JP2006052810A - 作業機械用油圧回路の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の油圧回路装置に僅かな変更だけで、暖気運転を行えるようにし作業機を確実に作動(アンクランプ動作)させる。また、暖気運転中でも本来の作業が行え、作業効率を向上させる。
【解決手段】操作盤のスイッチの操作で、「暖気運転」モードが選択できる。暖気運転が選択されると、コントローラは、クランプ・ブレーキ用制御弁12をクランプ側弁位置に切り換えるための制御信号を、暖気運転に適した時間(例ば3分間)出力し続ける。通常運転モード時の設定時間t1よりもΔt1だけ延長した時間、制御弁がアンクランプ弁位置側に作動され、時間t1+Δt1経過後に、スライド排出動作される。また、通常運転モード時の設定時間t2よりもΔt2だけ延長した時間、制御弁がクランプ弁位置12dに作動され、設定時間t2+Δt2経過後に、スライド戻り動作される。通常運転モード時の設定時間をそれぞれ延長させた設定時間で1サイクルの運転が行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スライドダンプ等に使用される作業機械用油圧回路の制御装置に関する。
本実施形態の作業車両の構成図である図2を用いて本発明の解決課題について説明する。
なお、図2に示す作業車両の構成は、従来公知となっているものではない。
図2は、スライドダンプと呼ばれる荷下ろし作業を行う作業車両である。
スライドダンプでは、荷台100に設けられた押板3を排出方向(X方向)に、1サイクル毎に所定距離ΔXずつ順次移動させることで、押板3の後方に積まれた積み荷が排出される。その後、押板3を戻り方向(Y方向)に、1サイクル毎に所定距離ΔYずつ順次移動させることで、押板3が元の位置に戻される。こうした動作は、押板3の下方にあるスライドプレート1の移動と同期させた制御によって実現される。
押板3の左右には、押板3をスライドプレート1側から離して荷台100(固定部)側にクランプするクランプ部材5L、5Rが装着されている。クランプ部材5L、5Rはクランプシリンダ7L、7Rによって作動され、クランプ、アンクランプ動作を行う。クランプシリンダ7L、7Rにはアキュムレータ16L、16Rが装着されている。クランプシリンダ7L、7Rについても押板3に装着されている。
クランプシリンダ7L、7Rのボトム室は、油路15を介して制御弁12に接続している。
制御弁12がクランプ弁位置に切り換えられると、油圧ポンプ9から制御弁12、油路15を介してクランプシリンダ7L、7Rのボトム室に供給されることで、クランプシリンダ7L、7Rのロッドが伸張されてクランプ部材5L、5Rがクランプ動作する。また、クランプシリンダ7L、7Rの伸張側への作動によってアキュムレータ16L、16Rにはエネルギーが蓄圧される。
また、制御弁12がアンクランプ弁位置に切り換えられると、アキュムレータ16L、16Rに蓄圧されたエネルギーが開放されてロッドが押し戻され、ボトム室内の圧油が油路15、制御弁12を介してタンクに排出される。
以上のように、油路15は、クランプシリンダ7L、7Rへの圧油供給、クランプシリンダ7L、7Rからの圧油排出を行う共通の油路として使用され、排出動作はアキュムレータ16L、16Rに蓄圧されたエネルギーを頼りに行っている。
また、制御弁12とクランプシリンダ7L、7Rとの間の距離は、押板3の移動に伴い変化する。このため、これら制御弁12とクランプシリンダ7L、7Rと接続する油路15は、可撓性のある材質(ゴムホース等)で構成され、巻き取り自在にリール23に収容されている。リール23は、押板3とともに移動できるように押板3に装着されている。
このため、油路15は、押板3の移動距離等を勘案して、余裕を持たせた長大な長さに設定されている。
荷下ろし作業の排出動作は、たとえば図5(a)に示される1サイクルを繰り返すことで行われる。すなわち、制御弁12がアンクランプ弁位置に切り換えられてクランプシリンダ7L、7Rから圧油を油路15を介してタンクに排出させて、クランプ部材5L、5Rをアンクランプ動作させる。そして、設定時間t1が経過すると、つぎの動作(スライドプレート1の排出動作)に移行する。
その後に、制御弁12がクランプ弁位置に切り換えられて、圧油をクランプシリンダ7L、7Rに供給させて、クランプ部材5L、5Rをクランプ動作させる。そして設定時間t2が経過すると、つぎの動作(スライドプレート1の戻り動作)に移行する。この1サイクルで、押板3が排出方向Xに所定距離ΔXだけ移動する。上記設定時間t1、t2はタイマにて設定されており、タイマで設定された時間が経過すると、つぎのスライドプレート1を移動させる動作(スライド排出動作、スライド戻り動作)に移行する。
なお、以下に、油圧回路において暖気運転を行う一般技術水準を示す特許文献1を掲げる。
特許文献1は、油圧ポンプを有する油圧回路に関する発明であり、温度センサによって検出された油温に適した吐出流量を演算して、油温に適した吐出容量が油圧ポンプから吐出するように制御して、低温時により多くの吐出量流を正確に吐出させて暖気運転を的確に行うという技術が開示されている。
特開平11−108015号公報
1サイクルで押板3を排出方向Xに所定距離ΔXだけ移動させるには、図5(a)に示される設定時間t1内でクランプ部材5L、5Rが確実にアンクランプ動作し、押板3が荷台100側から確実に離れてスライドプレート1とともに移動することを前提としている。また、設定時間t2内でクランプ部材5L、5Rが確実にクランプ動作し、押板3がスライドプレート1から離れて荷台100に確実にクランプした状態で、スライドプレート1のみが移動することを前提としている。
しかし、厳寒期や、極寒地では、油温が低下し、圧油の粘度が高まり、油路15における抵抗が大きくなる。しかも、こうした理由と、上述したように、
