JP2006042146A - 固体撮像装置及び固体撮像装置の動作方法 - Google Patents

固体撮像装置及び固体撮像装置の動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 非加算時の解像度を犠牲にすることなく、画素信号の加算による水平垂直解像度の低下を最小限にとどめて信号加算を行うことのできる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】 固体撮像装置は、2次元状に配列される多数の画素と、前記各画素に対応して配列される複数色のカラーフィルタであって、少なくとも解像度を決定する主たる色において、水平或いは垂直方向に隣接する2画素に対応する色が同一となるように配列されるカラーフィルタとを有する。少なくとも解像度を決定する主たる色に対応する巣水平方向に隣接する2画素の信号を加算するに際して、該加算の空間的組み合わせを加算後の隣接する水平ライン間で空間位相が180度異なるように加算する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体撮像装置に関し、特にデジタルスチルカメラ用の固体撮像装置の構造に関する。
近年、デジタルスチルカメラ(以下、DSCと称す)は、その画素数が増加の一途をたどり、中には、1千万画素以上を有する固体撮像装置を用いたDSCがある。画素数が増加すると、解像度が向上するのは当然であるが、これに伴って種々の問題が発生する。例えば、出力されるデータ量が増加し、1フレーム(画面)の読み出し時間が長くなり、フレームレートが低下する。若しくは、フレームレートの低下を防ぐために高速駆動(高データレート化)が必要になる。また、例えば、画像信号のデータ量の増加は記録すべきデータ量の増加を意味し、記録メディアの大型化を招く。さらに、固体撮像装置のチップサイズを増大させること無く画素数を増加させると必然的に画素サイズが小さくなり、固体撮像装置の最重要性能である感度が低下してしまう。また、適正なフレームレート(例えば、30fps)で高画質(例えば、VGA画質)の動画像を作り出すことが困難になる。
一般的に、DSCで撮影された画像は、いわゆるL版サイズの写真用紙に印刷されるか、或いは、はがきサイズの用紙に印刷される。そのために必要な解像度を実現するための画素数としては、200万〜300万程度で十分である。従って、例えば、1千万画素を有する固体撮像装置をフルに稼動させてL版サイズの写真を撮影するのは極めて無駄といわざるを得ないばかりか感度の低下や動画の低画質化の犠牲を伴うことがある。
図9は、従来の固体撮像装置800の概略平面図である。
固体撮像装置800は、従来の固体撮像装置として最も広く用いられているインターライン型CCD(ITCCD)である。受光領域802には、多数の光電変換素子(画素)812が正方格子状に配列されている。それぞれの光電変換素子812の列間には、光電変換素子812で発生した信号電荷を読み出して垂直方向に転送する垂直電荷転送路(VCCD)814が、転送電極及び垂直転送チャネルを含んで形成され、光電変換素子12で生じた信号電荷を垂直方向に転送する。
図中、受光領域802の下側にはVCCD814により転送される電荷を1行ごとに周辺回路804に転送する水平電荷転送路(HCCD)803が形成される。また、白い矢印で示すライン上の画素行がインターレース走査方式における第1フィールドラインであり、黒い矢印で示すライン上の画素行が第2フィールドラインである。
各画素に対応するカラーフィルタの配列を各画素内に「R,G,B」の文字で示す。ここで、Rは赤、Gは緑、Bは青を示す。この固体撮像装置800で採用されているカラーフィルタ配列は一般にベイヤ配列と呼ばれ、デジタルスチルカメラ(DSC)用のカメラの撮像装置としての固体撮像装置に一般的に用いられている。
DSCにおいては、その画像情報が電気信号で取り出されるため、連続的にフィールド画像を読み出すことにより、比較的容易に動画を生成することができる。これを利用して、フィルムカメラのファインダに相当する液晶モニタに動画を表示することが一般的に行われている。
