JP2005331707A - 光学材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】屈折率及び分散の範囲が広く、光散乱性も含めた光学特性及び成形性に優れた光学素子を形成するために好適な光学材料を提供する。
【解決手段】酸化ランタン単位を構成成分とする無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分とを含む光学材料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばカメラ等の撮像光学系、表示デバイス等の投影光学系、画像表示装置等の観察光学系などの光学系に用いる光学素子を形成するに適した光学材料に関し、特に、光散乱性、環境特性、成形性に優れ、且つ所望の光学恒数を得ることが可能な光学材料に関する。
近年、銀塩フィルム用やデジタル用のカメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどには、撮像モジュールが使用されている。このような撮像モジュールなどに用いられる光学系では、小型軽量、低コスト化が大きな課題となっている。そこで、これらの光学系では、光学素子の大きさを小さくし易い高屈折率の光学材料、色収差補正がし易い低分散高屈折率、高分散低屈折率の光学材料や成形が簡単で安価な光学材料を多用するようになっている。
このような光学材料としては、光学ガラス、光学用熱可塑性樹脂、高温で押圧成形し所望の光学素子を得るための低融点ガラス、あるいは成形しながら熱や光で重合し所望形状の光学素子を得ることができるエネルギー硬化型樹脂が用いられている。
また近年、光学素子用の光学材料として、無機化合物と有機化合物を用いた有機無機複合材料、例えば樹脂中に粒子径が数nm〜150nmの微粒子を均一に分散させた微粒子分散型の光学材料が提案されている。
この微粒子分散型の光学材料の場合、即ち、光学系の使用波長より小さい粒子等の不均一成分を含んだ有機無機複合材料からなる光学素子の場合、小さい不均一成分は光学性能に影響を与えないと考えられている。このため、およそ400〜800nmが使用波長域である白色光学系の光学素子の光学材料としては、100nmあるいは30nm程度の不均一成分である微粒子を含む微粒子分散型の光学材料が提案されている。
例えば、特許第2867388号公報では、粒径1〜150nmのダイヤモンド微粉末を合成樹脂に均一に分散させてなる高屈折率を実現する光学用樹脂組成物が提案されている。また、特開2000−44811公報では、粒子径5〜100nmの金属粉末あるいは金属酸化物粉末を有機樹脂中に分散させることにより高屈折率を実現する超微粒子分散型光学材料が提案されている。さらに、特開2001−74901公報では、チタンとシリコンの複合金属酸化物(Si−Ti(1−x))の微粒子やTiO、Nb、ITO、Cr、BaTiOなどの粒径が2〜100nmの微粒子を熱可塑性の非晶性樹脂に分散させて高分散を実現する光学材料が提案されている。
特許第2867388号公報 特開2000−44811公報 特開2001−74901公報
光学ガラスでは、光学有効面を収差補正性能の優れる非球面形状に加工することが難しい、あるいは加工に時間がかかるので量産には不向きであるという欠点がある。
また、低融点ガラスにおいては、光学素子の光学有効面を非球面形状に加工するのが容易であり、高屈折率で耐環境性などに優れる利点はある反面、大口径あるいは大偏肉形状の光学素子としての成形が難しい、あるいは成形機及び金型が高価になるなどの成形性等に欠点がある。
また、光学用熱可塑性樹脂及びエネルギー硬化型樹脂においては、大口径あるいは複雑形状の光学素子に成形できる成形性や量産性に優れる利点があるものの、光学材料として選択できる屈折率及び分散の範囲が狭く、光学系の小型軽量化あるいは高性能化を制限する問題がある。
近年、提案されている微粒子分散型の有機無機複合材料は、複雑形状の光学素子に成形する成形性や透明性などに優れ、比較的簡単に量産できる利点はあるものの、これまでの材料では選択できる屈折率及び分散の範囲に限界があり、光学系の小型軽量化あるいは高性能化を制限してしまうという問題がある。特に、高屈折率低分散の材料は実現されていない。また微粒子分散型の有機無機複合材料からなる光学素子は、光散乱性が大きいという問題点がある。
光散乱性は、光学素子内部における光の散乱の強度を評価するものであり、光散乱性が悪い、つまり散乱光の強度が大きい光学素子では、仮にその光学素子の収差がゼロであっても、光学素子を透過した光により形成される像がぼやけてしまい、優れた光学素子とはいえないものとなる。光散乱性は、光学素子を構成する材料自身に起因するもので、光学素子内部が光学的に均一でない、すなわち、屈折率、透過率が均一でない場合に光が散乱してしまうことに起因している。
すなわち、このように光学系の使用波長より小さな不均一成分であっても、多量に光学素子内部に存在すると、プリズムあるいは導波路など光学素子単体内での光路長が長い光学素子、あるいは顕微鏡や高画素デジタルカメラなど光学素子自体に高性能な光学性能が要求される光学系の光学素子においては、散乱光の大きさが問題になる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、取りうる屈折率及び分散の範囲が広く、光散乱性も含めた光学特性及び成形性に優れた光学素子を形成するために好適な光学材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明の光学材料は、酸化ランタン単位を構成成分とする無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分とを含むことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学材料であって、前記無機粒子成分の体積が、光学材料の総体積に対して酸化物換算の体積%で0.1〜40%であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の光学材料であって、下記の化学式(1)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる少なくとも1種類からなる無機成分をさらに含むことを特徴とする。