1)油路15が押板3の移動距離等を勘案して長大な長さに設定されている。
2)油路15は、クランプシリンダ7L、7Rへの圧油供給、クランプシリンダ7L、7Rからの圧油排出を行う共通の油路として使用され、排出動作はアキュムレータ16L、16Rに蓄圧されたエネルギーを頼りに行っている。
といった理由とが重なって、油路15では大きな抵抗が発生する。
このため、アンクランプ動作、クランプ動作(特にアンクランプ動作)を上記設定時間t1、t2内では確実に行うことができなくなり、押板3が、殆ど動かないか、あるいは全く動かなくなり、荷下ろし作業を殆どあるいは全く行えなくなることがあった。
ここで上記特許文献1に記載された技術は、油圧回路に、センサを設けることを前提とする発明であり、的確な暖気運転を行える一方で、既存の油圧回路に部品を追加する等する必要があり、大きな装置改変を伴い、手間がかかるとともにコストが上昇する。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、油圧回路に部品を追加するなどの大きな変更を加えることなく既存の装置に僅かな変更を加えるだけで、暖気運転を行えるようにして、作業機を確実に作動(特にアンクランプ動作)させることを、第1の解決課題とするものである。
また、一方で暖気運転を行ってから通常の運転に移行させると、暖気運転を行っている間は、本来の作業(荷下ろし作業)を行うことができず、全体の作業時間が長くなり、作業効率が損なわれる。
そこで、本発明は、第1の解決課題に加えて、暖気運転を行いながら本来の作業(荷下ろし作業)を行えるようにして、暖気運転を行ってから通常運転に移行させた場合よりも更に作業効率を向上させることを第2の解決課題とするものである。
第1発明は、
油圧ポンプから吐出される圧油が油路を介して、油圧シリンダの一方の室に供給されることで、作業機が正側に作動し、他方の室に連結されたアキュムレータに蓄圧された圧油に応じて前記一方の室から圧油を、油路を介して排出することで作業機が逆側に作動する作業機械用の油圧回路において、
暖気運転を選択する選択スイッチと、
選択スイッチによって暖機運転が選択された場合に、油圧ポンプから油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を、暖気運転に適した一定時間継続して行わせる制御手段と
を備えた作業機械用油圧回路の制御装置であることを特徴とする。
第2発明は、
油圧ポンプから吐出される圧油が油路を介して、油圧シリンダの一方の室に供給されることで、作業機が正側に作動し、他方の室に連結されたアキュムレータに蓄圧された圧油に応じて前記一方の室から圧油を、油路を介して排出することで作業機が逆側に作動する作業機械用の油圧回路において、
暖気運転と、通常運転とを選択する選択スイッチと、
選択スイッチによって通常運転が選択された場合に、油圧シリンダの一方の室から圧油を排出する動作を開始し第1の設定時間経過後につぎに動作を開始する運転と、油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を開始し第2の設定時間経過後につぎの動作を開始する運転とを組み合わせた1サイクルの運転を繰り返し行う第1の制御手段と、
選択スイッチによって暖機運転が選択された場合に、油圧ポンプから油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を、暖気運転に適した一定時間継続して行わせる第2の制御手段と
を備えた作業機械用油圧回路の制御装置であることを特徴とする。
第3発明は、
油圧ポンプから吐出される圧油が油路を介して、油圧シリンダの一方の室に供給されることで、作業機が正側に作動し、他方の室に連結されたアキュムレータに蓄圧された圧油に応じて前記一方の室から圧油を、油路を介して排出することで作業機が逆側に作動する作業機械用の油圧回路において、
通常運転モードと暖機運転モードを選択する選択スイッチと、
選択スイッチによって通常運転モードが選択された場合に、油圧シリンダの一方の室から圧油を排出する動作を開始し第1の設定時間経過後につぎに動作を開始する運転と、油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を開始し第2の設定時間経過後につぎの動作を開始する運転とを組み合わせた1サイクルの運転を繰り返し行う第1の制御手段と、
選択スイッチによって暖機運転モードが選択された場合に、前記第1の設定時間、第2の設定時間のうち、少なくとも、第1の設定時間を、暖機運転に適した時間延長して行わせる第2の制御手段と
を備えた作業機械用油圧回路の制御装置であることを特徴とする。
第4発明は、第1発明または第2発明または第3発明において、
油圧ポンプから油圧シリンダへの油路に、リリーフ弁が設けられた作業機械用油圧回路の制御装置であることを特徴とする。
第1発明、第2発明(これに従属する第4発明)は、第1の解決課題を達成するためになされたものであり、以下図面を参照して説明する。
たとえば図4に示す操作盤130のスイッチ133の操作を特殊な操作で行うことにより、「暖気運転」が選択される。すなわち、スイッチ133は、「暖気運転」を選択する選択スイッチの機能を有するものである。「暖気運転」が選択されると、図4に示すコントローラ140は、図1に示すクランプ・ブレーキ用制御弁12をクランプ側弁位置12dに切り換えるための制御信号12iを、暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)継続して出力し続ける。
このため油圧ポンプ2から圧油がクランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rbに、暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)供給され続けられる。これにより油温が上昇して、その後のに通常運転を安定して確実に行えることができるようになる。
