JP2005233992A - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分なトナー撹拌及び安定したトナー帯電による軸方向のトナー濃度の均一化を実現し、これにより画像かぶりや画像濃度ムラの少ない良質な画像を得ることができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像剤仕切部材39によりトナー収容部35側に導入された二成分現像剤Gが現像剤収容部33に供給される際には、複数の現像剤撹拌搬送部材36a,36bのうち、現像剤担持体32に最近接している現像剤撹拌搬送部材36aとは異なる現像剤撹拌搬送部材36bへ供給されると共に、二成分現像剤Gが現像剤担持体32に供給される際には、複数の現像剤撹拌搬送部材36a,36bのうち、現像剤担持体32に最近接している現像剤撹拌搬送部材36aを経て供給されるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 現像剤仕切部材39によりトナー収容部35側に導入された二成分現像剤Gが現像剤収容部33に供給される際には、複数の現像剤撹拌搬送部材36a,36bのうち、現像剤担持体32に最近接している現像剤撹拌搬送部材36aとは異なる現像剤撹拌搬送部材36bへ供給されると共に、二成分現像剤Gが現像剤担持体32に供給される際には、複数の現像剤撹拌搬送部材36a,36bのうち、現像剤担持体32に最近接している現像剤撹拌搬送部材36aを経て供給されるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置に係り、特に、磁性キャリアとトナーとを含んだ二成分現像剤を用いて、トナー濃度を自律的に制御する現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。この種の現像装置に用いられる現像方式としては、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体粒子であるキャリアと着色体粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
従来、二成分現像方式の現像装置としては、画質、維持性や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは、像担持体上の静電潜像に接近すると、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
このような磁気ブラシ現像方法を用いた現像装置において、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要があるが、このためにトナー濃度センサーやトナー補給部材を付加すると現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。そこで、こうした部材を用いずに、トナー濃度を自律的に一定に保つ現像装置が提案されている。このような自律的にトナー濃度を制御する現像装置として、現像剤規制部材で進行が阻止された現像剤を収納する現像剤収納部内での現像剤の移動により、トナーを現像剤担持体上の現像剤に取り込み、トナー供給を常時一定に自己制御する現像装置が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、このような自律的にトナー濃度を調整する現像装置においては、現像室内に撹拌搬送部材を設け、この撹拌搬送部材により撹拌不足による帯電不良を防ぐ工夫がなされている。
しかしながら、上述の特許文献に開示された自律的にトナー濃度を調整する現像装置については、いずれも以下のような問題を有していた。
トナー収容部から現像剤収容部に取り込まれたトナーは、現像剤撹拌搬送部材でキャリアと撹拌混合されるが、現像剤担持体までの経路が短く、充分な撹拌時間を得られないという恐れが生じていた。また、例えばトナー消費量の多い画像密度が高い画像形成を行うと、急激にトナーが現像剤収容部に取り込まれ、充分に摩擦帯電されずに帯電の低いまたは逆極性のトナーが現像剤担持体に搬送され、画像かぶりや、いわゆるクラウドといったトナー飛散を発生し易いという問題を生じていた。さらに、撹拌搬送部材として図14に示されるようなブレンダーを用いているが、軸方向の現像剤のトナー濃度を均一にするためには、その効果は不十分であった。特に、軸方向に亘って偏りのある画像を形成した後には、回転軸方向の幅広い領域に亘って補給されたトナーの軸方向の濃度が不均一となり、その後のハーフトーン画像にゴーストが発生しやすいという問題を生じていた。
そこで、本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、十分なトナー撹拌及び安定したトナー帯電による軸方向のトナー濃度の均一化を実現し、これにより画像かぶりや画像濃度ムラの少ない良質な画像を得ることができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部にトナー補給路を介して連通し、このトナー補給路を通じてトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤収容部に隣接し現像剤収容部と連通して設けられる現像剤退避部と、現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、現像剤分離手段により分離された前記余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る現像剤仕切部材と、現像剤収容部内に設けられ、現像剤を撹拌搬送する回転自在に形成された複数の現像剤撹拌搬送部材とを有し、現像剤収容部のトナー濃度に応じて、現像剤仕切部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤がトナー収容部から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部に流入する現像装置において、前記現像剤仕切部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤が前記現像剤収容部に供給される際には、前記複数の現像剤撹拌搬送部材のうち、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材とは異なる現像剤撹拌搬送部材へ供給