JP2006072119A - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所定の流路の開閉を行なう流路開閉手段を設けることにより、着脱や輸送の際にもトナー濃度を安定して維持することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像剤担持体32と、現像剤収容部33と、トナー収容部35と、トナー補給路37Tと、トナー濃度に応じて現像剤収容部33と連通する迂回路47が形成される現像剤退避部34と、現像剤分離手段と、仕切り部材39と、トナー濃度に応じて迂回路47及びトナー補給路37Tの開閉を行なう流路開閉手段とを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 現像剤担持体32と、現像剤収容部33と、トナー収容部35と、トナー補給路37Tと、トナー濃度に応じて現像剤収容部33と連通する迂回路47が形成される現像剤退避部34と、現像剤分離手段と、仕切り部材39と、トナー濃度に応じて迂回路47及びトナー補給路37Tの開閉を行なう流路開閉手段とを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置に係り、特に、磁性キャリアとトナーとを具備した二成分現像剤を用い、かつ、トナー濃度検知手段を用いずにトナー濃度を自律的に制御する現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。この種の現像装置に用いられる現像方式としては、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体粒子であるキャリアと着色粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
従来、二成分現像方式の現像装置としては、画質、コスト面や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは、像担体上の静電潜像に接近すると、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
しかし、このような磁気ブラシ現像方法においては、トナー濃度(トナーと磁性キャリアの混合比)を一定範囲に保つ制御を行わないと、トナー濃度が上昇した場合には、トナー飛散やカブリが発生し、一方、トナー濃度が低下した場合には、濃度低下や濃度斑、画像抜けなどが発生してしまう。したがって、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要がある。
そこで、従来の磁気ブラシ現像方法では、安定した画像を得るためにトナー濃度センサを用いてトナー濃度を検知したり、現像パッチを作成してトナー現像量を検知し、その信号によってトナー補給部材を作動させることによりトナー濃度を一定に保つ制御が行われている。例えば、トナー濃度センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基づいてトナー濃度が低下したと判断された場合、トナー補給部材によりトナー補給が行われる。
しかし、この種の磁気ブラシ現像方法にあっては、トナー濃度センサや独立してON/OFF駆動できるトナー補給部材が必要不可欠であり、現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。また、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
このような不具合を解決する先行技術として、トナー濃度センサやトナー補給部材を用いずに、トナー濃度を一定に保つ現像装置や制御方法が既に提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。こうした現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御することで、トナー濃度を調整するものである。
また、自律的制御の方法は、現像剤担持体に担持搬送される現像剤移動層と、現像剤収容部内で現像剤が循環する現像剤循環層とを発生させ、現像剤収容部と連通しているトナー収容部からのトナーを取り込むというものである。すなわち、現像工程において、トナーが消費されると、現像剤収容部内に収容された現像剤の嵩が減少し、減少した嵩分のトナーがトナー収容部から現像剤収容部に補給されることで、現像剤収容部内の現像剤は、トナー濃度を保つというものである。
上記現像装置の例として、特許文献1では、現像スリーブ上に磁性粒子層を形成し、容器内のトナー供給部においてこの磁性粒子層に接触するようにトナーを収容し、現像スリーブの回転に伴う磁性粒子層の磁性粒子の移動によって、上記トナー供給部で磁性粒子層内にその外側のトナー層からトナーを取り込み、トナーと磁性粒子とが混合された現像剤を規制部材でその層厚を規制して現像部に搬送することにより、トナーの過剰供給による帯電不足の防止を図っている。
また、特許文献2では、内部磁極を有する現像スリーブ回転型磁気ブラシ現像装置において、現像スリーブ表面に絶縁性層を設けるとともに、現像スリーブ近くにトナー供給ロールを配設し、トナー供給ロールと現像スリーブ間に交番電圧を印加することで、トナー濃度、トナー帯電の安定化を図っている。