油圧ポンプ9の吐出油路にリリーフ弁22が設けられている場合には、圧油がリリーフ弁22を暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)通過することになり、リリーフ弁22を通過するときに発生する熱によって圧油の温度が迅速に上昇する(第4発明の効果)
本発明によれば、図1の油圧回路に部品を追加するなどの大きな変更を加えることなく、プログラムを追加するという既存の装置に僅かな変更を加えるだけで、暖気運転を行うことができ、装置、システム変更に要する手間、コストが飛躍的に低減する。
また、暖気運転終了後、通常運転に移行させれば、油温は、図5(a)に示す設定時間t1、t2内でクランプシリンダ7L、7Rが確実に作動し、確実にアンクランプ動作、クランプ動作を行えるようになる(第2発明の効果)。
第3発明(これに従属する第4発明)は、第2の解決課題を達成するためになされたものであり、以下図面を参照して説明する。
操作盤130のスイッチ131、133によって「通常運転モード」が選択される。通常運転モードでは、図5(a)に示す設定時間t1、t2で1サイクルの運転が行われる。
一方、たとえば図5(a)に示す「通常運転モード」で排出動作を実行中に、オペレータが押板3の排出方向Xへの動きが鈍いことに気が付いたような場合、あるいは、「排出動作」を暖気運転しながら行いたい意思をもっている場合には、スイッチ133の操作を特殊操作で行うことによって、「暖気運転モード」が選択される。
「暖気運転モード」では、図5(b)のタイムチャートに従い1サイクルの排出動作が行われる。
すなわち、図5(a)に示す設定時間t1よりもΔt1だけ延長した設定時間、クランプ・ブレーキ用制御弁12がアンクランプ弁位置12f側に作動され(アンクランプ動作)、設定時間t1+Δt1経過後に、スライド排出動作される。また、図5(a)に示す設定時間t2よりもΔt2だけ延長した設定時間、クランプ・ブレーキ用制御弁12がクランプ弁位置12d側に作動され(クランプ動作)、設定時間t2+Δt2経過後に、スライド戻り動作される。このように図5(a)に示す設定時間t1、t2をそれぞれ延長させた設定時間t1+Δt1、t2+Δt2で1サイクルの運転が行われる。
このため、たとえ油温が低下している状態であったとして、図5(a)に示す設定時間t1、t2よりも設定時間が延長されることで、延長された設定時間内でクランプシリンダ7L、7Rが確実に作動し、確実にアンクランプ動作、クランプ動作を行えるようになる。
このため押板3が確実かつスムーズに排出方向X(あるいは戻り方向Y)に移動し、荷下ろし作業を確実かつスムーズに行えるようになる。
また、本発明によれば、図5(a)に示す設定時間t1、t2よりも設定時間が延長されているため、その分長く、圧油が油路15内を通過することになり、1サイクル当たりの暖気運転の効果を高めることができる。特に、クランプ動作させるための設定時間は、図5(a)の通常運転モード時の設定時間t2よりも延長されているため、その分、より長い間リリーフ弁22を圧油が通過することになり、迅速に油温が上昇し暖気運転の効果を高めることができる(第4発明の効果)。
以上のように本発明によれば、第1発明、第2発明と同様に、図1の油圧回路に部品を追加するなどの大きな変更を加えることなく、プログラムを追加するという既存の装置に僅かな変更を加えるだけで、暖気運転を行うことができ、装置、システム変更に要する手間、コストが飛躍的に低減する。
更に本発明によれば、暖気運転を行いながら本来の作業(荷下ろし作業)を行うことができる。このため、暖気運転を行ってから通常運転に移行させた場合よりも更に作業効率が向上する。
図5(b)に示す暖気運転モードでは、両設定時間を図5(a)の設定時間よりも延長させているが、クランプ動作させるための設定時間(第2の設定時間)は、図5(a)の標準運転モード時と同じ設定時間t2とし、アンクランプ動作させるための設定時間(第1の設定時間)のみを図5(a)の設定時間t1よりも延長させたものであってもよい。これはアンクランプ動作の方が、油路15における抵抗の影響を大きく受け、確実に動作させるために長時間を要するからである。
図2は、実施形態の作業車両を斜視図で示したものであり、荷下ろし作業装置が搭載されたスライドダンプと呼ばれる作業車両を示している。
図2に示す荷下ろし作業装置について説明する。
荷台100の底部には、スライドプレート1が、荷台100の後部の排出口110側であるX方向(排出方向)に、また、荷台100の前部のキャブ120側であるY方向(戻り方向)に移動自在に設けられている。スライドプレート1は、スライドシリンダ2のロッド2aに連結されている。スライドシリンダ2の1ストローク量の縮退動作によって、X方向(排出方向)に、スライドシリンダ2の1ストローク量に応じた距離ΔXだけ移動する(スライド排出)。また、スライドプレート1は、スライドシリンダ2の1ストローク量の伸張動作によって、Y方向(戻り方向)に、スライドシリンダ2の1ストローク量に応じた距離ΔYだけ移動する(スライド戻り)。
押板3は、スライドプレート1の上部に設けられている。荷台100の長手方向(X、Y方向)に沿って、荷台100の左右にはそれぞれ、支持プレート4、4が設けられている。支持プレート4、4は荷台100に固定されている。押板3の左右には、左右の支持プレート4、4をクランプまたアンクランプするクランプ部材5L、5Rがそれぞれ装着されている。また。押板3の下方には、スライドプレート1の内側側面に当接し、またはスライドプレート1の内側側面から離間するブレーキ部材6が設けられている。
クランプ部材5L、5Rはそれぞれクランプシリンダ7L、7Rに連結されている。また、ブレーキ部材6は、ブレーキシリンダ8に連結されている。
