JP3748734B2 - 工作物把持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械において工作物を把持する工作物把持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の工作物把持装置の中には、工作物を解放するアンクランプ位置と、工作物を完全に把持する本クランプ位置との間に中間段階として仮クランプ位置を設定し、前記アンクランプ位置からいきなり本クランプ位置に切換えられるものよりも安全性を高めるようにしたものが知られている。その一例を図12〜図14に示す。
【0003】
同図において、10は工作機械の主軸であり、この主軸10の先端に略円筒状のベース部材11が固定され、その先端部に基板12が固定されている。基板12のさらに先端側には薄肉のダイヤフラム13が設けられ、その中央部にはダイヤフラム13の変形を助けるための貫通孔13aが設けられている。このダイヤフラム13の外周部には複数(図例では3つ)のクランプ部材14が周方向に等間隔で並ぶ状態で固定され、各クランプ部材14の先端には、内向きに突出する抱き爪14aが形成されている。
【0004】
一方、前記主軸10の中心にはこの主軸10と一体に回転するドローバー(操作軸)16が挿通され、このドローバー16の先端に操作部材17が設けられている。この操作部材17の先端には、前記ダイヤフラム13の貫通孔13aの周縁部を押圧操作するためのプッシャ19が突設されている。操作部材17の中間部周囲にはドーナツ板状の操作板18が設けられ、その中央部が前記操作部材17の外周面に形成された球面17bに揺動可能に係合されている。
【0005】
操作板18には操作軸20の後端が相対回転可能に連結されている。この操作軸20は、前記基板12に設けられたブッシュ22及びダイヤフラム13を貫通して先端側に突出しており、その突出先端部に引き爪24が固定されている。操作軸20の外周面には図12(b)に示すように途中に傾斜部をもつカム溝20aが形成される一方、ブッシュ22には前記カム溝20aに嵌まり込むピン22aが固定されており、これらからなるカム機構によって、操作軸20の軸方向運動に連動して操作軸20が所定角度回転するようになっている。
【0006】
なお、図12(a)及び図13において26はバッキングプレートであり、このバッキングプレート26はダイヤフラム13を貫通する取付軸28を介して前記基板12側に固定されている。
【0007】
この装置の作用は次のとおりである。
【0008】
1)アンクランプ状態
工作物Wをセットする前の段階では、ドローバー16、操作部材17、及び操作軸20を一体に前進させておく。このとき、操作部材17のプッシャ19が図12(a)の二点鎖線19aに示すようにダイヤフラム13の中央近傍部分を先端側に押圧することにより、同ダイヤフラム13が変形し、このダイヤフラム13に固定されている抱き爪14aは図12(a)の二点鎖線及び図14(b)に示すように工作物Wを解放する開位置に保持される。引き爪24も図12(a)の二点鎖線24aに示すように工作物Wの保持位置から前方に十分離間した位置にある。しかも、その角度位置は、図13二点鎖線に示されるように、工作物Wを前方からセットする際に当該工作物Wと干渉しない待避角度位置に保たれる。この状態は、抱き爪14a、引き爪24のいずれも工作物セット位置から十分離れたアンクランプ状態である。
【0009】
2)仮クランプ
前記アンクランプ状態で、作業者が片手で工作物Wを把持してバッキングプレート26に前方から当てながらもう一方の手で図略の仮クランプ指令スイッチを押すと、前記ドローバー16、引込み板18、及びロッド20が限られたストロークだけ一体に後退する。これにより、プッシャ19が図12(a)の二点鎖線19bに示す位置まで後退してダイヤフラム13が解放される。すなわち、ダイヤフラム13が無変形状態に戻るため、このダイヤフラム13に固定されている抱き爪14aは図12(a)及び図14(a)に示すように工作物Wを側方から支える抱き位置に移動する。しかしながら、引き爪24は図12(a)の二点鎖線24bに示すように工作物Wから未だ十分に離れた位置に保たれており、工作物Wを把持している作業者の手が前記引き爪24と工作物Wとの間に挟まれるおそれはない。このように、抱き爪14aのみで工作物Wを保持する仮クランプ段階を次の本クランプの前に置くことにより、いきなり本クランプへ移行するものよりも高い安全性を確保することができる。
【0010】
3)本クランプ
前記仮クランプ状態で作業者が工作物Wから手を離し、今度は両手で同時に2つの本クランプ指令スイッチを操作すると、前記ドローバー16、引込み板18、及びロッド20が前記仮クランプ位置からさらに図12(a)の実線位置まで後退する。このとき、カム溝20aとピン22aのカム作用で操作軸20及び引き爪24が回転しながら後退し、その結果、引き爪24は工作物Wをバッキングプレート26とで前後方向に挟み込む引込み位置に移動し(図12(a),図13)、これにより本クランプが達成される。この本クランプへ移行するための前記本クランプ指令スイッチを、作業者が両手を使わなければ操作できない構成にすれば、作業者の手が工作物Wと引き爪24との間に挟まれることを確実に防止することが可能になる。
【0011】
以上説明したようにアンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置では、ドローバー16を3つの位置に位置決めする駆動システムが必要である。その具体的手段である油圧回路の一例を図15〜図18に示す。
【0012】
図において15は油圧シリンダからなるクランプシリンダであり、その伸縮ロッドがそのまま前記ドローバー16として構成されている。クランプシリンダ15内は、前記ドローバー16とつながるピストンによってへッド側室(第1作動室)15hとロッド側室(第2作動室)15rとに区画されている。
【0013】
この回路は、前記クランプシリンダ15の他、油圧ポンプ30、メイン切換弁32、及び定量分配シリンダ38を具備している。
【0014】
定量分配シリンダ38は、前記クランプシリンダ15と同じく油圧シリンダからなり、そのピストンによって内部がへッド側室(第1作動室)38hとロッド側室(第2作動室)38rとに区画されている。しかし、その全体容量はクランプシリンダ15よりも小さく、また、前記ピストン内にはへッド側室38hからロッド側室38rへの油の流れのみを許容する(すなわちロッド側室38rからへッド側室38hへの油の流れは阻止する)逆止弁40が設けられている。そして、そのへッド側室38hが前記クランプシリンダ15のロッド側室16に直接接続される一方、伸縮ロッドの近傍にはそのストローク位置を検出するストローク検出スイッチ42が設けられている。
