根が障壁13の上方を通過し、障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32をほぐすことができる。このため、現像装置3を長期使用しても現像剤32の凝集を防ぐことが可能となる。
次に、パドル部材31の形状について説明する。
図5に、実施例1の現像装置3に適用可能なパドル部材31の一つ目の例を示す。図5(a)は、パドル部材31の斜視図であり、図5(b)は、パドル部材31が備えるパドル羽部31bの正面図である。パドル部材31は、パドル回転軸31aとパドル羽部31bとからなり、不図示の駆動源からパドル回転軸31aに図中矢印D方向の回転駆動が伝達されることにより、パドル羽部31bが回転し、現像剤32をほぐすものである。図5に示すパドル部材31のパドル羽部31bは平板状の部材である。
図6に、実施例1の現像装置3に適用可能なパドル部材31の二つ目の例を示す。図6(a)は、パドル部材31の斜視図であり、図6(b)は、パドル部材31が備えるパドル羽部31bの正面図である。そして、図6に示すパドル部材31のパドル羽部31bはメッシュ形状の部材である。
図7に、実施例1の現像装置3に適用可能なパドル部材31の三つ目の例を示す。図7(a)は、パドル部材31の斜視図であり、図7(b)は、パドル部材31が備えるパドル羽部31bの正面図である。そして、図7に示すパドル部材31のパドル羽部31bは軸方向両端の羽支持部31cの間に複数本のワイヤ部材31dを張ったワイヤ形状の部材である。
パドル羽部31bの形状としては、図5に示すように、平板状のパドル羽部31bを回転させると、パドル部材31が回転することによって現像剤32に付与する搬送力が大きくなり、パドル部材31の回転周期に応じて、供給連通部13aを通過する現像剤32の量にムラが生じるおそれがある。
このため、図6及び図7に示すように、メッシュ形状やワイヤ形状のパドル羽部31bを備えたパドル部材31を用いて、パドル部材31が回転することによる現像剤32をほぐす機能は持たせつつ、現像剤32に対して搬送力を付与する機能を抑制した構成の方が望ましい。
パドル部材31のパドル羽部31bの先端と障壁13の上端13bとのクリアランスに関しては、パドル羽部31bと障壁13とが接触すると接触部で熱が生じ、現像剤32の固着を誘発してしまう。このため、パドル羽部31bの先端と上端13bとの間に、0.5[mm]から1.5[mm]程度のクリアランスを設けることが望ましい。
なお、実施例1の現像装置3では、供給搬送路37内の搬送方向における現像剤量の偏りに起因する現像スリーブ34aに供給される現像剤32の量の搬送方向における偏差を抑制するために、図18で示した従来例2と同様に障壁13の高さを供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くしている。このため、障壁13の上端13bの位置は搬送方向上流側ほど高く、下流側ほど低くなるように斜めになっている。実施例1の現像装置3では、パドル部材31のパドル回転軸31aが障壁13の上端13bと平行になるように配置している。
また、実施例1では、障壁13の高さを供給搬送路37内の現像剤32の搬送方向上流側ほど高くしているが、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32を現像剤ほぐし手段によってほぐす構成は、図17を用いて説明した従来例1のように、障壁13の上端13bの高さが一様である現像装置3であっても適用可能である。
〔実施例2〕
図8は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の二つ目に実施例(以下、実施例2と呼ぶ)概略構成図である。
図8に示すように、実施例2の現像装置3は、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、図8中の矢印Eで示す上下方向に揺動する上下揺動部材310を備える。
図9は、図8に示す実施例2の現像装置3の供給搬送路37の説明図である。図9(a)は、実施例2の現像装置3の供給搬送路37を形成する、仕切り板36と上下揺動部材310との斜視説明図であり、図9(b)は、実施例2の現像装置3の上下揺動部材310の配置と供給搬送路37内の現像剤32の嵩(剤面32fの位置)の高さとの関係を示す模式図である。
図9に示すように、上下揺動部材310は、軸線方向の両端部を揺動部材支持部310aによって支持されており、この2つの揺動部材支持部310aに上下方向に揺動するソレノイドを配置し、このソレノイドを駆動することによって、上下揺動部材310が上下に揺動する。実施例2の現像装置3では、上下揺動部材310が障壁13の上方で揺動することで、障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32をほぐすことができるため、現像装置3を長期使用しても現像剤32の凝集を防ぐことが可能となる。
なお、実施例2の現像装置3は上下に揺動する上下揺動部材310を備える構成であるが、揺動する部材によって障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32をほぐす構成としては、水平方向に揺動する構成でもよい。