スライドシリンダ2、クランプシリンダ7L、7R、ブレーキシリンダ8は、油圧ポンプ9を駆動源として作動する。なお、油圧ポンプ9は、図示しないエンジンのPTO軸に連結されており、エンジンを駆動源として作動する。
図3は、クランプ部材5L、5R、ブレーキ部材6の構成をより詳細に示している。
同図3に示すように、クランプ部材5L(5R)を構成するリンク53は、リンク部材51とリンク部材52とからなり、両リンク部材51、52はピン51bを介して連結されている。リンク部材51の一端はピン51aを介して押板3に連結している。リンク部材52の一端はピン52aを介してパッド54に連結されている。クランプシリンダ7L(7R)のロッド7aは、ピン51bに連結している。
クランプシリンダ7L(7R)の本体7dは、同様に構成されたリンク53′のピン51b′(同一構成要素にダッシュを付与して説明を省略する)に連結されている。
このためクランプシリンダ7L(7R)のボトム室7Lb(7Rb)に圧油が供給されると、リンク53、53′が矢印Aにて示すように拡張動作しパッド54を支持プレート4側に移動させる。これによりパッド54が支持プレート4に当接する(クランプ動作)。
また、クランプシリンダ7L(7R)のボトム室7Lb(7Rb)から圧油が排出されると、リンク53、53′が矢印Bにて示すように縮退動作しパッド54を支持プレート4から離間させる側に移動させる。これによりパッド54が支持プレート4から離間する(アンクランプ動作)。
一方、ブレーキ部材6を構成するリンク61の中間点はピン61aを介して押板3に連結している。リンク61の一端はピン61cを介してロッド62の一端およびバネ63の一端に連結されている。ロッド62の他端にはパッド64が設けられている。ブレーキシリンダ8のロッド8aは、リンク61の他端のピン61bに連結している。
ブレーキシリンダ8の本体8dは、同様に構成されたリンク61′のピン61b′(同一構成要素にダッシュを付与して説明を省略する)に連結されている。
また、リンク61′は、バネ63の他端に同様に連結されている。またロッド62、パッド64と左右対称に、ロッド62′、パッド64′が配置されている。
パッド64、64′はそれぞれ、スライドプレート1の内側右側面、内側左側面に対向して配置されている。
このためブレーキシリンダ8のボトム室8bに圧油が供給されると、リンク61は、矢印Cにて示すようにバネ63を縮ませる側に動作し、パッド64、64′をスライドプレート1から離れる側に移動させる。これによりパッド64、64′がスライドプレート1から離間する(ブレーキ開放動作)。
また、ブレーキシリンダ8のボトム室8bから圧油が排出されると、リンク61は、矢印Dにて示すようにバネ63を伸張させる側に動作し、バネ63で発生するバネ力に応じて、パッド64、64′をスライドプレート1に当接する側に移動させる。これによりパッド64、64′は、バネ63で発生するバネ力に応じた力でスライドプレート1に当接する(ブレーキ動作)。
図1は、スライドシリンダ2、クランプシリンダ7L、7R、ブレーキシリンダ8を作動させる油圧回路を示している。
スライドシリンダ2は、スライド用制御弁10により圧油の流量、方向が切り換えられて作動する。スライド用制御弁10は、戻り側弁位置10d、中立位置10e、排出側弁位置10fを有し、電磁ソレノイド10gに加えられる制御信号10i(電気信号)応じて、戻り側弁位置10dに切り換えられるよう作動するとともに、電磁ノレノイド10hに加えられる制御信号10j(電気信号)に応じて、排出側弁位置10fに切り換えられるように作動する。
スライド制御弁10の出口・戻りポート10b、10cはそれぞれ、スライドシリンダ2のボトム室2b、トップ室2cに連通している。
クランプシリンダ7L、7R、ブレーキシリンダ8は、クランプ・ブレーキ用制御弁12により圧油の流量、方向が切り換えられて作動する。クランプ・ブレーキ用制御弁12は、クランプ(ブレーキ開放)側弁位置12d、中立位置12e、アンクランプ(ブレーキ)側弁位置12fを有し、電磁ソレノイド12gに加えられる制御信号12i(電気信号)応じて、クランプ側弁位置12dに切り換えられるよう作動するとともに、電磁ノレノイド12hに加えられる制御信号12j(電気信号)に応じて、アンクランプ側弁位置12fに切り換えられるように作動する。
油圧ポンプ9の吐出口9aとスライド用制御弁10の入口ポート10aとは油路11を介して連通しているとともに、油圧ポンプ9の吐出口9aとクランプ・ブレーキ用制御弁12の入口ポート12aとは油路11、13を介して連通している。
クランプ・ブレーキ用制御弁12の出口・戻りポート12bは、油路14、油路(ホース)15を介してクランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rbに連通しているとともに、ブレーキシリンダ8のボトム室8bに連通している。
クランプシリンダ7L、7Rのトップ室7Lc、7Rcにはそれぞれ、アキュムレータ16L、16Rが連通している。
油路14には、クランプ・ブレーキ用制御弁12(上流)からクランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rb(下流)への圧油の流れを許容するチェック弁17が設けられている。クランプ・ブレーキ用制御弁12の出口・戻りポート12cは、油路18を介してチェック弁17の上流14aに連通している。油路18の終端は栓19によって封止されている。
油圧ポンプ9の吐出口9aに連通する上記油路11は、分岐油路20を介してタンク21に連通している。分岐油路20上にはリリーフ弁22が設けられている。
分岐油路20は、クランプ・ブレーキ用制御弁12の戻りポート12kに連通している。
上記油路(ホース)15は、図2あるいは図3に示すようにリール23に巻き取り自在に収容されている。リール23は、押板3とともに移動できるように押板3に装着されている。
