JP2006052860A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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正夫 寺岡
Shinji Yamazaki
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Abstract

【課題】アクチュエータを大型にせず、確実な差動ロックを可能にする。
【解決手段】回転駆動されるデフケース3と、その内部に支承された出力側サイドギヤ17、19と、サイドギヤ17、19を連結するピニオンギヤ39、41と、ピニオンギヤ39、41を摺動回転自在に収納する収納孔35、37と、ギヤ19に連結されロックに用いられる他側のギヤ部77を有する被ロック部材61と、ロックに用いられる一側のギヤ部79を有するロック部材63と、ピニオンギヤ39の端面側でかつサイドギヤ19に形成されたボス部23の外周側でギヤ部79と他側のギヤ部77とが対向して設けられ、ロック部材63を介して被ロック部材61をデフケースにロックするクラッチ機構55と、クラッチ機構55を連結操作するアクチュエータ59と、クラッチ機構55が連結されると差動トルクを受けてクラッチ機構55の連結力を増大させるカム機構57とを備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両に用いられるデファレンシャル装置に関する。
特開平6−344783号公報に図9、10のようなデファレンシャル装置201、205が記載されている。
これらのデファレンシャル装置201、205は、それぞれデフケ−ス207、211、出力側のヘリカルサイドギヤ213、215、221、223、各サイドギヤを連結する一対のヘリカルピニオンギヤ225、227、233、235からなるピニオンギヤ組、差動をロックする差動ロック機構237、241、各差動ロック機構をロック操作するアクチュエ−タなどを備えている。
差動ロック機構237は、ロック部材243がヘリカルギヤであるサイドギヤ215と直接噛み合うように構成されており、差動ロック機構241では、サイドギヤ223にロック部材247と噛み合うためのスパ−ギヤ249が形成されている。
このように構成されたデファレンシャル装置201、205では、デフケ−スを回転させるエンジンの駆動力は、ピニオンギヤからサイドギヤを介して車輪側に伝達され、悪路などで車輪間に駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピニオンギヤの自転によって各車輪側に差動分配される。
このとき、各ギヤとデフケ−スとの間で発生する噛み合い反力やヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって摩擦抵抗が発生し、差動制限力が得られる。
ところが、このような摩擦抵抗によって得られる差動制限力はあまり強いものではなく、車輪が空転するような悪路での走破性や脱出性が不充分である。しかし、摩擦抵抗による差動制限力を強化するためにヘリカルギヤの捩じれ角を大きくしても、ギヤの加工性と耐久性とが急激に低下する上に、差動をロックする程の大きな差動制限力は得られず、更に、良路走行時の直進性が強すぎて旋回時の円滑さが損なわれ、車両の挙動が不安定になり、タイヤの摩耗や騒音を増大させる。
そこで、上記のように、差動ロック機構237、241を設けて差動をロックすることにより、悪路での車両の脱出性や走破性を大きく改善させている。
しかし、差動ロック機構237では、上記のように、ロック部材243をヘリカルギヤサイドギヤ215に直接噛み合わせているから、サイドギヤ215が受けるトルクの方向によっては、ロック部材243にロック解除方向の噛み合いスラスト力が掛かることがある。
従って、この場合は、差動のロック状態を維持したいときにロックが解除されないように、アクチュエ−タを大型にする必要がある。
又、差動ロック機構241では、上記のように、ロック部材247がサイドギヤ223側のスパ−ギヤ249と噛み合っているから、噛み合いスラスト力による不都合なロック解除の問題はないが、この場合でも、ロック操作時の応答性を高めるためには、アクチュエ−タを大型にする必要がある。
更に、例えばデファレンシャル装置205のように、差動ロック機構241を構成するためには、サイドギヤ223にスパ−ギヤ249を一体形成する必要がある。一般に、デファレンシャル装置に差動ロック機構を組み込むためには、変更箇所が多く、差動ロック機能を持たない通常のデファレンシャル装置との互換性が失われ易い。
そこで、この発明は、アクチュエ−タを大型にせずに、迅速な差動ロック及び確実なロック状態の維持が可能であり、通常のデファレンシャル装置との互換性が高い差動ロック機能付きデファレンシャル装置の提供を目的とする。
