JP2006047710A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速、小型、高画質で且つ省エネルギー化や操作性にも配慮すると共に、定着装置周辺でのジャム処理を容易にする画像形成装置を提供する。
【解決手段】 作像エンジン1の上方に記録材供給部2aを有し、この記録材供給部2aから供給される記録材の搬送経路2bが作像エンジン1との転写部位を通過した後作像エンジン1と記録材供給部2aとの間を横切るように配設され、この搬送経路2bを通して記録材を記録材排出部2cに収容排出する記録材搬送系2と、作像エンジン1と記録材供給部2aとの間に設けられ且つ作像エンジン1の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置3と、この定着装置3の前後に位置する記録材の搬送経路2bを境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部2aが含まれる上側可動ユニット4を対向するユニットから離間移動させる移動機構6とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、像担持体上で形成された画像を中間転写体に一旦転写させた後に記録材に一括転写する中間転写方式の画像形成装置の改良に関する。
従来この種の中間転写型の画像形成装置としては、感光体等に形成された各色成分トナー像を中間転写体に順次一次転写し、中間転写体上の多色トナー像を二次転写装置にて用紙に一括転写するようにしたものが知られている。また、このようなカラー画像形成装置では、近年、高速化、小型化、省エネルギー化の要求が大きい。
そして、高速化にあっては、各色の画像形成ユニットを中間転写ベルト上に並列配置したタンデム構成が効果的であるが、各画像形成ユニットを並列に配置し、その延長上に定着装置を配置した構成では、装置が大型化するという問題点がある。
特許第3470696号公報(発明の実施の形態、図1) 特開平4−274264号公報(実施例、図1)
この装置の大型化に対する対応策として、例えば図9に示すように、中間転写ベルト201を斜めに配置し、各画像形成ユニット202(202a〜202d)間を短くして並列配置すると共に、中間転写ベルト201の下方に熱反射板(図示せず)や排気装置(図示せず)を伴った定着装置204を配置することで、小型化した装置の構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成にあっては、一括転写部203や定着装置204の配置を工夫したことにより、各画像形成ユニット202(202a〜202d)によって中間転写ベルト201上に形成されたトナー像がすばやく用紙上に一括転写(一括転写部203にて)されることもあり、中間転写ベルト201上でのトナー像の飛散による画像ぼけや装置の大型化は解決されるが、各画像形成ユニット202(202a〜202d)が中間転写ベルト201の上部に配置されているため、現像等によるトナーの浮遊があると直接中間転写ベルト201上に影響したり、機内汚染を引き起こす懸念がある。また、定着装置204の熱は排気装置によって装置外へ排出されるため、定着装置204の熱が直ちに画像形成に影響を及ぼす懸念はないが、定着装置204のエネルギー効率は良好とは言い難い。更に、この構成で装置を長時間使用すると、定着装置204の熱が上部の画像形成ユニット202に影響を及ぼすことになり、画像欠陥を引き起こす懸念は残る。
その上、かかる構成にあっては、用紙を下方の一括転写部203に通す必然性から、用紙トレイが各画像形成ユニット202(202a〜202d)より下方に配置されるのが一般的であり、用紙トレイへの用紙補給に際しては、しゃがみ込んだり、腰を曲げる必要があったり、ユーザーにやさしい装置とは言い難い。
一方、操作性の観点から、用紙トレイを上方に配置した構成は、例えば特許文献2にて提案されているが、この場合、用紙の搬送パスが所謂「S字」であり、プリント動作から用紙排出に至るまでの時間が長いという問題がある。更に、用紙排出は通常装置下部で行われるため、排出トレイからの用紙取り出しの操作性は却って悪くなる。