【0015】
メイン切換弁32は、ソレノイドの励磁により位置切換される2位置電磁切換弁からなり、その出力ポートとしてAポートとBポートとを有している。Aポートは前記クランプシリンダ15のへッド側室15hに接続され、Bポートは前記定量分配シリンダ38のロッド側室38rに接続されている。そして、このメイン切換弁32の一方のソレノイドが励磁されると、図15に示すように前記Aポートを油圧ポンプ30の吐出側に接続し、かつBポートをタンクに接続する第1切換位置に切換えられ、逆に他方のソレノイドが励磁されると、図16に示すように前記Aポートをタンクに接続し、かつBポートを油圧ポンプ30の吐出側に接続する第2切換位置に切換えられるようになっている。
【0016】
さらに、この回路では、前記Bポートとクランプシリンダ15のロッド側室15rとの間で定量分配シリンダ38をバイパスするバイパス通路34が設けられており、その途中にバイパス切換弁36が設けられている。このバイパス切換弁36も、前記メイン切換弁32と同様に2位置電磁切換弁からなり、その片側に設けられたソレノイドが励磁されない状態では図15及び図16に示すように前記バイパス通路34を遮断する遮断位置に切換えられ、ソレノイドが励磁されると図17及び図18に示すように同バイパス通路34を連通する連通位置に切換えられるようになっている。
【0017】
この回路の作用は次のとおりである。
【0018】
1)アンクランプ状態(図15)
初期のアンクランプ状態では、クランプシリンダ15のへッド側室15h及び定量分配シリンダ38のへッド側室38hがそれぞれ最大容量とされ、クランプシリンダ15の伸縮ロッドであるドローバー16の先端の操作部材17は、前方に最も突出したアンクランプ位置(前記図12(a)に二点鎖線19aで示したようにプッシャ19がダイヤフラム13を押圧する位置)に保持されている。また、メイン切換弁32は第1切換位置に、バイパス切換弁36は遮断位置に、それぞれ切換えられている。
【0019】
2)仮クランプ(図16)
前記アンクランプ状態から仮クランプ指令スイッチが入力されると、メイン切換弁32が第2切換位置に切換えられる。これにより、クランプシリンダ15のへッド側室15hがAポートを通じてタンクに連通される一方、油圧ポンプ30の吐出油(圧力流体)がBポートを通じて定量分配シリンダ38のロッド側室38rに供給される。これにより定量分配シリンダ38のロッドが収縮し、そのストローク分だけへッド側室38h内の油がクランプシリンダ15のロッド側室15r内に移される。その結果、クランプシリンダ15は限られたストロークだけ収縮し、ドローバー16及び操作部材17は中間位置である仮クランプ位置に位置決めされる。
【0020】
3)本クランプ(図17)
前記仮クランプ状態から本クランプ指令スイッチが入力されると、バイパス切換弁36のソレノイドが励磁されて同切換弁36が連通位置に切換えられる。これにより、油圧ポンプ30の吐出油がBポート及びバイパス通路34を通じてクランプシリンダ15のロッド側室15rに直接供給される。これにより、クランプシリンダ15は最大限収縮し、ドローバー16及び操作部材17は本クランプ位置までフルに後退する。
【0021】
4)アンクランプ状態への復帰
前記本クランプ状態でクランプ解除指令が入力されると、まずバイパス切換弁36が遮断位置に戻され、次いでメイン切換弁32が第1切換位置に戻される。これにより、クランプシリンダ15のへッド側室15hに油圧ポンプ30の吐出油が供給されて同シリンダ15がアンクランプ位置まで伸長し、その伸長に伴って同シリンダ15のロッド側室15rから押出された油が定量分配シリンダ38のへッド側室38hに供給されることにより同定量分配シリンダ38も伸長して、最終的に前記図15のアンクランプ状態に復帰する。このとき、クランプシリンダ15の容量と定量分配シリンダ38の容量との差に相当する分の油は同定量分配シリンダ38のへッド側室38hからピストン内の逆止弁40を通じてロッド側室38rさらにはタンクへ逃がされる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
前記図15〜図18に示した駆動回路では、次のような解決すべき課題がある。
【0023】
A)定量分配シリンダ38のピストン内に設けられた逆止弁40に切粉などの異物がかみ込んで同逆止弁40が逆止機能を失うと、図15のアンクランプ状態から仮クランプ状態に切換えるべくメイン切換弁32が第2切換位置(すなわち吐出油を定量分配シリンダ38のロッド側室38rに供給する位置)に切換えられた際、同シリンダ38のロッド側室38r内の圧力油が逆止弁40からへッド側室38h内に漏れることにより、クランプシリンダ15が図16に示す仮クランプ位置を通り越していきなり本クランプ位置まで到達してしまうおそれがある。
【0024】
B)図17に示す本クランプ状態で、バイパス切換弁36のスプールに切粉などの異物が噛み込む等して同切換弁36が切換不良を起こすと、その本クランプ状態から図18の状態に移行すべくバイパス切換弁36のソレノイドの励磁を解除しても、同切換弁36が連通位置から遮断位置に復帰しない場合が存在する。この場合、次にメイン切換弁32を第1切換位置に戻すことにより、クランプシリンダ15はアンクランプ位置に復帰するが、次に仮クランプ状態に切換えようとして再度メイン切換弁32を第2切換位置に切換えた際には、前記バイパス切換弁36が連通位置のままであるため、油圧ポンプ30の吐出油がバイパス通路34を通じて直接クランプシリンダ15のロッド側室15rに供給され、これにより仮クランプ状態を通り越していきなり本クランプ状態に切換わってしまうおそれがある。しかも、前記バイパス切換弁36の作動不良は外部から確認できないので、前記アンクランプ状態から本クランプ状態へのいきなりの切換を使用者は予測できない。
【0025】
なお、以上の説明はアンクランプ→仮クランプ→本クランプの順に切換えられる装置についてであるが、逆に本クランプ状態からアンクランプ状態へ戻る途中に仮クランプ段階が設定されている装置(例えば工作物Wが本クランプ状態からいきなり解放されて落下してしまうのを防ぐためにその途中に仮クランプ段階が設定された装置)においても、前記と同様の原理で当該仮クランプ段階が飛び越されてしまうおそれがある。
【0026】