図1に示す作業車両のキャブ120内には、図4に示す操作盤130が設けられている。
操作盤130には、スイッチ131、132、133、134が設けられている。
スイッチ131は、「自動運転」または「動作確認(手動運転)」を選択するスイッチである。スイッチ132は、スイッチ131で「動作確認」が選択された際に、「動作確認(手動運転)」の対象を「スライドシリンダ(スライドシリンダ2)」とするか、「クランプシリンダ(クランプシリンダ7L、7R)」とするかを選択するスイッチである。スイッチ133は、スイッチ131で「自動運転」が選択された際に、「自動運転」を「排出動作」で行うか、「戻り動作」で行うかを選択するとともに、スイッチ131で「動作確認」が選択された際に、「動作確認」の対象のシリンダを「縮退」側に移動させるか、「伸張」側に移動させるかを選択するスイッチである。
スイッチ131、132は、オルタネイトスイッチであり、たとえばトグルスイッチが使用される。スイッチ131、132を操作して選択位置に投入した後でスイッチを離したとしても選択位置側に傾動されたたままとなる。
一方、スイッチ133は、モーメンタリスイッチであり、スイッチ133を操作して選択位置に投入した後でスイッチを離すと中立点に自動復帰する。また、スイッチ134は、現在行われている作動を停止させる停止スイッチである。
なお、電源が投入されており操作盤の操作が可能なときは、パイロットランプ135が点灯する。また、「排出動作」中は、ランプ136が点灯し、「戻り動作」中は、ランプ137が点灯する。またランプ138はエラー(異常)が発生したときに点灯する。
操作盤130上でスイッチ131、132、133、134が操作されると、操作された内容を示す操作信号が、コントローラ140に入力される。コントローラ140は、入力操作信号に応じて、制御弁10、12に対する制御信号10i、10j、12i、12jを出力する。
コントローラ140には、図5に作動タイムチャートがプログラムの一部としてインストールされている。図5(a)は、「通常運転モード」時の荷下ろし作業(「排出動作」)の1サイクルの作動をタイムチャートで示している。なお、「通常運転」時の荷下ろし作業を「戻り動作」で行うときは、図5(a)に記載の「スライド排出」を「スライド戻り」に置換するとともに、図5(a)に記載の「スライド戻り」を「スライド排出」に置換すればよい。
そこで、オペレータが操作盤130のスイッチ131を操作して「自動」を選択し、スイッチ133を操作して「排出」を選択すると、コントローラ140は、図5(a)に示される1サイクルを繰り返して、荷下ろし作業の「排出動作」を「自動運転」で行うように、各制御弁10、12を制御する。
すなわち、まず、クランプ・ブレーキ用制御弁12をアンクランプ側弁位置12fに切り換えるための制御信号12jが設定時間t1の間、出力される。このため油圧ポンプ9から吐出された圧油は、油路11、13、クランプ・ブレーキ用制御弁12の入口ポート12a、出口・戻りポート12c、油路18に流れ込む。油路18の終端は栓19に封止されているため、チェック弁17の上流14aは高圧となる。このため栓19の下流は高圧となり、チェック弁17が開弁し、アキュムレータ16L、16Rに蓄圧されたエネルギーが開放されて、シリンダボトム側の油がタンク21へ排出され、クランプシリンダ7L、7Rが縮退側に移動する。これによりクランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rb内の圧油は、油路15、油路14、クランプ・ブレーキ用制御弁12の出口・戻りポート12b、戻りポート12k、油路20を介してタンク21に排出される。この結果、クランプ部材5L、5Rが支持プレート4、4からアンクランプされる(アンクランプ動作)。同様にしてブレーキシリンダ8のボトム室8b内の圧油がタンク21に排出され、ブレーキ部材6がスライドプレート1に当接する(ブレーキ動作)。
タイマによって設定時間t1が計時されており、設定時間t1が経過すると、つぎの「スライド排出動作」が開始される。なお、油路18には、作動圧がかかっているので、チェック弁17は、開弁され、クランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rb、ブレーキシリンダ8のボトム室8bの圧油は、油路14、クランプ・ブレーキ用制御弁12の戻りポート12k、油路20を介してタンク21に排出され、アンクランプ動作、ブレーキ動作は継続する。
設定時間t1が経過した時点で、スライド用制御弁10を排出側弁位置10fに切り換えられるための制御信号10jが出力され始め、所定の設定時間の間、出力され続ける。このためスライドシリンダ2は縮退作動する。
ここで、ブレーキ部材6によって押板3はスライドプレート1に当接され(ブレーキ動作)、かつクランプ部材5L、5Rによって押板3は支持プレート4、4から離間されている(アンクランプ動作)ため、押板3はスライドプレート1と一体となって、排出方向Xに所定距離ΔXだけ移動する。
つぎに、クランプ・ブレーキ用制御弁12をクランプ側弁位置12dに切り換えられるための制御信号12iが設定時間t2の間、出力される。このため油圧ポンプ9から吐出された圧油は、油路11、13、クランプ・ブレーキ用制御弁12の入口ポート12a、出口・戻りポート12b、油路14、油路15を介して
クランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rbに供給される。この結果、クランプ部材5L、5Rが支持プレート4、4をクランプする(クランプ動作)。同様にしてブレーキシリンダ8のボトム室8bに圧油が供給され、ブレーキ部材6がスライドプレート1から離間する(ブレーキ開放動作)。
