JP2006078715A - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 常に、第二現像剤収容部で撹拌混合された高いトナー濃度の現像剤を第一現像剤収容部に確実に供給し、第一現像剤収容部内のトナー濃度を適正に維持して良質な画像品質を得ることができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像剤担持体32と、第一現像剤収容部33aと、現像剤退避部34と、現像剤分離手段と、撹拌回転部材36bを有する第二現像剤収容部33bと、トナー収容部35と、仕切り部材39とを備え、仕切り部材39は、その第二現像剤収容部33b側の端部が撹拌部材36bの回転中心36oよりも、トナー収容部35側に位置するように配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 現像剤担持体32と、第一現像剤収容部33aと、現像剤退避部34と、現像剤分離手段と、撹拌回転部材36bを有する第二現像剤収容部33bと、トナー収容部35と、仕切り部材39とを備え、仕切り部材39は、その第二現像剤収容部33b側の端部が撹拌部材36bの回転中心36oよりも、トナー収容部35側に位置するように配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置に係り、特に、磁性キャリアとトナーとを具備した二成分現像剤を用い、かつ、トナー濃度検知手段を用いずにトナー濃度を自律的に制御する現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。この種の現像装置に用いられる現像方式としては、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体粒子であるキャリアと着色粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
従来、二成分現像方式の現像装置としては、画質、コスト面や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは、像担体上の静電潜像に接近すると、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
しかし、このような磁気ブラシ現像方法においては、トナー濃度(トナーと磁性キャリアの混合比)を一定範囲に保つ制御を行わないと、トナー濃度が上昇した場合には、トナー飛散やカブリが発生し、一方、トナー濃度が低下した場合には、濃度低下や濃度斑、画像抜けなどが発生してしまう。したがって、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要がある。
そこで、従来の磁気ブラシ現像方法では、安定した画像を得るためにトナー濃度センサを用いてトナー濃度を検知したり、現像パッチを作成してトナー現像量を検知し、その信号によってトナー補給部材を作動させることによりトナー濃度を一定に保つ制御が行われている。例えば、トナー濃度センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基づいてトナー濃度が低下したと判断された場合、トナー補給部材によりトナー補給が行われる。
しかし、この種の磁気ブラシ現像方法にあっては、トナー濃度センサや独立してON/OFF駆動できるトナー補給部材が必要不可欠であり、現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。また、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
このような不具合を解決する先行技術として、トナー濃度センサやトナー補給部材を用いずに、トナー濃度を一定に保つ現像装置や制御方法が既に提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。こうした現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御することで、トナー濃度を調整するものである。
また、自律的制御の方法は、現像剤担持体に担持搬送される現像剤移動層と、現像剤収容部内で現像剤が循環する現像剤循環層とを発生させ、現像剤収容部と連通しているトナー収容部からのトナーを取り込むというものである。すなわち、現像工程において、トナーが消費されると、現像剤収容部内に収容された現像剤の嵩が減少し、減少した嵩分のトナーがトナー収容部から現像剤収容部に補給されることで、現像剤収容部内の現像剤は、トナー濃度を保つというものである。
上記現像装置の例として、特許文献1では、現像スリーブ上に磁性粒子層を形成し、容器内のトナー供給部においてこの磁性粒子層に接触するようにトナーを収容し、現像スリーブの回転に伴う磁性粒子層の磁性粒子の移動によって、上記トナー供給部で磁性粒子層内にその外側のトナー層からトナーを取り込み、トナーと磁性粒子とが混合された現像剤を規制部材でその層厚を規制して現像部に搬送することにより、トナーの過剰供給による帯電不足の防止を図っている。
また、特許文献2では、内部磁極を有する現像スリーブ回転型磁気ブラシ現像装置において、現像スリーブ表面に絶縁性層を設けるとともに、現像スリーブ近くにトナー供給ロールを配設し、トナー供給ロールと現像スリーブ間に交番電圧を印加することで、トナー濃度、トナー帯電の安定化を図っている。