請求項1のデファレンシャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデフケースと、デフケースの内部で回転自在に支承された一対の出力側サイドギヤと、これらサイドギヤの径方向外側に配置されサイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なくとも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔と、デフケースに対する差動回転部材に回転方向に連結されロックに用いられる他側のギヤ部を有する被ロック部材と、デフケースと一体に回転すると共にロックに用いられる一側のギヤ部を有するロック部材と、前記ピニオンギヤの端面側でかつ前記サイドギヤに形成されたボス部の外周側で前記一側のギヤ部と前記他側のギヤ部とが対向して設けられ、ロック部材を介して被ロック部材をデフケースにロックし、差動回転をロックするクラッチ機構と、クラッチ機構を連結操作するアクチュエータと、クラッチ機構が連結されると差動トルクを受けてクラッチ機構の連結力を増大させるカム機構とを備えたことを特徴とする。
デフケ−スを回転させるエンジンの駆動力は、ピニオンギヤからサイドギヤを介して各車輪に分配され、悪路などを走行中、車輪間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤの自転によってエンジンの駆動力は各車輪側に差動分配される。
又、このようにトルクを伝達している間、ピニオンギヤの噛み合い反力や、ヘリカルギヤ構成の場合の噛み合いスラスト力によって摩擦抵抗が発生し、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
ここで、差動回転部材側の被ロック部材とデフケ−ス側のロック部材との間に設けられたクラッチ機構を連結させると、差動回転部材の回転がロックされることによって差動がロックされ、車両の悪路脱出性や悪路走破性が大きく改善される。
又、クラッチ機構が連結されるとカム機構が作動し、そのカム力がクラッチ機構の連結力を強化し、セルフロック状態にする。
このように本発明は、ロック部材がサイドギヤと直接噛み合う従来例と異なり、差動回転部材にこれと別体の被ロック部材を噛み合わせ、この被ロック部材にロック部材を噛み合わせるように構成したから、各ギヤをヘリカルギヤにした場合でも、差動ギヤの噛み合いスラスト力と、クラッチ機構やカム機構などからなる差動ロック機構との相互の悪影響が防止される。
これに加えて、上記のようにカム機構によるセルフロック機能が得られるから、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にしないでも、応答性のよい迅速な差動ロック操作が可能であると共に、差動ロック状態での不都合なロック解除が防止され、差動ロック状態が正常に維持される。
請求項2のデファレンシャル装置は、請求項1のデファレンシャル装置において、デフケ−スにロック部材の貫通孔が設けられ、カム機構がこの貫通孔とロック部材との間に形成されたものであり、請求項1のデファレンシャル装置と同様に、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にせずに、応答性のよい差動ロック操作が可能になると共に、差動ロックが必要なときの不都合なロック解除が防止され、安定な差動ロック状態を維持できる。
これに加えて、デフケ−スに開口した既存の潤滑孔をロック部材用の貫通孔に利用すれば、クラッチ機構やカム機構などを組み込むために、デフケ−スを新規に加工する必要がなく、デフケ−スの強度低下と加工コストの上昇とが避けられる。
又、差動ロック機構を取り外せば、差動ロック機能を持たない通常のデファレンシャル装置になるから、通常のデファレンシャル装置との互換性が維持される。
請求項3のデファレンシャル装置は、請求項2のデファレンシャル装置において、被ロック部材が、差動回転部材であるサイドギヤと噛み合って連結されると共にピニオンギヤの端部と対向しながらデフケ−ス内壁の外側に配置され、ロック部材のクラッチ部が貫通孔の内側にあり、カム機構が、貫通孔の回転方向壁面とロック部材の回転方向側面との間に形成されたものであり、請求項2のデファレンシャル装置と同様に、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にせずに、応答性のよい差動ロック操作が可能になると共に、差動ロックが必要なときの不都合なロック解除が防止され、安定な差動ロック状態を維持できる。
これに加えて、被ロック部材を別体のサイドギヤと噛み合わせたから、各ギヤをヘリカルギヤにした場合でも、各ギヤの噛み合いスラスト力と差動ロック機構相互の悪影響が防止される。
又、差動ロックの状態では、クラッチ機構の噛み合い反力が被ロック部材を介してピニオンギヤをデフケ−スに押圧するから、この摩擦抵抗が差動ロック時にピニオンギヤの制止力として働き、迅速にロック状態を得ることができる。またロック状態を維持する場合にも、この摩擦抵抗による差動制止力が加わるので、すなわちトルク感応型の差動制限力が強化され、ロック状態の維持力を高めることができる。
又、被ロック部材はデフケ−スの内壁より外側に配置されているから、ピニオンギヤのスラスト力は、この内壁に掛かり被ロック部材には入力しない。従って、差動ロックが解除された状態では、差動ロック機構と差動制限特性相互の悪影響が避けられる。
請求項4のデファレンシャル装置は、請求項1ないし3のいずれかのデファレンシャル装置において、クラッチ機構の連結が解除されると、ロック部材をクラッチ機構の連結解除側に移動させる付勢部材を設けたものであり、請求項1ないし5のデファレンシャル装置と同様に、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にせずに、応答性のよい差動ロック操作が可能になると共に、差動ロックが必要なときの不都合なロック解除が防止され、安定な差動ロック状態を維持できる。