油圧ポンプ2から圧油がクランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rbに供給されるに伴い、油路11、分岐油路20は高圧となり、リリーフ弁22で設定された圧力を超えて、リリーフ弁22を介してポンプ吐出圧油がタンク21にリリーフされる。
タイマによって設定時間t2が計時され、設定時間t2が経過すると、つぎの「スライド戻り動作」が開始される。
設定時間t2が経過した時点で、スライド用制御弁10を戻り側弁位置10dに切り換えられるための制御信号10iが出力され始め、所定の設定時間の間、出力され続ける。このためスライドシリンダ2は伸張作動する。
ここで、ブレーキ部材6によって押板3はスライドプレート1から離間され(ブレーキ開放動作)、かつクランプ部材5L、5Rによって押板3は支持プレート4、4にクランプされている(クランプ動作)ため、押板3を停止させたままスライドプレート1のみが、戻り方向Yに所定距離ΔYだけ移動する。
以上の1サイクルの動作が繰り返し実行されて、押板3が順次所定距離ΔXずつ排出方向Xに移動して、荷台100上の積荷が排出される。
また、オペレータが操作盤130のスイッチ131を操作して「自動」を選択し、スイッチ133を操作して「戻り」を選択すると、コントローラ140は、図5(a)と同様な1サイクルを繰り返して、荷下ろし作業の「戻り動作」を「自動運転」で行うように、各制御弁10、12を制御する。これによって、押板3が順次所定距離ΔYずつ戻り方向Yに移動して、押板3が荷台100上の元の位置まで復帰する。
(実施例1)
本実施例では、図6に示すプログラムがコントローラ140にインストールされる。また、オペレータに対しては、操作盤130上のスイッチを特殊な操作で動かせば、「暖気運転」が選択される旨、作業車両の取り扱い説明書等において、教示しておく。
同図6に示すように、スイッチ131によって「動作確認」が選択(「動作確認」オン)されたか否かが判断される(ステップ201)。
スイッチ131によって「動作確認」が選択された場合には、つぎに、スイッチ132によって「クランプシリンダ」が選択(「クランプシリンダ」オン)されたか否かが選択される(ステップ202)。
スイッチ132によって「クランプシリンダ」が選択された場合には、つぎに、スイッチ133によって「伸張」が選択(「伸張」オン)されたか否かが判断される(ステップ203)。
つぎに、スイッチ133が「伸張」側に傾動(押され)続けている時間が設定時間(たとえば7秒)経過したか否かが判断される。ここで、スイッチ133は、モーメンタリスイッチであり、通常の「動作確認」の際には、長時間傾動し続けられるということはない。オペレータが「暖気運転」を行う意思があるときのみ、スイッチ133を「伸張」側に設定時間以上傾動(押され)し続けるという特殊な操作が行われる(ステップ204)。
この結果、スイッチ133が「伸張」側に傾動(押され)続けている時間が設定時間(たとえば7秒)経過したと判断されると、「暖気運転」が選択されたものと判断して、「暖気運転」を開始する(ステップ205)。
すなわち、コントローラ140は、クランプ・ブレーキ用制御弁12をクランプ側弁位置12dに切り換えるための制御信号12iを、暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)継続して出力し続ける。
このため油圧ポンプ2から圧油がクランプシリンダ7L、7Rのボトム室7Lb、7Rbに、暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)供給され続けられる。油圧ポンプ2から吐出された圧油は、リリーフ弁22を、暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)通過することになり、リリーフ弁22を通過するときに発生する熱によって圧油の温度が迅速に上昇する。
この結果、油温は、図5(a)に示す設定時間t1、t2内でクランプシリンダ7L、7Rが確実に作動し、確実にアンクランプ動作、クランプ動作を行えるような温度に達する(ステップ206)。
暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)が経過しておらず(ステップ206の判断no)、停止スイッチ134が操作(「停止」オン)されていない限りは(ステップ208の判断no)、暖気運転モードが継続して行われる。
そして、暖気運転に適した一定時間(たとえば3分間)が経過すると(ステップ206の判断yes)、暖気運転を終了させる(ステップ207)。
以上のような暖気運転を行った後で、オペレータは、操作盤130のスイッチ131を操作して「自動運転」を選択すれば、たとえ厳寒期や極寒地であったとして、油温が十分に上昇し油路15で大きな抵抗が発生していない状態で、自動運転を開始することができる。このため図5(a)に示す設定時間t1、t2内でクランプシリンダ7L、7Rが確実に作動し、確実にアンクランプ動作、クランプ動作を行えるようになり、押板3が確実かつスムーズに排出方向X(あるいは戻り方向Y)に移動し、荷下ろし作業を確実かつスムーズに行える。
また、本実施例によれば、図1の油圧回路に部品を追加するなどの大きな変更を加えることなく、プログラムを追加するという既存の装置に僅かな変更を加えるだけで、暖気運転を行うことができ、装置、システム変更に要する手間、コストが飛躍的に低減する。
(実施例2)
本実施例では、図7に示すプログラムがコントローラ140にインストールされる。また、図5(a)の「通常運転モード」時の1サイクルの作動のタイムチャートに加えて、図5(b)に示す「暖気運転モード」時の1サイクルの作動のタイムチャートがコントローラ140にプログラムの一部としてインストールされる。図5(a)、(b)を比較してわかるように、「暖気運転モード」時のアンクランプ動作のための設定時間t1+Δt1は、「通常運転モード」時のアンクランプ動作のための設定時間t1(たとえば2秒)をΔt1(5秒)だけ延長したものである。また、「暖気運転モード」時のクランプ動作のための設定時間t2+Δt2は、「通常運転モード」時のクランプ動作のための設定時間t2(たとえば1.2秒)をΔt2(0.8秒)だけ延長したものである。延長時間Δt1(5秒)は、延長時間Δt2(0.8秒)よりも大きい。これはアキュムレータ16L、16Rの作動によってクランプシリンダ5L、5Rから圧油を排出するアンクランプ動作時の方が、特に、油路15における抵抗の影響を受け易いからである。
