JP7132836B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、デファレンシャル装置に関する。
特許文献1には、デファレンシャル装置について開示がある。デファレンシャル装置は、デフケース内に、一対のピニオンギヤを収容する。ピニオンギヤには、デフケースの内面と対向する対向面に、潤滑溝が形成される。潤滑溝は、ピニオンギヤとデフケースの内面との間に潤滑油を供給する。
特開2018-013168号公報
デフケースが回転すると、ピニオンギヤは、遠心力によりデフケースの内面に当接し、デフケースの内面を押圧する。また、ピニオンギヤは、トルク伝達によりピニオンギヤ歯面に荷重が加わり、その反力でデフケース内面を押圧する。ピニオンギヤは、一対のサイドギヤに回転差が生じると、その差に応じて回転する。デフケースの内面は、ピニオンギヤの押圧および回転摺動により摩耗する。
デフケースの内面が摩耗すると、ピニオンギヤに形成された潤滑溝の潤滑油供給口が閉塞される。潤滑溝の潤滑油供給口が閉塞されると、潤滑溝に潤滑油が供給されなくなり、デフケースとピニオンギヤとの間の潤滑性が保たれなくなる。
本発明は、デフケースとピニオンギヤとの間の潤滑性を容易に保つことが可能なデファレンシャル装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のデファレンシャル装置は、デフケースと、デフケースに形成された貫通孔に挿通されるピニオンシャフトと、デフケースに収容され、ピニオンシャフトに対し回転自在に配されるピニオンギヤと、デフケースに形成され、ピニオンギヤと当接可能な当接部と、ピニオンギヤにおける当接部と対向する対向面に形成された潤滑溝と、潤滑溝のうち、ピニオンシャフトの径方向において最も内径側に形成される潤滑油供給口と、デフケースに形成され、ピニオンシャフトの径方向において、一端が貫通孔と潤滑油供給口との間に配され、他端が潤滑油供給口と対向面の外周縁との間に配される窪み部と、を備える。
ピニオンシャフトは、ピニオンギヤの内周面と対向する位置に切り欠き溝が形成されてもよい。
本発明によれば、デフケースとピニオンギヤとの間の潤滑性を容易に保つことができる。
図1は、デファレンシャル装置の説明図である。 図2は、図1のデフケースとピニオンシャフトとピニオンギヤとの部分拡大図である。 図3は、比較例におけるデフケースとピニオンシャフトとピニオンギヤとの部分拡大図である。 図4は、図3の摩耗後のデフケースとピニオンシャフトとピニオンギヤとの部分拡大図である。 図5は、図2の摩耗後のデフケースとピニオンシャフトとピニオンギヤとの部分拡大図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、デファレンシャル装置1の説明図である。図1では、デファレンシャル装置1が、車両に搭載された状態を示している。図1において、矢印Fは、車両の前進方向を示し、矢印Bは、車両の後進方向を示し、矢印Rは、車両の右方向を示し、矢印Lは、車両の左方向を示している。したがって、図1は、デファレンシャル装置1を上方から見た図である。
デファレンシャル装置1は、ハウジング3内に設けられる。ハウジング3には、駆動源(エンジンまたはモータ)に接続されるシャフト5が設けられる。シャフト5は、駆動源から伝達される駆動力により回転する。シャフト5の一端には、出力ギヤ5aが接続されている。出力ギヤ5aは、シャフト5と一体回転する。デファレンシャル装置1には、シャフト5および出力ギヤ5aを介して、駆動源の回転動力が入力される。
デファレンシャル装置1は、デフケース10を備える。デフケース10は、軸受BBを介してハウジング3に回転自在に支持される。デフケース10は、本体部10aと、フランジ部10bとを含んで構成される。本体部10aは、図中LR方向に中心軸(回転軸)が延在する大凡円筒形状である。フランジ部10bは、図中LR方向に中心軸(回転軸)が延在する大凡円盤形状である。フランジ部10bは、本体部10aの外周側面において、本体部10aの中心軸方向の一端側に一体形成されている。フランジ部10bは、本体部10aの径方向に突出する。