されると共に、二成分現像剤が前記現像剤担持体に供給される際には、前記複数の現像剤撹拌搬送部材のうち、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材を経て供給されるように構成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明に係る現像装置は、二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、トナー補給路を通じて現像剤収容部にトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤収容部に隣接し現像剤収容部と連通して設けられる現像剤退避部と、現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、現像剤分離手段により分離された余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る現像剤仕切部材と、現像剤収容部内に設けられ、現像剤を撹拌搬送する回転自在に形成された複数の現像剤撹拌搬送部材とを有し、現像剤収容部のトナー濃度に応じて、現像剤仕切部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤がトナー収容部から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部に流入する現像装置において、現像剤仕切部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤が現像剤収容部に供給される際には、複数の現像剤撹拌搬送部材のうち、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材とは異なる現像剤撹拌搬送部材へ供給されると共に、二成分現像剤が現像剤担持体に供給される際には、複数の現像剤撹拌搬送部材のうち、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材を経て供給されるように構成されているので、不十分な撹拌搬送に伴う摩擦帯電の不十分な又は逆極性に帯電されたトナーが現像剤担持体に供給されることがなく、軸方向の幅広い範囲でトナー補給が行われても、軸方向のトナー濃度の均一化及びトナー帯電の安定化を実現することができ、これにより、例えば、高密度画像や軸方向に片寄りのある画像を連続形成した場合でも、いわゆる画像かぶりやゴーストが発生し難い、画像濃度ムラの少ない現像装置を提供することができる。
ここで、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材を経て現像剤担持体に供給されるとは、例えば、図10に例示されるように、少なくとも現像剤担持体から離れた現像剤撹拌搬送部材36bから現像剤担持体32へ、直接二成分現像剤Gが供給されることがなく、現像剤担持体32に近接している現像剤撹拌搬送部材36a周りの二成分現像剤Gの流れの影響を受け、この流れに沿って二成分現像剤Gが現像剤担持体へと供給される意である。
なお、現像剤分離手段は、現像剤担持体により搬送される二成分現像剤を、トナー濃度(磁性キャリアに対するトナー比率)に応じて分離するものであればよい。このとき、現像剤分離手段は、トナー濃度に応じて二成分現像剤の経路を異ならせる態様であるが、通常は、せき止められた余剰現像剤のうち、低トナー濃度の二成分現像剤を現像剤退避部へ、高トナー濃度の二成分現像剤を現像剤収容部へ分離する態様が採用されている。
また、前記複数の現像剤撹拌搬送部材間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の回転軸方向の二成分現像剤の流れと、隣接する現像剤撹拌搬送部材間の二成分現像剤の流れとが形成されていてもよい。
この場合は、複数の現像剤撹拌搬送部材間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の回転軸方向の二成分現像剤の流れと、隣接する現像剤撹拌搬送部材間の二成分現像剤の流れとが形成されているので、現像剤撹拌搬送部材間に生じる現像剤量の過不足を速やかに解消することができ、これにより、トナー消費量の多い画像密度の高い画像形成を連続して行った場合でも、より安定してトナー濃度を維持することができる現像装置を提供することができる。
さらに、前記複数の現像剤撹拌搬送部材は略同一の外径を有し、隣接する現像剤撹拌搬送部材間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の周囲を流動する現像剤が互いに入れ替わり可能なような連通路を画成する突起部が形成されていてもよい。
この場合は、略同一の外径を有する複数の現像剤撹拌搬送部材間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の周囲を流動する現像剤が互いに入れ替わり可能なような連通路を画成する突起部が形成されているので、現像剤の現像剤撹拌搬送部材間の流れと軸方向の流れとをバランスよく実現でき、これにより、十分に撹拌帯電した現像剤を軸方向に亘ってトナー濃度が均一となるように搬送することが可能となる。
さらにまた、前記突起部の先端は、隣接する現像剤撹拌搬送部材の回転中心を結ぶ直線と略直交する方向に沿って、該現像剤撹拌搬送部材の外径の1/3〜2/3の高さの領域に延在していてもよい。
この場合は、突起部の先端が、隣接する現像剤撹拌搬送部材の回転中心を結ぶ直線と略直交する方向に沿って、現像剤撹拌搬送部材の外径の1/3〜2/3の高さの領域に延在しているので、現像剤の現像剤撹拌搬送部材間の流れと軸方向の流れとをバランスよく実現するのにより好適な現像装置の構成を提供することができる。
以上において、前記複数の現像剤撹拌搬送部材は、現像剤担持体側に配置された第一の現像剤撹拌搬送部材と、トナー収容部側に配置された第二の現像剤撹拌搬送部材とを備え、前記現像剤仕切部材の下端部は、第二の現像剤撹拌搬送部材の外周面に対向して、この外周面に倣うように形成されていると共に、該下端部の第一の現像剤撹拌搬送部材側には、第二の現像剤撹拌搬送部材から現像剤担持体への二成分現像剤の流れを遮蔽する規制部が形成されていてもよい。