さらに、特許文献3では、現像剤を構成するトナーとして磁性トナーを用いることで、トナー帯電の安定化、トナー飛散の防止を図っている。
また、特許文献4では、現像剤担持体の搬送速度が最速のときにおいて、キャリア一個の表面に対してトナーが完全に覆った状態となる限界トナー濃度以下となるようにトナー濃度を構成することで、地汚れやトナー飛散の防止を図っている。
さらにまた、特許文献5では、現像剤収容部において、現像剤担持体に担持搬送される現像剤量を規制する第一の規制部材よりも現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に第二の規制部材を設けることにより、トナー濃度調整の簡易化を図っている。
しかしながら、上記の先行技術にあっては、いずれもトナー濃度変化に対応した現像剤の体積変化と現像剤の動きとによって、トナー濃度の制御をしているため、現像剤の体積変化や現像剤の動きを顕著にする必要がある。このような要請下においては、通常の二成分現像方式と比較して、特に、現像剤担持体周辺の現像剤仕込量を少なくして、その体積変化等を顕著にする必要があるため、現像剤の循環が悪く、現像剤の動きが活発な箇所と活発でない箇所とが存在して、トナーの取り込みが均一に行われない。さらに、帯電性能や磁化特性の劣化により磁性キャリアが現像装置本体から抜け出て現像剤収容室内の磁性キャリア量が減少すると、トナー濃度安定時において現像剤収容部内の磁性キャリア量に対するトナー量比率が大きくなる。この結果、十分なトナー帯電が施されず地汚れやトナー飛散が生じるという問題が生じていた。
また、現像剤量が少ないことから現像剤中に含まれるトナーの絶対量が少ないこと、トナー濃度が減少しても現像剤の体積変動は緩やかでありトナーの取り込みスピードが遅いことから、トナー消費の激しい高密度画像を連続で出力する際に所望の濃度が維持できないといった問題が生じていた。
さらに、予め現像剤量を少なく設定しなければならないため、1つの磁性キャリアにかかるストレスが大きくなり、磁性キャリアの寿命が短くなる。つまり、ランニングコストが上昇し、また、応答性が遅いため、高密度画像の濃度を確保できないといった問題が生じていた。
こうした問題を解決するために、本出願人は、特願2003−185499号にて以下のような現像装置を既に提案している。
この特願2003−185499号に係る現像装置は、内部に磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、この現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止めるせき止め部と、このせき止め部に対して現像剤の搬送方向上流側に傾斜配置された仕切り部材とを備え、トナー濃度に応じた二成分現像剤の流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用して、トナー濃度が低い二成分現像剤を仕切り部材上に流出させて、仕切り部材回りの現像剤の流れを生成することによりトナー補給を行なって、自律的にトナー濃度を維持するようにしたものである。
しかしながら、上記特願2003−185499号に係る現像装置において、例えば、現像装置を画像形成装置から着脱する場合や、輸送する場合には、現像剤収容部内の所定のトナー濃度を維持した二成分現像剤がトナー収容部側に流出してしまい、再度現像装置を装着して駆動したときに、流出現像剤により空いた現像剤収容部内の空間に、トナー収容部内のトナー又は高いトナー濃度の二成分現像剤が直接供給され、これによる現像剤収容部内のトナー濃度の過度の上昇や、トナー帯電不良などによる画像品質の劣化といった問題が生じていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、所定の流路の開閉を行なう流路開閉手段を設けることにより、着脱や輸送の際にもトナー濃度を安定して維持することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部に隣接して設けられ、トナーを供給可能に収容するトナー収容部と、現像剤収容部とトナー収容部との間に設けられ、トナー濃度に応じて両者を連通させるトナー補給路と、現像剤収容部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、トナー濃度に応じて現像剤収容部と連通する迂回路が形成される現像剤退避部と、現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、現像剤分離手段により分離された前記余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る仕切り部材と、トナー濃度に応じて、前記迂回路及びトナー補給路の開閉を行なう流路開閉手段とを備えていることを特徴とする。
このように構成した本発明に係る現像装置は、現像剤担持体と、現像剤収容部と、トナー収容部と、トナー補給路と、トナー濃度に応じて現像剤収容部と連通する迂回路が形成される現像剤退避部と、現像剤分離手段と、仕切り部材と、トナー濃度に応じて迂回路及びトナー補給路の開閉を行なう流路開閉手段とを備えているので、所定の場合に迂回路及びトナー補給路を閉じることにより、二成分現像剤のトナー収容部への流出やトナーの現像剤収容部への流入を防止し、例えば現像装置を着脱した際にも安定してトナー濃度を維持することができる現像装置を提供することが可能となる。