フランジ部10bには、出力ギヤ5aに噛合されるリングギヤ12が結合されている。リングギヤ12は、本体部10aの径方向外方において環状に延在している。デフケース10は、出力ギヤ5aおよびリングギヤ12を介して、シャフト5に連結される。デフケース10は、シャフト5から出力ギヤ5aおよびリングギヤ12を介して入力される回転動力により回転する。
本体部10aの外周側面には、貫通孔10cが形成される。貫通孔10cは、デフケース10の中心軸と直交する方向(以下、貫通孔延在方向という)に延在する。図1では、貫通孔10cは、FB方向に延在する。本体部10aの側壁部には、ピン孔10dが形成される。ピン孔10dは、デフケース10の中心軸と平行な方向に延在する。図1では、ピン孔10dは、LR方向に延在する。ピン孔10dは、貫通孔10cと交差する。つまり、ピン孔10dは、貫通孔10cと連通する。また、本体部10aの内部には、ギヤ室14が形成される。ギヤ室14は、貫通孔10cと連通する。ピン孔10dは、ギヤ室14より外径側に形成される。
貫通孔10cには、ピニオンシャフト16が挿通される。ピニオンシャフト16の両端部は、貫通孔10cと係合する。ピニオンシャフト16は、貫通孔延在方向に中心軸を沿わせて、本体部10aに取り付けられる。ギヤ室14は、ピニオンシャフト16の中央部を収容する。
ピニオンシャフト16には、ピン孔10dと対向する位置に、連通孔16aが形成される。連通孔16aは、ピン孔10dと連通する。ここで、ピン孔10dには、抜け止めピンPが挿通される。連通孔16aは、ピン孔10dを介して抜け止めピンPが挿通される。抜け止めピンPは、ピニオンシャフト16の軸方向(貫通孔延在方向)の移動と周方向の回転を規制する。ピニオンシャフト16は、抜け止めピンPにより軸方向の移動と周方向の回転が規制された状態で、本体部10aに保持される。
ギヤ室14には、一対のピニオンギヤ18が収容される。一対のピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト16に挿通される。一対のピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト16の両端側に配される。ピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト16の周方向に回転自在に設けられる。つまり、ピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト16の中心軸を回転軸として回転可能である。
ギヤ室14には、サイドギヤ20L、20Rが収容される。サイドギヤ20Lは、ピニオンギヤ18に対し、本体部10aの中心軸方向の一方側(図1中、L方向)に配され、ピニオンギヤ18と噛合する。サイドギヤ20Rは、ピニオンギヤ18に対し、本体部10aの中心軸方向の他方側(図1中、R方向側)に配され、ピニオンギヤ18と噛合する。サイドギヤ20L、20Rの中心軸(回転軸)は、本体部10aの中心軸(回転軸)と大凡等しくなるように配される。サイドギヤ20L、20Rは、回転軸中心が一直線上に位置している。
本体部10aの中心軸方向(図1中、LR方向)の両端部には、一対の挿通孔10eが形成される。一対の挿通孔10eは、LR方向に延在し、デフケース10の内部(すなわち、ギヤ室14)と外部を連通する。サイドギヤ20L、20Rは、それぞれ挿通孔10eに挿通される。
サイドギヤ20Lには、駆動輪シャフト22Lの先端が相対回転不能に取り付けられる。駆動輪シャフト22Lの中心軸(回転軸)は、本体部10aの中心軸(回転軸)と大凡等しくなるように配される。図1では、駆動輪シャフト22Lの中心軸は、LR方向に沿って配される。同様に、サイドギヤ20Rには、駆動輪シャフト22Rの先端が相対回転不能に取り付けられる。駆動輪シャフト22Rの中心軸(回転軸)は、本体部10aの中心軸(回転軸)と大凡等しくなるように配される。図1では、駆動輪シャフト22Rの中心軸は、LR方向に沿って配される。駆動輪シャフト22L、22Rは、回転軸中心が一直線上に位置している。駆動輪シャフト22L、22Rには、それぞれ車輪が設けられる。