これに加えて、差動ロックを解除した状態(クラッチ機構の連結を解除した状態)では、付勢部材によってロック部材と被ロック部材とが切り離されるから、アクチュエ−タが作動していないときの差動ロックが防止される。又、被ロック部材が連結されている差動回転部材のスラスト力によって被ロック部材が多少移動しても、クラッチ機構が無用に連結されることが防止される。こうして、差動ロック機構の信頼性が高く保たれる。
請求項1のデファレンシャル装置は、差動回転部材に連結された被ロック部材と、デフケ−スと一体に回転するロック部材との間に設けられたクラッチ機構と、クラッチ機構を連結操作するアクチュエ−タと、クラッチ機構が連結されると差動トルクを受けてクラッチ機構の連結力を増大させるカム機構とを備えており、トルクの伝達中、ピニオンギヤの噛み合い反力やヘリカルギヤ構成の場合の噛み合いスラスト力によって摩擦抵抗が発生し、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
又、クラッチ機構を連結させると差動がロックされ、クラッチ機構が連結されると、カム機構が作動してクラッチ機構をセルフロック状態にする。こうして、車両の悪路脱出性や悪路走破性が大きく改善される。
このように、ロック部材がサイドギヤと直接噛み合う従来例と異なり、差動回転部材に別体の被ロック部材を噛み合わせ、この被ロック部材にロック部材を噛み合わせるように構成したから、ヘリカルギヤ構成の場合でも噛み合いスラスト力と差動ロック機構相互の悪影響が防止される。
更に、上記のようにカム機構によるセルフロック機能が得られるから、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にしないでも、応答性のよいロック操作が可能であると共に、差動ロック状態での不都合なロック解除が防止され、ロック状態が正常に維持される。
請求項2のデファレンシャル装置は、請求項1のデファレンシャル装置と同様に、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にせずに、応答性のよいロック操作が可能になると共に、差動ロックが必要なときの不都合なロック解除が防止され、安定なロック状態を維持できる。又、ヘリカルギヤ構成の場合でも噛み合いスラスト力と差動ロック機構相互の悪影響が防止される。
これに加えて、クラッチ機構とカム機構とをデフケ−スの内部に配置したから、デフケ−ス外部への突き出し部が少なく、収納容器への収納やレイアウトが更に容易になる。
又、サイドギヤにフランジ部を設けたことによって摺動面積が増大し、噛み合いスラスト力によるトルク感応型の差動制限力が大きく強化される。
請求項3のデファレンシャル装置は、請求項2のデファレンシャル装置と同様に、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にせずに、応答性のよいロック操作が可能になると共に、不都合なロック解除が防止され、安定なロック状態を維持できる。又、ヘリカルギヤ構成の場合でも噛み合いスラスト力と差動ロック機構相互の悪影響が防止される。
これに加えて、中心を貫通する操作ロッドによりピニオンギヤが支持されて耐久性が向上し、ピニオンギヤを中空にしただけデファレンシャル装置が軽量化し燃費が向上する。
又、ピニオンギヤの貫通孔と操作ロッドの間でギヤの噛み合い反力による摩擦抵抗が得られ、この摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限力が強化される。
請求項4のデファレンシャル装置は、請求項1ないし3のいずれかのデファレンシャル装置と同様に、アクチュエ−タやクラッチ機構などを大型にせずに、応答性のよいロック操作が可能になると共に、差動ロックが必要なときの不都合なロック解除が防止され、安定なロック状態を維持できる。又、ヘリカルギヤ構成の場合でも噛み合いスラスト力と差動ロック機構相互の悪影響が防止される。
これに加えて、差動ロックを解除した状態では、付勢部材がロック部材と被ロック部材とを切り離すから、アクチュエ−タが作動していないときの無用な差動ロックが防止されると共に、差動回転部材のスラスト力によって被ロック部材が多少移動しても、クラッチ機構が不意に連結されることが防止される。こうして、差動ロック機構の信頼性が高く保たれる。
図1ないし図6により本発明の第1実施形態を説明する。図1はこの実施形態のデファレンシャル装置1を示している。なお、左右の方向は図1での左右の方向である。
デファレンシャル装置1は車両の前輪側又は後輪側の車軸上に配置される。
図1のように、デファレンシャル装置1のデフケ−ス3は、ケ−シング本体5の左側にカバ−7をボルトで固定し、右側にカバ−9をボルト11で固定して構成されている。デフケ−ス3にはリングギヤが固定されており、このリングギヤはエンジンの駆動力を伝達する動力伝達系の出力ギヤと噛み合っている。こうして、デフケ−ス3はエンジンの駆動力によって回転駆動される。