本発明は、上述したような技術的課題を解決するためになされたものであり、高速、小型、高画質で且つ省エネルギー化や操作性にも配慮すると共に、定着装置周辺でのジャム処理を容易にする画像形成装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン1と、この作像エンジン1の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部2aを有し、この記録材供給部2aから供給される記録材の搬送経路2bが作像エンジン1との転写部位を通過した後作像エンジン1と記録材供給部2aとの間を横切るように配設され、この搬送経路2bを通して記録材を記録材排出部2cに収容排出する記録材搬送系2と、作像エンジン1と記録材供給部2aとの間に設けられ且つ作像エンジン1の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置3と、この定着装置3の前後に位置する記録材の搬送経路2bを境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部2aが含まれる上側可動ユニット4を対向するユニットから離間移動させる移動機構6とを備えることを特徴とするものである。
このような技術的手段において、本願の対象となる作像エンジン1は、画像形成を行う方式は特に限定されず、電子写真方式、静電記録方式等の画像形成方式を適宜選定して差し支えなく、また、カラー、モノクロいずれであってもよい。
ここで、本発明における作像エンジン1としては、トナー像を形成担持する画像形成部と、この画像形成部からのトナー像を一時的に搬送保持する中間転写体とを有し、当該画像形成部が中間転写体の下方に配置されるようにすれば、画像形成部でのトナー浮遊等による機内汚染を防ぐことが可能になる。また、画像形成部から転写部位までの距離を短くすることができ、中間転写体上でのトナー像の保持時間も短縮され、中間転写体からのトナー飛散も抑えられ画質が向上する。更に、中間転写体としては、ベルト状、ドラム状いずれであっても差し支えないが、レイアウトの自由度や小型化する観点からベルト状が好ましい。また、画像形成部には、トナー像を形成する像担持体が含まれ、その数量は特に限定されないが、カラー画像形成装置を構成する場合は、速度等の観点からタンデム型に構成することが好ましい。
更に、記録材供給部2aは、少なくとも上方に配設されていればよく、その数量はとくに限定されず、例えば作像エンジン1の下方等にも他の記録材供給部2aが配設されていても差し支えない。このように、本発明では、記録材供給部2aを上方に備えていることから、記録材供給部2aへの記録材の補給に際し楽な姿勢で操作できる、すなわち、ユーザーにやさしい画像形成装置が可能になる。尚、作像エンジン1の上方に配設される記録材供給部2aの上方に、例えば画像読取装置等を搭載することも差し支えない。
本発明における記録材搬送系2は、記録材供給部2a、記録材排出部2c及び記録材供給部2aから記録材排出部2cまでの記録材を搬送する記録材の搬送経路2bとで構成される。ここで、記録材の搬送経路2bは記録材を搬送する経路を意味し、通常搬送案内部材にて区画され、例えばロール対や記録材搬送ベルト等の搬送部材を適宜配設したものである。
また、本発明における記録材排出部2cの配設位置は特に限定されず、記録材の搬送経路2bを搬送された記録材が収容排出される位置にあればよく、上側可動ユニット4又は下側ユニット5のいずれに配設されてもよく、更には上側可動ユニット4と下側ユニット5とに跨って配設されても差し支えない。
また、本発明における定着装置3は、トナー像を定着するための加熱手段を備えており、この加熱手段としては、接触加熱方式、非接触加熱方式等いずれでもよく、例えば電磁誘導方式の加熱方式等であっても差し支えない。
更に、本発明においては、定着装置3を画像形成装置の中央寄りに配設することができ、装置の外部環境からの直接影響を防ぐことができ、熱効率が向上する。尚、定着装置3の周囲に遮熱部材を配設するようにすれば、定着装置3からの余分な熱エネルギーの排出を防ぐことができ、一層熱効率が向上する。そのため、省エネルギー化が可能になる。
そして、本発明における移動機構6は、定着装置3の前後に位置する記録材の搬送経路2bを境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部2aが含まれる上側可動ユニット4を対向するユニット(例えば下側ユニット5)から離間移動させるもので、移動方向は上方であればよく、鉛直上方に平行移動する態様であってもよいし、例えば回動支軸を設け回動する態様であっても差し支えない。これにより、定着装置3の周辺でのジャム処理性等が向上する。このとき、上側可動ユニット4は、装置の上部全体でなくてもよく、一部が可動できる態様であってもジャム処理性が向上する態様であれば差し支えない。
