JP2006041247A - 充填金属部付き基板の製造方法および製造装置ならびに充填金属部付き基板 - Google Patents

充填金属部付き基板の製造方法および製造装置ならびに充填金属部付き基板 Download PDF

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Abstract

【課題】微細孔に金属を充填するにあたり、微細孔内への異物の侵入をなくす。
【解決手段】一方の面4に開口してなる微細孔5を備え、前記一方の面4および前記微細孔5の内面が絶縁性を有する基板1(a)を用い、前記微細孔5に金属を充填する方法であって、基板1の一方の面4に第1の金属層11を形成する第1の金属層形成工程(b)と、前記微細孔5に充填されるとともに前記第1の金属層11上を覆うように第2の金属層12を形成する第2の金属層形成工程(c)と、少なくとも備えたことを特徴とする充填金属部付き基板の製造方法による。本発明においては、さらに、第1の金属層11および第2の金属層12からなるランド部15及び/又は配線部を設けるパターニング工程を行うことができる(d)。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細孔に金属が充填されてなる充填金属部付き基板の製造方法および製造装置ならびに充填金属部付き基板に関する。
従来、基板の両面に形成された配線パターンを接続するための貫通電極を形成する方法として、貫通孔または非貫通孔である微細孔を基板に形成し、この微細孔の開口部の周縁に充電金属の流出を防止するための金属層からなるランド部を形成したのち、微細孔内に溶融金属を充填することにより、金属が充填された微細孔を形成する方法がある。微細孔が非貫通孔である場合には、金属の充填後、基板の裏面側から研磨またはエッチングを行うことにより微細孔の底部を露出させて充填金属が基板を貫通するようにする。
図3を参照して、従来の微細孔への金属充填方法の一例を説明する。図3において符号1は基板である。図3(a)に示すように、基板1は、例えばシリコンからなる半導体層2の表面に酸化膜3(SiO)が形成されてなる半導体基板である。この基板1には、該基板1の一方の面4に開口するように微細孔5が形成されている。
まず、微細孔5の開口部6の周縁部7にランド部を形成するため、図3(b)に示すように、基板1の前記一方の面4上にスパッタリングなどにより第1の金属層11を形成する。
次いで、フォトリソグラフィー等を利用したパターニングにより、図3(c)に示すように、微細孔5の開口部6の周縁部7上にランド部15が残るように、ランド部15となる部分以外の余分な第1の金属層11を除去する。
さらに、基板1を溶融金属中に浸漬して該溶融金属を冷却固化する等の方法により、図3(d)に示すように、微細孔5内に充填金属部13を形成する。ここで、微細孔5の開口部6の周縁部7にランド部15を形成する意味は、基板1がシリコンやガラス等である場合に、基板1の表面に対する溶融金属の濡れ性が低いため、微細孔5内に溶融金属を充填しにくく、充填できても微細孔5からの溶融金属の流出が簡単に生じてしまうので、溶融金属との濡れ性が良好な金属層からなるランド部15を微細孔5の開口部6の周縁部7に設けることにより、微細孔5内に充填された溶融金属が流出しにくくなるようにするものである。基板1を溶融金属中に浸漬して取り出したときに、基板1の一方の面4上に余分な溶融金属が乗ったまま残ることがあるが、ランド部15が存在せず、基板1が露出された部分では、基板1を若干傾けるなどすることにより、溶融金属を流出させることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−168859号公報
しかしながら、従来の微細孔への金属充填方法では、ランド部を形成するために金属層11のパターニングを行うので、レジスト、現像液、剥離液、エッチャント等の異物が微細孔内に侵入し、洗浄しても除去が難しいことがある。レジストとして液体レジストを用いた場合、塗布の際にレジストが微細孔に侵入することを防止することは難しい。レジストとしてフィルムレジストを用いた場合、剥離の際にレジストの破片などが微細孔に侵入するおそれがある。
