JP2006052325A - 光学材料用組成物および光学材料 - Google Patents

光学材料用組成物および光学材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 高屈折率、光散乱性、環境特性に優れる光学材料を提供する。
【解決手段】 有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、無機成分としてアルミニウム酸化物からなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含む光学材料用組成物およびそれを用いた光学材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えばカメラ等の撮像光学系、表示デバイス等の投影光学系、画像表示装置等の観察光学系などの光学系に用いる光学素子を形成するに適した光学材料用組成物および光学材料に関するものであり、特に高屈折率、光散乱性、環境特性に優れる光学材料用組成物および光学材料に関するものである。
近年、銀塩フィルム用やデジタル用のカメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどに用いられる撮像モジュールなどに用いられる光学系では小型軽量、低コスト化が大きな課題となっている。そこでこれらの光学系では、光学素子の大きさを小さくしやすい高屈折率の光学材料、あるいは成形が簡単で安価な光学材料を多用するようになってきた。
このような光学材料としては、光学ガラス、熱可塑性光学樹脂、高温で押圧成形し所望の光学素子を得るための低融点ガラス、あるいは成形しつつ熱や光で重合し所望形状の光学素子を得るために熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等が用いられてきた。
また近年、光学素子用の光学材料として無機化合物と有機化合物を用いた有機無機複合材料、例えば合成樹脂中に粒子径数nm〜150nmの無機微粒子を均一に分散させた微粒子分散型の光学材料が提案されている。
このような微粒子分散型の光学材料の場合、光学系の使用波長より小さい粒子等の不均一成分を含んだ有機無機複合材料を用いることによって、粒径が小さい不均一成分は光学性能に影響を与えないと考えられており、それ故に、およそ400〜800nmが使用波長域である白色光学系の光学素子の光学材料として、30nmないし100nm程度の不均一成分である微粒子を含む微粒子分散型の光学材料が提案されてきた。
例えば、粒径1〜150nmのダイヤモンド微粉末を合成樹脂に均一に分散させてなる高屈折率を実現する光学用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、粒子径5〜100nmの金属粉末あるいは金属酸化物粉末を有機樹脂中に分散させることで高屈折率を実現する超微粒子分散型光学材料が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、チタンとケイ素の複合金属酸化物(Six−Ti(1-x)2)の微粒子やTiO2、Nb25、ITO、Cr23、BaTiO3 などの粒径が2〜100nmの微粒子を熱可塑性の非晶性樹脂に分散させ高分散を実現する光学材料が提案されてきた。(例えば、特許文献3)。
特許第2867388号公報 特開2000−44811号公報 特開2001−74901号公報
光学有効面を非球面形状とした光学素子は、収差補正性能に優れる等の多くの特徴を有しているが、光学ガラスによって非球面形状とすることは、加工工程が複雑となり、また時間を要するので、大量生産品の製造には問題があった。
また、融点が比較的低いガラスを用いて成形によって光学素子を製造する方法が知られているが、この方法では、所定の形状に加工した成形用の型を用いることによって光学素子の光学有効面を非球面形状に加工することが容易であるが、大口径あるいは大偏肉形状の素子の成形が難しいという問題点、あるいはガラス成形用の金型の寿命等に問題点があった。
また、光学用熱可塑性樹脂および紫外線硬化型樹脂等においては、大口径あるいは複雑形状の素子に成形できるので、成形性や量産性に優れる利点があるものの、光学材料として選択できる屈折率および分散の範囲が狭く、光学系の小型軽量化あるいは高性能化を制限してしまう問題がある。
一方、近年提案されてきた微粒子分散型の有機無機複合材料は、複雑形状の素子に成形できるという成形性に優れ、また透明性などにも優れ、比較的簡単に量産できる利点はあるものの、高屈折率で低分散を同時に満足するものは得られていない。また微粒子分散型の有機無機複合材料からなる光学素子は、光散乱性が大きいという問題点がある。
光散乱性は、光学素子内部における散乱光の指標であって、光学素子の特性に大きな影響を及ぼす。例えば、散乱光の強度が大きい光学素子では仮にその光学素子の収差が全くないとしても、光学素子を透過した光により形成される像がぼやけてしまい、特性が劣った光学素子となる。
光散乱性は、光学素子を構成する材料自身に起因するもので、光学素子内部が光学的に均一でない、すなわち、屈折率、透過率が均一でない場合に光が散乱してしまうことによる。光学系の使用波長より小さい微粒子を含有した有機無機複合材料のように不均一成分が多量に光学素子内部に存在すると、プリズムあるいは導波路など光学素子単体内での光路長が長い光学素子、あるいは顕微鏡や高精細デジタルカメラなど光学素子自身に高度な光学性能が要求される光学系用の光学素子においては、散乱光の大きさが問題になってしまう。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、従来の屈折率、分散性、光散乱性も含めた光学特性、および成形性に優れた光学素子を形成するため光学材料用組成物および光学材料を提供するものである。
本発明は、上記課題を有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、無機成分としてアルミニウム酸化物からなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含む光学材料用組成物によって解決したものである。
無機粒子成分の含有量が、光学材料用組成物の総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%である前記の光学材料用組成物である。