この場合は、現像剤担持体側に配置された第一の現像剤撹拌搬送部材と、トナー収容部側に配置された第二の現像剤撹拌搬送部材とを備え、現像剤仕切部材の下端部は、第二の現像剤撹拌搬送部材の外周面に対向して、この外周面に倣うように形成されていると共に、下端部の第一の現像剤撹拌搬送部材側には、第二の現像剤撹拌搬送部材から現像剤担持体への二成分現像剤の流れを遮蔽する規制部が形成されているので、第二の現像剤撹拌搬送部材から現像剤担持体にトナー撹拌が不十分な現像剤が直接供給されることを防止し、十分な撹拌により軸方向のトナー濃度をより均一化することができる。
また、前記第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材は略水平に配置され、該第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材のそれぞれは、回転軸方向に延在するシャフト部と、このシャフト部の周面に形成された羽部とを有し、前記規制部の先端は、第二の現像剤撹拌搬送部材のシャフト部の外周と、現像剤担持体の外周とに内接する現像剤仕切部材側の直線により画成される2つの領域のうち、現像剤担持体側の領域に突出して延在していてもよい。
この場合は、第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材が略水平に配置され、第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材のそれぞれは、回転軸方向に延在するシャフト部と、このシャフト部の周面に形成された羽部とを有し、規制部の先端が、第二の現像剤撹拌搬送部材のシャフト部の外周と、現像剤担持体の外周とに内接する現像剤仕切部材側の直線により画成される2つの領域のうち、現像剤担持体側の領域に突出して延在しているので、互いに水平に配置された第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材を有する現像剤収容部において、第二の現像剤撹拌搬送部材から現像剤担持体への直接的な現像剤の流れをより確実に遮蔽する現像装置の構成を提供することができる。
また、前記複数の撹拌搬送部材のそれぞれは、らせん状のオーガとして形成されていてもよい。
この場合は、撹拌搬送部材の羽部が、らせん状のオーガとして形成されているので、現像剤の周方向の撹拌と軸方向の搬送とをより効率的に行うことができる。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記現像装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、自律的にトナーを取り込み、現像剤のトナー濃度を一定に保ついわゆる自律制御方式の現像装置において、軸方向の幅広い範囲でトナー補給が行われても、軸方向のトナー濃度の均一化や、トナー帯電の安定化を実現することができ、これにより、例えば、高密度画像や軸方向に片寄りのある画像を連続形成した場合でも、画像かぶりやゴーストが発生し難い、画像濃度ムラの少ない現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る現像装置を含む画像形成装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示されるように、本発明に係る画像形成装置10は、一様帯電後に像光を照射することにより表面に静電電位の差による潜像が形成される感光体ドラム21を備えており、この周囲に、感光体ドラム21の表面を一様に帯電させる帯電装置22と、感光体ドラム21に像光を照射して表面に潜像を形成する露光装置23と、感光体ドラム21上の潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置24と、感光体ドラム21と対向し、被記録媒体28を挟んで感光体ドラム21との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール26と、トナー像の転写後に感光体ドラム21に残留するトナーを除去するクリーニング装置29とが設けられている。そして、感光体ドラム21と転写ロール26との対向部(ニップ部)の上流側から被記録媒体28を供給するようになっており、下流側には被記録媒体28上に転写された未定着トナー像を加熱溶融し被記録媒体28に圧着する定着装置50が設けられている。ここで、感光体ドラム21は、矢印方向に回転する金属製ドラムの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。また、帯電装置22は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム21に当接され、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、該ロールと感光体ドラム21との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電を生じ、感光体ドラム21の表面をほぼ一様に帯電するものである。露光装置23は、レーザ書込み装置やLEDアレイを有し、画像信号に基づいて点滅するレーザ光を発生し、これをポリゴンミラーによって感光体ドラム21の主走査方向にスキャンするものであり、これにより感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成する。この静電潜像は、光の当たった部分の感光体ドラム21の表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。また、現像装置24は、ハウジング31内に着色粒子であるトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を収容し、現像剤担持体32に二成分現像剤を担持させ、この現像剤担持体32にバイアス電源25からの現像バイアスを印加することで、現像剤担持体32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。さらに、転写装置26は、例えば感光体ドラム21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって感光体ドラム21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスが印加されることで、感光体ドラム21上のトナー像を被記録媒体28に転与させるようにしたものである。また、感光体ドラム21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
