JP5606274B2 - 微粒子分散液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は微粒子分散液の製造方法に関する。
近年、樹脂の高屈折率化を目的として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ等の屈折率の高い金属酸化物微粒子あるいはそれらの複合酸化物を、分散状態を保ったまま樹脂中に導入して、無色透明な高屈折率樹脂を形成する研究が盛んに行われている。
高屈折率透明樹脂は、有機高分子の特徴である透明性、柔軟性、軽量性、易成形性等と、無機化合物の特徴である高屈折率、高強度、耐熱性等を併せ持つ材料として、各種光学材料への展開が期待されている。具体的には、光ファイバーや光配線基板等に設けられる導光路、イメージセンサ、カメラ、複写機等の各種機器の部品、光学レンズ、各種ディスプレイ材料、プリント基板、発光ダイオードなどの光半導体素子の封止用樹脂組成物等である。
金属酸化物微粒子−樹脂複合体が透明になる為には、一般的に、樹脂中に金属酸化物微粒子が均一に分散し、且つ金属酸化物微粒子の体積平均粒子径が可視光波長の1/4以下であれば良く、さらに、小さければ小さいほど良いと言われている。しかし、金属酸化物微粒子は、粒径が小さいほど凝集し易くなり、粒径の小さな金属酸化物微粒子を樹脂中に均一かつ安定的に分散させることは困難であった。
この問題を解決する方法として、特許文献1及び特許文献2のように、ジルコニア粒子などの金属酸化物微粒子をシランカップリング剤等の表面修飾剤の存在下で分散処理することによって、金属酸化物微粒子を溶媒あるいは樹脂中に均一かつ安定的に分散させる手法を挙げることができる。
特開平3−12460号公報 特開2008−120848号公報 前述したように、高い屈折率を有する金属酸化物としては酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ等が挙げられるが、酸化タンタルは酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ等の他の高屈折率金属酸化物に比べてバンドギャップが広く、可視光での光触媒活性を実質的に持たない。それ故、酸化タンタル−樹脂複合体は、酸化タンタルの光触媒活性による樹脂への影響が少なく耐光性に優れる。酸化ジルコニウムもバンドギャップが広く光触媒活性を持たない金属酸化物であるが、酸化ジルコニムの屈折率は酸化タンタルより低い。以上の理由から、酸化タンタルは、新たな高屈折率材料として期待が集まっている。 しかしながら、溶媒あるいは樹脂中において分散性が高く、かつ、結晶子径が小さい酸化タンタル粒子を安価に得ることが困難であった。
本発明は、上記の課題を解決する為に、結晶子径が小さく、有機溶媒に均一に分散された酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液と酸化タンタル微粒子−樹脂複合体、及び、それらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る微粒子分散液の製造方法は、酸化タンタル微粒子と、塩基性化合物と、表面修飾剤であるシランカップリング剤と、有機溶媒との混合物分散処理する工程を有することを特徴とする。
本発明の酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の製造方法によれば、酸化タンタル微粒子と塩基性化合物と表面修飾剤とを含む有機溶媒中で分散処理を行うと、分散処理前よりも酸化タンタル微粒子の結晶子径が小さくなる。さらに、酸化タンタル微粒子が有機溶媒に均一に分散された酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液が得られる。
本発明の酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液は、酸化タンタル微粒子の結晶子径、体積平均粒子径が共に十分小さいため、有機溶媒中に均一に分散し、容易に樹脂と相溶することができる。また、本発明の酸化タンタル微粒子もしくは酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液を用いて作製した酸化タンタル微粒子−樹脂複合体は、透明性が高い。
また、本発明の酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の有機溶媒を熱硬化モノマーと光硬化モノマーとの何れかもしくはその両方に用いれば、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の製造方法と本発明の酸化タンタル微粒子−樹脂複合体の製造方法とを統合して一体化にすることができる。よって、本発明は、透明性が高い酸化タンタル微粒子−樹脂複合体のみならず、その簡単の製造方法も提供することができる。
本発明の実施例1で得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタル微粒子のTEM写真である。 本実施形態に係る微粒子−樹脂複合体を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、個々に開示する実施形態は、本発明の酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の製造方法、酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液、酸化タンタル微粒子−樹脂複合体及びそれらの製造方法の例であり、これに限定されるものではない。
(酸化タンタル微粒子の製造方法)
本実施形態に係る酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の製造方法は、酸化タンタル微粒子と、塩基性化合物と、表面修飾剤と、有機溶媒との混合物を用意して、前記混合物を分散処理することを特徴とする。酸化タンタル微粒子と塩基性化合物と表面修飾剤とを含む有機溶媒中で分散処理を行うことで、酸化タンタル微粒子の結晶子径が分散処理前よりも小さくなる。このように酸化タンタル微粒子の結晶子径が小さくなるのは、塩基性化合物が酸化タンタル微粒子を溶解させているからであると考えられる。さらに、得られる酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液は酸化タンタル微粒子が有機溶媒に均一に分散されている。