さらに、特許文献3では、現像剤を構成するトナーとして磁性トナーを用いることで、トナー帯電の安定化、トナー飛散の防止を図っている。
また、特許文献4では、現像剤担持体の搬送速度が最速のときにおいて、キャリア一個の表面に対してトナーが完全に覆った状態となる限界トナー濃度以下となるようにトナー濃度を構成することで、地汚れやトナー飛散の防止を図っている。
さらにまた、特許文献5では、現像剤収容部において、現像剤担持体に担持搬送される現像剤量を規制する第一の規制部材よりも現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に第二の規制部材を設けることにより、トナー濃度調整の簡易化を図っている。
しかしながら、上記の先行技術にあっては、いずれもトナー濃度変化に対応した現像剤の体積変化と現像剤の動きとによって、トナー濃度の制御をしているため、現像剤の体積変化や現像剤の動きを顕著にする必要がある。このような要請下においては、通常の二成分現像方式と比較して、特に、現像剤担持体周辺の現像剤仕込量を少なくして、その体積変化等を顕著にする必要があるため、現像剤の循環が悪く、現像剤の動きが活発な箇所と活発でない箇所とが存在して、トナーの取り込みが均一に行われない。さらに、帯電性能や磁化特性の劣化により磁性キャリアが現像装置本体から抜け出て現像剤収容室内の磁性キャリア量が減少すると、トナー濃度安定時において現像剤収容部内の磁性キャリア量に対するトナー量比率が大きくなる。この結果、十分なトナー帯電が施されず地汚れやトナー飛散が生じるという問題が生じていた。
また、現像剤量が少ないことから現像剤中に含まれるトナーの絶対量が少ないこと、トナー濃度が減少しても現像剤の体積変動は緩やかでありトナーの取り込みスピードが遅いことから、トナー消費の激しい高密度画像を連続で出力する際に所望の濃度が維持できないといった問題が生じていた。
さらに、予め現像剤量を少なく設定しなければならないため、1つの磁性キャリアにかかるストレスが大きくなり、磁性キャリアの寿命が短くなる。つまり、ランニングコストが上昇し、また、応答性が遅いため、高密度画像の濃度を確保できないといった問題が生じていた。
さらにまた、高密度画像の連続出力後及び出力中のトナー濃度回復過程において、多量のトナーが現像剤収容部に供給され、一時的に現像剤担持体上の現像剤トナー濃度が所望の値よりも高くなってしまうという問題が生じていた。
こうした問題を解決するために、本出願人は以前、特願2004−41015号において、以下のような現像装置を既に提案している。
この現像装置100は、図6に示されるように、トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁界発生手段110の磁力により所定の(矢印)方向に担持搬送する現像剤担持体130と、現像剤担持体130に隣接して二成分現像剤を収容する第一現像剤収容部140aと、現像剤担持体130に隣接して第一現像剤収容部140aに対し現像剤担持体130の現像剤搬送方向下流側に設けられると共に第一現像剤収容部140aと連通する現像剤退避部170と、第一現像剤収容部140a及び現像剤退避部170に対して現像剤担持体130の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体130により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて第一現像剤収容部140a又は現像剤退避部170に前記余剰現像剤を分離する現像剤分離手段180と、前記第一現像剤収容部140aを介して現像剤担持体130と連通して設けられ現像剤担持体130により担持搬送される二成分現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度を有する二成分現像剤を第一現像剤収容部140aへ供給可能に収容する第二現像剤収容部140bと、前記第一現像剤収容部140a及び第二現像剤収容部140bを介して現像剤担持体130と連通して設けられ第二現像剤収容部140bにトナーを供給可能に収容するトナー収容部150とを備えたものである。
しかし、このように構成した現像装置においては、第一現像剤収容部140aのトナー濃度が低下し、現像剤担持体130と仕切り部材120の傾斜部上に流出した低濃度現像剤は、第二現像剤収容部140bの中央より第一現像剤収容部140a側に落下流入する場合が生じる。そして、このような場合には、例えば図7に示されるように、第二現像剤収容部140bで撹拌された高いトナー濃度の現像剤ではなく、仕切り部材120より落下してきた低いトナー濃度の現像剤が現像剤供給口145を介して直接第一現像剤収容部140aに還流し、第二現像剤収容部140bから第一現像剤収容部140aへの現像剤の補給を阻害する虞が生じる。