デファレンシャル装置1はデフキャリヤの内部に配置されており、デフケ−ス3のボス部13、15はベアリングを介してデフキャリヤに支承されている。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられており、デファレンシャル装置1は、静止状態では下部がこのオイル溜りに浸されており、回転するとオイル溜りからオイルを撥ね上げる。
デフケ−ス3の内部には、それぞれヘリカルギヤで構成された出力側のサイドギヤ17、19が配置されている。各サイドギヤ17、19の中空のボス部21、23はデフケ−ス3の支承部25、27によって回転自在に支承されている。サイドギヤ17のボス部21は左の車軸(出力軸)にスプライン連結され、サイドギヤ19のボス部23は右の車軸(出力軸)にスプライン連結されている。
サイドギヤ17、19とデフケ−ス3との間にはそれぞれスラストワッシャ29、31が配置され、サイドギヤ17、19の間にはスラストワッシャ33が配置されている。
デフケ−ス3には4組の収納孔35、37が周方向に形成されている。これらの収納孔35、37にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短のピニオンギヤ39、41が摺動回転自在に収納されている。
長いピニオンギヤ39は、第1と第2のギヤ部43、45とこれらを連結する小径の軸部47とからなり、第1ギヤ部43はサイドギヤ19と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ41は、互いの間に軸部を持たない第1と第2のギヤ部49、51からなり、第1ギヤ部49はサイドギヤ17と噛み合っている。又、各ギヤ39、41の第2ギヤ部45、51はサイドギヤ17、19の軸方向左側で互いに噛み合っている。
デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動力は、ピニオンギヤ41、39からサイドギヤ17、19を介して左右の車輪に分配され、悪路走行中などに、車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ41、39の自転によってエンジンの駆動力は左右の車輪に差動分配される。
トルクの伝達中、各ピニオンギヤ39、41の歯先はサイドギヤ19、17との噛み合い反力により収納孔35、37の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって各ピニオンギヤ39、41とデフケ−ス3との間で摩擦抵抗が発生すると共に、スラストワッシャ29、31を介してサイドギヤ17、19とデフケ−ス3との間で、又、スラストワッシャ33を介してサイドギヤ17、19の間でそれぞれ摩擦抵抗が発生する。
これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
図1のように、デフケ−ス3の右カバ−9側(サイドギヤ17、19の軸方向右側)には、差動ロック機構53が配置されている。この差動ロック機構53は、クラッチ機構55とカム機構57とアクチュエ−タ59などから構成されている。
クラッチ機構55は、ロックギヤ61(被ロック部材)とロック部材63とから構成されている。
ロックギヤ61はリング状の部材であり、その内周は右のサイドギヤ19(差動回転部材)と噛み合い、その外周はカバ−9に形成された支承部65の内周に回転自在に支承されている。又、ロックギヤ61の左端面67は、ピニオンギヤ39の右端面と摺動可能であると共に、この左端面67はカバ−9の内壁69より右側(軸方向外側)まで、サイドギヤ19上を移動可能である。
又、ロック部材63は、リング状の基部71と、この基部71と一体に形成された4本の脚部73とからなっている。図2のように、カバ−9には4個の潤滑用の貫通孔75が設けられており、ロック部材63の脚部73はそれぞれこれらの貫通孔75からデフケ−ス3の内部に貫入している。
図1、4、5、6のように、ロックギヤ61には、一側ギヤ部77が設けられ、ロック部材63には他側のギヤ部79が設けられている。そしてこれら一側と他側のギヤ部77、79(クラッチ部)は互いに噛み合う。ロック部材63のギヤ部79は貫通孔75の内側に突き出ており、ロック部材63が、図1の位置から図3の位置まで左方に移動すると、これらのギヤ部77、79が噛み合ってクラッチ機構55が連結される。クラッチ機構55が連結されると、サイドギヤ19の回転がロックされ、デファレンシャル装置1の差動がロックされる。
カム機構57は、図4、5、6のように、ロック部材63の回転方向側部と貫通孔75の回転方向壁面との間で回転方向両側に形成されている。クラッチ機構55が連結されると、カム機構57にはサイドギヤ19からのトルクが入力し、図5のような、カム力F1でロック部材63をロックギヤ61の方向に押圧する。一方、ギヤ部77、79には、カム角による噛み合い反力F2が生じ、ロック部材63を押し返すが、カム機構57のカム力F1はこの噛み合い反力F2より大きい。
従って、クラッチ機構55が一旦連結されると、クラッチ機構55はカム力F1によってセルフロック状態になり、図6のように、ギヤ部77、79は完全に噛み合って差動ロック状態が維持される。
