JP6595198B2 - 増速弁装置 - Google Patents

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本発明は、複動油圧シリンダのロッドの伸長速度を増速させる増速弁装置に関する。
従来、複動油圧シリンダ(以下、単に「シリンダ」ともいう)のロッドの伸長速度を増速させる増速回路を有する増速弁装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の増速回路は、ロッド伸長時にタンクに戻るロッド側からの圧油をヘッド側に回生することにより、ロッドの伸長速度を増速させる。
特開2011−21625号公報
しかしながら、この種の増速回路は、ヘッド側への供給流量を大きくすることによって、ロッドの伸長速度を増速するものの、ロッドの伸長速度を増速させる時は、ヘッド側とロッド側の油圧がほとんど同圧となる。そのため、伸長動作に作用する油圧はロッド側の断面積相当分しか働かず、本来のシリンダの推力を充分に得られないという問題がある。
特に、クレーンのブーム伸縮用の複動油圧シリンダにおいて、そのブーム伸縮機構にこの種の増速回路を採用する場合、増速弁装置を有するクレーンと、当該装置が未装着のものと比較した場合、吊り荷によるシリンダへの負荷によっては、増速弁装置を有するクレーンは必要なシリンダ推力が得られず、伸長できないというおそれがあり、性能を下げざるを得ない。
そのため、吊り荷の負荷の大小に応じてクレーン作業を効率良く行う上で検討の余地がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、複動油圧シリンダが担う荷重の大小に応じて増速回路を適切に切り替え得る増速弁装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る増速弁装置は、複動油圧シリンダのロッド側からの圧油をヘッド側に回生することにより、前記ロッドの伸長速度を増速させる増速回路を有する増速弁装置であって、前記複動油圧シリンダが担う荷重の大小を判断するコントローラと、前記増速回路を有するとともに前記コントローラからの制御信号に基づいて前記増速回路を切り替える回路切換弁を有する増速弁とを備え、前記コントローラは、荷重が所定未満と判断したときは、スピードモード用の制御信号を前記回路切換弁に送り、荷重が所定以上と判断したときは、通常モード用の制御信号を前記回路切換弁に送り、前記増速弁は、制御信号がスピードモード用のときは、前記回路切換弁が前記増速回路を開いて増速された速度で前記ロッドを伸長させ、制御信号が通常モード用のときは、前記回路切換弁が前記増速回路を遮断して通常の速度で前記ロッドを伸長させることを特徴とする。
本発明の一態様に係る増速弁装置によれば、コントローラが、複動油圧シリンダが担う荷重の大小を判断し、荷重が所定未満と判断したときは、(シリンダの推力は小さくてよいため、)コントローラからスピードモード用の制御信号を増速弁の回路切換弁に送り、増速弁は、増速回路を開いて増速された速度でロッドを伸長させる。
一方、コントローラが、荷重が所定以上と判断したときは、(シリンダの推力が必要なため、)コントローラから通常モード用の制御信号を増速弁の回路切換弁に送り、増速弁は、増速回路を遮断して通常の速度でロッドを伸長させる。
したがって、本発明の一態様に係る増速弁装置によれば、複動油圧シリンダが担う荷重の有無を判断して増速回路を適切に切り替えることができる。
ここで、本発明の一態様に係る増速弁装置において、前記複動油圧シリンダが担う荷重を検出する荷重計を更に備え、前記複動油圧シリンダは、クレーンを駆動するためのものであり、前記荷重計は、前記複動油圧シリンダが担う荷重の大小を検出可能に設けると好ましい。