特に、画像デューティが比較的高くトナー消費量が多い場合には、第二現像剤収容部140bから第一現像剤収容部140aへのトナー補給が阻害されると、第一現像剤収容部140aのトナー濃度が低くなりすぎるため、形成画像の濃度が極端に下がる等の画像欠陥が発生する懸念が生じていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、常に、第二現像剤収容部で撹拌混合された高いトナー濃度の現像剤を第一現像剤収容部に確実に供給し、第一現像剤収容部内のトナー濃度を適正に維持して良質な画像品質を得ることができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁力により所定の方向に担持搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する第一現像剤収容部と、現像剤担持体に隣接して第一現像剤収容部に対し現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられると共に第一現像剤収容部と連通する現像剤退避部と、第一現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて第一現像剤収容部又は現像剤退避部に前記余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、前記第一現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度を有する二成分現像剤を第一現像剤収容部へ供給可能に収容すると共に、該二成分現像剤を撹拌する回転自在に形成された撹拌回転部材を有する第二現像剤収容部と、前記第一現像剤収容部及び第二現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ第二現像剤収容部にトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、前記現像剤分離手段に対して、現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に設けられ、前記現像剤退避部と前記第一現像剤収容部とを隔てる仕切り部材とを備え、前記仕切り部材は、その第二現像剤収容部側の端部が撹拌部材の回転中心よりも、トナー収容部側に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
このように構成した本発明の現像装置は、現像剤担持体と、第一現像剤収容部と、現像剤退避部と、現像剤分離手段と、二成分現像剤を第一現像剤収容部へ供給可能に収容すると共に、該二成分現像剤を撹拌する回転自在に形成された撹拌回転部材を有する第二現像剤収容部と、トナー収容部と、現像剤退避部と第一現像剤収容部とを隔てる仕切り部材とを備え、仕切り部材は、その第二現像剤収容部側の端部が撹拌部材の回転中心よりも、トナー収容部側に位置するように配置されているので、仕切り部材上に流出した低いトナー濃度の二成分現像剤が、常に、第二現像剤収容部内の撹拌回転部材の回転中心よりもトナー収容部側に流入し、これにより、低いトナー濃度の二成分現像剤が直接第一現像剤収容部へ流入して適正なトナー濃度の現像剤の補給を阻害することを防止すると共に、常に、第二現像剤収容部内で撹拌混合された二成分現像剤を安定して第一現像剤収容部へ供給することができ、第一現像剤収容部内のトナー濃度を適正に維持し、例えば高密度画像を形成した場合でも第一現像剤収容部33a内の過度のトナー濃度の低下を防止することができる。
また、前記第2撹拌部材は、仕切り部材上の二成分現像剤をトナー補給路側に導く方向に回転してもよい。
このように構成した場合は、第2撹拌部材が、仕切り部材上の二成分現像剤をトナー補給路側に導く方向に回転するので、仕切り部材上に流出した二成分現像剤Gは、常に、第二現像剤収容部33b内での撹拌混合を経て、第一現像剤収容部33aに供給されることとなり、第一現像剤収容部内のトナー濃度の安定化を一層促進することができる。
なお、本発明は上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を用いて、像担持体上の静電潜像を可視像化する画像形成装置をも対象とする。
本発明によれば、常に、第二現像剤収容部で撹拌混合された高いトナー濃度の現像剤を第一現像剤収容部に確実に供給されるので、例えば、画像デューティが比較的高くトナー消費量が多い場合でも、確実に第一現像剤収容部にトナーが補給され、第一現像剤収容部内のトナー濃度を適正に維持し、画像濃度が極端に下がる等の画像欠陥を防止し、良質な画像品質を得ることができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
<実施の形態>
<実施の形態>
まず、本発明に係る現像装置を含む画像形成装置の概略構成について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