アクチュエ−タ59はリング状であって、デフケ−ス3のボス部15の周囲に配置されている。アクチュエ−タ59は、圧力室81を構成する固定部材83及びダイヤフラム85と、押圧部材87とからなっている。固定部材83はデフキャリヤ側に固定されており、押圧部材87はリベット89でダイヤフラム85に固定されている。押圧部材87はボルト91でロック部材63に固定された摺動部材93と対向している。
この摺動部材93とカバ−9との間にはリテ−ナ95、97を介してコイルばね99(付勢部材)が配置されている。このコイルばね99はロック部材63をクラッチ機構55の連結解除側(右方)に付勢している。
アクチュエ−タ59の圧力室81にエア圧を供給すると、図3のように圧力室81が膨張し、押圧部材87が、コイルばね99を撓めながら、摺動部材93を介してロック部材63を左方へ移動させ、クラッチ機構55を連結して差動をロックする。上記のように、このロック状態はカム機構57のセルフロック機能によって維持される。
エア圧の供給を停止すると、コイルばね99の付勢力によってクラッチ機構55の連結と差動ロックとが解除される。このとき、図4のように、ロック部材63はロックギヤ61から完全に切り離される。
デフケ−ス3には、図1のように、カバ−9の貫通孔75の他にカバ−7にも貫通孔101が設けられており、デフケ−ス3の回転時と回転停止時とを問わず、オイル溜りのオイルはこれらの貫通孔75、101からデフケ−ス3の内部に流入する。流入したオイルは、収納孔35、37、各ギヤの噛み合い部、トルク感応型の差動制限力が発生する各摺動部、クラッチ機構55やカム機構57などに供給され、これらを潤滑する。
こうして、デファレンシャル装置1が構成されている。
デファレンシャル装置1を搭載した車両は、そのトルク感応型の差動制限機能によって、発進時や加速時のように大きなトルクが掛かった時の車体の挙動が向上する。
又、悪路などで一側車輪が空転したときは、差動ロック機構53によって差動をロックすれば、空転車輪からの駆動トルクの逃げが防止され、他側車輪に大きな駆動力が送られて、悪路の脱出性と走破性とが大きく向上する。
上記のように、デファレンシャル装置1は、サイドギヤ19に別体のロックギヤ61を噛み合わせ、このロックギヤ61にロック部材63を噛み合わせる構成であり、従来例のようなヘリカルサイドギヤにロック部材を直接噛み合わせる構成ではない。従って、各ギヤをヘリカルギヤで構成したデファレンシャル装置1でも、ロック解除方向の噛み合いスラスト力が差動ロック機構53に入力することがない。又、ロックギヤ61がサイドギヤ19と別体であるから、ロックギヤ61に生じた噛み合いスラスト力が差動制限特性に悪影響を与えることも避けられる。
このようにロック解除方向の力が差動ロック機構53に掛からないことに加えて、カム機構57によるセルフロック機能が得られるから、アクチュエ−タ59やクラッチ機構55などを大型にしないでも、応答性のよい差動ロック操作が行えると共に、悪路などでの不都合なロック解除が防止され、悪路脱出性と悪路走破性などが正常に維持される。
貫通孔75はデフケ−ス3に設けられている既存の潤滑孔であり、この貫通孔75をロック部材63用の貫通孔に利用したから、差動ロック機構53を組み込むために、デフケ−ス3に新規の加工を施す必要がない。従って、デフケ−ス3の強度低下と加工コストの上昇とが避けられる。
又、ロックギヤ61の外周がデフケ−ス3の支承部65に支承され、ロック部材63との位置合わせが行われているから、クラッチ機構55の噛み合い不良と抜け不良とが防止され、差動ロックとロック解除とが常に円滑に行われる。
差動をロックしたときは、ロックギヤ61に掛かるクラッチ機構55の噛み合い反力F2が、図1のように、ピニオンギヤ39をデフケ−ス3に押圧するから、この摩擦抵抗が差動ロック時にピニオンギヤの制止力として働き、迅速にロック状態を得ることができる。またロック状態を維持する場合にも、この摩擦抵抗による差動制止力が加わるので、すなわちトルク感応型の差動制限力が強化され、ロック状態の維持力を高めることができる。
又、ロックギヤ61はカバ−9の内壁69の右側まで移動可能であるから、ピニオンギヤ39の噛み合いスラスト力は、この内壁69に掛かりロックギヤ61には入力しない。従って、差動ロックを解除した状態で、差動ロック機構53と差動制限特性相互の悪影響が避けられる。
更に、差動ロックを解除した状態では、コイルばね99がロック部材63をロックギヤ61から切り離すから、アクチュエ−タ59が作動していないときの差動ロックが防止される。又、サイドギヤ19のスラスト力によってロックギヤ61が多少移動しても、必要がないときにクラッチ機構55が無用に連結されることが防止される。こうして、差動ロック機構53の信頼性が高く保たれる。
又、各ピニオンギヤ39、41の第2ギヤ部45、51と差動ロック機構53とをサイドギヤ17、19のそれぞれ軸方向左側と右側とに配置したから、これらを両方ともサイドギヤ17、19の軸方向一側に配置した構成と較べて、デファレンシャル装置1が軸方向に大型化することが避けられ、デフキャリヤへの収納やレイアウトが容易になる。
デファレンシャル装置1は、差動ロック機構53を取り外せば、差動ロック機能を持たない通常のデファレンシャル装置になる。又、上記のように、既存の潤滑孔を利用して差動ロック機構53を組付ければ通常のデファレンシャル装置に差動ロック機能を付加することが容易である。こうして、通常のデファレンシャル装置との互換性が維持される。