また、前記荷重計は、前記クレーンの吊り荷の有無を検出可能に設けられるならば、例えば、前記コントローラは、前記クレーンの吊り荷の有無に基づいて前記回路切換弁を制御し、吊り荷が無いと判断したときは、スピードモード用の制御信号を前記回路切換弁に送り、吊り荷が有ると判断したときは、通常モード用の制御信号を前記回路切換弁に送ることは好ましい。
このような構成であれば、本発明の一態様に係る増速弁装置をクレーンに採用する上で好適であり、クレーン操作を行っているオペレータが、荷を吊る前か後かに応じて、効率良くクレーン作業を行うことができる。
また、本発明の一態様に係る増速弁装置において、増速弁は、増速回路がチェック弁を用いて構成されることは好ましい。また、本発明の一態様に係る増速弁装置において、増速弁は、増速回路がスプールを用いて構成されることは好ましい。
上述のように、本発明によれば、複動油圧シリンダが担う荷重の大小に応じて増速回路を適切に切り替えることができる。
本発明の一態様に係る増速弁装置の第一実施形態を説明する回路図である。 図1の増速弁の部分の構造を模式的に表した図である。 図1のコントローラが実行する増速作動制御処理のフローチャートである。 本発明の一態様に係る増速弁装置の第二実施形態を説明する回路図((a)、(b))であり、同図(a)は荷重計の検出値が閾値以上の場合、(b)は検出値が閾値未満の場合を示している。 図4の増速弁の部分の構造を模式的に表した図((a)、(b))であり、同図(a)は荷重計の検出値が閾値以上の場合、(b)は検出値が閾値未満の場合を示している。 複動油圧シリンダの油圧回路の一例を説明する参考図である。 増速弁を有する油圧回路の一例を説明する参考図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
ここで、以下に示す各実施形態は、トラック等の作業車両に搭載されるクレーンにおいて、そのブーム伸縮機構に本発明の増速弁装置を用いた例である。各実施形態の増速弁装置は、ブーム伸縮用シリンダのロッドの伸長作動速度として、通常よりも速い伸長作動を行わせるスピードモードと、通常のクレーンでの伸長作動を行わせる通常モードとに設定可能とされている。そして、各実施形態の増速弁装置は、コントローラにより増速弁を制御し、ブーム伸縮用シリンダが担う荷重の大小に応じて、荷重が小さいときはスピードモードに移行し、荷重が大きいときは通常モードに移行するようになっている。以下詳しく説明する。
[第一実施形態]
図1に示すように、第一実施形態の増速弁装置1は、荷重計2、コントローラ3および増速弁20を有する。増速弁20は、ブーム伸縮用シリンダ10とブーム伸縮用シリンダ10用の制御弁4との間に設けられている。
ブーム伸縮用シリンダ10は、クレーンのブーム伸縮用の複動油圧シリンダであって、円筒状のチューブ14内にピストン15が摺嵌され、ピストン15の前後に縮室11および伸室12が画成されている。ピストン15と一体のロッド13は、縮室11側から張り出している。
制御弁4は、第一のサービスポートB1、第二のサービスポートA1、ポンプポートPおよびタンクポートTを有する。第一のサービスポートB1は、増速弁20内の伸回路27から第一の油路7を介してブーム伸縮用シリンダ10の伸室12に接続されている。また、第二のサービスポートA1は、増速弁20内の縮回路29から第二の油路8を介してブーム伸縮用シリンダ10の縮室11に接続されている。制御弁4は、クレーン全体の圧油の給排を制御する不図示のコントロールバルブ内に配置され、クレーン操作量に応じて必要な圧油の給排が制御されるようになっている。
ブーム伸縮用シリンダ10の油圧回路は、増速弁20を考慮しないとき(図6参照)、ブーム伸縮用シリンダ10のロッド13の伸長作動時には、第一のサービスポートB1からの圧油が伸室12に入るとともに、縮室11内の圧油が第二のサービスポートA1から制御弁4のタンクポートTへと排出されてロッド13が伸長する構成とされている。また、ロッド13の縮小作動時には、第二のサービスポートA1からの圧油が縮室11に入るとともに伸室12の圧油が第一のサービスポートB1から制御弁4のタンクポートTへと排出されてロッド13が縮小する構成とされている。