上記のような異物が微細孔内に残留したまま金属の充填を行った場合、充填不良や貫通配線の導通不良を引きおこすおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微細孔への異物の侵入のない充填金属部付き基板の製造方法および製造装置ならびに充填金属部付き基板を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、一方の面に開口してなる微細孔を備え、前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板を用い、前記微細孔に金属を充填する方法であって、前記基板の一方の面に第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように第2の金属層を形成する第2の金属層形成工程と、第1の金属層および第2の金属層からなるランド部及び/又は配線部を設けるパターニング工程とを、少なくとも備えたことを特徴とする充填金属部付き基板の製造方法を提供する。
また、本発明は、一方の面に開口してなる微細孔を備え、前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板を用い、前記微細孔に金属を充填する方法であって、前記基板の一方の面に第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように第2の金属層を形成する第2の金属層形成工程とを、少なくとも備えたことを特徴とする充填金属部付き基板の製造方法を提供する。
上記の充填金属部付き基板の製造方法において、前記第2の金属層形成工程は、前記第2の金属層形成工程は、前記基板上に第1の金属層が形成されてなる金属層付き基板の周囲の雰囲気圧を減圧する減圧工程と、減圧状態を保ったまま前記金属層付き基板を溶融金属中に浸漬する金属浸漬工程と、前記溶融金属の雰囲気圧を加圧して、前記減圧状態における雰囲気圧との雰囲気圧差により前記微細孔内に溶融金属を充填する加圧工程と、前記金属層付き基板を、前記基板の一方の面の向きが鉛直上向きを保つような姿勢で前記溶融金属の外に取り出す基板取り出し工程と、前記金属層付き基板上の溶融金属が冷却固化しないように加熱した状態で、鉛直方向に延在する回転軸線を中心として前記金属層付き基板を回転させる基板回転工程と、前記金属層付き基板の回転を止めて前記金属層付き基板を徐冷することにより前記溶融金属を硬化させる金属硬化工程とを、少なくとも備えることが好ましい。
前記第1の金属層形成工程は、ドライプロセスによってなされることが好ましい。
また、本発明は、基板の一方の面に微細孔が開口しているとともに前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1の金属層とを有する金属層付き基板を用い、前記微細孔に金属を充填する装置であって、溶融金属が貯留された溶融金属槽と、前記溶融金属槽を収容したチャンバーと、前記チャンバーの内部を減圧する減圧手段と、前記金属層付き基板を、前記一方の面の向きが鉛直上向きを保つような姿勢に載置することができるステージと、前記ステージに前記金属層付き基板を固定することができる基板固定手段と、前記ステージ上に載置された前記金属層付き基板が、前記溶融金属槽内に浸漬された状態と、前記溶融金属の外に取り出された状態との両方を取ることができるように、前記ステージを前記溶融金属槽に対して上下移動させることができる上下機構と、鉛直方向に延在する回転軸線を中心として前記ステージを回転させることができる回転機構と、前記ステージ上の前記金属層付き基板を加熱および徐冷することが可能な温度制御手段とを備えることを特徴とする充填金属部付き基板の製造装置を提供する。
また、本発明は、基板の一方の面に微細孔が開口しているとともに前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1の金属層と、前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように設けられた第2の金属層とを備え、前記第1の金属層および第2の金属層が、前記基板の一方の面の全面を覆うように形成されていることを特徴とする充填金属部付き基板を提供する。
また、本発明は、基板の一方の面に微細孔が開口しているとともに前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1の金属層と、前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように設けられた第2の金属層とを備え、前記第2の金属層の表面が前記基板の一方の面に対してほぼ平行であり、前記第1の金属層および第2の金属層の側面が同一面をなしているとともに前記基板の一方の面に対してほぼ垂直であることを特徴とする充填金属部付き基板を提供する。