実施例2の現像装置3が備える上下揺動部材310としては、画像出力中に常に駆動している必要はない。例えば、画像出力後や、プリンタ100の電源立上げ時もしくはユニット交換時などに駆動するように制御する方が、上下揺動部材310の駆動の影響が画像出力に影響を与えず望ましい。
また、上下揺動部材310の形状は、供給搬送路37から供給連通部13aを通って現像剤貯留部34cへ向かう現像剤32の流れを阻害しない程度に小さい形状であることが望ましい。
〔実施例3〕
図10は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の三つ目に実施例(以下、実施例3と呼ぶ)概略構成図である。
図10に示すように、実施例3の現像装置3は、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、障壁13に超音波振動子などからなる振動部材311を設けたものである。
振動部材311が振動することで、障壁13の上端13bの近傍で滞留している現像剤32にもその振動が伝達し、上部に存在する現像剤32からの圧がかかった状態でも下部に存在する現像剤32はほぐされるため、現像剤32の凝集を抑制することができる。
〔実施例4〕
図11は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の四つ目に実施例(以下、実施例4と呼ぶ)概略構成図である。
図11に示すよう実施例4の現像装置3は、障壁13の上端13bの上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段として、供給連通部13aの近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段である電磁石312を障壁13に設けたものである。
電磁石312が画像出力中に磁界を形成すると、現像剤32の循環を阻害してしまうため、画像出力後に制御信号を送り、磁界を形成することが望ましい。
電磁石312が磁界を形成すると、電磁石312の周辺の現像剤32は発生した磁界のベクトルに沿って磁気穂が立つ。このとき、供給連通部13aの下部領域M1に存在する現像剤32に対して上部領域M2に存在する現像剤32によって圧力がかかった状態でも、電磁石312の磁気的な力によって下部領域M1に存在する現像剤32に動きが生じて、この現像剤32がほぐされるため、現像剤32の凝集を抑制することができる。
次に、障壁13の上端13b近傍の形状について説明する。
図12は、障壁13の上端13b近傍の拡大説明図である。
上述した実施例1〜実施例4の現像装置3では、障壁13の上端13b近傍の形状は図12(a)に示すように、上端13bに平面が形成された形状となっている。障壁13の上端13b近傍の形状としては、図12(b)に示すように傾斜を持たせた形状や、図12(c)に示すようにくさび形状とすることで、障壁13の上端13b近傍に滞留する現像剤32の量を少なくする構成が望ましい。
また、実施例1〜実施例4では、現像剤ほぐし手段を構成する各部材をそれぞれ単独で備える構成について説明したが、各実施例で説明した現像剤ほぐし手段を構成する各部材を複数組み合わせた構成としてもよい。
また、実施例1〜実施例4の現像装置3は、現像スリーブ34aよりも供給スクリュ39を上方に配置して、供給搬送路37から障壁13を乗り越えた現像剤32が重力によって現像スリーブ34aに供給される構成である。このような構成の現像装置3では、供給連通部13aでは現像剤32を積極的に移動させる力が働き難いため、障壁13の上端13b近傍で現像剤32の凝集体が形成され易く、現像剤ほぐし手段を設けることによる効果は大きい。しかし、障壁の上方に存在する現像剤をほぐす現像剤ほぐし手段を配置する構成としては、上記特許文献1のように、現像スリーブに内包された磁石の磁力により供給搬送路内の現像剤を現像スリーブに汲み上げる構成であっても適用可能である。
磁力により供給搬送路内の現像剤を現像スリーブに汲み上げる構成では、障壁の上方に存在する現像剤にも磁力によって現像スリーブ側に移動する積極的な力が作用しているため、障壁の上方に現像剤の凝集体は形成されにくい。しかし、供給搬送路と現像スリーブとの間に障壁があり、障壁の上方の供給連通部を介して供給搬送路から現像スリーブに現像剤を供給する構成であれば、障壁の上部に現像剤の凝集体が形成される不具合は起こり得る。
〔実施例5〕
図13は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の五つ目に実施例(以下、実施例5と呼ぶ)概略構成図である。
図13に示すように、実施例5の現像装置3は、図1に示す実施例1の現像装置3に異物除去部材300を追加した構成である。
上述した実施例1〜実施例4の現像装置3は、現像スリーブ34aに対して供給スクリュ39が上方の設けられた構成である。このような構成の場合、供給搬送路37から現像スリーブ34aへの現像剤32の供給は、供給スクリュ39の回転駆動に伴い、障壁13を乗り越えた現像剤32が自重によって現像スリーブ34a表面へと落下することにより行われる。重力を利用して現像スリーブ34aに現像剤32を供給しているため、磁気的に現像剤32を引き付ける力は少なくなり、現像剤32の劣化を大幅に抑制できるという利点がある。