ここで、図1で説明すると、この増速弁装置1の増速弁20は、ブーム伸縮用シリンダ10の伸室12側と連通する伸回路27と縮室11側と連通する縮回路29を相互に繋ぐ増速回路20kと、油路を増速回路20k側に切り替える回路切換弁24とを有する。
本実施形態の増速弁20は、図2に示すように、ブロック状にユニット化された弁本体28を有する。弁本体28の一側面(同図下側の面)には、増速回路20kを切り替える回路切換弁24が装着されている。また、弁本体28の左右側面には、第一の油路7と伸回路27を介して第一のサービスポートB1に連通する接続ポートと、第二の油路8と縮回路29を介して第二のサービスポートA1に連通する接続ポートが形成されている。
弁本体28の内部には、3つのチェック弁21、22、23を備えている。本実施形態では、3つのチェック弁のうち第一チェック弁21は上記縮回路29に介装され、第二チェック弁22および第三チェック弁23は、上記増速回路20kに介装されている。
第一チェック弁21は、縮回路29の回路上に設けられ、通常時は制御弁4の第二のサービスポートA1から縮室11に入る圧油の流れに限って許容し、回路切換弁24からのパイロット圧を受けた時は、縮室11から排出される圧油をタンクポートTへと排出可能に油路A→Bを開くようになっている。
第二チェック弁22は、増速回路20kの回路上、第三チェック弁23と縮回路29との間に設けられている。第二チェック弁22は、通常時は縮室11側からの圧油が流れないように閉じており、回路切換弁24からのパイロット圧を受けた時に油路C→Dを開くようになっている。
第三チェック弁23は、増速回路20kの伸回路27側の位置に設けられ、縮室11側から伸室12側への圧油の流れに限って許容するように介装されている。
荷重計2は、例えばロードセルにより構成され、ブーム伸縮用シリンダ10のロッド13が担う荷重の大小を検出可能に、不図示のクレーンのブームに付設されている。
コントローラ3は、不図示のコンピュータおよび出力用のパワーモジュールを含む制御装置であり、荷重計2の検出値を取得可能に構成されている。コントローラ3は、図3に示す増速作動制御処理のプログラムを実行して、荷重計2の検出値に基づいて荷重の大小を判断し、増速弁20を制御可能に構成されている。なお、増速作動制御処理は、クレーンの起動による主プログラムの処理の割り込み処理として主処理と並列的に実行される。
詳しくは、増速作動制御処理は、ロッド13の伸長操作時に実行されるものであり、増速作動制御処理が実行されると、コントローラ3は、図3に示すように、ステップS1にて荷重計2の検出値を取得しステップS2に移行する。ステップS2では、操作入力に基づきロッド13の伸長操作の有無を判断し、操作が無ければステップS1に戻り、操作がなされていればステップS3に移行する。ステップS3では、取得された荷重計2の検出値に基づき、検出した値と予め設定してあった閾値とを比較する。ここで閾値とは、スピードモードと通常モードとの切り換えポイントを指す、予め設定しておいた規定値である。
ステップS3において、コントローラ3は、荷重計2の検出値が閾値未満と判断したときはステップS4に移行し、ステップS4では、スピードモード移行処理を実行して処理をステップS1に戻す。スピードモード移行処理は、スピードモード用の制御信号を増速弁20の回路切換弁24に送るための一連の処理である。
一方、コントローラ3は、荷重計2の検出値が閾値以上と判断したときはステップS5に移行し、ステップS5では、通常モード移行処理を実行し処理をステップS1に戻す。通常モード移行処理は、通常モード用の制御信号を増速弁20の回路切換弁24に送るための一連の処理である。