本発明によれば、ランド部や配線部のパターニングを溶融金属の充填工程の後に行うため、現像液、剥離液、エッチャント等の異物が微細孔内に侵入するおそれがない。このため、異物による微細孔内の濡れ性の悪化に起因する金属の充填不良をなくすことができる。また、貫通電極にその導通を妨げる異物が介在することを防止することができるので、導通不良や高抵抗値不良の発生を改善することができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1を参照して、本発明に係る充填金属部付き基板の製造方法の一例を説明する。
図1(a)に示すように、基板1には、該基板1の一方の面4(以下、単に「基板表面」という場合がある。)に開口するように微細孔5が形成されている。
基板1の厚さは、例えば数百μm程度である。微細孔5の口径は、例えば数十μm程度である。微細孔5の深さは、例えば数百μm程度であり、かつ基板1の厚さ以下である。基板1に形成される微細孔5の数は特に制限されない。
ここでは、基板1は、例えばシリコン(Si)からなる半導体層2の表面に絶縁膜3(例えばSiOからなる酸化膜やSiNなど)が設けられてなる半導体基板である。絶縁膜3は、基板表面4および微細孔5の内面に設けられている。これにより、基板1は、基板表面4および微細孔5の内面が絶縁性を有する。
なお、基板1としては、半導体基板に限定されることなく、ガラス基板やセラミック基板などを用いることも可能である。基板1全体が絶縁性を有する場合は、半導体層2と絶縁膜3という区別はなされない。
図1(b)に示すように、第1の金属層形成工程として、基板表面4の全面又はほぼ全面に第1の金属層11を形成する。これにより、第1の金属層11を備えた金属層付き基板8が得られる。
第1の金属層11は、基板表面4(ここでは絶縁膜3)と密着性のよい金属を下層に、充填金属(後述する第2の金属層12を構成する金属)に対する濡れ性の良い金属を上層に有する2層構成の金属層とすることが好ましい。また、基板表面4と充填金属の双方に対して濡れ性の良い金属があれば、1層構成の金属層を採用することもできる。
基板表面と密着性のよい金属(導電体)としては、Cr,Ti,TiN,TiW等が挙げられる。また、充填金属に対する濡れ性の良い金属(導電体)としては、Au,Ni,Au−Snなどが挙げられる。第1の金属層11の厚さ(第1の金属層11が2層以上から構成される場合は、合計の厚さ)としては、例えば200nm〜1μmである。
第1の金属層11の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法または2つ以上の方法の組み合わせを用いることができる。第1の金属層形成工程は、好ましくは、スパッタリング法等のドライプロセスによってなされることが好ましい。ドライプロセスによれば。薄い金属層を容易に成膜でき、しかも膜厚の制御を精度よく行うことができる。
図1(b)では、第1の金属層11は、基板表面4にのみ形成されたように図示したが、スパッタリング法によって第1の金属層11を形成することにより、微細孔5の内面の一部または全部まで第1の金属層11が形成するようにすることもできる。第1の金属層11が微細孔5の内面にも設けられた場合、微細孔5の内面の濡れ性が改善され、溶融金属が微細孔5からの流出がより確実に防止されるので、好ましい。
次いで、第2の金属層形成工程として、微細孔5に充填されるとともに第1の金属層11上を覆うように第2の金属層12を形成する。第2の金属層12は、微細孔5に金属が充填されてなる充填金属部13と、第1の金属層11上に金属が堆積されてなる堆積金属部14とを有する。第2の金属層形成工程により、充填金属部付き基板10Aが得られる。
ここで、第2の金属層12を構成する金属(充填金属)としては、Au−Sn20wt%、Au−Sn90wt%、Inなど、比較的低融点かつ低蒸気圧のものが好ましい。堆積金属部14の膜厚は、例えば1〜10μm程度である。
第2の金属層形成工程は、詳しくは後述するが、概略を述べると、上記の金属層付き基板8を溶融金属(図示略)中に浸漬したのち該金属層付き基板8を溶融金属中から取り出して前記溶融金属を徐冷により硬化させることにより、行うことができる。なお、第2の金属層形成工程を実施する方法及び装置の一例については後に詳しく説明する。