しかし、このように、現像剤32の自重によって現像スリーブ34a表面へと落下させて現像スリーブ34a表面に現像剤32を供給する、いわゆるかけ流し方式の現像装置3では、現像容器33内の現像剤32に異物やトナー凝集体等が混入すると白スジが発生しやすいという問題がある。
また、実施例1〜実施例4の現像装置3は、供給搬送路37から現像スリーブ34aに供給された現像剤32が供給搬送路37に戻らず、循環搬送路38に受け渡され、循環搬送路38から供給搬送路37に現像剤32が供給される、いわゆる一方向循環の現像装置である。このような一方向循環の現像装置3は、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤が供給搬送路に戻る構成に比べて、現像容器33内の現像剤32に異物等が混入すると白スジが発生しやすいという問題がある。以下、これらの問題について説明する。
まず、白スジの発生のメカニズムについて説明する。
現像装置3において、現像容器33内に規制ギャップ(剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部の最近接部の間隔)よりも大きな異物等が混入することが生じ得る。この規制ギャップよりも大きな異物等が、現像剤32とともに現像スリーブ34aの表面に供給され、剤規制部材35によって現像スリーブ34a上の現像剤量が規制される位置まで到達すると、この異物等が剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間に詰まる。剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間に異物等が詰まると、この詰まりが生じた箇所のみ現像剤32が通過できなくなる。これにより、詰まりが生じた箇所の現像スリーブ34aの表面に対して表面移動方向下流側はスジ状の現像剤32が供給されない箇所となり、この箇所と対向した感光体1表面上の潜像は現像されないため白スジが発生する。
一方向循環の現像装置とは異なり、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤が供給搬送路に戻る構成の現像装置では、供給搬送路内の現像剤が現像スリーブへと供給される確率は均一ではない。すなわち、供給搬送路の上流側端部から下流側端部まで移動する間に、何度も現像スリーブへ供給される現像剤もあれば、ほとんど現像スリーブへ搬送されない現像剤もある。このため、現像容器内に異物等が混入しても剤規制部材によって現像剤量が規制される位置まで搬送されないこともある。
これに対して、一方向循環の現像装置では、一度、供給搬送路から現像スリーブ上に供給された現像剤は循環搬送路へと受け渡されるため、供給搬送路内の現像剤は下流に搬送されるにつれ徐々に少なくなる。このため、供給搬送路内の現像剤のほぼすべてが現像スリーブ上に供給され、剤規制部材によって現像剤量が規制される位置まで搬送されることになる。このため、一方向循環の現像装置の方が、現像容器内に異物等が混入した場合、ほぼすべての現像剤が剤規制部材へと搬送されるため白スジが発生する可能性が高くなる。
また、一方向循環の現像装置であっても、供給搬送路内の現像剤を現像スリーブ上に供給する方式が、かけ流し方式ではなく、現像スリーブを供給スクリュよりも上方に配置して、現像スリーブ内の磁界発生手段の磁力により供給搬送路内の現像剤を現像スリーブの表面上に汲み上げる方式では、現像スリーブ上の現像剤は磁力によって現像スリーブ保持されている。このため、磁性体ではない異物等は現像スリーブから磁力による保持力を受けないため、異物などは現像スリーブ上への汲み上げ時や現像スリーブ上の搬送中に落下し、ドクタ部まで搬送され難い。
一方、かけ流し方式の一方向循環の現像装置では、重力によって供給搬送路から現像スリーブへと現像剤の搬送を行っているため、磁気的に現像剤を汲み上げる方式と比較すると現像剤に負荷されるストレスが低減するという利点は有するものの、現像剤中に混入した磁性体ではない異物等も重力によって供給搬送路から現像スリーブへと搬送されるため、剤規制部材によって現像剤量が規制される位置まで異物等が搬送され易く、より白スジが発生し易くなるという問題がある。
このような問題に対して、実施例5の現像装置3は、現像容器33内に混入した異物等を、剤規制部材35によって現像剤量が規制される位置まで搬送しないことで、白スジなどの画像不良を発生させず、良好な画像品質を維持するものである。
図13に示すように、実施例5の現像装置3には、剤規制部材35の上方の現像容器33の内壁と障壁13とを結ぶ位置に、メッシュの大きさよりも小さい粒子のみが板状の厚み方向に通過可能な異物除去部材300を設けている。供給搬送路37から溢れ出た現像剤32は、障壁13を乗り越えたのち、必ず異物除去部材300を通過して現像スリーブ34aの表面に到達し、現像スリーブ34aの回転に伴い、剤規制部材35による規制位置へと供給される。
このような構成において、異物除去部材300のメッシュの大きさを、剤規制部材35と現像スリーブ34aとの間で詰まりが発生するおそれがある異物等を除去できる程度に設計する。これにより、現像容器33内に異物等が混入した場合においても剤規制部材35による規制位置まで詰まりを発生させるおそれのある異物等が搬送されることはないため、白スジの発生を防止し、安定した画像品質を提供することが可能となる。