そして、増速弁20の回路切換弁24は、コントローラ3から受けた制御信号がスピードモード用のときは、ロッド13の伸長操作時には、増速回路20kを開いてロッド13を増速された速度で伸長させ、制御信号が通常モード用のときは、ロッド13の伸長操作時には増速回路20kを遮断し、かつ第一のチェック弁21を開放して、圧油をタンク6に戻すことで、通常の速度でロッド13を伸長させるようになっている。
より詳しくは、コントローラ3は、ロッド13の伸長操作時に、荷重計2の検出値が閾値以上と判断した場合には、通常モード用の制御信号を回路切換弁24のソレノイドに送る。なお、本実施形態では、制御信号とはソレノイドの駆動信号であって、通常モード用の制御信号とは、ソレノイドの駆動信号が「非通電」の場合をいう。
コントローラ3からの駆動信号が非通電の場合、回路切換弁24のソレノイドには電流が流れず、回路切換弁24のパイロット回路は、制御ポートYにはパイロット油を流さず、制御ポートXにパイロット油を流す(図1に示す状態)。これにより、ロッド13の伸長操作とともに回路切換弁24の制御ポートXにパイロット油が流れるため、第一のチェック弁21が開くが、このとき、第二のチェック弁22は閉じたままになっている。よって、通常モードでは、縮室11から排出される圧油は、増速回路20kに流れることなく、縮回路29を通ってタンク6に戻るようになっている。
一方、コントローラ3は、ロッド13の伸長操作時に、荷重計2の検出値が閾値未満と判断した場合には、スピードモード用の制御信号を回路切換弁24に送る。なお、本実施形態では、スピードモード用の制御信号とは、ソレノイドの駆動信号が「通電」の場合であり、パワーモジュールを介してソレノイドの駆動に必要な電流が通電される。
コントローラ3からソレノイドの駆動信号が出力された場合、回路切換弁24のソレノイドに電流が流れ、制御ポートYにパイロット油が流れて第二のチェック弁22を開く。このとき、制御ポートXにはパイロット油が流れず、第一のチェック弁21は閉じている。これにより、スピードモードでは、縮室11からの圧油は、増速回路20kの内部の油路C→油路D→油路E→油路Fをこの順に通って伸室12側へ、ポンプ5から吐出した圧油と合流しながらロッド13の伸長速度を増速するようになっている。
次に、上記増速弁装置1の動作とこれに伴うブーム伸縮用シリンダのロッドの伸縮作動、および作用・効果について説明する。
まず、ブーム伸縮用シリンダ10のロッド13を縮小作動する際は、第二のサービスポートA1からの圧油が増速弁20の第一のチェック弁21を介して縮室11に入るとともに伸室12の圧油が第一のサービスポートB1から制御弁4のタンクポートTへと排出されてロッドが縮小する。
一方、ブーム伸縮用シリンダ10のロッド13の伸長作動の際は、コントローラ3は、荷重計2の検出値に基づいて、増速弁20をスピードモードまたは通常モードのいずれか一方に切り換える。
本実施形態の増速弁装置1は、コントローラ3が、荷重計2の検出値が閾値未満と判断した場合、ロッド13の伸長操作時、回路切換弁24にスピードモード用の制御信号を送り、回路切換弁24は、増速回路20kを開いて、縮室11から排出される圧油を伸室12に回生供給し、増速された伸長動作を行わせるスピードモードへと移行する。
縮室11から排出される圧油量は、伸室12に流入する圧油量に対し、縮室11内に存在するロッド13分、流出量が少ないため、排出時に瞬時だけ伸室12側の圧油よりも高圧になるブースト効果によって、伸室12側の圧油に円滑に合流される。これにより、スピードモードにおいては、縮室11側の圧油を伸室12側に回生させることで、ブーム伸縮用シリンダ10のロッド13が増速して伸長される。
ここで、図7に増速回路の比較例を示す。同図に示す増速回路120は、ロッド13の伸長操作時、パイロット油路126からのパイロット圧によってチェック弁122が開き、シリンダ10の縮室11から押し出される圧油が再利用されてシリンダ10の伸室12側の第一の油路7に流れる回路である。