図2において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像担持体であり、この静電潜像担持体21はスコロトロンなどの帯電装置22によって帯電され、レーザ書込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった静電潜像担持体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。また、現像装置24は、現像ハウジング31内に着色粒子であるトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を収容し、現像剤担持体32に前記二成分現像剤を担持させ、この現像剤担持体32にバイアス電源25からの現像バイアスを印加することで、現像剤担持体32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。さらに、転写装置26は、例えば静電潜像担持体21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって静電潜像担持体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加されることで、静電潜像担持体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。また、静電潜像担持体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
さらに、本実施の形態において、静電潜像担持体21上のトナー像を転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は、記録材28に定着される。定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像を記録材28に定着するようになっている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の構成について、図2を参照して説明する。
図2において、現像装置24は、静電潜像担持体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して現像剤担持体32を配設し、現像ハウジング31のうち、現像剤担持体32に隣接した部位には二成分現像剤Gが収容される第一現像剤収容部33aと、現像剤担持体32に隣接し、第一現像剤収容部33aに対して現像剤担持体32の現像剤搬送方向下流側に設けられる現像剤退避部34と、第一現像剤収容部33aを介して現像剤担持体32に連通し且つ高いトナー濃度の二成分現像剤及び現像剤退避部34から流出した二成分現像剤Gを収容する第二現像剤収容部33bと、第一現像剤収容部33a、第二現像剤収容部33bを介して現像剤担持体32に連通し且つ第二現像剤収容部33bへ供給するトナーTを収容するトナー収容部35とを形成したものである。
なお、本実施の形態において、二成分現像剤Gは、トナーTと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーTは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと帯電特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また、本実施の形態において、現像剤担持体32は、回転可能な回転スリーブ321と、この回転スリーブ321の内部に固定的に配設された磁極ロール322とを備えている。なお、磁界発生手段である磁極ロール322内の各々の磁極の配置や数は適宜選定して差し支えない。
一方、回転スリーブ321は、反時計回りに回転すると共に、磁極ロール322の現像磁極が配設される現像部において、静電潜像担持体21と対向するようになっている。
また、本実施の形態において、第一現像剤収容部33aは二成分現像剤Gが収容されるスペースを有し、第一現像剤収容部33a内のうち現像剤担持体32に近接(又は接触)した部位に第一現像剤撹拌部材36aが回転自在(時計回り)に配設されている。さらに、第一現像剤収容部33aの底部形状は、現像剤担持体32及び第一現像剤撹拌部材36aに沿った湾曲形状をしており、現像剤担持体32、第一現像剤撹拌部材36aとの間に所定間隔の現像剤搬送路を確保している。
また、本実施の形態において、第一現像剤撹拌部材36aは、例えば磁性あるいは非磁性のロールからなるが、スパイラル状のオーガでもよく、複数配設しても差し支えない。
この第一現像剤撹拌部材36aによって撹拌された二成分現像剤Gは、現像剤担持体32のピックアップ磁極近傍で捕獲され、現像剤担持体32の回転スリーブ321の回転により担持搬送されるようになっている。
また、本実施の形態において、第二現像剤収容部33bは現像剤担持体32により担持搬送され現像に寄与する二成分現像剤Gよりも高いトナー濃度の二成分現像剤が収容されるスペースを有し、トナー収容部35から供給されるトナーTと現像剤退避部34から流出してくる二成分現像剤Gと既存の高いトナー濃度の二成分現像剤を撹拌し且つ第一現像剤収容部33aへ搬送する第二現像剤撹拌部材36bを備えている。具体的には、例えば、第一現像剤収容部33aに収容されている二成分現像剤の平均トナー濃度よりも、3倍程度高い平均トナー濃度を有する二成分現像剤が第二現像剤収容部33bに収容されていることが好ましい。そして、この第二現像剤撹拌部材36bは例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、図中矢印方向(本例では、時計回り方向)に回転し、第二現像剤収容部33bの底壁面に沿って高いトナー濃度の二成分現像剤を掃き出すようにしたものである。また、この第二現像剤撹拌部材36bはトナー収容部35からのトナーTを第二現像剤収容部33b内に引き込み、二成分現像剤Gと撹拌混合する機能も兼ねている。
そして、この第二現像剤収容部33bの底部形状は、第二現像剤撹拌部材36bの移動回転軌跡に沿う湾曲状を有しており、第一現像剤収容部33aと第二現像剤収容部33bとの間の連結部には、現像剤補給路37aが設けられている。