異物除去部材300のメッシュの大きさとしては、小さいほど確実な異物除去が可能となるが、現像剤32の粒径よりも小さいと現像剤自体が通過できなくなる。また、現像剤32の粒径より大きくても現像剤32の粒径に近い大きさだと、経時の使用においては目詰まりが発生しやすくなる。このため、良好な現像剤循環を得るためには、現像剤32の粒径に対し異物除去部材300のメッシュの大きさを2〜5倍程度に設計することが望ましい。ここで、現像剤32の粒径として、キャリアの両サイドにトナーが1層付着している状態を想定し、キャリアの粒径+トナーの粒径×2を現像剤の粒径とする。
よって、異物等を除去しつつ、良好な現像剤循環を得るために、規制ギャップをd、メッシュの大きさをMd、現像剤の粒径をTdとすると、
2Td< Md <d
という関係を満たすように異物除去部材300のメッシュの大きさMdを設定することが望ましい。
ここで、図13に示すように、板状の異物除去部材300と水平面とが成す角の角度θとする。例えば、角度θを0[°]にして異物除去部材300を設けた場合、異物除去部材300の厚み方向への通過を妨げられた異物等は、異物除去部材300の上部から移動できないため、目詰まりが発生し易くなる。
一方、異物除去部材300を配置する角度θを30[°]以上に設定すると、異物除去部材300の厚み方向への通過を妨げられ、異物除去部材300の上部で引っかかった異物等は、異物除去部材300の上部の傾きに沿ってその自重により下方側へと移動する。このため、角度θを30[°]以上に設定することにより、目詰まり等の不具合の発生を抑制することができる。
〔実施例6〕
図14は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3の六つ目に実施例(以下、実施例6と呼ぶ)概略構成図である。
図14に示すように、実施例6の現像装置3は、図13に示す実施例5の現像装置3のパドル部材31の代わりに、磁石等の磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材51を配置した構成である。スリーブ部材51はパドル部材31と同様に、図14中の反時計回り方向に回転駆動する。
図15は、図14に示す実施例6の現像装置3の供給搬送路37の説明図である。図15(a)は、実施例6の現像装置3の供給搬送路37を形成する、仕切り板36とスリーブ部材51との斜視説明図であり、図15(b)は、実施例6の現像装置3のスリーブ部材51と障壁13との位置関係を示す模式図である。
まず、実施例6の現像装置3について、供給搬送路37から現像スリーブ34aの表面までの現像剤32の循環経路について説明する。上述したように、実施例1〜実施例6の現像装置3では、供給搬送路37内の現像剤32は供給スクリュ39の回転駆動に伴い、障壁13を乗り越え、現像剤32の自重により現像スリーブ34aの表面へと搬送される。
一方、図14に示す実施例6の現像装置3では、障壁13の上方に磁界発生手段を内包したスリーブ部材51を設けた構成であり、供給搬送路37内の現像剤32は、スリーブ部材51内の磁界発生手段の磁力によりスリーブ部材51の上部表面へと汲み上げられる。
図14に示す構成では、スリーブ部材51内の磁界発生手段は、汲み上げ極Naと剤離れ極Nbとが配置されている。汲み上げ極Naの磁力によってスリーブ部材51の上部表面へと汲み上げられた現像剤32は、スリーブ部材51の回転駆動に伴い搬送され、剤離れ極Nbが配置された剤切れ部において、スリーブ部材51の表面から離脱する。このとき、剤離れ極Nbの磁力とスリーブ部材51の回転駆動に伴う遠心力とによって、剤規制部材35の上方の現像容器33の内壁付近まで搬送される。
剤規制部材35の上方の現像容器33の内壁付近まで搬送された現像剤32は、自重により落下し、異物除去部材300を通過した後に現像スリーブ34aの表面上へと搬送される。
実施例6では、図16に示す従来例の現像装置3における下部領域M1の現像剤32は、スリーブ部材51内の磁界発生手段によって形成させる磁界により、供給搬送路37に向かって還流することができる。すなわち、スリーブ部材51が供給搬送路37内の現像剤32を現像スリーブ34aに向けて供給する機能だけではなく、現像剤ほぐし手段としての機能も兼ねるために、図16で示す従来例の現像装置3で課題となった長期使用時における現像剤の凝集体の発生を抑制することが可能となる。
また、スリーブ部材51の配置としては、図15に示すようにスリーブ部材51を障壁13の上端13bの傾斜と平行に配置する、すなわち、障壁13の上端13bとスリーブ部材51との最近接部の間隔が一定になるように配置することことが望ましい。このように配置することで、剤面32fが低くなる供給搬送路37内の搬送方向下流側においても安定して現像剤32を汲み上げることできる。
ここで、図16等を用いて説明した従来例の現像装置3と比較すると、図16に示す従来例では、障壁13の先端部より低い位置に存在する供給搬送路37内の現像剤32は、障壁13を乗り越えて現像スリーブ34a側へ搬送されることはない。一方、実施例6の現像装置3であれば、障壁13の先端部より低い位置に存在する供給搬送路37内の現像剤32もスリーブ部材51内の磁界発生手段の磁力によって磁気的に搬送することができる。このため、供給搬送路37の下流側で現像剤32が枯渇しやすいという1方向循環方式特有の課題に対して,現像剤32の枯渇を抑制する余裕度を向上することができる。