M(OR ……化学式(1)
(式中、R及びRは同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、金属元素の価数をmとしたときcは1ないしm、a及びbはa+b=m−cから計算される正の整数である。)
請求項4記載の発明は、請求項3記載の光学材料であって、前記化学式(1)において、金属元素MがAl、Si、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の光学材料であって、前記酸化ランタン微粒子と無機成分の合計体積が、光学材料の総体積に対して酸化物換算の体積%で0.1〜40%であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光学材料であって、前記光学材料が、d線の屈折率nd及びアッベ数νdが(nd、νd)=(1.46、58)、(1.6、22)、(1.86、22)、(1.84、30)、(1.54、58)で囲まれた光学恒数を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の光学材料であって、前記無機粒子成分が、下記の化学式(2)で表されるランタンのアルコキシドまたはハロゲン化ランタンあるいはこれらの加水分解物を重合させたものからなることを特徴とする。
La(OR ……化学式(2)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。)
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の光学材料であって、前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下の酸化ランタンの粒子であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の光学材料であって、前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄化合物、含芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種類を有することを特徴とする。
本発明の光学材料によれば、所望の光学恒数を持たせることができるため、光学素子の大きさを小さくしたり、収差を効率良く取り除くことができる。これに加えて、光散乱性、耐環境性に優れ、常温付近で液状であるため、高温や高い圧力をかけることなく複雑形状の光学素子を短時間で製造することができる高い加工性を有し、光学系の小型軽量や低コスト化を行うことができる。
本発明の光学材料は、酸化ランタン単位を構成成分とする無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分とを含んでいる。
酸化ランタン単位を構成成分とする無機粒子成分は光学特性を変化させるための必須の成分であり、光学材料の総体積に対して酸化物換算で0.1体積%以上40体積%以下が好ましい。0.1体積%未満では、酸化ランタンを添加するための効果が小さく、40体積%を超えると、光散乱性が悪化したり、所望の形状に成形することが難しいなど問題が発生する。より好ましくは5体積%以上30体積%以下である。酸化ランタンは高屈折率低分散を有する光学ガラスの主成分であり、本発明の光学材料においても、その光学恒数を高屈折率低分散化するのに有効である。
酸化ランタン無機粒子成分は、下記の化学式(3)で表されるランタンのアルコキシドまたはハロゲン化ランタンあるいはそれらの加水分解物を重合させたものから製造したものを用いることができる。
La(OR ……化学式(3)
化学式(3)において、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。
ランタンのアルコキシドあるいはその加水分解物としては、トリメトキシランタン、トリエトキシランタン、トリイソプロポキシランタン、トリブトキシランタン、トリフェノキシドランタンあるいはこれらの加水分解物などを用いることができる。
ハロゲン化ランタンとしては、塩化ランタン、臭化ランタンなどを用いることができる。
加水分解や重縮合反応時の希釈溶剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度、時間を適宜調整することにより、粒子径にかかわる分子量や、屈折率及び分散にかかわる結晶性や密度を調整することが可能となる。
微粒子を製造する他の方法としては、液相法や気相法がある。液相法のうち、化学的液相法としては、共沈法、均一沈殿法、還元法、水熱合成法、超臨界液体法などがあり、これらの方法は、凝集の抑制がし易い、重合性官能基を有する有機成分との混合過程への移行が容易、大量生産が可能などのメリットがある。特に、水熱合成法や、超臨界液体法により製造した場合には、結晶性の高い微粒子が得られ、高屈折率化が容易になる。また、物理的液相法としては、噴射乾燥法、凍結乾燥法などを用いることができる。
気相法としては、蒸発凝縮法や気相反応法などがあり、これらの方法によって酸化ランタンの微粒子を製造し、水やアルコールなどの各種有機溶剤から選ばれる分散媒に均一に分散させたものを用いることができる。気相法で製造した場合、微粒子が単分散し易い、高純度の微粒子が得られやすい、散乱特性が良くなるなどのメリットがある。
他の方法としては、結晶を砕いて粉末化し微粒子にしたものなどの公知の方法で製造された酸化ランタンの微粒子を、水やアルコールなどの各種有機溶剤から選ばれる分散媒に均一に分散させたものを用いることができる。
このような酸化ランタンの微粒子を無機粒子成分として用いる場合、酸化ランタン無機粒子の大きさは平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下であることが好ましい。より好ましくは平均粒子径が15nm以下で、かつ90%粒子径が20nm以下である。ここで粒子径は動的光散乱法によって求めたものであり、平均粒子径とは粒子径分布の中心値であり、また90%粒子径とは全粒子の90%が含まれる範囲の粒子径のことである。いずれの粒子径より大きい場合は光散乱が大きくなってしまう。つまり、たとえ平均粒子径が20nm以下で小さくても、粒子径分布の幅が広く30nmより大きな粒子径の粒子が全粒子の10%を超えた割合で存在すると、光散乱が大きくなってしまう。