さらに、パターニング工程として、図1(d)に示すように、前記第2の金属層形成工程で得られた充填金属部付き基板10Aをもとにして、第1の金属層11および第2の金属層12からなるランド部15及び/又は配線部(図示略)を設ける。これにより、ランド部15及び/又は配線部を有する充填金属部付き基板10Bを得ることができる。
ここでは、図1(d)に示すように、第1の金属層11および第2の金属層12のうち、少なくとも微細孔5の開口部6の周縁部7に残すようにして、不要な部分を除去する。これにより、第1の金属層11および第2の金属層12からなるランド部15が微細孔5の開口部6の周縁部7に形成される。
ランド部15の寸法は、基板表面4に沿う平面形状の直径として、例えば30〜120μmである。隣接するランド部15同士のギャップとしては、両ランド部15間の短絡を避けるためには、約100〜120μm程度(下限値の範囲)またはそれ以上を確保することが好ましい。
ランド部15の平面形状は、円形に限定されるものではなく、楕円形、四角形など、所望の平面形状とすることができる。さらに、ランド部15以外にも、ランド部15と接続された導通配線部や、ランド部15と接続のないダミー配線部(図示略)などをパターニングの際に残して形成することもできる。
第1の金属層11および第2の金属層12の不要な部分の除去は、ウエットエッチングやドライプロセス等により行うことができる。
本発明によれば、図1(d)に示すように、堆積金属部14の表面17が基板表面4に対してほぼ平行であり、第1の金属層11および堆積金属部14の側面18が同一面をなしているとともに該側面18が基板表面4に対してほぼ垂直である充填金属部付き基板10Bを得ることができる。このような充填金属部付き基板10Bによれば、ランド部15及び/又は配線部の側面付近での堆積金属部14の表面17の高さが、微細孔5の直上における堆積金属部14の表面17の高さと同程度であるため、該金属層11,14と導通するように他の配線を設けた場合、境界面における空隙の発生や抵抗の増大を抑制することができる。
なお、本発明においては、堆積金属部14の表面17と側面18とからなる角部を斜めにエッチングするなどして面取りすることもできる。
金属の充填後、充填金属部13が基板1を貫通するように基板1の裏面側から研磨またはエッチングを行うことにより、貫通電極が設けられてなる貫通電極付き基板(図示略)を得ることができる。
次に、上述の第2の金属層形成工程を実施する方法および装置について、図2を参照して説明する。
図2に示す製造装置20は、溶融金属21が貯留された溶融金属槽22と、前記溶融金属槽22を収容したチャンバー23と、前記チャンバー23の内部を減圧する減圧手段(図示略)と、金属層付き基板8を前記一方の面4の向きが鉛直上向きを保つような姿勢に載置することができるステージ24と、前記ステージ24に金属層付き基板8を固定することができる基板固定手段(図示略)と、前記ステージ24上に載置された金属層付き基板8が、溶融金属槽22内に浸漬された状態と、溶融金属の外に取り出された状態との両方を取ることができるように、ステージ24を溶融金属槽22に対して上下移動させることができる上下機構(図示略)と、鉛直方向に延在する回転軸線を中心としてステージ24を回転させる(図2(f)参照)ことができる回転機構(図示略)と、ステージ24上の金属層付き基板8を加熱および徐冷することが可能な温度制御手段(図示略)とを備える。
前記減圧手段としては、例えばチャンバー23に接続された真空ポンプ(図示略)などを用いることができる。
前記基板固定手段としては、例えば、ステージ24上に載置された金属層付き基板8を、該金属層付き基板8の側面及び/又は上面(前記一方の面4)でチャッキングして固定するチャッキング機構(図示略)などを用いることができる。
前記上下機構としては、ステージ24の下側に設けられた支柱25を上下させる油圧あるいは空気圧等によるシリンダ(図示略)などを用いることができる。
前記回転機構としては、ステージ24の下側に設けられた支柱25をその中心軸線の周りに回転させるモータ(図示略)などを用いることができる。
前記温度制御手段としては、例えば、ステージ24に内蔵されたヒータ(図示略)などを用いることができる。
図2に記載の装置を用いて、第2の金属層形成工程を実施するには、まず、図2(a)に示すように、金属層付き基板8をチャンバー23内に入れ、微細孔5の開口部6が上を向くようにしてステージ24上に載置して、金属層付き基板8を前記基板固定手段により固定する。