ここでいう「酸化タンタル微粒子」と、「塩基性化合物」と、「表面修飾剤」と「有機溶媒」については後述する。
前記有機溶媒に添加する酸化タンタル微粒子と、塩基性化合物と及び表面修飾剤の用量は下記の範囲である。
前記分散ステップにおける、前記酸化タンタル微粒子は、前記有機溶媒に対して1重量%乃至50重量%であることが好ましいが、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の分散効率と生産性を考慮すると、より好ましくは5重量%乃至30重量%以下である。
前記分散ステップにおける、前記表面修飾剤は、前記酸化タンタル微粒子に対して、5重量%乃至200重量%であることが好ましく、より好ましくは30重量%乃至150重量%である。
前記表面修飾剤の重量比が5重量%未満であると、前記酸化タンタル微粒子の有機溶媒への分散が困難となり、結果として前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の透明性が失われるからである。一方、前記表面修飾剤の重量比が200重量%を超えると、前記表面修飾剤が前記酸化タンタルの屈折率へ及ぼす影響が大きくなり、結果として前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の屈折率が低下するからである。
前記分散ステップにおける、前記塩基性化合物は、前記酸化タンタル微粒子に対して0.01重量%乃至50重量%であることが好ましく、より好ましくは1重量%乃至30重量%である。前記塩基性化合物の重量比が前記酸化タンタル微粒子に対して0.01重量%未満であると、酸化タンタル微粒子の結晶子径が小さくなるという効果が十分に得られないからである。一方、前記塩基性化合物の重量比が50重量%を超えると、前記塩基性化合物が前記酸化タンタルの屈折率へ及ぼす影響が大きくなり、結果として酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の屈折率が低下するからである。
前記分散処理で行われる分散方法は特に限定されず、ボールミル法、振動ミル法、遊星ボールミル法、ビーズミル法、ジェットミル法、ホモジナイザー法などの湿式分散法が挙げられる。これらの中で、ビーズミル法、ジェットミル法を用いるのが好ましい。ビーズミル法、ジェットミル法は、上記の他の方法に比べて、粒子により強い力を加えることで粒子をより小さい粒径に解砕することができるからである。
ビーズミル法を用いる場合には、使用するビーズは特に限定はされないが、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液への不純物の混合をさける為に耐磨耗性の高いジルコニアビーズを用いるのが好ましい。前記ビーズの粒子径は1μm乃至100μmが好ましく、20乃至50μmが特に好ましい。前記ビーズ粒子径が1μm未満であると、原料粉に対する衝撃力が小さく、分散に時間を要する。一方、前記ビーズ粒子径が100μmを超えると原料粉に対する衝撃力が大きくなりすぎ、分散された粒子の表面エネルギーが増大し再凝集が発生しやすくなる。また前記ビーズの充填率は、特に限定されないが、30乃至90%が一般的であり、前記酸化タンタル分散液の粘度及び分散効率の観点から、40乃至70%が好ましい。
前記本実施形態に係る酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液は、前記のとおり、酸化タンタル微粒子と、塩基性化合物と、表面修飾剤と、有機溶媒との混合物を用意して、前記混合物を分散処理することを特徴とする製造方法によって製造される。
よって、本実施形態に係る酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれる、酸化タンタル微粒子と、有機溶媒、塩基性化合物と及び表面修飾剤の含有量も前記範囲になる。
即ち、前記酸化タンタル微粒子は、前記有機溶媒に対して1重量%乃至50重量%であることが好ましいが、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の分散効率と生産性を考慮すると、より好ましくは5重量%乃至30重量%以下である。
また、前記表面修飾剤は、前記酸化タンタル微粒子に対して、5重量%乃至200重量%であることが好ましく、より好ましくは30重量%乃至150重量%である。
さらに、前記酸化タンタル微粒子に対して0.01重量%乃至50重量%であることが好ましく、より好ましくは1重量%乃至30重量%である。
本実施形態に係る酸化タンタル微粒子の製造方法において、前記分散処理の後に、必要に応じて、前記酸化タンタル微粒子表面に化学結合して表面処理に寄与していない前記表面修飾剤を除去して精製する精製ステップを加えることができる。また、前記製造方法で得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれる粗大粒子を除去する除去ステップを加えることもできる。これらのステップは特に限定されるものではないが、例えば限外ろ過法、遠心分離法、再沈法等を挙げることができる。
(酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液)
本実施形態に係る酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液は、結晶子径が10nm以下である、表面修飾剤で被覆した酸化タンタル微粒子と、塩基性化合物と、有機溶媒とを含むことを特徴とする。
ここでいう「結晶子径」とは、粒子を構成している最小単位の粒径であり、XRD(X線回折装置)により得られた粒子の(110)面のX線回折ピークより次式のデバイ−シェラー式(式1)を用いて算出した値D(110)である。なお、値D(110)は下記式によって算出する。
D(110)=K*λ/βcosθ (式1)
ここで、D(110)は結晶子サイズ(結晶子径)、K=0.9、λCu−Kα1=0.154056nm、βは回折ピークの半価幅である。
(酸化タンタル微粒子)