また、実施例6の現像装置3では、供給搬送路37内の現像剤32は磁気的にスリーブ部材51の表面へ搬送されるため、磁性体ではない異物はスリーブ部材51の表面上に搬送されにくくなる。さらに、供給搬送路37内の現像剤に絡み付いてスリーブ部材51上に搬送された場合においても、磁気的な拘束力を受けない異物はスリーブ部材51の回転駆動に伴う遠心力によってスリーブ部材51の表面上から離脱して供給搬送路37へと落下し易い。このように、異物がスリーブ部材51の表面上に搬送されにくく、スリーブ部材51の表面上に搬送されたとしても供給搬送路37へと落下し易い実施例6の現像装置3では、異物が異物除去部材300まで到達し難くなる。よって、経時の使用において、異物が異物除去部材300の上部に残留し、目詰まりを発生させる可能性を低減することができる。
また、供給搬送路37の上流側では現像剤32が多量に存在しているため、供給搬送路37からスリーブ部材51の表面上に多量の現像剤32が搬送され易い。実施例6の現像装置3では、スリーブ部材51の回転方向が図14中の反時計回り方向となっており、スリーブ部材51の表面上に接触した現像剤32はスリーブ部材51の上方を通過して現像スリーブ34aに向かって搬送される。このため、スリーブ部材51の表面上に接触したとしても、スリーブ部材51内の磁界発生手段の磁力で保持できない余剰の現像剤32は供給搬送路37内へ落下するため供給搬送路37内の下流側で現像剤32が枯渇することを抑制できる。
また、スリーブ部材51の回転方向を時計回りに設定すると、供給搬送路37内の現像剤32がスリーブ部材51と障壁13の上端13bとの狭い隙間を通過して、異物除去部材300側に供給されると、現像剤32にストレスがかかり、現像剤32の劣化が進む原因となる。
このように、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材51を配置した構成では、供給搬送路37と対向したスリーブ部材51の表面が、スリーブ部材51の上方に向かって移動し、現像剤貯留部34cと対向する位置を通過して、障壁13の上端13bとの対向する位置を通過するように(図14中の反時計回り方向に)スリーブ部材51を回転させることで、供給搬送路37内の下流側で現像剤32が枯渇することを抑制できるとともに、現像剤32の劣化を抑制することができるため、回転方向が逆の構成よりも好ましい。
また、供給搬送路37内の現像剤32の剤面32fは、一般的に供給スクリュ39のスクリュ形状に伴い凹凸を持っている。供給搬送路37からスリーブ部材51に搬送されるときに、特に現像剤量が少なくなる供給搬送路37の下流側では、供給搬送路37内の現像剤高さの凹凸に伴い、スリーブ部材51の表面上に供給された現像剤32にも凹凸が生じるおそれがある。この凹凸が均されないままの現像剤32が剤規制部材35と現像スリーブ34aとの対向部を通過すると、ピッチムラと呼ばれるスクリュピッチ状の画像ムラが発生するおそれがある。
このような問題に対して、実施例6の現像装置3では、スリーブ部材51から離脱した後、現像スリーブ34aの表面に到達する前の現像剤32は磁気的な制約を受けることがない。このため、スリーブ部材51の表面上に供給された現像剤32にも凹凸が生じていても、スリーブ部材51から現像スリーブ34aに搬送される間にその凹凸が均され易く、スクリュピッチ状の画像ムラはより発生し難いという利点もある。
図14に示す現像装置3では、スリーブ部材51の内部に配置した磁界発生手段が同じ極性の2つの磁極を配置した構成であるが、スリーブ部材51の内部に配置する磁界発生手段としては一つ磁極を配置した構成であってもよい。スリーブ部材51の内部を一つの磁極とする場合には、図14の現像装置3における汲み上げ極Naの位置に一つ磁極を配置し、図14の現像装置3における剤離れ極Nbの位置が剤離れ部となるように、スリーブ部材51の回転駆動による遠心力で現像剤32がスリーブ部材51の表面から離脱するように設定する。このとき、スリーブ部材51の内部の磁極による磁気的な拘束力よりもスリーブ部材51の回転駆動による遠心力の方が大きくなることで現像剤32がスリーブ部材51の表面から離脱する。剤離れ部でスリーブ部材51の表面から離脱した現像剤32は、剤規制部材35の上方の現像容器33の内壁付近まで搬送される。
このように、スリーブ部材51の内部を一つの磁極とする構成では、スリーブ部材51からの現像剤32の離脱Wお円滑に行うために、剤離れ部におけるスリーブ部材51表面上の法線方向の磁束密度が5[mT]以下程度に低減するように、磁極を配置することが望ましい。
また、上述した実施例5では、実施例1の現像装置3に異物除去部材300を追加した構成について説明したが、異物除去部材300を追加する構成は、実施例2〜実施例4の現像装置3に対しても適用可能である。
さらに、異物除去部材300としては、メッシュが形成された板状部材に限るものではなく、所定の大きさよりも小さい粒子のみを通過させる部材であればよい。
