JP2006052325A - 光学材料用組成物および光学材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、無機成分としてアルミニウム酸化物からなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含む光学材料用組成物およびそれを用いた光学材料。
【選択図】 なし
Description
また、粒子径5〜100nmの金属粉末あるいは金属酸化物粉末を有機樹脂中に分散させることで高屈折率を実現する超微粒子分散型光学材料が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、チタンとケイ素の複合金属酸化物(Six−Ti(1-x)O2)の微粒子やTiO2、Nb2O5、ITO、Cr2O3、BaTiO3 などの粒径が2〜100nmの微粒子を熱可塑性の非晶性樹脂に分散させ高分散を実現する光学材料が提案されてきた。(例えば、特許文献3)。
また、融点が比較的低いガラスを用いて成形によって光学素子を製造する方法が知られているが、この方法では、所定の形状に加工した成形用の型を用いることによって光学素子の光学有効面を非球面形状に加工することが容易であるが、大口径あるいは大偏肉形状の素子の成形が難しいという問題点、あるいはガラス成形用の金型の寿命等に問題点があった。
光散乱性は、光学素子内部における散乱光の指標であって、光学素子の特性に大きな影響を及ぼす。例えば、散乱光の強度が大きい光学素子では仮にその光学素子の収差が全くないとしても、光学素子を透過した光により形成される像がぼやけてしまい、特性が劣った光学素子となる。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、従来の屈折率、分散性、光散乱性も含めた光学特性、および成形性に優れた光学素子を形成するため光学材料用組成物および光学材料を提供するものである。
無機粒子成分の含有量が、光学材料用組成物の総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%である前記の光学材料用組成物である。
化学式1
R1 aR2 bM(OR3)c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。)
化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくても1種である前記の光学材料用組成物である。
化学式2 R4 dAl(OR5)3-d
(R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子ある前記の光学材料用組成物である。
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有する前記の光学材料用組成物である。
無機粒子成分の含有量が、総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%である前記の光学材料である。
化学式1
R1 aR2 bM(OR3)c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。)
化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記の光学材料である。
また、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.15,νd0+12)、(nd0+0.08,νd0+20)、(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在する前記の光学材料である。
また、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.1、νd0)、(nd0+0.1,νd0+18),(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在する前記の光学材料である。
化学式2 R4 dAl(OR5)3-d
(R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子ある前記の光学材料である。
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有する前記の光学材料である。
酸化アルミニウムの添加量は、光学材料用組成物の総質量に対する酸化物換算で5質量%以上70質量%以下が好ましい。5質量%未満では酸化アルミニウムを添加した効果が小さく、70質量%を越えると光散乱性が悪化したり、所望の形状に成形すること難しいなど問題が発生する。より好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
アルミナ無機粒子成分は、下記の化学式3で表されるアルミニウムアルコキシドまたはその誘導体から製造したものを用いることができる。
化学式3
R4 dAl(OR5)3-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、あるいはシクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)。
アルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物の具体例は、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムメチルジメトキシド、アルミニウムメチルジエトキシド、アルミニウムメチルジブトキシド、アルミニウムフェニルジメトキシド、アルミニウムフェニルジエトキシドアルミニウムあるいはそれらの加水分解物などを挙げることができる。
アルミニウムアルコキシドまたはその誘導体から製造する無機粒子成分を用いる場合、アルミニウムアルコキシドの縮重合反応における希釈溶剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度、時間を適宜調整することで、粒子径にかかわる分子量や、屈折率および分散にかかわる結晶性や密度も調整可能となる。
化学式4
R1 aR2 bM(OR3)c
R1およびR2は同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有した有機基である。具体例としてはメチル基、エチル基、イソブチル基、トリフルオルメチル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フェニル基、スチリル基、エポキシプロピル基、オキセタニル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基などがあげられる。
特に好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、エポキシ基、オキセタニル基、グリシジル基、アクリロイル基、メタクロイル基があげられる。また、キレート化合物としては、例えばケト酸エステルであり、具体的には、アセチルアセトネート、エチルアセトネートなどが挙げられる。
R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Al、Be、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくても1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、cは金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)から計算される正の整数である。
重合性官能基を有する有機成分としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリ酸エステルあるいはアクリル酸エステル(以下、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステルの少なくともいずれか一方を含むものを(メタ)アクリレートと称す)、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物を用いることができる。
