JP2006056209A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 雌部を構成している内キャップの疲労が生ずる度合いが少なく、しかも製造段階におけるバリ、引けが生じた場合、又は寸法に多少の正確性が欠如した場合においても、ペン先の後方周囲に位置する雄部と内キャップを構成している雌部とによる気密性を維持できるような筆記具の構成を提供すること。
【解決手段】 ペン先11の後側周囲に位置している先細り状の傾斜部を含む雄部12と、キャップ2内における内キャップ21の先端に設けられ、かつ該雄部12と嵌合し合う雌部22を有している筆記具であって、該雄部12又は該雌部22の何れか一方に凹溝4を設け、当該凹溝4に沿ってOリング3を、当該凹溝4から突出した状態にて設け、かつ当該Oリング3は、該雄部12と該雌部22とを嵌合自在とする程度の伸縮性、及び断面形状を有することに基づく筆記具。
【選択図】 図4
【解決手段】 ペン先11の後側周囲に位置している先細り状の傾斜部を含む雄部12と、キャップ2内における内キャップ21の先端に設けられ、かつ該雄部12と嵌合し合う雌部22を有している筆記具であって、該雄部12又は該雌部22の何れか一方に凹溝4を設け、当該凹溝4に沿ってOリング3を、当該凹溝4から突出した状態にて設け、かつ当該Oリング3は、該雄部12と該雌部22とを嵌合自在とする程度の伸縮性、及び断面形状を有することに基づく筆記具。
【選択図】 図4
Description
本発明は、水性インクなど蒸発し易いインクを使用しているボールペン、サインペンなどの筆記具に関するものである。
水性インクなどの流動性を有しているインクを使用している筆記具においては、水性インクをペン先に誘導する際に、例えば万年筆の場合のように、筆記具本体に、鍔状の円輪を複数個ジャバラ状に併設してインクの粘性抵抗を利用して誘導する方式、及び例えばサインペンの場合のように、筆記具本体のパイプに綿状の繊維性物質を充満させて毛細管現象によって誘導する方式などが存在する。
何れの方式においても、不使用時において、ペン先をキャップに挿入する際、ペン先の周囲において密閉状態を出現させるために、図5に示すように、ペン先の後側周囲に先細り状の傾斜部を含む雄部を設け、かつキャップの内側に設けられている内キャップの先端部に、該傾斜部によって抉じ開けられた状態にて嵌合し得る雌部を設けている。
尚、図5においては、雄部として、テーパー状の傾斜部のみを有している場合を示すが、雄部及び雌部の形状がそのような形状に限定される訳ではないことは、実施形態に基づいて後述する通りである。
尚、図5においては、雄部として、テーパー状の傾斜部のみを有している場合を示すが、雄部及び雌部の形状がそのような形状に限定される訳ではないことは、実施形態に基づいて後述する通りである。
従来、雄部は、金属又は変形し難いプラスチックによる素材を採用しているのに対し、内キャップ及びその先端部は、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの変形可能なプラスチックを素材としており、前記のように抉じ開けられた状態にて嵌合した際、多少広がった状態の弾性変形を行いながら密閉状態を形成し、インクの蒸発を防止している。
従前の雄部と雌部との嵌合状態を形成する構成においては、
(1)雌部がやや弾性変形を行い、広がった状態を継続した場合、プラスチック素材が疲労変形し、弾性を維持できず、密閉状態に支障を来たすこと、
(2)成型段階において、雄部又は雌部の何れか一方又は双方に、バリ又は引けが生じた場合には、密閉状態を出現できないという不都合が生ずること、
(3)成型に際し、設計上の不十分性などを原因として、雄部及び雌部の寸法が十分合致しない場合にも、密閉状態を形成できないこと、
などの技術上の問題点が存在していた。
(1)雌部がやや弾性変形を行い、広がった状態を継続した場合、プラスチック素材が疲労変形し、弾性を維持できず、密閉状態に支障を来たすこと、
(2)成型段階において、雄部又は雌部の何れか一方又は双方に、バリ又は引けが生じた場合には、密閉状態を出現できないという不都合が生ずること、
(3)成型に際し、設計上の不十分性などを原因として、雄部及び雌部の寸法が十分合致しない場合にも、密閉状態を形成できないこと、
などの技術上の問題点が存在していた。
しかるに、前記(1)、(2)、(3)の問題点を解決するような構成は、これまで提唱されていなかった。
本発明は、雌部の疲労が生ずる度合いが少なく、しかも製造段階におけるバリ、引けが生じた場合、又は寸法における正確性の欠如が生じている場合においても、雄部と雌部とによる気密性を維持できるような筆記具の構成を提供することと課題としている。
前記課題を解決するため、本発明の構成は、ペン先の後側周囲に位置している先細り状の傾斜部を含む雄部と、キャップ内における内キャップの先端に設けられ、かつ該雄部と嵌合し合う雌部を有している筆記具であって、該雄部又は該雌部の何れか一方に凹溝を設け、当該凹溝に沿ってOリングを、当該凹溝から突出した状態にて設け、かつ当該Oリングは、該雄部と該雌部とを嵌合自在とする程度の伸縮性、及び断面形状を有することに基づく筆記具からなる。
前記構成に基づき、本発明においては、雌部の疲労が生ずる度合いが少なく、しかも製造段階におけるバリ、引けが生じた場合、又は寸法における正確性の欠如が生じている場合においても、雄部と雌部とによる気密性を維持でき、ひいては、インクの蒸発を防止することができる。