次に、図7、8により本発明の第2実施形態を説明する。図7はこの実施形態のデファレンシャル装置103を示している。左右の方向は図7での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示されていない。なお、これらの図面と以下の説明の中で、第1実施形態(デファレンシャル装置1)の部材と同機能の部材には同一の符号を与えると共に、これら同機能部材の説明は省いている。
デファレンシャル装置103は車両の前輪側又は後輪側の車軸上に配置される。
図7のように、デファレンシャル装置103のデフケ−ス105は、ケ−シング本体107の左側にカバ−109を、右側にストッパ−リング111をそれぞれボルトで固定して構成されている。デフケ−ス105にはリングギヤが固定されており、このリングギヤはエンジンの駆動力を伝達する動力伝達系の出力ギヤと噛み合っている。こうして、デフケ−ス105はエンジンの駆動力によって回転駆動される。
デファレンシャル装置103のボス部113、115はベアリングを介してデフキャリヤの内部に支承されている。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられている。
デフケ−ス105の内部には、ヘリカルギヤで構成された出力側のサイドギヤ117、119が配置されている。サイドギヤ117の中空のボス部121にはフランジ部123が一体に形成されている。又、サイドギヤ119の中空のボス部125はデフケ−ス105の支承部127によって回転自在に支承されている。サイドギヤ117、119は互いの間に形成された支承部129で自由端を支持しあい、センタ−リングしている。
これらのボス部121、125はそれぞれ左と右の車軸(出力軸)にスプライン連結されている。
フランジ部123とデフケ−ス105との間にはスラストワッシャ131が配置され、サイドギヤ119とデフケ−ス105との間にはスラストワッシャ133が配置され、サイドギヤ117、119の間にはスラストワッシャ135が配置されている。
デフケ−ス105には複数組の収納孔137、139が周方向に形成されている。これらの収納孔137、139にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短のピニオンギヤ141、143が摺動回転自在に収納されている。
長いピニオンギヤ141は、第1と第2のギヤ部145、147とこれらを連結する小径の軸部149とからなり、第1ギヤ部145はサイドギヤ117と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ143は、互いの間に軸部を持たない第1と第2のギヤ部151、153からなり、第1ギヤ部151はサイドギヤ119と噛み合っている。又、各ギヤ141、143の第2ギヤ部147、153はサイドギヤ117、119の軸方向右側で互いに噛み合っている。
長いピニオンギヤ141の中心には貫通孔155が形成されている。デフケ−ス105の外部からストッパ−リング111とこの貫通孔155を、後述の、操作ロッド157が貫通している。ピニオンギヤ141は、歯先が収納孔137に支承されると共に、この操作ロッド157によって貫通孔155が支持されている。
デフケ−ス105を回転させるエンジンの駆動力は、ピニオンギヤ141、143からサイドギヤ117、119を介して左右の車輪に分配され、悪路走行中などに、車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ141、143の自転によってエンジンの駆動力は左右の車輪に差動分配される。
トルクの伝達中、噛み合い反力により各ピニオンギヤ141、143の歯先と収納孔137、139の間で摩擦抵抗が発生し、ピニオンギヤ141の貫通孔155と操作ロッド157の間で摩擦抵抗が発生する。
又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力により、各ピニオンギヤ141、143の端面とデフケ−ス105の間で摩擦抵抗が発生し、スラストワッシャ131を介してフランジ部123とデフケ−ス105との間で、又スラストワッシャ133を介してサイドギヤ119とデフケ−ス105との間で摩擦抵抗が発生し、スラストワッシャ135を介してサイドギヤ117、119の間で摩擦抵抗が発生する。
これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
デファレンシャル装置103において、差動ロック機構159はクラッチ機構161とカム機構163とアクチュエ−タ59などから構成されている。図7のように、クラッチ機構161とカム機構163はサイドギヤ117、119の軸方向左側に配置され、アクチュエ−タ59はデフケ−ス105の右側外部に配置されている。
クラッチ機構161は、ロックギヤ165(被ロック部材)とリング状のロック部材167とから構成されている。
ロックギヤ165は、左サイドギヤ117(差動回転部材)のフランジ部123に形成されている。又、ロック部材167は、図7のように、ピニオンギヤ141の第1ギヤ部145とロックギヤ165との間に配置されており、右端側を操作ロッド157に対向させている。
このように、クラッチ機構161とカム機構163はデフケ−ス105の内側に配置されている。