重合性官能基を有する有機成分としては、他の成分と相溶するものであれば、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、イミド樹脂、エステル樹脂、ノルボルネン系樹脂などを挙げることができる。
また、光重合開始剤としてはベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オンなどを挙げることができる。
本発明の光学材料用組成物において、硬化した光学材料の屈折率および分散(アッベ数)の調整は、アルミニウム酸化物粒子成分の添加量、分子量、結晶性および密度、重合性官能基を有する有機成分の種類と添加量、無機成分の種類と添加量、および硬化条件で行うことができる。
これらの条件を適切に組み合わせることにより、本発明の光学材料用組成物から得られた光学材料の屈折率、および分散(アッベ数)は、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80、22)、(1.75、50)、(1.51、86)で囲まれた領域内の値に調節可能である。
また有機成分の種類により、得られる光学材料の特性を変えることができる。例えば、d線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示し、無機成分を除いて重合した場合の光学材料の座標を(nd0,νd0)で表した場合には、本発明の光学材料用組成物の重合によって得られた光学材料は、 (nd0,νd0)、(nd0+0.15,νd0+12)、(nd0+0.08,νd0+20)、(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域との共通の領域の値を実現することが可能である。
アルミニウム酸化物粒子成分としてアルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトネートをイソプロパノールを希釈溶剤として加水分解反応と縮重合反応を行いポリスチレン換算分子量2000〜1000000程度まで高分子量化させたものを用い、また重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを用い、またその他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた光学材料用組成物において、光学材料用組成物の全体に含まれるアルミニウム酸化物の割合を、質量基準で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%まで変化させたものを重合し、得られた光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図1の曲線Aに示す。
メチルメタクリレート単体では、(nd,νd)=(1.492,58)あるが、アルミニウム酸化物の割合を増加させると高屈折率高分散の方向に変化し、アルミニウム酸化物の割合を質量基準で、70%まで増加させると(nd,νd)=(1.497,70.4)まで低分散化することができる。
アルミニウム酸化物の合成過程において、アルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトネートの加水分解縮重合反応により得られた粒子と、更に化学式4で表される金属アルコキシドからなる無機成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとを用い、またその他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた場合の光学材料用組成物において、アルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトネートと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの割合を、酸化アルミニウム:Al2O3、酸化ケイ素:SiO2に換算した時の質量比Al2O3:SiO2で5:1として、光学材料用組成物全体に含まれる酸化アルミニウムと酸化ケイ素に換算した無機成分の総含有量を10〜70質量%まで変化させて重合した際の光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化は図1の曲線Bに示すものとなる。
酸化アルミニウム粒子として平均粒子径が9nmで、90%粒子径が20nmの酸化アルミニウム粒子を水分散させたものを用い、重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを用い、金属アルコキシドからなる無機成分としてフェニルトリメトキシシランを、その他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた場合の光学材料において、水分散アルミナ粒子とフェニルトリメトキシシランの割合をそれぞれの酸化アルミニウム、酸化ケイ素に換算した時の質量比Al2O3:酸化ケイ素で5:1として、光学材料全体に含まれる酸化アルミニウムと酸化ケイ素に換算した無機成分の総含有量を0〜70質量%でまで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化は図1の曲線Cに示す。
このように、単にアルミナ成分の添加量だけでなく、添加するアルミナ粒子の違いによっても、屈折率への影響が異なるものとなる。
したがって、使用する有機成分を重合させた樹脂の光学恒数を基準とすれば、そこに添加するアルミナ粒子の含有量、結晶性、他の無機成分の量を調整することにより、所望の特性を有する光学材料用組成物および光学材料を得ることができる。
いずれの場合にも、アルミニウム酸化物粒子の物性等によって左右されるので、異なる特性を有する微粒子を混合することにより所望の特性の光学材料を製造することができる。
以上のように、アルミニウム酸化物粒子の添加量、種類、重合性官能基を有する有機成分の種類と添加量、その他の無機成分の種類と添加量、および硬化条件を調整することで、高屈折率低分散である所望の特性の光学材料を提供することが可能となる。
以下、本発明によって作製した光学材料を実施例を示して説明する。
アルミニウムジイソプロポキシドアセチルアセトネート12g、イソプロパノール65g、0.1N塩酸0.2gとを混合し、25℃にて1時間撹拌し、アルミニウムイソプロピレートを加水分解縮重合反応させて酸化アルミニウムからなる高分子量のアルミナゾルを調製した。
得られたアルミナゾルを、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3.1g、水0.6gを混合して25℃にて12時間撹拌した混合溶液に添加して、さらに25℃において8時間撹拌した後、水、プロパノールおよび副生成物を50℃での蒸発操作で取り除きアルミナ−シリカゾルを得た。
光学材料用組成物に占めるアルミナの割合が、10質量%となるように、アルミナ−シリカゾル20g、メチルメタクリレート74g、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)を0.1g混合して光学材料用組成物を得た。
得られた光学材料用組成物を紫外線照射によって硬化させたところ、形成された光学材料はd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdは、(nd,νd)=(1.493,59)であった。
また、アルミナ−シリカゾルとメチルメタクリレートとの混合比を調整し、光学材料中のアルミナの割合を0〜70質量%まで変化させた光学材料用を同様に硬化させた時の屈折率ndと分散νdの変化を表1および図2に示した。
図2では、横軸を光学材料に占めるAl2O3換算のアルミナ粒子成分の含有量を質量%で示した。低屈折領域で、低分散化した光学材料を得ることができる。
アルミナ
含有量(質量%) 屈折率nd アッベ数νd
0 1.492 58
10 1.498 59
20 1.504 60
30 1.511 62
40 1.520 64
50 1.531 67
60 1.545 70
70 1.562 75