また、化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその誘導体から得られる少なくとも1種類からなる無機成分Mをさらに含み、その酸化物換算モル量が酸化アルミニウム粒子のモル数の2倍以下であり、これら無機成分の総量が光学材料の総質量に対する酸化物換算して70質量%を超えない前記の光学材料用組成物である。
化学式1
1 a2 bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。)
化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくても1種である前記の光学材料用組成物である。
無機粒子成分が、下記の化学式2で表されるアルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物を重合させたものから調製された前記の光学材料用組成物である。
化学式2 R4 dAl(OR53-d
(R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子ある前記の光学材料用組成物である。
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有する前記の光学材料用組成物である。
有機成分と無機成分からなる光学材料において、アルミニウム酸化物からなる無機粒子成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含む組成物を重合したものである光学材料である。
無機粒子成分の含有量が、総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%である前記の光学材料である。
化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその誘導体から得られる少なくとも1種類からなる無機成分Mをさらに含み、その酸化物換算モル量が酸化アルミニウム粒子のモル数の2倍以下であり、これら無機成分の総量が光学材料の総質量に対する酸化物換算して70質量%を超えない前記の光学材料である。
化学式1
1 a2 bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。)
化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記の光学材料である。
光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域に存在する前記の光学材料である。
また、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.15,νd0+12)、(nd0+0.08,νd0+20)、(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在する前記の光学材料である。
また、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.1、νd0)、(nd0+0.1,νd0+18),(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在する前記の光学材料である。
無機粒子成分が、下記の化学式2で表されるアルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物を重合させたものから調製された前記の光学材料である。
化学式2 R4 dAl(OR53-d
(R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子ある前記の光学材料である。
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有する前記の光学材料である。
本発明の光学材料用組成物または光学材料によって作製した光学素子は、高屈折率かつ低分散であるので、光学素子の大きさを小さくし、また収差も効率よく取り除くことができるとともに、光散乱性、耐環境性に優れている。また、光学材料用組成物は常温付近で液状であるので、高温や高い圧力を加えることなく複雑形状の光学素子を短時間で製造できる高い加工性を有しており、光学系の小型軽量化、製造効率の改善等の効果が得られる。
本発明は、酸化アルミニウムからなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分を含む光学材料用組成物からなることを特徴としており、酸化アルミニウムからなる無機粒子成分を含むことによって、低分散が実現できることを見出したものである。
酸化アルミニウムの添加量は、光学材料用組成物の総質量に対する酸化物換算で5質量%以上70質量%以下が好ましい。5質量%未満では酸化アルミニウムを添加した効果が小さく、70質量%を越えると光散乱性が悪化したり、所望の形状に成形すること難しいなど問題が発生する。より好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
アルミナ無機粒子成分は、下記の化学式3で表されるアルミニウムアルコキシドまたはその誘導体から製造したものを用いることができる。
化学式3
4 dAl(OR53-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、あるいはシクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基などを挙げることができる。ハロゲン化アルキル基としては、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタクロロエチル基などを挙げることができる。アリール基としてはフェニル基、スチリル基などを挙げることができる。好ましくはメチル基、フェニル基である。
アルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物の具体例は、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムメチルジメトキシド、アルミニウムメチルジエトキシド、アルミニウムメチルジブトキシド、アルミニウムフェニルジメトキシド、アルミニウムフェニルジエトキシドアルミニウムあるいはそれらの加水分解物などを挙げることができる。