また、定着装置50は、例えばヒートロール方式であり、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加庄ロール52との間に被記録媒体28を通過させることによりトナー像を被記録媒体28に定着するようになっている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の詳細について、図2〜図5を参照して説明する。図2は本実施の形態に係る現像装置24を示す構成図であり、図3は現像剤撹拌搬送部材を示す模式図である。また、図4は現像剤撹拌搬送部材間の隔壁と、撹拌搬送部材との配置関係を示す模式図であり、図5は規制部と現像剤撹拌搬送部材及び現像剤担持体との配置関係を示す模式図である。
図2に示されるように、現像装置24は、感光体ドラム21に向かって開口するハウジング31を有し、このハウジング31の開口に面して現像剤担持体32が配設され、ハウジング31のうち、現像剤担持体32に隣接した部位には二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部33と、現像剤担持体32に隣接し、現像剤収容部33に対して現像剤担持体32の現像剤搬送方向下流側に設けられる現像剤退避部34と、現像剤収容部33を介して現像剤担持体32に連通し、トナーT及び現像剤退避部34から流出した二成分現像剤Gを収容するトナー収容部35とが形成されている。また、トナー収容部35には、トナーT及び現像剤退避部34から流出する二成分現像剤Gをトナー収容部35の底壁面に沿って掃き出すように撹拌搬送するトナー撹拌搬送部材351が設けられている。
なお、本実施の形態において、二成分現像剤Gは、トナーTと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーTは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また、現像剤担持体32は、反時計回りに回転する回転スリーブ321と、この回転スリーブ321の内部に固定的に配設された磁極ロール322とを備えている。そして、この磁極ロール322は、例えば7極の磁極(S1〜S3、N1〜N4)にて構成されている。
さらに、搬送磁極(N2)と現像磁極(S1)との間に、現像剤担持体32と対向するようにせき止め部41が配設されている。このせき止め部41は、現像剤担持体32と同程度の幅を有し、一端をハウジング31により支持され、先端部を数十μm〜数百μm程度の間隙で現像剤担持体32に近接させている。そして、例えば、せき止め部41と現像剤担持体32の磁極とにより、トナー濃度に応じて二成分現像剤Gを現像剤収容部33又は現像剤退避部に分離する現像剤分離手段が構成されている。なお、本実施の形態では、せき止め部41に多くの二成分現像剤Gを供給するために、後述する現像剤仕切部材39と現像剤担持体32との間隙は、せき止め部41と現像剤担持体32との間隙よりも広く設定されている。
また、現像剤収容部33とトナー収容部35との間の連結部には、両者を連通させると共に、トナー収容部35から現像剤収容部33へのトナー補給を可能とするトナー補給路37が設けられている。
また、現像剤収容部33は二成分現像剤Gが収容されるスペースを有し、現像剤収容部33内のうち現像剤担持体32に近接した位置に第一の現像剤撹拌搬送部材36aが配設され、この第一の現像剤撹拌搬送部材36aと略水平な位置に第二の現像剤撹拌搬送部材36bが配設されている。そして、これらの第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材36a,36bは、略同一の外径を有し、互いに逆方向に回転(例えば36aが反時計回り、36bが時計回り)するように構成されており、これにより、現像装置24の軸方向端部から端部へと現像剤が往復循環するような流れと、第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材36a,36bのそれぞれの現像剤が互いに入れ替わるような流れとが形成されている。
ここで、各現像剤撹拌搬送部材36a,36bは、具体的には、例えば図3に示されるようなシャフト部36sと、このシャフト部36sの表面にらせん状に形成された羽部36tとを有する、いわゆるスパイラル状のオーガで構成されている。このようなスパイラル状のオーガを現像剤撹拌搬送部材として用いることにより、現像剤の周方向の撹拌と軸方向の搬送とをより効率的に行うことができる。
さらに、現像剤収容部33の底部形状は、現像剤担持体32、現像剤撹拌搬送部材36a,36bに沿った湾曲形状に形成されている。そして、現像剤担持体32、現像剤撹拌搬送部材36aとの間に所定間隔の現像剤搬送路が確保されていると共に、現像剤撹拌搬送部材36aと現像剤撹拌搬送部材36bとの間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材により撹拌される二成分現像剤Gが互いに入れ替わり可能なような連通路を形成しつつ、軸方向への搬送を可能とする軸方向に延在している突起部である隔壁33wが形成されている。
具体的には、この隔壁33wは、現像剤撹拌搬送部材36a,36bの中間において、現像剤撹拌搬送部材36a,36bの回転中心を結ぶ直線と略直交する方向に山形に形成され、その先端33tは、現像剤撹拌搬送部材36a,36bの回転中心と略同一の高さを有し、両者を完全には隔てないように形成されている。
このように、複数の現像剤撹拌搬送部材36a,36b間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の回転軸方向の二成分現像剤の流れと、隣接する現像剤撹拌搬送部材間の二成分現像剤の流れとが形成されているので、現像剤撹拌搬送部材36a,36b間に生じる現像剤量の過不足を速やかに解消することができ、これにより、トナー消費量の多い画像密度の高い画像形成を連続して行った場合でも、トナー濃度の均一性を安定して維持することができる。
なお、この隔壁33wの先端33tは、図4に示されるように、現像剤撹拌搬送部材36a,36bの羽部36tの外径dの略1/3〜2/3の高さの領域にあることが好ましい。これは、先端33tの高さが現像剤撹拌搬送部材36a,36bの外径dの1/3よりも小さいと、現像剤撹拌搬送部材36a,36b間に渡る現像剤の流れが大きくなり、軸方向に搬送しようとする現像剤の流れを妨げ、先端33tの高さが現像剤撹拌搬送部材36a,36bの外径dの2/3よりも大きいと、逆に、撹拌搬送部材36a,36b間の流れを妨げるからである。