酸化ランタン無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分以外にも、下記の化学式(4)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる少なくとも1種類からなる無機成分を用いることができる。
M(OR ……化学式(4)
化学式(4)中、R及びRは同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基である。具体例としては、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリフルオルメチル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基、スチリル基、エポキシ基、オキセタニル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基などがある。この内、特に好ましくは、メチル基、エチル基、イソブチル基、アクリロイル基、メタクロイル基、フェニル基、エポキシ基、オキセタニル基が良好である。
化学式(4)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、金属元素の価数をmとしたとき、cは1ないしm、a及びbはa+b=m−cから計算される正の整数である。
前記無機成分は、酸化ランタン粒子とは独立した粒子の状態、酸化ランタン粒子と複合粒子を形成した状態または酸化ランタンの表面を修飾している状態などで含まれることができ、選択する元素によって屈折率や分散、透過率などの光学特性を調整することができる。特に、無機成分が酸化ランタンの無機粒子の表面を修飾するような場合は、酸化ランタン粒子と、重合性官能基を有する有機成分との相溶性や分散性を調整し、酸化ランタン粒子同士の凝集を防止して、透過率や光散乱性の低下を防ぐことができる。
また、R及びRの有機基としてビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基、エポキシ基、オキセタニル基などの重合性有機基を有する金属アルコキシドを用いると、有機成分と無機成分の間に強固な共有結合ができるため、相溶性及び結合性が向上して、より環境安定性や光散乱性を向上させることができ、さらに機械的強度も向上することができる。
金属アルコキシドあるいはその加水分解物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、ペンタエトキシタンタル、ペンタメトキシタンタル、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムメタクリレートトリイソプロポキシド、テトラエトキシゲルマニウム、エチルトリエトキシゲルマニウム、ハフニウムノルマルブトキシド、あるいはこれらの加水分解物などを用いることができる。
特に、Al、Ti、Siのアルコキシドあるいはその加水分解物は、入手が容易であるためコスト面で有利であり、Alのアルコキシドあるいはその加水分解物は低分散化に、Tiのアルコキシドあるいはその加水分解物は高屈折率化に、Siのアルコキシドあるいはその加水分解物は低屈折率化に有効な成分である。
さらに金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる無機成分は、単独であるいは複数種類の混合物として用いることができる。複数種類の混合物として用いる場合には、屈折率や分散、透過率などの光学特性をより精密に制御できる。
化学式(4)で表わされる金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる無機成分の添加量は、酸化ランタン単位を構成成分とする無機粒子成分のモル数に対して1/5以上、1/2以下が好ましく、酸化ランタン微粒子と無機成分の合計体積は、光学材料の総体積に対して酸化物換算で0.1体積%以上40体積%以下であることが好ましい。0.1体積%未満では、酸化ランタンを添加した効果が小さく、40体積%を超える場合は、光散乱性が悪化したり、所望の形状に成形することが難しいなどの問題が発生する。より好ましくは5体積%以上30体積%以下である。
重合性官能基を有する有機成分としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリ酸エステルあるいはアクリル酸エステル(以下、両者をあわせて(メタ)アクリレートと記す)、エポキシ化合物、含硫黄化合物、含芳香族化合物を用いることができる。
具体的には、、メタクリル酸、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシナネート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、スチレン、カーボネートなどを用いることができる。また、モノマーのまま用いても良いし、モノマーを少し重合させたオリゴマーとしてから用いても良い。
重合性官能基を有する有機成分としては、上記以外にも全ての成分が完全に相溶すれば特に限定されるものではない。例えばウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ノボルネン系樹脂などを用いることができる。
本発明の光学材料は、上記酸化ランタン粒子成分、有機成分及び無機成分以外にも、その他の成分として硬化剤、光増感剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などを添加することができる。