また、移動機構6としては、上述した上側可動ユニット4を移動させるものであればその方式は特に限定されず、例えばスプリングを使用したヒンジ構造等による機械的に移動させる方式、電動モータ等を利用して電気的に移動させる方式等若しくはこれらの組み合わせ等が適宜用いられる。
更に、移動機構6として、定着装置3の一部を上述した少なくとも記録材供給部2aが含まれる上側可動ユニット4の移動に伴って移動させることが好ましく、この場合、定着装置3での一層大きなスペースが確保でき、定着装置3でジャムした場合の記録材を一層容易に取り除くことができるようになる。尚、定着装置3の一部を移動させる場合、開放された定着装置3の加熱部位にユーザーが直接触れることのないような配慮を行うことが望ましい。
また、本発明に係る画像形成装置の他の態様としては、以下のようなものが挙げられる。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン1と、この作像エンジン1の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部2aを有し、この記録材供給部2aから供給される記録材の搬送経路2bが作像エンジン1との転写部位を通過した後作像エンジン1と記録材供給部2aとの間を横切るように配設され、この搬送経路2bを通して記録材を記録材排出部2cに収容排出する記録材搬送系2と、作像エンジン1と記録材供給部2aとの間に設けられ且つ作像エンジン1の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置3と、この定着装置3の前後に位置する記録材の搬送経路2bを境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部2aが含まれる上側可動ユニット4を対向するユニットから離間移動させる第一の移動機構7と、前記定着装置3の前後に位置する記録材の搬送経路2bを境として分離可能となるように、少なくとも作像エンジン1が含まれる下側可動ユニット5aを対向するユニットから離間移動させる第二の移動機構8とを備えることを特徴とする。
このように、第一及び第二の移動機構7,8を備え、上側可動ユニット4と下側可動ユニット5aとを互いに離間移動させるようにすれば、一層大きなスペースが確保でき、ジャム処理性等が向上する。このとき、上側可動ユニット4の移動方向は、対向するユニット(例えば下側ユニット5)から離間する方向であればよく、上方に直線的に移動する態様や上方に回動する態様が挙げられる。また、下側可動ユニット5aの移動方向は、対向するユニット(例えば上側可動ユニット4)から離間する方向であればよく、下方に直線的に移動する態様や回動する態様が挙げられるが、装置の小型化の観点からは回動する態様が好ましい。
更に、第一及び第二の移動機構7,8は、装置の鉛直方向の中心線を挟んで相対する位置に回動支軸9を備え、上側可動ユニット4及び下側可動ユニット5aを互いに離間する方向に回動せしめるようにすることが好ましく、一層大きなスペースが有効に確保できるようになる。そのため、ジャム処理性等が更に向上する。
本発明によれば、作像エンジンの上方に記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材の搬送経路が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間を横切るように配設され、この搬送経路を通して記録材を記録材排出部に収容排出する記録材搬送系と、作像エンジンと記録材供給部との間に設けられた定着装置と、定着装置の前後に位置する記録材の搬送経路を境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部が含まれる上側可動ユニットを対向するユニットから離間移動させる移動機構とを備えるようにしたので、高速、小型で且つ省エネルギー化や操作性に配慮すると共に、定着装置周辺で記録材のジャムを生じても十分なスペースを確保することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等も向上する。