被写体の動きをスムーズに表現するには、最低15fpsが必要とされる。さらに、TV画面等に動画を再生して楽しむには、30fps以上が必要とされる。しかし、前述のごとく、高解像度化のための画素数が多くなると高いフレームレートで信号を読み出すことが困難になる。これを解決するために信号ラインを所定間隔で読み出さない一種のライン間引き動作が行われているが、信号ラインの間引きは折角撮像した信号電荷を捨てることになり、必ずしも効率的な方法とはいえない。そこで、信号ラインを間引くことなく信号を加算することによって、実行画素数を減少させることができれば効率的である。すなわち、加算動作で信号画素数を減少させることにより、1画素あたりの信号量が増加し、結果として高感度化がもたらされる。
図10は、従来のITCCD固体撮像装置800により読み出される信号配列を示す概念図である。
図10(A)は、第1フィールドの信号配列を示す概念図であり、図10(B)は、第2フィールドの信号配列を示す概念図である。第1フィールド及び第2フィールドともに1行おきに同一色の色信号を加算する。その結果、図10(C)に示すような、垂直加算後の各フィールドを合成して生成される垂直2画素加算フィールド合成フレームの信号配列が得られる。なお、ITCCDにおける従来の読み出し方法ではカラーの動画再生ができない。何故なら、各フィールドには、GとR、あるいはGとBの2色のカラー信号のみしか含まれないので、1フィールドでRGBのカラー信号を生成することができないからである。フィールド合成後であれば、当然カラー信号を生成することができるので、例えば、画素数を減少させた静止画として利用することはできる。この場合、信号の加算により感度は凡そ2倍になる。
図10(D)は、垂直加算後の空間サンプリング重心を表す概念図である。ベイヤ配列によって形成されるGのサンプリング点は、第1フィールドの垂直加算によって白い矢印の示す位置となり、第2フィールドの垂直加算によって黒い矢印で示す位置となる。図からも明らかなように、垂直加算後のG信号のサンプリング重心が等間隔でないことが分かる。また、近接したサンプリング点の空間サンプリング範囲が互いに広い範囲でオーバーラップしているため、サンプリング点の数に対して得られる解像度が低下してしまう。
図11は、従来の固体撮像装置200の概略平面図である。
固体撮像装置200は、多数の光電変換素子212及び光電変換素子で発生する信号電荷を垂直方向に転送する垂直電荷転送装置(VCCD)214を含む受光領域202、VCCD214によって転送された信号電荷を水平方向に転送する水平電荷転送装置(HCCD)203及び出力アンプ204を含んで構成される。
図に示すようなPIACCD(Pixel Interleaved Array CCD)を採用した撮像装置における受光領域202は、多数の光電変換素子212をいわゆる画素ずらし配置に配置して構成されている。それぞれの光電変換素子212の列間には、光電変換素子212で発生した信号電荷を読み出して垂直方向に転送する垂直電荷転送装置214が、光電変換素子212の間隙を垂直方向に蛇行するように設けられている。画素ずらし配置により形成された空隙部に蛇行する転送チャネルが配置され、隣接する転送チャネルは光電変換素子を介して離れたり、チャネルストップ領域(図示せず)を挟んで近接したりする。(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)
垂直電荷転送装置214は、図示しない垂直転送チャネルと該垂直転送チャネル上方に、絶縁膜(図示せず)を挟んで形成される転送電極が光電変換素子212の間隙を蛇行するように水平方向に形成されている。
図中、画素212内の各画素に対応するカラーフィルタの色、例えば、Gは緑(グリーン)、Bは青(ブルー)そしてRは赤(レッド)を示す。また、図中、白い矢印で示すライン上の画素行がインターレース走査方式における第1フィールドラインであり、黒い矢印で示すライン上の画素行が第2フィールドラインである。
図に示すようなPIACCDにおいては、本発明と同一発明者による特許出願2004−38266号に開示される改良型の加算が可能である。この改良型の加算では、第1フィールドラインの信号を読み出す際には、第1Gラインと第2Gライン、第5Gラインと第6Gラインを読み出し、第2フィールドラインの信号を読み出す際には、第3Gラインと第4Gライン、第7Gラインと第8Gラインを読み出す。各Gラインは、図に示すように、各画素の中心をジグザグ状に連結した実線に沿って形成される。
図12は、従来の固体撮像装置200により読み出される信号配列を示す概念図である。