硬化剤としては、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を選択することができる。具体的には、有機成分が(メタ)アクリレート及びスチレン、カーボネートの場合及び無機成分の金属アルコキシドの有機基RあるいはRがビニル基、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基である場合、熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスカルボアミド、イソプロピルヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビスヘキサンなどを用いることができ、光重合開始剤としてはベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどを用いることができる。
また、有機成分がエポキシ樹脂の場合及び無機成分の金属アルコキシドの有機基RあるいはRがエポキシ基あるいはオキセタニル基である場合は、触媒型硬化剤として芳香族系3級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸類などを用いることができ、重付加型硬化剤としては、ポリアミン系硬化剤、変性ポリアミン系硬化剤、カルボン酸無水物系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤、硫黄含有化合物系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ポリエステル系硬化剤などを用いることができる。
本発明の光学材料は、d線の屈折率nd及びアッべ数νdが(nd、νd)=(1.46、58)、(1.6、22)、(1.86、22)、(1.84、30)、(1.54、58)で囲まれた範囲まで光学恒数を変化させることができる。
例えば、有機成分として、その光学恒数がd線の屈折率が1.45〜1.55、d線のアッべ数が60〜45程度である低屈折率材料及びd線の屈折率が1.55〜1.65、d線のアッベ数が45〜20程度である中屈折率材料の有機成分を選択した場合、図2において、酸化ランタン微粒子と無機成分の合計が酸化物換算で0〜40体積%まで増加させるとともに前記無機成分の種類を選択することにより、(nd、νd)=(1.46,58)、(1.6、22)、(1.8、22)、(1.65、47)、(1.54、58)で囲まれた範囲で光学恒数を変化させることができる。この領域の光学恒数を有する有機成分としては、(メタ)アクリレート、スチレン、カーボネートなどが代表的であり、高屈折率化とともに構造中に芳香環構造を持つ傾向があり、光学用途として用いられている種類も多く、低コスト化も望めるという点で有利である。
また、d線の屈折率が1.6〜1.8、d線のアッベ数が45〜25程度である高屈折率低分散の有機成分を選択した場合は、図3において、(nd、νd)=(1.58、42)、(1.74、22)、(1.86、22)、(1.84、30)、(1.71、42)で囲まれた範囲で光学恒数を変化させることができる。高屈折率低分散の有機成分としては、含硫黄化合物などを用いることができ、さらなる高屈折率化及び低分散化が実現できる。
このように重合性官能基を有する有機成分の種類により光学材料の取り得る光学恒数の範囲を変化させることができる。一般的に、光学材料として用いられている有機成分は、図1に示されるような屈折率とアッベ数の範囲に分布しており、重合性官能基を有する有機成分として、これらの有機成分から1つまたは複数選択することにより、光学材料は(nd、νd)=(1.46、58)、(1.6、22)、(1.86、22)、(1.84、30)、(1.54、58)で囲まれた範囲で光学恒数を取ることができる。
さらに具体例を挙げて詳細に説明する。酸化ランタン粒子成分としてのトリイソプロポキシランタンを、イソプロパノールを希釈溶剤として加水分解反応と縮重合反応を行いPS換算分子量2000〜1000000程度まで高分子量化させたものを用い、また重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを用い、また化学式(4)で表される金属アルコキシドからなる無機成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用い、その他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた場合の光学材料A1において、トリイソプロポキシランタンと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの割合を酸化物La、SiOに換算した時のモル比La:SiOで4:1として、光学材料全体に含まれるLaとSiOの合計体積を、体積%で0、10%、20%、30%、40%まで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図2にマークa1(黒塗り四角マーク)で示す。有機成分としてのメチルメタクリレート単体では、(nd,νd)=(1.492、58)である。また、40体積%時では、(nd、νd)=(1.653、35)である。
上記光学材料A1において、化学式(4)で表される金属アルコキシドからなる無機成分のみをチタニウムテトライソプロポキシドに変更し、Laとのモル比を酸化物換算でLa:TiO=2:1として、光学材料全体に含まれるLaとTiOの合計体積を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料A2のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図2にマークa2(白塗り四角マーク)で示す。この場合、LaとTiOとの合計体積が40体積%時では、(nd、νd)=(1.672、34.1)である。
また、光学材料A1において、化学式(4)で表される金属アルコキシドからなる無機成分のみをアルミニウムトリ−s−ブトキシドに変更し、Laとのモル比を酸化物換算でLa:Al=2:1として、光学材料全体に含まれるLaとAlの合計体積を体積%で、0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料A3のd線の屈折率ndと分散を表すアッべ数νdの測定点の変化を図2にマークa3(スモーク塗り四角マーク)で示す。この場合、LaとAlとの合計体積が40体積%時では、(nd、νd)=(1.607、49)である。