本発明は、このような事情に鑑み、各種弁の作動不良に起因して仮クランプ段階が消滅することによりアンクランプ状態から本クランプ状態への切換、もしくは本クランプ状態からアンクランプ状態への切換がいきなり行われてしまう不都合を未然に防止できる工作物把持装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、工作物を把持するためのクランプ機構と、ピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室への作動流体の供給によって当該ピストンが作動するクランプシリンダとを備え、このクランプシリンダのピストンの作動によって前記クランプ機構がアンクランプ状態とクランプ状態とに切換えられるとともに、このクランプシリンダのピストン切換位置として、アンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置において、前記クランプシリンダよりも小さい容量を有する定量分配シリンダを備え、そのピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室のうちの第1作動室を前記クランプシリンダの第2作動室に接続するとともに、前記クランプシリンダの第1作動室に圧力流体を供給するとともに前記定量分配シリンダの第2作動室内の流体を逃がす第1切換位置と前記定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体を供給するとともに前記クランプシリンダの第1作動室内の流体を逃がす第2切換位置とに切換可能なメイン切換弁と、前記メイン切換弁と前記クランプシリンダの第2作動室との間で前記定量分配シリンダをバイパスするバイパス通路中に設けられ、当該バイパス通路を連通する連通位置と遮断する遮断位置とに切換えられるバイパス切換弁とを備え、前記定量分配シリンダのストローク分だけ前記クランプシリンダの第2作動室内に流体が移された状態で当該クランプシリンダのピストンが前記仮クランプ位置に切換えられるように構成し、かつ、前記バイパス切換弁が遮断位置にあるか否かを検出するバイパス検出手段と、前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合には前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換えることを禁止する切換禁止手段とを備えたものである。
【0028】
この装置において、クランプシリンダの第2作動室及び定量分配シリンダの第2作動室がそれぞれ最小容量にある状態(アンクランプ状態もしくは本クランプ状態)で、バイパス切換弁を遮断位置に切換え、かつ、メイン切換弁を第2切換位置に切換えることにより、定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体が供給されて同定量分配シリンダがストロークし、そのストローク分だけクランプシリンダの第2作動室に作動油が供給されることにより同クランプシリンダのピストンが中間の仮クランプ位置に切換えられる。その後、前記バイパス切換弁が連通位置に切換えられ、このバイパス切換弁を通じて前記クランプシリンダの第2作動室に直接圧力流体が供給されることにより、同クランプシリンダがフルストロークして本クランプ状態もしくはアンクランプ状態に切換えられる。
【0029】
ここで、前記バイパス切換弁がその作動不良によって遮断位置に切換不能となっている場合、すなわち、連通位置から切換わらなくなっている場合、その状態のまま前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換えると、圧力流体がいきなり前記バイパス切換弁を通じてクランプシリンダの第2作動室に供給されてしまい、同クランプシリンダが仮クランプ位置を通り越してフルストロークしてしまうことになるが、この発明にかかる装置では、事前にバイパス切換弁が遮断位置にあるか否かが確認され、同切換弁が連通位置にある場合にはメイン切換弁を第2切換位置に切換える操作(すなわち仮クランプ移行操作)が禁止されるので、前記のように作業者の意図に反していきなりアンクランプ状態から本クランプ状態(もしくは本クランプ状態からアンクランプ状態)に切換えられるおそれがない。これにより、高い安全性が確保される。
【0030】
ここで、前記バイパス切換弁が遮断位置にあるか否かを検出するバイパス検出手段としては、同バイパス切換弁のスプールストロークを直接検知するセンサを同切換弁内に組み込むようにしてもよいが、このバイパス切換弁を、前記遮断位置に切換えられた状態でのみ前記メイン切換弁からクランプシリンダの第1作動室に供給される圧力流体の一部を特定の逃がし路に逃がすように構成するとともに、この逃がし路に流体が流れているか否かを検出する流体検出手段を設けるようにすれば、簡単且つ安価な構成でバイパス切換弁の切換状態を確認することができる。
【0031】
また、前記切換禁止だけでなく、さらに、前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換える指令が入力されたときに前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合に警告信号を出力する警告制御手段を備えれば、使用者に回路の故障を明確に知らせることができる。
【0032】
また本発明は、工作物を把持するためのクランプ機構と、ピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室への作動流体の供給によって当該ピストンが作動するクランプシリンダとを備え、このクランプシリンダのピストンの作動によって前記クランプ機構がアンクランプ状態とクランプ状態とに切換えられるとともに、このクランプシリンダのピストン切換位置として、アンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置において、前記クランプシリンダよりも小さい容量を有する定量分配シリンダを備え、そのピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室のうちの第1作動室を前記クランプシリンダの第2作動室に接続するとともに、前記クランプシリンダの第1作動室に圧力流体を供給するとともに前記定量分配シリンダの第2作動室内の流体を逃がす第1切換位置と前記定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体を供給するとともに前記クランプシリンダの第1作動室内の流