Al2O3換算でアルミナを37質量%含有しているアルミナ粒子酢酸水溶液40gとエタノール8gを混合した溶液に、フェニルトリメトキシシラン3.5gを添加して、25℃で24時間撹拌してアルミナ粒子表面を表面処理したアルミナ−シリカゾルを調製した。
アルミナ−シリカゾル40gにメチルメタクリレート57g、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)を0.1gを混合して1時間撹拌した後、水、メタノールおよび副生成物を50℃での蒸発操作で取り除き光学材料用組成物を調製した。
次いで、紫外線照射によって硬化させたところ、d線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdは、(nd,νd)=(1.504,59)であった。
アルミナ−シリカゾルとメチルメタクリレートとの混合比を調整し、Al2O3換算したアルミナの割合を70質量%まで変化させた光学材料用組成物を同様に硬化させた時に得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を表2および図3に示した。
高屈折率化とともに低分散化した光学材料を得ることができた。
アルミナ
含有量(質量%) 屈折率nd アッベ数νd
0 1.492 58
10 1.498 58
20 1.504 59
30 1.511 60
40 1.520 60
50 1.531 61
60 1.545 63
70 1.563 64
平均粒子径が7nmで、90%粒子径が15nmのアルミナ粒子をベンゼンに分散させたAl2O3換算でアルミナを20質量%含有しているアルミナ粒子分散ベンゼン分散液63gに、アルミニウムイソプロポキシドをベンゼンに溶解した溶液を2.8g添加し、40℃で8時間撹拌してアルミナ粒子表面を表面処理したアルミナゾルを調製した。
得られたアルミナゾル20gにスチレン57gと重合開始剤2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1gを混合して1時間撹拌した後、ベンゼンおよびアルコール等の副生成物を50℃での蒸発操作で取り除き、紫外線照射によって硬化させたところ、d線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdは、(nd,νd)=(1.667,47)であった。
また、アルミナゾル溶液とスチレンとの混合比を調整し、Al2O3換算の割合を60質量%まで変化させた光学材料用組成物を、実施例1と同様に硬化させた時に得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を表3および図4に示した。
アルミナ
含有量(質量%) 屈折率nd アッベ数νd
0 1.573 34
10 1.599 37
20 1.623 40
30 1.646 44
40 1.667 47
50 1.686 51
60 1.705 55
Claims (17)
- 有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、無機成分としてアルミニウム酸化物からなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含むことを特徴とする光学材料用組成物。
- 無機粒子成分の含有量が、光学材料用組成物の総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
- 化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその誘導体から得られる少なくとも1種類からなる無機成分Mをさらに含み、その酸化物換算モル量が酸化アルミニウム粒子のモル数の2倍以下であり、これら無機成分の総量が光学材料の総質量に対する酸化物換算して70質量%を超えないことを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
化学式1
R1 aR2 bM(OR3)c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。) - 化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくても1種であることを特徴とする請求項5記載の光学材料用組成物。
- 無機粒子成分が、下記の化学式2で表されるアルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物を重合させたものから調製されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
化学式2 R4 dAl(OR5)3-d
(R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1) - 前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
- 前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
- 有機成分と無機成分からなる光学材料において、アルミニウム酸化物からなる無機粒子成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含む組成物を重合したものであることを特徴とする光学材料。
- 無機粒子成分の含有量が、総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%であることを特徴とする請求項8記載の光学材料。
- 化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその誘導体から得られる少なくとも1種類からなる無機成分Mをさらに含み、その酸化物換算モル量が酸化アルミニウム粒子のモル数の2倍以下であり、これら無機成分の総量が光学材料の総質量に対する酸化物換算して70質量%を超えないことを特徴とする請求項8ないし9のいずれか1項に記載の光学材料。
化学式1
R1 aR2 bM(OR3)c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。) - 化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10記載の光学材料。
- 光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域に存在することを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の光学材料。
- 光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.15,νd0+12)、(nd0+0.08,νd0+20)、(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在することを特徴とする請求項8または9記載の光学材料。
- 光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.1、νd0)、(nd0+0.1,νd0+18),(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在することを特徴とする請求項10または11記載の光学材料。
- 無機粒子成分が、下記の化学式2で表されるアルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物を重合させたものから調製されたことを特徴とする請求項8ないし14のいずれか1項に記載の光学材料。
化学式2 R4 dAl(OR5)3-d
(R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1) - 前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子あることを特徴とする請求項8ないし15のいずれか1項に記載の光学材料。
- 前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする請求項8ないし16のいずれか1項に記載の光学材料。
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