以上から、メチルメタクリレート単体の(nd、νd)=(1.492、58)からLaと無機成分の割合を増加させると、光学恒数を高屈折率高分散の方向に変化させることができる。
光学材料A1〜A3と同様にして、重合性官能基を有する有機成分のみをジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレートに変更し、光学材料全体に含まれるLaと無機成分の合計体積を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料A4のd線の屈折率ndと分散を表すアッべ数νdの測定点の変化を図2にマークa4−1(黒塗り三角マーク)、a4−2(白塗り三角マーク)、a4−3(スモーク塗り三角マーク)で示す。マークa4−1は無機成分をSiOとした場合、マークa4−2は無機成分をTiOとした場合、マークa4−3は無機成分をAlとした場合である。
ジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレートの(nd,νd)=(1.535、52)からLaと無機成分の割合を増加させると共に光学恒数を高屈折率高分散の方向に変化させることができる。上記40体積%時において、無機成分がSiOの場合は、(nd,νd)=(1.682、34)、TiOの場合は、(nd,νd)=(1.701、33)、Alの場合は、(nd,νd)=(1.635、46)である。
また、光学材料A1〜3と同様にして、重合性官能基を有する有機成分をスチレンに変更し、化学式(4)で表わされる金属アルコキシドからなる無機成分である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをフェニルトリエトキシシランに変更し、チタニウムテトライソプロポキシド及びアルミニウムトリ−s−ブトキシドはそのままで、光学材料全体に含まれるLaと無機成分の合計体積を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料A5のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図2にマークa5−1(黒塗り円マーク)、a5−2(白塗り円マーク)、a5−3(スモーク塗り円マーク)で示す。マークa5−1は無機成分をSiOとした場合、マークa5−2は無機成分をTiOとした場合、マークa5−3は無機成分をAlとした場合である。
スチレンの(nd,νd)=(1.59、30)からLaと無機成分の割合を増加させると、光学恒数を高屈折率化すると共に低分散にも高分散にも変化させることができる。上記40体積%時の無機成分をSiOとした場合は、(nd,νd)=(1.719、27)、TiOとした場合は、(nd,νd)=(1.738、27)、Alとした場合は、(nd,νd)=(1.670、34)である。
さらに、光学材料A1〜3と同様に、重合性官能基を揺する有機成分を化学式(5)で示されるアクリレートに変更し、化学式(4)で表される金属アルコキシドからなる無機成分である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをフェニルトリエトキシシランに変更し、チタニウムテトライソプロポキシド及びアルミニウムトリ−s−ブトキシドはそのままで、光学材料全体に含まれるLaと無機成分の合計体積を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料A6のd線の屈折率ndと分散を表すアッべ数νdの測定点の変化を図2にマークa6−1(黒塗りダイヤマーク)、a6−2(白塗りダイヤマーク)、a6−3(スモーク塗りダイヤマーク)で示す。マークa6−1は無機成分をSiOとした場合を、マークa6−2は無機成分をAlとした場合、マークa6−3は無機成分をAlとした場合である。
化学式(5)で示されるアクリレートの(nd,νd)=(1.631、24)からLaと無機成分の割合を増加させると共に光学恒数を高屈折率低分散の方向に変化させることができる。上記40体積%時の無機成分をSiOとした場合は、(nd,νd)=(1.757、24)、Alとした場合は、(nd,νd)=(1.702、30)、TiOとした場合は、(nd,νd)=(1.779、24)である。
Figure 2005331707
さらに、光学材料A1〜3において、重合性官能基を有する有機成分として、スチレンとメチルメタクリレートの混合物を選び、混合比を変えて行くことにより、光学材料の光学恒数は有機成分としてスチレンを用いた場合とメチルメタクリレートを用いた場合の間となる。同様に、重合性官能基を有する有機成分として化学式(5)のアクリレートとメチルメタクリレートの混合物を用いて、混合比を変えて行くことにより、光学材料の光学恒数はその間となる。結果としてd線の屈折率が1.45〜1.55、d線のアッべ数が60〜45程度の低屈折率材料、及びd線の屈折率が1.55〜1.65、d線のアッべ数が45〜20程度の中屈折率材料である有機成分を単独あるいは複数選択した場合、(nd、νd)=(1.46、58)、(1.6、22)、(1.8、22)、(1.65、47)、(1.54、58)で囲まれた範囲で光学恒数を変化させることができる。
次に、酸化ランタンの粒子成分として平均粒子径が9nmで、90%粒子径が20nmの酸化ランタン粒子を水分散させたものを、重合性官能基を有する有機成分として化学式(6)で示される含硫黄化合物を、化学式(4)で表される金属アルコキシドからなる無機成分としてフェニルトリメトキシシランを、その他の成分としてアミン系硬化剤を用いた光学材料において、水分散酸化ランタン粒子とフェニルトリメトキシシランの割合をそれぞれの酸化物、La、SiOに換算した時のモル比La:SiOで4:1として、光学材料全体に含まれるLaと無機成分の割合を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料B1のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図3にマークb1(黒塗り四角マーク)で示す。上記40体積%時は、(nd,νd)=(1.806、29)であり、また0%時は(nd,νd)=(1.71、36)である。