さらに、本実施の形態において、トナー収容部35には、収容されるトナーTを撹拌し第二現像剤収容部33bへ搬送せしめるトナー撹拌部材351を有しており、このトナー撹拌部材351は、例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、トナー収容部35の底壁面に沿ってトナーTを掃き出すようにしたものである。
そして、このトナー収容部35の底部形状は、トナー撹拌部材351の移動回転軌跡に沿う湾曲状を有しており、第二現像剤収容部とトナー収容部35との間の連結部には、トナー補給路37bが設けられている。
また、本実施の形態では、現像剤担持体32内の搬送磁極から現像剤搬送方向下流側(反時計回り方向側)の位置において、搬送磁極と現像磁極との間には、現像剤担持体32と対向するようにせき止め部41が配設されている。このせき止め部41は、現像剤担持体32と同程度の幅を有し、一端を現像ハウジング31により支持され、先端部を数十μm〜数百μm程度の間隙で現像剤担持体32に近接させている。
また、本実施の形態では、せき止め部41は、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gの層厚を規制する層厚規制機能を兼ねているが、層厚規制機能とは別にしてもよい。この場合、例えば、せき止め部41と現像磁極との間に層厚規制部材を設ける態様が挙げられる。
また、本実施の形態において、第一現像剤収容部33aと現像剤退避部34との間は、仕切り部材39にて隔てられている。この仕切り部材39は、例えば図3に拡大して示されるように、現像剤担持体32と同程度の幅で形成されたベースプレート39aを有し、このベースプレート39aは、現像剤担持体32側が上方で、その反対側が下方となるように斜め下方に向かって傾斜配置されている。そして、ベースプレート39aのうち、現像剤担持体32側に位置する上端部39bは、現像剤担持体32内の搬送磁極近傍の位置において、現像剤担持体32の表面と数百μm〜数mmの位置で対向している。
なお、本実施の形態では、前述したせき止め部41に多くの二成分現像剤Gを供給するために、仕切り部材39の上端部39bと現像剤担持体32との間隙は、せき止め部41と現像剤担持体32との間隙よりも広く設定されている。
一方、下端部39cは、その底面39sが前述した現像剤補給路37a及び第二現像剤収容部33bの上側壁面を形成するような形状となっている。
そして、仕切り部材39は、その下端部39cのトナー収容部35側(第二現像剤収容部33b側)端39eが、図中水平方向において、第二現像剤撹拌部材36bの回転中心36oよりもトナー収容部35側に位置するように配されている。すなわち、仕切り部材39上に流出した二成分現像剤Gは、全て第二現像剤収容部33b内の第二現像剤撹拌部材36bの回転中心36oよりもトナー収容部35側に流入するように設定されている。
さらに、第二現像剤撹拌部材36bの回転方向は、図中矢印で示されるように、仕切り部材39から第二現像剤収容部33bに落下してきた二成分現像剤Gを、常にトナー補給路37b側に導く方向(本例では、時計回り方向)に回転するように設定されている。
従って、仕切り部材39上に流出した二成分現像剤Gは、常に、第二現像剤収容部33b内での撹拌混合を経て、第一現像剤収容部33aに供給されることとなるので、仕切り部材39上に流出した低濃度現像剤が、直接第一現像剤収容部33aに流入することを防止し、これにより第一現像剤収容部33aの過度の濃度低下を抑制することができる。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、現像装置を中心に説明する。
図2において、第一現像剤収容部33aにおける二成分現像剤Gは、第一現像剤撹拌部材36aにより撹拌され、現像剤担持体32内のピックアップ磁極によって捕獲される。この後、捕獲された二成分現像剤Gは、ピックアップ磁極及び搬送磁極の磁気吸引力と現像剤担持体32表面との摩擦力により、現像剤担持体32(回転スリーブ321)の回転方向に搬送される。この搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41の近傍に到達すると、搬送磁極により穂立ちを形成する。さらに、この二成分現像剤Gの穂立ちは、せき止め部41にて規制されることにより、現像剤層として現像剤担持体32上に形成され、この現像剤層は、現像領域に搬送される。さらに、現像領域に搬送された二成分現像剤Gの現像剤層は、現像磁極の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤GにおけるトナーTは、静電潜像担持体21と現像剤担持体32との間に形成される現像電界によって、静電潜像担持体21上の静電潜像を可視像化する。
次に、このように構成した本発明に係る現像装置24における二成分現像剤Gの流れについて、図4及び図5を参照して説明する。