オペレータに対しては、操作盤130上のスイッチを特殊な操作で動かせば、「暖気運転モード」が選択される旨、作業車両の取り扱い説明書等において、教示しておく。
同図7に示すように、まず、「自動排出中」(「自動」かつ「排出動作」)であるか否かが判断され(ステップ301)、つぎに、スイッチ133によって、「排出動作」が選択されたか否かが判断され(ステップ303)、つぎに、スイッチ133が設定時間(たとえば2秒)以上傾動(押され)続けられているか否かが判断される(ステップ304)。
「自動排出中」でない場合(ステップ301の判断no)、または、スイッチ133によって「排出動作」が選択されていない場合(ステップ303の判断no)、または、スイッチ133が設定時間(たとえば2秒)以上傾動(押され)続けられていない場合(ステップ304の判断no)には、通常運転モードが選択されたものと判断して、操作盤131のスイッチ操作に応じて通常の運転が行われる。たとえば、「自動」でかつ「排出動作」を選択しているときには、図5(a)に示す設定時間t1、t2で通常運転が行われる。
一方、たとえば図5(a)に示す「通常運転モード」で排出動作を実行中に、オペレータが押板3の排出方向Xへの動きが鈍いことに気が付いたような場合、あるいは、「排出動作」を暖気運転しながら行いたいという意思をもっている場合には、スイッチ131の操作によって「自動運転」を選択した上で、スイッチ133が「排出動作」側に設定時間(たとえば2秒)以上傾動(押され)続けられる。ここで、スイッチ133は、モーメンタリスイッチであり、「通常運転モード」で排出動作を行う際には、長時間傾動し続けられるということはない。オペレータが「暖気運転モード」で排出動作を行いたい意思があるときのみ、スイッチ133を「排出動作」側に設定時間以上傾動(押され)し続けるという特殊な操作が行われる(ステップ304の判断yes)。これにより「暖気運転モード」が選択されたものと判断されて(ステップ305)、自動排出動作を停止させない限りは(ステップ306の判断no)、「暖気運転モード」に移行し暖気運転モードで排出動作が行われる。自動排出動作を停止させると(ステップ306の判断yes)、通常運転モードに移行する(ステップ302)。
「暖気運転モード」では、図5(b)のタイムチャートに従い1サイクルの排出動作が行われる。
すなわち、図5(a)に示す設定時間t1よりもΔt1だけ延長した設定時間、クランプ・ブレーキ用制御弁12がアンクランプ弁位置12f側に作動され、設定時間t1+Δt1経過後に、スライド排出動作される。また、図5(a)に示す設定時間t2よりもΔt2だけ延長した設定時間、クランプ・ブレーキ用制御弁12がクランプ弁位置12d側に作動され、設定時間t2+Δt2経過後に、スライド戻り動作される。このように図5(a)に示す設定時間t1、t2をそれぞれ延長させた設定時間t1+Δt1、t2+Δt2で1サイクルの運転が行われる。
このため、たとえ油温が低下している状態であったとして、図5(a)に示す設定時間t1、t2よりも設定時間が延長されることで延長された設定時間内でクランプシリンダ7L、7Rが確実に作動し、確実にアンクランプ動作、クランプ動作することになる。このため押板3が確実かつスムーズに排出方向X(あるいは戻り方向Y)に移動し、荷下ろし作業を確実かつスムーズに行えるようになる。
また、本実施例によれば、図5(a)に示す設定時間t1、t2よりも設定時間が延長されているため、その分長く、圧油が油路15内を通過することになり、1サイクル当たりの暖気運転の効果を高めることができる。特に、クランプ動作させるための設定時間は、図5(a)の通常運転モード時の設定時間t2よりも延長されているため、その分、より長い間リリーフ弁22を圧油が通過することになり迅速に油温が上昇し暖気運転の効果を高めることができる。
なお、図7に示すフローチャートでは、暖気運転モードの終了を、自動排出停止を条件としているが、暖気運転モード(図5(b))を数サイクル行った後に、自動的に、通常運転モード(図5(a))に移行させる実施も可能である。この場合、暖気運転モードを行わせる数サイクルは、暖気運転に適したサイクル数、つまり通常運転モードの設定時間t1、t2内で確実にアンクランプ、クランプできる(まで温度が上昇する)サイクル数に設定される。
以上のように本実施例によれば、実施例1と同様に、図1の油圧回路に部品を追加するなどの大きな変更を加えることなく、プログラムを追加するという既存の装置に僅かな変更を加えるだけで、暖気運転を行うことができ、装置、システム変更に要する手間、コストが飛躍的に低減する。
更に本実施例によれば、暖気運転を行いながら本来の作業(荷下ろし作業)を行うことができる。このため、暖気運転を行ってから通常運転に移行させた場合よりも更に作業効率が向上する。
なお、図5(b)に示す暖気運転モードでは、図5(a)に示す設定時間t1、設定時間t2の両方を延長させた場合を示しているが、クランプ動作させるための設定時間は図5(a)の標準運転モード時と同じ設定時間t2とし、アンクランプ動作させるための設定時間のみを図5(a)の設定時間t1よりも延長させた時間に設定するものであってもよい。これはアンクランプ動作の方が、油路15における抵抗の影響を大きく受け、確実に動作させるためには長時間を要するからである。