アルミニウムアルコキシドまたはその誘導体から製造する無機粒子成分を用いる場合、アルミニウムアルコキシドの縮重合反応における希釈溶剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度、時間を適宜調整することで、粒子径にかかわる分子量や、屈折率および分散にかかわる結晶性や密度も調整可能となる。
また、酸化アルミニウムを砕いて粉末化し微粒子にしたもの、気相酸化法、ジュールクエンチ法、あるいは熱プラズマ法などで製造された微粒子を、水やアルコールなどの各種有機溶剤から選ばれる分散媒に均一に分散させたものを用いることができる。このような酸化アルミニウム微粒子を無機粒子成分として用いる場合、酸化アルミニウム微粒子の大きさは平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下であることが好ましい。より好ましくは平均粒子径が15nm以下で、かつ90%粒子径が20nm以下である。ここで粒子径は動的光散乱法よって求めたもので平均粒子径とは粒子径分布の中心値を、また90%粒子径とは全粒子の90%が含まれる範囲の粒子径のことを言う。いずれの粒子径より大きい場合は透過率や光散乱が大きくなってしまう。つまり、たとえ平均粒子径が20nm以下で小さくても、粒子径分布の幅が広く30nmより大きな粒子径の粒子が全粒子の10%を超えた割合で存在してしまうと、透過率は悪化しないが光散乱が大きくなってしまうことになる。
酸化アルミニウム粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分以外にも、下記の化学式4で表される金属アルコキシドまたはそのキレート化合物、あるいはその加水分解物から選ばれる少なくても1種類からなる無機成分を用いることができる。
化学式4
1 a2 bM(OR3c
1およびR2は同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有した有機基である。具体例としてはメチル基、エチル基、イソブチル基、トリフルオルメチル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フェニル基、スチリル基、エポキシプロピル基、オキセタニル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基などがあげられる。
特に好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、エポキシ基、オキセタニル基、グリシジル基、アクリロイル基、メタクロイル基があげられる。また、キレート化合物としては、例えばケト酸エステルであり、具体的には、アセチルアセトネート、エチルアセトネートなどが挙げられる。
3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Al、Be、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくても1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、cは金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)から計算される正の整数である。
前記無機成分は、アルミニウム酸化物粒子成分の粒子表面を修飾して、アルミニウム酸化物粒子からなる無機成分と、重合性官能基を有する有機成分との相溶性や分散性を調整し、アルミニウム酸化物粒子同士の凝集を防止して、粒子径が30nmより大きくならないように、透過率や光散乱性の低下を防ぐとともに、R1およびR2の有機基としてビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基、エポキシ基、オキセタン基などの重合性有機基を有する金属アルコキシドを用いると、有機成分と無機成分の間に強固な共有結合ができるので、相溶性および結合性が向上して、より環境安定性や光散乱性を向上させることができ、さらに機械的強度も向上できる。
金属アルコキシドあるいはその加水分解物の具体例は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、ペンタエトキシタンタル、ペンタメトキシタンタル、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムメタクリレートトリイソプロポキシド、テトラエトキシゲルマニウム、エチルトリエトキシゲルマニウム、ハフニウムノルマルブトキシド、ランタニウムイソプロポキシドあるいはそれらの加水分解物などを挙げることができる。
さらに金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる無機成分は、単独であるいは複数種類の混合物として用いることができる。このため、光学設計上で求められる屈折率や分散、透過率などの光学特性にあわせて、混合する数種類の無機成分の組成比を決めることができる。
金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる無機成分の添加量は、その含有量が酸化アルミニウム粒子に対する重量比で50%以下であることが望ましい。酸化アルミニウム粒子成分のモル数に対して1/5以上1/3以下が好ましい。他成分の添加量を多くすると、酸化アルミニウムの含有量が相対的に少なくなるため、得られた材料の光学特性において、低分散化しにくくなる。
重合性官能基を有する有機成分としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリ酸エステルあるいはアクリル酸エステル(以下、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステルの少なくともいずれか一方を含むものを(メタ)アクリレートと称す)、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物を用いることができる。
具体例としては、メタクリル酸、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシナネート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどを挙げることができる。また、モノマーのまま用いても良いし、モノマーをいくらか重合させたオリゴマーとしたものを用いても良い。