体を逃がす第2切換位置とに切換可能なメイン切換弁と、前記メイン切換弁と前記クランプシリンダの第2作動室との間で前記定量分配シリンダをバイパスするバイパス通路中に設けられ、当該バイパス通路を連通する連通位置と遮断する遮断位置とに切換えられるバイパス切換弁とを備え、前記定量分配シリンダのストローク分だけ前記クランプシリンダの第2作動室内に流体が移された状態で当該クランプシリンダのピストンが前記仮クランプ位置に切換えられるように構成し、かつ、前記定量分配シリンダのストローク位置を検出するストローク位置検出手段と、前記メイン切換弁が第2切換位置に切換えられかつバイパス切換弁が連通位置に切換えられた状態から前記クランプシリンダ及び定量分配シリンダの双方のピストンを逆位置に戻す際に、まずバイパス切換弁を遮断位置に切換え、次にメイン切換弁を第1切換位置に切換え、この切換によって前記定量分配シリンダが逆位置に戻ったのを前記ストローク位置検出手段が検出した後に前記バイパス切換弁を連通位置に切換える切換制御手段とを備えたものである。
【0033】
この構成によれば、前記メイン切換弁が第2切換位置に切換えられかつバイパス切換弁が連通位置に切換えられた状態から前記クランプシリンダ及び定量分配シリンダの双方のピストンを逆位置に戻す際、すなわち、本クランプ状態からアンクランプ状態に戻す際もしくはアンクランプ状態から本クランプ状態へ戻す際に、定量分配シリンダのストローク位置検出手段を用いた切換制御を行うことによって、従来のように定量分配シリンダのピストンに逆止弁を設けることなく、各シリンダのピストン位置を切換えることができ、前記逆止弁の作動不良に起因して仮クランプ位置が飛び越されてしまう不都合を未然に防止することができる。
【0034】
また本発明は、工作物を把持するためのクランプ機構と、ピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室への作動流体の供給によって当該ピストンが作動するクランプシリンダとを備え、このクランプシリンダのピストンの作動によって前記クランプ機構がアンクランプ状態とクランプ状態とに切換えられるとともに、このクランプシリンダのピストン切換位置として、アンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置において、前記クランプシリンダよりも小さい容量を有する定量分配シリンダを備え、そのピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室のうちの第1作動室を前記クランプシリンダの第2作動室に接続するとともに、前記クランプシリンダの第1作動室に圧力流体を供給するとともに前記定量分配シリンダの第2作動室内の流体を逃がす第1切換位置と前記定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体を供給するとともに前記クランプシリンダの第1作動室内の流体を逃がす第2切換位置とに切換可能なメイン切換弁と、前記メイン切換弁と前記クランプシリンダの第2作動室との間で前記定量分配シリンダをバイパスするバイパス通路中に設けられ、当該バイパス通路を連通する連通位置と遮断する遮断位置とに切換えられるバイパス切換弁とを備え、前記定量分配シリンダのストローク分だけ前記クランプシリンダの第2作動室内に流体が移された状態で当該クランプシリンダのピストンが前記仮クランプ位置に切換えられるように構成し、かつ、前記バイパス通路の途中に絞りを設けたものである。
【0035】
この構成によれば、前記メイン切換弁が第2切換位置に切換えられかつバイパス切換弁が連通位置に切換えられた状態から前記クランプシリンダ及び定量分配シリンダの双方のピストンを逆位置に戻すには、バイパス切換弁は連通状態のままメイン切換弁を第2切換位置から第1切換位置に切換えるだけの操作をすればよい。この操作により、クランプシリンダの第1作動室に圧力流体が供給されて同クランプシリンダがストロークし、その第2作動室内の流体が定量分配シリンダ側及びバイパス通路側に押出されるが、バイパス通路には絞りが設けられていて流れ抵抗が大きい状態にあるので、前記流体は定量分配シリンダ側に優先して流れ、その結果、まずこの定量分配シリンダのピストンが元の位置に復帰する。その後、クランプシリンダの第2作動室内の油は前記絞りを通じて逃がされ、このクランプシリンダのピストンも完全に元の位置に復帰する。
【0036】
従って、この装置によれば、従来装置のように定量分配シリンダのピストンに逆止弁を設けることなく、クランプシリンダ及び定量分配シリンダの双方のピストン位置を復帰させることができ、前記逆止弁の作動不良に起因して仮クランプ段階が飛び越されてしまう不都合を確実に防ぐことができる。
【0037】
この装置では、前記絞りと並列に、クランプシリンダの第2作動室からメイン切換弁へ向かう方向のみその方向への流体の流れを阻止する逆止弁を設けることが、より好ましい。この構成によれば、仮クランプ状態から本クランプ状態もしくはアンクランプ状態へ移行するためにメイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置へ切換えた際、圧力流体は前記逆止弁を通じて(すなわち絞りをバイパスして)クランプシリンダの第2作動室に供給されるため、同圧力流体が絞りを通じて第2作動室へ供給される場合よりも迅速に仮クランプ状態から本クランプ状態もしくはアンクランプ状態への切換がなされる。
【0038】
この絞りや前記ストローク位置検出手段及び切換制御手段を備えた装置において、さらに、前記バイパス切換弁が遮断位置にあるか否かを検出するバイパス検出手段と、前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合には前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換えることを禁止する切換禁止手段とを備えることにより、安全性はさらに高められる。この場合も、前記バイパス切換弁を、前記遮断位置に切換えられた状態でのみ前記メイン切換弁からクランプシリンダの第1作動室に供給される圧力流体の一部を逃がし路に逃がすように構成するとともに、この逃がし路に流体が流れているか否かを検出する流体検出手段を設けたり、前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換える指令が入力されたときに前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合に警告信号を出力する警告制御手段を備えたりするのがより好ましいことは、いうまでもない。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、装置のハード構成は前記図12〜図14に示したものと同等であり、ここではその説明を省略する。また、油圧回路についても、その基本構成要素は前記図15〜図18に示したものと共通するので、同図に示した回路の構成要素と同一のものには同一の参照符を付してその説明を省略する。