本発明においては、雄部12、又は雌部22の何れか一方に凹溝4及びOリング3を設けたうえで、雄部12又は雌部22の他方と嵌合可能な状態としたことを基本的な特徴としている。
図3(a)、(b)は、Oリング3をテーパー形状の傾斜部に設けた実施形態を示しているが、当該実施形態においては、Oリング3を雄部12の凹溝4に沿って設けており、嵌合に際し、雄部12から外れることを防止している。
図3(a)は、図5に示す従来技術の場合と同様、雌部22の円筒形状部分の内側とOリング3とが当接し合っている実施態様を示しているのに対し、図3(b)は、雌部12に逆傾斜部を設け、雄部12の傾斜部と嵌合させ、かつOリング3と当接させた実施形態を示している。
図4(a)、(b)は、何れも雄部12において傾斜部の後方に略円柱形状部分121を設けた実施形態を示している。
図4(a)は、図3(a)、(b)の場合と同様に、傾斜部としてテーパー形状を採用しているが、図4(b)においては、傾斜部として、先端となるに従って順次勾配が増加するような長手方向断面直線形状を採用しているが、図4(b)の実施形態の場合には、スムースな嵌合に好適である。
図4(a)においては、前記円柱形状部分121にOリング3を設けているが、当該実施形態の場合には、設計工作が簡便という点において便利であることから、このような実施形態を採用することが多いことになる。
他方、図4(b)は、凹溝4、及びOリング3を、前記円柱形状部分121に嵌合する雌部22の円筒形状部分に設けているが、実際には凹溝4、及びOリング3は、雌部22に設ける実施形態よりも雄部12に設ける場合のほうが圧倒的に多いというのが実情である。
Oリング3の断面形状としては、図3(a)、(b)に示すように、略円形状の場合を典型例としているが、当該断面形状はそのような形状に限定される訳ではなく、例えば、図4(a)に示すような、三角形状(この場合には頂部が凹溝4から突出することになる。)、更には、図4(b)に示すような三角形と矩形とを組み合わせたことによる五角形の形状をも採用することができる。
何れの実施形態においても、雄部12と雌部22とは、Oリング3と密着しており、当該Oリング3を介して、気密性を維持することができるので、従来技術の場合のように、雄部12と雌部22との嵌合に際し、雌部22がやや広がった状態となるような弾性変形を行う必要がなく、これによって、雌部22の弾性疲労を防止することができる。
他方、嵌合に際し、雄部12と雌部22との間に多少の隙間が存在したとしても、Oリング3と雄部12及び雌部22の間は、完全に密着しているので、当該隙間は、気密性維持の支障とはならない。
このため、製造段階におけるバリ、引けの発生、更には、寸法上の不正確性などの雄部12と雌部22との隙間の発生の原因となるような事態が存在したとしても、前記気密性を維持することによって、インクの蒸発を防止することが可能となる。
以下、実施例に従って説明する。
実施例1は、図1に示すように、Oリング3において凹溝4状の底部に当接している内側端と凹溝4から突出している外側端とによる幅の内、約2/3の幅を有する内側部分が、凹溝中に埋設され、かつ約1/3の幅を有する外側部分が、凹溝4から突出していることを特徴としている。
Oリング3は、雄部12又は雌部22から外れないように凹溝4内に設けているが、一方では、凹溝4から突出することによって、嵌合に際し、気密性の維持に寄与することが必要とされている(尚、図1は、凹溝4及びOリング3を、前記の円柱形状部分121又は円筒形状部分のような平坦な領域に設けた場合を示している。)。
このような凹溝4内における安定した状態と、前記気密性維持への寄与を調整するうえで、Oリング3において、半径方向の外側端と内側端とによる幅の内、どの程度の内側部分を凹溝4内に埋設させ、どの程度の外側部分を凹溝4から突出させるかは、設計上工夫が要求されるところである。
発明者の経験では、前記外側端と内側端とによる幅の内、約1/2程度の内側部分を凹溝4内に埋設し、残約1/2の外側部分を凹溝4から突出した場合には、Oリング3の凹溝4内における安定した状態に支障が生じる。
これに対し、Oリング3の前記外側端と内側端との幅の内、約3/4の内側部分を凹溝4内に埋設し、残約1/4の外側部分を凹溝4から突出した場合には、逆に、嵌合に際し、圧縮変形する部分が少なく、気密性維持の寄与に不十分である。
実施例1においては、約2/3の内側部分を凹溝4内に埋設し、残約1/3を凹溝4から突出させているが、このような設計が、凹溝4内における安定した状態、及び十分な気密性の維持に対する寄与を両立させることが可能となり、極めて好適である。
実施例2においては、図2に示すように、複数個(図2においては、2個)の凹溝4及びOリング3を設けており、このような複数個の設置によって、気密性維持を更に一層向上させている(尚、図2は、凹溝4及びOリング3を雄部12のテーパー状の傾斜部に設けている場合を示している。)。
このように、Oリングの介在によって、固有の作用効果を発揮している本発明の構成は、筆記具、特に水性インクを用いている筆記具において採用可能である。
1 筆記具本体
11 ペン先
12 雄部
121 円柱形状部分
2 キャップ
21 内キャップ
22 雌部
3 Oリング
4 凹溝
11 ペン先
12 雄部
121 円柱形状部分
2 キャップ
21 内キャップ
22 雌部
3 Oリング
4 凹溝
Claims (8)