これにより、伸室12側の第一の油路7に送られる流量は、縮室11から押し出された油量分だけ増加する。このように、この比較例の増速回路120は、縮室11側から戻る圧油をタンク6に戻さずに伸室12側に送ることで、供給流量よりも多くの圧油を伸室12側に供給し、本実施形態のスピードモード同様に、通常よりも速いロッド13の伸長速度を得ることができる。
しかし、この比較例の増速回路120は、少ない供給流量でロッド13の伸長速度を増速できるものの、ロッド伸長時には、伸室12側と縮室11側の油圧が常時同圧となる。そのため、ロッド13の伸長速度を増速している時は、油圧はシリンダ10のチューブ断面積相当ではなく、ロッド断面積相当のみに働き、ロッド13の伸方向への推力が小さくなってしまう。このため、特に、クレーンの吊り荷時のように、大きな荷重がかかった状態でロッド13を伸長する場合、シリンダ推力が不足してしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態の増速弁装置1は、コントローラ3が、荷重計2の検出値が閾値以上と判断した場合、ロッド13の伸長操作時、増速弁20の回路切換弁24へ通常モード用の制御信号を送り、回路切換弁24は、増速回路20kを閉じて縮室11からの圧油をタンクポートTへと排出し、通常の伸長作動を行わせる通常モードへと移行させる。
これにより、本実施形態の増速弁装置1は、荷重が大きい時には、通常モードへの移行により、増速回路20kから伸室12への圧油の回生が行われなくなり、ブーム伸縮用シリンダ10のロッド13の増速は行われなくなるものの、シリンダ10の前後室間相互の圧力差はロッド13のピストン部の受圧面積の差になる。そのため、通常モードでは、本来のシリンダの推力を得ることができる。したがって、クレーン操作を行っているオペレータは、シリンダ推力が得られずに伸長出来ない、という事態を避けることができるのである。
また、本実施形態の増速弁装置1の特徴として、回路圧による「荷ぶれの発生」に影響を与えないことが挙げられる。吊り荷が安定した状態でクレーン作業を行う上では、「荷ぶれを発生させない」ことが極めて重要である。
もし、例示として示す特許文献1のような回路圧の大小によって増速回路が切り替わる一般的な増速回路を使用したならば、増速回路の回路圧が安定しないと、そのモード切替付近では、スピードモードと通常モードとの頻繁な切替りによってクレーンの動作が不安定となり、それが荷ぶれの原因となることから、クレーン作業の安定性が低下することになる。クレーン作動中に発生する流体の脈動や、衝撃圧の発生等、回路圧が不安定となる要因はさまざまであり、回路圧の安定を保つのは困難である。
これに対し、本実施形態の増速弁装置1であれば、モード切替に関して回路圧による影響は存在しない。クレーンが吊り荷の負荷が大なる荷を吊りあげたときは、荷を下ろすまでそのまま通常モードを保持したまま作業が続けられ、吊り荷の負荷が小なる荷を吊りあげたときは、スピードモードを保持したまま作業が行われるので、一旦荷を吊り上げると、作動途中でモードが切替わることがない。そのため、「荷ぶれを発生」させることなく、安定して作業を行うことができるのである。
以上説明したように、この増速弁装置1を備えるクレーンによれば、ブーム伸縮用シリンダ10が担う荷重の大小に応じて増速回路20kを適切に切り替えることができる。なお、本発明に係る増速弁装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、この増速弁装置1では、ブーム伸縮用シリンダ10が担う荷重の大小に応じて、増速回路20kを切り替えることができるようにした説明で行ったが、これをクレーンの吊り荷の有無に応じて増速回路20kを適切に切り替えることができるようにしてもよい。
具体的には、コントローラ3は、ロッド13の伸長操作時に、荷重計2の検出値が閾値以上と判断した場合には、通常モード用の制御信号を回路切換弁24のソレノイドに送るようにしていたところ、これを吊り荷が有る(荷重計2の検出値が0より大きい(検出値が不感帯領域を超えた))場合は、通常モード用の制御信号を回路切換弁24に送るようにする。