ここで、前記流路開閉手段は、仕切り部材の上方に支点を有し、常時迂回路及びトナー補給路を閉じるように弾性体により付勢されていると共に、現像剤担持体による二成分現像剤の搬送に伴って、迂回路及びトナー補給路を開くように構成されたレバー部材であってもよい。
この場合は、流路開閉手段を、仕切り部材の上方に支点を有し、常時迂回路及びトナー補給路を閉じるように弾性体により付勢されていると共に、現像剤担持体による二成分現像剤の搬送に伴って、迂回路及びトナー補給路を開くようなレバー部材で構成することにより、仕切り部材上に流出しようとする二成分現像剤の搬送圧力を利用した流路開閉手段を簡易な構造で安価に実現することができる。
また、前記仕切り部材とレバー部材との間には、トナー濃度に応じて、仕切り部材上に流出した二成分現像剤を現像剤収容部に導くガイド流路が形成されてもよい。
この場合は、仕切り部材とレバー部材との間には、トナー濃度に応じて、仕切り部材上に流出した二成分現像剤を現像剤収容部に導くガイド流路が形成されるので、このガイド流路により仕切り部材上に流出した二成分現像剤が補給トナーとの所定の合流地点まで導かれ、仕切り部材上を経由して現像剤収容部内に還流する二成分現像剤と、補給されたトナーとの合流混合が安定して行なわれ、トナー濃度の安定化を図ることができる。また、仕切り部材上に流出した二成分現像剤が、確実に現像剤収容部に還流するので、現像装置内のキャリアのサンプ量を減らすことができる。
また、本発明は上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を用いて、像担持体上の静電潜像を可視像化する画像形成装置をも対象とする。
本発明によれば、トナー濃度に応じて、所定の流路の開閉を行なう流路開閉手段を設けることで、現像装置を着脱や輸送した場合でも、安定してトナー濃度を維持し、これにより、その後の画像形成において安定した画像品質を維持することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
<実施の形態>
<実施の形態>
まず、本発明に係る現像装置を含む画像形成装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
図1において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像担持体であり、この静電潜像担持体21はスコロトロンなどの帯電装置22によって帯電され、レーザ書込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった静電潜像担持体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。また、現像装置24は、現像ハウジング31内に着色粒子であるトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を収容し、現像剤担持体32に前記二成分現像剤を担持させ、この現像剤担持体32にバイアス電源25からの現像バイアスを印加することで、現像剤担持体32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。さらに、転写装置26は、例えば静電潜像担持体21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって静電潜像担持体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加されることで、静電潜像担持体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。また、静電潜像担持体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
さらに、本実施の形態において、静電潜像担持体21上のトナー像を転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は、記録材28に定着される。定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像を記録材28に定着するようになっている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の構成について、図2を参照して説明する。図2は本実施の形態に係る現像装置の概要を示す構成図である。
図2において、現像装置24は、不図示の静電潜像担持体に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して現像剤担持体32を配設し、現像ハウジング31の内に、現像剤担持体32に隣接した部位に設けられる二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部33と、現像剤担持体32に隣接し、現像剤収容部33に対して現像剤担持体32の現像剤搬送方向下流側に設けられる現像剤退避部34と、トナーTを供給可能に収容し現像剤収容部33に隣接して設けられるトナー収容部35とを形成したものである。