Figure 2005331707
また、上記光学材料B1において、酸化ランタン粒子成分をトリイソプロポキシランタンに変更し、イソプロピルアルコールを希釈溶剤として加水分解反応と縮重合反応を行いPS換算分子量2000〜1000000程度まで高分子量化させたものを用い、また化学式(4)で表される金属アルコキシドからなる無機成分をチタニウムテトライソプロボキシド及びアルミニウムトリ−s−ブトキシドにそれぞれ変更し、Laとのモル比をそれぞれ酸化物換算でLa:TiOで2:1及びLa:Alで2:1として光学材料B2、B3を得、これらの光学材料B2、B3全体に含まれるLaと無機成分の合計体積を体積%で0,10%,20%,30%,40%と変化させたときの光学材料B2とB3のそれぞれのd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図3にマークb2(白塗り四角マーク)、b3(スモーク塗り四角マーク)で示す。マークb2は、無機成分をTiOとした場合、マークb3は、無機成分をAlとした場合である。
化学式(6)に示される含硫黄化合物単体の(nd,νd)=(1.71、36)からLaと無機成分の割合を増加させると、光学恒数を高屈折率化すると共に低分散にも高分散にも変化させることができる。上記40体積%時は、無機成分をTiOとした場合、(nd,νd)=(1.829、28)、Alとした場合、(nd,νd)=(1.749、37)である。
光学材料B1〜B3と同様にして、重合性官能基を有する有機成分のみを化学式(7)で示される含硫黄化合物に変更し、光学材料全体に含まれるLaと無機成分の合計体積を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料B4のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図3にマークb4−1(黒塗り三角マーク)、b4−2(白塗り三角マーク)、b4−3(スモーク塗り三角マーク)で示す。マークb4−1は無機成分をSiOとした場合、マークb4−2は無機成分をTiOとした場合、マークb4−3は無機成分をAlとした場合である。
化学式(7)で示される含硫黄化合物の(nd,νd)=(1.74,25)からLaと無機成分の割合を増加させると、光学恒数を高屈折率化すると共に低分散にも高分散にも変化させることができる。上記40体積%時は、無機成分をSiOとした場合、(nd,νd)=(1.824、24)、TiOとした場合、(nd,νd)=(1.847、24)、Alとした場合、(nd,νd)=(1.766、30)である。
Figure 2005331707
また、光学材料B1〜B3と同様にして、重合性官能基を有する有機成分として化学式(8)で示される含硫黄化合物を用い、その他の成分として、化学式(9)で示されるイソシアネート化合物を用いることに変更し、光学材料全体に含まれるLaと無機成分の合計体積を体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させたときの光学材料B5のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図3にマークb5−1(黒塗り円マーク),b5−2(白塗り円マーク)、b5−3(スモーク塗り円マーク)で示す。マークb5−1は無機成分をSiOとした場合、マークb5−2は無機成分をTiOとした場合、マークb5−3は無機成分をAlとした場合である。
Figure 2005331707
Figure 2005331707
化学式(8)で示される含硫黄化合物と化学式(9)で示されるイソシアネート化合物の重合体の(nd,νd)=(1.60,40)からLaと無機成分の割合を増加させると、光学恒数を高屈折率化すると共に高分散にも低分散にも変化させることができる。なお、上記40体積%時は、無機成分をSとした場合、(nd,νd)=(1.738、30)、TiOとした場合、(nd,νd)=(1.760、30)、Alとした場合、(nd,νd)=(1.684、40)である。
光学用途として用いることができる硫黄含有化合物はd線の屈折率が1.6〜1.8、d線のアッベ数が45〜25の範囲に分布しており、これらの有機成分を選択することにより(nd,νd)=(1.58、42)、(1.74、22)、、(1.86、22)、(1.84、30)、(1.71、42)で囲まれた範囲で光学恒数を変化させることができる。
以上のように、重合性官能基を有する有機成分の種類、酸化ランタンの粒子成分の添加量、無機成分の種類と添加量により光学材料の光学恒数を変化させることができる。これ以外にも、酸化ランタンの粒子成分の分子量、結晶性及び密度、及び重合性官能基を有する有機成分の硬化条件などを調整することにより、光学材料の高屈折率化、低分散化あるいは高分散化が可能である。
以下、本発明を適用した光学材料の実施例を具体的に説明する。
(実施例1)
この実施例では、酸化ランタン無機粒子成分としてトリイソプロポキシランタンを加水分解物して縮重合させたものを用い、重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを用い、金属アルコキシドからなる無機成分として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用い、その他の成分としては光重合開始剤としてイルガキュア500(長瀬産業(社)製、商品名)を用いた。
トリイソプロポキシランタン31gと、イソプロパノール100gと、0.1N塩酸0.2gとを混合し、室温(25℃)で1時間攪拌し、トリイソプロポキシランタンを加水分解反応と縮合反応させて酸化ランタンを繰り返し単位とする高分子量のランタニアゾル溶液を用意する。このランタニタゾル溶液を、別途用意した3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.1gと水1.5gを混合して室温にて12時間攪拌した混合溶液に添加して、さらに室温で8時間攪拌した後、水、イソパノール及び副生成物を50℃でのエバポレーション操作で取り除きランタニア−シリカゾル溶液を得た。