図7、8のように、ロック部材167には、一側のギヤ部としてのロックギヤ165と噛み合う他側のギヤ部としてのギヤ部169(クラッチ部)が設けられている。ロック部材167が左方に移動すると、ギヤ部169がロックギヤ165と噛み合ってクラッチ機構161が連結され、サイドギヤ117の回転ロックによりデファレンシャル装置103の差動がロックされる。
ロックギヤ165が形成されたフランジ部123とロック部材167の各外周は、デフケ−ス105の支承部171でガイドされ、クラッチ機構161の係脱を円滑にしている。
カム機構163は、図7、8のように、ロック部材167とケ−シング本体107との間に形成されている。クラッチ機構161が連結されると、カム機構163にはサイドギヤ117からのトルクが入力し、カム力F1でロック部材167をロックギヤ165の方向に押圧する。一方、クラッチ機構161にはロックギヤ165とギヤ部169のカム角によって噛み合い反力F2が生じ、ロック部材167を押し返すが、カム機構163のカム力F1はこの噛み合い反力F2より大きい。
従って、一旦クラッチ機構161が連結されると、クラッチ機構161はカム力F1によってセルフロック状態になり、差動ロック状態が維持される。
ロックギヤ165とロック部材167との間にはコイルばね173(付勢部材)が配置されている。このコイルばね173はロック部材167をクラッチ機構161の連結解除側(右方)に付勢している。
リング状のアクチュエ−タ59は、デフケ−ス105のボス部115の周囲に配置され、その固定部材83はデフキャリヤ側に固定されている。ピニオンギヤ141を貫通する操作ロッド157はリング状の基部175と一体に形成されており、この基部175の右端部には摺動部材93がボルト177で固定されている。アクチュエ−タ59の押圧部材87はこの摺動部材93と対向している。
アクチュエ−タ59の圧力室81にエア圧を供給すると、押圧部材87が、コイルばね173を撓めながら、摺動部材93と操作ロッド157とを介してロック部材167を左方へ移動させ、クラッチ機構161を連結して差動をロックする。このロック状態は、上記のように、カム機構163のセルフロック機能によって維持される。
エア圧の供給を停止すると、コイルばね173の付勢力によってクラッチ機構161の連結と差動ロックとが解除される。このとき、ロック部材167はロックギヤ165から完全に切り離される。
デフケ−ス105には貫通孔が設けられており、デフケ−ス105の回転時と回転停止時とを問わず、オイル溜りのオイルがこれらの貫通孔から内部に流入し、流入したオイルは、収納孔137、139、各ギヤの噛み合い部、トルク感応型の差動制限力が発生する各摺動部、クラッチ機構161やカム機構163などに供給され、これらを潤滑する。
こうして、デファレンシャル装置103が構成されている。
デファレンシャル装置103を搭載した車両は、そのトルク感応型の差動制限機能によって、発進時や加速時のように大きなトルクが掛かった時の車体の挙動が向上する。
又、悪路などで一側車輪が空転したときは、差動ロック機構159によって差動をロックすれば、空転車輪からの駆動トルクの逃げが防止され、他側車輪に大きな駆動力が送られて、悪路の脱出性と走破性とが大きく向上する。
デファレンシャル装置103は、上記のデファレンシャル装置1と同様に、ヘリカルサイドギヤにロック部材を直接噛み合わせる従来例のような構成ではないから、各ギヤをヘリカルギヤで構成しても、ロック解除方向の噛み合いスラスト力が差動ロック機構159に掛からない。これに加えて、カム機構163によるセルフロック機能が得られる。
従って、アクチュエ−タ59やクラッチ機構161などを大型にしないでも、応答性のよい差動ロック操作が行えると共に、悪路などでの不都合なロック解除が防止され、悪路脱出性と悪路走破性などが正常に維持される。
上記のように、クラッチ機構161を構成するロックギヤ165(フランジ部123)とロック部材167がデフケ−ス105の支承部171にガイドされているから、差動ロックとロック解除(クラッチ機構161の連結と連結解除)は常に円滑に行われる。
差動ロックを解除した状態で、コイルばね173の付勢力はロック部材167を介してデフケ−ス105の受圧面179に掛かるから、差動制限特性への悪影響が避けられる。
更に、差動ロックを解除した状態では、コイルばね173によってロック部材167がロックギヤ165から切り離されるから、アクチュエ−タ59が作動していないときの無用な差動ロックが避けられる。又、噛み合いスラスト力によってサイドギヤ117と共にロックギヤ165が多少移動しても、必要がないときクラッチ機構161が不意に連結されることが防止される。こうして、差動ロック機構159の信頼性が高く保たれる。
更に、各ピニオンギヤ141、143の第2ギヤ部147、153と差動ロック機構159のクラッチ機構161とカム機構163とをサイドギヤ117、119の軸方向右側と左側とにそれぞれ配置したから、これらを両方ともサイドギヤ117、119の軸方向一側に配置した構成と較べて、デファレンシャル装置103が軸方向に大型化することが避けられ、デフキャリヤへの収納やレイアウトが容易になる。
デファレンシャル装置103から差動ロック機構159を取り外せば、差動ロック機能を持たない通常のデファレンシャル装置になる。こうして、通常のデファレンシャル装置との互換性が維持される。