なお、本実施の形態において、二成分現像剤Gは、トナーTと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーTは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと帯電特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また、本実施の形態において、現像剤担持体32は、回転可能な回転スリーブ321と、この回転スリーブ321の内部に固定的に配設された磁極ロール322とを備えている。上記磁極ロール322は、例えば、ロール本体中心Oを通る水平面右側に合わせて搬送磁極(本例ではS3)を配設し、回転スリーブ321の回転方向(反時計回り)に対し、搬送磁極(S3)から下流側へ所定の間隔で層規制磁極(本例ではN1)と、現像磁極(本例ではS1)とを配設する一方、搬送磁極(S3)から上流側へ所定の間隔でピックアップ磁極(本例ではN3)と、搬送磁極(本例ではS2)と、搬送磁極(本例ではN2)とを配置したものである。なお、本実施の形態において、現像磁極(S1)は、静電潜像担持体21に対向し、ピックアップ磁極(N3)は、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gを捕獲するようになっている。もちろん、磁極パターンについてはこの限りでなく、各々の磁極の配置や数は適宜選定して差し支えない。一方、回転スリーブ321は、反時計回りに回転すると共に、磁極ロール322の現像磁極(S1)が配設される現像部において、静電潜像担持体21と対向するようになっている。
また、本実施の形態において、現像剤収容部33は二成分現像剤Gが収容されるスペースを有し、現像剤収容部33内のうち現像剤担持体32に近接(又は接触)した部位に、現像剤撹拌部材36が回転自在(反時計回り)に配設されている。さらに、現像剤収容部33の底部形状は、現像剤担持体32及び現像剤撹拌部材36に沿った湾曲形状をしており、現像剤担持体32、現像剤撹拌部材36との間に所定間隔の現像剤搬送路を確保している。
また、本実施の形態において、現像剤撹拌部材36は、例えば磁性あるいは非磁性のロールからなるが、現像剤担持体32の軸方向における撹拌性を向上させるためにスパイラル状のオーガやロールの円周上に羽根を設けたブレンダーにしてもよく、複数配設しても差し支えない。
さらに、本実施の形態において、トナー収容部35には、収容されるトナーTが撹拌搬送せしめられるトナー撹拌部材351を有しており、このトナー撹拌部材351は、例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、トナー収容部35の底壁面に沿ってトナーTを掃き出すようにしたものである。
そして、このトナー収容部35の底部形状は、トナー撹拌部材351の移動回転軌跡に沿う湾曲状を有しており、現像剤収容部33とトナー収容部35との間には、両者を隔てる隔壁部31wが形成されている。
また、本実施の形態では、現像剤担持体32内の層規制磁極(N1)から現像剤搬送方向下流側(反時計回り方向側)の位置において、層規制磁極(N1)と現像磁極(S1)との間には、現像剤担持体32と対向するようにせき止め部41が配設されている。このせき止め部41は、現像剤担持体32と同程度の幅を有し、一端を現像ハウジング31により支持され、先端部を数十μm〜数百μm程度の間隙で現像剤担持体32に近接させている。そして、本実施の形態においては、このせき止め部41と、せき止め部41よりも回転方向上流側に配置された層規制磁極(N1)により、現像剤分離手段が構成されている。
また、本実施の形態では、せき止め部41は、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gの層厚を規制する層厚規制機能を兼ねているが、層厚規制機能とは別にしてもよい。この場合、例えば、せき止め部41と現像磁極(S1)との間に層厚規制部材及び対向する別の層規制磁極を設ける態様が挙げられる。
さらに、本実施の形態において、現像剤収容部33と現像剤退避部34との間は、仕切り部材39にて隔てられていると共に、現像剤退避部34とトナー収容部35との間は、レバー部材45にて隔てられている。
以下、本実施の形態に係る仕切り部材39及びレバー部材45の詳細について、図2及び図3を参照して説明する。
まず、仕切り部材39は、図3に拡大して示されるように、現像剤担持体32と同程度の幅で形成されたベースプレート39aを有し、このベースプレート39aは、現像剤担持体32側が上方で、その反対側が下方となるように斜め下方に向かって傾斜配置されている。このベースプレート39aの傾斜部長さは傾斜上を流れる現像剤が現像剤収容部33に流れ込むような長さに設定されている。そして、ベースプレート39aのうち、現像剤担持体32側に位置する先端部39bは、現像剤担持体32内の層規制磁極(N1)の直上、あるいは層規制磁極(N1)から現像剤搬送方向上流側(時計回り方向側)の位置において、現像剤担持体32の表面と数百μm〜数mmの位置で対向している。なお、本実施の形態では、前述したせき止め部41に多くの二成分現像剤Gを供給するために、仕切り部材39の上端部39bと現像剤担持体32との間隙は、せき止め部41と現像剤担持体32との間隙よりも広く設定されている。