さらに、減圧工程として、チャンバー23内を前記減圧手段によって減圧する。
次いで、金属浸漬工程として、図2(b)に示すように、チャンバー23内の減圧状態を保ったまま、金属層付き基板8を溶融金属槽22内の溶融金属21中に浸漬する。
次いで、加圧工程として、図2(c)に示すように、前記減圧手段を停止して、例えば窒素ガス(N)等の不活性ガスによりチャンバー23内の圧力を大気圧(大気圧程度またはそれより高い圧力)に戻す。すると、図2(b)の減圧状態における雰囲気圧との圧力差によって、図2(d)に示すように、微細孔5内に溶融金属21が充填される。これにより、空隙のない金属充填が実現できる。
なお、溶融金属槽22は、溶融金属21を撹拌する撹拌装置を備えても良い。溶融金属槽22が撹拌装置を備えた場合、溶融金属21の酸化によって生じ得る酸化物が溶融金属21の液面にたまったり、溶融金属21の温度にムラが生じたりすることを抑制することができる。
次いで、基板取り出し工程として、図2(e)に示すように、基板1の一方の面4(微細孔5が開口した側の面)の向きが鉛直上向きを保つような姿勢のまま金属層付き基板8を溶融金属槽22の外に取り出す。これにより、溶融金属槽22内の溶融金属21の一部が第1の金属層11上に堆積したまま金属層付き基板8が引き上げられる。説明の都合上、以下の説明では、金属層付き基板8上に堆積した溶融金属を符号16として、溶融金属槽22内の溶融金属21と区別することにする。
このように、金属層付き基板8を水平に保って取りだすことにより、取り出しの際に、微細孔5内に充填された溶融金属16が微細孔5外に流出しにくくなる。
次いで、基板回転工程として、図2(f)に示すように、前記回転機構により、鉛直方向に延在する回転軸線を中心として金属層付き基板8を回転させる。回転の際には、金属層付き基板8上に堆積した溶融金属16が冷却固化しないように、前記温度制御手段により金属層付き基板8を加熱する。これにより、金属層付き基板8上の溶融金属16に遠心力が与えられ、金属層付き基板8上の余分な溶融金属16が金属層付き基板8の外側に除去される上、溶融金属16を第1の金属層11上に薄く広げることができる。
ステージ24の回転数としては、例えば100〜5000rpmとすることができる。余分な溶融金属16が金属層付き基板8の外側に除去されるための回転数は、溶融金属16を第1の金属層11上に薄く広げるための回転数よりも高速に設定することができる。例えば、回転の開始直後には徐々に回転速度を上げ、溶融金属16を第1の金属層11上に薄く広げるために適した回転速度で安定させる。溶融金属16が第1の金属層11上でスリバチ状に広がり、基板1の周縁部における溶融金属16の厚さが回転中心部付近における溶融金属16の厚さよりも厚くなったときに、一時的に回転速度を高くして、基板1の周縁部から余分な溶融金属16を振り落とすことができる。基板1の表面に溶融金属16に対する濡れ性の良い第1の金属層11が設けられているため、溶融金属16が過度に振り落とされることはない。
なお、前記温度制御手段は、金属層付き基板8が溶融金属槽22の外に取り出した後に基板1の加熱を開始することもできるが、金属層付き基板8が溶融金属21に浸漬されているときから金属層付き基板8の加熱を開始しておくと、金属層付き基板8上の溶融金属16が冷えにくく、好ましい。
次いで、図2(g)に示すように、溶融金属16が第1の金属層11上に薄く広がり、層厚が均一化された後、金属硬化工程として、ステージ24の回転を止めて徐冷を開始する。徐冷は、例えば、前記温度制御手段による加熱温度を徐々に低下させることにより行うことができる。最終的に、金属層付き基板8上の溶融金属16が硬化することにより、図2(f)に示すように、微細孔5に金属が充填されてなる充填金属部13と、第1の金属層11上に金属が堆積されてなる堆積金属部14とを有する第2の金属層12が形成される。
堆積金属部14の膜厚は、例えば1〜10μm程度である。本発明を利用して成膜することにより、膜応力が100〜200MPa程度の堆積金属部14が得られ、スパッタ成膜に匹敵する良好な金属膜が得られる。
本形態例の充填金属部付き基板の製造方法によれば、ランド部のパターニングを溶融金属の充填工程の後に行うため、現像液、剥離液、エッチャント等の異物が微細孔内に侵入するおそれがない。このため、異物による微細孔内の濡れ性の悪化に起因する金属の充填不良をなくすことができる。また、貫通電極にその導通を妨げる異物が介在することを防止することができるので、導通不良や高抵抗値不良の発生を改善することができる。