これに加えて、上記のように、クラッチ機構161とカム機構163とをデフケ−ス105の内部に配置したから、デフケ−ス105外部への突き出し部が少なく、デフキャリヤへの収納やレイアウトが更に容易になる。
又、ピニオンギヤ141の中心を操作ロッド157が貫通することによってピニオンギヤ141の支持性が向上し、デファレンシャル装置103の耐久性が向上する。又、ピニオンギヤ141を中空にしただけ、デファレンシャル装置103が軽量化し、車両の燃費が向上する。
更に、この貫通孔155と操作ロッド157の間で噛み合い反力による摩擦抵抗が得られ、この摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限力が強化されている。
これに加えて、サイドギヤ117にフランジ部123を設けスラストワッシャ131との摺動面積を増大させたから、噛み合いスラスト力によるトルク感応型の差動制限力が大きく強化されている。
なお、請求項4の構成で、カム機構をデフケ−スのカバ−とロック部材との間に形成してもよい。
又、本発明において、ピニオンギヤとサイドギヤはヘリカルギヤでなくスパ−ギヤで構成してもよい。
更に、本発明において、一対のピニオンギヤは、第2ギヤ部がサイドギヤの内側で噛み合う等長のピニオンギヤでも、あるいは、両端に設けられた第2ギヤ部がサイドギヤの軸方向両側で噛み合う等長のピニオンギヤでもよい。
本発明のデファレンシャル装置は、フロントデフ(前輪側の車軸上に配置されたデファレンシャル装置)、リヤデフ(後輪側の車軸上に配置されたデファレンシャル装置)、センタ−デフ(エンジンの駆動力を前輪側と後輪側に分配するデファレンシャル装置)のいずれにも用いることができる。
本発明の第1実施形態を示す断面図である。 図1のA矢視図であり、カバ−9の正面図である。 第1実施形態に用いられた差動ロック機構の断面図である。 第1実施形態に用いられたクラッチ機構とカム機構の展開図であり、差動ロックの解除状態を示す。 第1実施形態に用いられたクラッチ機構とカム機構の展開図であり、クラッチ機構が連結され、カム機構が作動を開始した状態を示す。 第1実施形態に用いられたクラッチ機構とカム機構の展開図であり、カム機構のカム力によるクラッチ機構のセルフロック状態を示す。 本発明の第2実施形態を示す断面図である。 第2実施形態に用いられたクラッチ機構とカム機構の展開図であり、図7のB−B断面図である。 第1の従来例の断面図である。 第2の従来例の断面図である。
符号の説明
1、103 デファレンシャル装置
3、105 デフケ−ス
17、119 出力側サイドギヤ
19、117 出力側サイドギヤ(差動回転部材)
35、37、137、139 収納孔
39、41、141、143 ピニオンギヤ
43、49、145、151 第1ギヤ部
45、51、147、153 第2ギヤ部
47、149 軸部
55、161 クラッチ機構
57、163 カム機構
59 アクチュエ−タ
61、165 ロックギヤ(被ロック部材)
63、167 ロック部材
65 支持部
69 内壁
75 デフケ−スの貫通孔
77、79、165、169 ギヤ部(クラッチ部)
99、173 コイルばね(付勢部材)
107 ケ−シング本体
109 カバ−
123 フランジ部
155 ピニオンギヤの貫通孔
157 操作ロッド(操作部材)

Claims (4)

  1. エンジンの駆動力により回転駆動されるデフケースと、デフケースの内部で回転自在に支承された一対の出力側サイドギヤと、これらサイドギヤの径方向外側に配置されサイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なくとも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔と、デフケースに対する差動回転部材に回転方向に連結されロックに用いられる他側のギヤ部を有する被ロック部材と、デフケースと一体に回転すると共にロックに用いられる一側のギヤ部を有するロック部材と、前記ピニオンギヤの端面側でかつ前記サイドギヤに形成されたボス部の外周側で前記一側のギヤ部と前記他側のギヤ部とが対向して設けられ、ロック部材を介して被ロック部材をデフケースにロックし、差動回転をロックするクラッチ機構と、クラッチ機構を連結操作するアクチュエータと、クラッチ機構が連結されると差動トルクを受けてクラッチ機構の連結力を増大させるカム機構とを備えたことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. デフケ−スにロック部材の貫通孔が設けられ、カム機構がこの貫通孔とロック部材との間に形成された請求項1のデファレンシャル装置。
  3. 被ロック部材が、差動回転部材であるサイドギヤと噛み合って連結されると共にピニオンギヤの端部と対向しながらデフケ−ス内壁の外側に配置され、ロック部材のクラッチ部が貫通孔の内側にあり、カム機構が、貫通孔の回転方向壁面とロック部材の回転方向側面との間に形成された請求項2のデファレンシャル装置。
  4. クラッチ機構の連結が解除されると、ロック部材をクラッチ機構の連結解除側に移動させる付勢部材を設けた請求項1ないし3のいずれかのデファレンシャル装置。
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