デフケース10は、駆動輪シャフト22L、22Rの中心軸を回転中心として回転する。デフケース10が回転すると、ピニオンシャフト16およびピニオンギヤ18は、デフケース10と一体となって、駆動輪シャフト22L、22Rの中心軸を回転中心として回転(公転)する。このように、ピニオンギヤ18は、駆動輪シャフト22L、22Rの中心軸を回転中心として公転可能に設けられている。
ピニオンギヤ18が公転すると、ピニオンギヤ18に噛合するサイドギヤ20L、20Rを介して、駆動輪シャフト22L、22Rが回転する。これにより、駆動源の動力が車輪に伝達される。また、車両が旋回したとき、サイドギヤ20L、20Rの回転数に差が生じる。サイドギヤ20L、20Rの回転数に差が生じると、ピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト16の中心軸を回転中心として、サイドギヤ20L、20Rの回転数の差に応じた回転数で回転(自転)する。このように、ピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト16の中心軸を回転中心として自転可能に設けられている。サイドギヤ20L、20R(駆動輪シャフト22L、22R)の回転数の差がピニオンギヤ18により吸収され、回転数の差に応じたトルク分配がなされる。
図2は、図1のデフケース10とピニオンシャフト16とピニオンギヤ18との部分拡大図である。図2中、ピニオンシャフト16の中心軸方向をCLで示す。図2に示すように、ピニオンギヤ18は、対向面18aと、潤滑溝18bとを備える。
対向面18aは、中心軸方向CLにおいて、デフケース10の内面ISと対向する面である。対向面18aは、略球面形状である。潤滑溝18bは、対向面18aに形成される。潤滑溝18bは、内部に潤滑油を流通させ、デフケース10の内面ISと対向面18aとの間に潤滑油を供給する。潤滑溝18bの深さは、ピニオンギヤ18の外径側(図2中、R方向)ほど浅くなる。
潤滑溝18bは、対向面18aの内周縁に開口する潤滑油供給口Oを備える。潤滑油供給口Oは、潤滑溝18bのうち、ピニオンシャフト16の径方向において最も内径側(図2中、L方向)に形成される。潤滑油供給口Oは、潤滑油を潤滑溝18bに導入させる。なお、本実施形態では、潤滑溝18bは、対向面18aの外周縁に開口する潤滑油排出口を備えていない。潤滑溝18bに導入された潤滑油は、ピニオンギヤ18の対向面18aがデフケース10の内面ISから離隔する方向(図2中、B方向)に移動したとき、ピニオンギヤ18の対向面18aとデフケース10の内面との間から排出される。しかし、これに限定されず、潤滑溝18bは、対向面18aの外周縁に開口する潤滑油排出口を備えてもよい。
デフケース10の内面ISには、当接部10fと、窪み部10gとが形成される。当接部10fは、中心軸方向CLにおいて、ピニオンギヤ18の対向面18aと対向する位置に形成される。当接部10fは、ピニオンギヤ18の対向面18aと当接可能な面である。当接部10fは、ピニオンギヤ18の対向面18aと大凡等しい形状である。つまり、当接部10fは、略球面形状である。
窪み部10gは、当接部10fよりピニオンシャフト16(ピニオンギヤ18)の径方向内側(図2中、L方向)に形成される。窪み部10gは、中心軸方向CLにおいて、当接部10fよりもピニオンギヤ18から離隔する方向(図2中、F方向)に窪んでいる。窪み部10gは、ピニオンシャフト16(ピニオンギヤ18)の径方向(図2中、LR方向)において、一端が貫通孔10cに接続され、他端が潤滑油供給口O(対向面18aの内周縁)と対向面18aの外周縁との間に配される。窪み部10gは、中心軸方向CLにおいて、潤滑油供給口Oと対向する。
ただし、窪み部10gは、中心軸方向CLにおいて、少なくとも一部が潤滑油供給口Oと対向していればよい。したがって、窪み部10gは、ピニオンシャフト16の径方向において、一端が貫通孔10cと潤滑油供給口Oとの間に配されていればよく、また、他端が潤滑油供給口Oと対向面18aの外周縁との間に配されていればよい。