このように、現像剤撹拌搬送部材36a,36b間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の周囲を流動する現像剤が互いに入れ替わり可能なような連通路を画成する突起部33wが所定の領域に形成されているので、現像剤の現像剤撹拌搬送部材36a,36b間の流れと軸方向の流れとがバランスよく実現でき、十分に撹拌帯電した現像剤を軸方向に亘ってトナー濃度が均一となるように搬送することが可能となる。
ここで、本実施形態においては、現像剤撹拌搬送部材として、2個の撹拌搬送部材36a,36bを用いているが、配設数については2個に限定されるものではなく、外径についても必ずしも同一である必要はない。すなわち、それぞれの撹拌搬送部材周りの現像剤が、軸方向に搬送されると共に、隣接する撹拌搬送部材との間で流動するように構成されていればよい。
また、現像剤収容部33と、現像剤退避部34との間には、両者を仕切っている現像剤仕切部材39が配設されている。この現像剤仕切部材39は、例えば図5に示されるように、現像剤担持体32と同程度の幅で形成され傾斜配置されたベースプレート39aを有している。このベースプレート39aの傾斜部長さは傾斜部上を流れる現像剤が現像剤収容部33に流れ込むような長さに設定されている。そして、ベースプレート39aのうち、現像剤担持体32側に位置する上端部39bは、現像剤担持体32内の搬送磁極(N1)の直上、あるいは搬送磁極(N1)から現像剤搬送方向上流側(時計回り方向側)において、現像剤担持体32の表面と数百μm〜数mmの位置で対向配置されている。
一方、上端部39bの反対側である下端部39cは、トナー収容部35側の側面において、トナー収容部35と現像剤収容部33とを連通させているトナー補給路37の壁面が形成されていると共に、下面において、第二の現像剤撹拌搬送部材36bの外周面に倣って、この外周面と対向している対向面が、撹拌搬送部材36bの外周面と約1.5mm〜2mmの距離を隔てて形成されている。また、下端部39cの現像剤担持体32側の側面には、第二の現像剤撹拌搬送部材36bから現像剤担持体32への二成分現像剤Gの流れを遮蔽する規制部39dが突出形成されている。
この規制部39dは、具体的には、図5に示されるように、その先端が、第二の現像剤撹拌搬送部材36bのシャフト部36sの外周と、現像剤担持体32の外周とに内接する直線Lにより画成される2つの領域A,Bのうち、現像剤担持体32側の領域Aに突出して延在するように形成されている。
このように規制部39dを形成することにより、第二の現像剤撹拌搬送部材36bから現像剤担持体32にトナー撹拌が不十分な現像剤が直接供給されることを確実に遮蔽することができ、撹拌搬送部材36aを経た十分な撹拌により軸方向のトナー濃度をより均一化することができる。なお、この規制部39dの領域Aへの突出距離は、約2mm〜3mm程度あれば、十分な遮蔽効果を有することが確認されている。
なお、この規制部39dは、部品点数の削減等のため現像剤仕切部材39と一体共用に形成されているが、必要に応じて、当然に別部材として形成してもよい。
次に、本実施の形態に係る現像装置24の作動の概要について、再び図2を参照して以下に説明する。
図2において、現像剤収容部33における二成分現像剤Gは、現像剤撹拌搬送部材36により撹拌され、現像剤担持体32内の汲み取り磁極(N3)によって捕獲される。この後、捕獲された二成分現像剤Gは、汲み取り磁極(N3)及び搬送磁極(S3)の磁気吸引力と現像剤担持体32表面との摩擦力により、現像剤担持体32(回転スリーブ321)の回転方向に搬送される。この搬送された二成分現像剤Gは、現像剤分離手段の一部を構成するせき止め部41の近傍に到達すると、トリミング磁極として作用する搬送磁極(N1)により穂立ちを形成する。さらに、この二成分現像剤Gの穂立ちは、せき止め部41にて規制されることにより、現像剤層として現像剤担持体32上に形成され、この現像剤層は、現像領域に搬送される。そしてさらに、現像領域に搬送された二成分現像剤Gの現像剤層は、現像磁極(S1)の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤GにおけるトナーTは、感光体ドラム21と現像剤担持体32との間に形成される現像電界によって、感光体ドラム21上の静電潜像を可視像化する。
そして、上述のように構成された現像装置24において、例えば、トナー濃度が低い二成分現像剤Gの場合は、相対的に単位体積当たりの磁性キャリア密度が大きいので、見掛けの透磁率が上昇し、現像剤担持体32に対して現像剤単位体積あたりの磁気吸引力が大きくなる。このため現像剤担持体32との摩擦力が大きくなり、搬送力が大きくなるため、現像剤担持体32により、せき止め部41まで確実に搬送され、せき止め部41のせき止め力に打ち勝って、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を押し出す。この押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって現像剤仕切部材39上に落下し、現像剤退避部34を経て、その後、現像剤収容部33又はトナー収容部35へ流れ込む。
このように、トナー濃度の低い二成分現像剤Gが現像剤退避部34に導かれた場合、現像剤収容部33内にはその分だけスペースが作られ、その結果、トナー収容部35から現像剤収容部33に至るまでのトナー補給路37にあった二成分現像剤Gは、現像剤撹拌搬送部材36の搬送力と二成分現像剤Gの自重により、上記スペースに速やかに引き込まれ、トナー補給路37付近の二成分現像剤Gが流動する。これにより、トナー補給路37は、トナー収容部35からのトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gを受け入れ、このトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gは、トナー補給路37を経て現像剤収容部33へと速やかに供給される。ここで、非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gとは、現像剤退避部34からトナー収容部35に流出した二成分現像剤が該トナー収容部35内のトナーと撹拌混合され、磁性キャリアに対するトナー比率が非常に高い二成分現像剤のことである。