また、定着装置の前後に位置する記録材の搬送経路を境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部が含まれる上側可動ユニットを対向するユニットから離間移動させる第一の移動機構と、定着装置の前後に位置する記録材の搬送経路を境として分離可能となるように、少なくとも作像エンジンが含まれる下側可動ユニットを対向するユニットから離間移動させる第二の移動機構とを備えるようにしたので、上側可動ユニットと下側可動ユニットとを相互に離間するように移動させることができ、その分、定着装置周辺での記録材のジャム処理やメンテナンスに対する作業スペースをより広く確保することができる。このため、高速、小型で且つ省エネルギー化や操作性に配慮すると共に、定着装置周辺で記録材のジャムを生じても十分なスペースを確保することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等も向上する。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す概要図である。
同図において、画像形成装置10は、装置上方に記録材としての用紙を供給する1段の用紙トレイ51を含む上部ユニット10aと、装置下方にトナー像を形成する作像エンジン20及び2段の用紙トレイ52,53を含む下部ユニット10bとで構成されている。
そして、上方の用紙トレイ51と下方の用紙トレイ52との間には、上方より用紙上のトナー像を定着する定着装置40、作像エンジン20の順に配設された構成となっている。
また、本実施の形態の画像形成装置10には、装置の側方に用紙を手差し可能とする手差しトレイ54を、用紙トレイ51の上部に画像形成を終えた用紙を収容する排紙トレイ55を設け、これらの用紙トレイ51〜53及び手差しトレイ54から排紙トレイ55へ用紙を搬送する各種の用紙搬送路が設けられている。
本実施の形態における作像エンジン20は、例えば電子写真方式にて四つの各色成分トナー像(本実施の形態では、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)を形成する四つの画像形成ユニット21(21a〜21d)と、各画像形成ユニット21にて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されて保持する中間転写ベルト30とで構成されている。
各画像形成ユニット21(21a〜21d)は、夫々感光体ドラム22を有し、各感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22を帯電する帯電ロール等の帯電装置23、帯電された感光体ドラム22上に静電潜像を書き込むレーザスキャナ等の露光装置24、感光体ドラム22上に書き込まれた静電潜像を各色成分トナーにて現像する現像装置25、感光体ドラム22上のトナー像を中間転写ベルト30上に転写する転写ロール等の一次転写ロール26及び感光体ドラム22上の残留トナーを除去するドラムクリーナ27を夫々配設している。
尚、符号28(28a〜28d)は、現像装置25へ各色トナーを補給するトナー補給装置であり、補給口29から図示外の搬送パイプを介して、夫々の現像装置25へトナーを補給するようになっている。
また、中間転写ベルト30は、例えばポリイミド樹脂に導電性カーボンブラックを混練し、体積抵抗率を10〜1012Ω・cm程度とした無端ベルトからなり、三個の張架ロール31〜33に掛け渡されており、例えば張架ロール32を駆動ロールとし、張架ロール33をテンションロールとして、図の矢印方向に移動するようになっている。尚、符号34は、中間転写ベルト30上の残留トナー等を清掃するベルトクリーナである。
本実施の形態では、張架ロール32を張架ロール31より斜め下方に配置することで、中間転写ベルト30を斜めに配置でき、画像形成装置10の小型化に寄与している。
更に、画像形成ユニット21を中間転写ベルト30の下方(張架ロール32と張架ロール33との間)に配置することで、画像形成ユニット21の例えば現像装置25からのトナー浮遊等による機内汚染に起因する画質劣化を防ぎ、一層画質の安定した画像形成を可能にしている。
そして、本実施の形態では、中間転写ベルト30の張架ロール31と対向する位置に、中間転写ベルト30上に転写されたトナー像を用紙上に一括転写する二次転写ロール35が設けられ、張架ロール31をバックアップロールとして、図示外の二次転写バイアスが印加されるようになっている。
本実施の形態における定着装置40は、二次転写ロール35の下流側でこの二次転写ロール35と略水平方向に設けられ、図3に示すように、上部定着ユニット40a及び下部定着ユニット40bで構成されている。上部定着ユニット40aは、加圧ロール41及び加圧ロール41を覆うように設けられた遮熱カバー44を有し、下部定着ユニット40bは内部にヒータ43が配置された加熱ロール42及びこの加熱ロール42を覆うように設けられた遮熱カバー45を有している。