まず、図4において、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が低い場合を想定する。この二成分現像剤Gは、現像剤中のトナー量が少ないことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が大きくなっている。つまり、磁界発生手段から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は大きくなるため、トナー濃度の低い二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍まで確実に搬送される。このせき止め部41まで確実に搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41のせき止め力と搬送磁極の磁気拘束力によって、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を押し出し、この押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって仕切り部材39上に落下し、現像剤退避部34を経て、その後、第二現像剤収容部33b内の第二現像剤撹拌部材36bの回転中心36oよりもトナー収容部35側の領域に流れ込む。
このとき、上記のようにトナー濃度の低い二成分現像剤Gが現像剤退避部34に導かれた場合、第一現像剤収容部33a内にはその分だけスペースが作られることになる。その結果、現像剤補給路37aから第一現像剤収容部33aに至るまでの現像剤補給路37aにあった二成分現像剤Gは、第一現像剤撹拌部材36aの搬送力と二成分現像剤Gの自重により、上記スペースに速やかに引き込まれ現像剤補給路37a付近の二成分現像剤が流動する。これにより、現像剤補給路37aは、第二現像剤収容部33bからの高いトナー濃度の二成分現像剤Gを受け入れ、この高いトナー濃度の二成分現像剤Gは、現像剤補給路37aを経て第一現像剤収容部33aへと速やかに供給されると共に、仕切り部材39上から流下した低いトナー濃度の二成分現像剤Gは、常に、第二現像剤収容部33b内の第二現像剤撹拌部材36bの回転中心36oよりもトナー収容部35側の領域に流れ込むので、従来構成の現像装置のように、現像剤補給路37aへ直接流入して現像剤補給を妨げることがない。併せて、第二現像剤撹拌部材36bの回転方向が、仕切り部材39上から流下した二成分現像剤を、常にトナー補給路37b側に導く方向に設定されているので、低い濃度の二成分現像剤Gと補給トナーTとの撹拌混合を十分に行なうことができ、撹拌不十分な二成分現像剤Gが第一現像剤収容部33aに流入することを防止することができる。
そして、第二現像剤収容部33bにおいては第一現像剤収容部33aへ高いトナー濃度の現像剤を供給した分、トナー収容部35からトナーを受け入れるスペースが形成されてトナー補給路37bにあったトナーTは第二現像剤撹拌部材36bの引き込みとトナーTの自重及びトナー撹拌部材の掃き出しにより、第二現像剤収容部33bへと速やかに供給される。
一方、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が高い場合を想定すると、この二成分現像剤Gは、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さい。つまり、図5に示すように磁界発生手段から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は小さいため、トナー濃度の高い二成分現像剤Gの多くは、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部材39の先端よりも上流側の位置で落下してしまう。この結果、この二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤まで到達することなく、仕切り部材39上に落下しない。従って、この二成分現像剤Gは、仕切り部材39上に落下することなく、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部材39の先端部39bより上流側の位置で落下し、直接第一現像剤収容部33aへ戻る。このとき、前記トナー濃度が低い場合と異なり、第一現像剤収容部33a内にスペースが作られず、現像剤補給路37a付近の二成分現像剤Gは流動しないので、二成分現像剤Gによりふさがれている状態となり、第二現像剤収容部33bから高いトナー濃度の二成分現像剤Gを供給されない。同様に、第二現像剤収容部33bにおいてもトナー収容部35からのトナーTを受け入れるスペースが形成されないため、トナーTは供給されない。
このように、本実施の形態に係るトナー補給メカニズムは、トナー濃度に応じた二成分現像剤Gの流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われない構成になっている。