一方、トナー濃度が高い二成分現像剤Gの場合は、相対的に単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さいので、見掛けの透磁率が低下し、現像剤担持体32に対して現像剤単位体積あたりの磁気吸引力が小さくなる。このため現像剤担持体32による搬送力が小さくなるため、現像剤担持体32上の二成分現像剤Gの多くは、現像剤担持体32の回転方向に対して現像剤仕切部材39の先端よりも上流側の位置で落下してしまう。この結果、この二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を押し出すことなく、現像剤仕切部材39の上端部39bより上流側の位置で落下し、直接現像剤収容部33へ戻る。このとき、トナー濃度が低い場合と異なり、現像剤収容部33内にスペースが作られず、トナー補給路37付近の二成分現像剤Gは流動しないので、二成分現像剤Gによりトナー補給路37がふさがれている状態となり、トナー収容部35からトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gは供給されない。
以上のように、本実施の形態に係るトナー補給メカニズムは、トナー濃度に応じた二成分現像剤Gの流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われない構成になっている。
このように構成した現像装置24においては、現像剤収容部33内に、トナー収容部35内のトナーT及び非常に高い濃度の二成分現像剤Gをすばやく取り込むことができるので、高密度画像の連続出力に対応することができると共に、現像剤に対するストレスが軽減され、現像剤の長寿命化、低ランニングコスト化を実現することができる。
また、前述したように、現像剤仕切部材39により現像剤退避部34側に導入された二成分現像剤Gが現像剤収容部33に供給される際には、現像剤担持体32から離れた現像剤撹拌搬送部材36bへ供給されると共に、二成分現像剤が現像剤担持体32に供給される際には、現像剤担持体32に近接している第一の現像剤撹拌搬送部材36aを経て供給されるように構成されているので、不十分な撹拌搬送により、摩擦帯電の不十分な又は逆極性に帯電されたトナーが現像剤担持体32に供給されることがなく、軸方向の幅広い範囲でトナー補給が行われても、軸方向のトナー濃度の均一化及びトナー帯電の安定化を実現することができ、これにより、高密度画像や軸方向に片寄りのある画像を連続形成した場合でも、いわゆる画像かぶりやゴーストが発生し難い、画像濃度ムラの少ない現像装置を実現することができる。
次に、本実施の形態に係る現像装置24における現像剤撹拌搬送部材36a、36b近傍の二成分現像剤Gの流れについて、従来例に基づいた比較構成例と対比検討して、図面を参照しながらさらに説明する。なお、簡単のため、本実施の形態と同様な機能を有する部材には、同様な符号を付し、その説明は省略する。
<比較構成例1>
<比較構成例1>
まず、本実施の形態のように、回転軸方向(長手方向)の幅広い領域に亘ってトナー補給を行うトナー補給方式において、単に2本のオーガにより現像剤の撹拌を行う場合の比較構成例1を図6に示す。
この比較構成例1においては、従来の自律制御方式の現像装置に見られるように、現像装置100内の現像剤収容部33とトナー収容部35とが分離されており、さらに、現像剤収容部33内の現像剤撹拌搬送部材36a,36bの間が、隔壁100wにより遮蔽された構成となっている。
このように構成された比較構成例1における現像装置100では、比重の軽いトナーは現像剤の液面上に浮いた状態で不十分に分散したまま搬送され、現像剤撹拌搬送部材36a,36bの軸方向端部の搬送折り返し部を経て軸方向に循環し、撹拌帯電が不十分な現像剤が磁極ロール32に供給され易い。このため、ハーフトーン画像等を形成した際に、モヤモヤしたムラのある画像が生じ易い。特に、現像剤撹拌搬送部材36bの搬送方向下流側を含んだ軸方向の幅広い範囲でトナー供給すると、画像ムラが顕著に発生する。
これに対して、本実施の形態における現像装置24では、前述したように現像剤退避部34へ分離された二成分現像剤が傾斜板39に沿って流れ、トナー収容部35からのトナーを取り込みながらトナー補給路37から現像剤収容部33に戻る構成(図2参照)であるため、比重の軽いトナーであっても、現像剤収容部33に取り込まれるときには既に現像剤中にあらかじめ分散されている。これにより、短い撹拌搬送時間で帯電、分散を行なわせることができると共に、撹拌搬送部材36bの搬送方向下流側を含む軸方向の幅広い範囲でトナーが供給されても、トナーの帯電、分散不良に基づく画像ムラが発生しづらい。
<比較構成例2>
<比較構成例2>
次に、上述のトナーの帯電、分散不良を防止するために、現像剤収容部33とトナー収容部35とを現像剤退避部34及びトナー補給路37を介して連通させた比較構成例2を図7に示す。
この比較構成例2においては、現像装置110内に傾斜板119を配設し、この傾斜板119により現像剤退避部34へ分離された二成分現像剤が、トナー収容部35内のトナーを取り込みながらトナー補給路37から現像剤収容部33に戻るように構成されており、さらに、現像剤収容部33内の現像剤撹拌搬送部材36a,36bの間が、隔壁110wにより遮蔽された構成となっている。
このように構成された現像装置110において、画像形成に伴い現像剤のトナー濃度が低下した場合には、現像剤退避部34へ分離された二成分現像剤が傾斜板119に沿って流れ、トナー補給路37を通ってトナーを取り込みながら現像剤収容部33に戻る。現像剤退避部34に退避される現像剤は撹拌搬送部材36aから汲み上げられた現像剤であり、退避された量だけ撹拌搬送部材36a近傍の現像剤量は低下する。一方、傾斜板119上を流れる現像剤は撹拌搬送部材36bに流入するため、撹拌搬送部材36b近傍の現像剤量は増加する。ここで、現像剤撹拌搬送部材36a,36bは互いに隔壁110wにより遮蔽されているので、撹拌搬送部材36aの現像剤量が低下した場合には、撹拌搬送部材36bからの供給が不足し、撹拌搬送部材36aにより撹拌搬送される現像剤量と撹拌搬送部材36bにより撹拌搬送される現像剤量との間で過不足が生じる。この結果、現像剤担持体32上への汲み上げ量が不足し、層形成不良が起きてしまう。