本実施形態に係る酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれている酸化タンタル微粒子の構造は特には限定されず、α型構造、β型構造、δ型構造、非結晶構造の何れでももしくはこれらの混合物でもよい。
前記酸化タンタル微粒子の結晶子径は1nm以上10nm以下であるので、体積平均粒子径も必然的に小さくなり、透明性の高い酸化タンタル微粒子−樹脂複合体が得られる。また、酸化タンタル微粒子の表面は表面修飾剤で被覆されているため、酸化タンタル微粒子が樹脂中に均一かつ、安定的に分散された酸化タンタル微粒子−樹脂複合体が得られる。
また、上記酸化タンタル微粒子は紛体の状態でも溶媒に分散した分散体の状態でもどちらの状態でも構わない。
前記酸化タンタル微粒子について、さらにその体積平均粒子径が1nm以上20nm以下であることが好ましい。ここでいう「体積平均粒子径」は、一次粒子が凝集した粒子(二次粒子)の粒径であり、DLS(動的光散乱式粒径分布測定装置)から得られる体積粒径の累積分布関数において累積度数が全体の50%になる時の体積粒径の値である。
(塩基性化合物)
本実施形態において、酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれている塩基性化合物は、酸化タンタル微粒子の結晶子径を小さくするための成分である。本実施形態において用いる塩基性化合物としては、アンモニア(アンモニア水溶液を含む)、有機アミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属のアルコキシドが挙げられる。これらのうち、有機アミン化合物は特に好ましい。ここで、有機アミン化合物とは、窒素原子を有する有機化合物である。前記有機アミン化合物としては、アルキルアミン、アルカノールアミン、アリールアミン、複素環アミン、アルコキシアミンなどが挙げられる。アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの炭素数1乃至10のアルキル基を有するアルキルアミンなどが挙げられる。アルカノールアミンとしては、2−(2−アミノエトキシ)エタノールなどが挙げられる。アリールアミンとしては、アニリンなどが挙げられる。複素環アミンとしては、ピリジンなどが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ブチルアミン、N,N−ジブチルアミン、アニリン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノールから選択された少なくとも1つの塩基性化合物であることが好ましく、ピリジンがより好ましい。これは、ピリジンを用いた場合、分散処理をすることによって酸化タンタル微粒子の結晶子径が小さくなる効果が大きいからである
なお、上記塩基性化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
(有機溶媒)
本実施形態における酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれている有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジメチルケトン、メキルエチルケトン、アセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、熱及び/または光硬化モノマーを挙げることができる。熱硬化モノマーと光硬化モノマーとの何れかもしくはその両方としてはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等の(メタ)アクリルモノマー類、エポキシモノマー類を挙げることができる。また、二種類以上の有機溶媒を混ぜ合わせることも可能である。前記有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルメタクリレートの少なくともいずれか一方であることが好ましい。
前記有機溶媒の例から分かるように、本実施形態における酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれている有機溶媒、例えば熱硬化モノマーと光硬化モノマーとの何れかもしくはその両方は、後述の本実施形態における酸化タンタル微粒子−樹脂複合体の成分である樹脂としても用いることができる。これによって、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に熱と光との何れかもしくはその両方の重合開始剤を添加し硬化させれば、本実施形態における酸化タンタル微粒子−樹脂複合体を得ることができる。
(表面修飾剤)
本実施形態において酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれている表面修飾剤は、結晶子径の小さい酸化タンタル微粒子を樹脂中に均一かつ安定的に分散させるために前記酸化タンタル微粒子に被覆される。本発明で用いる表面修飾剤は、シランカップリング剤と金属系カップリング剤との何れかもしくはその両方を用いることができる。これらのうち、使い易さやコストなどの観点から、シランカップリング剤が特に好ましい。ここで、シランカップリング剤とは、無機材料に対して親和性あるいは反応性を有する加水分解性のシリル基に、有機物に対して親和性あるいは反応性を有する有機置換基を化学的に結合させた構造を持つ加水分解性シラン化合物である。
本実施形態において、シランカップリング剤は、前記酸化タンタル微粒子表面の水酸基と化学結合して表面処理機能を有するものであれば特に限定はされないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリフェノキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリフェノキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリフェノキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。また、二種類以上の表面修飾剤を混ぜ合わせて使用することも可能である。前記表面修飾剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランであることが好ましい。