一方、先端部39bの反対側である下端部39cは、レバー部材45の下端部と対向し、後述するガイド流路の上側壁面を形成するような形状となっている。なお、ベースプレート39aの傾斜角度は任意に設定して差し支えない。
さらに、本実施の形態において、仕切り部材39の上方には、現像剤退避部34とトナー収容部35とを隔てるレバー部材45が配設されている。
このレバー部材45は、仕切り部材39と同程度の幅を有し、仕切り部材39の上方に、該仕切り部材39と略平行となるように傾斜配置されている。そして、該レバー部材45は、仕切り部材39のベースプレート39aの上方に支点を有して、この支点を中心にして、所定の範囲を回動可能に形成されたシーソー状部材であり、支点45aを挟んで、上側レバー部45bと下側レバー部45cとで形成されている。
次に、レバー部材45の作動について、図3を参照して説明する。
まず、装置取り外し時や輸送時において、二成分現像剤Gの流れが生じていない状態、すなわち、現像剤担持体32や現像剤撹拌部材36により、二成分現像剤Gの搬送や撹拌が行なわれていない状況におけるレバー部材の状態について図3(a)を参照して説明する。
このような状態において、レバー部材45の上側レバー部45bは、図3(a)に示されるように、せき止め部41近傍のハウジング31に内蔵された、例えばスプリング等の弾性部材45sにより常時所定の方向(本例では、半時計回り方向)に付勢されており、その先端部は、せき止め部41と仕切り部材39の上端部39bとの間に形成されている空隙を塞ぐようになっていると共に、現像剤担持体32に対向する面は、現像剤担持体32により搬送された二成分現像剤Gの搬送圧力を受ける受圧面45pとして形成されている。
一方、この状態において、下側レバー部45cの下端部45dは、隔壁部31wの現像剤収容部33側の壁面と接触するようになっている。
すなわち、このような状態においては、現像剤収容部33と現像剤退避部34とを連通させる後述する迂回路47は形成されず(迂回路47は閉じられた状態)、また、トナー補給路37Tも閉じられた状態であり、レバー部材45全体で、現像剤収容部33及び現像剤退避部34とトナー収容部35とを隔てて、現像剤収容部33及び現像剤退避部34とトナー収容部35との間で、二成分現像剤G又はトナーTの流動が生じないようになっている。
次に、現像剤担持体32が駆動されて、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gが、せき止め部41近傍まで搬送された場合の、レバー部材45の作動について、図3(b)を参照して説明する。
このような状態においては、レバー部材45の上側レバー部45bは、図3(b)に示されるように、先端の受圧面45pが、現像剤担持体32により搬送された二成分現像剤Gの搬送圧力を受けて、弾性部材45sの付勢力に抗し、支点45aを中心にして所定の方向(本例では時計回り方向)に回転する。
そして、このレバー部材45の回転に伴って、上側レバー部45bの先端においては、現像剤収容部33と現像剤退避部34とを連通させる迂回路47が形成される(迂回路47が開かれる)と共に、下側レバー部45cの下端部45dは、隔壁部31wの壁面より離れ、トナー収容部35と現像剤収容部33とを連通させて(トナー補給路37Tが開かれ)、トナー収容部35内のトナーTのみを通過させるトナー補給路37T及び仕切り部材39上に流出し、現像剤退避部34に導入された二成分現像剤Gを現像剤収容部33のみへ還流させる二成分現像剤Gのガイド流路37Gとが形成される。
ここで、上側レバー部45bの先端は、せき止め部41の対向する内壁面に沿ってハウジング31の内壁面と当接する位置まで回動可能に移動する。この移動状態において、二成分現像剤Gが、この先端部を介してトナー収容部35側に流出しないように、上側レバー部45bの先端は、当接するせき止め部41の内壁面及びハウジング31の内壁面と密着するように形成されている。すなわち、現像剤担持体32によりせき止め部41近傍まで搬送された二成分現像剤Gは、全てガイド流路37Gに導入されるように形成されている。
また、上側レバー部45bの先端がハウジング31の内壁面と当接する停止位置まで回転したときに、下側レバー部45cの下端部45dは、仕切り部材39の下端部39cと隔壁部31wとの略中間に位置するように形成され、かつ、迂回路47を経由して仕切り部材39上を流れる二成分現像剤Gの流れを阻害しないよう、ガイド流路37Gを形成するレバー部材45の下側表面の形状は、これと対向する仕切り部材39の上側表面の形状に倣うように形成されている。すなわち、上側レバー部45b先端が移動を開始すると、直ちにトナー補給路37T及びガイド流路37Gが形成されると共に、最大移動位置に到達した場合でも、これらの流路が確保されるように形成されている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の作動について、再び図2を参照して説明する。