図12(A)は、第1フィールドの信号配列を示す概念図であり、図12(B)は、第2フィールドの信号配列を示す概念図である。各フィールドには、それぞれ垂直方向に隣接するGラインが存在する。これらの隣接するGラインを垂直方向に加算する。すなわち、第1フィールドでは、第1Gラインと第2Gライン、第5Gラインと第6Gラインを加算し、第2フィールドでは、第3Gラインと第4Gライン、第7Gラインと第8Gラインを加算する。その結果、図12(C)に示すような、垂直加算後の各フィールドを合成して生成される垂直2画素加算フィールド合成フレームの信号配列が得られる。
図12(D)は、垂直加算後の空間サンプリング重心を表す概念図である。本実施例においては、元々垂直方向に隣接するGライン(G画素の信号)が加算されるので、フィールド合成後の垂直方向のGのサンプリング店の重心は、第1フィールドの垂直加算によって白い矢印の示す位置となり、第2フィールドの垂直加算によって黒い矢印で示す位置となる。よって、図12(D)に示すように、垂直方向に等間隔に並ぶ。また、各空間サンプリング領域が、互いにオーバーラップしないので、空間サンプリング点の数で決定される最大の解像度を得ることができる。
この改良型加算においても、垂直解像度は半分に減少してしまう。さらに、水平方向の加算に対しても、Gの解像度は半分以下に低下してしまう。このことは、R、Bに対しても同様である。
特開平10−136391号公報 山田哲生 他、「A Progressive Scan CCDImager for DSC Applications」、ISSCC Digest of Technical Papers、2000年2月、p.110−111
本発明の目的は、非加算時の解像度を犠牲にすることなく、画素信号の加算による水平垂直解像度の低下を最小限にとどめて信号加算を行うことのできる固体撮像装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、固体撮像装置は、2次元状に配列される多数の画素と、前記各画素に対応して配列される複数色のカラーフィルタであって、少なくとも解像度を決定する主たる色において、水平或いは垂直方向に隣接する2画素に対応する色が同一となるように配列されるカラーフィルタとを有する。
また、本発明の他の観点によれば、固体撮像装置の動作方法は、少なくとも解像度を決定する主たる色に対応する巣水平方向に隣接する2画素の信号を加算するに際して、該加算の空間的組み合わせを加算後の隣接する水平ライン間で空間位相が180度異なるように加算することを特徴とする。
本発明によれば、非加算時の解像度を犠牲にすることなく、画素信号の加算による水平垂直解像度の低下を最小限にとどめて信号加算を行うことのできる固体撮像装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施例による固体撮像装置100の概略平面図である。
固体撮像装置100は、多数の光電変換素子(画素)12及び光電変換素子で発生する信号電荷を垂直方向に転送する垂直電荷転送装置(VCCD)14を含む受光領域2、水平加算用ラインメモリ20、8相駆動水平転送CCD(HCCD)を含む水平加算回路23及び出力アンプ4を含んで構成される。なお、水平加算用ラインメモリ20及び水平加算回路23の構成の詳細は、本発明者の特許出願2000−295896号(特開2002−112119号公報)の発明の実施の形態の項を参照する。
本発明の各実施例では、水平加算用ラインメモリ20及び水平加算回路23からなる水平加算手段を用いて、水平加算を行う。
受光領域2は、多数の光電変換素子12をいわゆる画素ずらし配置に配置して構成されている。ここで、本明細書でいう「画素ずらし配置」とは、2次元テトラゴナル行列の第1格子と、その格子間位置に格子点を有する2次元テトラゴナル行列の第2格子とを合わせた配置を指す。例えば、奇数列(行)中の各光電変換素子12に対し、偶数列(行)中の光電変換素子12の各々が、光電変換素子12の列(行)方向ピッチの約1/2、列(行)方向にずれ、光電変換素子列(行)の各々が奇数行(列)または偶数行(列)の光電変換素子2のみを含む。「画素ずらし配置」は、多数個の光電変換素子12を複数行、複数列に亘って行列状に配置する際の一形態である。
なお、ピッチの「約1/2」とは、1/2を含む他に、製造誤差、設計上もしくはマスク製作上起こる画素位置の丸め誤差等の要因によって1/2から外れてはいるものの、得られる固体撮像装置12の性能およびその画像の画質からみて実質的に1/2と同等とみなすことができる値をも含むものとする。上記の「光電変換素子行内での光電変換素子12のピッチの約1/2」についても同様である。