これに対して、本実施の形態における現像装置24においては、上述のような撹拌搬送部材36aにより撹拌搬送される現像剤量と撹拌搬送部材36bにより撹拌搬送される現像剤量との間で過不足が発生した場合でも、2つの撹拌搬送部材36a,36b間に位置する隔壁33wは、その先端が撹拌搬送部材36の外径の1/3〜2/3の領域に延在し、両者を完全には隔てないように形成されているので、例えば、撹拌搬送部材36aの現像剤量が低下した場合でも、撹拌搬送部材36bで過剰となった現像剤を撹拌搬送部材36aへ引き渡すことが可能となり、汲み取り不良による層形成不良を防ぐことが出来る。なお、山形の隔壁部分33wが無い場合は、オーガの軸方向搬送力が低下し、軸方向のトナー濃度差が解消し難くなる。
<比較構成例3>
<比較構成例3>
次に、比較構成例2における隔壁110の高さを低減して、撹拌搬送部材36a,36b周りの現像剤が、それぞれ軸方向に搬送されると共に、撹拌搬送部材36a,36b間で流動するように構成された比較構成例3について、図8及び図9を参照して説明する。ここで、図8は従来の二成分現像装置を示す模式図であり、図9は比較構成例3における現像剤の流れを示す模式図である。
まず、2本の現像剤撹拌搬送部材A1,A2を用いた従来の2成分現像装置においては、図8に示されるように、トナー供給装置Sを備え、撹拌搬送部材A1,A2間は仕切りNで仕切られており、A1,A2間での現像剤の移動は撹拌搬送部材の軸方向端部の折り返し部で行われる。そして、撹拌搬送部材A2は磁気的な影響の受け難い位置に配置されており、また撹拌搬送部材A2部の現像剤水位は撹拌搬送部材A2が埋まらない程度の嵩で用いられるため、撹拌搬送部材A2の回りの現像剤が直接現像担持体32上に運ばれることは無い。これに対して、図9に示されるような自律トナー濃度制御現像装置においては、通常、撹拌搬送部材36bは現像剤で浸った状態で用いられる。また現像装置のサイズも小型であり撹拌搬送部材36bは、磁気吸引力の影響を受け易い。
図9に示される比較構成例3における現像装置120では、特に、画像密度の高い画像形成を行った場合に、撹拌搬送部材36bの過剰現像剤分が撹拌搬送部材36a側へ移動する移動量が増えるが、撹拌搬送部材36bの過剰現像剤が、撹拌搬送部材36a,36bの撹拌を経由せずに、図中矢印Fで示す循環流に沿って、撹拌帯電が不十分な現像剤が現像剤担持体32上に運ばれるため、画像ムラが発生し易い。
これに対して、本実施の形態における現像装置24においては、図10に示されるように、現像剤仕切部材39によりトナー収容部側に導入された二成分現像剤は、現像剤撹拌搬送部材36b側へ供給されると共に、現像剤撹拌搬送部材36aを経て(36aによる流れに沿って)現像剤担持体32に供給される。具体的には、規制部39dにより、撹拌搬送部材36bから現像剤担持体32へ向かう循環流(図9のF参照)が遮断され、撹拌搬送部材36bに補給されたトナーは撹拌搬送部材36bにより撹拌され、次いで、36aにより撹拌される。このためトナー帯電が促進され、画像密度の高い画像を連続的に形成しても、画像かぶりや画像ムラの少ない面内均一性の良好な画像が得られる。なお、画像かぶりの検証結果(図16)については、後述する実施例において示す。
さらに、現像剤担持体32は、図10に示されるように、現像剤剥離極N4と現像剤汲み取り極N3を有しており、現像ニップ通過後の現像剤は、一旦現像剤担持体32から剥離され、現像剤撹拌搬送部材36aにより現像剤収容部33の二成分現像剤Gと混合される。また、前述した撹拌搬送部材の軸方向に形成された往復循環路により、軸方向のトナー濃度の均一化が図られるので、プロセス方向に数mm幅の罫線画像を連続して形成した場合や、回転軸方向に片寄った画像を連続して形成した場合でも、その後のハーフトーン画像にゴーストが発生しにくい。なお、トナー濃度、ゴースト発生枚数についての検証結果(図17〜19参照)についても、以下の実施例において説明する。
次に、本発明の一実施形態に係る現像装置24と従来の現像装置とを用いて、現像装置の各種特性について比較検証した結果を実施例として以下に示す。
まず、本実施例において用いた現像装置の具体的仕様について、図2を参照して説明する。
図2において、現像剤担持体32の磁極ロール322はφ16mmとし、7極の磁極を配置し、回転数は406rpmに設定して、図11に示されるような着磁パターンを有するものを用いた。
また、現像剤撹拌搬送部材36a,36bとしてのオーガ(図3参照)は、φ9mm、ピッチ14mmのものを用い、回転数は460rpmとした。
トナーは磁性粉20%含有の体積平均粒径9μmのポリエステル系トナーを用いた。キャリアは体積平均粒径50μmのフェライト系キャリアを用いた。現像剤量は120gとした。
次に、本実施例において比較検証のために用いた、従来の現像装置の構成を図12に示す。
図12において、現像剤担持体の磁極ロールMはφ16mmとし、6極の磁極を配置し、回転数は406rpmに設定して、図13に示されるような着磁パターンを有するものを用いた。
また、現像剤撹拌搬送部材としては、図14に示されるようなφ10mmのブレンダーを用い、回転数は406rpmとした。
<検証評価1>
<検証評価1>
以上の条件で、まず、本発明に係る現像装置に関するトナー取り込み基本特性について、検証評価を行った。
具体的には、トナー濃度6%の状態から現像装置24を単独で空回しさせたときの磁極ロール32上のトナー濃度を経時的にモニターした。検証結果を図15に示す。
図15に示されるように、駆動直後において、中央部、端部のいずれの箇所においてもトナー濃度が約10%に到達して飽和し、軸方向におけるトナー濃度差が生じていないことが理解される。
<検証評価2>
<検証評価2>
次に、半べた画像を5枚作成した後の画像形成における画像かぶりについて比較評価した。測定結果を図16に示す。
図16に示されるように、従来例においては、べた部のかぶりグレードの数値が倍増(数値が大きいほどグレードが悪化)しているのに対し、実施例においては、白紙部、べた部のグレードの差がなく所定の許容範囲内の数値(約1.5以下)に収まっているのが理解される。
<検証評価3>
<検証評価3>
次に、半べた画像を5枚作成した後、磁極ロール上の現像剤トナー濃度差を測定して比較評価した。測定結果を図17に示す。
図17に示されるように、従来例においては、白紙部と半べた部とでトナー濃度にバラツキが生じ、特に、トナー消費量の多い半べた部のトナー濃度が低下しているのに対し、実施例においては、両者のトナー濃度に差が生じず、所定の値(約10%)を維持しているのがわかる。
<検証評価4>
<検証評価4>