以上、本実施形態の現像装置3は、トナー及びキャリアからなる現像剤32を表面上に担持して表面移動し、潜像担持体である感光体1と対向する現像領域Aで感光体1の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体である現像スリーブ34aと、貯留する現像剤32が現像スリーブ34aの表面に接触し、現像スリーブ34aの表面移動に伴い現像スリーブ34aの表面に接触した現像剤32が現像スリーブ34aに担持・搬送される現像剤貯留部34cと、上方が供給連通部13aである障壁13を挟んで現像剤貯留部34cに隣接して形成され、供給連通部13aを介して現像剤貯留部34cに現像剤32を供給しながら現像スリーブ34aの表面移動方向に直交する軸線方向に現像剤32を搬送する供給搬送路37と、供給搬送路37内の現像剤32に対して搬送力を付与する供給搬送部材である供給スクリュ39と、供給搬送路37の搬送方向下流端に到達した現像剤32を供給搬送路37の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路38と、循環搬送路38内の現像剤32に対して搬送力を付与する循環搬送部材である循環スクリュ40とを有し、供給搬送路37内の現像剤32が供給連通部13aを通過することで現像剤貯留部34cに現像剤32が供給される現像装置である。そして、本発明を適用した現像装置3では、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段を備える。
実施例1〜4の現像装置3では、現像剤ほぐし手段によって障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐすことで、障壁13の上端13b近傍に現像剤32の凝集体が形成されることを防止し、経時に渡って安定して良好な画像品質を維持することができる。
また、実施例1〜4の現像装置3では、現像領域Aを通過した後の現像スリーブ34aの表面に担持される現像剤32は、循環搬送路38に受け渡されることにより、現像領域Aを通過してトナー濃度が変動した現像剤32が供給搬送路37に供給されず、供給搬送路37内の現像剤32のトナー濃度の変動を防止することが出来る。
また、実施例1〜4の現像装置3では、供給搬送部材である供給スクリュ39の下端部が現像スリーブ34aの上下方向の中央部よりも上方となるように現像スリーブ34a及び供給スクリュ39が配置されており、供給連通部13aを通過した現像剤32は重力によって現像スリーブ34aの表面に供給される。このような構成では、重力を利用して現像スリーブ34aに現像剤32を供給しているため、磁気的に現像剤32を引き付ける力は少なくなり、現像剤32の劣化を大幅に抑制できる。しかし、供給連通部13aを通過する現像剤32に対して現像剤貯留部34cに向かう積極的な力が働き難いため、障壁13の上端13b近傍に現像剤32の凝集体が形成され易い。このような問題に対して、実施例1〜4の現像装置3では、現像剤ほぐし手段によって障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐすことで、障壁13の上端13b近傍に現像剤32の凝集体が形成されることを防止できるため、現像剤32の劣化することの防止と、凝集体が形成されることの防止とを両立できる。
また、実施例1の現像装置3では、現像剤ほぐし手段として、回転軸を中心に回転する回転体であるパドル部材31を供給連通部13aに備えることで、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす構成を実現できる。なお、現像剤ほぐし手段として機能する回転体としてはパドル状の部材に限らず、ローラ部材や針金を曲げた部材なども用いることができる。
また、実施例1の現像装置3は、回転体であるパドル部材31のパドル回転軸31aの軸方向は軸線方向に沿う方向に延在し、パドル部材31の回転方向は、パドル回転軸31aよりも下方の部分が現像剤貯留部34c側から供給搬送路37側へと移動するように、図1中の矢印D方向が回転方向である。パドル部材31を図1中の矢印D方向とは逆方向に回転させると、パドル部材31の回転駆動によって、パドル回転軸31aよりも下方に存在する現像剤32に対して供給搬送路37側から現像剤貯留部34c側へと向かう搬送力が付与される。このような搬送力が付与される構成であると、パドル回転軸31aの下方をパドル羽部31bが通過するタイミングと、それ以外のタイミングとで、現像剤32に対して付与される供給搬送路37側から現像剤貯留部34c側へと向かう搬送力にムラが生じて、現像スリーブ34aに供給される現像剤量が変動し、画像の濃度ムラが発生することがあった。一方、パドル部材31を図1中の矢印D方向に回転させると、搬送力のムラを軽減し、画像の濃度ムラの発生を抑制することができた。
また、実施例1の現像装置3は、回転体として、パドル回転軸31aを中心にパドル羽部31bが回転するパドル部材31を備える。パドル羽部31bによって現像剤32をほぐすため、ローラ状など、他の形状の回転体よりも効率良く現像剤32をほぐすことができる。
また、実施例1の現像装置3では、パドル部材31としては、図6のメッシュ形状や図7のワイヤ形状の構成のように、パドル羽部31bには一つ以上の貫通孔が設けられていることが望ましい。これにより、パドル羽部31bの移動によって現像剤32に付与される搬送力を抑制し、パドル部材31の回転周期に応じて、供給連通部13aを通過する現像剤32の量にムラが生じることを抑制することができる。