それぞれの光電変換素子12の列間には、光電変換素子12で発生した信号電荷を読み出して垂直方向に転送する垂直電荷転送装置14が、光電変換素子12の間隙を垂直方向に蛇行するように設けられている。画素ずらし配置により形成された空隙部に蛇行する転送チャネルが配置され、隣接する転送チャネルは光電変換素子を介して離れたり、チャネルストップ領域13(図3)を挟んで近接したりする。
垂直電荷転送装置14は、図示しない垂直転送チャネルと該垂直転送チャネル上方に、絶縁膜(図示せず)を挟んで形成される転送電極16(図3)が光電変換素子12の間隙を蛇行するように水平方向に形成されている。
カラーフィルタは、各光電変換素子12上に形成され、図中、Gは緑(グリーン)、Bは青(ブルー)そしてRは赤(レッド)のカラーフィルタを示す。
本発明の第1及び第2の実施例では、図11に示す従来の固体撮像装置200におけるカラーフィルタ配列と異なり、R画素及びB画素がそれぞれ同一色の水平方向に隣接する2画素を一単位として水平及び垂直方向に交互に配列されている。なお、第3の実施例では、Gラインを挟んでRラインとBラインとが水平方向にストライプ状に配列されている(図4(A)参照)。また、第4の実施例では、図11に示す従来の固体撮像装置200におけるカラーフィルタ配列と同様の配列を採用している(図5参照)。
図2は、本発明の第1の実施例による水平画素加算を説明するための図である。図2(A)は、本発明の第1の実施例による水平画素加算の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。図2(B)は、加算を行わないときの各色のナイキストリミットを示すグラフであり、図2(C)は、第1の実施例による水平加算を行ったときの各色のナイキストリミットを示すグラフである。
グリーン(G)画素は、水平と垂直方向に配列ピッチpの正方配列を成しているので、画素加算を行わないで全画素の信号を独立して出力する場合の2次元ナイキストリミットは、図2(B)に示すように、水平垂直方向ともに1/2pとなり、水平垂直方向で等しくなる。なお、RGBの各色における2次元ナイキストリミットは、同一色のフィルターを有する隣接画素間のピッチ(配列ピッチ)pの2倍の逆数である。ブルー(B)画素とレッド(R)画素の水平方向のラインピッチは、垂直方向に位相が異なるものの、水平方向と同じ配列ピッチpとなる。従って、画素加算を行わないで全画素の信号を独立して出力する場合の2次元ナイキストリミットは、図2(B)に示すように、水平垂直方向ともに1/2pとなり、水平垂直方向で等しくなる。以上のように、本実施例のカラーフィルタ配列においても、図11に示す従来のカラーフィルタ配列と同等の解像度を得ることができる。
次ぎに、図2(A)の四角の枠で囲まれた水平方向に隣接する2画素を加算した場合を説明する。なお、図中の黒丸はGの加算重心を示し、中抜きの丸はRとBの加算重心を示す。
第1の実施例では、Gの加算重心の位相を偶数ラインと奇数ラインとで180度ずらしている。こうする事で、加算後のGの水平画素ピッチ(サンプリングピッチ)はpとなり、水平方向のナイキストリミットは非加算時と同等の1/2pとなる。垂直方向には、加算を行わないので、2次元ナイキストリミットは、図2(C)に示すように、水平垂直方向ともに1/2pとなり、水平垂直方向で等しくなる。RとBについては、加算により水平方向のサンプリングピッチは2倍の2pとなり、その2次元ナイキストリミットは、水平方向に1/4p、垂直方向に1/2pとなる。すなわち、RとBは、第1の実施例の水平加算を行うことにより解像度は1/2となる。
以上のように、第1の実施例では、RとBについては、水平加算を行うことにより解像度が1/2となるが、実質的に解像度を決定するGについては水平加算を行わない時と同等の解像度を保っている。また、2画素加算を行うことにより、信号量が約2倍になるので、実効的感度も2倍となる。
図3は、本発明の第2の実施例による水平画素加算を説明するための図である。図3(A)は、本発明の第2の実施例による水平画素加算の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。図3(B)は、加算を行わないときの各色のナイキストリミットを示すグラフであり、図3(C)は、第2の実施例による水平加算を行ったときの各色のナイキストリミットを示すグラフである。