また、遮熱カバー44,45は、夫々加圧ロール41及び加熱ロール42側に金属の熱輻射板46を備え、その外側を真空断熱材47で覆い、更にその外装をプラスチックの外装カバー48で覆った構成を採っている。
ここで、熱輻射板46としては、例えば鏡面加工されたアルミ等の金属が用いられ、輻射率0.5以下の表面とすることで、表面での反射率が高くなるようになっている。また、真空断熱材47は、例えば熱伝導率0.03W/(m・K)以下の部材を厚さ3mm以上備えたもので構成されている。更に、外装カバー48は熱伝導率の小さいプラスチックによって構成されている。
また、本実施の形態では、加圧ロール41及び加熱ロール42と夫々の遮熱カバー44,45とは、例えば3〜20mmの距離を隔てて配置され、遮熱カバー44,45が加圧ロール41及び加熱ロール42を互いに上下方向から挟み込むような形となっている。そのため、加熱ロール42による熱が定着装置40外へ余分に漏れないようになっている。更に、本実施の形態では、定着装置40の下流側には、冷却板49を設け、定着装置40によって定着された後の用紙の温度低下を行い、定着されたトナーの固化を促進するようになっている。
そして、加圧ロール41と加熱ロール42とは、鉛直方向に対向配置されているため、このニップ域を用紙が略水平方向に移動するようになっている。
本実施の形態では、二次転写ロール35によって、中間転写ベルト30上のトナー像は用紙の下面側(鉛直下方側)に転写されることから、二次転写ロール35から定着装置40の間には、用紙を上方に保持して搬送する搬送装置37が設けられている。この搬送装置37としては、静電吸着方式やエアー吸引方式が利用でき、二次転写ロール35によって用紙上に転写された未定着トナーの画質劣化を防止している。
次に、本実施の形態における用紙搬送系について、図2を基に説明する。
用紙トレイ51〜53は、画像形成装置10の前面側から引き出して、用紙を補給するようになっており、特に、上方にある用紙トレイ51を使用する際は、楽な姿勢で行えるようになっている。
また、夫々の用紙トレイ51〜53には、用紙を一枚ずつ送り出すための捌き機構56が設けられている。そのため、ピックアップロール56aによって送り出された用紙は、フィードロール56bとリタードロール56cの作用によって捌かれて、最上部の用紙のみが送り出されるようになっている。
また、用紙トレイ51〜53及び手差しトレイ54から送り出された用紙が搬送される搬送路としては、用紙トレイ51から下方に延びる第一搬送路61、用紙トレイ52,53から上方に延びる第二搬送路62及び手差しトレイ54から略水平方向に延びる第三搬送路63が設けられ、これらの搬送路61〜63は、二次転写ロール35の上流側で用紙の位置合わせを行うレジストロール71に導かれる。
このレジストロール71から、二次転写ロール35、定着装置40を通って略水平に延びる主搬送路64が設けられ、定着装置40の下流側に設けられた搬送ロール74を境に、排紙トレイ55へ用紙を排出する排出ロール72まで上方に延びている。尚、符号73は、第二の排出ロールであり、例えば図示外の後処理装置へ用紙を搬送するためのものである。
更に、主搬送路64の途中には、用紙を反転搬送可能な反転ロール75が設けられ、主搬送路64を搬送された用紙に対し、この反転ロール75を所定のタイミングで反転駆動させることで、反転搬送路65側へ搬送するようになっている。そのため、この反転搬送路65に搬送された用紙は、複数の搬送ロールを経てレジストロール71に搬送され、二次転写ロール35にて、前回トナー像が転写された面と逆の面に、新たなトナー像が形成されるようになっている。
そして、特に、本実施の形態における画像形成装置10は、主搬送路64のうち、レジストロール71から搬送ロール74に至る略水平になった部分を境に、上部ユニット10aと下部ユニット10bとに分かれている。また、上部ユニット10aの手差しトレイ54に近い位置には、本実施の形態における移動機構としての回動支軸Aが設けられ、用紙トレイ51及び排紙トレイ55を伴った上部ユニット10aが、この回動支軸Aを中心に上方へ持ち上がる(回動する)ようになっている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の基本的な画像形成プロセスについて、図2を基に説明する。
今、各色成分画像(イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像データが各画像形成ユニット21(21a〜21d)の露光装置24に送出されると、各画像形成ユニット21の感光体ドラム22上には各色成分毎の静電潜像が形成されると共に、対応する色トナーが収容された現像装置25にて静電潜像が顕像化され、感光体ドラム22上に各色未定着トナー像が形成される。