同じく、コントローラ3は、ロッド13の伸長操作時に、荷重計2の検出値が閾値未満と判断した場合には、スピードモード用の制御信号を回路切換弁24のソレノイドに送るようにしていたところ、これを吊り荷が無い(荷重計2の検出値が0(検出値が不感帯領域未満))と判断した場合には、スピードモード用の制御信号を回路切換弁24に送るようにする。これにより、荷を吊るまでは増速で作動し、荷を吊ってからは通常の速度で作動するといったことが可能となる。
なお、「不感帯領域」とは、荷重計としてのロードセルの検出値が、フリクションの変動や、振動ないし慣性等に基づくバラツキを考慮して設定された領域であって、実質的に吊り荷が無い状態と判断できる検出値の範囲である。
また、例えば、上記第一実施形態では、増速回路20kが、複数のチェック弁を用いて構成されている例で説明したが、これに限定されず、本発明に係る増速弁装置は、スプールを用いて増速回路を構成してもよい。
[第二実施形態]
以下、増速回路にスプールを用いた、本発明の一態様に係る増速弁装置の第二実施形態について、図4および図5を適宜参照しつつ説明する。
図4に示すように、第二実施形態の増速弁装置1は、荷重計2、コントローラ3および増速弁30を有する。第二実施形態の増速弁装置1は、スプール31を用いて増速弁30を構成している点が第一実施形態と相違している。
この増速弁30は、図5に示すように、ブロック状の弁本体38を有し、弁本体38の側面に回路切換弁34が付設されている。弁本体38の内部には、図4に示す回路に対応した複数の油路が穿孔されるとともに、それら複数の油路の連通状態を切り替える切替溝を有するスプール31が、自身軸方向に沿ってスライド移動可能に内蔵されている。スプール31の両端はプラグ32、33にて埋栓され、一方のプラグ33(同図左側)とスプール31との間にコイルばね36が介装されている。スプール31は、コイルばね36により同図右方向に付勢されている。
第二実施形態の増速弁装置1は、上記第一実施形態と同様に、回路切換弁34の内部のソレノイドに電流を流すか否かが、荷重計2に接続したコントローラ3からの制御信号によって切り替えられるように構成されている。
すなわち、コントローラ3は、ロッド13の伸長操作時に、上記第一実施形態同様の増速作動制御処理を実行する。
第二実施形態のコントローラ3は、荷重計2の検出値が閾値以上と判断した場合は、通常モードに移行する。なお、このとき制御信号は出力しない。これにより、回路切換弁34のソレノイドには電流が流れず、回路切換弁34のパイロット圧は生じない。そのため、弁本体38のスプール31は、図5(a)に示すように、コイルばね36により付勢された右寄りの位置となる。
そのため、縮室11から押し出された圧油は、スプール31の切替溝による油路A→Bを通って第二のサービスポートA1に連通し、図4(a)に示すように、第二のサービスポートA1からタンクポートTへと縮室11側の圧油が排出される。よって、通常モードのときは、増速回路30kへの圧油を遮断して通常の速度でロッド13が伸長する。
これに対し、コントローラ3は、荷重計2の検出値が閾値未満と判断した場合は、スピードモードに移行して制御信号を回路切換弁34に出力する。制御信号により回路切換弁34のソレノイドに電流が流れると、回路切換弁34のパイロット圧が生じ、ポンプ5から出た圧油は回路切換弁34内の油路Sから油路Qに流れ、図5(b)に示す油室Rに入ってスプール31の右側端面を押圧する。
これにより、弁本体38内部のスプール31は、図5(b)に示すように、コイルばね36の付勢力に抗して左寄りの位置にスライド移動する。そのため、スプール31の切替溝の移動により油路が切り替えられ、縮室11側の第二の油路8から押し出された圧油が、図4(b)に示すように、増速回路30kを構成するスプール31の油路C→Dを通ってポンプ5から吐出した圧油と合流する。よって、スピードモードのときは、増速回路30kを開いて、シリンダ10の縮室11側から出た圧油はシリンダ10の伸室12側に入りロッド13の伸長速度を増速する。