【0040】
第1の実施の形態(図1〜図6)
ここに示す装置は、クランプシリンダ15、油圧ポンプ30、メイン切換弁32、定量分配シリンダ38、及びバイパス切換弁46を備えている点では前記図15〜図18に示した従来装置と共通しているが、前記バイパス切換弁46は、前記図15等に示したバイパス切換弁36と異なり、その遮断位置でメイン切換弁32のAポートをタンク側に逃がすように構成されている。そして、この逃がし路の途中に絞り44が設けられるとともに、その絞り44の上流側に圧力スイッチ48が設けられており、絞り44の上流側圧力が一定以上となった場合、すなわち、前記逃がし路に油圧ポンプ30の吐出油が流れた場合に圧力スイッチ48がオフからオンに切換えられるようになっている。
【0041】
この装置では、定量分配シリンダ38のピストンに逆止弁は設けられていない。その代わりに、前記圧力スイッチ48の検知信号と、定量分配シリンダ38のストローク検知スイッチ42の検出信号とがマイクロコンピュータ等からなるコントローラ50に入力され、このコントローラ54によって各切換弁32,46の特別な切換制御が行われるようになっている。
【0042】
次に、その切換制御の内容を説明する。
【0043】
1)アンクランプ状態(図1)
初期のアンクランプ状態では、クランプシリンダ15のへッド側室15h及び定量分配シリンダ38のへッド側室38hがそれぞれ最大容量とされ、クランプシリンダ15の伸縮ロッドであるドローバー16の先端の操作部材17は、前方に最も突出したアンクランプ位置(前記図12(a)に二点鎖線19aで示したようにプッシャ19がダイヤフラム13を押圧する位置)に保持されている。また、特に故障のない限り、メイン切換弁32は第1切換位置に、バイパス切換弁46は遮断位置に、それぞれ切換えられている。
【0044】
2)仮クランプ(図2)
前記アンクランプ状態から仮クランプ指令スイッチが入力されると、原則的にはメイン切換弁32を図2の第2切換位置に切換えるが、その前に、コントローラ50はまず、圧力スイッチ48がオンになっているか否かを確認する。圧力スイッチ48がオフである場合、すなわち、バイパス切換弁46の下流の絞り44に油圧ポンプ30の吐出油が流れていない場合には、バイパス切換弁46が何らかの原因で切換不良を起こしていて遮断位置になく、連通位置にあると考えられ、しかも、この状態でメイン切換弁32を第2切換位置に切換えると、前記バイパス切換弁46を通じてクランプシリンダ15のへッド側室15hに直接ポンプ吐出油が供給されてしまい、いきなり本クランプ位置に切換えられてしまう誤作動が生じることになる。このような事態を避けるため、コントローラ50は、前記圧力スイッチ48がオフの場合にはメイン切換弁32の切換を行わず(すなわち当該切換を禁止し)、かつ、ランプやブザーなどの適当な警告発生機器に警告指令信号を出力する。
【0045】
圧力スイッチ48がオンである場合には、バイパス切換弁46が正常に遮断位置に切換えられていると判断できるので、従来装置と同様、仮クランプ指令の入力に伴ってメイン切換弁32を第2切換位置に切換える。これにより、クランプシリンダ15のへッド側室15hがAポートを通じてタンクに連通される一方、油圧ポンプ30の吐出油(圧力流体)がBポートを通じて定量分配シリンダ38のロッド側室38rに供給される。これにより定量分配シリンダ38のロッドが収縮し、そのストローク分だけへッド側室38h内の油がクランプシリンダ15のロッド側室15r内に移される。その結果、クランプシリンダ15は限られたストロークだけ収縮し、ドローバー16及び操作部材17は中間位置である仮クランプ位置に位置決めされる。
【0046】
3)本クランプ(図3)
前記仮クランプ状態から本クランプ指令スイッチが入力されると、コントローラ50は、バイパス切換弁46のソレノイドを励磁して同切換弁46を図3の連通位置に切換える。これにより、油圧ポンプ30の吐出油がBポート及びバイパス通路34を通じてクランプシリンダ15のロッド側室15rに直接供給される。これにより、クランプシリンダ15は最大限収縮し、ドローバー16及び操作部材17は本クランプ位置までフルに後退する。この動作は従来と全く同様である。
【0047】
4)アンクランプ状態への復帰(図4〜図6)
前記本クランプ状態でクランプ解除指令が入力されると、コントローラ50はクランプシリンダ15及び定量分配シリンダ38をそれぞれ図1の位置に戻すような切換制御を行う。
【0048】
具体的には、前記図3に示した本クランプ状態から、まずバイパス切換弁46を図4の遮断位置に切換え、次に、メイン切換弁32を図5に示す第1切換位置に戻す。これにより、クランプシリンダ15のへッド側室15hに油圧ポンプ30の吐出油が供給されて同シリンダ15がアンクランプ側に伸長し、その伸長に伴って同シリンダ15のロッド側室15rから押出された油が定量分配シリンダ38のへッド側室38hに供給されることにより同シリンダ38も伸長する。しかし、前記従来装置と異なり定量分配シリンダ38のピストンには逆止弁が設けられていないので、クランプシリンダ15のロッド側室15rから定量分配シリンダ38のへッド側室38hへは定量分配シリンダ38のストローク分の油しか流入することができない。すなわち、ロッド側室15rに充満していた油の一部は逃げ場所がなく同室15rにとどまることになり、その結果、クランプシリンダ15はアンクランプ位置よりも手前の中間位置(図5)で停止する。
【0049】
そこで、コントローラ50は、前記メイン切換弁32の切換によって定量分配シリンダ38がフルに伸長したことをストローク検知スイッチ42が検知した時点で、メイン切換弁32を第1切換位置に保ったままバイパス切換弁46を図6の連通位置に切換える。これにより、クランプシリンダ15のロッド側室15r内の油はバイパス切換弁46及びメイン切換弁32を通じてタンクに逃げることが可能になり、その結果、クランプシリンダ15は図6に示すアンクランプ位置まで到達する。その到達後、バイパス切換弁46を遮断位置に切換えることにより、前記図1の状態に復帰することができる。