そして、各色未定着トナー像は、各感光体ドラム22と中間転写ベルト30とが接する一次転写部位において、一次転写ロール26によって中間転写ベルト30上に順次一次転写され、色重ねされる。
このようにして中間転写ベルト30上に一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト30の移動に伴って、二次転写位置(二次転写ロール35と張架ロール31によって構成される)へと移動する。
ここで、仮に、用紙が用紙トレイ51から給紙された場合を想定して、以降の用紙搬送について説明する。
用紙トレイ51から捌き機構56によって1枚のみ送り出された用紙は、第一搬送路61を搬送される。第一搬送路61を搬送された用紙は、レジストロール71によって位置合わせされ、二次転写位置へ搬送され、二次転写ロール35によって中間転写ベルト30上の未定着トナー像が一括転写(二次転写)される。
未定着トナー像が一括転写された用紙は、搬送装置37によって吸着搬送されて、定着装置40に搬送され、未定着トナー像が定着される。
定着装置40を通過した用紙は、搬送ロール74及び反転ロール75を経由して、排出ロール72に搬送され、排紙トレイ55にフェイスアップ(トナー像が上向き)の状態で排出される。
そして、例えば主搬送路64にて用紙がジャムをした場合には、回動支軸Aを中心に、画像形成装置10の上部ユニット10aを持ち上げ、上部ユニット10aと下部ユニット10bとの間にスペースを確保する。
図4は、本実施の形態における画像形成装置10の上部ユニット10aと下部ユニット10bとが開放したときの様子を示す概略図である。本実施の形態では、主搬送路64の特に水平部分(レジストロール71から搬送ロール74まで)が開放され、レジストロール71の上部ロール71a、二次転写ロール35、搬送ロール74の上部ロール74aが上部ユニット10aと共に移動している。また、レジストロール71の下部ロール71b、搬送ロール74の下部ロール74bは下部ユニット10b側に残ったままとなっている。尚、定着装置40の前後にある搬送装置37及び冷却板49は図示していないが上部ユニット10a側の移動に伴って移動している。
また、本実施の形態では、定着装置40は下部ユニット10b側に残っている。
そのため、定着装置40の前後の用紙搬送路が開放され、定着装置40の周辺で用紙がジャムした場合、ジャムした用紙が確認し易く、また、除去する際にも容易に行うことができる。
したがって、本実施の形態のごとく、画像形成装置10の略中央に配置された定着装置40の用紙詰まりの除去作業もし易く、また、一括転写、定着、用紙排出までの用紙ジャムを上部ユニット10a一つの回避動作で除去可能となるため、ジャム処理の操作性に優れた画像形成装置10を提供することが可能になる。
このような本実施の形態に係る画像形成装置10の性能を評価するために、以下のような比較の形態と対比する。
図5は、本実施の形態に係る画像形成装置の比較の形態を示す概要図である。本比較の形態における画像形成装置10の基本的構成は、実施の形態1(図2参照)と略同様に構成されるが、上部ユニットの移動機構はなく、作像エンジン20のみが下方に移動する移動機構を備えている点が実施の形態1と異なる。尚、同図では、主要な構成要素には実施の形態1と同様の符号を付し、説明は省略する。
同図において、本比較の形態における画像形成装置10は、作像エンジン20の斜め下方にある回動支点100によって、作像エンジン20が下方(図の矢印C方向)に移動し、ジャム処理性やメンテナンス性を確保するようになっている。
かかる構成で、定着装置40の周辺での用紙詰まりが発生した場合、作像エンジン20の移動によって主搬送路64の下方は開放されるが、ジャム処理やメンテナンスに際してのスペースの確保としては不十分である。
また、定着装置40の下部定着ユニット40bが作像エンジン20と一体となって下方に移動するようにすると、作像エンジン20のうち、中間転写ベルト30の上部に配置したトナー補給装置28やトナー補給装置28から現像装置25へのトナー補給経路(図示せず)と干渉し合うため、定着装置40前後の主搬送路64を十分に開放することができず、ジャム処理性やメンテナンス性が不足する。
したがって、本実施の形態のように、画像形成装置10の少なくとも上部ユニット10a(図4参照)を開放するようにすれば、十分なスペースの確保が可能となることが理解される。