図2において、現像剤収容部33における二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36により撹拌され、現像剤担持体32内のピックアップ磁極(N3)によって捕獲される。この後、捕獲された二成分現像剤Gは、ピックアップ磁極(N3)及び搬送磁極(S3)の磁気吸引力と現像剤担持体32表面との摩擦力により、現像剤担持体32(回転スリーブ321)の回転方向に搬送される。この搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41の近傍に到達すると、層規制磁極(N1)により穂立ちを形成する。さらに、この二成分現像剤Gの穂立ちは、せき止め部41にて規制されることにより、現像剤層として現像剤担持体32上に形成され、この現像剤層は、現像領域に搬送される。さらに、現像領域に搬送された二成分現像剤Gの現像剤層は、現像磁極(S1)の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤GにおけるトナーTは、静電潜像担持体21と現像剤担持体32との間に形成される現像電界によって、静電潜像担持体21上の静電潜像を可視像化する。
次に、このように構成した現像装置24における二成分現像剤Gの流れについて、図4及び図5を参照して説明する。
まず、図4において、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が低い場合を想定する。この二成分現像剤Gは、現像剤中のトナー量が少ないことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が大きくなっている。つまり、外部磁界(本例ではN1)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は大きくなるため、トナー濃度の低い二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍まで確実に搬送される。このせき止め部41まで確実に搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41のせき止め力と層規制磁極(N1)の磁気拘束力によって、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を介して、レバー部材45の受圧面45pを押圧する。この二成分現像剤Gの搬送に伴う押圧力により、レバー部材45は、スプリング45sの付勢力に抗して支点45aを中心にして所定の方向(本例では、時計回り方向)に回転し、前述したトナー補給路37T及び二成分現像剤のガイド流路37Gが形成される。
そして、上側レバー部45bの移動により形成された迂回路47を介して、押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって仕切り部材39上に落下し、現像剤退避部34を経て、その後、現像剤収容部33へ流れ込む。
このとき、上記のようにトナー濃度の低い二成分現像剤Gは、ガイド流路37Gを介して現像剤収容部33内へ流入すると共に、トナー収容部35内のトナーTは、トナー補給路37Tを介して現像剤収容部33内へ流入し、両者は現像剤収容部33内の所定の合流領域33Mにて合流し混合撹拌される。このように、常に所定の領域にて二成分現像剤GとトナーTとが合流混合されるので、トナー濃度の安定化に寄与することができる。
一方、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が高い場合を想定すると、この二成分現像剤Gは、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さい。つまり、図5に示されるように、外部磁界(本例ではN1)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は小さいため、トナー濃度の高い二成分現像剤Gの多くは、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部材39の先端39bよりも上流側の位置で落下してしまう。結果として、この二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤まで到達することなく、レバー部材45の受圧面45pを押圧しないので仕切り部材39上に流出しない。このため、この二成分現像剤Gは、仕切り部材39上に流出することなく、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部材39の先端部39bより上流側の位置で落下し、直接現像剤収容部33へ戻る。このとき、トナー濃度が低い場合と異なり、迂回路47及びトナー補給路37Tは、レバー部材45の上側レバー部45b及び下側レバー部45cによりそれぞれ閉じられている状態にあるので、トナー収容部35から現像剤収容部33へのトナーTの流入を防止すると共に、現像剤収容部33からトナー収容部35への二成分現像剤Gの流出も防止することができる。
このように、本実施の形態に係るトナー補給メカニズムは、トナー濃度に応じた二成分現像剤Gの流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われない構成になっている。