【0050】
以上説明したように、この実施の形態にかかる装置では、図1のアンクランプ状態から図2の仮クランプ位置に移行するにあたり、まず圧力スイッチ48の信号によってバイパス切換弁46が遮断位置にあるか否かを確認し、遮断位置にある場合にのみ仮クランプへの切換操作すなわちメイン切換弁32を第2切換位置に切換える操作を行うようにしているので、バイパス切換弁46がその故障で連通位置にある状態のままメイン切換弁32が第2切換位置に切換えられることによりアンクランプ状態から本クランプ状態へいきなり切換わってしまう不都合を確実に防止することができる。
【0051】
また、この装置では、本クランプ状態からアンクランプ状態へ復帰するに際し、前記図4〜図6に示すようなストローク検知スイッチ42の検知信号に基づく切換制御を行うことにより、定量分配シリンダ38のピストンに逆止弁を設けることを不要にしているので、その逆止弁の作動不良に起因してアンクランプ状態からいきなり本クランプ状態に切換わってしまう不都合も防止することが可能となっている。
【0052】
第2の実施の形態(図7〜図10)
この第2の実施の形態にかかる装置の基本構成は、前記第1の実施の形態で示したものと同様であるが、その特徴として、バイパス通路34の途中に前記バイパス切換弁46と直列に絞り52が設けられるとともに、この絞り52と並列に逆止弁54が設けられている。この逆止弁54は、絞り52をバイパスする通路において、ロッド側室15rからメイン切換弁32のBポートへの油の流れを阻止する(すなわちBポートからロッド側室15rへの油の流れは許容する)ように構成されている。
【0053】
この装置において、アンクランプ状態(図7)から仮クランプ状態(図8)への切換動作は前記第1の実施の形態で示したものと全く同様である。
【0054】
仮クランプ状態から本クランプ指令スイッチが入力されると、コントローラ50は、バイパス切換弁46のソレノイドを励磁して同切換弁46を図9の連通位置に切換える。これにより、油圧ポンプ30の吐出油がBポートを通じてバイパス通路34に供給される。このバイパス通路34には絞り52が設けられているが、これと並列に逆止弁54が設けられており、しかもこの逆止弁54はクランプシリンダ15側への油流れを許容するので、結局、油圧ポンプ30の吐出油は直接ロッド側室15rに供給されることになる。これにより、クランプシリンダ15は最大限収縮し、ドローバー16及び操作部材17は本クランプ位置までフルに後退する。
【0055】
次に、この本クランプ状態でクランプ解除指令が入力されると、コントローラ50は、バイパス切換弁46を連通位置に保ったままメイン切換弁32を第1切換位置に戻す。これにより、クランプシリンダ15のへッド側室15hに油圧ポンプ30の吐出油が供給されて同シリンダ15がアンクランプ側に伸長し、その伸長に伴って同シリンダ15のロッド側室15rから押出された油が定量分配シリンダ38とバイパス通路34の双方に流出する。ここで、前記バイパス通路34の途中には絞り52が設けられており、しかも、この絞り52と並列に設けられている逆止弁54はメイン切換弁32側への油の流れを阻止するので、バイパス通路34側では絞り52の流れ抵抗が働き、その結果、クランプシリンダ15のロッド側室15rから流出した油は定量分配シリンダ38のへッド側室38h側に優先して流れることになる。従って、同定量分配シリンダ38は確実に伸長する。また、同シリンダ38が伸長した後は、クランプシリンダ15のロッド側室15r内の油は絞り52を通じてタンク側に逃げることが可能であり、よってクランプシリンダ15も元のアンクランプ位置まで完全に伸長することができる(図10の状態)。
【0056】
この実施の形態にかかる装置においても、従来装置のように定量分配シリンダ38のピストンに逆止弁を設けることなく、クランプ後に両シリンダ15,38を図7に示す初期位置へ戻すことができる。しかも、図9に示す本クランプ状態からメイン切換弁32を第1切換位置に戻すだけの単一操作で両シリンダ15,38の復帰が可能であり、第1の実施の形態にかかる装置よりも切換制御が簡単になる。
【0057】
ここで、前記絞り52と並列に設けられた逆止弁54は、前記図15〜図18に示した従来装置における逆止弁40と同様、異物の噛み込みなどによって逆止機能が低下するおそれがあるが、この逆止弁54から多少油が漏れたところで、その流れ抵抗は定量分配シリンダ38側の流れ抵抗と比べると十分大きく、絞り52が効かなくなるおそれはない。すなわち、図9に示す本クランプ状態からアンクランプ状態に復帰する際、逆止弁54の逆止機能が多少低下していても、クランプシリンダ15のロッド側室15r内の油が定量分配シリンダ38のへッド側室38h側に優先して流れることに代わりはなく、正常な動作が行われる。また、万が一、逆止弁54の漏れが非常に大きくて定量分配シリンダ38のへッド側室38hに十分な油が流入せず、定量分配シリンダ38が十分に伸長できなかったとしても、その異常はストローク検知センサ42によって検知することが可能である。
【0058】
なお、本発明の実施の形態は以上のものに限定されず、例えば次のような形態をとることも可能である。
【0059】
(1)前記実施形態では、アンクランプ状態から本クランプ状態への移行途中に仮クランプ段階を設定したものを示したが、逆に本クランプ状態からアンクランプ状態への復帰途中に仮クランプ段階を設定するものにも本発明を適用できる。このように復帰途中で仮クランプ段階を設定すれば、本クランプされた工作物がいきなり解放されて落下するといった事態を防ぐことができ、前記仮クランプ段階で確実に工作物を把持装置から取出すことが可能になる。
【0060】
このような構成にするには、第3の実施の形態として図11に示すように、メイン切換弁32のBポートにクランプシリンダ15のロッド側室15rを直接接続し、Aポートとへッド側室15hとの間に定量分配シリンダ38とバイパス通路34及びバイパス切換弁46とを並列にして介在させればよい。この場合、メイン切換弁32のBポートが油圧ポンプ30の吐出側に連通する位置が第1切換位置、メイン切換弁32のAポートが油圧ポンプ30の吐出側に連通する位置が第2切換位置となり、クランプシリンダ15のロッド側室15rが第1作動室、へッド側室15hが第2作動室に相当することになる。また、図11に示す装置において、さらに前記図7〜図10に示した絞り52や逆止弁54を設けてもよいことはいうまでもない。
【0061】
(2)図12〜図14には、具体的なハード構成として、抱き爪と引き爪の双方を具備するようにしたものを開示したが、本発明では、クランプ機構が単種のものであってもこれを仮クランプ位置を含めた2段切換するものに広く適用が可能である。