ピニオンシャフト16は、切り欠き溝16bを備える。切り欠き溝16bは、ピニオンシャフト16の外周側面に形成される。切り欠き溝16bは、ピニオンギヤ18の内径側(図2中、L方向)の内周面18cと対向する位置に形成される。ピニオンシャフト16に切り欠き溝16bが形成されることで、ピニオンギヤ18の内周面18cと切り欠き溝16bとの間には、空隙Saが形成される。
つぎに、デフケース10内の潤滑油の潤滑経路について説明する。ハウジング3(図1参照)内には、潤滑油が注入されている。ハウジング3内の潤滑油は、デフケース10の本体部10aに形成された不図示の開口を介して、デフケース10内に流入する。
図2に示すように、デフケース10内に流入した潤滑油は、デフケース10が回転すると、遠心力により破線矢印のように移動し、デフケース10の回転中心軸部から空隙Saに流入する。空隙Saに流入した潤滑油は、ピニオンギヤ18の内周面18cとピニオンシャフト16との間を潤滑する。内周面18cとピニオンシャフト16との間を潤滑した潤滑油は、遠心力により破線矢印のように移動し、潤滑油供給口Oを介して潤滑溝18bに導入される。潤滑溝18bに導入された潤滑油は、潤滑溝18b内を破線矢印のように移動する。潤滑溝18b内を移動した潤滑油は、デフケース10の当接部10fとピニオンギヤ18の対向面18aとの間を潤滑する。
ところで、ピニオンギヤ18は、デフケース10が回転すると、遠心力により対向面18aがデフケース10の当接部10fと当接し、当接部10fを押圧する。また、トルク伝達によって、ピニオンギヤ18の歯面に荷重が加わり、その反力で対向面18aがデフケース10の当接部10fと当接し、当接部10fを押圧する。サイドギヤ20R、20L(図1参照)に回転差が生じると、ピニオンギヤ18は、サイドギヤ20R、20Lの回転差に応じて回転する。デフケース10の当接部10fは、ピニオンギヤ18の押圧および回転摺動により摩耗する。
図3は、比較例におけるデフケース110とピニオンシャフト16とピニオンギヤ18との部分拡大図である。比較例におけるデファレンシャル装置100は、本実施形態におけるデファレンシャル装置1とデフケース110の構成のみが異なる。本実施形態と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、比較例におけるデファレンシャル装置100は、デフケース110を備える。デフケース110の内面ISには、当接部10fが形成される。しかし、デフケース110の内面ISには、本実施形態の窪み部10gが形成されていない。
ピニオンギヤ18は、デフケース110が回転すると、遠心力により対向面18aがデフケース110の当接部10fと当接し、当接部10fを押圧する。また、トルク伝達によって、ピニオンギヤ18の歯面に荷重が加わり、その反力で対向面18aがデフケース10の当接部10fと当接し、当接部10fを押圧する。サイドギヤ20R、20L(図1参照)に回転差が生じると、ピニオンギヤ18は、サイドギヤ20R、20Lの回転差に応じて回転する。デフケース110の当接部10fは、ピニオンギヤ18の押圧および回転摺動により摩耗する。
図4は、図3の摩耗後のデフケース110とピニオンシャフト16とピニオンギヤ18との部分拡大図である。図4では、デフケース110の当接部10fがピニオンギヤ18の対向面18aとの摩擦により摩耗した状態を示している。図4に示す当接部10fは、図3に示す当接部10fの位置よりも、ピニオンシャフト16の中心軸方向CLに沿ってピニオンギヤ18から離隔する方向(図4中、F方向)に位置する。
ピニオンギヤ18は、デフケース110が回転した際の遠心力またはギヤ反力により、ピニオンシャフト16の中心軸方向CLに沿ってデフケース110の当接部10fと近接する方向(図4中、F方向)に移動する。ピニオンギヤ18が図4中、F方向に移動すると、ピニオンギヤ18の対向面18aは、デフケース110の当接部10fと当接する。
このとき、デフケース110の摩耗した内面ISにより、ピニオンギヤ18に形成された潤滑溝18bの潤滑油供給口Oが閉塞される。潤滑油供給口Oが閉塞されると、潤滑油は、図4中、破線矢印で示すようにデフケース110の内面ISにより堰き止められ、潤滑溝18bに流入し難くなる。つまり、潤滑油供給口Oが閉塞されると、デフケース110の内面ISとピニオンギヤ18の対向面18aとの間の潤滑性が保たれなくなる。