- ペン先の後側周囲に位置している先細り状の傾斜部を含む雄部と、キャップ内における内キャップの先端に設けられ、かつ該雄部と嵌合し合う雌部を有している筆記具であって、該雄部又は該雌部の何れか一方に凹溝を設け、当該凹溝に沿ってOリングを、当該凹溝から突出した状態にて設け、かつ当該Oリングは、該雄部と該雌部とを嵌合自在とする程度の伸縮性、及び断面形状を有することに基づく筆記具。
- 傾斜部として、テーパー形状を採用したことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 傾斜部として、先端部になるに従って勾配が増加するような長手方向断面曲線状を採用したことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 雄部において、傾斜部の後方に、円柱形状部分が存在することを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 凹溝及びOリングを、雄部の傾斜部又は円柱形状部分に設けたことを特徴とする請求項4記載の筆記具。
- 雄部が、傾斜部のみから構成されており、雌部が逆傾斜部のみから構成されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- Oリングにおいて凹溝の底部に当接している内側端と凹溝から突出している外側端とによる幅の内、約2/3の幅を有する内側部分が、凹溝中に埋設され、かつ約1/3の幅を有する外側部分が、凹溝から突出していることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 雄部又は雌部の何れか一方に、凹溝及びOリングを複数個設けたことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004243201A JP2006056209A (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | 筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2006056209A true JP2006056209A (ja) | 2006-03-02 |
Family
ID=36104079
Family Applications (1)
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JP2004243201A Pending JP2006056209A (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | 筆記具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006056209A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2024962A2 (en) * | 2006-05-22 | 2009-02-18 | Adapx | Durable digital writing and sketching instrument |
JP2012214049A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-11-08 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具 |
KR20170103655A (ko) * | 2016-03-03 | 2017-09-13 | 씨.조셉 라미 게엠베하 | 필기구 |
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2004
- 2004-08-24 JP JP2004243201A patent/JP2006056209A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2024962A2 (en) * | 2006-05-22 | 2009-02-18 | Adapx | Durable digital writing and sketching instrument |
EP2024962A4 (en) * | 2006-05-22 | 2013-01-30 | Adapx | DURABLE DIGITAL WRITING AND SKETCH INSTRUMENT |
JP2012214049A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-11-08 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具 |
KR20170103655A (ko) * | 2016-03-03 | 2017-09-13 | 씨.조셉 라미 게엠베하 | 필기구 |
KR101968573B1 (ko) * | 2016-03-03 | 2019-04-12 | 씨.조셉 라미 게엠베하 | 필기구 |
US10391809B2 (en) | 2016-03-03 | 2019-08-27 | C. Josef Lamy Gmbh | Writing instrument |
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