したがって、第二実施形態の増速弁装置1によっても、荷重計2の検出値が閾値未満の場合に限って、増速された速度でロッド13を伸長させることができる。このように、スプールを用いて増速弁を構成した第二実施形態の増速弁装置1においても、複動油圧シリンダが担う荷重の大小に応じて、増速回路を適切に切り替えることができる。
1 増速弁装置
2 荷重計
3 コントローラ
4 切換弁
5 ポンプ
6 タンク
7 第一の油路
8 第二の油路
10 ブーム伸縮用シリンダ(複動油圧シリンダ)
11 縮室
12 伸室
13 ロッド
14 チューブ
15 ピストン
20 増速弁
21 第一チェック弁
22 第二チェック弁
23 第三チェック弁
24 回路切換弁
25 第一パイロット
26 第二パイロット
27 伸回路
28 弁本体
29 縮回路
30 増速弁
31 スプール
32 プラグ
33 プラグ
34 回路切換弁
36 ばね
38 弁本体

Claims (3)

  1. クレーンのブーム伸縮用の複動油圧シリンダのロッド側からの圧油をヘッド側に回生することにより、前記ロッドの伸長速度を増速させる増速回路を有する増速弁装置であって、
    前記複動油圧シリンダが担う荷重の大小を判断するコントローラと、前記増速回路を有するとともに前記コントローラからの制御信号に基づいて前記増速回路を切り替える回路切換弁を有する増速弁とを備え、
    前記コントローラは、荷重が所定未満と判断したときは、スピードモード用の制御信号を前記回路切換弁に送り、荷重が所定以上と判断したときは、通常モード用の制御信号を前記回路切換弁に送り、
    前記増速弁は、前記複動油圧シリンダと該複動油圧シリンダ用の制御弁との間に設けられ、
    前記複動油圧シリンダは、伸室が前記制御弁の第一のサービスポートに第一の油路を介して接続されるとともに、縮室が前記制御弁の第二のサービスポートに第二の油路を介して接続され、
    前記増速弁は、前記第二の油路に介装され、通常時は前記制御弁の第二のサービスポートから縮室に入る圧油の流れに限って許容し、前記回路切換弁からのパイロット圧を受けた時は、縮室から排出される圧油をタンクポートへと排出可能に開くようになっている第一チェック弁を有し、
    前記増速回路は、前記第一の油路と前記第二の油路の前記第一チェック弁よりも縮室側相互を繋ぐように配置され、通常時は縮室側からの圧油が流れないように閉じており、前記回路切換弁からのパイロット圧を受けた時に開状態となる第二チェック弁と、縮室側から伸室側への圧油の流れに限って許容する第三チェック弁とを有し、
    前記増速弁は、制御信号がスピードモード用のときは、前記回路切換弁が前記増速回路を開いて増速された速度で前記ロッドを伸長させ、制御信号が通常モード用のときは、前記回路切換弁が前記増速回路を遮断して通常の速度で前記ロッドを伸長させることを特徴とする増速弁装置。
  2. 前記複動油圧シリンダが担う荷重を検出する荷重計を更に備え、
    記荷重計は、前記複動油圧シリンダが担う荷重の大小を検出可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の増速弁装置。
  3. 前記荷重計は、前記クレーンの吊り荷の有無を検出可能に設けられ、
    前記コントローラは、前記クレーンの吊り荷の有無に基づいて前記回路切換弁を制御し、吊り荷が無いと判断したときは、スピードモード用の制御信号を前記回路切換弁に送り、吊り荷が有ると判断したときは、通常モード用の制御信号を前記回路切換弁に送る請求項に記載の増速弁装置

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