本実施形態において、金属系カップリング剤としてはチタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤等があげられる。チタネートカップリング剤としてはイソプロポキシチタニウムトリステアレート、トリイソプロポキシチタニウムイソステアレート、イソプロポキシチタニウムトリパルミチレート、イソプロポキシチタニウムトリミリスチレート等が挙げられる。アルミネートカップリング剤としてはアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
後述する本発明に用いられるシランカップリング剤の種類は、前記有機溶媒の種類により適宜に選択することができる。例えば、前記有機溶媒の溶解度パラメーターに近い値を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。(酸化タンタル微粒子−樹脂複合体)本実施形態における酸化タンタル微粒子−樹脂複合体は、酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液から得られる。ここで「から得られる」とは、後述する酸化タンタル微粒子−樹脂複合体の製造方法によって得られることをいう。具体的には、酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液をそのまま重合する方法、酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液と樹脂とを混合し有機溶媒を除去する方法、酸化タンタル分散液から酸化タンタル粉末を取り出し、それを樹脂と溶融混練する方法などが例として挙げられる。
本実施形態に係る微粒子−樹脂複合体103は、前記酸化タンタル微粒子102と、樹脂101とを有する(図2)。図のように、酸化タンタル微粒子102が樹脂101の中に均一に分散していると、微粒子−樹脂複合体103の透明性が高くなるため好ましい。なお、樹脂101としては、下記の(樹脂)の項目で挙げる材料を用いることができる。
(酸化タンタル微粒子−樹脂複合体の製造方法)
本実施形態における製造方法で得られる酸化タンタル微粒子、もしくは酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液を用いて酸化タンタル微粒子−樹脂複合体を作製することができる。前記酸化タンタル微粒子−樹脂複合体の製造方法は特に限定はされないが、用いる材料や目的によって、以下に列挙される方法で行うことができる。
本実施形態における酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液に含まれている有機溶媒を例えば硬化モノマーにすることで、前記硬化モノマーに対応する重合開始剤を添加し硬化させるステップを追加して、本実施形態における酸化タンタル微粒子−樹脂複合体を得ることができる。このように、酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の製造方法と酸化タンタル微粒子−樹脂複合体の製造方法とを一体化することにより、透明性が高い酸化タンタル微粒子−樹脂複合体を簡単に製造することができる。また得られる酸化タンタル微粒子−樹脂複合体は、屈折率の高い酸化タンタル微粒子を有するため、樹脂のみよりも屈折率が高いと考えられる。
ここでいう「硬化モノマー」とは、熱硬化モノマーと光硬化モノマーとの何れかもしくはその両方をいい、また、ここでいう「対応する重合開始剤」とは、熱と光との何れかもしくはその両方の重合開始剤をいう。
前記硬化モノマーは重合開始剤の存在下、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液を紫外線、可視光線などの活性エネルギー線の照射、または、加熱、または、それらの併用により硬化させ、酸化タンタル微粒子−樹脂複合体を得ることができる。
重合開始剤としては、紫外線、可視光線などの活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する光重合開始剤、加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤と熱重合開始剤を併用することもできる。
光重合開始剤としては、この用途に用い得ることが知られている公知の化合物を用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤は、前記硬化モノマーを100部としたとき、通常0.001部乃至5部である。
熱重合開始剤としては、この用途に用い得ることが知られている公知の化合物を用いることができる。例えば、ジクミルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーキサイドなどが挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤は前記硬化モノマーを100部としたとき、通常0.1部乃至10部である。
また、前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液と樹脂または樹脂溶液を混合し酸化タンタル微粒子樹脂混合液を生成するステップと、前記酸化タンタル微粒子樹脂混合液から有機溶媒を除去するステップとを含む製造方法が例としてあげられる。
前記酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液から結晶子径が10nm以下である、表面修飾剤で被覆した酸化タンタル微粒子粉末を得るステップと前記酸化タンタル微粒子粉末と樹脂と溶融混練するステップとを含む製造方法が例としてあげられる。
(樹脂)
前記酸化タンタル微粒子が分散される樹脂としては、光学材料として一般的に用いられる透明な樹脂材料であれば特に制限はないが、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、またはポリイミド樹脂であることが好ましい。使用する樹脂の量は、前記酸化タンタル微粒子粉末に対して30重量%乃至20000重量%であることが好ましく、より好ましくは100重量%乃至2000重量%である。