重合性官能基を有する有機成分としては、他の成分と相溶するものであれば、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、イミド樹脂、エステル樹脂、ノルボルネン系樹脂などを挙げることができる。
本発明の光学材料用組成物は、アルミニウム酸化物粒子成分、有機成分および無機成分、重合開始剤、硬化剤以外に、その他の成分として、光増感剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などが添加される。重合開始剤としては、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤が挙げられ、具体的には有機成分が(メタ)アクリレートの場合および無機成分の金属アルコキシドの有機基R1あるいはR2がビニル基、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基である場合は、熱重合開始剤としては過酸化ベンゾイル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスカルボアミド、イソプロピルヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビスヘキサンなどを挙げることができる。
また、光重合開始剤としてはベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オンなどを挙げることができる。
また、本発明における重合性官能基とは、有機成分中の高分子化反応し得る原子、原子団であり、具体的には、炭素−炭素二重結合や三重結合を含む不飽和炭化水素基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、エポキシ基、エピチオ基を挙げることができる。また、重合性官能基を有する有機成分とは、ラジカル重合、縮合重合、付加重合等のいずれかの重合系で用いられるモノマーを意味し、例えばラジカル重合の場合はビニル系化合物等のモノマー、縮合重合の場合は多価アルコール化合物、ジカルボン酸化合物等、付加重合の場合はエポキシ化合物等を含む。
また有機成分がエポキシ樹脂の場合および無機成分の金属アルコキシドの有機基R1 あるいはR2 がエポキシ基あるいはオキセタニル基である場合は、触媒型硬化剤として芳香族系3級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸類などを挙げることができ、重付加型硬化剤としては、ポリアミン系硬化剤、変性ポリアミン系硬化剤、カルボン酸無水物系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤、硫黄含有化合物系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ポリエステル系硬化剤などを挙げることができる。
本発明の光学材料用組成物において、硬化した光学材料の屈折率および分散(アッベ数)の調整は、アルミニウム酸化物粒子成分の添加量、分子量、結晶性および密度、重合性官能基を有する有機成分の種類と添加量、無機成分の種類と添加量、および硬化条件で行うことができる。
これらの条件を適切に組み合わせることにより、本発明の光学材料用組成物から得られた光学材料の屈折率、および分散(アッベ数)は、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80、22)、(1.75、50)、(1.51、86)で囲まれた領域内の値に調節可能である。
アルミニウム酸化物微粒子の添加量を増大させることにより、重合性官能基を有する有機成分のみを重合することにより得られる樹脂と比べて、アッベ数を大きくことができる。
また有機成分の種類により、得られる光学材料の特性を変えることができる。例えば、d線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示し、無機成分を除いて重合した場合の光学材料の座標を(nd0,νd0)で表した場合には、本発明の光学材料用組成物の重合によって得られた光学材料は、 (nd0,νd0)、(nd0+0.15,νd0+12)、(nd0+0.08,νd0+20)、(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域との共通の領域の値を実現することが可能である。
また、光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.1、νd0)、(nd0+0.1,νd0+18),(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域の値を実現することが可能である。
以下に、アルミニウム酸化物の添加量と屈折率ndおよびアッベ数νdの関係を、具体例を挙げて説明する。
アルミニウム酸化物粒子成分としてアルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトネートをイソプロパノールを希釈溶剤として加水分解反応と縮重合反応を行いポリスチレン換算分子量2000〜1000000程度まで高分子量化させたものを用い、また重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを用い、またその他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた光学材料用組成物において、光学材料用組成物の全体に含まれるアルミニウム酸化物の割合を、質量基準で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%まで変化させたものを重合し、得られた光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図1の曲線Aに示す。
メチルメタクリレート単体では、(nd,νd)=(1.492,58)あるが、アルミニウム酸化物の割合を増加させると高屈折率高分散の方向に変化し、アルミニウム酸化物の割合を質量基準で、70%まで増加させると(nd,νd)=(1.497,70.4)まで低分散化することができる。
また、無機成分として、アルミニウム酸化物のほかにシリカ成分を添加した場合の光学特性の変化を以下に説明する。