以上のように、本実施の形態では、定着装置40を画像形成装置10の中央近傍に配置したにも拘わらず、用紙詰まりが起きた場合、容易に除去することができる。また、メンテナンス等が必要な場合にも容易に行うことが可能になる。
更に、用紙トレイを上方に設けることで、用紙補給時に無理な姿勢をすることもなく、「人にやさしい」構成が可能となる。
また、上方より、定着装置40、中間転写ベルト30、画像形成ユニット21の順に配置したことから、定着装置からの熱の影響を受けることもなく、安定した画像形成が可能となり、トナー補給装置28も定着装置40より下方に設置することができ、長期使用に際しても定着装置40の熱の影響を防ぎトナーの熱劣化を抑えることができる。
更にまた、中間転写ベルト30を斜めに配置し、画像形成ユニット21をその下方に設け、画像形成ユニット21から二次転写位置までの距離を短くしたので、小型、高速で画質のよい画像形成装置を提供することが可能になる。
また、本実施の形態では、上部ユニット10aが開放したときに、定着装置40は下部ユニット10b側に残ったままとなっているが、例えば、定着装置40の上部定着ユニット40a(図3参照)が上部ユニット10a側と共に移動させるようにすることも可能で、この場合、定着装置40で用紙詰まりが起こった場合、そのまま簡単にジャム処理が可能になる。
但し、定着装置40を開放する(上部定着ユニット40aと下部定着ユニット40bに分割する)場合、加熱ロール42の温度が冷却された後行うか、若しくは加熱ロールにユーザーが直接手を触れることがないような配慮が必要である。
更に、本実施の形態では、上部ユニット10aに用紙トレイ51を1段のみ搭載する態様を示したが、上部ユニット10aに複数段の用紙トレイを搭載することも可能であり、この場合、用紙トレイへの用紙補給が一層やり易くなる。
また、上部ユニット10aの上に更に、原稿読取装置等を搭載することも差し支えない。
◎実施の形態2
図6は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2を示す概要図である。本実施の形態における画像形成装置10は、実施の形態1と略同様に構成されるが、上部ユニット10aの移動方向が実施の形態1と異なる。尚、画像形成装置10の基本的構成は実施の形態1と同様のため省略する。
本実施の形態における移動機構は、画像形成装置10の上部ユニット10aに回動支軸を持つ態様ではなく、上部ユニット10aは開放時に略垂直上方に移動するような移動機構となっている。
このようにしても、レジストロール71と搬送ロール74との間が開放され、用紙詰まりに際し、容易にジャム処理できるようになり、実施の形態1と同様の効果があることはいうまでもない。
また、本実施の形態では、例えば下部ユニット10bの作像エンジン20の右下方に、作像エンジン20を回動させる回動支軸Bを備えることも可能で、この場合、上部ユニット10aが上方に持ち上がると共に、回動支軸Bを中心に作像エンジン20が下方に回動するようになり、開放スペースが更に広がり、一層容易に用紙詰まりに対するジャム処理が行い易くなる。
更に、本実施の形態においても、定着装置40の上部定着ユニット40a(図3参照)を上部ユニット10aの移動に伴って移動させることも可能で、この場合、実施の形態1のように定着装置40の熱に対する配慮が必要であることはいうまでもない。
◎実施の形態3
図7は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態3を示す概要図である。本実施の形態における画像形成装置10は、実施の形態1と略同様に構成されるが、下部ユニット10b側に、上部ユニット10aの回動支軸Aから画像形成装置10の略中心線に対し略相対する位置に、作像エンジン20の回動支軸Bを設けている点が実施の形態1と異なる。
そのため、図8に示すように、上部ユニット10aが回動支軸Aを支点にして上方へ回動するのに伴い、下部ユニット10bの作像エンジン20は回動支軸Bを支点にして下方へ回動するようになる。
本実施の形態では、上部ユニット10aと下部ユニット10bの作像エンジン20とが、互いに逆方向に移動することから、スペースが一層大きく確保でき、定着装置40近傍での用紙詰まりに対するジャム処理やメンテナンスが一層行い易くなる。
また、本実施の形態においては、図8に示すように、二次転写ロール35を下部ユニット10b側に残した状態としたが、これは作像エンジン20側が二次転写ロール35から離間するため、特に二次転写ロール35を上部ユニット10a側に伴って移動させる必要がないためであるが、この二次転写ロール35を上部ユニット10aと共に移動させることであっても問題はない。