以下に本発明を詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
(酸化タンタル微粒子の結晶子径の測定方法)
本実施例の酸化タンタル微粒子の結晶子径は、XRD(リガク製、RINT2100)により得られた酸化タンタル微粒子の(110)面のX線回折ピークより次式のデバイ−シェラー式(式1)を用いて算出した値D(110)である。
D(110)=K*λ/βcosθ (式1)
ここで、D(110)は結晶子サイズ(結晶子径)、K=0.9、λCu−Kα1=0.154056nm、βは回折ピークの半価幅である。
(酸化タンタル微粒子の体積平均粒子径の測定方法)
本実施例の酸化タンタル微粒子の体積平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置(Malvern社製、ZETASIZER Nano−S)を用いて測定した。
(酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液のHaze率の測定方法)
本実施例の酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液のHaze率は、酸化タンタル微粒子の10wt%溶液を調製し、濁度計(日本電色工業株式会社製NDH−2000)を用いて測定した。セルは光路長1cmの石英セルを用いた。Haze率は、10%以下であれば透明性が高いと判断した。
(分散性の評価)
金属酸化物微粒子分散液の分散性の評価は、湿式分散処理後、24時間経ってから目視により判断し、金属酸化物が沈降することなく均一に分散しているものは○、沈降して分散していないものは×とした。
(酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液の製造方法)
・処方
結晶子径20nmの酸化タンタル微粒子 3.1部
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 3.1部
テトラヒドロフラン 24.9部
トリエチルアミン 0.6部
上記の混合物を100ccのベッセルに添加し、ビーズミル分散機(アイメックス株式会社製のUAM−015)を用いて、650rpmの回転数で10分間前処理を行った。前処理後、更にφ30μmのジルコニアビーズ104部(充填率50%)を添加し、1600rpmの回転数で360分間本処理を行った。得られたスラリーからろ過によってジルコニアビーズを除去し、酸化タンタル微粒子がテトラヒドロフランに分散した酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液を得た。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は5nm、体積平均粒子径は11nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は分散前の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
図1に、この実施例1で製造した酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタル微粒子のTEM写真を示す。この図から3乃至10nm程度の粒子径の酸化タンタル微粒子が得られていることがわかる。
(実施例2)
実施例1において、トリエチルアミンを0.3部にした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は5nm、体積平均粒子径は13nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
(実施例3)
実施例1において、トリエチルアミンを1.2部にした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は4nm、体積平均粒子径は13nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
(実施例4)
実施例1において、結晶子径20nmの酸化タンタル微粒子に代えて、結晶子径50nmの酸化タンタル微粒子を用いた以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は5nm、体積平均粒子径は10nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は6%であり透明性の高いものであった。
(実施例5)
実施例1において、トリエチルアミンをn−ブチルアミンにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は3nm、体積平均粒子径は12nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
(実施例6)
実施例1において、トリエチルアミンをN,N−ジブチルアミンにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は3nm、体積平均粒子径は11nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は5%であり透明性の高いものであった。
(実施例7)
実施例1において、トリエチルアミンをアニリンにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は5nm、体積平均粒子径は13nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
(実施例8)
実施例1において、トリエチルアミンをピリジンにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は2nm、体積平均粒子径は9nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は5%であり透明性の高いものであった。
(実施例9)