そして、低トナー濃度の時には、二成分現像剤Gは、現像剤退避部34へ一時的に誘導されることによって現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されることになり、その分、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gは、トナー収容部35内のトナーTをすばやく取り込むことができ、高密度画像の連続出力に対応することができる。さらに、前述のようなメカニズムにより、現像剤担持体32上の飽和トナー濃度は二成分現像剤に働く磁気吸引力に依存するものであり、二成分現像剤の体積に依存しないので、経時で現像装置内の磁性キャリアの量が減少しても飽和トナー濃度は安定した値に保たれる。そして、トナー収容部35からトナーTを供給する場合、二成分現像剤Gが迂回路47を介して現像剤退避部34を経由するため、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの循環が非常に活発になり、トナー補給路37Tからのトナー及びガイド流路37Gからの二成分現像剤の取込みが均一に行なわれる。
また、トナー濃度に応じてトナー補給路37Tを開閉するレバー部材45により、現像装置の着脱や輸送に伴う、現像剤収容部33からトナー収容部35への現像剤の流出による現像剤収容部33内のトナー濃度の異常上昇を防止し、その後の画像形成において、安定した画像品質を維持することができる現像装置を提供することができる。
さらに、仕切り部材39上に流出した二成分現像剤Gと補給トナーTとの合流混合が、常に、ガイド流路37Gとトナー補給路37Tとの合流地点である現像剤収容部33内の所定の領域33Mで行なわれるので、トナー濃度のより一層の安定化を図ることができると共に、仕切り部材39上に流出した二成分現像剤Gが、ガイド流路37Gを介して確実に現像剤収容部33内へ還流するので、キャリアのサンプ量を減らすことができイニシャルコストの低減を図ることが可能となる。
21:静電潜像担持体、22:帯電装置、23:露光装置、24:現像装置、25:バイアス電源、26:転写装置、27:バイアス電源、28:記録材、29:クリーニング装置、31:現像ハウジング、31w:隔壁部、32:現像剤担持体、33:現像剤収容部、33M:合流領域、34:現像剤退避部、35:トナー収容部、36:現像剤撹拌部材、37G:ガイド流路、37T:トナー補給路、39:仕切り部材、39a:ベースプレート、39b:上端部、39c:下端部、41:せき止め部、45:レバー部材、45a:支点、45b:上側レバー部、45c:下側レバー部、45d:下端部、45p:受圧面、45s:弾性部材、47:迂回路、50:定着装置、51:加熱ロール、52:加圧ロール、321:回転スリーブ、322:磁極ロール、351:トナー撹拌部材、G:二成分現像剤、T:トナー
Claims (4)
- トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を磁力により担持搬送する現像剤担持体と、
現像剤担持体に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、
現像剤収容部に隣接して設けられ、トナーを供給可能に収容するトナー収容部と、
現像剤収容部とトナー収容部との間に設けられ、トナー濃度に応じて両者を連通させるトナー補給路と、
現像剤収容部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、トナー濃度に応じて現像剤収容部と連通する迂回路が形成される現像剤退避部と、
現像剤収容部及び現像剤退避部に対して現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、
現像剤分離手段により分離された前記余剰現像剤を現像剤収容部又は現像剤退避部に導入すると共に互いを仕切る仕切り部材と、
トナー濃度に応じて前記迂回路及びトナー補給路の開閉を行なう流路開閉手段と
を備えていることを特徴とする現像装置。 - 前記流路開閉手段は、仕切り部材の上方に支点を有し、常時迂回路及びトナー補給路を閉じるように弾性体により付勢されていると共に、現像剤担持体による二成分現像剤の搬送に伴って、迂回路及びトナー補給路を開くように構成されたレバー部材であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記仕切り部材とレバー部材との間には、トナー濃度に応じて、仕切り部材上に流出した二成分現像剤を現像剤収容部に導くガイド流路が形成されることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017156537A (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 現像装置、画像形成装置 |
US9983493B2 (en) | 2013-03-25 | 2018-05-29 | Zeon Corporation | Toner for developing electrostatic images |
-
2004
- 2004-09-03 JP JP2004257241A patent/JP2006072119A/ja not_active Withdrawn
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