この第2の実施例においても、カラーフィルタ配列は、第1の実施例と同様であるので、非加算時の2次元ナイキストリミットは、第1の実施例と同等である。
次ぎに、図3(A)の四角の枠で囲まれた水平方向に隣接する2画素を加算した場合を説明する。なお、図中の黒丸はGの加算重心を示し、中抜きの丸はRとBの加算重心を示す。
第2の実施例の第1の実施例との違いは、水平加算時に、RとBの画素配列の空間位相が第1及び第2R/Bラインと第3及び第4R/Bラインとで180度ずれていることである。このずれが、pであるので、水平加算後のRとBの水平方向のサンプリングピッチはpとなり、図3(C)に示すような、水平垂直方向ともに1/2pの2次元ナイキストリミットを得ることができる。これは、非加算時のナイキストリミットと同等である。よって、第2の実施例による水平加算では、RGBの全ての色について非加算時と同等の解像度を得ることができる。
以上のように、第2の実施例では、RGBについて水平加算を行わない時と同等の解像度を保っている。また、2画素加算を行うことにより、信号量が約2倍になるので、実効的感度も2倍となる。
図4は、本発明の第3の実施例の第1の加算方法による水平画素加算を説明するための図である。図4(A)は、本発明の第3の実施例の第1の加算方法による水平画素加算の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。図4(B)は、加算を行わないときの各色のナイキストリミットを示すグラフであり、図4(C)は、第3の実施例の第1の加算方法による水平加算を行ったときの各色のナイキストリミットを示すグラフである。
この第3の実施例では、カラーフィルタが、Gラインを挟んでRラインとBラインとが水平方向にストライプ状に配列されている。この場合の非加算時の2次元ナイキストリミットは、図4(B)に示すように、水平方向に1/2p、垂直方向に1/4pであり、水平方向の解像度が垂直方向の解像度の2倍となっている。この点に関しては、従来の画素ずらし構造の固体撮像装置に対して、バランス的に劣っているが、例えば、1000万画素の固体撮像装置を想定した場合、L版やはがきサイズの一般的な印刷用紙の大きさにおいてその違いを認識するのは困難である。また、特殊な被写体を除けば、A4サイズの印刷でもその違いを認識することは困難である。
次ぎに、図4(A)の四角の枠で囲まれた水平方向に隣接する2画素を加算した場合を説明する。なお、図中の黒丸はGの加算重心を示し、中抜きの丸はRとBの加算重心を示す。
Gの加算については、前述した第1及び第2の実施例と同様であり、Gの加算重心の位相を偶数ラインと奇数ラインとで180度ずらしている。こうする事で、加算後のGの水平画素ピッチ(サンプリングピッチ)はpとなり、水平方向のナイキストリミットは非加算時と同等の1/2pとなる。
RとBについては、水平方向に隣接する2画素を加算することにより、水平方向の画素数が1/2に減少したのと同等となり、サンプリングピッチも2pとなる。従って、RとBの2次元ナイキストリミットは、図4(C)に示すように、水平垂直ともに1/4pとなり、水平解像度と垂直解像度は同等となる。これらの2次元ナイキストリミットはベイヤ配列のものと同等である。
すなわち、本発明の第3の実施例の第2の加算方法によれば、画素ずらし配置の固体撮像装置を用いた2画素加算により、半分の画素数のベイヤ配列の固体撮像装置と同等の画像を得ることが可能である。
図5は、本発明の第3の実施例の第2の加算方法による水平画素加算を説明するための図である。図5(A)は、本発明の第3の実施例の第2の加算方法による水平画素加算の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。図5(B)は、加算を行わないときの各色のナイキストリミットを示すグラフであり、図5(C)は、第3の実施例の第2の加算方法による水平加算を行ったときの各色のナイキストリミットを示すグラフである。
なお、カラーフィルタ配列は図4(A)に示すものと同様なので、加算を行わないときのナイキストリミットは、図4(B)に示すものと同様である。