なお、図7では、排出動作を暖気運転モードで行う場合を例示しているが、同様にして、戻り動作を暖機運転モードで行うようにしてもよい。すなわち、図5(b)に記載の「スライド排出」を「スライド戻り」に置換するとともに、図5(b)に記載の「スライド戻り」を「スライド排出」に置換したものとして、戻り動作の暖気運転モードの1サイクルのシーケンスが予め設定されておかれる。そして、「通常運転モード」で戻り動作を実行中に、オペレータが押板3の戻り方向Yへの動きが鈍いことに気が付いたような場合、あるいは、「戻り動作」を暖気運転しながら行いたい意思をもっている場合には、スイッチ133の特殊操作によって「暖気運転モード」(戻り動作)を選択し、この選択結果に応じて、上記予め設定されたシーケンスに従い暖気運転モードで戻り動作を実行すればよい。
また、本実施例によれば、操作盤130に既存のスイッチを利用して、「暖気運転」、「暖気運転モード」を選択するようにしているため、既存の操作盤をそのまま使用することができ、更に、装置改変に要する手間、コストを削減することができる。もちろん操作盤130に「暖気運転」、「暖気運転モード」を選択するスイッチを新たに増設してもよい。
また、「暖気運転」、「暖気運転モード」が選択されているときに、既存のランプ135、136、137、138を利用して、その選択状態(運転状態)を表示してもよい。この場合、「暖気運転」、「暖気運転モード」が選択されている状態(運転状態)であることを表示するために、ランプを特殊な態様で表示(たとえば点滅、全ランプを点灯)させることができる。もちろん、「暖気運転」、「暖気運転モード」の選択状態(運転状態)を表示するためのランプを新たに増設してもよい。
本発明の作業機用油圧回路の制御装置は、図2に示すスライドダンプの適用のみに限定されるわけではなく、同様な油圧回路を有する他の作業機械に対しても同様にして適用することができる。
図1は実施形態の油圧回路図である。 図2は実施形態の作業車両の斜視図である。 図3は図1に示すクランプ部材、ブレーキ部材の構成を示す図である。 図4は操作盤とコントローラを示す図である。 図5(a)は通常運転モードの1サイクルの作動タイムチャートを示す図で、図5(b)は暖気運転モードの1サイクルの作動タイムチャートを示す図である。 図6は、暖気運転に移行させる処理の手順を示すフローチャートである。 図7は、暖気運転モードに移行させる処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
3 押板 5L、5R クランプ部材 7L、7R クランプシリンダ 9 油圧ポンプ、12 クランプ・ブレーキ用制御弁、15 油路、16L、16R アキュムレータ

Claims (4)

  1. 油圧ポンプから吐出される圧油が油路を介して、油圧シリンダの一方の室に供給されることで、作業機が正側に作動し、他方の室に連結されたアキュムレータに蓄圧された圧油に応じて前記一方の室から圧油を、油路を介して排出することで作業機が逆側に作動する作業機械用の油圧回路において、
    暖気運転を選択する選択スイッチと、
    選択スイッチによって暖機運転が選択された場合に、油圧ポンプから油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を、暖気運転に適した一定時間継続して行わせる制御手段と
    を備えたことを特徴とする作業機械用油圧回路の制御装置。
  2. 油圧ポンプから吐出される圧油が油路を介して、油圧シリンダの一方の室に供給されることで、作業機が正側に作動し、他方の室に連結されたアキュムレータに蓄圧された圧油に応じて前記一方の室から圧油を、油路を介して排出することで作業機が逆側に作動する作業機械用の油圧回路において、
    暖気運転と、通常運転とを選択する選択スイッチと、
    選択スイッチによって通常運転が選択された場合に、油圧シリンダの一方の室から圧油を排出する動作を開始し第1の設定時間経過後につぎに動作を開始する運転と、油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を開始し第2の設定時間経過後につぎの動作を開始する運転とを組み合わせた1サイクルの運転を繰り返し行う第1の制御手段と、
    選択スイッチによって暖機運転が選択された場合に、油圧ポンプから油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を、暖気運転に適した一定時間継続して行わせる第2の制御手段と
    を備えたことを特徴とする作業機械用油圧回路の制御装置。
  3. 油圧ポンプから吐出される圧油が油路を介して、油圧シリンダの一方の室に供給されることで、作業機が正側に作動し、他方の室に連結されたアキュムレータに蓄圧された圧油に応じて前記一方の室から圧油を、油路を介して排出することで作業機が逆側に作動する作業機械用の油圧回路において、
    通常運転モードと暖機運転モードを選択する選択スイッチと、
    選択スイッチによって通常運転モードが選択された場合に、油圧シリンダの一方の室から圧油を排出する動作を開始し第1の設定時間経過後につぎに動作を開始する運転と、油圧シリンダの一方の室に圧油を供給する動作を開始し第2の設定時間経過後につぎの動作を開始する運転とを組み合わせた1サイクルの運転を繰り返し行う第1の制御手段と、
    選択スイッチによって暖機運転モードが選択された場合に、前記第1の設定時間、第2の設定時間のうち、少なくとも、第1の設定時間を、暖機運転に適した時間延長して、前記1サイクルの運転を行わせる第2の制御手段と
    を備えたことを特徴とする作業機械用油圧回路の制御装置。
  4. 油圧ポンプから油圧シリンダへの油路に、リリーフ弁が設けられていること
    を特徴とする請求項1または2または3記載の作業機械用油圧回路の制御装置。
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