光学材料に占めるLaとSiOを酸化物換算で合計した割合を体積%で10%になるように、ランタニア−シリカゾル溶液20gとメチルメタクリレート30gと、0.05gのイルガキュア500を混合して、この実施例の光学材料を得た。紫外線照射によって25℃にて硬化させたところ、(nd、νd)=(1.531、49)であった。結果を図4にプロットして示す。
また、ランタニア−シリカゾル溶液とメチルメタクリレートとの混合比を調整し、無機成分をLaとSiOに酸化物換算したときに体積%で、0、20%、30%、40%と変化させた光学材料において、同様に硬化させた時の屈折率ndと分散νdの変化を図4に示してある。
なお、図4においては、横軸を光学材料に占める酸化物換算の酸化ランタン無機粒子とSiOの合計体積を体積%で示し、各体積%で得られた光学材料のd線の屈折率ndを黒塗り円マークで示し、アッベ数νdを黒塗り四角マークで示している。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率高分散である光学材料を得ることができる。
(実施例2)
この実施例では、実施例1における金属アルコキシドからなる無機成分を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.1gと水1.5gから、チタニウムテトライソプロポキシド14.0gと水2.0gに変更した。実施例1と同様に、ランタニア−チタニアゾル溶液とメチルメタクリレートの混合比を調整し、無機成分をLaとTiOに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。紫外線を照射して硬化させた時の屈折率nd及び分散νdの変化を図5に示す。図5において、白塗り円マークは屈折率ndであり、白塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率高分散である光学材料を得ることができる。
(実施例3)
この実施例では、実施例1における金属アルコキシドからなる無機成分を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.1gと水1・5gから、アルミニウムトリ−s−ブトキシド12.0gと水2.0gに変更した。実施例1と同様に、ランタニア−アルミナゾル溶液とメチルメタクリレートの混合比とを調整し、無機成分をLaとAlに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。紫外線を照射して硬化させた時の屈折率nd及び分散νdの変化を図6に示す。図6において、黒塗り円マークは屈折率ndであり、黒塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率高分散である光学材料を得ることができる。
(実施例4)
この実施例では、実施例1において、金属アルコキシドからなる無機成分を3−メタクリロキシプロビルトリメトキシシラン6.1gをフェニルトリエトキシシラン5.9gに変更し、重合性官能基を有する有機成分をスチレンに変更した。実施例1と同様に、ランタニア−シリカゾル溶液とスチレンとの混合比を調整し、無機成分をLaとSiOに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。紫外線を照射して硬化させた時の屈折率nd及び分散νdの変化を図7に示す。図7において、黒塗り円マークは屈折率ndであり、黒塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率高分散である光学材料を得ることができる。
(実施例5)
この実施例では、実施例2において、重合性官能基を有する有機成分のみをスチレンに変更した。実施例2と同様に、ランタニア−チタニア溶液とスチレンとの混合比を調整し、無機成分をLaとTiOに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。紫外線を照射して硬化させた時の屈折率nd及び分散νdの変化を図8に示す。図8において、白塗り円マークは屈折率ndであり、白塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率高分散である光学材料を得ることができる。
(実施例6)
この実施例では、実施例3において、重合性官能基を有する有機成分のみをスチレンに変更した。実施例3と同様に、ランタニア−アルミナゾル溶液とスチレンとの混合比を調整し、無機成分をLaとAlに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。紫外線を照射して硬化させた時の屈折率nd及び分散νdの変化を図9に示す。図9において、黒塗り円マークは屈折率ndであり、黒塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率低分散である光学材料を得ることができる。
(実施例7)
この実施例では、酸化ランタンとして平均粒子径が9nmで、90%粒子径が20nmの酸化ランタンの粒子を硝酸水溶液に分散させたものを用い、重合性官能基を有する有機成分として化学式(6)で示される硫黄化合物を用い、金属アルコキシドからなる無機成分としてフェニルトリメトキシシランを用い、その他の成分としては硬化剤としてトリエチルアミンを用いた。
La換算で酸化ランタンを20質量%含有しているランタン粒子硝酸水溶液100gとメタノール20gを混合した溶液に、フェニルトリメトキシシラン3.0gを添加して、室温で24時間攪拌して酸化ランタン粒子表面を表面処理したランタニア−シリカゾル溶液を用意する。このランタニア−シリカゾル溶液20gに化学式(6)で示される硫黄化合物35gとトリエチルアミン0.1gを混合して1時間攪拌した後、水、メタノール及び副生成物を50℃でのエバポレーション操作で取り除き、40℃から100℃まで10時間かけて昇温し、硬化させたところ、(nd、νd)=(1.735,33)であった。結果を図10に示す。