この第3の実施例の第2の加算方法においては、RとBの各々の水平加算の組み合わせを空間位相が180度ずれるように選択した点が第1の加算方法と異なる。すなわち、第1Rラインと第2Rラインの加算重心の空間位相は180度異なる。また、第1Bラインと第2Bラインの加算重心の空間位相は180度異なる。このような組み合わせで、RとBを水平加算することにより、RとBのそれぞれの水平方向のサンプリングピッチはpとなり、水平方向のナイキストリミットは1/2pとなる。従って、第1の加算方法に比べて、水平加算による解像度の低下を抑えることができる。
なお、第3の実施例の第1の加算方法及び第2の加算方法のいずれにおいても、2画素加算を行うことにより、信号量が約2倍になるので、実効的感度も2倍となる。
図6は、本発明の第4の実施例による水平画素加算の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。
第4の実施例では、図11に示す従来の固体撮像装置200と同様のカラーフィルタ配列において、解像度を決定するG画素の水平2画素加算の組み合わせを図に示すように、水平ラインごとに空間位相を180度異なるようにする。このような組み合わせを採用することにより、従来のカラーフィルタ配列においても、水平加算後の解像度の劣化を最小限に食い止めることができる。
図7は、本発明の第1の実施例の第1の変形例による画素加算を説明するための図である。図7(A)は、図2(A)に示すカラーフィルタ配列において水平垂直方向に隣接する4画素加算を行う場合の第1の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。図7(B)は、第5の実施例による4画素加算を行ったときの各色のナイキストリミットを示すグラフである。
この変形例では、Gの加算重心の位相を水平ラインごとに合わせているので、加算後のGの水平画素ピッチ(サンプリングピッチ)は2pとなり、水平方向のナイキストリミットは1/4pとなる。また、垂直加算後の垂直サンプリングピッチも2pとなり、垂直方向のナイキストリミットも1/4pとなる。よって、2次元ナイキストリミットは、図7(B)に示すように、水平垂直方向ともに1/4pとなり、水平垂直方向で等しくなる。
RとBについては、加算により水平方向のサンプリングピッチは2倍の2pとなり、垂直方向のサンプリングピッチは、pと3pの繰り返しとなるが、マクロに見て平均化すれば、2p相当のサンプリングピッチとなる。従って、図7(B)に示すような2次元ナイキストリミットを近似的に得ることができる。この4画素加算により、RGBのそれぞれについて、非加算時の解像度の1/2の解像度が得られる。また、4画素加算を行うことにより、信号量が約4倍になるので、実効的感度も4倍となる。
図8は、本発明の第1の実施例の第2の変形例による画素加算を説明するための図である。図8(A)は、図2(A)に示すカラーフィルタ配列において水平垂直方向に隣接する4画素加算を行う場合の第2の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。図8(B)は、第5の実施例による4画素加算を行ったときの各色のナイキストリミットを示すグラフである。
この変形例では、第1の変形例と異なり、Gの加算重心の位相を偶数ラインと奇数ラインとで180度ずらしている。こうする事で、加算後のGの水平画素ピッチ(サンプリングピッチ)はpとなり、水平方向のナイキストリミットは非加算時と同等の1/2pとなる。その他の組み合わせは、第1の変形例と同様である。このようにすることで、実効的感度を非加算時の4倍にするとともに、解像度を決定するGの解像度を非加算時と同等に保つことが出来る。
以上、本発明の実施例によれば、水平2画素加算を水平方向に隣接する2画素間で行い、且つ、解像度に主として寄与する画素(例えば、G画素)の加算をラインごとに空間位相をずらして行うことにより、解像度の劣化を最小限に抑えて、2倍の感度の画像信号を得ることができる。
なお、通常の撮像では、本発明の実施例による加算動作を標準とすることにより、フレームレートを高めた(例えば、連写)信号を取り出すことができ、且つ映像信号を格納する格納メディアの容量を節約することができる。
なお、通常撮影時、又は暗いシーンの撮影時には、画素を加算して感度を高めた画像を出力し、特に解像度を必要とする場合には、加算動作を行わないで、全画素の信号を独立して出力することもできる。
さらに、画素の加算回数を増やすことにより、感度を優先した映像を適宜出力することができる。