アルミニウム酸化物の合成過程において、アルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトネートの加水分解縮重合反応により得られた粒子と、更に化学式4で表される金属アルコキシドからなる無機成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとを用い、またその他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた場合の光学材料用組成物において、アルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトネートと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの割合を、酸化アルミニウム:Al23、酸化ケイ素:SiO2に換算した時の質量比Al23:SiO2で5:1として、光学材料用組成物全体に含まれる酸化アルミニウムと酸化ケイ素に換算した無機成分の総含有量を10〜70質量%まで変化させて重合した際の光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化は図1の曲線Bに示すものとなる。
メチルメタクリレート単体では(nd,νd)は(1.492,58)であるが、アルミニウム酸化物の割合を増加させるとともに低分散の方向に変化し、酸化アルミニウム、酸化ケイ素に換算した無機成分の総含有量を、70質量%まで増加させると(nd,νd)=(1.492,67)まで低分散化することができる。
次に、無機成分として酸化アルミニウム微粒子を使用し、本発明の方法により得られる光学材料用組成物とそれから得られる光学材料について述べる。
酸化アルミニウム粒子として平均粒子径が9nmで、90%粒子径が20nmの酸化アルミニウム粒子を水分散させたものを用い、重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを用い、金属アルコキシドからなる無機成分としてフェニルトリメトキシシランを、その他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた場合の光学材料において、水分散アルミナ粒子とフェニルトリメトキシシランの割合をそれぞれの酸化アルミニウム、酸化ケイ素に換算した時の質量比Al23:酸化ケイ素で5:1として、光学材料全体に含まれる酸化アルミニウムと酸化ケイ素に換算した無機成分の総含有量を0〜70質量%でまで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化は図1の曲線Cに示す。
メチルメタクリレート単体では(nd,νd)が(1.492,58)であったものが、酸化アルミニウムの割合を増加させると低分散かつ高屈折率の方向に変化し、酸化アルミニウムと酸化ケイ素に換算した無機成分の総含有量を70%質量%でまで増加させると(nd,νd)=(1.563,64)まで高屈折率化および低分散化することができる。
また、上記と同様の手法によりAl23とSiO2に換算した無機成分の総含有量が70%であるときに光学恒数(nd,νd)=(1.560,75)である光学材料が得られ、アルミナの添加量を調整することによりメチルメタクリレート単体の(nd,νd)=(1.492,58)から上記の(1.560,75)を結ぶ曲線D上の光学恒数を持つ光学材料を得ることができる。
このように、単にアルミナ成分の添加量だけでなく、添加するアルミナ粒子の違いによっても、屈折率への影響が異なるものとなる。
したがって、使用する有機成分を重合させた樹脂の光学恒数を基準とすれば、そこに添加するアルミナ粒子の含有量、結晶性、他の無機成分の量を調整することにより、所望の特性を有する光学材料用組成物および光学材料を得ることができる。
また、重合性官能基を有する有機成分を重合させて得られる樹脂成分のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νd光学恒数は、図1に示されるような範囲に分布しており、前記重合性官能基を有する有機成分として、これらの有機成分から1つまたは複数選択することで前記光学材料は、(nd,νd)は、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた範囲の値をとることができる。
また、重合性官能基を有する有機成分として下記化学式5に示されるアクリレートに変更し、光学材料全体に含まれる酸化アルミニウムの割合を70質量%まで変化させたときの光学材料の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの変化は図1の曲線Eに示す。
Figure 2006052325
化学式5に示されるアクリレート単体の(nd,νd)は、(1.631,24)であるが、酸化アルミニウムを増加させた場合には、屈折率はそれほど変化せずに低分散の方向に変化し、酸化アルミニウムの割合を70質量%まで増加させると(nd,νd)は、(1.577,34)まで、低分散化することができる。
また、酸化アルミニウム粒子成分として結晶性のもの用いた場合、添加量に応じて、アクリレート単体の(nd,νd)=(1.631,24)から(1.647,36)を結ぶ曲線F上の光学恒数や、(nd,νd)=(1.631,24)から(1.691,35)を結ぶ曲線G上の光学恒数をもつ光学材料を得ることができる。またこれらの曲線にはさまれた範囲の光学恒数についても、粒子の処理温度、製造条件等を変えたり、製造条件の異なる微粒子をブレンドして用いることにより達成できる。粒子による光学恒数制御の本質的な部分について、詳細には解明できていない部分もあるが、粒子の処理温度、製造条件等によって光学恒数が変化していることから、粒子の結晶性や密度により得られる光学恒数が変化できると考えられる。
また、化学式6で示される1,2:6,7−ジエピジチオ−4−チアヘプタンである含硫黄有機化合物の(nd,νd)=(1.71,36)の含硫黄有機化合物および化学式7で示される(nd,νd)=(1.74,25)の含硫黄有機化合物について、各種の酸化アルミニウムを添加したときのd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの変化について、それぞれ図1の曲線H、I、J、および曲線K、L、Mに示した。
Figure 2006052325