すなわち、本実施の形態によれば、低トナー濃度の時には、二成分現像剤Gは、現像剤退避部34へ一時的に誘導されることによって第一現像剤収容部33a内の二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されることになり、その分、第一現像剤収容部33a内の二成分現像剤Gは、第二現像剤収容部33b内の高いトナー濃度の二成分現像剤をすばやく取り込むことができ、高密度画像の連続出力に対応することができる。また、第二現像剤収容部33bに対しても第一現像剤収容部33aへの高いトナー濃度の二成分現像剤の供給に伴なって形成されるスペースにトナーTがトナー収容部35から供給される。さらに、前述のようなメカニズムにより、現像剤担持体32上の飽和トナー濃度は二成分現像剤に働く磁気吸引力に依存するものであり、二成分現像剤の体積に依存しないので、経時で現像装置内の磁性キャリアの量が減少しても該飽和トナー濃度は安定した値に保たれる。そして、第二現像剤収容部33bから高いトナー濃度の二成分現像剤を供給する場合、二成分現像剤Gが現像剤退避部34を経由するため、第一現像剤収容部33a内の二成分現像剤Gの循環が非常に活発になるため高い濃度の二成分現像剤の取込みが均一に行なわれる。また、二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されること、磁性キャリアが第一現像剤収容部33a及び現像剤退避部34から第二現像剤収容部33bへ流出しても構わない構成であることから、第一現像剤収容部33a内の現像剤密度を高める必要がなく且つ現像剤の仕込み量も増やすことが可能であるため、現像剤に対するストレスが軽減し、現像剤の長寿命化、低ランニングコストを実現することができる。さらに、高密度画像連続出力後及び出力中のトナー濃度回復過程において、現像剤退避部34へ退避する現像剤量が非常に多くなり第一現像剤収容部33aの現像剤補給路37aが大きく開いた場合でも、供給されるのは高いトナー濃度の二成分現像剤であるため、一度に過剰のトナーが第一現像剤収容部33aに入り込むことがないので、現像剤担持体上のトナー濃度が過飽和することはない。その結果、安定した画像品質を保持することができる。
さらに、仕切り部材39の所定の配置及び第二現像剤撹拌部材36bの所定の回転方向の設定により第二現像剤収容部33bから第一現像剤収容部33aへの二成分現像剤Gの供給を妨げることなく、常に、第二現像剤収容部33bにて十分に撹拌混合された高い濃度の二成分現像剤が、第一現像剤収容部33aへ供給されるため、高密度画像を形成した場合でも第一現像剤収容部33a内の過度のトナー濃度の低下を防止することができる。
21:静電潜像担持体、22:帯電装置、23:露光装置、24:現像装置、25:バイアス電源、26:転写装置、27:バイアス電源、28:記録材、29:クリーニング装置、31:現像ハウジング、32:現像剤担持体、33a:第一現像剤収容部、33b:第二現像剤収容部、34:現像剤退避部、35:トナー収容部、36a:第一現像剤撹拌部材、36b:第二現像剤撹拌部材、36o:回転中心、37a:現像剤補給路、37b:トナー補給路、39:仕切り部材、39a:ベースプレート、39b:上端部、39c:下端部、39e:トナー収容部側端、39s:底面、41:せき止め部、50:定着装置、51:加熱ロール、52:加圧ロール、100:現像装置、110:磁界発生手段、120:仕切り部材、130:現像剤担持体、140a:第一現像剤収容部、140b:第二現像剤収容部、145:現像剤供給口、150:トナー収容部、170:現像剤退避部、180:現像剤分離手段、321:回転スリーブ、322:磁極ロール、351:トナー撹拌部材
Claims (3)
- トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁力により所定の方向に担持搬送する現像剤担持体と、
現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する第一現像剤収容部と、
現像剤担持体に隣接して第一現像剤収容部に対し現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられると共に第一現像剤収容部と連通する現像剤退避部と、
第一現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて第一現像剤収容部又は現像剤退避部に前記余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、
前記第一現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度を有する二成分現像剤を第一現像剤収容部へ供給可能に収容すると共に、該二成分現像剤を撹拌する回転自在に形成された撹拌回転部材を有する第二現像剤収容部と、
前記第一現像剤収容部及び第二現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ第二現像剤収容部にトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、
前記現像剤分離手段に対して、現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に設けられ、前記現像剤退避部と前記第一現像剤収容部とを隔てる仕切り部材と
を備え、
前記仕切り部材は、その第二現像剤収容部側の端部が前記撹拌部材の回転中心よりも、トナー収容部側に位置するように配置されていることを特徴とする現像装置。 - 前記第2撹拌部材は、仕切り部材上の二成分現像剤をトナー補給路側に導く方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 請求項1又は2に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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