また、実施例2の現像装置3は、現像剤ほぐし手段として、上下方向に揺動する上下揺動部材310を供給連通部13aに備えることにより、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす構成を実現できる。
また、揺動することで現像剤32をほぐす現像剤ほぐし手段としは、実施例2の現像装置3のように、上下方向に揺動する上下揺動部材310に限るものではなく、水平方向に揺動する水平揺動部材を供給連通部13aに備える構成であっても、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす構成を実現できる。
また、実施例3の現像装置3は、現像剤ほぐし手段として、超音波振動子などからなる振動部材311を供給連通部13aの近傍である障壁13に設けたことにより、振動部材311の振動によって現像剤32をほぐすことができるため、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす構成を実現できる。
また、実施例4の現像装置3は、現像剤ほぐし手段として、供給連通部13aの近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段である電磁石312を設けることによって、形成する磁界を変更することで、障壁13の上方に存在する現像剤32をほぐす構成を実現できる。
また、実施例5の現像装置3は、現像スリーブ34aに担持され、現像領域Aに向かって搬送される現像スリーブ34a上の現像剤量を規制する現像剤規制部材である剤規制部材35を有し、供給搬送路37内の現像剤32が、供給連通部13aを通過し、現像剤貯留部34cに供給され、現像スリーブ34aに担持されて剤規制部材35によって規制される位置に到達するまでの現像剤32の経路に、通過する現像剤32に含まれる異物を除去する異物除去手段である異物除去部材300を備える。このような異物除去部材300を備えることにより、現像容器33内に混入した異物や凝集体が剤規制部材35によって規制される位置に到達することを抑制し、白スジが発生することを抑制することができる。
また、実施例6の現像装置3は、現像剤ほぐし手段として機能する回転体が、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材51である。スリーブ部材51が現像剤ほぐし手段として機能することにより、供給搬送路37と現像剤貯留部34cとの間の供給連通部13aを形成する障壁13の上端13bで現像剤32が凝集することを抑制することが出来る。また、実施例6の現像装置3であれば、障壁13の先端部より低い位置に存在する供給搬送路37内の現像剤32もスリーブ部材51内の磁界発生手段の磁力によって磁気的に搬送することができるため、供給搬送路37の下流側で現像剤32の枯渇に対する余裕度を向上することができる。さらに、実施例6の現像装置3であれば、スリーブ部材51内の磁界発生手段の磁力で保持できない現像剤32は供給搬送路37内へ落下するため、帯電が十分に立ち上がっていないトナー粒子を含む現像剤32が剤規制部材35によって規制される位置に到達することを抑制することができ、トナー飛散などのトナーの帯電不足に起因する不具合を抑制することができる。また、実施例6の現像装置3では、スリーブ部材51から離脱した後、現像スリーブ34aの表面に到達する前の現像剤32は磁気的な制約を受けることがないため、剤規制部材35によって規制される位置に到達する現像剤量を均すことができ、スクリュピッチ状の画像ムラの発生を抑制することができる。
また、本実施形態のプリンタ100は、潜像を担持する潜像担持体である感光体1と、感光体1を帯電する帯電手段である帯電装置2と、感光体1上の潜像を現像する現像手段と、感光体1に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段であるクリーニング装置6とを備える画像形成装置であり、プリンタ100が備える現像手段として、実施例1〜6の現像装置3を用いることで、経時に渡って安定して良好な画像品質を維持する。
1 感光体
2 帯電装置
3 現像装置
5 転写バイアスローラ
6 クリーニング装置
13 障壁
13a 供給連通部
13b 上端
15 転写搬送ベルト
16 露光装置
17 作像装置
18 下流側張架ローラ
19 上流側張架ローラ
20、21、22 給紙カセット
23 レジストローラ
24 定着装置
25 排紙トレイ
26 給紙搬送装置
31 パドル部材
31a パドル回転軸
31b パドル羽部
31c 羽支持部
31d ワイヤ部材
32 現像剤
32f 剤面
33 現像容器
33b 底部
34 現像ローラ
34a 現像スリーブ
34b マグネットローラ
34c 現像剤貯留部
35 剤規制部材
36 仕切り板
37 供給搬送路
38 循環搬送路
39 供給スクリュ
40 循環スクリュ
41 持ち上げ口
42 落下口
45 トナー補給口
51 スリーブ部材
300 異物除去部材
310 上下揺動部材
310a 揺動部材支持部
311 振動部材
312 電磁石
特開平5−333691公報 特開平11−167261号公報

Claims (14)