また、別の有機モノマーとしてジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレートを用いて、有機モノマーのみを重合した場合には、(nd,νd)は、(1.535,52)であるが、各種のアルミニウム酸化物を添加したときには、添加量に応じて、図1の曲線O,P,Q上を変化することになる。
いずれの場合にも、アルミニウム酸化物粒子の物性等によって左右されるので、異なる特性を有する微粒子を混合することにより所望の特性の光学材料を製造することができる。
以上のように、アルミニウム酸化物粒子の添加量、種類、重合性官能基を有する有機成分の種類と添加量、その他の無機成分の種類と添加量、および硬化条件を調整することで、高屈折率低分散である所望の特性の光学材料を提供することが可能となる。
以下、本発明によって作製した光学材料を実施例を示して説明する。
(アルミナゾルの調製)
アルミニウムジイソプロポキシドアセチルアセトネート12g、イソプロパノール65g、0.1N塩酸0.2gとを混合し、25℃にて1時間撹拌し、アルミニウムイソプロピレートを加水分解縮重合反応させて酸化アルミニウムからなる高分子量のアルミナゾルを調製した。
(アルミナ−シリカゾルの調製)
得られたアルミナゾルを、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3.1g、水0.6gを混合して25℃にて12時間撹拌した混合溶液に添加して、さらに25℃において8時間撹拌した後、水、プロパノールおよび副生成物を50℃での蒸発操作で取り除きアルミナ−シリカゾルを得た。
(光学材料の作製と評価)
光学材料用組成物に占めるアルミナの割合が、10質量%となるように、アルミナ−シリカゾル20g、メチルメタクリレート74g、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)を0.1g混合して光学材料用組成物を得た。
得られた光学材料用組成物を紫外線照射によって硬化させたところ、形成された光学材料はd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdは、(nd,νd)=(1.493,59)であった。
また、アルミナ−シリカゾルとメチルメタクリレートとの混合比を調整し、光学材料中のアルミナの割合を0〜70質量%まで変化させた光学材料用を同様に硬化させた時の屈折率ndと分散νdの変化を表1および図2に示した。
図2では、横軸を光学材料に占めるAl23換算のアルミナ粒子成分の含有量を質量%で示した。低屈折領域で、低分散化した光学材料を得ることができる。
表1
アルミナ
含有量(質量%) 屈折率nd アッベ数νd
0 1.492 58
10 1.498 59
20 1.504 60
30 1.511 62
40 1.520 64
50 1.531 67
60 1.545 70
70 1.562 75
(アルミナ−シリカゾルの調製)
Al23換算でアルミナを37質量%含有しているアルミナ粒子酢酸水溶液40gとエタノール8gを混合した溶液に、フェニルトリメトキシシラン3.5gを添加して、25℃で24時間撹拌してアルミナ粒子表面を表面処理したアルミナ−シリカゾルを調製した。
(光学材料の作製と評価)
アルミナ−シリカゾル40gにメチルメタクリレート57g、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)を0.1gを混合して1時間撹拌した後、水、メタノールおよび副生成物を50℃での蒸発操作で取り除き光学材料用組成物を調製した。
次いで、紫外線照射によって硬化させたところ、d線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdは、(nd,νd)=(1.504,59)であった。
アルミナ−シリカゾルとメチルメタクリレートとの混合比を調整し、Al23換算したアルミナの割合を70質量%まで変化させた光学材料用組成物を同様に硬化させた時に得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を表2および図3に示した。
高屈折率化とともに低分散化した光学材料を得ることができた。
表2
アルミナ
含有量(質量%) 屈折率nd アッベ数νd
0 1.492 58
10 1.498 58
20 1.504 59
30 1.511 60
40 1.520 60
50 1.531 61
60 1.545 63
70 1.563 64
(アルミナゾルの調製)
平均粒子径が7nmで、90%粒子径が15nmのアルミナ粒子をベンゼンに分散させたAl23換算でアルミナを20質量%含有しているアルミナ粒子分散ベンゼン分散液63gに、アルミニウムイソプロポキシドをベンゼンに溶解した溶液を2.8g添加し、40℃で8時間撹拌してアルミナ粒子表面を表面処理したアルミナゾルを調製した。
(光学材料の作製と評価)
得られたアルミナゾル20gにスチレン57gと重合開始剤2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1gを混合して1時間撹拌した後、ベンゼンおよびアルコール等の副生成物を50℃での蒸発操作で取り除き、紫外線照射によって硬化させたところ、d線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdは、(nd,νd)=(1.667,47)であった。
また、アルミナゾル溶液とスチレンとの混合比を調整し、Al23換算の割合を60質量%まで変化させた光学材料用組成物を、実施例1と同様に硬化させた時に得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を表3および図4に示した。
表3
アルミナ
含有量(質量%) 屈折率nd アッベ数νd
0 1.573 34
10 1.599 37
20 1.623 40
30 1.646 44
40 1.667 47
50 1.686 51
60 1.705 55
本発明の光学材料用組成物は、高屈折率かつ低分散であるので得られた光学素子の大きさを小さくでき、収差も効率よく取り除くことができるとともに、光散乱性、耐環境性に優れ、常温付近で液状であるので、高温や高い圧力をかけることなく複雑形状の光学素子を短時間で製造できる高い加工性を有しているので、光学系の小型軽量化、製造効率の改善等に貢献でき、産業上も極めて有効である。
本発明の光学材料用組成物を硬化した製造した光学材料の屈折率とアッベ数の変化を説明するである 本発明の1実施例の屈折率とアッベ数の変化を表す図である 本発明の他の実施例の屈折率とアッベ数の変化を表す図である 本発明の他の実施例の屈折率とアッベ数の変化を表す図である