実施例1において、トリエチルアミンをテトラメチルエチレンジアミンにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は4nm、体積平均粒子径は12nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
(実施例10)
実施例1において、トリエチルアミンを2−(2−アミノエトキシ)エタノールにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は5nm、体積平均粒子径は13nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は7%であり透明性の高いものであった。
(実施例11)
実施例1において、ビーズミル分散の本処理時間を1440分にした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は3nm、体積平均粒子径は10nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は5%であり透明性の高いものであった。
(実施例12)
実施例1において、テトラヒドロフランをメチルメタクリレートにした以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は5nm、体積平均粒子径は9nmであり、分散後の酸化タンタルの結晶子径は原料の結晶子径に比べて小さくなっていた。また、この分散液のHaze率は5%であり透明性の高いものであった。
(比較例1)
実施例1において、トリエチルアミンを加えない以外は同様の操作を行った。得られた酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液中の酸化タンタルの結晶子径は20nm、体積平均粒子径は36nmであり、分散後の結晶子径が原料の結晶子径に比べて小さくなる効果は得られなかった。また、この分散液のHaze率は26%であり白く濁っていた。
(比較例2)
実施例1において、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを加えない以外は同様の操作を行った。酸化タンタル微粒子は凝集したままでテトラヒドロフランには分散しなかった。また、撹拌後の結晶子径が原料の結晶子径に比べて小さくなる効果は得られなかった。
(比較例3)
実施例1において、ビーズミル分散を行う代わりに撹拌子によって1440分間の撹拌を行った。酸化タンタル微粒子は凝集したままでテトラヒドロフランには分散しなかった。また、撹拌後の結晶子径が原料の結晶子径に比べて小さくなる効果は得られなかった。
(比較例4)
実施例1において、結晶子径20nmの酸化タンタル微粒子に代えて、結晶子径7nmのγ−アルミナ微粒子を用いた以外は同様の操作を行ったところ、テトラヒドロフランに分散したγ−アルミナ微粒子分散液が得られた。得られたγ−アルミナ微粒子分散液中のγ−アルミナの結晶子径は7nm、体積平均粒子径は14nmであった。また、この分散液のHaze率は10%と透明性の高いものであったが、分散後の結晶子径が原料の結晶子径に比べて小さくなる効果は得られなかった。
(比較例5)
実施例1において、結晶子径20nmの酸化タンタル微粒子に代えて、結晶子径30nmの酸化亜鉛微粒子を用いた以外は同様の操作を行ったが、酸化亜鉛微粒子はテトラヒドロフランに均一に分散しなかった。また、ビーズミル分散処理後の結晶子径が原料の結晶子径に比べて小さくなる効果は得られなかった。
(比較例6)
実施例1において、結晶子径10nmの酸化タンタル微粒子に代えて、結晶子径15nmの酸化チタン微粒子を用いた以外は同様の操作を行ったが、酸化チタン微粒子はテトラヒドロフランに均一に分散しなかった。また、ビーズミル分散処理後の結晶子径が原料の結晶子径に比べて小さくなる効果は得られなかった。
以上の実施例、比較例の結果から、結晶子径が小さい酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液を得る為には、ビーズミル分散のような微粒子に強いシェアが加わる分散法、塩基性化合物の存在、および表面修飾剤の存在が必要であることがわかる。また、この現象は、酸化タンタル特有の現象であることがわかる。
以上の実施例、比較例の結果から、結晶子径が小さい酸化タンタル微粒子を含む微粒子分散液を得る為には、塩基性化合物の存在が重要であり、酸化タンタル特有の現象であることがわかる。また、有機溶媒中に酸化タンタル微粒子を均一に分散させる為には、表面修飾剤の存在が必要であることがわかる。以上の結果を表1にまとめた。
本発明の製造方法で得られる酸化タンタル粒子分散液は、光学材料、電子部品材料、記録材料などの分野に適用することができる。
101 樹脂
102 酸化タンタル微粒子
103 微粒子−樹脂複合体

Claims (6)

  1. 酸化タンタル微粒子と、塩基性化合物と、表面修飾剤であるシランカップリング剤と、有機溶媒との混合物分散処理する工程を有することを特徴とする微粒子分散液の製造方法。
  2. 前記塩基性化合物が有機アミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の微粒子分散液の製造方法。
  3. 前記塩基性化合物が、トリエチルアミン、ブチルアミン、N,N−ジブチルアミン、アニリン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノールから選択された少なくとも1つの塩基性化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子分散液の製造方法。
  4. 前記シランカップリング剤が3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  5. 前記有機溶媒がテトラヒドロフラン、メチルメタクリレートの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  6. 前記分散処理ビーズミル法あるいはジェットミル法により行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の微粒子分散液の製造方法。
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