しかも、第1の金属層上に堆積した溶融金属が冷却固化する前に、鉛直方向に延在する回転軸線を中心として充填金属部付き基板を回転させることにより、基板上に堆積した溶融金属を薄く、均一な膜にすることができる。従って、金属の収縮による応力を基板(ウエハ)全体に分散し、基板の割れや破壊を抑制することができる。
さらに、本形態例の充填金属部付き基板の製造方法および装置によれば、下記に列挙する効果が得られる。
(1)回転機構を用いて、鉛直方向に延在する回転軸線を中心として基板を回転させることにより、基板表面上の余分な溶融金属を除去するとともに、基板表面に堆積した溶融金属を薄く、均一な膜厚にすることができるため、金属の収縮による応力を基板(ウエハ)全体に分散することができる。これにより、基板の割れや破壊を抑制することができる。
(2)温度制御手段を用いて、基板の回転時に基板を加熱することにより、基板上の溶融金属の硬化を防止することができる。従って、温度変化による金属の収縮やこれによる基板の破壊を抑制することができる。
(3)金属の充填および基板の回転の後に、基板の回転を止めて基板を徐冷することにより、基板上に堆積した溶融金属および微細孔内に充填された溶融金属の収縮による基板の破壊を抑制することができる。
(4)上下機構を用いて、基板の一方の面の向きが鉛直上向きを保つような姿勢で基板を溶融金属槽の外に取り出すので、基板を傾ける従来の方法と比較して、微細孔内に充填された溶融金属が微細孔の外に出にくく、微細孔の先端部分に隙間ができるような問題が起こりにくくなる。これにより、金属が微細孔の先端まで充填され、導通性に優れる貫通配線を得ることができる。また、従来の方法では、基板の径が大きくなるほど微細孔からの金属の流出が顕著になり、導通不良が多くなりやすいが、本発明においては、基板を垂直に引き上げるので、基板の径の大小によらず製造が可能になり、基板が大口径になっても有利である。
(5)基板固定手段を用いて基板をステージに固定することにより、回転時に基板がステージから落下することがない。また、基板を水平なステージに固定することにより、重量がある溶融金属が基板上に堆積しても、基板の破損が防止できる。
(6)溶融金属槽に対してステージを上下移動させることができる上下機構を備えることにより、基板をステージ上に載置したまま溶融金属層から取り出すことが容易である。
第1の金属層形成工程と第2の金属層形成工程とによって得られる充填金属部付き基板によれば、第1の金属層と第2の金属層をパターニングすることにより、所望の形状のランド部及び/又は配線部を形成することができる。微細孔への金属の充填が完了しているので、従来の製造方法によって得られる充填金属部付き基板で第1の金属層のみをパターニングする場合と比較して、ランド部の寸法や形状が充填金属の流出防止に必要な面積を確保する必要が無く、ランド部の設計の自由度が向上するという効果が得られる。
本発明は、シリコンICチップなどを積層する高密度三次元実装あるいは配線に用いられ、基板の両面に形成された配線パターンを接続するための貫通電極の形成に利用することができる。
本発明の充填金属部付き基板の製造方法の一例を説明する工程図である。 第2の金属層形成工程の詳細の工程の一例を説明する工程図である。 従来の充填金属部付き基板の製造方法の一例を説明する工程図である。
符号の説明
1…基板、4…一方の面(基板表面)、5…微細孔、8…金属層付き基板、10A,10B…充填金属部付き基板、11…第1の金属層、12…第2の金属層、13…充填金属部、15…ランド部、20…製造装置、21…溶融金属、22…溶融金属槽、23…チャンバー、24…ステージ。

Claims (7)

  1. 一方の面に開口してなる微細孔を備え、前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板を用い、前記微細孔に金属を充填する方法であって、
    前記基板の一方の面に第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、
    前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように第2の金属層を形成する第2の金属層形成工程と、
    第1の金属層および第2の金属層からなるランド部及び/又は配線部を設けるパターニング工程とを、