また、ランタニア−シリカゾル溶液と化学式(6)で示される硫黄化合物との混合比を調整し、無機成分をLaとSiOに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成し、同様に熱硬化させたときの屈折率ndと分散νdの変化を図10に示す。図10において、黒塗り円マークは屈折率ndであり、黒塗り四角マークは分散νdである。
(実施例8)
この実施例では、実施例2において、重合性官能基を有する有機成分を化学式(6)で示される硫黄化合物30gに変更し、その他の成分である光重合開始剤イルガキュア500を硬化剤のトリエチルアミン0.1gに変更した。実施例2と同様に、ランタニア−チタニアゾル溶液と化学式(6)で示される硫黄化合物との混合比を調整し、無機成分をLaとTiOに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。この光学材料を40℃から100℃まで10時間かけて昇温して硬化させた時の屈折率nd及び分散νdの変化を図11に示す。図11において、白塗り円マークは屈折率ndであり、白塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率高分散である光学材料を得ることができる。
(実施例9)
この実施例では、実施例3において、重合性官能基を有する有機成分を化学式(6)で示される硫黄化合物30gに変更し、その他の成分である光重合開始剤イルガキュア500を硬化剤のトリエチルアミン0.1g変更した。実施例3と同様に、ランタニア−アルミナゾル溶液と化学式(6)で示される硫黄化合物との混合比を調整し、無機成分をLaとAlに酸化物換算したときに、体積%で0、10%、20%、30%、40%と変化させた光学材料を作成した。この光学材料を40℃から100℃まで10時間かけて昇温して硬化させた時の屈折率nd及び分散νの変化を図12に示す。図12において、スモーク塗り円マークは屈折率ndであり、スモーク塗り四角マークは分散νdである。
この実施例によれば、有機成分の単体に対して高屈折率低分散である光学材料を得ることができる。
光学用途で用いられている有機材料の屈折率とアッベ数の変化を説明するグラフである。 本発明の光学材料の屈折率とアッべ数の変化を説明するグラフである。 本発明の光学材料の屈折率とアッベ数の変化を説明するグラフである。 実施例1の屈折率とアッべ数の変化を表すグラフである。 実施例2の屈折率とアッベ数の変化を表すグラフである。 実施例3の屈折率とアッベ数の変化を表すグラフである。 実施例4の屈折率とアッべ数の変化を表すグラフである。 実施例5の屈折率とアッべ数の変化を表すグラフである。 実施例6の屈折率とアッベ数の変化を表すグラフである。 実施例7の屈折率とアッベ数の変化を表すグラフである。 実施例8の屈折率とアッべ数の変化を表すグラフである。 実施例9の屈折率とアッべ数の変化を表すグラフである。

Claims (9)

  1. 酸化ランタン単位を構成成分とする無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分とを含むことを特徴とする光学材料。
  2. 前記無機粒子成分の体積が、光学材料の総体積に対して酸化物換算の体積%で0.1〜40%であることを特徴とする請求項1記載の光学材料。
  3. 下記の化学式(1)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる少なくとも1種類からなる無機成分をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の光学材料。

    M(OR ……化学式(1)
    (式中、R及びRは同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、金属元素の価数をmとしたときcは1ないしm、a及びbはa+b=m−cから計算される正の整数である。)
  4. 前記化学式(1)において、金属元素MがAl、Si、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の光学材料。
  5. 前記酸化ランタン微粒子と無機成分の合計体積が、光学材料の総体積に対して酸化物換算の体積%で0.1〜40%であることを特徴とする請求項3記載の光学材料。
  6. 前記光学材料が、d線の屈折率nd及びアッベ数νdが(nd、νd)=(1.46、58)、(1.6、22)、(1.86、22)、(1.84、30)、(1.54、58)で囲まれた光学恒数を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学材料。
  7. 前記無機粒子成分が、下記の化学式(2)で表されるランタンのアルコキシドまたはハロゲン化ランタンあるいはこれらの加水分解物を重合させたものからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光学材料。
    La(OR ……化学式(2)
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。)
  8. 前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下の酸化ランタンの粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光学材料。
  9. 前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄化合物、含芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種類を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の光学材料。
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