次に、太罫線画像を5枚作成した後、Cin20%(画像電子データ上における全ドット数に対する黒ドット数の割合が20%)のハーフトーン画像を作成し、プリント濃度差を測定して比較評価した。なお、測定には反射濃度計X一rite404を用いた。測定結果を図18に示す。
図18に示されるように、従来例においては、白紙部と罫線部とで約20%の濃度低下が見られるのに対し、実施例においては、ほとんど濃度の低下は見られないことがわかる。
<検証評価5>
<検証評価5>
次に、太罫線画像を5枚作成した後、Cin20%のハーフトーン画像を作成し、ゴースト発生枚数を比較評価した。なお、本検証評価では、図12に示した従来装置の構成において磁極ロールを7極とした装置構成についても、併せて検証した。測定結果を図19に示す。
図19に示されるように、従来例においては、罫線幅が太くなるほどゴースト発生枚数が増加し、磁極ロールの磁極数を増加させることにより、ゴースト発生枚数は低減されるものの依然としてゴーストが発生している。これに対して、実施例においては、罫線幅の太さに関わらず、ゴーストが発生していないことがわかる。
このように本発明に係る現像装置によれば、従来の現像装置に比し、撹拌搬送部材の搬送方向下流側を含む軸方向の幅広い範囲でトナーが供給されても、トナーの十分な撹拌帯電が可能となり、軸方向に均一で安定したトナー濃度を実現することができ、これにより画像かぶり、画像ムラ及びゴースト発生の少ない、良質な画像を得られることが検証できた。
10:画像形成装置、21:感光体ドラム、22:帯電装置、23:露光装置、24:現像装置、25:バイアス電源、26:転写装置、27:バイアス電源、28:被記録媒体、29:クリーニング装置、31:ハウジング、32:現像剤担持体、32:磁極ロール、33:現像剤収容部、33w:隔壁、33t:先端、34:現像剤退避部、35:トナー収容部、36a,36b:現像剤撹拌搬送部材、36s:シャフト部、36t:羽部、37:トナー補給路、39:現像剤仕切部材、39a:ベースプレート、39b:上端部、39c:下端部、39d:規制部、50:定着装置、51:加熱ロール、52:加圧ロール、321:回転スリーブ、322:磁極ロール、G:二成分現像剤、L:直線(内接線)、T:トナー
Claims (8)
- 二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部にトナー補給路を介して連通し、このトナー補給路を通じてトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤収容部に隣接し現像剤収容部と連通して設けられる現像剤退避部と、現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、現像剤分離手段により分離された前記余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る現像剤仕切部材と、現像剤収容部内に設けられ、現像剤を撹拌搬送する回転自在に形成された複数の現像剤撹拌搬送部材とを有し、現像剤収容部のトナー濃度に応じて、現像剤仕切部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤がトナー収容部から補給されたトナーを取り込みながら現像剤収容部に流入する現像装置において、
前記現像剤仕切部材により現像剤退避部に導入された二成分現像剤が前記現像剤収容部に供給される際には、前記複数の現像剤撹拌搬送部材のうち、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材とは異なる現像剤撹拌搬送部材へ供給されると共に、二成分現像剤が前記現像剤担持体に供給される際には、前記複数の現像剤撹拌搬送部材のうち、現像剤担持体に最近接している現像剤撹拌搬送部材を経て供給されるように構成されていることを特徴とする現像装置。 - 前記複数の現像剤撹拌搬送部材間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の回転軸方向の二成分現像剤の流れと、隣接する現像剤撹拌搬送部材間の二成分現像剤の流れとが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記複数の現像剤撹拌搬送部材は略同一の外径を有し、隣接する現像剤撹拌搬送部材間には、それぞれの現像剤撹拌搬送部材の周囲を流動する現像剤が互いに入れ替わり可能なような連通路を画成する突起部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
- 前記突起部の先端は、隣接する現像剤撹拌搬送部材の回転中心を結ぶ直線と略直交する方向に沿って、該現像剤撹拌搬送部材の外径の1/3〜2/3の高さの領域に延在していることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
- 前記複数の現像剤撹拌搬送部材は、現像剤担持体側に配置された第一の現像剤撹拌搬送部材と、トナー収容部側に配置された第二の現像剤撹拌搬送部材とを備え、前記現像剤仕切部材の下端部は、第二の現像剤撹拌搬送部材の外周面に対向して、この外周面に倣うように形成されていると共に、該下端部の第一の現像剤撹拌搬送部材側には、第二の現像剤撹拌搬送部材から現像剤担持体への二成分現像剤の流れを遮蔽する規制部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像装置。
- 前記第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材は略水平に配置され、該第一及び第二の現像剤撹拌搬送部材のそれぞれは、回転軸方向に延在するシャフト部と、このシャフト部の周面に形成された羽部とを有し、前記規制部の先端は、第二の現像剤撹拌搬送部材のシャフト部の外周と、現像剤担持体の外周とに内接する現像剤仕切部材側の直線により画成される2つの領域のうち、現像剤担持体側の領域に突出して延在していることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
- 前記複数の撹拌搬送部材のそれぞれは、らせん状のオーガとして形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の現像装置。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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