【0062】
(3)バイパス切換弁46が遮断位置にあるか否かを確認検知する手段として、このバイパス切換弁46に直接ストローク検知センサを組み込むようにしてもよい。ただし、前記図1に示したように、前記遮断位置にある状態で油圧ポンプ30の吐出油を逃がすようにバイパス切換弁46を構成し、その逃がし路に油が流れているか否かを圧力スイッチ48等で検知するようにすれば、簡単且つ安価な構成でバイパス切換弁46の切換状態を確認することができる。
【0063】
(4)図7〜図10に示すようにバイパス通路34の途中に絞り52を設ける場合、この絞り52はバイパス切換弁46とメイン切換弁32との間に配するようにしてもよいし、構成によってはバイパス切換弁46の内部に形成することも可能である。
【0064】
(5)前記実施形態では、作動流体として油を用いたものを示したが、必要把持力が比較的低いものについては空気圧を用いるようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、バイパス切換弁その他の弁の作動不良に起因してアンクランプ状態から本クランプ状態への切換、あるいは、本クランプ状態からアンクランプ状態への切換が仮クランプ段階を飛び越していきなり行われてしまうのを未然に防止し、これによって装置の安全性を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる工作物把持装置のアンクランプ状態を示す油圧回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる工作物把持装置の仮クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態からアンクランプ状態への復帰過程を示す油圧回路図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態からアンクランプ状態への復帰過程を示す油圧回路図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態からアンクランプ状態への復帰過程を示す油圧回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかる工作物把持装置のアンクランプ状態を示す油圧回路図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる工作物把持装置の仮クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態からアンクランプ状態への復帰過程を示す油圧回路図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかる工作物把持装置の本クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図12】 (a)は工作物把持装置のハード構成の一例を示す断面側面図、(b)は(a)の操作軸に設けられているカム溝の形状を示す一部断面平面図である。
【図13】図12にかかる工作物把持装置の正面図である。
【図14】 (a)は図12にかかる工作物把持装置の抱き爪が抱き位置にある状態を模式的に示す断面側面図、(b)は同抱き爪が解放位置にある状態を模式的に示す断面側面図である。
【図15】従来の工作物把持装置のアンクランプ状態を示す油圧回路図である。
【図16】従来の工作物把持装置の仮クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図17】従来の工作物把持装置の本クランプ状態を示す油圧回路図である。
【図18】従来の工作物把持装置の本クランプ状態からアンクランプ状態への復帰過程を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
13 ダイヤフラム(クランプ機構を構成)
14a 抱き爪(クランプ機構を構成)
15 クランプシリンダ
15h へッド側室(クランプシリンダの第1作動室または第2作動室)
15r ロッド側室(クランプシリンダの第2作動室または第1作動室)
24 引き爪(クランプ機構を構成)
30 油圧ポンプ
32 メイン切換弁
34 バイパス通路
38 定量分配シリンダ
38h(定量分配シリンダの第1作動室)
38r(定量分配シリンダの第2作動室)
42 ストローク検知スイッチ
44 絞り(流体検出手段を構成)
46 バイパス切換弁
48 圧力スイッチ(流体検出手段を構成)
50 コントローラ(切換禁止手段、切換制御手段、警告制御手段)

Claims (9)

  1. 工作物を把持するためのクランプ機構と、ピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室への作動流体の供給によって当該ピストンが作動するクランプシリンダとを備え、このクランプシリンダのピストンの作動によって前記クランプ機構がアンクランプ状態とクランプ状態とに切換えられるとともに、このクランプシリンダのピストン切換位置として、アンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置において、前記クランプシリンダよりも小さい容量を有する定量分配シリンダを備え、そのピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室のうちの第1作動室を前記クランプシリンダの第2作動室に接続するとともに、前記クランプシリンダの第1作動室に圧力流体を供給するとともに前記定量分配シリンダの第2作動室内の流体を逃がす第1切換位置と前記定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体を供給するとともに前記クランプシリンダの第1作動室内の流体を逃がす第2切換位置とに切換可能なメイン切換弁と、前記メイン切換弁と前記クランプシリンダの第2作動室との間で前記定量分配シリンダをバイパスするバイパス通路中に設けられ、当該バイパス通路を連通する連通位置と遮断する遮断位置とに切換えられるバイパス切換弁とを備え、前記定量分配シリンダのストローク分だけ前記クランプシリンダの第2作動室内に流体が移された状態で当該クランプシリンダのピストンが前記仮クランプ位置に切換えられるように構成し、かつ、前記バイパス切換弁が遮断位置にあるか否かを検出するバイパス検出手段と、前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合には前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換えることを禁止する切換禁止手段とを備えたことを特徴とする工作物把持装置。