なお、実施例ではCCD型固体撮像装置を例に説明したが、これに限らず、例えば、CMOSが他個体撮像装置においても、本発明を適用することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明の第1の実施例による固体撮像装置100の概略平面図である。 本発明の第1の実施例による水平画素加算を説明するための図である。 本発明の第2の実施例による水平画素加算を説明するための図である。 本発明の第3の実施例の第1の加算方法による水平画素加算を説明するための図である。 本発明の第3の実施例の第2の加算方法による水平画素加算を説明するための図である。 本発明の第4の実施例による水平画素加算の組み合わせを示す受光領域2の概略平面図である。 本発明の第1の実施例の第1の変形例による画素加算を説明するための図である。 本発明の第1の実施例の第2の変形例による画素加算を説明するための図である。 従来の固体撮像装置800の概略平面図である。 従来のITCCD固体撮像装置800により読み出される信号配列を示す概念図である。 従来の固体撮像装置200の概略平面図である。 従来の固体撮像装置200により読み出される信号配列を示す概念図である。
符号の説明
2…受光領域、4…周辺回路、12…光電変換素子、14…垂直電荷転送装置、20…ラインメモリ、23…水平加算回路、100…固体撮像装置

Claims (8)

  1. 2次元状に配列される多数の画素と、
    前記各画素に対応して配列される複数色のカラーフィルタであって、少なくとも解像度を決定する主たる色において、水平或いは垂直方向に隣接する2画素に対応する色が同一となるように配列されるカラーフィルタと
    を有する固体撮像装置。
  2. 前記カラーフィルタの配列は、水平或いは垂直方向に隣接する2画素に対応する色が同一である請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記複数色のカラーフィルタは、緑色カラーフィルタと赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタとを含み、
    前記緑色のカラーフィルタは、正方或いは直方格子点上に配置され、
    前記赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタは、水平方向に2つ一組で交互に配列されるとともに、緑色のカラーフィルタに対して、空間位相が180度異なる請求項1又は2記載の固体撮像装置。
  4. 前記複数色のカラーフィルタは、緑色カラーフィルタと赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタとを含み、
    前記緑色のカラーフィルタは、正方或いは直方格子点上に配置され、
    前記赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタは、緑色のカラーフィルタで形成される水平ライン間に交互にライン状に配列されるとともに、緑色のカラーフィルタに対して、空間位相が180度異なる請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  5. 少なくとも解像度を決定する主たる色に対応する水平方向に隣接する2画素の信号を加算するに際して、該加算の空間的組み合わせを加算後の隣接する水平ライン間で空間位相が180度異なるように加算する請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置の動作方法。
  6. 4画素加算を行う際には、水平及び垂直方向に隣接する同一色のカラーフィルタに対応する4画素を加算する請求項5記載の固体撮像装置の動作方法。
  7. 4画素加算を行う際には、水平及び垂直方向に隣接する同一色のカラーフィルタに対応する4画素を加算し、少なくとも解像度を決定する主たる色において該加算の加算重心が加算後の水平ラインごとに空間位相が互いに180度異なる請求項5記載の固体撮像装置の動作方法。
  8. 標準撮影状態或いは暗いシーンの撮影時には、画素を加算して出力し、特別に解像度を必要とする場合には、全画素を独立して出力する請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体撮像装置の動作方法。
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