  1. トナー及びキャリアからなる現像剤を表面上に担持して表面移動し、潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
    貯留する現像剤が該現像剤担持体の表面に接触し、該現像剤担持体の表面移動に伴い該現像剤担持体の表面に接触した現像剤が該現像剤担持体に担持・搬送される現像剤貯留部と、
    上方が連通部である障壁を挟んで該現像剤貯留部に隣接して形成され、該連通部を介して該現像剤貯留部に現像剤を供給しながら該現像剤担持体の表面移動方向に直交する軸線方向に現像剤を搬送する供給搬送路と、
    該供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給搬送部材と、
    該供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を該供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、
    該循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材とを有し、
    上記供給搬送路内の現像剤が上記連通部を通過することで上記現像剤貯留部に現像剤が供給される現像装置において、
    上記障壁の上方に存在する現像剤をほぐす現像剤ほぐし手段を備え
    該障壁の上端部は上記現像剤担持体よりも上方となる配置であることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記現像領域を通過した後の上記現像剤担持体の表面に担持される現像剤は、上記循環搬送路に受け渡されることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1または2の現像装置において、
    上記供給搬送部材の下端部が上記現像剤担持体の上下方向の中央部よりも上方となるように該現像剤担持体及び該供給搬送部材が配置されていることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤ほぐし手段として、回転軸を中心に回転する回転体を上記連通部に備えることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項4の現像装置において、
    上記回転体の回転軸の軸方向は上記軸線方向に沿う方向に延在し、該回転体の回転方向は、その回転軸よりも下方の部分が上記現像剤貯留部側から上記供給搬送路側へと移動する回転方向であることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項4または5の現像装置において、
    上記回転体は、上記回転軸を中心に羽部が回転するパドル部材であることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項6の現像装置において、
    上記パドル部材の羽部には一つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項4または5の現像装置において、
    上記回転体は、磁界発生手段を内包して回転するスリーブ部材であることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤ほぐし手段として、上下方向に揺動する上下揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤ほぐし手段として、水平方向に揺動する水平揺動部材を上記連通部に備えることを特徴とする現像装置。
  11. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤ほぐし手段として、振動部材を上記連通部の近傍に設けたことを特徴とする現像装置。
  12. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤ほぐし手段として、上記連通部の近傍に磁界を形成し、形成する磁界の大きさや向きを変更可能な磁界形成手段を設けたことを特徴とする現像装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤担持体に担持され、上記現像領域に向かって搬送される該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材を有し、
    上記供給搬送路内の現像剤が、上記連通部を通過し、上記現像剤貯留部に供給され、該現像剤担持体に担持されて該現像剤規制部材によって規制される位置に到達するまでの現像剤の経路に、通過する現像剤に含まれる異物を除去する異物除去手段を備えることを特徴とする現像装置。
  14. 潜像を担持する潜像担持体と、
    該潜像担持体を帯電する帯電手段と、
    該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、
    上記現像手段として、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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