一方、本実施形態のデフケース10の内面ISには、図2に示すように、窪み部10gが形成される。デフケース10に窪み部10gが形成されることで、デフケース10の内面ISが摩耗しても、潤滑溝18bの潤滑油供給口Oは、閉塞され難くなる。
図5は、図2の摩耗後のデフケース10とピニオンシャフト16とピニオンギヤ18との部分拡大図である。図5では、デフケース10の当接部10fがピニオンギヤ18の対向面18aとの摩擦により摩耗した状態を示している。図5に示す当接部10fは、図2に示す当接部10fの位置よりも、ピニオンシャフト16の中心軸方向CLに沿ってピニオンギヤ18から離隔する方向(図5中、F方向)に位置する。
ピニオンギヤ18は、デフケース10が回転した際の遠心力またはギヤ反力により、ピニオンシャフト16の中心軸方向CLに沿ってデフケース10の当接部10fと近接する方向(図5中、F方向)に移動する。ピニオンギヤ18が図5中、F方向に移動すると、ピニオンギヤ18の対向面18aは、デフケース10の当接部10fと当接する。
このとき、デフケース10に窪み部10gが形成されることで、潤滑溝18bの潤滑油供給口Oとピニオンシャフト16(あるいは、デフケース10の内面IS)との間には、空隙Sbが形成される。これにより、潤滑油供給口Oは、空隙Sbを介して潤滑油を潤滑溝18bに供給することができる。
デフケース10が回転すると、空隙Saに流入した潤滑油は、図5に示すように遠心力により破線矢印のように移動し、空隙Saから窪み部10g(空隙Sb)に流入する。空隙Sbに流入した潤滑油は、潤滑油供給口Oを介して潤滑溝18bに導入される。潤滑溝18bに導入された潤滑油は、潤滑溝18b内を破線矢印のように移動する。潤滑溝18b内を移動した潤滑油は、デフケース10の当接部10fとピニオンギヤ18の対向面18aとの間を潤滑する。
このように、本実施形態のデファレンシャル装置1は、デフケース10に窪み部10gを形成している。これにより、デフケース10の内面ISが摩耗しても、潤滑溝18bの潤滑油供給口Oは、閉塞され難くなる。その結果、デファレンシャル装置1は、デフケース10の内面ISとピニオンギヤ18の対向面18aとの間の潤滑性を容易に保つことができる。
以上、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態では、ピニオンシャフト16に切り欠き溝16bが形成される例について説明した。しかし、これに限定されず、ピニオンシャフト16には、切り欠き溝16bが形成されなくてもよい。
本発明は、デファレンシャル装置に利用できる。
1 デファレンシャル装置
10 デフケース
10c 貫通孔
10f 当接部
10g 窪み部
16 ピニオンシャフト
16b 切り欠き溝
18 ピニオンギヤ
18a 対向面
18b 潤滑溝
18c 内周面
O 潤滑油供給口

Claims (2)

  1. デフケースと、
    前記デフケースに形成された貫通孔に挿通されるピニオンシャフトと、
    前記デフケースに収容され、前記ピニオンシャフトに対し回転自在に配されるピニオンギヤと、
    前記デフケースに形成され、前記ピニオンギヤと当接可能な当接部と、
    前記ピニオンギヤにおける前記当接部と対向する対向面に形成された潤滑溝と、
    前記潤滑溝のうち、前記ピニオンシャフトの径方向において最も内径側に形成される潤滑油供給口と、
    前記デフケースに形成され、前記ピニオンシャフトの径方向において、一端が前記貫通孔と前記潤滑油供給口との間に配され、他端が前記潤滑油供給口と前記対向面の外周縁との間に配される窪み部と、
    を備えるデファレンシャル装置。
  2. 前記ピニオンシャフトは、前記ピニオンギヤの内周面と対向する位置に切り欠き溝が形成される請求項1に記載のデファレンシャル装置。
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