    少なくとも備えたことを特徴とする充填金属部付き基板の製造方法。
  2. 一方の面に開口してなる微細孔を備え、前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板を用い、前記微細孔に金属を充填する方法であって、
    前記基板の一方の面に第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、
    前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように第2の金属層を形成する第2の金属層形成工程とを、
    少なくとも備えたことを特徴とする充填金属部付き基板の製造方法。
  3. 前記第2の金属層形成工程は、
    前記基板上に第1の金属層が形成されてなる金属層付き基板の周囲の雰囲気圧を減圧する減圧工程と、
    減圧状態を保ったまま前記金属層付き基板を溶融金属中に浸漬する金属浸漬工程と、
    前記溶融金属の雰囲気圧を加圧して、前記減圧状態における雰囲気圧との雰囲気圧差により前記微細孔内に溶融金属を充填する加圧工程と、
    前記金属層付き基板を、前記基板の一方の面の向きが鉛直上向きを保つような姿勢で前記溶融金属の外に取り出す基板取り出し工程と、
    前記金属層付き基板上の溶融金属が冷却固化しないように加熱した状態で、鉛直方向に延在する回転軸線を中心として前記金属層付き基板を回転させる基板回転工程と、
    前記金属層付き基板の回転を止めて前記金属層付き基板を徐冷することにより前記溶融金属を硬化させる金属硬化工程とを、
    少なくとも備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の充填金属部付き基板の製造方法。
  4. 前記第1の金属層形成工程は、ドライプロセスによってなされることを特徴とする請求項1ないし3にいずれかに記載の充填金属部付き基板の製造方法。
  5. 基板の一方の面に微細孔が開口しているとともに前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1の金属層とを有する金属層付き基板を用い、前記微細孔に金属を充填する装置であって、
    溶融金属が貯留された溶融金属槽と、
    前記溶融金属槽を収容したチャンバーと、
    前記チャンバーの内部を減圧する減圧手段と、
    前記金属層付き基板を、前記一方の面の向きが鉛直上向きを保つような姿勢に載置することができるステージと、
    前記ステージに前記金属層付き基板を固定することができる基板固定手段と、
    前記ステージ上に載置された前記金属層付き基板が、前記溶融金属槽内に浸漬された状態と、前記溶融金属の外に取り出された状態との両方を取ることができるように、前記ステージを前記溶融金属槽に対して上下移動させることができる上下機構と、
    鉛直方向に延在する回転軸線を中心として前記ステージを回転させることができる回転機構と、
    前記ステージ上の前記金属層付き基板を加熱および徐冷することが可能な温度制御手段とを備えることを特徴とする充填金属部付き基板の製造装置。
  6. 基板の一方の面に微細孔が開口しているとともに前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1の金属層と、前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように設けられた第2の金属層とを備え、前記第1の金属層および第2の金属層が、前記基板の一方の面の全面を覆うように形成されていることを特徴とする充填金属部付き基板。
  7. 基板の一方の面に微細孔が開口しているとともに前記一方の面および前記微細孔の内面が絶縁性を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1の金属層と、前記微細孔に充填されるとともに前記第1の金属層上を覆うように設けられた第2の金属層とを備え、前記第2の金属層の表面が前記基板の一方の面に対してほぼ平行であり、前記第1の金属層および第2の金属層の側面が同一面をなしているとともに前記基板の一方の面に対してほぼ垂直であることを特徴とする充填金属部付き基板。
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