Claims (17)

  1. 有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、無機成分としてアルミニウム酸化物からなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含むことを特徴とする光学材料用組成物。
  2. 無機粒子成分の含有量が、光学材料用組成物の総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
  3. 化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその誘導体から得られる少なくとも1種類からなる無機成分Mをさらに含み、その酸化物換算モル量が酸化アルミニウム粒子のモル数の2倍以下であり、これら無機成分の総量が光学材料の総質量に対する酸化物換算して70質量%を超えないことを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
    化学式1
    1 a2 bM(OR3c
    (R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。)
  4. 化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくても1種であることを特徴とする請求項5記載の光学材料用組成物。
  5. 無機粒子成分が、下記の化学式2で表されるアルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物を重合させたものから調製されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
    化学式2 R4 dAl(OR53-d
    (R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
  6. 前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
  7. 前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
  8. 有機成分と無機成分からなる光学材料において、アルミニウム酸化物からなる無機粒子成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤もしくは硬化剤を含む組成物を重合したものであることを特徴とする光学材料。
  9. 無機粒子成分の含有量が、総質量に対する酸化アルミニウム換算で5〜70質量%であることを特徴とする請求項8記載の光学材料。
  10. 化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその誘導体から得られる少なくとも1種類からなる無機成分Mをさらに含み、その酸化物換算モル量が酸化アルミニウム粒子のモル数の2倍以下であり、これら無機成分の総量が光学材料の総質量に対する酸化物換算して70質量%を超えないことを特徴とする請求項8ないし9のいずれか1項に記載の光学材料。
    化学式1
    1 a2 bM(OR3c
    (R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、Mは、Be、Al、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数mであり、c=m−(a+b)である。)
  11. 化学式1において、金属元素MがAl、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10記載の光学材料。
  12. 光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域に存在することを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の光学材料。
  13. 光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.15,νd0+12)、(nd0+0.08,νd0+20)、(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在することを特徴とする請求項8または9記載の光学材料。
  14. 光学材料のd線の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、光学材料用組成物から無機成分を除いて形成した光学材料の屈折率ndおよびアッベ数νdをそれぞれ、nd0およびνd0とした場合に、(nd0,νd0)、(nd0+0.1、νd0)、(nd0+0.1,νd0+18),(nd0−0.15,νd0+15)で囲まれた領域と、(1.47,58)、(1.60,20)、(1.80,22)、(1.75,50)、(1.51,86)で囲まれた領域の共通する領域に存在することを特徴とする請求項10または11記載の光学材料。
  15. 無機粒子成分が、下記の化学式2で表されるアルミニウムアルコキシドあるいはその加水分解物を重合させたものから調製されたことを特徴とする請求項8ないし14のいずれか1項に記載の光学材料。
    化学式2 R4 dAl(OR53-d
    (R4 は、有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は、炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
  16. 前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nmの酸化アルミニウム粒子あることを特徴とする請求項8ないし15のいずれか1項に記載の光学材料。
  17. 前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄有機化合物から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする請求項8ないし16のいずれか1項に記載の光学材料。
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