  2. 請求項1記載の工作物把持装置において、前記バイパス切換弁を、前記遮断位置に切換えられた状態でのみ前記メイン切換弁からクランプシリンダの第1作動室に供給される圧力流体の一部を特定の逃がし路に逃がすように構成するとともに、この逃がし路に流体が流れているか否かを検出する流体検出手段を設けたことを特徴とする工作物把持装置。
  3. 請求項1または2記載の工作物把持装置において、前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換える指令が入力されたときに前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合に警告信号を出力する警告制御手段を備えたことを特徴とする工作物把持装置。
  4. 工作物を把持するためのクランプ機構と、ピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室への作動流体の供給によって当該ピストンが作動するクランプシリンダとを備え、このクランプシリンダのピストンの作動によって前記クランプ機構がアンクランプ状態とクランプ状態とに切換えられるとともに、このクランプシリンダのピストン切換位置として、アンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置において、前記クランプシリンダよりも小さい容量を有する定量分配シリンダを備え、そのピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室のうちの第1作動室を前記クランプシリンダの第2作動室に接続するとともに、前記クランプシリンダの第1作動室に圧力流体を供給するとともに前記定量分配シリンダの第2作動室内の流体を逃がす第1切換位置と前記定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体を供給するとともに前記クランプシリンダの第1作動室内の流体を逃がす第2切換位置とに切換可能なメイン切換弁と、前記メイン切換弁と前記クランプシリンダの第2作動室との間で前記定量分配シリンダをバイパスするバイパス通路中に設けられ、当該バイパス通路を連通する連通位置と遮断する遮断位置とに切換えられるバイパス切換弁とを備え、前記定量分配シリンダのストローク分だけ前記クランプシリンダの第2作動室内に流体が移された状態で当該クランプシリンダのピストンが前記仮クランプ位置に切換えられるように構成し、かつ、前記定量分配シリンダのストローク位置を検出するストローク位置検出手段と、前記メイン切換弁が第2切換位置に切換えられかつバイパス切換弁が連通位置に切換えられた状態から前記クランプシリンダ及び定量分配シリンダの双方のピストンを逆位置に戻す際に、まずバイパス切換弁を遮断位置に切換え、次にメイン切換弁を第1切換位置に切換え、この切換によって前記定量分配シリンダが逆位置に戻ったのを前記ストローク位置検出手段が検出した後に前記バイパス切換弁を連通位置に切換える切換制御手段とを備えたことを特徴とする工作物把持装置。
  5. 工作物を把持するためのクランプ機構と、ピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室への作動流体の供給によって当該ピストンが作動するクランプシリンダとを備え、このクランプシリンダのピストンの作動によって前記クランプ機構がアンクランプ状態とクランプ状態とに切換えられるとともに、このクランプシリンダのピストン切換位置として、アンクランプ位置と本クランプ位置との間に仮クランプ位置が設定された工作物把持装置において、前記クランプシリンダよりも小さい容量を有する定量分配シリンダを備え、そのピストンの両側に形成された第1作動室及び第2作動室のうちの第1作動室を前記クランプシリンダの第2作動室に接続するとともに、前記クランプシリンダの第1作動室に圧力流体を供給するとともに前記定量分配シリンダの第2作動室内の流体を逃がす第1切換位置と前記定量分配シリンダの第2作動室に圧力流体を供給するとともに前記クランプシリンダの第1作動室内の流体を逃がす第2切換位置とに切換可能なメイン切換弁と、前記メイン切換弁と前記クランプシリンダの第2作動室との間で前記定量分配シリンダをバイパスするバイパス通路中に設けられ、当該バイパス通路を連通する連通位置と遮断する遮断位置とに切換えられるバイパス切換弁とを備え、前記定量分配シリンダのストローク分だけ前記クランプシリンダの第2作動室内に流体が移された状態で当該クランプシリンダのピストンが前記仮クランプ位置に切換えられるように構成し、かつ、前記バイパス通路の途中に絞りを設けたことを特徴とする工作物把持装置。
  6. 請求項5記載の工作物把持装置において、前記絞りと並列に、クランプシリンダの第2作動室からメイン切換弁へ向かう方向のみその方向への流体の流れを阻止する逆止弁を設けたことを特徴とする工作物把持装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の工作物把持装置において、前記バイパス切換弁が遮断位置にあるか否かを検出するバイパス検出手段と、前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合には前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換えることを禁止する切換禁止手段とを備えたことを特徴とする工作物把持装置。
  8. 請求項7記載の工作物把持装置において、前記バイパス切換弁を、前記遮断位置に切換えられた状態でのみ前記メイン切換弁からクランプシリンダの第1作動室に供給される圧力流体の一部を逃がし路に逃がすように構成するとともに、この逃がし路に流体が流れているか否かを検出する流体検出手段を設けたことを特徴とする工作物把持装置。
  9. 請求項7または8記載の工作物把持装置において、前記メイン切換弁を第1切換位置から第2切換位置に切換える指令が入力されたときに前記バイパス切換弁が遮断位置にない場合に警告信号を出力する警告制御手段を備えたことを特徴とする工作物把持装置。
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