(a)(b)は本発明に係る画像形成装置の構成を示す説明図であり、(a)は通常状態、(b)はジャム処理等のために記録材搬送部を開放した状態を示す。 本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。 実施の形態1の定着装置を示す説明図である。 実施の形態1の作用を示す説明図である。 本発明の比較の形態の画像形成装置を示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 実施の形態3に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 実施の形態3の作用を示す説明図である。 従来例の画像形成装置を示す説明図である。
符号の説明
1…作像エンジン,2…記録材搬送系,2a…記録材供給部,2b…搬送経路,2c…記録材排出部,3…定着装置,4…上側可動ユニット,5…下側ユニット,5a…下側可動ユニット,6…移動機構,7…第一の移動機構,8…第二の移動機構,9…回動支軸

Claims (6)

  1. トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
    この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材の搬送経路が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間を横切るように配設され、この搬送経路を通して記録材を記録材排出部に収容排出する記録材搬送系と、
    作像エンジンと記録材供給部との間に設けられ且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
    この定着装置の前後に位置する記録材の搬送経路を境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部が含まれる上側可動ユニットを対向するユニットから離間移動させる移動機構とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    移動機構は、更に、定着装置の一部を上側可動ユニットの移動に伴って移動させることを特徴とする画像形成装置。
  3. トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
    この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材の搬送経路が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間を横切るように配設され、この搬送経路を通して記録材を記録材排出部に収容排出する記録材搬送系と、
    作像エンジンと記録材供給部との間に設けられ且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
    この定着装置の前後に位置する記録材の搬送経路を境として分離可能となるように、少なくとも記録材供給部が含まれる上側可動ユニットを対向するユニットから離間移動させる第一の移動機構と、
    前記定着装置の前後に位置する記録材の搬送経路を境として分離可能となるように、少なくとも作像エンジンが含まれる下側可動ユニットを対向するユニットから離間移動させる第二の移動機構とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、
    第一及び第二の移動機構は、装置の鉛直方向の中心線を挟んで相対する位置に回動支軸を備え、
    上側可動ユニット及び下側可動ユニットを共に離間する方向に回動せしめることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    作像エンジンは、トナー像を形成担持する画像形成部と、この画像形成部からのトナー像を一時的に搬送保持する中間転写体とを有し、当該画像形成部が中間転写体の下方に配置されることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5記載の画像形成装置において、
    前記中間転写体は、ベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
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